説明

蛋白質核外輸送阻害物質のスクリーニング方法

【課題】簡便かつ確実に新規の核外輸送阻害物質を同定するための新しい技術手段を提供する。
【解決手段】真核細胞における蛋白質の核外輸送を阻害する物質をスクリーニングする方法であって、(1)レポーター蛋白質と核外輸送シグナル(NES)ペプチドの融合体を真核細胞内で発現させ、(2)候補物質を真核細胞内に導入し、(3)レポーター蛋白質のシグナルが真核細胞の核内に位置する場合に、候補物質を目的物質として同定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質核外輸送阻害物質のスクリーニング方法と、この方法に使用する真核細胞に関するものである。また本発明は、新規な核外輸送シグナル(NES)ペプチドのスクリーニング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
真核細胞には、大きくわけて核と細胞質が存在し、核と細胞質は核膜で隔てられている。核内では細胞のDNAより遺伝子の転写が行われ、転写されたRNAは核膜孔(Nuclear Pore Complex, NPC)を通って核外に運ばれ、リボソーム上で蛋白質に翻訳される。翻訳された蛋白質は細胞内で様々な機能を担っており、それぞれの機能に応じて細胞膜上、細胞質、核内へと運ばれる。
【0003】
蛋白質が核内へ運ばれる方法は大きく分けて2通りある。受動輸送と能動輸送である。受動輸送は、比較的低分子の蛋白質がNPCを拡散で通過する現象であり、能動輸送は比較的高分子の蛋白質に主に見られる輸送形態であり、細胞における細胞質から核への輸送にかかわる様々な蛋白質によって行われるエネルギー依存的プロセスである。この能動的核内移行にはNLS(Nuclear Localization Signal:核移行シグナル)とよばれる配列が重要であり、宿主細胞のimportinとよばれる蛋白質と結合することで核移行が行われる。
【0004】
蛋白質が核外へ運ばれる方法も大きくわけて2通(受動輸送と能動輸送)である。前者は核移行と同様に拡散で通過する現象である。後者では核外輸送NES(Nuclear Export Signal:核外輸送シグナル)の配列を持った蛋白質が宿主細胞の核外輸送因子Exportin/CRM1と直接結合し、能動的に核外輸送が行われる。核内移行にくらべて、核外移行に関与する因子および経路については余り知られていない。蛋白質の能動的核外輸送としてこれまでに認知されている唯一の経路は、このCRM1依存的経路とよばれるものである。CRM1依存的核外輸送を特異的に阻害する薬剤としては、レプトマイシンBが主に知られるのみであり、その他はほとんど報告がない。
【0005】
レプトマイシンB(LMB)は、放線菌より、真菌の形態異常を指標とした抗真菌抗生物質の探索から発見された(非特許文献1)。分裂酵母では20ng/mLという低濃度で増殖停止・形態伸長を引き起こす(非特許文献2)。動物細胞にも細胞周期のG1アレストを誘導するとともに抗腫瘍活性を示すことで知られていた(非特許文献3、4)。
一方、このような細胞周期への作用とは全く独立に、LMBがNES配列とCRM1の結合を阻害する、蛋白質の能動的核外輸送阻害作用があることが発見された(非特許文献5)。このことよりLMBの核外輸送阻害剤としての利用が始まったが、培養細胞レベル(in vitro)では効果的に核外輸送を阻害するが、LMBが疎水性の高い構造をしているため、生体内では効果が大きく減弱することが問題点とされている。現在までCRM1依存的核外輸送阻害剤といえば、実験室レベルでも主としてLMBしか使用されていない。またLMBは脂溶性の問題等より臨床応用されている核外輸送阻害剤は皆無である。
【非特許文献1】Hamamoto, T. et al. J. Antibiotics 36, 639- (1983)
【非特許文献2】Hamamoto T. et al. J Antibiotics 36, 646- (1983)
【非特許文献3】Komiyama K et al. J. Antibiotics 38, 427- (1985)
【非特許文献4】Yoshida M et al. Exp. Cell Res. 187, 150- (1990))
