説明

蛍光ランプおよび照明器具

【課題】器具内配線を短くするとともに部品点数を少なくしてコストダウンを図ることができ、着脱が容易な蛍光ランプおよび照明器具を提供する。
【解決手段】長手方向中央部に設けた口金部20で支持するとともに電気的に接続するので、器具内配線を短くしてコストダウンを図ることができるとともに、蛍光ランプ10を容易に着脱することができる。さらに、点灯回路21が口金部20に収容されているので、配線が不要であり、この蛍光ランプ10を用いることにより照明器具30の小型化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプおよび照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5(A)に示すように、従来の蛍光ランプ100は、発光部である4本のガラス管部101と、樹脂製の口金部102を備えている。各ガラス管部101は、口金部102から上方(図5(A)において下方)に立ち上がり、その後、2本ずつ横方向へ平行に正反対の方向に伸びて、直線状に配置されている。2本ずつのガラス管部101は、先端部付近に連通部103が設けられており、互いに接続されている。図5(B)に示すように、口金部102から上方へ4本のピン104が突出して設けられている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平3−16657号公報(第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の直管型の蛍光ランプでは、両端に口金部が設けられているため、少なくとも蛍光ランプと同じ長さの器具内配線が必要であり、配線が長くなるため面倒であるとともに、コストアップを招くという問題があった。また、蛍光ランプを口金部で取り付けるため、蛍光ランプが長くなると、着脱が難しくなるという問題があった。また、円環型の蛍光ランプの場合には、口金部以外に蛍光ランプを支持する部品が必要となり、部品点数が増加してコストアップを招くとともに、外観上も好ましくないという問題があった。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、器具内配線を短くするとともに部品点数を少なくしてコストダウンを図ることができ、着脱が容易な蛍光ランプおよび照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の蛍光ランプは、直管状に形成された複数の発光管部材が互いに平行に配列されているとともに、前記各発光管部材の端部同士を連結することにより連続し、かつ、屈曲する放電路が形成された発光管と、前記発光管の両端部を覆う口金部とを備え、前記口金部が、前記発光管の長手方向中央部に配置されているとともに、点灯回路が収容されている構成を有している。
【0006】
この構成により、直管状の複数の発光管部材を平行に配列し端部同士を連結して形成された屈曲した放電路の長さの発光管を、長手方向中央部に設けた口金部で支持するとともに電気的に接続するので、器具内配線を短くしてコストダウンを図ることができる。また、口金部が長手方向中央部にあるので、蛍光ランプを容易に着脱することができる。さらに、点灯回路が口金部に収容されているので、配線が不要であり、この蛍光ランプを用いることにより照明器具の小型化を図ることができる。
【0007】
また、本発明の蛍光ランプは、前記口金部に電源接続部が設けられているとともに、前記電源接続部が点灯回路を有する構成を有している。
【0008】
この構成により、器具内の配線が不要になり、照明器具の組み立てが容易になるので、コストの低減を図ることができる。
【0009】
また、本発明の蛍光ランプは、前記口金部に被保持部が設けられている構成を有している。
【0010】
この構成により、口金部に被保持部が設けられているので、電気的接続を行うとともに、機械的に保持することができ、蛍光ランプの交換作業性が向上する。
【0011】
また、本発明の蛍光ランプは、前記電源接続部がライティングプラグである構成を有している。
【0012】
この構成により、電源接続部がライティングプラグであるので、ライティングプラグに直接接続可能であり、器具の設計および設置が容易になる。
【0013】
また、本発明の蛍光ランプは、前記電源接続部が引っ掛けシーリングである構成を有している。
【0014】
この構成により、電源接続部が引っ掛けシーリングであるので、器具の設計および設置が容易になる。
【0015】
また、本発明の照明器具は、 前述した蛍光ランプのうちのいずれかを用いた構成を有している。
【0016】
この構成により、器具内配線を短くしてコストダウンを図ることができるとともに、口金部が長手方向中央部にあるので、蛍光ランプを容易に着脱することができる。さらに、点灯回路が口金部に収容されているので、配線が不要であり、照明器具の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、長手方向中央部に設けた口金部で支持するとともに電気的に接続するので、器具内配線を短くしてコストダウンを図ることができるとともに、蛍光ランプを容易に着脱することができる。さらに、点灯回路が口金部に収容されているので、配線が不要であり、この蛍光ランプを用いることにより照明器具の小型化を図ることができるという効果を有する蛍光ランプおよび照明器具を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態の蛍光ランプおよび照明器具について、図面を用いて説明する。
