説明

蛍光ランプ用蛍光混合物、表示装置用蛍光ランプ、これを有するバックライトアセンブリ及び表示装置

【課題】蛍光ランプ用蛍光混合物、表示装置用蛍光ランプ、これを有するバックライトアセンブリ及び表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の蛍光ランプは、ランプ本体、蛍光層、及び放電電極を備える。ランプ本体は、紫外線の生成される放電空間が内部に形成される。蛍光層は、ランプ本体の内壁に形成されて紫外線を可視光線に変換する。放電電極は、ランプ本体の端部に配置されて放電空間に電圧を印加する。可視光線のスペクトラムは545nmの波長における強度(Intensity)と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.71:1の割合を有する。よって、色再現性及び輝度が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ用蛍光混合物、表示装置用蛍光ランプ、これを有するバックライトアセンブリ及び表示装置に係り、より詳細には蛍光ランプ用蛍光混合物、輝度及び色再現性を向上させた表示装置用蛍光ランプ、これを有するバックライトアセンブリ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄い厚さ、軽い重さ、低い駆動電圧、低い消費電力などの多様な特徴を有しているため、多様な分野において広く用いられている。
【0003】
液晶表示装置は、それ自体で光を生成しない受光(Passive type)素子である液晶表示パネルを含み、この液晶表示パネルに光を提供するバックライトアセンブリが要求される。
【0004】
バックライトアセンブリは冷陰極線管蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp:EEFL)、平板蛍光ランプ(Flat Fluorescent Lamp)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などの光源を含む。蛍光ランプは、低い価額、長い寿命、少ない発熱量などの特徴を有し、多様な大きさを有する液晶表示装置に広く用いられている。
【0005】
蛍光ランプは、電極、放電ガスの充填された放電空間、蛍光層などを含む。電極に放電電圧が印加されると、放電空間内の放電ガスが励起子を生成する。励起子によって生成された紫外線が蛍光層に入射すると、蛍光層から可視光線が放射される。
【0006】
蛍光層は、蛍光物質を含む。蛍光物質の種類によって可視光線の輝度、色相、色再現性などが変わる。色再現性は、液晶表示装置の色表現能力を示す基準に、CIE1976表色系、NTSC表色系などの色表現基準を対比した液晶表示装置の色表現能力が百分率で表示される。しかし、蛍光層が色再現性の高い蛍光物質を含む場合、可視光線の輝度が低下する。反面、蛍光層が輝度の高い蛍光物質を含む場合、可視光線の色再現性が低下する。
【0007】
可視光線は、赤色、緑色、及び青色を含み、赤色、緑色、及び青色のうち、一色の輝度及び色再現性の高い蛍光物質は残りの色の輝度又は色再現性を低下させるおそれがある。特に、従来の緑色蛍光体で生成される光の波長が不均一であるため、青色波長の光を攪乱させる問題が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は輝度及び色再現性を最適化した蛍光ランプ用蛍光混合物を提供することにある。
また、本発明は、輝度及び色再現性を向上させた表示装置用蛍光ランプを提供することにある。
また、本発明の目的は、この蛍光ランプを有するバックライトアセンブリを提供することにある。
更に、本発明の目的は、この蛍光ランプを有する表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴による蛍光混合物は、45〜50重量%の(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)と、29〜33重量%のY:Eu3+(YOX)と、20〜26重量%の(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)と、を含む。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴による蛍光ランプは、ランプ本体、蛍光層、及び放電電極を備える。前記ランプ本体は紫外線の生成される放電空間が内部に形成される。前記蛍光層は、(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)、Y:Eu3+(YOX)、及び(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)を含む蛍光混合物を有し、前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を可視光線に変換する。前記放電電極は前記ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する。
【0011】
前記可視光線のスペクトラムは、445nmの波長における強度(Intensity)と517nmの波長における強度とが1:0.40〜1:0.50の割合を有することができる。前記可視光線のスペクトラムは、445nmの波長における強度と612nmの波長における強度とが1:1.50〜1:1.60の割合を有することができる。望ましくは、前記可視光線のスペクトラムは、445nm波長における強度と、517nmの波長における強度と、612nmにおける波長における強度とが1:0.46:1.55の割合を有することができる。
【0012】
前記蛍光混合物は、45〜50重量%SCAと、29〜33重量%のYOXと、20〜26重量%のCMZとを含むことができる。前記蛍光混合物は、47重量%のSCAと、31重量%のCMZとを含むことができる。
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の特徴による蛍光ランプは、ランプ本体、蛍光層、及び放電電極を備える。前記ランプ本体は紫外線の生成される放電空間が内部に形成される。前記蛍光層は前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を可視光線に変換する。前記放電電極は前記ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する。前記可視光線のスペクトラムは545nmの波長における強度と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.71:1の割合を有する。
【0014】
前記スペクトラムは、545nmの波長における強度と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.53:1の割合を有することができる。前記スペクトラムは、516nmの波長における強度と579nmの波長における強度とが1:0.25〜1:0.27の割合を有することができる。
【0015】
前記蛍光層は、65〜85重量%存在するメイン緑色蛍光物質、該メイン緑色蛍光物質より色再現性は低いが輝度は高い光を生成する10〜20重量%存在する第1補助緑色蛍光物質、及び該メイン緑色蛍光物質より色再現性は高いが輝度は低い光を生成する5〜15重量%存在する第2補助緑色蛍光物質、を含む緑色蛍光混合物を有することができる。
【0016】
前記メイン緑色蛍光物質はBaMgAl1017:Eu2+、Mn2+を含み、前記第1補助緑色蛍光物質はLaPO:Ce3+、Tb3+を含むことができる。前記第2補助緑色蛍光物質は(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+又はBaMgAl14O2:Mn2+を含むことができる。例えば、前記第2補助緑色蛍光物質は(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+を含むことができる。
【0017】
前記メイン緑色蛍光物質は75重量%存在し、前記第1補助緑色蛍光物質は15重量%存在し、前記第2補助緑色蛍光物質は10重量%存在することが可能である。
【0018】
前記蛍光層は、Y:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+、(Y、Gd)BO:Eu3+、YVO:Eu3+、(Ce、Gd)MgB10:Mn2+、及びYS:Eu3+からなる群から選択された一種類の赤色蛍光物質を更に含むことができる。
【0019】
前記蛍光層は、Sr(POCl:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、SRAl11:Eu2+、BaAl13:Eu2+、CaMgSi:Eu2+、(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+、及びSrAl1425:Eu2+からなる群より選択された一種類の青色蛍光物質を更に含むことができる。
【0020】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴によるバックライトアセンブリは、蛍光ランプ、光学部材、及び収納容器を備える。前記蛍光ランプは、ランプ本体、蛍光層、及び放電電極を有する。前記ランプ本体は内部に紫外線が生成される放電空間が形成される。前記蛍光層は前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を516nmの波長における強度(Intensity)と579nmの波長における強度とが1:0.25〜1:0.27の割合を有するスペクトラムの可視光線に変換させる。前記放電電極は、前記ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する。前記光学部材は、前記蛍光ランプに隣接するように配置されて前記可視光線の光学特性を向上させる。前記収納容器は、前記蛍光ランプ及び前記光学部材を収納する。
