説明

蛍光体の製造方法

【解決手段】珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体を、一般式SiOz(式中、zは、0<z<2を満たす)で表される部分酸化珪素を、窒素ガスを含有する雰囲気下で加熱して窒化させて得られ、一般式SiNxy(式中、x及びyは、0<x≦1.3、0<y≦1.5、かつ3x/4+y/2≦1を満たす)で表される窒化酸化珪素を出発物質として含む原材料を焼成して製造する。
【効果】本発明によれば、珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体として、良好な蛍光特性を有する蛍光体を、低温で、かつ効率よく製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体の製造方法であり、窒化酸化珪素粉末を原料として用いた蛍光体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸窒化物蛍光体及び酸化物蛍光体は、LED用蛍光体として注目されている。従来、珪素及び窒素と共に酸素を構成元素として含む蛍光体、珪素及び酸素を構成元素として含む蛍光体の製造においては、出発物質として、一般に窒化珪素(Si34)や酸化珪素(SiO2)が用いられてきた。しかし、これらの物質は、融点が高く、窒化珪素(Si34)と酸化珪素(SiO2)との間、また、これらと発光イオンを与える金属元素との反応性が低いため、均一な蛍光体を得ることは容易ではない。そのため、原料が部分的にしか反応せずに、発光イオンとして機能できる金属イオンが少ない、発光イオンが分散しない、発光イオンの価数にムラができるなどの問題が生じ、良好な蛍光特性が得られていない。
【0003】
また、反応性の低い出発物質から均一な蛍光体を得るためには、焼成と粉砕を数多く繰り返す必要があり、製造負荷が大きく、また、不純物の混入リスクも高い。不純物の混入は、蛍光特性の低下に直結する。更に、反応温度を高くする必要があるため、エネルギーコストも高く、反応温度が高ければ、蛍光体の形態制御もより難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−277547号公報
【特許文献2】特開2008−138156号公報
【特許文献3】特表2005−530917号公報
【特許文献4】特開2002−356314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体を、より反応性の高い出発物質を用いて、低温で、かつ効率的に製造する方法を提供すること、ひいては、このような製造方法により、良好な蛍光特性を有する蛍光体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体を製造するに際し、一般式SiNxy(式中、x及びyは、0<x<1.3、0<y<1.5、かつ3x/4+y/2≦1を満たす)で表される窒化酸化珪素を出発物質とし、この窒化酸化珪素と共に、蛍光体として必要な金属元素の化合物を焼成して反応させれば、この窒化酸化珪素が、低温での反応性が高く、窒化珪素(Si34)や酸化珪素(SiO2)を用いて焼成する場合に比べて、低温で、より均一性の高い蛍光物質を製造でき、また、製造負荷が低減され、その結果として、良好な蛍光特性を有する蛍光体を得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は、以下の蛍光体の製造方法を提供する。
請求項1:
珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体を製造する方法であって、一般式SiNxy(式中、x及びyは、0<x≦1.3、0<y≦1.5、かつ3x/4+y/2≦1を満たす)で表される窒化酸化珪素を出発物質として含む原材料を焼成して製造することを特徴とする蛍光体の製造方法。
請求項2:
上記焼成を、窒素を含むガスを含有する雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
請求項3:
上記窒化酸化珪素が、一般式SiOz(式中、zは、0<z<2を満たす)で表される部分酸化珪素を、窒素ガスを含有する雰囲気下で加熱して窒化させてなることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
請求項4:
上記蛍光体が周期律表第2族元素と希土類元素とを含み、上記原材料が周期律表第2族元素の化合物と希土類元素の化合物とを出発物質として含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体として、良好な蛍光特性を有する蛍光体を、低温で、かつ効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1及び2の蛍光体のXRDパターンである。