【非特許文献5】Kudo N et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 96, 9112- (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
蛋白質の核外輸送は生体の恒常性の維持や癌細胞の増殖、生体(細胞)に感染するいくつかの病原性ウイルスの増殖に重要な役割を果たしており、特異的阻害剤の開発は臨床上も極めて有用であると期待されるが、核外輸送阻害を作用点とした薬剤はこれまで医薬品として応用されたことは皆無である。従って、有用な阻害剤候補がみつかればこの点を作用点とした様々な薬の開発が可能になると考えられる。特に、NESをもった蛋白質としてはインフルエンザウイルスNS2蛋白質、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)Rev蛋白質等が知られており、これらの蛋白質はウイルス増殖に重要な役割を果たしていることから、核外輸送阻害を作用点とする新規抗ウイルス剤の開発も期待される。
【0007】
なお、NES配列を持った蛋白質に対する新規の阻害剤は、蛋白質の局在を観察することによって探索することができる。すなわち、NES配列を持った蛋白質は、核から細胞質へと能動的に輸送されるため、通常LMB存在下で培養することにより、核外への移行が阻害され、核への蓄積(局在の変化)が観察される。従って、候補物質を培地に添加した場合に、LMB添加と同様に蛋白質の核外移行が阻害されれば、その候補物質と核外輸送阻害物質として特定することができる。蛋白質の細胞内での局在、挙動を知る方法としては、細胞に抗体を反応させ、蛍光標識2次抗体を結合させ、蛍光の局在をみることで蛋白質の局在を間接的に観察する間接蛍光抗体法が広く用いられている。この方法は手間と時間を要し、細胞の固定方法や界面活性剤による細胞膜透過処理により、観察される局在に違いがでること、多数検体を処理するのが困難などの問題点があった。
【0008】
従って、本発明は、簡便かつ確実に新規の核外輸送阻害物質を同定するための新しい技術手段を提供することを目的としている。
【0009】
また、現在までに蛋白質のNESと結合する主要な核外輸送因子はCRM1しかみつかっていない。しかし、既知のCRM1結合NES配列のほかにも新たなNES配列が見いだされれば、その新規NES配列と結合する新しい核外輸送因子を特定し、その因子に対する特異的阻害剤の開発が可能となるものと期待される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための手段として、真核細胞における蛋白質の核外輸送を阻害する物質をスクリーニングする方法であって、
(1)レポーター蛋白質と核外輸送シグナル(NES)ペプチドの融合体を真核細胞内で発現させ、
(2)候補物質を真核細胞内に導入し、
(3)レポーター蛋白質のシグナルが真核細胞の核内に位置する場合に、候補物質を目的物質として同定する、
ことを特徴とする蛋白質核外輸送阻害物質のスクリーニング方法を提供する。
【0011】
このスクリーニング方法においては、NESペプチドが、その1または複数のアミノ酸残基を欠失、他のアミノ酸残基に置換、または1または複数のアミノ酸残基を付加した変異NESペプチドであることを態様の一つとしている。
【0012】
さらに本発明は、レポーター蛋白質とNESペプチドの融合体を細胞内で発現する真核細胞を提供する。この真核細胞は、前記融合体をコードするDNAを染色体DNAに組込んだものであることを好ましい態様としている。さらにこの真核細胞においては、NESペプチドが、その1または複数のアミノ酸残基を欠失、他のアミノ酸残基に置換、または1または複数のアミノ酸残基を付加した変異NESペプチドであることを一つの態様としている。また、このような真核細胞の具体例として前記融合体を染色体DNAに組込んだイヌ腎臓由来Madin-Darby Canine Kidney(MDCK)細胞を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のスクリーニング方法によれば、レポーター蛋白質とNESペプチドの融合体(以下、Rep-NESと記載することがある)の細胞内局在を指標として、候補物質の核外輸送阻害活性を評価する。Rep-NESの局在はレポーター蛋白質のシグナルを目視することによって観察可能である。例えばレポーター蛋白質として緑色蛍光蛋白質(GFP)を用いた場合には、GFP-NESの細胞内での局在は、適切な励起光(GFPで通常用いられている励起光に準ずる)を当てることにより、明るい緑色の蛍光を発するので目視での観察が容易である。
