説明

蛍光・残光検出装置および紙葉類処理装置

【課題】装置の小型化とコストダウンが図れ、かつ、残光検出性能の向上が図れる蛍光・残光検出装置および紙葉類処理装置を提供する。
【解決手段】搬送される紙葉類P上に蛍光物質で印刷された蛍光印刷情報からの蛍光および燐光物質で印刷された燐光印刷情報からの残光を検出する蛍光・残光検出装置において、蛍光検出位置13の受光光軸13aを空間的に移動させて残光検出位置15に移動させる光学系18を設け、残光検出位置15に設けた1つのラインイメージセンサ16で蛍光検出位置13からの蛍光および残光検出位置15からの残光をそれぞれ受光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、搬送される銀行券やその外の有価証券等の紙葉類上に印刷された蛍光印刷情報(第1の印刷情報)からの蛍光および燐光印刷情報(第2の印刷情報)からの残光をそれぞれ検出し、その検出結果に応じて前記搬送される紙葉類を種類ごとに区分処理する紙葉類処理装置において、搬送される紙葉類上の蛍光印刷情報からの蛍光および燐光印刷情報からの残光をそれぞれ検出する蛍光・残光検出装置、および、この蛍光・残光検出装置を用いた紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、たとえば、銀行券やその外の有価証券等の紙葉類を種類ごとに区分処理する紙葉類処理装置において、搬送される紙葉類の表面に印刷された蛍光印刷情報および燐光印刷情報を取得する場合、その搬送路において励起光源からの励起光照射により蛍光物質および燐光物質を励起し、励起状態でその発光光を検出する蛍光検出器と、搬送路の下流側に位置して励起光照射終了後の燐光物質の残光を検出する残光検出器を配置した構成の蛍光・残光検出装置が用いられる。
【0003】
このような蛍光・残光検出装置として、励起光源としての紫外線照明装置を挟んで搬送路の上流側と下流側に反射受光系を2つ配置し、紙葉類の蛍光と残光とを分別する技術が公知である(たとえば、特許文献1参照)。この公知例では、紫外線照明装置を間欠点灯し、暗時に燐光特徴を、明時と暗時との差で蛍光特徴を判別するようにしている。
【0004】
また、搬送路の上流側で紫外線照明装置と蛍光検出器で蛍光特徴を、搬送路の下流側で残光検出器を配置して残光特徴を検出する技術が公知である(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
これらの公知例では、いずれも、搬送路上に2つの反射方式の検出器を配置することで、紙葉類からの蛍光および残光を検出している。
【特許文献1】特許第3790931号公報
【特許文献2】実公昭62−2691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、紙葉類等に印刷された蛍光印刷情報や燐光印刷情報による発光は、紫外線により励起された状態で発光する蛍光印刷情報からの蛍光の発光量に比較し、紫外線励起終了後の燐光印刷情報による残光の発光量は少なく、図4に示すように、時間の経過とともに減衰して微弱な光となる。
【0007】
紙葉類を搬送手段により移動させる場合は、紫外線照明装置による励起光が無くなってから残光検出位置までの距離Lがあるため、これが図示する遅延時間tに相当し、残光の発光強度が低下することになる。
【0008】
したがって、燐光印刷情報の残光の検出には高感度光センサを用いる必要があり、高価となる。さらに、残光検出部では、紙葉類上の燐光印刷情報からの残光が微弱なため、外部からの光を遮蔽する必要がある。外部からの光には、装置周辺の環境光や、励起光源としての紫外線照明装置から発する光と紙葉類から発する蛍光も含まれる。これら外部の光を遮蔽する工夫が求められる。
【0009】
このように、蛍光検出部と残光検出部の遮光機能が残光検出性能に影響を与える。2つの受光光学系を搬送路上に近接して設ける場合、この遮光性能を充分に確保できないという問題がある。
また、このような従来の方式では、搬送路上に蛍光用と残光用の2組の検出器を配置する必要があるため、装置の大型化やコスト高となる問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、装置の小型化とコストダウンが図れ、かつ、残光検出性能の向上が図れる蛍光・残光検出装置および紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の蛍光・残光検出装置は、搬送される紙葉類上に蛍光物質で印刷された第1の印刷情報からの蛍光および蛍光物質とは異なる発光物質であって残光特性を有する発光物質で印刷された第2の印刷情報からの残光を検出する蛍光・残光検出装置であって、前記搬送される紙葉類上に励起光を照射する光源と、この光源による励起光の照射により前記紙葉類上の第1の印刷情報から放射される蛍光を検出するための蛍光検出位置と、この蛍光検出位置よりも前記紙葉類の搬送方向の下流側に設けられ、前記紙葉類上の第2の印刷情報からの残光を検出するための残光検出位置と、前記蛍光検出位置の受光光軸を空間的に移動させて前記残光検出位置へ導く光学手段と、前記残光検出位置に対応して設けられ、当該残光検出位置からの残光および前記光学手段により導かれた前記蛍光検出位置からの蛍光をそれぞれ受光して電気信号に変換する受光手段と、この受光手段の出力信号に基づき前記蛍光および残光の有無を判別する判別手段とを具備している。
