説明

蛍光性の透明な複合材料

【課題】
本発明は、蛍光粒子を含有する透明な蛍光プラスチックガラスを提供するとともに、その製造方法を提供する。
【解決手段】
蛍光粒子にはナノ粒子を用い、このナノ粒子は、蛍光色素である蛍光材料並びに/または遷移金属及び/若しくはランタニド元素でドープされた蛍光材料である。前記ガラスは透明性の点で純粋なプラスチックガラスとほとんど異ならないかほんのわずか相違するのみである。加えて前記ガラスは容易に製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光性(luminescent)の透明なポリマー、このポリマーの製造方法及び蛍光性の透明なガラス(glasses)の製造のためのポリマーの使用及び前記ポリマーでコーティングしたガラスの製造のためのポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ドープした硫化亜鉛(zinc sulfide)ナノ粒子(nanoparticles)は、亜鉛塩(zinc salts)及びチオ尿素(thiourea)または硫化ナトリウム(sodium sulfide)のような硫黄源(sulfur source)からの沈殿反応(precipitation reactions)により、溶液中において多様な方法で製造することができる。例えば、酢酸亜鉛(zinc acetate)と酢酸マンガン(manganese acetate)はメタノール中でNa2Sと反応し、3〜4nmのサイズを有するZnS:Mn粒子の構成をとる。紫外線(300nm)による励起(excitation)で、マンガンでドープされたZnSのナノ粒子は、オレンジ色(590nm)に発光するが、最大4%という低い収量でしかない。
【0003】
例えば水溶液中のポリメタクリル酸(polymethacrylic acid)は、硫化亜鉛を合成する間、ZnSナノ粒子を安定させるための補助(auxiliary)として使用される。ドープした硫化亜鉛ナノ粒子の光ルミネセンス(photoluminescence)の強度は、前記粒子表面のアクリル酸(acrylic acid)またはポリアクリル酸(polyacrylic acid)の吸着によりかなり増加することが知られている。この方法で製造した粒子は、例えばフィルム混合物の製造のために使用することができる。
【0004】
銅をドープしたZnSナノ結晶(nanocrystals)は、電界発光部の製造のために薄いフィルムの形態で、ポリメチルメタクリル酸塩(poly(methylmethacrylate))(PMMA)とのポリマー混合物を製造するのに適している。ポリマー中の分散剤は、しばしば機械的影響を与える。
【0005】
ZnSナノ粒子の製造方法、つまり有機溶媒中の亜鉛塩をH2Sと反応させる方法及びポリマーをフィルムへと処理する方法がCN1394900に開示されている。ナノZnS/ポリマー分散物により透明性を有するか否かについては記載されていない。ZnS及びCdSeのような半導体ナノ粒子を含むアクリルガラス(acrylic glass)の透明フィルムが、JP2002105325に開示されている。前記粒子は、ホスフィンオキシド(phosphine oxide)により安定化されている。一般的には、これらのフィルムは高い比率で固形物を含むため、前記フィルムから電界発光部を製造するためには厚くても数ミクロンとする必要がある。
【0006】
高い屈折率を有するスペクタクルガラスの製造のために、ZnSナノ粒子とスチレン−メタクリル酸塩(styrene-methacrylate)含有共重合体からなる熱可塑性混合物の製品が、JP2002047425に開示されている。チオール(thiols)が、ナノ粒子の安定化のために使用されている。
【0007】
従来技術で開示されている方法は、多くの用途において、使用されるZnS分散剤がコロイド粒子を安定性させるには不十分という欠点がある。通常、チオール(thiols)、ホスフィンオキシド(phosphine oxide)または界面活性剤のような安定剤が、コロイド粒子の安定性を改善するために添加される。チオールのような安定剤は、遊離基重合(free radical polymerization)において遊離基スカベンジャー(free radical scavengers)として作用し、重合においては逆効果を有する。
【特許文献1】中国特許第1394900号
【特許文献2】特開2002−105325A号公報