【0014】
また、細胞の固定を必要とせず、生きたまま観察が可能であり、局在の変化(阻害剤の効果)を短時間(15〜30分)で判定することができる。さらに、多数の細胞を同一に対象とすることができるため、ハイスループットのアッセイが可能である。
【0015】
Rep-NESを染色体DNAに組込んだMDCK細胞は、細胞分裂を経てもRep-NESが安定に維持される安定発現細胞株なので継代による維持が容易である。しかもMDCK細胞は、通常の真核細胞培養に用いられているイーグル培地(MEM)で維持が可能で、接着細胞のなかでも付着性がよく、扱いやすい。細胞倍加時間も18-24時間程度と、良く増殖する。
【0016】
さらに、変異NESを使用することで、様々な作用点をもつ物質のスクリーニングにも対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
レポーター蛋白質としては、例えば、公知の緑色蛍光蛋白質(GFP)、青色蛍光蛋白質(CFP)、黄色蛍光蛋白質(YFP)、赤色蛍光蛋白質(RFP)やそれらの変異体等から適宜に選択することができる。また、発光蛋白質(例えば、ホタルルシフェラーゼ、クリックビートルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼやそれらの変異体等)を使用することもできる。これらのレポーター蛋白質は、そのアミノ酸配列や、それをコードするcDNAが公知(例えばGenBankデータベース等)である。
【0018】
核外輸送シグナル(NES)ペプチドは、例えば、実施例に示したヒトPKIα蛋白質等のNES配列部分(LALKLAGLDI)を使用することができる。またインフルエンザウイルスNS2蛋白質、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)Rev蛋白質等のNES配列部分を使用することもできる。さらに、GenBankデータベースには「Nuclear Export Signal」として298個の蛋白質が登録されている。NES活性の中心であるNESペプチドのアミノ酸配列基本構造は、8−9アミノ酸からなり、具体的にはL X (1-2) LX2 LXLである。ただし、Lはロイシン、Xは任意のアミノ酸である。Lの代わりにメチオニンM,バリンV,イソロイシンIとなる場合もある。任意のアミノ酸Xの数が異なる場合もある。さらに、既にNES配列として報告されているものでは、これより数アミノ酸長い配列全体を指す場合もある。本発明においては、これら公知のNES蛋白質からNESペプチドを選択して使用することができる。また、変異NESペプチドは、公知のNESペプチドをコードするDNAを対象として変異導入型のPCR法により変異ペプチドを作成するなどの方法で取得することができる。
【0019】
レポーター蛋白質とNESペプチドの融合体(Rep-NES)は、例えば、レポーター蛋白質をコードするDNAとNESペプチドをコードするDNAを連結し、この融合DNAを真核細胞の核内で発現させる。すなわち、真核細胞発現ベクターに前記のDNAを連結挿入し、このベクターを真核細胞内に公知の方法で導入する。発現ベクターとしては、例えば、pKA1、pCDM8、pSVK3、pSVL、pBK-CMV、pBK-RSV、EBVベクター、pRS、pYE82などのベクターが使用可能である。また発現ベクターを真核細胞に導入するには、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、カチオニックリポゾーム法、DEAEデキストラン法など公知の方法を用いることができる。
上記例で、発現ベクターに、真核細胞での安定発現細胞株選択のための適切な抗生物質耐性遺伝子がコードされていない場合は、前記のDNAを連結挿入したベクターとともにネオマイシン耐性pCMV-neo、ハイグロマイシン耐性pCMV-Hygなどのベクターを一緒に導入(コトランスフェクション)する。