【0012】
また、本発明の紙葉類処理装置は、蛍光物質で印刷された第1の印刷情報および蛍光物質とは異なる発光物質であって残光特性を有する発光物質で印刷された第2の印刷情報を有する紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送される紙葉類上に励起光を照射する光源と、この光源による励起光の照射により前記紙葉類上の第1の印刷情報から放射される蛍光を検出するための蛍光検出位置と、この蛍光検出位置よりも前記紙葉類の搬送方向の下流側に設けられ、前記紙葉類上の第2の印刷情報からの残光を検出するための残光検出位置と、前記蛍光検出位置の受光光軸を空間的に移動させて前記残光検出位置へ導く光学手段と、前記残光検出位置に対応して設けられ、当該残光検出位置からの残光および前記光学手段により導かれた前記蛍光検出位置からの蛍光をそれぞれ受光して電気信号に変換する受光手段と、この受光手段の出力信号に基づき前記蛍光および残光の有無を判別する判別手段と、この判別手段の判別結果に応じて前記紙葉類を区分処理する区分処理手段とを具備している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置の小型化とコストダウンが図れ、かつ、残光検出性能の向上が図れる蛍光・残光検出装置および紙葉類処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る蛍光・残光検出装置が適用される紙葉類処理装置について説明する。
【0015】
図7、図8は、本発明の実施の形態に係る蛍光・残光検出装置が適用される紙葉類処理装置の構成を模式的に示すものである。この紙葉類処理装置111は、たとえば、複数の銀行の各支店等から送られた銀行券(以降、紙葉類ともいう)を検査して、再使用可能な銀行券だけを結束して再使用に供するためのものである。
【0016】
図7、図8において、紙葉類処理装置111は、その一端部に集積状態の複数枚の銀行券をセットする供給部112を有する。供給部112の上部には、当該供給部112にセットされた銀行券をその集積方向上端のものから1枚ずつ取出す取出部113が設けられている。取出部113は、最上端の銀行券に転接して負圧を生じつつ回転する吸着ローラ114を有する。吸着ローラ114は、たとえば、1回転するごとに1枚の銀行券を取出すように機能し、銀行券を一定のピッチで取出すように動作する。
【0017】
取出部113の下流側には、吸着ローラ114によって取出された銀行券を搬送する搬送手段としての搬送路115が延設されている。搬送路115には、図示しない搬送ベルトや駆動プーリが配設され、図示しない駆動モータによって搬送ベルトを走行させることにより銀行券を一定速度で搬送するようになっている。
【0018】
取出部113から延びた搬送路115上には、搬送されている銀行券の光学的および磁気的な特徴情報を検出して銀行券の種類、汚棄損、表裏、真偽などを検査する検査部116が設けられている。検査部116は、搬送路115の両側に配設され、搬送される銀行券の両面の画像を読取るための2つの画像読取装置117,118を有する。画像読取装置117,118は、たとえば、撮像手段としてCCDカメラを有し、撮像した画像から銀行券の表面の模様画像を読取る。
【0019】
また、検査部116は、搬送路115を搬送される銀行券の厚みを検査する厚み検査部119を有する。厚み検査部119は、銀行券の2枚取りを検出するのに用いられる。
【0020】
さらに、検査部116は、搬送される銀行券上に印刷された蛍光印刷情報(第1の印刷情報)からの蛍光および燐光印刷情報(第2の印刷情報)からの残光をそれぞれ検出する蛍光・残光検出装置135を有する。蛍光・残光検出装置135については後で詳細を説明する。
【0021】
この他に、検査部116は、銀行券の磁気的な特徴情報を検出する少なくとも1つ以上の磁気センサ等をも備えている。
【0022】
検査部116の下流側の搬送路115上には、たとえば、6つのゲート120〜125が順次配設されている。ゲート120〜125は、検査部116における検査結果に基づいて図示しない制御部による制御にしたがって切換えられ、当該銀行券を所定の処理部へ案内する。
【0023】