【図2】実施例1及び2の蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトルである。
【図3】実施例3の蛍光体のXRDパターンである。
【図4】実施例3及び比較例1の蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳述する。
本発明が対象とする蛍光体は、珪素酸窒化物又は珪素酸化物(珪酸塩)の蛍光体であり、窒化酸化珪素を出発物質として含む原材料を焼成することにより製造される。この窒化酸化珪素として、本発明では、一般式SiNxy(式中、x及びyは、0<x≦1.3、0<y≦1.5、かつ3x/4+y/2≦1を満たす)で表される窒化酸化珪素を用いる。
【0011】
この窒化酸化珪素において、式中のxが0の場合は、窒素を含まない単なる酸化珪素であり、また、xが1.3を超える場合は、全体に占める窒素の量が多くなって、窒化珪素の性質に近くなる。そのため、いずれの場合も、焼成において、金属化合物等の他の出発物質との反応性が低下する。また、式中のyが0の場合は、酸素を含まない単なる窒化珪素であり、また、yが1.5を超える場合は、全体に占める酸素の量が多くなって、酸化珪素としての性質に近くなる。そのため、これらの場合も、焼成における、金属化合物等の他の出発物質との反応性が低下する。xのより好ましい範囲は、x≧0.7、特にx≧0.9であり、x≦1.1である。また、yのより好ましい範囲は、y≦0.9、特にy≦0.6であり、y≧0.4である。なお、x及びyは、3x/4+y/2≦1を満たし、これは、窒化酸化珪素の化学量論量、即ち、3x/4+y/2=1を上限とする範囲である。窒化酸化珪素として具体的には、Si22O(SiNO0.5)が挙げられるが、このような化学量論量のものに限られず、部分窒化酸化珪素、即ち、3x/4+y/2<1の範囲のものであってもよい。
【0012】
この窒化酸化珪素は、一般式SiOz(式中、zは、0<z<2を満たす)で表される部分酸化珪素を、窒素ガスを含有する雰囲気下で加熱して窒化させることにより得ることができる。具体的には、例えば、この部分酸化珪素の粉末を、窒素ガス(N2ガス)を含有する雰囲気下で、1,000〜1,600℃の温度範囲で加熱することにより得ることができる。この方法では、部分酸化珪素中の酸素(O)が窒素(N)に置換される条件で窒化を進行させることもでき、窒素(N)の置換によって、窒化酸化珪素中の窒素量を多くすることが可能である。
【0013】
SiOzで表される酸化珪素の物性は、特に限定されるものではないが、zの範囲が1.0≦z<1.6、特に1.0≦z≦1.3であるものが好ましい。また、BET比表面積が1〜100m2/g、特に3〜50m2/gの粉末のものが好ましい。
【0014】
部分酸化珪素の加熱における窒素ガスを含有する雰囲気としては、窒素ガス(N2ガス)を含んでいる非酸化性雰囲気下であれば、特に限定されず、窒素ガス単独雰囲気のほか、例えば、反応性を制御する等の目的で減圧にした窒素ガス含有雰囲気、窒素分圧を調整する目的で窒素ガスにAr、H2、He等の非酸化性ガスを混合した雰囲気などが挙げられる。
【0015】
上記原料粉末を、窒素ガス含有雰囲気下で窒化させる温度範囲は1,000〜1,600℃であり、より効率的に窒化反応を進行させることを考慮すると、1,100〜1,500℃、特に1,300〜1,400℃の範囲が好ましい。反応温度が1,000℃未満の場合、窒化反応がほとんど進行せず、一方、1,600℃を超えると、反応性が高く、酸素(O)が窒素(N)に置換される反応の進行が速くなりすぎて、所望とする窒化酸化珪素の窒素と酸素の量に制御しにくい。反応時間は、0.5〜20時間、特に1〜10時間、とりわけ2〜8時間が好ましい。より具体的には、例えば、1,200℃の場合は、3〜10時間、特に5〜8時間程度、1,400℃の場合は、1〜15時間、特に1.5〜10時間、とりわけ2〜5時間程度とし、反応温度に応じて適宜調整すればよい。
【0016】
このように、原料として用いる部分酸化珪素(SiOz)の物性(特にz値)、窒素分圧、反応温度、反応時間を適宜調整することで、窒化酸化珪素(SiNxy)のx,y値を所定範囲に制御することができる。
【0017】
この窒化酸化珪素粉末の具体的な製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。部分酸化珪素(SiOz)の粉末を、アルミナ製、窒化珪素製などのトレイに仕込んだ後、反応炉内に入れて、窒素ガスを反応炉内に流通させ、所定温度で所定時間加熱する。このようにして得られた窒化酸化珪素は、必要に応じて粉砕して、粉末として用いることができる。製造方式については特に制限はなく、連続法、回分法での反応が可能であり、具体的には流動層反応炉、回転炉、竪型移動層反応炉、トンネル炉、バッチ炉等を、その目的等に応じて適宜選択して用いることができる。
【0018】
