説明

蛍光インサイチューハイブリダイゼーション及びチップ技術のための核酸標識

本発明は、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション及びチップ技術のための核酸標識に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション及びチップ技術のための核酸標識に関する。
【0002】
背景/先行技術
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術の広範囲に及ぶ成功によって、微生物学研究は、常用の微生物学に対して分子生物学の応用のために待機している。このことは、分子生物学の固有の及び根本的な問題によって阻害されている。その精度のために、どのツール(プローブ)を選択するかを知る必要がある。その前提条件は、要求が、検出された生物に関して明記されるべきであることである。しかしながら、臨床試料において、2000を超える臨床上適切な病原体が、感染の原因物質であることは公知ではない。合理的なアプローチは、
・病巣が、生物を生じる問題の95%で生じなければならないこと
・どこで試料を取ったかが公知であり、かつ臨床データが存在している場合に、生物数が、2〜16まで減少されうること
・殆どの臨床試料における95パーセンタイルを覆う生物数が、約100程度であること
の問題を解決する。
【0003】
この基本原理は、DNA−プローブを基礎とするアッセイを通常の基剤に対して操作することを経済的に可能にする。
【0004】
微生物の群化、及び微生物の特異性又は範囲の存在/不在のための非常に急速な試験は、他の分野の微生物学的試験:血液銀行、医薬品産業、化粧品産業及び食品産業においても関連性がある。しばしば、同一生物は、規律及び反応条件を通して関連性があり、従って全てのプローブに関して標準化される必要がある。
【0005】
蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)による、又はチップ技術を使用するリボソームRNAの検出は、酵素増幅工程を使用しないDNA−プローブの感受性及び特異性を利用する効率的な方法を表す。FISHは、標準測定装置、例えば落射蛍光顕微鏡で検出される十分に強いシグナルを生じる標的のインサイチュー検出に対する次の2つのアプローチに依存する:
1.同一分子が、ある特異的オリゴヌクレオチド又はヌクレオチド類似体プローブと、それぞれのある蛍光体とを結合するために十分な数で細胞内に存在する
2.多数の蛍光体、例えば標識されたコスミドを運搬する大きなプローブ。
【0006】
微生物のそれぞれの環境における同定のためのFISH技術は、当業者によく知られている。病原体の検出のためのFISHの適用は、FISHが、速度及び費用効率において優れる、臨床微生物学及び感染学に対して特に関係がある。
【0007】
チップ技術でのrRNAの検出は、標的を増幅する必要性も軽減する。総rRNAは、試料から抽出され、かつチップ上に置かれる。特異的なプローブは、小さい表面積に濃縮され、かつそれぞれのrRNA分子を引きつけて、特異的な存在/不在シグナルを提供する。かかるチップを製造するために、経済的に生存可能なそれらは、出来るだけ少ない操作で繰り返し使用されることを要求する。さらに、プローブの特徴の標準化は、再現性のある結果の発生のために最重要である。
【0008】
常用の環境プローブにおいて受け入れられるためには、ある病気状態のための全てのプローブが、同一条件下で、ある容器(チップ、マイクロ流体装置、又はマイクロ滴定プレート)中で、又は容器上で同時に操作させることが出来る方法で設計されなければならない。プローブの設計において、及びプローブを経済的に生存可能にするために、あるプローブが、種々の病気状態に関連するものであってよいことを、考慮に入れなければならない。従って、1セットのプローブだけでなく全てのプローブが、同一のハイブリダイゼーション条件下で操作しなければならない。操作プローブの配列及び長さは、それに応じて試験されなければならない。
【0009】
操作プローブの選択及び定義は、単純な配列比較及び理論的Tm値の決定によって実施されることができない。適用されたアルゴリズムによって、幅広い設定の値は、標準化ハイブリダイゼーション条件に適切なプローブ配列の選択に対する誘導を全く提供しないことで得られる。
【0010】
プローブの質を左右するアルゴリズム及び因子の選択は、当業者に広く議論されている(1〜7)。他の誘導は、リボソームの3次元構造における配列と実際の位置との比較を要求されてよい。合理化に対する試みにおいて、Behrens et al(8)のプローブの設計は、ハイブリダイゼーション部位と3Åの助力によって影響を受けやすい実際のリボソームの3次元モデルとの相互関係を調査した。彼らの発見は、インサイチューでの操作において使用されるSDSが、圧倒的な変性作用を有することを示したが、2次元構造を予測したアルゴリズムによって取り込まれない。
【0011】