検査部116の直後に配設されたゲート120は、搬送路115を排除搬送路126に分岐する位置に設けられ、検査部116を介して正規の銀行券ではないことが検出された排除券、および、検査部116において検査できなかった検査不能券等を排除搬送路126へ案内するように切換えられる。
【0024】
排除搬送路126の終端部には、取出部113にて取出した姿勢のまま、すなわち、表裏を反転しないで(実際には360°回転させて)、排除券および検査不能券をその取出し順序を変えずに集積する排除集積部(排除部)127が設けられている。
【0025】
排除集積部127には、この他に、銀行券を重ね取りした検査不能券や正規の銀行券ではないことが判定された偽券などが集積される。
【0026】
また、ゲート120の下流側の搬送路115に沿って設けられたゲート121〜124によって分岐された位置には、それぞれ第1乃至第4の集積・結束部(集積部)128〜131(以下、総称して集積・結束部132と称する場合もある)が配設されている。集積・結束部132には、ゲート120を介して導かれた排除券以外の正規の銀行券のうち再使用可能な正券だけが集積されて結束される。
【0027】
たとえば、第1および第2の集積・結束部128,129には、表面を上にした正券が100枚ずつ集積されて結束され、第3および第4の集積・結束部130,131には、裏面を上にした正券が100枚ずつ集積されて結束される。具体的には、集積・結束部128に正券を100枚集積した後、この100枚の正券を結束しているときに、もう一方の集積・結束部129に次の100枚の正券を集積する。このようにして集積・結束部132で結束された正券は、図示しないコンベア等によって機外へ排出されて再使用に供される。
【0028】
最も下流側に配設されたゲート125によって搬送路115から分岐された位置には、ゲート120を介して導かれた排除券以外の銀行券のうち、集積・結束部132へ集積されなかった損券、すなわち、正規の銀行券ではあるが汚棄損等の理由によって再使用不可能と判断された銀行券を裁断して失効させたのち収納する裁断部133が配設されている。なお、損券裁断モードが選択されていない場合、損券は裁断部133へ搬送されずに損券集積用のスタッカ134に集積される。
【0029】
また、紙葉類処理装置111は、その供給部112側にオペレータが操作する操作部136を有する。操作部136には、オペレータによる各種操作入力等を受付けるとともに、オペレータに対して各種操作案内等を表示する操作・表示パネル(表示部)137が設けられている。操作・表示パネル137は、表示したボタンにオペレータが触れることで当該ボタンの入力を検知するタッチパネルにより構成されている。この他に、操作・表示パネル137の近傍には、供給部112の銀行券投入口を開閉する取っ手を有するドア138、排除集積部127に集積された銀行券を取出すための取出口139、オペレータが操作するキーボード140などが設けられている。
【0030】
図9は、上記のように構成された紙葉類処理装置111の制御系統の構成を概略的に示すものである。
図9において、主制御部151は、全体的な制御を司るもので、これには前記検査部116、操作・表示パネル137およびキーボード140がそれぞれ接続されるとともに、搬送制御部152および集積・結束制御部153がそれぞれ接続される。
【0031】
主制御部151は、操作・表示パネル137からの指示や検査部116の検査結果などに基づき搬送制御部152および集積・結束制御部153をそれぞれ制御する。
検査部116は、前記画像読取装置117,118、厚み検査部119、蛍光・残光検出装置135、その他の銀行券のセンサ類(磁気センサ等)154、および、これらからのデータを処理することにより光学的および磁気的な特徴情報を検出して銀行券の種類、汚棄損、表裏、真偽などを判定するCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)155により構成されている。
【0032】
搬送制御部152は、主制御部151の制御に基づき前記取出部113、搬送路115、排除搬送路126およびゲート120〜125を制御することにより、銀行券の取出・搬送制御を行なう。
【0033】
集積・結束制御部153は、主制御部151の制御に基づき前記排除集積部127および集積・結束部128〜131を制御することにより、銀行券の集積・結束制御を行なう。
【0034】
以下、このように構成された紙葉類処理装置111の動作について簡単に説明する。
まず、オペレータの手作業によって1まとめの銀行券が供給部112にセットされる。この場合、オペレータは、ドア138を開けて銀行券を供給部112へセットする。この後、取出部113が駆動されることで、銀行券が最上端のものから順に1枚ずつ搬送路115上に取出される。搬送路115上に取出された銀行券は、検査部116を通過し、検査される。
【0035】