本発明では、上述した窒化酸化珪素と、蛍光体として必須の発光イオンを与える金属の化合物と、上記発光イオンを与える金属以外に、必要に応じて、蛍光体の母結晶に含まれる金属を含む化合物とを出発物質とした原材料を焼成して、蛍光体を製造する。このような金属を含む化合物としては、希土類元素の化合物、アルカリ金属の化合物、周期律表第2族元素の化合物が挙げられる、これらの化合物を用いることにより、蛍光体はその組成に対応した元素(金属)を含むものとなる。
【0019】
具体的には、希土類元素としては、Eu、Ce、Pr,Nd、Dy、Ho、Yb、Tbが挙げられ、周期律表第2族元素としては、Ca、Ba、Sr、Mg、Beが挙げられる。また、これらの化合物としては、酸化物、炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、有機酸塩など、蛍光体の製造に用いられる従来公知の化合物を用いることができる。本発明の方法で製造される珪素酸窒化物の蛍光体として、より具体的には、CaSi222:Eu2+、Ba3Si6122:Eu2+などが挙げられる。一方、珪素酸化物(珪酸塩)の蛍光体として具体的には、Ba3SiO5:Eu2+、Ba2SiO4:Eu2+、(Sr,Ba)3SiO5:Eu2+、(Sr,Ba)2SiO4:Eu2+、(Sr,Ba,Mg)3SiO5:Eu2+、(Sr,Ba,Mg)2SiO4:Eu2+などが挙げられる。
【0020】
焼成は、珪素酸窒化物の蛍光体を製造する場合は、窒素を含むガス(N2ガスなど)を含有する雰囲気下で、1,000〜1,800℃、好ましくは1,100〜1,600℃、より好ましくは1,200〜1,400℃の温度範囲で、3〜48時間、特に6〜24時間加熱すればよい。この場合の雰囲気も、上述した部分酸化珪素の窒化の場合と同様、減圧雰囲気、Ar、H2、He等の非酸化性ガスを含む雰囲気でもよい。この焼成においても、出発物質である窒化酸化珪素中の酸素(O)が雰囲気ガス中の窒素(N)に置換される条件で、窒化を進行させることもでき、これにより、蛍光体中の窒素量及び酸素量を調整することが可能である。
【0021】
一方、珪素酸化物の蛍光体を製造する場合の焼成は、酸素を含むガス(O2ガスなど)と、必要に応じてAr、He等の不活性ガスとを含有する雰囲気下で、1,000〜1,800℃、好ましくは1,100〜1,600℃、より好ましくは1,200〜1,400℃の温度範囲で、3〜48時間、特に6〜24時間加熱すればよい。この焼成においては、出発物質である窒化酸化珪素中の窒素(N)が雰囲気ガス中の窒素(O)に置換される条件で、酸化を進行させることが必要であり、窒化酸化珪素中の窒素を全て酸素に置換することにより、蛍光体は珪素酸化物となる。
【0022】
このように、原料として用いる窒化酸化珪素(SiNxy)の物性(例えばx,y値、比表面積)、雰囲気ガスの種類及び分圧、反応温度、反応時間を適宜調整することで、得られる蛍光体中の窒素及び酸素の量を所望の範囲に制御することができる。
【0023】
蛍光体を製造する焼成の方法は、従来公知の方法が適用できる。具体的には、例えば、窒化酸化珪素(SiNxy)の粉末と、上記元素(金属)の化合物の粉末を混合し、必要に応じて粉砕して、アルミナ製、窒化珪素製などのトレイに仕込んだ後、反応炉内に入れて、雰囲気ガスを反応炉内に流通させ、所定温度で所定時間加熱する。このようにして得られた生成物を、必要に応じて粉砕して粉末とする。また、得られた粉末を、再び、同様の方法で焼成する工程を必要回数繰り返すこともできる。製造方式については特に制限はなく、連続法、回分法での反応が可能である。
【実施例】
【0024】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0025】
[実施例1]
SiOz(z=1.0)で表される部分酸化珪素粉末5.00gを、窒化珪素製トレイに仕込んだ後、反応炉に入れ、N2ガスとH2ガスとの混合ガス(N2ガス:H2ガス=95:5(容積比))を100Nml/minの流量で反応炉内に流通させ、1,400℃の温度で12時間加熱して窒化し、灰色塊状の窒化酸化珪素5.56gを得た。
【0026】
次に、得られた窒化酸化珪素4.50gを、アルミナ製容器に仕込み、溶剤としてヘキサンを加えて湿式粉砕した。粉砕して得られた窒化酸化珪素粉末は、平均粒子径2.22μm、BET比表面積18.2m2/gであり、XRDによる同定の結果、Si22O(SiNO0.5)であることが確認された。
【0027】
次に、上記で得られた窒化酸化珪素粉末(Si22O)1.000gと、CaCO3粉末0.961gと、Eu23粉末0.070gとを、溶剤としてアセトンを加えて乳鉢にて湿式混合した。
【0028】
次に、出発物質の混合物を、アルミナ製トレイに仕込んだ後、反応炉に入れ、N2ガスとH2ガスとの混合ガス(N2ガス:H2ガス=95:5(容積比))を100Nml/minの流量で反応炉内に流通させ、1,300℃の温度で12時間加熱して、淡黄色粉末の蛍光体1.550gを得た。
【0029】
[実施例2]