FISHとチップ技術との双方における他の問題は、その方法が、追加の運搬工程を要求する未結合プローブ、試薬及び時間を除去する厳しい洗浄工程を必要としることである。ハイブリダイゼーションの成功は、洗浄工程に適用された技術及び精度に大いに依存してよい。しかしながら、常用の適用は、最小の工程及び操作時間を必要とし、最も重要なことには、個々の技術と無関係であるべきである。
【0012】
工程の減少に対するある解決法は、オリゴヌクレオチド又はヌクレオチド類似体のヘアピン形成(分子標識)における蛍光共鳴エネルギー伝達("FRET")の適用であってよい。標識の開発に対するいくつかのアプローチは、当業者に公知であり、かつ彼らの解釈に対する一般化された記載が、自由に入手できる(13)。標識は、増幅酵素によって生じた鋳型の数の増加に対する溶液中でアニールする場合に、リアルタイムPCRにおいて広く使用されている(15)。わずかな試みのみが、膜上の細菌の検出/同定のための標識を生じさせている(14)。ある成功した標識は、ペプチド核酸(PNA)プローブで、細胞全体においてE.coliを検出するために構築された。関連するDNA−プローブは、適切な性能を提供することに失敗した(16)。他のPNA−標識の製造は、設計推奨において定められたようなオリゴヌクレオチドを基礎としたPNAの乏しい溶解性によって制限される(17)。
【0013】
特許CA 2176266号/EP 0745690号は、リアルタイムPCRのための万能ステムの構成に対する誘導を提供する(9)。驚くべきことに、前記の推奨は、インサイチューで微生物を同定するために設計されたプローブと合される場合に、作業標識を提供しない。リアルタイムPCRは、ISH(インサイチューハイブリダイゼーション)とチップとの双方が、固定された標的を要求する場合に、溶液中で実施される。それらの熱力学的な詳細は、インサイチューハイブリダイゼーション及びFRET要求と矛盾がない。従って、一般に作業ステムは、固定された標的での適用のために予測されることが出来なかった。従って、同一のISH条件下で作業する複数個の標識を達成するために、個々のオリゴヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を適合する特異的標識のために経験的に研究する必要があった。
【0014】
ISH−標識の断片において、前記のステムが、大きいタンパク質/RNA複合体、例えばリボソームでからませたRNAに対するハイブリダイズの精密な均衡を妨げないことに注意すべきである。結合部位の利用性は、当業者に広く論じられており、かつ(1)において要約されている。
【0015】
標識プローブの設計における他の制限は、ISHの製造中に細胞壁で生じる孔のサイズによって提供される。種々のプローブへの同一のステムの付加は、明瞭に個々の標識を生じる。複数のプローブは、既にヘアピンループを形成し、かつステムの付加は、"標識"形成を生じない。加えて、相補的な対を形成するための単純な付加基剤は、該ヘアピンが、ハイブリッド形成よりも熱力学的に好ましい範囲までTmを増大してよい。特定のステムは、Tmを、ハイブリッドのTmで、又はハイブリッドのTm未満で維持している間に、配列を標識形成体にすることを考案されるべきである。標識(13)の設計に関する教示は、1つの塩基対によるステムの長さの増加が、Tmを5℃だけ増加し、かつ該ステムのTmが、配列のハイブリダイズのTmと比較して10℃高くあるべきである事を示す。
【0016】
特定のrRNA配列に基づく、単一の微生物、例えばバクテリアでのFISHは、リボソームにおけるrRNAの立体障害のために困難であってよい。言い換えれば、ヘアピンを形成する標識は、埋没rRNA標的配列に対する乏しいアニールであってよい。
【0017】
従って、本発明の目的は、前記の欠点を、少なくとも部分的に克服する分子標識を提供することである。本発明において提供される解決法、及びそれらの好ましい実施態様は、請求項において記載されている。
【0018】
本発明の目的は、標的核酸配列とハイブリッドを形成することができ、かつ標的配列とハイブリッドが形成されない場合にステム−ループ構造を形成することができる核酸であって、該核酸は、
(a) (a1)標的核酸配列に対して相補的な配列、
(a2)ステムを形成することができる2つの相補的な配列の対
を含む核酸部と、
(b)エフェクター及びインヒビターを含み、その際、核酸がステム−ループ構造を形成する場合に、該インヒビターはエフェクターを阻害し、かつ核酸がステム−ループ構造を形成しない場合に、該エフェクターは活性がある核酸である。
【0019】
標的核酸配列とハイブリッドを形成することができ、かつ該標的配列とハイブリッドが形成されない場合にステム−ループを形成することができる本発明の核酸は、本明細書において"標識"、"分子標識"、"ヘアピン"、又は"ヘアピンループ"とも言い、その際"開放"型(ステムが形成されない)及び"閉鎖"型(標識がステムを形成する)が含まれる。該開放型は、標的配列とハイブリッドを形成しない標識、及び標的配列とハイブリッドを形成する標識を含む。
【0020】
特に、2つの相補的配列(a2)は、配列(a1)と隣接している、すなわち第一の配列(a2)が、配列(a1)の3’末端で付与され、かつ第二の配列(a2)が、配列(a1)の5’末端で付与される。
【0021】