【特許文献3】特開2002−047425A号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、純粋なプラスチックガラス(plastic glasses)と特に透明性の点でほとんど相違がないか、相違があってもごくわずかである蛍光プラスチックガラス(luminescent plastic glasses)を提供することである。これらのガラスは、単純な方法で製造することができるのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、蛍光ナノ粒子を含有する透明な蛍光プラスチックガラス(luminescent plastic glasses)に関する。
【0010】
この場合、透明とは、ガラスを可視光線下で見たときに、散乱効果による不透明性が観察されないことを意味する。このために、特に、光散乱効果がわずかである小さな粒子を製造することがまず必要となる。次に、粉体として製造された粒子は、主要な粒子サイズよりも大きい集合体による散乱効果を取り除くために、モノマー中での適切な分散法によって相互に分離されなければならない。この分散状態は、ガラスを成形し製造するために使用する比較的多量のモノマーの塊状重合(mass polymerization)の間でさえ、濁るようなことがあってはならない。
【0011】
プラスチックガラスとは、プラスチックが例えばフィルム状の形または三次元形状といった任意の形状を取ることができる、ということである。
【0012】
このナノ粒子は、1〜300nmの粒子サイズを有しているが、100nm以下の粒子サイズが好ましい。ここでは個々に分離したクリスタリット(crystallites)を意味している。全体の粒子サイズが3nm以上であり特に100nm以下である凝集粒子もまた存在する場合がある。ナノ粒子は、分離したクリスタリットの状態または粒子サイズ50nmを超えない小さな凝集粒子の状態で存在するのが好ましい。最終産物のガラスの透明性が減じてしまうため、大きな凝集粒子は好ましくない。
【0013】
本発明によるガラスは、特に蛍光ガラス(luminescent glazing)、装飾用ランプ部品または活性光源として紫外線の光源を使用する透明性カラーディスプレーのような装飾品の製造に適している。これらは、例えばプラカードや時刻表などを照らすのに使用できる。加えて、本発明のナノ粒子は、透明性を損なうことなくプラスチックガラスの特性を変えるのに使用できる。ナノ粒子の導入により、屈折率が増し、これにより光学部品において本発明のガラスを使用することが好適となる。
【0014】
さらなる利点として、プラスチックガラスを含む大面積ガラス、特にポリメチルメタクリル酸塩(poly(methylmethacrylates))を含むガラスが使用されるときに、多くの蛍光ナノ粒子(luminescent nanoparticles)は難燃効果を有し、これにより耐火性を改善するに至ることがある。
【0015】
本発明による蛍光ナノ粒子は、蛍光色素である蛍光材料並びに/または遷移金属及び/若しくはランタニド元素(lanthanides)でドープされた蛍光材料から選択することができる。好適な蛍光材料としてY23、YVO4、Zn2SiO4、CaWO4、MgSiO3、BaF2、SrAl24、ZnO、ZnS、Gd23S、La22S、BaFCl、LaOBr、Ca10(PO46(F,Cl)2、BaMg2Al627、CeMgAl1119、ZnSe、CdSなどがある。さらに好ましい材料として例えばZnSとZnOがある。蛍光材料は、ポリマーの量を基準として0.1〜20質量%の量でガラスに存在するのが好ましい。
【0016】
蛍光性を活性化するために、Alのようなドープ材料として知られた金属、Cu,Ag若しくはMnのような遷移金属またはEu若しくはYbなどのような希土類金属でナノ粒子をドープすることができる。これらの金属は、蛍光材料を基準として0.1〜5質量%の量で存在しているのが好ましい。
【0017】
本発明で使用されるプラスチックガラスは、通常の透明プラスチックから選択するのが好ましい。上記プラスチックガラスは、例えばアクリル酸(acrylic acid)、ブタンジオールモノアクリル酸エステル(butanediol monoacrylate)、トリメチロールプロパントリアクリル酸エステル(trimethylolpropanetriacrylate)などからなるポリアクリル酸エステル(polyacrylates)、及びその誘導体、ポリメタクリル酸エステル(polymethacrylates)、ポリカーボネート(polycarbonates)、ポリスチレン(polystyrene)、エポキシド(epoxides)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalates)、エチレン−ノルボルネン(ethylene-norbornene)共重合体及びこれらモノマーの任意の共重合体からなる群から選択されたポリマーまたは該ポリマーの混合物が好ましい。
【0018】