図1(A)は蛍光ランプの斜視図、図1(B)は図1(A)の蛍光ランプを用いた照明器具の断面図、図2は図1(A)中II−II位置の断面図、図3(A)はライティングプラグを有する蛍光ランプの斜視図、図3(B)はライティングダクトに取り付けた状態を示す斜視図、図4(A)は引っ掛けシーリングを有する蛍光ランプの斜視図、図4(B)は引っ掛けシーリング本体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0019】
図1(A)に示すように、蛍光ランプ10は、直管状に形成された複数の発光管部材11が互いに平行に配列されているとともに、各発光管部材11の端部同士をブリッジ部13で連結することにより連続し、かつ、屈曲する放電路14が形成された発光管12と、発光管12の両端部を覆う口金部20とを備えている。図2に示すように、図2において下側の発光管部材11aは、口金部20において端部同士が接続されており、各発光管部材11aの長さは蛍光ランプ10の全長の約半分である。一方、図2において上側の発光管部材11bは、口金部20を貫通しており、発光管部材11bの長さは、ほぼ蛍光ランプ10の全長と等しくなっている。
【0020】
図1(A)に示すように、口金部20は、発光管12の長手方向中央部に配置されており、この口金部20の内部には、電源接続部である電源端子25および点灯回路21が収容されている(図2参照)。図2に示すように、発光管部材11aの端部には、おのおのフィラメント22が設けられており、フィラメント22の両端が、導入線22aを介して点灯回路21に接続されている。図1(A)に示すように、口金部20の上面には、電源線挿入穴24が設けられており、例えば天井16の内部に配線されている電源線15が挿入され(図1(B)参照)て、図2に示すように、電源端子25に接続されている。電源端子25は、点灯回路21に接続されている。
【0021】
図1(B)に示すように、口金部20は、発光管12を発光管部材11の配列方向に直交する方向(上下方向)から挟持する二部材から構成されている。すなわち、口金部20は、発光管12の上面に当接する第1の部材20aと、発光管12の下面に当接する第2の部材20bに分割されており、発光管12を挟んで固定する。なお、第1部材20aと第2部材20bは、発光管12を挟んで接着剤やねじ止めで固定するようにする。
これにより、容易に口金部20を取り付けることができる。なお、口金部20の第1部材20aと第2部材20bの接合部分の外側面には、蛍光ランプ10を保持するための被保持部としての保持用溝23が、蛍光ランプ10の長手方向に沿って凹設されている。
【0022】
図1(B)に示すように、この蛍光ランプ10を用いた照明器具30では、蛍光ランプ10全体を覆う大きさの反射板31が、口金部20の上面に取り付けられており、中央部には電源線15を口金部20に挿入するための穴(図示省略)が設けられている。反射板31の中央部には、口金部20を保持するために、左右一対のランプ保持バネ32が下方に突出して設けられている。ランプ保持バネ32の下端部付近には、口金部20に設けられている保持用溝23を係止する係止突部33が内側に向けて設けられている。なお、ランプ保持バネ32は、対向する係止突部33、33が接近する方向に付勢されている。
従って、ランプ保持バネ32の係止突部33を口金部20の保持用溝に嵌合することにより、蛍光ランプ10を反射板31の下面に容易に保持することができる。
【0023】
このような本発明の実施の形態の蛍光ランプ10および照明器具30によれば、蛍光ランプ10を長手方向中央部に設けた口金部20で支持するとともに電気的に接続するので、器具内配線を短くしてコストダウンを図ることができる。また、口金部20が長手方向中央部にあるので、蛍光ランプ10を容易に着脱することができる。さらに、点灯回路21が口金部に収容されているので、配線が不要であり、この蛍光ランプ10を用いることにより照明器具30の小型化を図ることができる。
【0024】
また、口金部20に電源接続部である電源端子25が設けられているとともに、点灯回路21を有しているので、器具内の配線が不要になり、照明器具30の組み立てが容易になるので、コストの低減を図ることができる。
【0025】
また、口金部20に被保持部である保持用溝23が設けられているので、電気的接続を行うとともに、機械的に保持することができ、蛍光ランプ10の交換作業性が向上する。
【0026】
次に、蛍光ランプの別の形態に付いて説明する。