【0021】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴による表示装置は、蛍光ランプ、光学部材、収納容器、及び表示パネルを備える。前記蛍光ランプは、ランプ本体、蛍光層、及び放電電極を有する。前記ランプ本体は内部に紫外線が生成される放電空間が形成される。前記蛍光層は前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を545nmの波長における強度と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.71:1の割合を有するスペクトラムの可視光線に変換させる。
【0022】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の特徴による表示装置は、蛍光ランプ、光学部材、及び表示パネルを備える。前記蛍光ランプは、45〜50重量%の(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)、29〜33重量%のY:Eu3+(YOX)、及び20〜26重量%の(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)を含む蛍光混合物を有し、前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を可視光線に変換する蛍光層、及び前記ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する放電電極を含む。前記光学部材は前記蛍光ランプ上に配置されて前記蛍光ランプで生成された可視光線の光学特性を向上させる。前記表示パネルは前前記光学部材上に配置されて前記光学部材から提供された光を透過する複数個のカラーフィルタを含んで画像を表示する。
【0023】
前記複数個のカラーフィルタは、赤色光を生成する赤色カラーフィルタ、緑色光を生成する緑色カラーフィルタ、及び青色光を生成する青色カラーフィルタを含むことができる。
【0024】
前記青色カラーフィルタを通過した前記青色光の445nmの波長における強度と513nmの波長における強度とが1:0.13〜1:0.14の割合を有することができる。前記緑色光の色座標がCIE1931表色系を基準として(0.23、0.67)〜(0.24、0.68)であり得る。前記赤色光、前記緑色光、及び前記青色光を混合して生成された白色光の色座標がCIE1931表色系を基準に(0.29、0.29)〜(0.30、0.30)であってもよい。
【0025】
前記表示パネルは、アレイ基板、前記アレイ基板に向い合う対向基板及び前記アレイ基板と前記対向基板との間に介在される液晶層を含むことができる。
【0026】
前記蛍光ランプは、冷陰極線管蛍光ランプ、外部電極蛍光ランプ、平板蛍光ランプなどを含む。
【発明の効果】
【0027】
このような、本発明の蛍光ランプ用蛍光混合物、表示装置用蛍光ランプ、これを有するバックライトアセンブリ及び表示装置によれば、緑色光が赤色光又は青色光に比べて輝度の主要成分となる蛍光ランプが、メイン緑色蛍光物質、第1補助緑色蛍光物質、及び第2補助緑色蛍光物質を含む蛍光層を具備することで、色再現性が減少することなく輝度を向上させることができる。また、メイン緑色蛍光物質、第1補助緑色蛍光物質、及び第2補助緑色蛍光物質の割合を調節して、緑色光の色再現性及び輝度を最適化させることができる。
【0028】
更に、緑色蛍光混合物によって生成された光の一部が青色波長を有することを防止して、青色光の色再現性を低下させない。
【0029】
また、緑色蛍光物質としてCMZを用いることで、緑色を生成する蛍光体の色純度が向上する。
【0030】
また、波長領域の類似な緑色光と青色光、又は赤色光と緑色光の間の攪乱が減少し、赤色光、緑色光、及び青色光の色純度も向上する。よって、表示装置の色再現性及び画質が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の蛍光ランプ用蛍光混合物、表示装置用蛍光ランプ、これを有するバックライトアセンブリ及び表示装置を実施するための最良の形態の具体例を、図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0032】
<表示装置用緑色蛍光混合物>
緑色蛍光混合物は、65〜85重量%のメイン緑色蛍光物質、メイン緑色蛍光物質より色再現性は低いが輝度は高い光を生成する10〜20重量%の第1補助緑色蛍光物質、及びメイン緑色蛍光物質より色再現性は高いが輝度は低い光を生成する5〜15重量%の第2補助緑色蛍光物質を含む。
【0033】
メイン緑色蛍光物質の割合が65重量%以下であり、第1補助緑色蛍光物質の割合が20重量%以上である場合、緑色光の色再現性が低下する。メイン緑色蛍光物質の割合が85重量%であり、第1緑色蛍光物質の割合が10重量%以下である場合、緑色光の輝度が減少する。
【0034】
第2緑色蛍光物質の割合が5重量%以下である場合、緑色光の色再現性が低下する。第2緑色蛍光物質の割合が15重量%以上である場合、緑色光の輝度が低下する。
【0035】
本実施例で、メイン緑色蛍光物質は、BaMgAl1017:Eu2+、Mn2+(BAM:Mn)を含み、第2補助緑色蛍光物質は(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)を含み、第1補助緑色蛍光物質はLaPO:Ce3+、Tb3+(LAP)を含む。例えば、メイン緑色蛍光物質は、75重量%であり、第2補助緑色蛍光物質は10重量%であり、第1補助緑色蛍光物質は、15重量%であってもよい。
【0036】
ここで、メイン緑色蛍光物質が(Ba、Sr)MgAl1017:Eu2+、Mn2+又はBaMgAl14O2:Mn2+を含んでもよい。また、緑色蛍光混合物がCeMgAl1115:Tb3+(CAT)、(Ce、Gd)MgB10:Tb3+(CBT)、(Y、Gd)BO:Tb3+(YBT)などを更に含んでもよい。
【0037】
本実施例で、メイン緑色蛍光物質、第1補助緑色蛍光物質及び第2補助蛍光物質がそれぞれBAM:Mn、LAP及びCMZを含んでいる。ここで、メイン緑色蛍光物質、第1補助緑色蛍光物質が(Ba、Sr)MgAl1017:Eu2+、Mn2+を含み、第1補助緑色蛍光物質がCAT、YBTなどを含み、第2補助緑色蛍光物質がBaMgAl14O2:Mn2+を含んでもよい。
【0038】
表1は、緑色蛍光混合物に用いることができる緑色蛍光物質の特性を示す。
【0039】
【表1】

【0040】
表1を参照すると、BAM:Mnに紫外線が照射される場合に発生する緑色光の最大波長は515nmであり、輝度は優秀であるが、色再現性、及び寿命は普通である。CMZに紫外線が照射される場合に発生する緑色光の最大波長は518nmであり、色再現性は優秀であるが輝度及び寿命は普通である。LAPに照射される場合に発生する緑色光の最大波長は545nmであり、輝度及び寿命は優秀であるが色再現性は不良である。CATに紫外線が照射される場合に発生する緑色光の最大波長は545nmであり、輝度及び寿命は優秀であるが、色再現性は不良である。CBTに紫外線が照射される場合に発生する緑色光の最大波長は545nmであり、輝度及び寿命は優秀であるが、色再現性は不良である。YBTに紫外線が照射される場合に発生する緑色光の最大波長は545nmであり、輝度及び寿命は優秀であるが、色再現性は不良である。(Ba、Sr)MgAl1017:Eu2+、Mn2+に紫外線が照射される場合に発生する緑色光の最大波長は515nmであり、輝度は優秀であるが色再現性及び寿命は普通である。BaMgAl14O2:Mn2+に紫外線が照射される場合に発生する緑色光の最大波長は518nmであり、色再現性は優秀であるが、寿命は普通であり、輝度は不良である。
【0041】
各緑色蛍光物質を含む冷陰極線管蛍光ランプの色再現性は輝度と互いに相反する様相を示す。即ち、色再現性の優秀な緑色蛍光物質は輝度が不良であるか普通であり、輝度の優秀な緑色蛍光物質は色再現性が不良であるか普通である。
【0042】
<表示装置用緑色蛍光混合物の製造方法>
表示装置用緑色蛍光混合物の製造方法において、65〜85重量%のメイン緑色蛍光物質、メイン緑色蛍光物質より色再現性は低いが輝度は高い光を生成する10〜20重量%の第1補助緑色蛍光物質及びメイン緑色蛍光物質より色再現性は高いが輝度は低い光を生成する5〜15重量%の第2補助緑色蛍光物質を均一に混合して緑色蛍光混合物を製造する。
【0043】
メイン緑色蛍光物質、第1補助緑色蛍光物質及び第2補助緑色蛍光物質は、攪拌機、循環装置などを用いて混合することができる。
【0044】
<表示装置用蛍光混合物>
本発明による蛍光混合物は、赤色蛍光物質、青色蛍光物質、及び緑色蛍光物質を含む。
【0045】
青色蛍光物質の例としては(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)を挙げることができる。
【0046】
SCAの割合が45重量%以下である場合、青色光の輝度が減少して色再現性が低下するため、望ましくない。また、SCAの割合が50重量%以上である場合、青色光の輝度は増加するが波長の光が攪乱されて色再現性が低下するため望ましくない。よって、本発明による蛍光混合物中の青色蛍光物質の含量は45〜50重量%、望ましくは47〜50重量%、更に望ましくは47重量%である。