このとき、たとえば、取出部113によって複数枚の銀行券が重なった状態で取出されている場合、集積方向両端にある銀行券の表面の画像がそれぞれ画像読取装置117,118により読取られる。当然のことながら、銀行券が1枚だけ正常に取出されている場合には、当該銀行券の表裏の画像がそれぞれ読取られることになる。
【0036】
このようにして銀行券から読取られた画像は、検査部116内の図示しないメモリに一時記憶され、必要に応じて操作・表示パネル137を介してオペレータに対して表示される。本実施の形態では、取出部113で取出された銀行券のうち、排除集積部127へ集積される銀行券の画像のみをメモリに記憶するようにしている。なお、メモリに記憶した画像は、操作・表示パネル137における所定の操作により切換え表示可能となっている。
【0037】
検査部116は、画像読取装置117,118により読取られた画像や厚み検査部119の検査結果、蛍光・残光検出装置135の検査結果等に基づいて、当該銀行券が正規の銀行券であるか否かを判定する。この判定の結果、正規の銀行券である場合、当該銀行券は再使用可能な正券であるか否かを判定する。
【0038】
この判定の結果、当該銀行券が再使用可能な正券である場合、ゲート120が集積・結束部132に向かう搬送路115の方向に切換えられる。そして、ゲート121〜124のうちいずれか1つのゲートが集積・結束部132方向に切換えられ、ゲート120を介して導かれた当該正券がいずれかの集積・結束部132に集積される。
【0039】
本実施の形態では、たとえば、一方の画像読取装置117で表の模様が検出された正券、すなわち、表面を上にした状態で搬送された正券を第1、第2の集積・結束部128,129のいずれか一方に集積し、他方の画像読取装置118で表の模様が検出された正券、すなわち、裏面を上にした状態で搬送された正券を第3、第4の集積・結束部130,131のいずれか一方に集積するようにしている。
【0040】
これにより、正券の表裏を取り揃えるようにしている。たとえば、第1の集積・結束部128に表面が上の正券を集積していき、第1の集積・結束部128の正券が100枚に達した時点で、100枚の正券を結束するとともに、第2の集積・結束部129に対する正券の集積を開始し、2つの集積・結束部に100枚ずつ交互に集積して結束するようにしている。
【0041】
上記判定の結果、当該銀行券が再使用不可能な損券である場合、ゲート125が切換えられて搬送中の当該損券が裁断部133へ導かれ、当該損券が裁断されて失効される。なお、集積・結束した正券の枚数、および、裁断して失効した損券の枚数は、主制御部151で計数されて、集計される。
【0042】
上記判定の結果、当該銀行券が正規の銀行券でない場合、ゲート120が切換えられて搬送路115が排除搬送路126に接続される。そして、検査部116は、当該被処理媒体が他の媒体であるか否かを判定する。この判定の結果、当該被処理媒体は他の媒体でない場合、すなわち、2つの画像読取装置117,118で読取ったいずれの画像からも当該被処理媒体が他の媒体ではないことが判定されると、当該被処理媒体が正規の銀行券ではない例えば偽造された排除券であることが判断され、あるいは、2枚以上の銀行券の重ね取りが判断され、排除搬送路126に導かれた当該被処理媒体がそのまま排除集積部127へ集積される。
【0043】
上記判定の結果、当該被処理媒体は他の媒体である場合、たとえば異物であることが判断され、当該被処理媒体の搬送が停止されて排除搬送路126上に停止される。このようにして、排除搬送路126上に停止された当該被処理媒体は、オペレータによって取出されて確認され、手作業によって処理される。
【0044】
次に、前記蛍光・残光検出装置135について詳細に説明する。
図1、図2は、蛍光・残光検出装置135の光学系部分を模式的に示すものである。図1、図2において、紙葉類(たとえば、銀行券)Pは、その表面に蛍光物質で印刷された蛍光印刷情報(第1の印刷情報)、および、蛍光物質とは異なる発光物質であって残光特性を有する発光物質、たとえば、燐光物質で印刷された燐光印刷情報(第2の印刷情報)をそれぞれ有していて、図示しない搬送手段(前記搬送路115に相当)により図示矢印a方向に搬送される。
【0045】
紙葉類P上に励起光を照射する光源としての紫外線照明装置11は、搬送される紙葉類P上にその搬送方向aと直交する方向に設定された帯状の照明エリア12に対して紫外線(励起光)を照射し、紙葉類P上の蛍光印刷情報(蛍光物質)および燐光印刷情報(燐光物質)を励起するように構成されている。
【0046】
なお、紫外線照明装置11は、たとえば、紫外線を出力する蛍光灯や冷陰極管を使用することが可能で、高周波点灯することで時間的に連続的に紫外線を照射することができる。また、最近の発光ダイオード(LED)による照明装置の高輝度化の流れを受け、LEDをライン方向にアレイ状に並べた照明装置も使用できる。もちろん、水銀ランプ等の紫外線を有する光源を使用し、検出位置に合わせてライン上の配光に変換した照明装置も利用できる。