前記の(a1)と標的配列とのハイブリッドは、本明細書において"同系(cognate)配列とのハイブリッド"又は"同系ハイブリッド"とも言われる。
【0022】
本発明において、前記エフェクターは、ステムを形成することができる2つの相補的配列の1つで付与されてよいが、一方で前記インヒビターは、他方の2つの相補的配列で付与されてよく、そのため実質的に該インヒビターは、ステムが形成される場合にエフェクター活性を阻害し、かつ該エフェクターは、ヘアピンが開いている場合に活性がある。有利には、該エフェクターは、それぞれ標識の5’末端もしくは3’末端で、又はそれぞれ5’末端もしくは3’末端に対して1、2、3、4、もしくは5ヌクレオチド離れている位置で、付与される。該インヒビターは、有利には、前記エフェクターによって覆われていない他方の末端で、すなわちそれぞれ3’末端もしくは5’末端で、又はそれぞれ3’末端もしくは5’末端に対して1、2、3、4、もしくは5ヌクレオチド離れている位置で、付与される。
【0023】
従って、本明細書において記載されているヘアピンループの設計は、本質的に当業者によく知られている標識とは異なる。
【0024】
本発明の標識と標的配列とのハイブリダイゼーションは、ループが開かれる条件下で、実施してよい。ハイブリダイズする場合にステムを形成しない標識は、標的rRNA配列に対してアニールすることができ、例えば、従って成功したハイブリダイゼーションを得ることができる。
【0025】
この目的は、例えば、実質的に同系ハイブリッド(すなわち標識と標的配列とのハイブリッド)のTmと同等である、又は同系ハイブリッドのTmよりも低い標識のTm(すなわちステムのTm)によって達成される。従って、該標的配列とのハイブリダイゼーションは、ステムが開かれる場合に、例えばハイブリダイゼーションが、実質的にMg2+を有さない条件下で実施される場合に、実施される。
【0026】
同系ハイブリッド、及び標識のステムの"実質的に同等のTm"は、5℃未満、有利には3℃未満、より有利には2℃未満、より有利には1℃未満、より有利には0.5℃未満、さらにより有利には0.2℃未満、最も有利には0.1℃未満で異なる融解温度に関する。
【0027】
標識の一部を形成する双方の、インヒビターによるエフェクターの阻害を達成するために、標的配列とハイブリダイズしないそれら標識分子において、ステム形成が、ハイブリダイゼーション反応後に生じてよい。これは、例えば、ΔG<0を有する標識によって達成されてよく、そしてヘアピンが同時に形成する。さらに、ステム形成は、本明細書において記載されているMg2+含有緩衝液での洗浄によって導入されてよい。
【0028】
特に、ヘアピンループは、標準化ハイブリダイゼーション条件下で(例えば実質的にMg2+がない条件下で)、前記の標識ステムが開き、その結果可能な立体制限が、ハイブリダイゼーション過程を阻害しない方法で、構築される。例えば、立体制限は、標的配列がrRNA配列である場合に存在してよい。エフェクターが蛍光体である場合に、該蛍光体は、リボソームタンパク質の極めて近くで消滅されない。
【0029】
ハイブリダイゼーション後のステム形成の誘導のための好適な条件は、例えばMg2+約1〜約20mM、よりいっそう詳述すればMg2+約5〜約15mM、さらに詳述すればMg2+約8〜約12mM、最も詳述すればMg2+約10mMを含有する、Mg2+含有緩衝液を含む。該緩衝液は、pH>8であってよい。
【0030】
さらに、前記の標識は、それら全体で機能し、かつ最近接及び積層効果がそれらの熱力学的性質において重大な影響を有するような、ステム及びループ中へ切り裂かれることはできない。本発明の好ましい標識は、表1において要約される。明らかに、好ましいステム配列が、ΔG、Tm、GC含有率又は同一種に対して選択された配列の長さとは無関係であることが示されている。
【0031】
本発明において、標準化条件に好適な標識の個々の構成のための熱力学的な詳述は、以下を示す:標識の形成のためのギブスエネルギー(ΔG)は、以下の方法で設計されるべきである
・該標識は、ハイブリッド条件下で、同系標的配列の不在下で自発的に形成する(ΔG<0)。
・同系ハイブリッドのΔGは、標識のΔGと比べて極めて低い(すなわちより消極的である)。
・標識のそれぞれのΔGは、ミスマッチの又は同系ではない配列よりも低い。
・標識の形成のためのTmは、標識のTmが、実質的にハイブリッドのTmよりも低い、又はハイブリッドのTmである方法で設計されるべきである。
【0032】
同系ハイブリッドのΔGが、ハイブリダイゼーション条件下で、約−17〜約−25kcal/mol、有利には約−18〜約−24kcal/mol、より有利には約−19〜約−23kcal/mol、最も有利には約−20〜約−22kcal/molの範囲であることが好ましい。
【0033】
ハイブリダイゼーション条件下で、同系ハイブリッドのΔGが、5kcal/mol以下、有利には3kcal/mol以下、より有利には2kcal/mol、及び最も有利には1kcal/molであることも好ましい。
【0034】