【0047】
赤色蛍光物質の例としては、Y:Eu3+(YOX)を挙げることができる。
YOXの割合が29重量%以下である場合、赤色光の輝度が減少して色再現性が低下して望ましくない。また、YOXの割合が33重量%以上である場合、赤色光の輝度は増加するが青色及び緑色光の輝度が低下して色再現性が低下するため望ましくない。よって、本発明による蛍光混合物中の赤色蛍光物質の含量は29〜33重量%、望ましくは30〜33重量%、更に望ましくは31重量%である。
【0048】
緑色蛍光物質の例としては、(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+を挙げることができる。
【0049】
CMZの割合が20重量%以下である場合、緑色光の輝度が減少して色再現性が低下して望ましくない。また、CMZの割合が26重量%以上である場合、緑色光の輝度は増加するが赤色波長の光が攪乱されて色再現性が低下するため望ましくない。よって、本発明による蛍光混合物中の緑色蛍光物質の含量は20〜26重量%、望ましくは20〜25重量%、更に望ましくは22重量%である。
【0050】
蛍光混合物の製造方法において、45〜50重量%のSCAと、29〜33重量%のYOXと、20〜26重量%のCMZを準備して、攪拌機、循環装置などを用いて混合して形成することができる。
【0051】
<表示装置>
図1は、本発明の一実施例による表示装置を示す分解斜視図である。
【0052】
図1を参照すると、表示装置は、バックライトアセンブリ800、モールドフレーム500、及び液晶表示パネル600を含む。
【0053】
バックライトアセンブリ800は、収納容器100、光源モジュール200、導光板300、反射板400を含み、モールドフレーム500に形成された開口を通じて液晶表示パネル600に光を提供する。
【0054】
収納容器100は、底板110、及び底板110のエッジから突出して収納空間を形成する側壁120を含む。
【0055】
光源モジュール200は、収納容器100の収納空間内に、側壁120に隣接するように収納される。
【0056】
光源モジュール200は、冷陰極線管蛍光ランプ210、ランプカバー220、及びランプワイヤ230を含む。
【0057】
図2は、図1に示した冷陰極線管蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)を示す断面図である。
【0058】
図2を参照すると、冷陰極線管蛍光ランプ210は、放電電極211、ランプ本体213、蛍光層215、及び保護層217を含む。
【0059】
本実施例で、ランプ本体213は、軸方向に延長されたガラス管を含み、内部に放電空間212を形成する。放電空間212内には放電ガスが充填される。例えば、放電ガスは、水銀、アルゴンなどを含む。
【0060】
放電電極211は、放電空間212の端部に配置され、ランプ本体213の外部に突出する。
【0061】
放電電極211に放電電圧が印加された場合、放電空間212内で放電が発生して放電ガスから励起子が生成される。
【0062】
励起子によって放電空間内で紫外線が発生する。紫外線は蛍光層215に照射され、蛍光層215から可視光線が生成される。
【0063】
本実施例で、蛍光層215は赤色蛍光物質、緑色蛍光混合物、及び青色蛍光物質を含む。
【0064】
赤色蛍光物質は、YOX、YPV、MFG、YGB、YV、CMB、YOSなどを含む。ここで、赤色蛍光物質がYOX、YPV、MFG、YGB、YV、CMB、YOSから選択された一種類のみを含むか、あるいは二種類以上の混合物を含んでもよい。
【0065】
緑色蛍光混合物は、65〜85重量%のメイン緑色蛍光物質、メイン緑色蛍光物質より色再現性は低いが輝度は高い光を生成する10〜20重量%の第1補助緑色蛍光物質及びメイン緑色蛍光物質より色再現性は高いが輝度は低い光を生成する5〜15重量%の第2補助緑色蛍光物質を含む。本実施例で、メイン緑色蛍光物質はBAM:Mnを含み、第2補助緑色蛍光物質はCMZを含み、第1補助緑色蛍光物質はLAPを含む。例えば、メイン緑色蛍光物質は75重量%であり、第2補助緑色蛍光物質は10重量%であり、第1補助緑色蛍光物質は15重量%であってもよい。
【0066】
本実施例で、メイン緑色蛍光物質、第1補助緑色蛍光物質及び第2補助緑色蛍光物質がそれぞれBAM:Mn、LAP、及びCMZを含んでいる。ここで、メイン緑色蛍光物質、第1補助緑色蛍光物質及び第2補助緑色蛍光物質が多様な緑色蛍光物質を含んでもよい。例えば、メイン緑色蛍光物質が(Ba、Sr)MgAl1017:Eu2+、Mn2+を含み、第1補助緑色蛍光物質がCAT、YBTなどを含み、第2補助緑色蛍光物質がBaMgAl14O2:Mn2+を含んでも良い。
【0067】
赤色蛍光物質はY:Eu3+(YOX)、Y(P,V)O:Eu3+(YPV)、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+(MFG)、(Y、Gd)BO:Eu3+(YGB)、YVO:Eu3+(YV)、(Ce、Gd)MgB10:Mn2+(CMB)、YS:Eu3+(YOS)などを含む。ここで、赤色蛍光物質が、YOX、YPV、MFG、YGB、YV、CMB、YOSのうち、一種類のみを含むか、あるいは二種類以上の混合物を含んでも良い。
【0068】
表2は、赤色蛍光物質の特性を示す。
【0069】
【表2】

【0070】
表2を参照すると、YOXに紫外線が照射される場合に発生する赤色光の最大波長は613nmであり、輝度及び寿命は優秀であるが色再現性は普通である。YPVに紫外線に照射される場合に発生する赤色光の最大波長は620nmであり、色再現性は優秀であるが、輝度は普通であり、寿命が短い。MFGに紫外線が照射される場合に発生する赤色光の最大波長は623〜664nmであり、色再現性は優秀であるが輝度及び寿命は不良である。YGBに紫外線が照射される場合に発生する赤色光の最大波長は611nmであり、輝度及び寿命は優秀であるが、色再現性は普通である。YVに紫外線が照射される場合に発生する赤色光の最大波長は620nmであり、色再現性は優秀であるが、輝度は普通であり、寿命が短い。CMBに紫外線を照射する場合に発生する赤色光の最大波長は620nmであり、色再現性は優秀であるが寿命は普通であり、輝度は不良である。YOSに紫外線に照射される場合に発生する赤色光の最大波長は626nmであり、色再現性は優秀であるが寿命及び輝度は不良である。
【0071】
各赤色蛍光物質を含む冷陰極線管蛍光ランプの色再現性は輝度と互いに相反する様相を示す。即ち、色再現性が優秀な赤色蛍光物質は輝度が不良であるか普通であり、輝度の優秀な赤色蛍光物質は色再現性が不良であるかあるいは普通である。
【0072】
青色蛍光物質は、Sr(POCl:Eu2+(SPE)、BaMgAl1017:Eu2+(BAM)、SRAl11:Eu2+(SAE)、BaAl13:Eu2+(BAE)、CaMgSi:Eu2+(CMS)、(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)、SrAl1425:Eu2+(SA)などを含む。ここで、青色蛍光物質が、SPE、BAM、SAE、BAE、CMS、SCA、及びSAのうち、一種類のみを含むか、あるいは二種類以上の混合物を含むこともできる。
【0073】
表3は、青色蛍光物質の特性を示す。
【表3】

【0074】
表3を参照すると、SPEに紫外線が照射される場合に発生する青色光の最大波長は445nmであり、色再現性は優秀であるが輝度及び寿命は普通である。BAMに照射される場合に発生する青色光の最大波長は450nmであり、輝度は優秀であるが色再現性及び寿命は普通である。SAEに紫外線が照射される場合に発生する青色光の最大波長は460nmであり、寿命は優秀であるが輝度は普通であり、色再現性は不良である。BAEに紫外線が照射される場合に発生する青色光の最大波長は480nmであり、寿命は優秀であるが輝度は普通であり、色再現性は不良である。CMSに紫外線が照射される場合に発生する青色光の最大波長は450nmであり、色再現性及び寿命は優秀であるが輝度は普通である。SCAに紫外線が照射される場合に発生する青色光の最大波長は448nmであり、輝度及び色再現性は優秀であるが寿命は普通である。SAに紫外線が照射される場合に発生する青色光の最大波長は490nmであり、輝度及び寿命は優秀であり、色再現性は不良である。
【0075】
各青色蛍光物質を含む冷陰極線蛍光ランプの色再現性は輝度と互いに相反する様相を示す。即ち、色再現性が優秀な青色蛍光物質は輝度が不良であるか普通であり、輝度が優秀な青色蛍光物質は色再現性が不良であるか普通である。
【0076】
冷陰極線管蛍光ランプ210で生成された光の輝度は赤色蛍光物質によって生成された赤色光、緑色蛍光混合物によって生成された緑色光及び青色蛍光物質によって生成された青色光が混合された光によって決定される。
【0077】
本実施例で、赤色光及び青色光の輝度特性は、緑色光より不良であるので、冷陰極線管蛍光ランプ210で生成された光の輝度のうち、緑色が占める割合は50〜60%であり、赤色光及び青色光の輝度を足したものより大きい。
【0078】
よって、冷陰極線管蛍光ランプ210の輝度を向上させるには緑色光の輝度を向上させるべきである。
冷陰極線管蛍光ランプが単一の緑色蛍光物質のみを含む場合、緑色光の輝度と色再現性が互いに相反して緑色の色再現性が低下するおそれがある。
【0079】
しかし、本実施例で、メイン緑色蛍光物質として輝度特性のよいBAM:Mnを用い、第2補助緑色蛍光物質として色再現性のよいCMZを用い、第1補助緑色蛍光物質として輝度特性のよいLPAを用いて、冷陰極線管蛍光ランプ210で生成される緑色光に対する色再現性及び輝度を最適化する。