【0020】
真核細胞としては、動物、植物、菌類、原生生物の細胞を使用することがきるが、哺乳動物細胞が好ましく、特に実施例に示したイヌ腎臓由来Madin-Darby Canine Kidney(MDCK)が好ましい。それは第一に、付着細胞であるため顕微鏡での形態観察が容易であること、第二に、細胞自体が哺乳動物細胞の中でも比較的大きい方であるので、核と細胞質が通常の光学顕微鏡ではっきりと識別が可能であること、第三に哺乳動物細胞の培養に広く用いられているMEM培地および血清で増殖が可能であること、第四に、付着性および増殖性が哺乳動物細胞の中でも比較的強いのでスクリーニング時にも扱いやすいこと、が挙げられる。
【0021】
本発明のスクリーニング方法における候補物質は、例えば、有機または無機の化合物(特に低分子量の化合物)、タンパク質、ペプチド等である。これらの物質は、機能や構造が既知のものであっても未知のものであっても、純粋な精製標品であっても、濃度や含有量が未知の混合物であってもよい。例えば、天然物由来の化合物であれば、細菌の培養液の上清(細菌の代謝産生物)、放線菌の培養液の上清(放線菌の代謝産生物)、植物からの抽出液などが考えられる。また、「コンビナトリアルケミカルライブラリー」は、目的物質を効率的に特定するための被験物質群として有効な手段である。コンビナトリアルケミカルライブラリーの調製およびスクリーニングは、当該技術分野において周知である(例えば、米国特許第6,004,617号;5,985,365号を参照)。さらには、市販のライブラリー(例えば、米国ComGenex社製、ロシアAsinex社製、米国Tripos, Inc.社製、ロシアChemStar, Ltd社製、米国3D Pharmaceuticals社製、Martek Biosciences社製などのライブラリー)を使用することもできる。また、他種多様な候補物質を、Rep-NES発現細胞の集団に適用することによって、いわゆる「ハイスループットスクリーニング」を実施することもできる。
【0022】
なお、以上の方法の方法における遺伝子工学および分子生物学的技術は、文献(例えばSambrook and Maniatis, in Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989; Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995等)に基づいて当業者であれば特段の困難性なく実施することができる。
【0023】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
クロンテック社GFP発現プラスミドに、PKIのNES配列を融合したプラスミドを作製した。具体的には、pEGFP-C1にヒトPKIα(GenBank/BC022265)のNES配列(LALKLAGLDI:SEQ ID No. 1)を、5’-aatttagccttgaaattagcaggtcttgatatcg-3’(SEQ ID No. 2)および5’-gatccgatatcaagacctgctaatttcaaggcta-3’(SEQ ID No. 3)のプライマーをin vitroリン酸化およびアニーリングさせてpEGFP-C1のBamHIサイトにライゲーションして作製した。このプラスミドを以下pEGFP-NESと呼ぶことがある。24ウエル細胞プレートにイヌ腎臓由来Madin-Darby Canine Kidney(MDCK)細胞をまき、37℃で一晩培養した。プラスミドpEGFP-NES 2μgとトランスフェクション試薬リポフェクタミン2000(invtrogen社)6μlおよび、Opti-MEM(Invitrogen社)100μlを加え、その溶液をMDCK細胞に添加した(トランスフェクション)。4時間後に培地交換し、MEM 5%血清の培養液におきかえた。37℃CO2インキュベータ中で24時間後、細胞をトリプシン処理でディッシュからはがし、90mmディッシュに細胞密度を変えてまきなおし、800ug/mLのG418(ナカライテスク)を含むMEM 5%血清培地中で安定発現細胞株を選択、コロニーを単離し、蛍光顕微鏡観察により細胞質での蛍光強度が高い細胞を選択した。pEGFP-C1にはG418耐性遺伝子がコードされているので、プラスミドが染色体に安定に組み込まれた細胞は生き残ることが出来るがそれ以外の細胞は死滅する。