場合により、同系配列は、1つのアームのみが、標識形成を達成するために補われる必要がある場合に、自発的にヘアピンループを形成してよい。しかしながら、標的配列がrRNA配列であった場合に、これは、エフェクター、例えば発光体を潜在的にリボソームの消失タンパク質の近傍で与える。好ましい配置において、そのステムは伸長する。本明細書において記載されている熱力学的な詳述との一致のために、伸長ステムでさえも、方法は、規格内でTmとΔGとの双方を保持することを考案した。本発明によって、これは、少なくとも1つの不適合のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の導入によって達成されうる。本発明において、少なくとも1つの不適合ヌクレオチドの導入は、追加のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の導入によって高められてよく、その結果2つの完全な配列が、異なる長さを有し、かつステムが、"分枝鎖状"(例えば配列表番号:1における位置36を参照)になり、又は/かつ不適合のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体による適合ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の置き換えによって達せされてよい(例えば配列表番号:7における位置5を参照)。従って、本発明において、"ステムの形成が可能な完全配列"は、少なくとも1つの不適合ヌクレオチド、有利には1,2,3,4又は5つの不適合ヌクレオチドも含んでよい。
【0035】
表2から分かるように、本明細書に記載されている配列は、PNA−オリゴヌクレオチドの構成における前記の制限によって、PNA−標識として考案されることはなかった。前記の主な制限は、オリゴヌクレオチドの長さにおいて、十分に特異的な、及びハイブリダイズされない場合にループのリフォールディングを確実にするために十分な長さのステムを有することを要求した。従って、微生物のインサイチュー同定を確実にするために十分な親和性及び速さでハイブリダイズすることができるDNA−標識を考案する必要がある。
【0036】
本発明の標識は、PNA標識ではない。標識の主鎖は、有利には、核酸主鎖である。該標識は、核酸部において、又は/及びリンカーが存在する場合にリンカーにおいて、核酸類似体、例えばデオキシリボヌクレオチド類似体又はリボヌクレオチド類似体を含んでよい。この類似体は、有利には、糖成分、塩基又は/及びリン酸塩群において改質されたヌクレオチド類似体である。該ヌクレオチド類似体は、有利には、PNA構成単位ではない。
【0037】
臨床上の試料における前記の95パーセンタイルに続いて、病原体は、病気関連群中に分類されうる。それら生物に対してプローブは、特に全てのプローブが1つのチップ上で使用される場合に、前記の条件下で同時に作業するべきである。そのチップの適用は、同系の及びステムの特徴の双方の厳格な標準化を要求する。1つ以上のプローブ、すなわち少なくとも2つのプローブの組合せが使用される場合に、全てのプローブが、いくつかのスライド/チップ上で同時に作業するために設計されるべきである。
【0038】
本発明の他の目的は、少なくとも2、有利には少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、又は少なくとも50の標識を含む組合せである。その組合せは、表1の全ての標識に制限されないが、有利には最大で100、最大で80、最大で70、最大で60、最大で50、最大で40、最大で30、又は最大で20を含んでよい。
【0039】
本発明の組合せにおいて、該標識は、同一又は異なる標的配列を有してよい。個々の標識の標的配列が、異なることが好ましい。
【0040】
本発明の標識の組合せにおいて、(a2)の配列のハイブリッド、又は/及び標的配列との(a1)の配列のハイブリッドの個々の標識のΔG差は、同系配列に関して、最大で約4kcal/mol、有利には最大で3kcal/mol、より有利には最大で2kcal/mol、及び最も有利には最大で約1kcal/molであってよい。
【0041】
組合せにおいて、それぞれの同系配列に関するそれぞれの標識のTm値は、最大で約3℃だけ、有利には最大で約2℃、より有利には最大で約1℃異なってよい。
【0042】
本発明の組合せにおいて、個々の核酸は、均一に機能することが好ましい。"均一に機能すること"は、成功したハイブリダイゼーションが、本発明の種々の核酸プローブで、同一のハイブリダイゼーション条件下で、例えば標準化ハイブリダイゼーション条件下で達成されるうることを意味する。言い換えれば、均一な機能する本発明の核酸は、ハイブリダイゼーション条件の個々の最適化を要求しない。
【0043】
病気状態に依存して、ある病原体は、最も頻繁に、原因物質であり、かつ従って診断群に従われうる。ある病原体の付加又は除外は、95パーセンタイルに達するための地域疫学に依存して要求されてよい。表1の好ましいリストは、欧州及び殆どの北米国の要求を網羅する。
【0044】
さらに本発明の他の観点は、場合により要求されたハイブリダイゼーション試薬と共に、列挙された生物を検出するために要求される少なくとも2つの表1の標識を含有してよい、キット又はチップである。有利には、前記のチップ又はキットは、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、又は少なくとも50の標識を含有する。該キット又はチップは、最大で表1の標識の全てを、有利には最大で100、最大で80、最大で70、最大で60、最大で50、最大で40、最大で30、又は最大で20を含んでよい。