【0080】
例えば、赤色蛍光物質、緑色蛍光混合物、及び青色蛍光物質を混合した後、ランプ本体213の内面にコーティングして蛍光層215を形成することができる。
【0081】
保護層217は、蛍光層215上に形成され、蛍光層215を保護する。例えば、放電ガス中の水銀分子が蛍光層215上に付着されることを防止して冷陰極線管蛍光ランプ210の寿命を向上させる。
【0082】
図1を再び参照すると、ランプカバー220は反射率の高い物質を含み、冷陰極線管蛍光ランプ210を囲み、冷陰極線管蛍光ランプ210で発生した光を導光板300の方に反射させる。
ランプワイヤ230は、冷陰極線管蛍光ランプ210の放電電極211に電気的に接続されて放電電圧を伝達する。
【0083】
本実施例で、光源モジュール200は、導光板300の側面上に配置される側面導光型光源モジュールを含む。ここで、光源モジュール200が互いに平行に配列された複数個の冷陰極線管蛍光ランプを含む直下型光源モジュールを含んでも良い。
【0084】
導光板300は、収納容器100の収納空間内に配置され、導光板300の側面上に光源モジュール200が配置される。導光板300は、光源モジュール200で発生した線蛍光(Linear light)を面蛍光(Planar light)に変更して液晶表示パネル600の方向にガイドする。
【0085】
反射板400は、導光板300の下部に配置され、導光板300の下方に漏洩する光を上方に反射させる。
モールドフレーム500は、導光板300のエッジ上に配置され、側壁520及び段差部510を含む。
【0086】
液晶表示パネル600は、モールドフレーム500の段差部510上に配置され、導光板300から出射した光を用いて画像を表示する。ここで、液晶表示パネル600の代わりに電気泳動表示パネルを用いても良い。
【0087】
上記のような本実施例によると、蛍光層215が緑色蛍光混合物を含み、冷陰極線管蛍光ランプ210の輝度及び色再現性が最適化されて表示装置の画質が向上する。
【0088】
図3は、本発明の他の実施例による表示装置を示す分解斜視図である。
図3を参照すると、表示装置はバックライトアセンブリ850及び液晶表示パネル600を含む。
【0089】
バックライトアセンブリ850は、収納容器100、サイドモールド450、及び複数個の外部電極蛍光ランプ710を含む。
収納容器100は、底板110及び底板110の端部から突出して収納空間を形成する側壁120を含む。
【0090】
外部電極蛍光ランプ710は、収納容器100の収納空間内に互いに平行に配列される。
図4は、図3に示した外部電極蛍光ランプを示す断面図である。本実施例で、放電電極711を除いた残りの構成要素は、図2に示した冷陰極線管蛍光ランプと同一であるので重複する説明は省略する。
【0091】
図4を参照すると、外部電極蛍光ランプ710は、放電電極711、ランプ本体713、蛍光層715、及び保護層717を含む。
放電電極711は、ランプ本体713の端部上に配置されてランプ本体713の外面をカバーする。
【0092】
本実施例で、外部電極蛍光ランプ710は、複数個が互いに平行に配列されて直下型光源モジュールを形成する。
図3を再び参照すると、サイドモールド450は、収納容器100の収納空間の両側に隣接するように配置され、外部電極蛍光ランプ710の端部を収納容器100に固定する。
【0093】
光学部材350は、サイドモールド450上に配置されて外部電極蛍光ランプ710で発生した光の特性を向上させる。本実施例で、光学部材350は、拡散板310及び光学シート320を含む。
【0094】
拡散板310は、サイドモールド450によって支持され、外部電極蛍光ランプ710で発生した光を拡散させて輝度均一性を向上させる。
光学シート320は、拡散板310上に配置され、プリズムシート、拡散シートなどを含む。プリズムシートは拡散板310を透過した光の正面輝度を向上させる。
【0095】
液晶表示パネル600は、バックライトアセンブリ850上に配置され、アレイ基板610、対向基板620、液晶層630、統合印刷回路基板640、及び可撓性回路基板650を含む。
【0096】
アレイ基板610と対向基板620との間に配置された液晶層630は、統合印刷回路基板640及び可撓性回路基板650を通じて印加された画像信号によって光透過度が変更される。バックライトアセンブリ850で生成された光は光透過度の変更された液晶層630を透過して画像を表示する。
【0097】
本実施例で、表示装置は、液晶表示パネル600をバックライトアセンブリ850に固定するトップシャーシ150を更に含むこともできる。
上記のような本実施例によると、放電電極711がランプ本体713の外部に形成され、外部電極蛍光ランプ710の組立性が向上する。
【0098】
図5は、本発明の他の実施例による冷陰極線管蛍光ランプを示す。本実施例で、蛍光混合物を除いた残りの構成要素は実施例1と同一であるので重複する説明は省略する。
【0099】
図5を参照すると、冷陰極線管蛍光ランプ410は、放電電極411、ランプ本体413、蛍光層415、及び保護層417を含む。
【0100】
蛍光層415は蛍光混合物を含む。蛍光混合物は45〜50重量%の青色蛍光物質と、29〜33重量%の赤色蛍光物質と、20〜26重量%の緑色蛍光物質を含む。本実施例で、青色蛍光物質は(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)を含み、赤色蛍光物質はY:Eu3+(YOX)を含み、緑色蛍光物質は(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)を含む。
例えば、蛍光混合物をランプ本体413の内面にコーティングして蛍光層415を形成することができる。
【0101】
<表示装置用緑色蛍光混合物>
<実施例1>
蛍光ランプを製造するために、緑色蛍光混合物をランプ本体の内面上にコーティングして蛍光層を形成した。蛍光ランプは、図2に示した蛍光ランプ210と同一であるので重複する説明は省略する。
【0102】
緑色蛍光混合物はメイン緑色蛍光物質として75重量%のBAM:Mn、第1補助緑色蛍光物質として15重量%のLAP及び第2補助緑色蛍光物質として10重量%のCMZを混合して製造した。
本実施例で、粉末形態で混合した緑色蛍光混合物を接着力のある結着剤を用いてランプ本体215の内面にコーティングした。
【0103】
<実施例2>
本実施例で、メイン緑色蛍光物質及び第2補助緑色蛍光物質の割合を除いた残りの構成要素は実施例1と同一であるので重複する説明は省略する。
【0104】
緑色蛍光混合物はメイン緑色蛍光物質として65重量%のBAM:Mn、第1補助緑色蛍光物質として15重量%のLAP及び第2補助緑色蛍光物質として20重量%のCMZを混合して製造した。
【0105】
<実施例3>
本実施例で、メイン緑色蛍光物質及び第2補助緑色蛍光物質の割合を除いた残りの構成要素は実施例1と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物はメイン緑色蛍光物質として80重量%のBAM:Mn、第1補助緑色蛍光物質として10重量%のLAP及び第2補助緑色蛍光物質として10重量%のCMZを混合して製造した。
【0106】
<比較例1>
蛍光ランプを製造するために、緑色蛍光混合物をランプ本体の内面上にコーティングして蛍光層を形成した。蛍光ランプは図2に示した蛍光ランプ210と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物はメイン緑色蛍光物質として55重量%のBAM:Mn、第1補助緑色蛍光物質として15重量%のLAP及び第2補助緑色蛍光物質として30重量%のCMZを混合して製造した。
【0107】
<比較例2>
本実施例で、メイン緑色蛍光物質及び第2補助緑色蛍光物質の割合を除いた残りの構成要素は比較例1と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物はメイン緑色蛍光物質として45重量%のBAM:Mn、第1補助緑色蛍光物質として15重量%のLAP及び第2補助緑色蛍光物質として40重量%のCMZを混合して製造した。
【0108】
<比較例3>
蛍光ランプを製造するために、緑色蛍光混合物をランプ本体の内面上にコーティングして蛍光層を形成した。蛍光ランプは図2に示した蛍光ランプ210と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物は90重量%のBAM:Mn及び10重量%のLAPを混合して製造した。
【0109】
<比較例4>
本比較例で、緑色蛍光混合物を除いた残りの構成要素は比較例3と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物は85重量%のBAM:Mn及び15重量%のLAPを混合して製造した。
【0110】
<比較例5>
本比較例で、緑色蛍光混合物を除いた残りの構成要素は比較例3と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物は80重量%のBAM:Mn及び20重量%のLAPを混合して製造した。
【0111】
<比較例6>
本比較例で、緑色蛍光混合物を除いた残りの構成要素は比較例3と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物は70重量%のBAM:Mn及び30重量%のLAPを混合して製造した。
【0112】
<比較例7>
本比較例で、緑色蛍光混合物を除いた残りの構成要素は比較例3と同一であるので重複する説明は省略する。
緑色蛍光混合物は50重量%のBAM:Mn及び50重量%のLAPを混合して製造した。
【0113】