【0047】
照明エリア12に対応する部位には、紙葉類P上の蛍光印刷情報から放射される蛍光を検出するための蛍光検出位置13が設定されている。蛍光検出位置13に相対向し搬送される紙葉類Pの裏側に位置する部位で、紙葉類Pの搬送方向aと直交する幅方向のほぼ中央部には、紙葉類P上の蛍光印刷情報と同様な蛍光物質が表面に塗布された基準板14が設けられている。基準板14については後で詳細を説明する。
【0048】
蛍光検出位置13よりも紙葉類Pの搬送方向aの下流側に所定距離L離れた部位には、紙葉類P上の燐光印刷情報からの残光を検出するための残光検出位置15が設定されている。ここに、上記所定距離Lは、検出対象である燐光物質の残光特性と搬送手段の搬送速度(紙葉類Pの移動速度)により決定される。
【0049】
残光検出位置15と相対向する上方部位には、受光手段としてのラインイメージセンサ16が紙葉類Pの搬送方向aと直交する方向に配設されている。ラインイメージセンサ16は、紙葉類Pの搬送方向aと直交する方向に走査方向bを有していて、その受光面の走査方向bに対する前半部16aに対して、結像レンズ17により残光検出位置15の受光光軸15aを結像させるように構成されている。
【0050】
なお、受光手段16は、本実施の形態ではラインイメージセンサを用いているが、たとえば、色分解を目的とする場合はカラーラインイメージセンサ等のアレイ型センサを用いる。また、色分解の必要がない場合は、モノクロイメージセンサやフォトダイオードアレイ等も使用できる。走査方向bに分割信号を取得する必要のない場合は、単一の受光素子を配設することもできる。その場合、残光検出用と蛍光検出用の最低2つの信号を取出せるものか、2つの単一受光素子を配設することになる。
【0051】
さらに、受光手段16として、アレイ状センサとしての高感度の裏面入射型イメージセンサなどや、紙葉類の搬送方向に蓄積機能を内蔵したTDI(Time Delay Integration)動作可能で高感度を実現したデバイス等が使用可能である。単一の受光素子としてはフォトダイオード以外に、高感度センサとしてアバランシェフォトダイオードや光電子増倍管(フォトマル)などが使用できる。
【0052】
蛍光検出位置13と対応する上方部位には、蛍光検出位置13の受光光軸13aを空間的に移動させて残光検出位置15へ導く光学手段としての光学系18が設けられている。光学系18は、たとえば、光路を折り曲げて残光検出位置15(ラインイメージセンサ16)に移動させるほぼへ字状の反射ミラー19および板状の反射ミラー20,21により構成されている。
【0053】
なお、蛍光検出位置13の受光光軸13aを空間的に移動させる光学系18は、本実施の形態では複数の反射ミラー19,20,21により構成したが、たとえば、プリズム等ガラス成分で構成され内面反射を利用して光軸の位置を変換する光学素子でも実現可能である。
【0054】
光学系18により導かれた受光光軸13aは、結像レンズ22によりラインイメージセンサ16の受光面の走査方向bに対する後半部16bに対して結像させるように構成されている。
【0055】
結像レンズ22とラインイメージセンサ16の受光面との間の光路中には、光量を減衰させて蛍光検出位置13の受光量を残光検出位置15の受光量に近似させるための光量減衰手段としての減光フィルタ(ND:Neutral Density)23が設けられている。
【0056】
減光フィルタ23の目的は、前述したように蛍光物質からの蛍光は強い光が放出されるが、燐光物質からの残光は減衰が早く微弱光となる。この2つの光を同一受光手段で処理する場合、蛍光の受光で受光手段が飽和しないことが重要となる。しかし、燐光物質からの残光は弱く、信号のS/N比が悪くなる。残光に対して最適化すると蛍光が飽和するといったように、双方の差が大きいほど両立が難しくなる。この問題を解決するのが蛍光光量の減衰であり、そのために減光フィルタ23が配設されている。
【0057】
また、図2に示すように、上述した光学系部分の読取面から、ラインイメージセンサ16の受光面までを遮光手段としての遮光部材(暗箱)で囲い、外部からの光の進入を制限するように構成されている。
【0058】
すなわち、蛍光検出位置13と対応する上部には、光入力側および光出力側を除く光学系18の部分を囲う暗箱24が設けられているとともに、残光検出位置15と対応する上部には、光入力側が暗箱24の光出力側と連通していて、結像レンズ22および減光フィルタ23からラインイメージセンサ16の受光面の後半部16bまでの部分を囲う暗箱25が設けられている。また、残光検出位置15と対応する上部には、残光検出位置15上から結像レンズ22を含みラインイメージセンサ16の受光面の前半部16aまでの部分を囲う暗箱26が設けられている。
【0059】