図3(A)に示すように、この蛍光ランプ10Bでは、口金部20の上側である第1の部材20aの上面に電源接続部であるライティングプラグ40が設けられている。ライティングプラグ40は、図3(B)に示すようなライティングダクト41に沿って移動可能となっている。ライティングプラグ40には、移動方向と直交する方向に2本の金属製の板状の端子40a、40aが突出して設けられており、端子40aの下方には所定の間隔でベース部40bが設けられている。なお、口金部20の内部には、点灯回路21が設けられている。
【0027】
一方、ライティングダクト41は、下面の一部が開口した矩形柱状の部材であり、例えば天井面や壁面に沿って取り付けられる。ライティングダクト41の内部には左右一対の端子受け部41aが長手方向に沿って設けられており、この端子受け部41aは電源に接続されて電力が供給されている。
従って、口金部20の上面に取り付けられているライティングプラグ40の端子40aを、ライティングダクト41の端子受け部41に挿入することにより、ベース部40bとの協働によって、蛍光ランプ10Bをライティングダクト41に移動可能に取り付けるとともに、電源に接続することができる。
【0028】
また、図4(A)に示すように、この蛍光ランプ10Cでは、口金部20の上側である第1の部材20aの上面に電源接続部である引っ掛けシーリング50が取り付けられている。引っ掛けシーリング50は、一対の引っ掛けシーリングプラグ51、51を有しており、プラグ51の先端は、L字状に折り曲げられて引っ掛け部51aが形成されている。引っ掛けシーリングプラグ51の下端部は、口金部20の内部において点灯回路21に接続されている。
【0029】
従って、図4(B)に示すように、引っ掛けシーリングプラグ51を、例えば天井面に取り付けられている引っ掛けシーリング本体52の引っ掛け穴52aに挿入して回転させることにより、引っ掛け部51aを引っ掛けて、蛍光ランプ10Cを引っ掛けシーリング本体52に取り付けるとともに、電気的に接続することができる。このため、蛍光ランプ10Cを容易に引っ掛けシーリング本体43に取り付けることができる。
【0030】
なお、本発明の蛍光ランプおよび照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明にかかる蛍光ランプおよび照明器具は、長手方向中央部に設けた口金部で支持するとともに電気的に接続するので、器具内配線を短くしてコストダウンを図ることができるとともに、蛍光ランプを容易に着脱することができる。さらに、点灯回路が口金部に収容されているので、配線が不要であり、この蛍光ランプを用いることにより照明器具の小型化を図ることができるという効果を有し、蛍光ランプおよび照明器具等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(A)は蛍光ランプの斜視図、(B)は図1(A)の蛍光ランプを用いた照明器具の断面図
【図2】図1(A)中II−II位置の断面図
【図3】(A)はライティングプラグを有する蛍光ランプの斜視図、(B)はライティングダクトに取り付けた状態を示す斜視図
【図4】(A)は引っ掛けシーリングを有する蛍光ランプの斜視図、(B)は引っ掛けシーリング本体に取り付けた状態を示す斜視図
【図5】(A)は従来の蛍光ランプの斜視図、(B)は図13(A)中B方向から見た斜視図
【符号の説明】
【0033】
10 蛍光ランプ
11 発光管部材
12 発光管
14 放電路
20 口金部
21 点灯回路
23 保持用溝(被保持部)
25 電源端子(電源接続部)
30 照明装置
40 ライティングプラグ(電源接続部)
50 引っ掛けシーリング(電源接続部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管状に形成された複数の発光管部材が互いに平行に配列されているとともに、
前記各発光管部材の端部同士を連結することにより連続し、かつ、屈曲する放電路が形成された発光管と、
前記発光管の両端部を覆う口金部とを備え、
前記口金部が、前記発光管の長手方向中央部に配置されているとともに、点灯回路が収容されていることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記口金部に電源接続部が設けられているとともに、前記電源接続部が点灯回路を有していることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記口金部に被保持部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記電源接続部がライティングプラグであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記電源接続部が引っ掛けシーリングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のうちのいずれかに記載の蛍光ランプを用いた照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−235214(P2008−235214A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77226(P2007−77226)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】