<実験例1>
図6は、本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの輝度と色再現性との関係を示すグラフである。本実験例で、緑色蛍光混合物は実施例1及び実施例2と同一であるので重複する説明は省略する。
【0114】
図6を参照すると、緑色蛍光混合物はメイン緑色蛍光物質としてBAM:Mn、第1補助緑色蛍光物質としてLAP及び第2補助緑色蛍光物質としてCMZを含んでいる。
【0115】
本実施例で、LAの使用量を15重量%で固定して、CMZの割合を調節した。赤色蛍光物質及び青色蛍光物質による赤色光及び青色光の色再現性が98.1%である冷陰極線管蛍光ランプを用いた。
【0116】
図6で、緑色蛍光物質がBAM:Mnのみを含む場合に比べて、LAP15重量%を含む場合に輝度は上昇したが色再現性は低下した。
緑色蛍光混合物が75重量%のBAM:Mn、15重量%のLAP及び10重量%のCMZを含む場合、色再現性は98.1%であり、輝度は540nitであった。
【0117】
緑色蛍光混合物が65重量%のBAM:Mn、15重量%のLAP及び20重量%のCMZを含む場合、色再現性は99.2%であり、輝度は520nitであった。
緑色蛍光混合物が55重量%のBAM:Mn、15重量%のLAP及び30重量%のCMZを含む場合、色再現性は100.2%であり、輝度は490nitであった。
【0118】
緑色蛍光混合物が45重量%のBAM:Mn、15重量%のLAP及び40重量%のCMZを含む場合、色再現性は101.8%であり、輝度は460nitであった。
【0119】
本実施例で、赤色蛍光物質及び青色蛍光物質による赤色光及び青色光の色再現性が98.1%であったので、緑色蛍光混合物による緑色光の色再現性は98.1%以上であると色再現性が低下しなかった。
従って、色再現性が98.1%以上を維持しかつ輝度が最大である割合は、BAM:Mn75重量%、LAP15重量%及びCMZ10重量%であった。
【0120】
ここで、赤色光及び青色光の色再現性が変更される場合、変更された赤色光及び青色光の色再現性に対応するようにCMZの割合を調節することができる。例えば、CMZの割合が5〜15重量%であってもよい。このとき、赤色光及び青色光の色再現性が100%以上の場合、CMZの割合が30重量%以上であってもよい。
【0121】
図7は、本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの赤色、緑色、及び青色光の色再現性を示すグラフである。図7で、青色蛍光物質はSCAを含み、赤色蛍光物質はYOXを含んでいる。
【0122】
図7を参照すると、緑色蛍光物質がBAM:Mnのみを含む場合(a)、赤色光の色座標(u’、v’)は(0.469、0.524)であり、緑色光の色座標(u’、v’)は (0.078、0.567)であり、青色光の色座標(u’、v’)は(0.163、0.181)であり、この場合(a)の相対輝度を100%にし、CIE1976表色系を基準に98.1%の色再現性を示した。
【0123】
緑色蛍光混合物がBAM:Mn85重量%及びLAP15重量%を含む場合(b)、赤色光の色座標(u’、v’)は(0.455、0.522)であり、緑色光の色座標(u’、v’)は(0.091、0.565)であり、青色光の色座標(u’、v’)は(0.168、0.179)であり、相対輝度は112%であり、CIE1976表色系を基準に90.9%の色再現性を示した。
【0124】
緑色蛍光混合物がBAM:Mn75重量%、LAP15重量%及びCMZ10重量%を含む場合(c)、赤色光の色座標(u’、v’)は(0.464、0.523)であり、緑色光の色座標(u’、v’)は(0.090、0.567)であり、青色光の色座標(u’、v’)は(0.169、0.170)であり、相対輝度は108%であり、CIE1976表色系を基準に97.4%の色再現性を示した。
【0125】
図8は、図7で緑色領域に対応する‘A’部分を拡大したグラフである。
【0126】
図8を参照すると、緑色光の色再現性は緑色蛍光物質がBAM:Mnのみを含む場合(a)に最も優秀であり、緑色蛍光混合物がBAM:Mn85重量%及びLAP15重量%を含む場合(b)が最も不良であり、緑色蛍光混合物がBAM:Mn75重量%、LAP 15重量%及びCMZ10重量%を含む場合(c)、中間程度の色再現性を示した。緑色蛍光物質がBAM:Mnのみを含む場合(a)に緑色光の色再現性が最も優秀であったが、この場合、輝度が低下する問題点がある。
【0127】
図9は、図7で青色領域に対応する‘B’部分を拡大したグラフである。
図9を参照すると、青色光の色再現性は緑色蛍光混合物がBAM:Mn75重量%、LAP15重量%及びCMZ10重量%を含む場合(c)に最も優秀であり、緑色蛍光物質がBAM:Mnのみを含む場合(a)が最も不良であり、緑色蛍光混合物がBAM:Mn 85重量%及びLAP15重量%を含む場合(b)に中間程度の色再現性を示した。
【0128】
図10は、図7で赤色領域に対応する‘C’部分を拡大したグラフである。
図10を参照すると、赤色光の色再現性は緑色蛍光物質がBAM:Mnのみを含む場合(a)に最も優秀であり、緑色蛍光混合物がBAM:Mn85重量%及びLAP15重量%を含む場合(b)が最も不良であり、緑色蛍光混合物がBAM:Mn75重量%、LAP15重量%及びCMZ10重量%を含む場合(c)中間程度の色再現性を示した。
【0129】
図7〜図10を参照すると、緑色蛍光混合物がBAM:Mn75重量%、LAP15重量%及びCMZ10重量%を含む場合(c)、緑色蛍光物質がBAM:Mnのみを含む場合(a)に比べて同等な水準の色再現性を示したが、輝度面で8%向上した。また、緑色蛍光混合物がBAM:Mn75重量%、LAP15重量%及びCMZ10重量%を含む場合(c)、緑色蛍光混合物がBAM:Mn85重量%及びLAP15重量%を含む場合(b)に比べて同等な水準の輝度を示したが、色再現性が6.3%向上した。
【0130】
<実験例2>
図11は、本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプで生成された光の強度と波長との関係を示すグラフである。本実験例で、緑色蛍光混合物は実施例1及び実施例3と同一であるので、重複する説明は省略する。
【0131】
図11を参照すると、緑色蛍光混合物はメイン緑色蛍光物質としてBAM:Mn、第1補助緑色蛍光物質としてLAP及び第2補助緑色蛍光物質としてCMZを含んでいる。本実施例で、CMZの使用量を10重量%に固定し、LAPの割合を調節した。
【0132】
緑色蛍光混合物が80重量%のBAM:Mn、10重量%のLAP、及び10重量%のCMZを含む場合(d)、545nmの波長において一番目のピーク(Peak、d1)として50705a.u.の強度を示し、516nmの波長において二番目のピーク(d2)として38455a.u.の強度を示し、579nmの波長において三番目のピーク(d3)として9064a.u.の強度を示した。一番目のピーク(d1)の強度と、二番目のピーク(d2)の強度と、三番目のピーク(d3)の強度との割合は1:0.76:0.18であった。このとき、二番目のピーク(d2)の強度を基準とする場合、一番目のピーク(d1)の強度と、二番目のピーク(d2)の強度と、三番目のピーク(d3)の強度との割合は1.32:1:0.25であった。
【0133】
緑色蛍光混合物が75重量%のBAM:Mn、10重量%のLAP及び15重量%のCMZを含む場合(e)、545nmの波長において一番目のピーク(Peak、e1)として55641a.u.の強度を示し、516nmの波長において二番目のピーク(e2)として36400a.u.の強度を示し、579nmの波長において三番目のピーク(e3)として9339a.u.の強度を示した。一番目のピーク(e1)の強度と、二番目のピーク(e2)の強度と、及び三番目のピーク(e3)の強度との割合は1:0.65:0.17であった。このとき、二番目のピーク(e2)の強度を基準にする場合、一番目のピーク(e1)の強度と、二番目のピーク(e2)の強度と、三番目のピーク(e3)の強度との割合は1.53:1:0.26であった。
【0134】
一番目のピーク(d1、e1)の強度はLAPの使用量が増加するほど大きくなり、二番目のピーク(d2、e2)の強度はBAM:Mnの使用量が増加するほど大きくなった。よって、三番目のピーク(d3、e3)はCMZに対応する。
【0135】
本実施例で、一番目のピーク(d1、e1)の強度、二番目のピーク(d2、e2)の強度、及び三番目のピーク(d3、e3)の強度がそれぞれLAP、BAM:Mn、及びCMZの使用量に比例すると仮定する。CMZの使用量が10重量%の状態で、LAPの使用量が10重量%〜20重量%の場合、一番目のピークの強度と二番目のピークの強度との割合は1.32:1〜1.71:1の範囲を有する。また、BAM:Mnの使用量は70重量%〜80重量%の範囲を有するので、二番目のピークの強度と三番目のピークの強度との割合は1:0.25〜1:0.27の範囲を有する。
本実施例で、CMZはLAPによって緑色光の色再現性が低下することを防止する。
【0136】
<比較実験例1>
図12は、本発明の第1比較実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの波長と光の強さとの関係を示すグラフである。本比較実験例で、緑色蛍光混合物は第3比較例〜第7比較例と同一であるので重複する説明は省略する。
【0137】
図12を参照すると、緑色蛍光混合物が90重量%のBAM:Mn及び10重量%のLAPを含む場合(a)、515nmの波長において2.08a.u.の最大ピークを示し、545nmの波長において1.40a.u.の二番目のピークを示した。