このような遮光手段を設ける目的は、紙葉類Pからの蛍光や残光は微弱な光のため、外部の光が検出光に与える影響が大きく、これを制限することで、紙葉類Pの蛍光・燐光発光物質による発光量を安定に検出するものである。外光の種類としては、たとえば、蛍光・残光検出装置外部の環境光、紫外線照明装置から漏れる光、蛍光検出位置からの蛍光と残光検出位置からの残光の相互干渉等が挙げられる。
【0060】
図3は、蛍光・残光検出装置135の構成を概略的に示すものである。ラインイメージセンサ16からの信号は増幅器31で増幅された後、A/D変換器および信号補正回路32に送られ、その出力は判別処理回路33に送られ、判別処理回路33において蛍光・残光の有無が判別される。A/D変換器および信号補正回路32には、センサ信号の補正情報を格納し提供する補正情報メモリ34が接続され、判別処理回路33には、判別処理における基準情報や判別閾値等を格納する判定基準メモリ35が接続されている。
【0061】
以下、このように構成された蛍光・残光検出装置135の動作について説明する。
一般的な蛍光物質と燐光物質の紫外線による励起と発光の関係を図4に示す。蛍光物質も燐光物質も紫外線が照射され励起された状態では、物質固有の発光波長を持った光を発する。図4(a)に示すように、紫外線の励起を停止すると直ぐに発光が停止する蛍光物質に比べ、図4(b)に示すように、燐光物質はその発光光量は減衰しながら除々に低下して行く。この紫外線照射を停止し発光量が減衰してく様を残光として検出するものである。
【0062】
紙葉類Pが図示しない搬送手段により図示矢印a方向に搬送され、照明エリア12(蛍光検出位置13)に到達すると、紫外線照明装置11から紙葉類P上に励起光として紫外線が照射され、紙葉類P上の蛍光印刷情報(蛍光物質)および燐光印刷情報(燐光物質)がそれぞれ励起される。
【0063】
紫外線照射により励起された蛍光印刷情報および燐光印刷情報はそれぞれ発光し、その発光光は光学系18、結像レンズ22および減光フィルタ23を介してラインイメージセンサ16の受光面の後半部16bに結像され、電気信号に変換される。
【0064】
搬送される紙葉類Pが照明エリア12を通過すると、紫外線照明装置11による紫外線照射が停止されるので、蛍光印刷情報からの発光は図4(a)のように直ぐに停止するのに対し、燐光印刷情報はその残光特性により図4(b)のように発光光量は減衰しながら除々に低下して行く。
【0065】
その後、搬送される紙葉類Pが残光検出位置15に到達すると、紙葉類P上の燐光印刷情報からの残光は結像レンズ17を介してラインイメージセンサ16の受光面の前半部16aに結像され、電気信号に変換される。
【0066】
ラインイメージセンサ16から得られる画像信号は、増幅器31を介してA/D変換器および信号補正回路32に送られ、ここでA/D変換された後、ラインイメージセンサ16の走査方向の感度ばらつきや紫外線照明装置11のライン方向の明るさむらや結像レンズ17,22等に起因するひずみ成分が電気的に補正される。これらの補正情報は内部で生成して補正情報メモリ34に保存し、補正処理を行なう。
【0067】
補正処理された信号は判別処理回路33に送られ、ここで蛍光・残光の有無が判別される。蛍光・残光の有無判別は、たとえば、図4(a)に示すような波形の蛍光情報が得られた場合は蛍光有りと判別され、図4(b)に示すような波形の残光情報が得られた場合は残光有りと判別される。
【0068】
判別処理回路33では、紙葉類Pの種類に応じて時間方向や走査方向に検出位置を任意に設定したり、カラー情報の演算処理(カラーラインイメージセンサを用いている場合)や検出エリア間の演算など必要な判別処理を行なうことで、高精度な蛍光・残光検出性能を実現している。また、判別のためのエリア分割処理の指定情報や演算処理式や判別のための基準データや判定レベルなど様々な環境データや判定パラメータ等を判定基準メモリ35に格納したり、抽出したりすることで高性能を実現している。
【0069】
判別処理回路33の判別結果は検査部116のCPU155に送られ、紙葉類Pの種類判定や真偽判定を行なうためのパラメータの1つとして用いられる。
【0070】
なお、紫外線照明装置11における紫外線強度のラインイメージセンサ16の走査方向におけるむらは、蛍光検出位置12に明るさが均一で管理された蛍光発光媒体を置き、その発光光をラインイメージセンサ16で読取ることで紫外線照明装置11の特性を認識し、均一強度データに補正することが可能である。この照明の強度むらは残光検出位置15で観測される残光量にも同じ条件で影響を与えている。蛍光検出位置13で得られた補正情報を残光検出位置15の信号にも同様に適用することで、絶対量の検出性能を向上できる。
【0071】