実施例1と同様の方法で得た窒化酸化珪素粉末(Si22O)1.000gと、CaCO3粉末0.961gと、Eu23粉末0.070gとを、溶剤としてアセトンを加えて乳鉢にて湿式混合した。
【0030】
次に、出発物質の混合物を、アルミナ製トレイに仕込んだ後、反応炉に入れ、N2ガスとH2ガスとの混合ガス(N2ガス:H2ガス=95:5(容積比))を100Nml/minの流量で反応炉内に流通させ、1,300℃の温度で24時間加熱して、淡黄色粉末の蛍光体1.484gを得た。
【0031】
得られた蛍光体をXRD(X線回折)により分析した。結果を図1に示す。XRDによる同定の結果、CaSi222の結晶構造が検出された。また、波長365nmの紫外線を照射すると、黄色の蛍光が確認され、この蛍光体が、CaSi222:Eu2+を含む蛍光体であることが確認された。
【0032】
また、得られた蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトルを蛍光スペクトル装置で測定した。結果を図2に示す。図2において、破線が励起スペクトル、実線が発光スペクトルである。図2から、この蛍光体が、青色LEDの発光領域である450nm付近で吸収をもち、波長550nm付近にピークを有する光を発光することがわかる。
【0033】
[実施例3]
実施例1と同様の方法で得た窒化酸化珪素粉末(Si22O)1.000gと、BaCO3粉末1.894gと、Eu23粉末0.070gとを、溶剤としてアセトンを加えて乳鉢にて湿式混合した。
【0034】
次に、出発物質の混合物を、アルミナ製トレイに仕込んだ後、反応炉に入れ、N2ガスとH2ガスとの混合ガス(N2ガス:H2ガス=95:5(容積比))を100Nml/minの流量で反応炉内に流通させ、1,300℃の温度で12時間加熱して窒化し、淡緑色粉末の蛍光体2.516gを得た。
【0035】
得られた蛍光体をXRDにより分析した。結果を図3に示す。XRDによる同定の結果、Ba3Si6122の結晶構造が検出された。また、波長365nmの紫外線を照射すると、緑色の蛍光が確認され、この蛍光体が、Ba3Si6122:Eu2+を含む蛍光体であることが確認された。
【0036】
[比較例1]
SiOz(z=1.0)で表される部分酸化珪素粉末0.880gと、BaCO3粉末1.894gと、Eu23粉末0.070gとを、溶剤としてアセトンを加えて乳鉢にて湿式混合した。
【0037】
次に、出発物質の混合物を、アルミナ製トレイに仕込んだ後、反応炉に入れ、N2ガスとH2ガスとの混合ガス(N2ガス:H2ガス=95:5(容積比))を100Nml/minの流量で反応炉内に流通させ、1,300℃の温度で12時間加熱して窒化し、淡緑色粉末の蛍光体2.498gを得た。
【0038】
また、実施例3及び比較例1について、得られた蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトルを実施例1と同様の方法で測定した。結果を図4に示す。図4において、破線が励起スペクトル、実線が発光スペクトルである。図4から、この蛍光体が、青色LEDの発光領域である450nm付近で強い吸収をもち、波長520nm付近にピークを有する光を発光することがわかる。更に、両者の比較から、本発明の方法で製造した実施例の蛍光体の発光スペクトルの強度が、従来の方法で製造した比較例の蛍光体より高く、本発明により、良好な蛍光特性が得られていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪素酸窒化物又は珪素酸化物の蛍光体を製造する方法であって、一般式SiNxy(式中、x及びyは、0<x≦1.3、0<y≦1.5、かつ3x/4+y/2≦1を満たす)で表される窒化酸化珪素を出発物質として含む原材料を焼成して製造することを特徴とする蛍光体の製造方法。
【請求項2】
上記焼成を、窒素を含むガスを含有する雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
上記窒化酸化珪素が、一般式SiOz(式中、zは、0<z<2を満たす)で表される部分酸化珪素を、窒素ガスを含有する雰囲気下で加熱して窒化させてなることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
上記蛍光体が周期律表第2族元素と希土類元素とを含み、上記原材料が周期律表第2族元素の化合物と希土類元素の化合物とを出発物質として含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−153737(P2012−153737A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6110(P2011−6110)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(304027279)国立大学法人 新潟大学 (310)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】