【0138】
緑色蛍光混合物が70重量%のBAM:Mn及び30重量%のLAPを含む場合(b)、545nmの波長において2.10a.u.の最大ピークを示し、515nmの波長において1.60a.u.の二番目のピークを示した。
【0139】
緑色蛍光混合物が50重量%のBAM:Mn及び50重量%のLAPを含む場合(c)、545nmの波長において2.8a.u.の最大ピークを示し、515nmの波長において1.12a.u.の二番目のピークを示した。
【0140】
BAM:MnにLAPを添加する場合、緑色光の最大ピークが減少してバンドが広くなり、輝度の増加する効果が発生した。しかし、LAPを50重量%混ぜた場合、緑色光の波長が545nmに集中してバンドが細くなりかつ色再現性が低下した。
【0141】
図13は、本発明の第1比較実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの輝度と色再現性との関係を示すグラフである。
【0142】
図13を参照すると、BAM:Mnの割合の高いほど輝度は減少し、色再現性は増加した。一方、LAPの割合が高いほど色再現性は減少して輝度は増加した。LAPの割合が10重量%〜20重量%の場合、緑色光の輝度と色再現性とが最適化した。
【0143】
図14は、本発明の第1比較実験例によって二種類の緑色蛍光物質を含む場合、赤色、緑色、及び青色光の色再現性を示すグラフであり、図15は、図14で緑色領域に対応する‘A1’部分を拡大したグラフであり、図16は、図14で青色領域に対応する‘B1’部分を拡大したグラフである。
【0144】
図14〜16を参照すると、緑色蛍光混合物内のLAPの割合が10重量%の場合(b1)及び20重量%の場合(c1)、緑色蛍光物質としてBAM:Mnのみを用いた場合(a1)に比べて、緑色の色再現性は減少するが青色の色再現性は増加した。
【0145】
図17は、本発明の第1比較実験例によって緑色蛍光物質が青色光の色再現性に及ぶ影響を示すグラフである。
図17を参照すると、青色光を生成する青色蛍光物質としてSCAを用いる場合、青色光の波長が448nmのピークを中心に緩慢なバンド形状を示した。
【0146】
緑色光を生成する緑色蛍光物質としてBAM:Mnを用いる場合、緑色光の波長は515nmのピークを中心に緩慢なバンド形状を示し、青色光のバンドと重なる部分が少ない。
【0147】
緑色光を生成する緑色蛍光物質としてLAPを用いる場合、緑色光の波長は545nmの最大ピーク、576nmの二番目のピーク、490nmの三番目のピークなどの複数のピークを示した。LAPによって生成された緑色光の490nmのピークはSCAによって生成された青色光のバンドと重なって青色光に複数のピークを有した。
よって、緑色蛍光物質でLAPを用いる場合、青色光の色再現性が低下した。
【0148】
<比較実験例2>
図18は、本発明の他の比較実験例による多様な蛍光物質を有する冷陰極線管蛍光ランプの相対輝度と色再現性との関係を示すグラフである。本比較実験例で、蛍光層は緑色蛍光混合物の代りに単一種類の緑色蛍光物質のみを含む。
【0149】
本比較実験例の冷陰極線管蛍光ランプにおいて、緑色蛍光物質を除いた残りの構成要素は、図2に示した冷陰極線管蛍光ランプと同一であるので重複する説明は省略する。
【0150】
表4は、図18に示した冷陰極線管蛍光ランプに用いられた赤色、緑色、及び青色蛍光物質を示す。
【0151】
【表4】

【0152】
図18及び表4を参照すると、単一種類の緑色蛍光物質のみを含む場合、輝度が優秀であると色再現性が低下し、色再現性が優秀であると輝度が低下した。
【0153】
図19は、色再現性の優秀な光と色再現性の不良な光の波長と光の強さと(Intensity)を示すグラフである。
【0154】
図19を参照すると、色再現性の優秀な光(a)は広いバンド(Broad Band)、一つのピーク(Peak)及び広い半値幅(half width:FWHM)を有する。バンドは、スペクトラム線の幅を示し、半値幅はスペクトラム線の半分の高さで測定した帯域幅である。一方、色再現性の不良な光(b)は狭いバンド及び複数のピークを有する。
【0155】
表5は、単一種類の緑色蛍光物質のみを含む場合、CIE1976表色系における色再現性を示す。
【0156】
【表5】

【0157】
図20は、本発明の第2比較実験例によって単一種類の緑色蛍光物質のみを含む場合、赤色、緑色、及び青色光の色再現性を示すグラフである。図20で、表5の各ランプ番号に対応する色座標(u’、v’)をCIE1976表色系に示した。
【0158】
表5及び図20を参照すると、低色再現性ランプ21として、赤色、緑色、及び青色蛍光物質にそれぞれYOX、LAP及びBAMを用いた場合の輝度を100%とする場合、CIE1976表色系を基準に、赤色、緑色、及び青色の色座標(u’、v’)を示したグラフ(a)の色再現性は72%であった。
【0159】
高色再現性ランプ22として、赤色、緑色、及び青色蛍光物質として、それぞれYOX、LAP、及びSCAを用いた場合、輝度は85%であり、CIE1976表色系を基準に、赤色、緑色、及び青色の色座標(u’、v’)を示したグラフ(b)の色再現性は92%であった。
【0160】
赤色、緑色、及び青色蛍光物質にそれぞれYOX、LAP及びSCAを用いた場合、色再現性は20%上昇したが輝度が15%減少した。また、図20で、青色の色座標(B、B)が低色再現性ランプ21の青色の色座標(B)に比べて高色再現性ランプ22の青色の色座標(B)の位置が高くなり、青色の場合、色再現性が低下した。
【0161】
<表示装置用蛍光混合物>
<実施例1>
蛍光ランプを製造するために、蛍光混合物をランプ本体の内面上にコーティングして蛍光層を形成した。蛍光ランプは図5に示した蛍光ランプ410と同一であるので重複する説明は省略する。
【0162】
蛍光混合物は、青色蛍光物質として47重量%のSCA、赤色蛍光物質として31重量%のYOX、及び緑色蛍光物質として22重量%のCMZを混合して製造した。
本実施例で、粉末形態で混合した蛍光混合物を接着力のある結着剤を用いてランプ本体(図2の215)の内面にコーティングした。
【0163】
<実施例2>
蛍光混合物を製造するために、48重量%のSCA、29重量%のYOX、及び22重量%のCMZを混合した。
【0164】
<実施例3>
蛍光混合物を製造するために、45重量%のSCA、29重量%のYOX、及び26重量%のCMZを混合した。
【0165】
<比較例>
蛍光ランプを製造するために、蛍光混合物をランプ本体の内面上にコーティングして蛍光層を形成した。蛍光ランプは、図2に示した蛍光ランプ210と同一であるので、重複する説明は省略する。
【0166】
蛍光混合物は、青色蛍光物質として47.5gのSCA、赤色蛍光物質として31.2gのYOX、及び緑色蛍光物質として21.3gのBaMgAl1017:Eu2+、Mn2+(BAM:Mn)を混合して製造した。
【0167】
<発光特性実験>
図21は、本発明の一実施例による蛍光混合物に適用する各蛍光物質の発光特性を示すグラフである。
図21を参照すると、内面にSCAがコーティングされた蛍光ランプによって生成された光(a)は445nmにおいて最大ピークを有し、青色波長領域内に緩慢に分布されるスペクトラムを示した。
【0168】
内面にYOXがコーティングされた蛍光ランプによって生成された光(b)は、612nmにおいて最大ピークを有し、最大ピークに集中されるスペクトラムを示し、赤色波長領域内に不規則に分布される複数のピークを示した。
内面にCMZのコーティングされた蛍光ランプによって生成された光(c)は517nmで最大ピークを有し、緑波長領域内に緩慢に分布されるスペクトラムを示した。
【0169】
蛍光ランプの放電空間内に注入された水銀ガスによって生成された光(h)は赤色光領域である610nmにおいて最大ピークを有し、青色光領域である436nmにおいて二番目のピークを有し、緑色光領域である546nmで三番目のピークを有するスペクトラムを示した。
【0170】
図22は、図21に示した蛍光物質を混合して生成された蛍光混合物の発光特性を示すグラフである。図22で、蛍光混合物は47.9gのSCA、31.2gのYOX、及び22.4gのCMZを混合して形成され、結着剤を用いてランプ本体の内面上にコーティングした。
【0171】
図22を参照すると、蛍光混合物によって生成された光のスペクトラムは436nmの波長において152382a.u.の強度のピーク(peak)を示し、445nmの波長において102015a.u.の強度を示し、517nmの波長において46588a.u.の強度のピークを示し、546nmの波長において54828a.u.の強度のピークを示し、612nmの波長において158600a.u.の強度のピークを示した。
【0172】
このスペクトラムにおいて、436nmの波長及び445nmの波長は青色光の範囲に属し、517nmの波長及び546nmの波長は緑色光の範囲に属し、612nmの波長は赤色光の範囲に属した。
【0173】
スペクトラムおいて、445nmの波長はSCAによって生成された光(図21のa)の成分を示し、517nmの波長はCMZによって生成された光(図21のc)の成分を示し、612nmの波長はYOXによって生成された光(図21のb)の成分を示し、436nmの波長及び546nmの波長は水銀ガスによって生成された光(図21のh)の成分を示した。
【0174】
445nmの波長における強度と、517nmの波長における強度と、612nmの波長における強度との割合は1:0.46:1.55であった。他の実施例として、445nmの波長における強度と517nmの波長における強度との割合が1:0.4〜1:0.5の範囲を有し、445nmの波長における強度と612nmの波長における強度との割合が1:1.50〜1:1.60の範囲を有することもできる。