図5は、紙葉類P上の蛍光印刷情報および燐光印刷情報の具体例を示し、図6は、上記した動作により図5の紙葉類Pから取得された画像の具体例を示している。図5の紙葉類Pは、たとえば、燐光物質による燐光印刷情報(第2の印刷情報)41を中央にして、その搬送方向aの両側部にそれぞれ蛍光物質による蛍光印刷情報(第1の印刷情報)42,43が存在する例を示していて、この紙葉類Pが図示矢印a方向に搬送されるケースで、蛍光検出位置13と残光検出位置15とが距離Lだけ離れているものとする。
【0072】
前述したように、ラインイメージセンサ16の受光面の前半部16aに残光情報、ラインイメージセンサ16の受光面の後半部16bに蛍光情報が取得できるとすると、図5の紙葉類Pに対し図6に示す画像が得られる。この例では、蛍光情報と残光情報で距離L相当だけ搬送方向aに位置ずれした画像が取得される。
【0073】
このように、本実施の形態では、蛍光検出位置13の受光光軸13aを空間的に移動させて残光検出位置15に移動させ、残光検出位置15に設けた1つのラインイメージセンサ16に結像しているため、物理的に位置が違う情報が同じ時間に出力される。この情報の位置ずれは、後段の判別処理回路33で補正することで、蛍光・残光の2つの情報を同一端面からの位置情報に変換することが可能である。
【0074】
次に、基準板14について詳細を説明する。
基準板14は、前述したように、蛍光検出位置13に相対向し搬送される紙葉類Pの裏側に位置する部位で、紙葉類Pの搬送方向aと直交する幅方向のほぼ中央部に設けられていて、搬送される紙葉類Pが存在しない状態で、紫外線照明装置11からの紫外線照射を受けて蛍光発光する。この様子を図5の取得画像例において斜線を付した帯状部14aで示している。
【0075】
この基準板14の目的は、紫外線照明装置11の経時変化による光量低下や、環境温度変動に対する光量変動等の影響を除去し、発光量の絶対値を安定に得られるように補正するためにある。紙葉類Pが存在しない状態で蛍光情報に基準板14の発光量をモニタする信号が含まれていることで、経時変動等の紫外線の発光量を確認できる。
【0076】
ラインイメージセンサ16から得られる基準板14の信号を、A/D変換器および信号補正回路32で、一定値になるよう増幅器31の利得を制御することで実現できる。あるいは、判別処理回路33において、取得した画像情報から同様の画像処理を行なうことで補正することもできる。
【0077】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、1つのラインイメージセンサ16に蛍光の受光光軸と残光の受光光軸を集約することで、受光手段を1つにできる。これにより装置の小型化とコストダウンが図れる。また、蛍光の受光光軸を残光検出位置まで移動することで、蛍光の受光光軸と残光の受光光軸との間に空間を確保することができる。この空間は、残光検出位置における外光や照明光または蛍光発光による外乱光を抑制するためのスペースとして利用可能となる。これにより残光検出性能の向上が図れる。
【0078】
また、1つのラインイメージセンサ16に蛍光の受光光軸と残光の受光光軸を集約することで、紫外線照明装置11における紫外線強度のラインイメージセンサ16の走査方向におけるむらを蛍光検出と残光検出で共通に利用することができ、これにより発光量のラインイメージセンサ16の走査位置方向の出力均一性を向上できる。
【0079】
同様に、蛍光検出位置13における搬送される紙葉類Pの裏側に基準板14を置き、その発光量をモニタしてラインイメージセンサ16の出力信号を補正することで、信号の絶対量検出の性能を向上できる。
【0080】
さらに、1つのラインイメージセンサ16に蛍光の受光光軸と残光の受光光軸を集約することで、新たに発生する蛍光と残光の受光光量比の違いによるセンサ感度と光量の最適化は蛍光の光量を一定量減衰させる光量減衰手段(減光フィルタ23)を追加することで回避できる。
【0081】
なお、前記実施の形態では、ラインイメージセンサ16の受光面の前半部16aに残光検出位置15の受光光軸15aを結像させ、ラインイメージセンサ16の受光面の後半部16bに蛍光検出位置13の受光光軸13aを結像させるように構成したが、その逆、すなわち、ラインイメージセンサ16の受光面の前半部16aに蛍光検出位置13の受光光軸13aを結像させ、ラインイメージセンサ16の受光面の後半部16bに残光検出位置15の受光光軸15aを結像させるように構成してもよい。
【0082】
また、前記実施の形態では、第2の印刷情報が燐光印刷情報である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、蛍光物質以外の発光物質であって残光特性を有する発光物質で印刷された印刷情報であれば同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る蛍光・残光検出装置の光学系部分を模式的に示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態に係る蛍光・残光検出装置の光学系部分を一部透視して模式的に示す斜視図。