【0045】
列挙された生物の検出、計数及び同定のための分類及び得られるキットのリストは、表1において従う。
【0046】
前記標識は、チューブ、マイクロタイタープレート、濾過マイクロタイターウェル、スライド及びチップ中で実施されるために設計されたアッセイに適用されうる。その検出は、蛍光、時間分解蛍光で、多数の蛍光体で、及び電気化学酵素を使用して行われうる。
【0047】
FISHのための好ましい実施態様において、そのアッセイは、いくつかの試料を保持及び分離するために設計されたガラススライド上で実施される。
【0048】
本発明の他の目的は、ハイブリダイゼーション法であって、
(a)少なくとも1つのあらゆる本発明の核酸、又は本発明の核酸の組合せと、生物学的試料との接触し、
(b)核酸のステムが開く場合の条件下で、核酸又は(a)の核酸の組合せと該試料とのハイブリダイズ、例えば実質的にMg2+を有さない緩衝液でハイブリダイズし、そして
(c)該試料でハイブリッドを形成しない(a)の核酸分子におけるステム形成を可能にする条件、例えばマグネシウム含有緩衝液で、例えばpH>8で又は/及び室温で洗浄することをもたらすこと
を含むハイブリダイゼーション法である。
【0049】
該試料は、標識によって検出されるための核酸を含む疑いのある生物学的起源、例えば診断又は食品試料のあらゆる試料であってよい。該試料は、微生物、例えばバクテリア、酵母及び糸状菌、特に、グラム陽性菌又は/及びグラム陰性菌を含む試料であってよい。
【0050】
本発明のハイブリダイゼーション法において使用されるのは、本明細書において記載されているキット又はチップでもありうる。
【0051】
"実質的にMg2+を有さない"とは、Mg2+濃度1mM未満、有利には0.1mM未満、より有利には0.05mM未満、最も有利には0.01mM未満に関する。
【0052】
工程(c)における緩衝液は、Mg2+約1〜約20mM、より有利にはMg2+約5〜約15mM、さらに有利にはMg2+約8〜約12mM、最も有利にはMg2+約10mMを含んでよい。
【0053】
前記で示されている、実質的にMg2+を有さない溶液及びMg2+含有溶液の適用を含むあらゆる好適なハイブリダイゼーションプロトコルが適用されてよい。例えば、次のプロトコルが使用されてよい:診断試料のアリコートを、スライド上で定義された領域に適用する。有利には、10μlの定義された量を適用し、そして乾燥する。
1.該試料を、スライドに熱固定する。
2.グラム陽性生物が、十分に公表された明細書に従って、リゾチーム/リゾスタフィン消化を受ける。好ましい一実施態様において、該消化を、7分間、46℃で、加湿チャンバー中で操作する。
3.そして、孔を、例えば、数分間100%メタノール又はエタノールのスライドを浸漬することによって形成する。好ましい一実施態様において、メタノール又はエタノールを氷冷し、かつその浸漬時間は、グラム陰性菌に関して7分、グラム陽性菌に関して3分間である。
4.そして該スライドを、例えば55℃で、スライド加温装置上で乾燥する。
5.その標識を、(実質液にMg2+を有さなくてよい)ハイブリダイゼーション緩衝液中で溶解し、そしてスライドのそれぞれの領域にスライド加温装置上で適用する。
6.そして該スライドを、ハイブリダイゼーション緩衝液で加湿したハイブリダイゼーションチャンバー中へ置く。好ましい一実施態様において、該スライドを、疎水性カバーガラスで覆い、そして覆われたスライド加温装置上に46℃で12分間置く。
7.そして該スライドを、例えばpH>8で又は/及び室温で、マグネシウム含有緩衝液で洗浄する。その緩衝液は、主に、Mg2+約1〜約20mM、より有利にはMg2+約5〜約15mM、さらにより有利にはMg2+約8〜約12mM、最も有利にはMg2+10mMを含む。
8.そして該スライドを乾燥し、そして固定液で固定してよく、さらに例えば400×、600×、又は1000×の合計倍率で、落射蛍光顕微鏡下で読み取ることができる。
【0054】
万一、他の容器が、ハイブリダイゼーションのために使用される場合に、その検出は、当業者によく知られている、フローサイトメトリー又は自動蛍光読み取り機を介してよい。
【0055】
さらに、本発明の他の実施態様は、本発明の標識のチップ適用に関する。チップ適用のために、該標識は、キャリヤー表面に共有的に結合させられる必要がある。この機能のために、設計された標識の3’末端の塩基が、ビオチン化、又はタンパク質及び核酸化学の当業者によく知られている方法を使用して、ヘテロ−二官能性試薬によって酵素に結合されてよい。さらに、ビオチン化標識は、化学源を有さないで得られうるストレプトアビジン被覆チップに付加されてよい(19)。この適用において、それぞれのビオチン化ヘアピンループは、あるチップの多数の別個の領域、例えば少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、もしくは少なくとも500の領域、又は最大500、最大400、もしくは最大300の領域に結合させられうる。総RNAは、市販のキット(20)を使用して試料から抽出されることができ、かつハイブリダイゼーション条件下でチップに適用されうる。ハイブリダイゼーション後に、該チップは、例えばpH>8で、マグネシウム含有緩衝液で簡単に洗浄されうる。領域上の蛍光は、特異的な標的配列、例えば試料中のそれぞれの生物の存在を示す特異的なRNAの存在を示す。