【0175】
図23は、図22に示したスペクトラムを有する光を、青色カラーフィルタを通過させて生成された青色光の発光特性を示すグラフである。
図23を参照すると、青色カラーフィルタを通過した光のスペクトラムにおいて、436nmの波長は107261a.u.の強度を示し、445nmの波長は77811a.u.の強度を示した。追加的に、緑色光に隣接する波長である513nmにおいて10187a.u.のピークを示した。本実施例で、青色カラーフィルタを通過した光のスペクトラムにおいて、445nmの波長における強度と513nmの波長における強度とは1:0.131の割合を有する。他の実施例として、青色カラーフィルタを通過した光の445nmの波長における強度と513nmの波長における強度とが1:0.13〜1:0.14の割合を有することもできる。
【0176】
図24は、図22に示したスペクトラムを有する光を、緑色カラーフィルタを通過させて生成された緑色光の発光特性を示すグラフである。
図24を参照すると、緑色カラーフィルタを通過した光のスペクトラムにおいて、517nmの波長は388810a.u.の強度を示し、546nmの波長は44865a.u.の強度を示した。
【0177】
図25は、図22に示したスペクトラムを有する光を、赤色カラーフィルタを通過させて生成された赤色光の発光特性を示すグラフである。
図25を参照すると、赤色カラーフィルタを通過した光のスペクトラムにおいて、612nmの波長は137212a.u.の強度を示した。
【0178】
表6は、本発明の一実施例による蛍光混合物によって生成された光の色座標を示す。表6で、SCA、YOX、及びCMZを含む実施例1の蛍光混合物と、SCA、YOX、及びBAM:Mnを含む比較例の蛍光混合物が用いられた。
【0179】
【表6】

【0180】
図26は、図22に示したスペクトラムを有する光及び本発明の比較例による光をCIE1931表色系に示したグラフである。
【0181】
図26及び表6を参照すると、SCA、YOX、及びCMZを含む蛍光混合物によって生成される赤色光、青色光及び緑色光の色再現性(a)とSCA、YOX、及びBAM:Mnを含む蛍光混合物によって生成される赤色光、青色光及び緑色光の色再現性(b)は類似であった。
【0182】
緑色蛍光物質としてCMZを用いる場合(a)、赤色光、青色光及び緑色光の色座標はCIE1931色系(c)を基準にそれぞれ(0.6494、0.3267)、(0.1501、0.0650)及び(0.2311、0.6773)であった。他の実施例として、赤色光の色座標はCIE1931表色系(c)を基準に(0.64、0.32)〜(0.65、0.33)であってもよく、青色光の色座標はCIE1931表色系(c)を基準に(0.15、0.06)〜(0.16、0.07)であってもよく、緑色光の色座標はCIE1931表色系(c)を基準に(0.23、0.67)〜(0.24、0.68)であっても良い。
【0183】
表7は、表6に示した蛍光混合物の輝度、色再現性及び白色の色座標を示す。表7の輝度は比較例による光を基準にし、白色の色座標は蛍光混合物を用いて生成された赤色光、緑色光、及び青色光を混合して生成された白色光の色座標である。
【0184】
【表7】

【0185】
表7を参照すると、白色光の色座標はSCA、YOX及びCMZを含む蛍光混合において(0.2949、0.2924)であった。緑色蛍光物質としてCMZを用いる場合、緑色蛍光物質としてBAM:Mnを用いる場合に比べ、輝度は小幅減少するが色再現性及び白色の色座標は類似であった。他の実施例として、緑色蛍光物質としてCMZを用いる場合、白色光の色座標は(0.29、0.29)〜(0.30、0.30)であってもよい。
【0186】
以上、本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離脱することなく、本発明を修正又は変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】本発明の一実施例による表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した冷陰極線管蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例による表示装置を示す分解斜視図である。
【図4】図3に示した外部電極蛍光ランプを示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施例による冷陰極線管蛍光ランプを示す断面図である。
【図6】本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの輝度と色再現性との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの赤色、緑色、及び青色光の色再現性を示すグラフである。
【図8】本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの赤色、緑色、及び青色光の色再現性(‘A’部分を拡大)を示すグラフである。
【図9】本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの赤色、緑色、及び青色光の色再現性(‘B’部分を拡大)を示すグラフである。
【図10】本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの赤色、緑色、及び青色光の色再現性(‘C’部分を拡大)を示すグラフである。
【図11】本発明の一実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプで生成された光の強度と波長との関係を示すグラフである。
【図12】本発明の第1比較実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの波長と光の強さとの関係を示すグラフである。
【図13】本発明の第1比較実験例によって多様な緑色蛍光混合物を有する冷陰極線管蛍光ランプの輝度と色再現性との関係を示すグラフである。
【図14】本発明の第1比較実験例によって二種類の緑色蛍光物質を含む場合、赤色、緑色、及び青色光の色再現性を示すグラフである。
【図15】本発明の第1比較実験例によって二種類の緑色蛍光物質を含む場合、赤色、緑色、及び青色光の色再現性(‘A’部分を拡大)を示すグラフである。
【図16】本発明の第1比較実験例によって二種類の緑色蛍光物質を含む場合、赤色、緑色、及び青色光の色再現性(‘B’部分を拡大)を示すグラフである。
【図17】本発明の第1比較実験例によって緑色蛍光物質が青色光の色再現性に及ぶ影響を示すグラフである。
【図18】本発明の他の比較実験例による多様な蛍光物質を有する冷陰極線管蛍光ランプの相対輝度と色再現性との関係を示すグラフである。
【図19】色再現性の優秀な光と色再現性の不良な光の波長と光の強さ(Intensity)を示すグラフである。
【図20】本発明の第2比較実験例によって単一種類の緑色蛍光物質のみを含む場合、赤色、緑色、及び青色光の色再現性を示すグラフである。
【図21】本発明の一実施例による蛍光混合物に適用する各蛍光物質の発光特性を示すグラフである。
【図22】図21に示した蛍光物質を混合して生成された蛍光混合物の発光特性を示すグラフである。
【図23】図22に示したスペクトラムを有する光を、青色カラーフィルタを通過させて生成された青色光の発光特性を示すグラフである。
【図24】図22に示したスペクトラムを有する光を、緑色カラーフィルタを通過させて生成された緑色光の発光特性を示すグラフである。
【図25】図22に示したスペクトラムを有する光を、赤色カラーフィルタを通過させて生成された赤色光の発光特性を示すグラフである。
【図26】図22に示したスペクトラムを有する光及び本発明の比較例による光をCIE1931表色系に示したグラフである。
【符号の説明】
【0188】
100 収納容器
110 底板
120 側壁
150 トップシャーシ
200 光源モジュール
210、410 冷陰極線管蛍光ランプ
211、411、711 放電電極
212、412、712 放電空間
213、413、713 ランプ本体
215、415、715 蛍光層
217、417、717 保護層
220 ランプカバー
230 ランプワイヤ
300 導光板
310 拡散板
320 光学シート
350 光学部材
400 反射板
450 サイドモールド
500 モールドフレーム
510 段差部
520 側壁
600 液晶表示パネル
610 アレイ基板
620 対向基板
630 液晶層
640 統合印刷回路基板
650 可撓性回路基板
710 外部電極蛍光ランプ
800、850 バックライトアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)と、
:Eu3+(YOX)と、
(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)と、を含むことを特徴とする蛍光混合物。
【請求項2】
前記SCAの含量が45〜50重量%存在し、前記YOXの含量が29〜33重量%存在し、前記CMZの含量が20〜26重量%存在することを特徴とする請求項1に記載の蛍光混合物。
【請求項3】
紫外線の生成される放電空間が内部に形成されるランプ本体と、
(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)、Y:Eu3+(YOX)、及び(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)を含む蛍光混合物を有し、前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を可視光線に変換する蛍光層と、