【図3】本発明の実施の形態に係る蛍光・残光検出装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図4】一般的な蛍光物質と燐光物質の紫外線による励起と発光の関係を示す波形図。
【図5】紙葉類上の蛍光印刷情報および燐光印刷情報の具体例を示す模式図。
【図6】図5の紙葉類から取得された画像の具体例を示す模式図。
【図7】本発明の実施の形態に係る蛍光・残光検出装置が適用される紙葉類処理装置の外観を模式的に示す斜視図。
【図8】紙葉類処理装置の内部構成を模式的に示す構成図。
【図9】紙葉類処理装置の制御系統の構成を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
【0084】
P…紙葉類、11…紫外線照明装置(光源)、12…照明エリア、13…蛍光検出位置、14…基準板、15…残光検出位置、16…ラインイメージセンサ(受光手段)、17…結像レンズ、18…光学系(光学手段)、19,20,21…反射ミラー、22…結像レンズ、23…減光フィルタ(光量減衰手段)、24,25,26…暗箱(遮光手段)、41…燐光印刷情報(第2の印刷情報)、42,43…蛍光印刷情報(第1の印刷情報)、111…紙葉類処理装置、112…供給部、113…取出部、115…搬送路(搬送手段)、116…検査部、120〜125ゲート、126…排除搬送路、127…排除集積部、128〜131…集積・結束部、135…蛍光・残光検出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される紙葉類上に蛍光物質で印刷された第1の印刷情報からの蛍光および蛍光物質とは異なる発光物質であって残光特性を有する発光物質で印刷された第2の印刷情報からの残光を検出する蛍光・残光検出装置であって、
前記搬送される紙葉類上に励起光を照射する光源と、
この光源による励起光の照射により前記紙葉類上の第1の印刷情報から放射される蛍光を検出するための蛍光検出位置と、
この蛍光検出位置よりも前記紙葉類の搬送方向の下流側に設けられ、前記紙葉類上の第2の印刷情報からの残光を検出するための残光検出位置と、
前記蛍光検出位置の受光光軸を空間的に移動させて前記残光検出位置へ導く光学手段と、
前記残光検出位置に対応して設けられ、当該残光検出位置からの残光および前記光学手段により導かれた前記蛍光検出位置からの蛍光をそれぞれ受光して電気信号に変換する受光手段と、
この受光手段の出力信号に基づき前記蛍光および残光の有無を判別する判別手段と、
を具備したことを特徴とする蛍光・残光検出装置。
【請求項2】
前記蛍光検出位置の受光光軸内に光量を減衰させて前記蛍光検出位置の受光量を前記残光検出位置の受光量に近似させるための光量減衰手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の蛍光・残光検出装置。
【請求項3】
前記受光手段として前記紙葉類の搬送方向と直交する方向に走査方向を持つラインイメージセンサを用い、このラインイメージセンサの受光面の前記走査方向に対する前半または後半に前記残光検出位置の受光光軸を結像させ、前記ラインイメージセンサの受光面の前記走査方向に対する後半または前半に前記光学手段により導かれた前記蛍光検出位置の受光光軸を結像させることを特徴とする請求項2記載の蛍光・残光検出装置。
【請求項4】
蛍光物質で印刷された第1の印刷情報および蛍光物質とは異なる発光物質であって残光特性を有する発光物質で印刷された第2の印刷情報を有する紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される紙葉類上に励起光を照射する光源と、
この光源による励起光の照射により前記紙葉類上の第1の印刷情報から放射される蛍光を検出するための蛍光検出位置と、
この蛍光検出位置よりも前記紙葉類の搬送方向の下流側に設けられ、前記紙葉類上の第2の印刷情報からの残光を検出するための残光検出位置と、
前記蛍光検出位置の受光光軸を空間的に移動させて前記残光検出位置へ導く光学手段と、
前記残光検出位置に対応して設けられ、当該残光検出位置からの残光および前記光学手段により導かれた前記蛍光検出位置からの蛍光をそれぞれ受光して電気信号に変換する受光手段と、
この受光手段の出力信号に基づき前記蛍光および残光の有無を判別する判別手段と、
この判別手段の判別結果に応じて前記紙葉類を区分処理する区分処理手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−33176(P2010−33176A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192534(P2008−192534)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】