【0056】
大量の常用の適用に対してハイブリダイゼーションアッセイを開始するためには、1つの再使用可能なチップ上で、大量の試料を分析することが必要である。該チップの設計は、大量生成、十分な質の調整、及び長期の保存性を可能にうる。
【0057】
それらの明細書を満たすために、本発明に他の実施態様において、本発明の標識は、特異的な反応を触媒作用することによってシグナルを発する酵素に共有的に結合される。特に、該酵素は、電子化学的シグナルを発してよい。好適な酵素は、制限されることなく、チロシナーゼ、ペルオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、グアニンオキシダーゼを含む。好適な一実施態様において、該酵素は、好熱性生物又は超好熱性生物の遺伝子配列から組換え的に誘導されて、その安定性をハイブリダイゼーション条件及び高温下で提供する(21)。該酵素は、標識分子の一方の末端で、標識と結合されてよい。該分子の他方の末端で、インヒビターが結合されてよく、酵素活性を阻害することができる。前記のヘアピンループに対して同系配列が存在しない場合に、該インヒビターは、酵素を阻害し、かつシグナルは発せられない。同系配列の存在においては、前記ループが、酵素からよく除去されたインヒビターで変性されないままであり、かつ該酵素は、当業者によく記述されている装置によって検出されうる電子化学的シグナルを発する。リンカーは、酵素又は/及びインヒビターの結合のために、例えばインヒビターの結合のために使用されてよい。
【0058】
他の好ましい一実施態様において、グルコースオキシダーゼは、前記のヘアピンループの一方の末端に結合され、かつグルコースオキシダーゼインヒビター、例えばアデニンヌクレオチド又はアデニンヌクレオチド類似体は、該ヘアピンループの他方の末端に結合される。アデニンヌクレオチドは、グルコースオキシダーゼの公知のインヒビターである(22、23)。リンカーは、グルコースオキシダーゼ又は/及びグルコースオキシダーゼインヒビターの結合のために、例えばグルコースオキシダーゼインヒビターの結合のために使用されてよい。前記のヘアピンループに対して同系配列が存在しない場合に、該インヒビター、特にアデニンヌクレオチドは、酵素を阻害し、かつシグナルは発せられない。同系配列の存在においては、前記ループが、酵素から十分に除去されたインヒビターで変性されないままであり、かつ該酵素は、当業者によく記述されている装置によって検出されうる電子化学的シグナルを発する。
【0059】
かかるアッセイを実施するために、それぞれ検出装置(チップ)上で規定された位置に適用されてよい、同一の特徴を有する多数の配列(表1)が開発される。総RNAは、抽出方法及びすぐに利用できる市販のキットを使用して試料から抽出され(20)、かつハイブリダイゼーション条件下でチップ上へ設置される。ハイブリダイゼーション後に、該チップを、基質緩衝液で、46℃で洗浄し、そしてそのシグナルを読み取る。そのサイクルの終わりで、全てのハイブリダイズされたRNAを、ハイブリダイゼーション緩衝液で高温で洗浄する。有利には、洗浄温度は、それぞれのTmより10℃高く選択される。好ましい一実施態様において、前記のチップを、60℃でハイブリダイゼーション緩衝液で洗浄する。そしてその温度は、46℃まで降下して、次の分析サイクルのために平衡にしてよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の標識配列を示す図。
【図2】PNA標識が、本発明において安定ではないことを示す図。
【図3】表1における様な同一条件下で作業し、かつ非常に類似した物理化学的条件を有する標識プローブのリストを示す図。
【0061】
説明
表1は、本発明の標識配列を記載している。略語:R&G:赤又は/及び緑の蛍光染料が、標識、例えばCy3又はFITC又はそれらの誘導体に結合されてよい。
【0062】
表2は、PNA標識が、本発明において安定ではないことを記載している。計算は、PNA標識である標識を仮定して、表1の配列で実施した。DNA標識と対照的に、全ての次の5つの判定基準が、満たされている:GC含有率<60%、<3塩基自己相補性、連続して4プリン、最大18の長さ、逆配列の回分構造又は繰り返し又はヘアピン。表2における"あり"("なし")は、判定基準が満たされる(満たされていない)事を示す。"最終"の蘭は、PNA標識が、本発明において安定である("あり")又は安定でない("なし")場合に示す。最終における"なし"は、5つの判定基準の1つが満たされていないことをしめす。"あり"は、全ての判定基準が満たされていることを示す。表2の全ての配列は、"なし"であると判定される。従って、表1の配列は、PNA標識において安定ではない。
【0063】
引用文献