さらに本発明は、蛍光性透明プラスチックガラスの製造方法に関する。1または2以上のナノ粒子がポリマー前駆体またはポリマー前駆体溶液と混合され、得られた混合物は公知の方法で重合される。
【0019】
本発明を行うために、本方法の最初の段階で、蛍光ナノ粒子をポリマー前駆体またはこのポリマー前駆体溶液と十分に混合するのが好ましい。ポリマー前駆体中でナノ粒子が均一に分散すれば、均一な蛍光性、透明性を有する製品を得ることが可能となる。均一に分散させるために上記混合物を分散中加熱するが、その温度はポリマー前駆体の重合温度または分解温度以下とすべきである。
【0020】
本発明の実施形態として、ナノ粒子は、ポリマー前駆体中に混合する直前に、当業者に従来技術として知られた沈殿反応により可溶性塩から製造する。このナノ粒子は、ポリマー前駆体と混合したナノ粒子前駆体から、その混合物中において製造することもできる。可溶性塩由来のナノ粒子をアルコール溶媒中で製造すると、特に好ましい分散を得ることができる。アルコール溶媒には、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールまたはそれに類似した溶媒があげられる。ポリマー前駆体中においてOH基のような極性ラジカル(polar radicals)及び極性基(polar groups)により安定化する粒子が、沈殿反応の間に形成する。生成した蛍光物質の粒子は、ポリマー前駆体中での特に優れたコロイド安定性(colloidal stability)により区別される。
【0021】
本発明の更なる実施態様として、まず、ナノ粒子をポリマー前駆体の一部と混合する。この混合物または分散物を、更なるポリマー前駆体(最初のポリマー前駆体と異なったポリマー前駆体でもよい)と混合してから重合させる。上記のように、使用されるナノ粒子がアルコール溶液からの沈殿反応により生成する場合には、これら粒子の少なくとも一部を溶媒から分離してから、ポリマー前駆体と混合または分散させるのが好ましい。このようにして得られた混合物は、ナノ粒子がコロイド状態で溶解または分布して、均一に分散していることが好ましい。この混合物または分散物をさらなるポリマー前駆体と混合し、以下に示すように重合させる。
【0022】
重合体の前駆体は、処理温度で液体であるかまたは溶媒に可溶なモノマーまたはオリゴマーであることが好ましい。ナノ粒子は、一種類のモノマー、多様なモノマーの混合物または相互に重合したオリゴマーと混合できる。重合で又はその後の工程で分散を促進する場合に、溶媒を添加することもある。この溶媒は、重合とポリマー前駆体または最終産物におけるナノ粒子の安定性に不利な影響を与えるものではなく、また再度除去するのが容易であることが必要である。適切な溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、CH2Cl2、ペンタンまたはヘキサンのような低沸点アルカン(lowboiling alkanes)、トルエンのような芳香族などがあげられる。
【0023】
ナノ粒子はできるだけ微細な形態で分布している、つまり混合物中に微細に分散しているのが好ましい。分散したナノ粒子の粒子サイズは、100nm以下が好ましい。
【0024】
ナノ粒子とポリマー前駆体の混合物は、本方法の第2工程において公知の方法で重合される。上述したように、ナノ粒子を本発明におけるガラス製造に必要なポリマー前駆体の一部とだけ混合するのが好ましい。残りのポリマー前駆体は重合直前に添加する。もし重合に有益であれば、この混合物及び追加するポリマー前駆体を分散の前処理として水と混合してもよい。重合のタイプに応じて、阻害剤及び/または触媒も添加する。
【0025】
本発明の方法の第2工程で得られた混合物を重合し蛍光性透明ガラスを得ることができる。
【0026】
本発明の実施形態として、本発明の方法の第2工程で得られた混合物をプラスチックガラスまたはケイ酸塩ガラスに使用して、これらのガラス上で重合させることも可能である。この場合、表面を蛍光性透明プラスチックガラスで覆ったガラスが得られる。
【0027】
本発明のさらなる目的は、プラスチックのマーキングのために、ガラスを含んだ物体上の銘を含む照明要素または蛍光ディスプレイの製造のために、本発明による蛍光性透明プラスチックガラスを使用することである。
【0028】
さらには、無機または有機ガラス表面のコーティング材の製造のために、本発明による蛍光性透明プラスチックガラスを使用することも本発明の目的である。
【実施例】
【0029】
[実施例1]
A)ZnS:Mn/アクリル酸分散物(acrylic acid dispersion)の調整。