前記ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する放電電極と、を備えることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項4】
前記可視光線のスペクトラムは、445nmの波長における強度(Intensity)と517nmの波長における強度とが1:0.40〜1:0.50の割合を有することを特徴とする請求項3に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記可視光線のスペクトラムは、445nmの波長における強度と612nmの波長における強度とが1:1.50〜1:1.60の割合を有することを特徴とする請求項4に記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
前記可視光線のスペクトラムは、445nm波長における強度と、517nmの波長における強度と、612nmの波長における強度とが1:0.46:1.55の割合を有することを特徴とする請求項5に記載の蛍光ランプ。
【請求項7】
紫外線の生成される放電空間が内部に形成されるランプ本体と、
前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を可視光線に変換する蛍光層と、
前記ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する放電電極と、を備え、
前記可視光線のスペクトラムは、545nmの波長における強度と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.71:1の割合を有することを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項8】
前記スペクトラムは、545nmの波長における強度と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.53:1の割合を有することを特徴とする請求項7に記載の蛍光ランプ。
【請求項9】
前記スペクトラムは、516nmの波長における強度と579nmの波長における強度とが1:0.25〜1:0.27の割合を有することを特徴とする請求項7に記載の蛍光ランプ。
【請求項10】
前記スペクトラムは、545nmの波長における強度、516nmの波長における強度、及び579nmの波長における強度が1.53:1:0.26の割合を有することを特徴とする請求項9に記載の蛍光ランプ。
【請求項11】
前記蛍光層は、65〜85重量%存在するメイン緑色蛍光物質、該メイン緑色蛍光物質より色再現性は低いが輝度は高い光を生成する10〜20重量%存在する第1補助緑色蛍光物質、及び該メイン緑色蛍光物質より色再現性は高いが輝度は低い光を生成する5〜15重量%存在する第2補助緑色蛍光物質、を含む緑色蛍光混合物を有することを特徴とする請求項7に記載の蛍光ランプ。
【請求項12】
前記メイン緑色蛍光物質はBaMgAl1017:Eu2+、Mn2+を含み、前記第1補助緑色蛍光物質はLaPO:Ce3+、Tb3+を含み、前記第2補助緑色蛍光物質は(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+又はBaMgAl14O2:Mn2+を含むことを特徴とする請求項11に蛍光ランプ。
【請求項13】
前記第2補助緑色蛍光物質は、(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+を含むことを特徴とする請求項12に記載の蛍光ランプ。
【請求項14】
前記メイン緑色蛍光物質は75重量%存在し、前記第1補助緑色蛍光物質は15重量%存在し、前記第2補助緑色蛍光物質は10重量%存在することを特徴とする請求項11に記載の蛍光ランプ。
【請求項15】
前記蛍光層は、Y:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+、(Y、Gd)BO:Eu3+、YVO:Eu3+、(Ce、Gd)MgB10:Mn2+、及びYS:Eu3+からなる群から選択された一種類の赤色蛍光物質を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の蛍光ランプ。
【請求項16】
前記蛍光層は、Sr(POCl:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、SRAl11:Eu2+、BaAl13:Eu2+、CaMgSi:Eu2+、(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+、及びSrAl1425:Eu2+からなる群より選択された一種類の青色蛍光物質を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の蛍光ランプ。
【請求項17】
紫外線の生成される放電空間が内部に形成されるランプ本体、該ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を516nmの波長における強度(Intensity)と579nmの波長における強度とが1:0.25〜1:0.27の割合を有するスペクトラムの可視光線に変換させる蛍光層、及び該ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する放電電極、を有する蛍光ランプと、
前記蛍光ランプに隣接するように配置されて前記可視光線の光学特性を向上させる光学部材と、
前記蛍光ランプ及び前記光学部材を収納する収納容器と、を備えることを特徴とするバックライトアセンブリ。
【請求項18】
前記スペクトラムは、545nmの波長における強度と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.71:1の割合を有することを特徴とする請求項17に記載のバックライトアセンブリ。
【請求項19】
紫外線の生成される放電空間が内部に形成されるランプ本体、該ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を545nmの波長における強度(Intensity)と516nmの波長における強度とが1.32:1〜1.71:1の割合を有するスペクトラムの可視光線に変換させる蛍光層、及び該ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する放電電極、を有する蛍光ランプと、
前記蛍光ランプに隣接するように配置されて前記可視光線の光学特性を向上させる光学部材と、
前記蛍光ランプ及び前記光学部材を収納する収納容器と、
前記光学部材上に配置されて前記光学部材を通過した光を用いて画像を表示する表示パネルと、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項20】
前記スペクトラムは、545nmの波長における強度、516nmの波長における強度、及び579nmの波長における強度が1.32:1:0.25〜1.53:1:0.26の割合を有することを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
紫外線の生成される放電空間が内部に形成されるランプ本体、45〜50重量%の(Sr、Ca、Ba、Mg)(POCl:Eu2+(SCA)、29〜33重量%のY:Eu3+(YOX)、及び20〜26重量%の(Ce、Mg、Zn)Al1119:Mn2+(CMZ)を含む蛍光混合物を有し、前記ランプ本体の内壁に形成されて前記紫外線を可視光線に変換する蛍光層、及び前記ランプ本体の端部に配置されて前記放電空間に電圧を印加する放電電極を含む蛍光ランプと、
前記蛍光ランプ上に配置されて前記蛍光ランプで生成された可視光線の光学特性を向上させる光学部材と、
前記光学部材上に配置されて前記光学部材から提供された光を透過する複数個のカラーフィルタを含んで画像を表示する表示パネルと、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項22】
前記可視光線のスペクトラムは、445nmの波長における強度と、517nmの波長における強度と、612nmの波長における強度とが1:0.46:1.55の割合を有することを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
前記複数個のカラーフィルタは、赤色光を生成する赤色カラーフィルタ、緑色光を生成する緑色カラーフィルタ、及び青色光を生成する青色カラーフィルタ、を含むことを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【請求項24】
前記青色カラーフィルタを通過した前記青色光の445nmの波長における強度と513nmの波長における強度とが1:0.13〜1:0.14の割合を有することを特徴とする請求項23に記載の表示装置。
【請求項25】
前記緑色光の色座標がCIE1931表色系を基準として(0.23、0.67)〜(0.24、0.68)であることを特徴とする請求項23に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2009−161731(P2009−161731A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299941(P2008−299941)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】