【0064】

【0065】

【図1−1】

【図1−2】

【図1−3】

【図1−4】

【図1−5】

【図1−6】

【図1−7】

【図1−8】

【図1−9】

【図1−10】

【図1−11】

【図1−12】

【図1−13】

【図1−14】

【図1−15】

【図1−16】

【図1−17】

【図1−18】

【図1−19】

【図1−20】

【図1−21】

【図1−22】

【図1−23】

【図1−24】

【図1−25】

【図1−26】

【図1−27】

【図1−28】

【図1−29】

【図1−30】

【図1−31】

【図1−32】

【図1−33】

【図1−34】

【図1−35】

【図1−36】

【図1−37】

【図1−38】

【図1−39】

【図1−40】

【図1−41】

【図1−42】

【図1−43】

【図1−44】

【図1−45】

【図1−46】

【図1−47】

【図1−48】

【図1−49】

【図1−50】

【図1−51】

【図1−52】

【図1−53】

【図1−54】

【図1−55】

【図1−56】

【図1−57】

【図1−58】

【図1−59】

【図1−60】

【図1−61】

【図1−62】

【図1−63】

【図1−64】

【図2−1】

【図2−2】

【図2−3】

【図2−4】

【図2−5】

【図2−6】

【図2−7】

【図2−8】

【図2−9】

【図2−10】

【図2−11】

【図2−12】

【図2−13】

【図2−14】

【図2−15】

【図2−16】

【図2−17】

【図3−1】

【図3−2】

【図3−3】

【図3−4】

【図3−5】

【図3−6】

【図3−7】

【図3−8】

【図3−9】

【図3−10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的核酸配列とハイブリッドを形成することができ、かつ標的配列とハイブリッドが形成されない場合にステム−ループ構造を形成することができる核酸であって、該核酸は、
(a) (a1)標的核酸配列に対して相補的な配列、
(a2)ステムを形成することができる2つの相補的な配列の対
を含む核酸部と、
(b)エフェクター及びインヒビターを含み、その際、核酸がステム−ループ構造を形成する場合に、該インヒビターはエフェクターを阻害し、かつ核酸がステム−ループ構造を形成しない場合に、該エフェクターは活性がある、
核酸。
【請求項2】
前記の核酸が、インサイチューハイブリダイゼーション、特にFISHのために好適である、請求項1に記載の核酸。
【請求項3】
前記のハイブリダイゼーションが、細胞内で実施される、請求項1又は2に記載の核酸。
【請求項4】
固相に共有的に連結される場合に、前記の核酸が、標的核酸配列とのハイブリダイゼーションのために好適であり、その際該標的核酸配列が、有利には無細胞試料で提供される、請求項1に記載の核酸。
【請求項5】
前記の(a1)の標的核酸配列が、微生物の核酸配列である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項6】
前記の(a1)の標的核酸配列が、DNA配列又はRNA配列、特にrRNA配列である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項7】
実質的に前記の(a2)の2つの相補的な配列が、ステムを形成する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項8】
実質的に前記の(a1)の標的核酸配列に対して相補的な配列が、ループを形成する、請求項1から7までいずれか1項に記載の核酸。
【請求項9】
前記の(a1)の標的核酸配列に対する相補的な配列、及び(a2)の2つの相補的な配列の少なくとも1つが、有利には1、2、3、4又は5個のヌクレオチド又は/及びヌクレオチド類似体と部分的に重複する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項10】
前記の(a2)の配列のハイブリッドのTmが、前記の(a1)の配列と標的配列とのハイブリッドのTmと比べて実質的に同等である又は低い、例えば最大で約5℃、約4℃、約3℃、約2℃、又は約1℃低い、請求項1から9までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項11】
前記の(a2)の配列のハイブリッドのTmが、実質的にMg2+を有さない条件下で、前記の(a1)の配列と標的配列とのハイブリッドのTmと比べて実質的に同等である又は低い、請求項1から10までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項12】
前記の(a2)の配列のハイブリッドのΔGが、有利には標的配列の不在下で、0よりも小さい、請求項1から11までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項13】
前記の(a2)の配列のハイブリッドのΔGが、前記の(a1)の配列と標的配列とのハイブリッドのΔGよりも高い、請求項1から12までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項14】
前記の(a2)の配列のハイブリッドのΔGが、核酸と、ミスマッチ配列又は/及び標的配列とは異なる配列とのハイブリッドのΔGよりも低い、請求項1から13までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項15】
前記の(a1)の配列と(a1)の標的配列とのハイブリッドのΔGが、ハイブリダイゼーション条件下で、約−17〜約−25kcal/molの範囲である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項16】
前記のステム形成が、Mg2+の存在下で、特にMg2+約1〜約20mMの存在下で、さらに特にMg2+約5〜約10mMの存在下で、最も特にMg2+約8〜約10mMの存在下で、実施される、請求項1から15までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項17】
前記のインヒビターが、核酸部の一方の末端に共有結合し、かつ前記のエフェクターが、核酸部の他方の末端に結合する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項18】
前記のエフェクター又は/及びインヒビターが、リンカーによって核酸部に結合され、その際、有利にはリンカーは、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、アミノ酸、及びアミノ酸類似体から選択される構成単位を含む、請求項1から17までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項19】
前記のインヒビター及びエフェクターが、ステムの部分を形成しない、請求項1から18までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項20】
前記のエフェクターが、発光ラベルであり、特に蛍光ラベルであり、かつ前記のインヒビターが、クエンチャーである、請求項1から19までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項21】
前記のエフェクター及びインヒビターが、蛍光共鳴伝達技術のために好適である、請求項20に記載の核酸。
【請求項22】
前記のエフェクターが、酵素であり、かつ前記のインヒビターが、該酵素のインヒビターである、請求項1から19までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項23】
該酵素が、電子化学的シグナルを発する、請求項22に記載の核酸。
【請求項24】
該酵素が、有利にはチロシナーゼ、ペルオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、グアニンオキシダーゼからなる群から選択されるレポーター酵素である、請求項22又は23に記載の核酸。
【請求項25】
該酵素が、好熱性生物又は/及び超好熱性生物に由来する、請求項22から24までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項26】