【0025】
樹立したMDCK-GFP-NES細胞(GFPNES#5細胞株)はMEM培地に5%FBSを添加して維持した。
【0026】
核外輸送阻害剤感受性試験は、以下のように行った。培養ディッシュにGFPNES#5細胞株を播いて24時間後、既知の核外輸送阻害剤であるレプトマイシンB(LMB)を濃度を変えて添加し、その局在の変化を蛍光顕微鏡で経時的に観察を行い、撮像した(図1)。
【0027】
図1に示したように、LMB非添加(LMB(-))では、NES配列の働きにより、GFP-NESは細胞内では細胞質に輸送されているので、細胞質が比較的強く蛍光を発する局在が観察される。これに対し、LMBを300pg/mL、1、3、10ng/mLと濃度を変えて添加することにより、NES配列の働きが阻害されることにより、GFP-NESの核から細胞質への移行が阻害され、1ng/mLより核への蓄積が観察される。これまでの報告(Watanabe K et al., Virus Res 77, 31- (2001), Sato H et al., Virology 352, 121- (2006)等)で用いられている濃度(10ng/mL)では添加25分後より核への局在(蓄積)が観察された。この核への蓄積は24時間以上安定に観察できる。
【0028】
核外輸送阻害剤のスクリーニングは以下のように実施することが可能である。96ウエルプレートにMDCK-GFP-NES細胞株を播き、この培地に候補物質(たとえば予めフィルター濾過滅菌した、細菌の培養上清)を加えることでGFP蛍光の局在の変化がおきるかを観察することで行うことができる。多数検体をこなす為に、たとえば1万種類の細菌からの代謝産生物をスクリーニングする場合、予め10種類の細菌培養上清の混合液を1000種類作製する。まずこの1000種類の混合液を細胞培養液に添加し、GFP蛍光の局在変化を引き起こす混合液の候補を選び出し(1次スクリーニング)、候補となった混合液を今度は1種類ずつ個別に細胞培養液に添加し、GFP蛍光の局在変化を引き起こす代謝産生物をもつ細菌を選び出す(2次スクリーニング)。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】MDCK-GFP-NES細胞株を様々な濃度のLMBで処理した場合の緑色蛍光シグナルを観察した顕微鏡像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真核細胞における蛋白質の核外輸送を阻害する物質をスクリーニングする方法であって、
(1)レポーター蛋白質と核外輸送シグナル(NES)ペプチドの融合体を真核細胞内で発現させ、
(3)レポーター蛋白質のシグナルが真核細胞の核内に位置する場合に、候補物質を目的物質として同定する、
ことを特徴とする蛋白質核外輸送阻害物質のスクリーニング方法。
【請求項2】
NESペプチドが、その1または複数のアミノ酸残基を欠失、他のアミノ酸残基に置換、または1または複数のアミノ酸残基を付加した変異NESペプチドである請求項1のスクリーニング方法。
【請求項3】
レポーター蛋白質とNESペプチドの融合体を細胞内で発現する真核細胞。
【請求項4】
前記融合体をコードするDNAを染色体DNAに組込んだ請求項3の真核細胞。
【請求項5】
NESペプチドが、その1または複数のアミノ酸残基を欠失、他のアミノ酸残基に置換、または1または複数のアミノ酸残基を付加した変異NESペプチドである請求項3または4の真核細胞。
【請求項6】
イヌ腎臓由来Madin-Darby Canine Kidney(MDCK)細胞である請求項3、4または5の真核細胞。

【図1】
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【公開番号】特開2009−65909(P2009−65909A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238139(P2007−238139)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(507295587)株式会社AVSS (2)
【Fターム(参考)】