酢酸亜鉛二水和物(zinc acetate dihydrate)10gと酢酸マンガン四水和物(manganese acetate tetrahydrate)0.2gを300mlのメタノールに溶解した。次に、メタノール−水の1:1混合物80mlに3gの硫化ナトリウム(sodium sulfide)(61%)の溶液を添加した。そして、得られた分散物(dispersion)を15分間攪拌した。遠心分離により白色の硫化亜鉛:マンガン沈殿(sulfide:manganese precipitate)を得、25mlのアクリル酸に添加し、100℃にて30分間攪拌した。次に、この分散物を90℃にて10時間熱処理をした。0.5mlの水の添加により、UV光(366nm)で励起(excitation)させるとオレンジ色に強く発光する透明な分散物を得た。
【0030】
B)ZnS:Mn/アクリル酸、メタクリル酸メチル分散物(methyl methacrylate dispersion)の調整とその塊状重合。
A)由来の分散物1mlを、4mlのメタクリル酸メチル(methyl methacrylate)、2mlのアクリル酸及び0.35mlの水の混合物と混合した。フリーラジカル重合開始剤(free radical initiator)AIBN(0.2%)を上記の透明な分散物に添加した。その後脱ガス(degass)して、わずかな真空下にてガラス製アンプル(深さ10mm)中に密封した。次に、50℃の水槽中において、6時間重合反応を行った後、90℃にて3時間、硬化させた。
【0031】
[実施例2]
A)ZnS:Mn/アクリル酸分散物の調整。
酢酸亜鉛二水和物(zinc acetate dihydrate)5gと酢酸マンガン四水和物(manganese acetate tetrahydrate)0.1gを150mlのメタノールに溶解した。次に、メタノールと水の1:1混合物80mlに3gの硫化ナトリウム(sodium sulfide)(61%)の溶液を添加した。そして、得られた分散物を15分間攪拌した。遠心分離により白色の硫化亜鉛:マンガン沈殿(sulfide:manganese precipitate)を得て、これを30mlのアクリル酸に添加し、100℃にて30分間攪拌した。次にこの分散物を90℃にて18時間熱処理をした。0.5mlの水の添加により、UV光(366nm)で励起(excitation)させるとオレンジ色に強く発光する透明な分散物を得た。
【0032】
B)ZnS:Mn/アクリル酸、メタクリル酸メチル(methyl methacrylate)の分散物の調整とその塊状重合。
酢酸亜鉛(zinc acetate)0.5gをA)由来の分散物1mlに添加し、その後、2mlのメタクリル酸メチルと混合した。フリーラジカル重合開始剤(free radical initiator)AIBN(0.2%)を上記の安定した透明な分散物に添加した。その後脱ガス(degass)して、わずかな真空下にてガラス製アンプル(深さ10mm)中に密封した。次に、50℃の水槽中において、2,3時間重合反応を行った後、90℃にて重合反応を完成させた。
【0033】
[実施例3]
透明なZnO/プラスチック混合物。
A)ZnOナノ粒子の合成。
安定したZnOナノ粒子のエタノール分散物(ethanolicdispersion)を次のように調整する。エタノール100ml中の酢酸亜鉛(zinc acetate)2.2g(0.01mol)を沸騰させて溶解した。前記溶液が室温まで冷えたらすぐに、熱処理をした0.2モル濃度のNaOHのエタノール溶液37.5mlを添加して、24時間放置した。生成した粒子は、紫外線照射のもと発光した。
【0034】
B)モノマー分散物の調整。
10mlのブタンジオールモノアクリレート(butanediol monoacrylate)(BDMA)を上記のエタノール分散物(ethanolicdispersion)100mlに添加した。真空中にてエタノールをこの混合物から蒸発させることで、約10mlの分散物が残った。さらに24時間放置後、遠心分離により白色の沈殿を分離した。上清の分散物はZnO粒子による緑色の蛍光を示し、透明でもあった。上記の沈殿には有意な量のZnOは含まれていなかった。周囲のBDMAは重合可能であり、メタクリル酸メチル(methyl methacrylate)、スチレン(styrene)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropane triacrylate)(TMPTA)といった他のモノマーとの混合も可能である。これらモノマーとの共重合でも、透明な蛍光性複合材料を得ることができた。
【0035】
C)ZnO−BDMA複合材料の製造。
3gのBDMA/ZnO分散物を1gのTMPTAと0.004gのルシリン(Lucirin)TPO(UV光重合開始剤)と混合し、フレキシブルなポリ塩化ビニル(PVC)のリングにより1.5mmの空隙がある2枚のガラスシート間に入れた。この混合物と液体面上の気体空間にアルゴンガスを通気し、紫外線(UVAキューブ(UVA cube)(UV重合のための重合促進チャンバー)を使用、ヘーンレ(Hoenle)社製)を1分間照射した。小さな固形物、つまりZnOによる蛍光特性を有する透明なポリマーシートを得ることができた。