該酵素が、組換え酵素である、請求項22から25までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項27】
該酵素がグルコースオキシダーゼであり、かつ前記のインヒビターが、アデニンヌクレオチドである、請求項22から26までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項28】
前記の核酸部(a)が、リボヌクレオチド、リボヌクレオチド類似体、デオキシリボヌクレオチド又は/及びデオキシリボヌクレオチド類似体からなり、その際ヌクレオチド類似体が、PNA構成単位とは異なる、請求項1から27までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項29】
前記の(a2)の2つの相補的な配列の少なくとも1つが、少なくとも1つの不適合ヌクレオチドを含む、請求項1から28までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項30】
前記の核酸部(a)が、表1の標識配列から選択される、請求項1から29までのいずれか1項に記載の核酸。
【請求項31】
請求項1から30までのいずれか1項に記載の少なくとも2つの核酸を含む組合せ。
【請求項32】
前記の(a2)の配列のハイブリッド、又は/及び前記の(a1)の配列と個々の核酸の標的配列とのハイブリッドのΔG値が、最大で約4kcal/molだけ異なる、請求項31に記載の組合せ。
【請求項33】
前記の(a2)の配列のハイブリッド、又は/及び前記の(a1)の配列と個々の核酸の標的配列とのハイブリッドのTm値が、最大で約3℃だけ異なる、請求項31又は32に記載の組合せ。
【請求項34】
前記の個々の核酸が、インサイチューハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするために要求されるハイブリダイゼーション条件下で均一に機能する、請求項31から33までのいずれか1項に記載の組合せ。
【請求項35】
前記の個々の核酸が、無機固相に共有的に連結される場合に、DNA又はRNAをハイブリダイズするために要求されるハイブリダイゼーション条件下で均一に機能し、その際DNA又は/及びRNAが、有利には無細胞試料で提供される、請求項31から34までのいずれか1項に記載の組合せ。
【請求項36】
前記の個々の核酸が、タンパク質に共有的に連結される場合に、DNA又はRNAをハイブリダイズするために要求されるハイブリダイゼーション条件下で均一に機能し、その際DNA又は/及びRNAが、有利には無細胞試料で提供される、請求項31から35までのいずれか1項に記載の組合せ。
【請求項37】
前記の個々の核酸が、ハイブリダイゼーション条件下で均一に機能し、その際前記のタンパク質が、核酸部の一方の末端に連結した酵素、及び他方の末端に連結した酵素インヒビターである、請求項36に記載の組合せ。
【請求項38】
前記の個々の核酸が、DNA又はRNAをハイブリダイズするために要求されるハイブリダイゼーション条件下で均一に機能し、その際前記の酵素が、好熱性生物又は/及び超好熱性生物に由来する酵素である、請求項36又は37に記載の組合せ。
【請求項39】
前記の酵素が、電子化学的シグナルを発する、請求項37又は38に記載の組合せ。
【請求項40】
ハイブリダイゼーション法であって、
(a)請求項1から30までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの核酸、又は請求項31から39までのいずれか1項に記載の核酸の組合せと生物学的試料とを接触し、
(b)核酸のステムが開く場合の条件下で、(a)の核酸又は核酸の組合せと前記試料とをハイブリダイズし、そして
(c)該試料とハイブリッドを形成しない前記の(a)の核酸分子におけるステム形成を可能にする条件をもたらすこと
を含むハイブリダイゼーション法。
【請求項41】
インサイチューハイブリダイゼーション、特にFISHである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
ハイブリダイゼーションが、細胞内で実施される、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
前記の試料が、検出されるべき微生物を含む、請求項40から42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記の核酸の標的核酸配列が、微生物の核酸配列である、請求項40から43までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記の標的核酸配列が、DNA配列又はRNA配列、特にrRNA配列である、請求項40から44までいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つの核酸が、固相に共有的に連結され、かつ前記の標的核酸が、有利には無細胞試料で提供される、請求項40から45までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
工程(b)が、実施的にMg2+を有さない緩衝液でのハイブリダイズを含む、請求項40から46までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
工程(c)が、Mg2+含有緩衝液での洗浄を含む、請求項40から47までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
工程(c)が、pH>8で、又は/及び室温での洗浄を含む、請求項40から48までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
請求項1から30までのいずれか1項に記載の核酸、又は請求項31から39までのいずれか1項に記載の組合せを含むキット。
【請求項51】
請求項1から30までのいずれか1項に記載の核酸、又は請求項31から39までのいずれか1項に記載の組合せを含むチップ。
【請求項52】
請求項22から27までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの核酸を含む、請求項51に記載のチップ。
【請求項53】
請求項27に記載の少なくとも1つの核酸を含む、請求項51に記載のチップ。
【請求項54】
電子化学的チップである、請求項50から53までのいずれか1項に記載のチップ。
【請求項55】
請求項1から30までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの核酸、請求項31から39までのいずれか1項に記載の組合せ、請求項50に記載のキット、又は/及び請求項51から54までのいずれか1項に記載のチップを、生物学的試料、例えばヒト、動物又は/及び食物源の生きている又は死んでいる大量の物質内で、1つの又は大量の生物、特に微生物の存在又は不在を同定するために用いる使用。
【請求項56】
ISH又は/及びFISHを含む、請求項55に記載の使用。
【請求項57】
診断使用である、請求項55又は56に記載の使用。
【請求項58】
少なくとも2つの核酸が、同一条件下で、同時に機能化する、請求項55から57までのいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2010−505429(P2010−505429A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531770(P2009−531770)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008811
【国際公開番号】WO2008/043543
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(509103624)ミアコム ディアグノスティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (3)
【氏名又は名称原語表記】miacom Diagnostics GmbH
【住所又は居所原語表記】Merowingerplatz 1a,D−40225 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】