【0036】
[実施例4]
A)ZnO−BDMA/スチレン複合材料の製造。
実施例3由来のBDMA/ZnO分散物1.5gを1.5gのスチレン(styrene)、1gのTMPTA及び0.004gのルシリン(Lucirin)TPO(UV光重合開始剤)と混合し、これを実施例3のC)と同様の方法で重合して透明なシートを得た。
【0037】
[実施例5]
ZnO−BDMA/メタクリル酸メチル複合材料の製造。
実施例3由来のBDMA/ZnO分散物1.5gを1.5gのメタクリル酸メチル(methyl methacrylate)、1gのTMPTA及び0.004gのルシリン(Lucirin)TPO(UV光重合開始剤)と混合し、これを実施例3のC)と同様の方法で重合して透明なシートを得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光ナノ粒子を含む透明な蛍光プラスチックガラス。
【請求項2】
前記ナノ粒子が、蛍光色素である蛍光材料並びに/または遷移金属及び/若しくはランタニド元素でドープされた蛍光材料であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックガラス。
【請求項3】
ガラス中の前記ナノ粒子が、ポリマーの量を基準にして0.1〜20質量%含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のプラスチックガラス。
【請求項4】
前記蛍光材料が、Y23、YVO4、Zn2SiO4、CaWO4、MgSiO3、BaF2、SrAl24、ZnO、ZnS、Gd23S、La22S、BaFCl、LaOBr、Ca10(PO46(F,Cl)2、BaMg2Al627、CeMgAl1119、ZnSe、CdS及びこれらの任意の混合物からなる群から選択された化合物であることを特徴とする、請求項2または3に記載のプラスチックガラス。
【請求項5】
前記蛍光材料が、ZnS及びZnOからなる群から選択された化合物であることを特徴とする、請求項4に記載のプラスチックガラス。
【請求項6】
前記蛍光材料が、Al、遷移金属または希土類金属でドープされていることを特徴とする、請求項4または5に記載のプラスチックガラス。
【請求項7】
前記遷移金属が、Cu、Ag、Mn及びこれらの任意の混合物からなる群から選択された金属であることを特徴とする、請求項6に記載のプラスチックガラス。
【請求項8】
前記希土類金属が、Eu、Yb及びこれらの任意の混合物からなる群から選択された金属であることを特徴とする、請求項6に記載のプラスチックガラス。
【請求項9】
前記プラスチックが、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル誘導体、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシド、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ノルボルネン共重合体及びこれらモノマーの任意の共重合体からなる群から選択されたポリマーまたは該ポリマーの混合物であることを特徴とする、請求項1ないし8の何れか1項に記載のプラスチックガラス。
【請求項10】
1または2以上の前記蛍光材料をポリマー前駆体またはポリマー前駆体溶液と混合する第一工程と、
前記混合物を公知の技術で重合させる第2工程と、
を備えることを特徴とする、透明な蛍光プラスチックガラスの製造方法。
【請求項11】
前記蛍光材料が、アルコール溶媒からの沈殿反応により得られることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記蛍光材料が、前記ポリマー前駆体、該ポリマー前駆体の一部、前記ポリマー前駆体溶液または該ポリマー前駆体溶液の一部に分散されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマー前駆体が、処理温度において液体であるかまたは溶媒に溶解しているモノマーまたは重合可能なオリゴマーであることを特徴とする、請求項10ないし12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記蛍光材料が、100nm以下の粒子サイズであり、前記ポリマーとの混合物中に存在していることを特徴とする、請求項10ないし13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記プラスチックガラスが、フィルム形状または製品の形態であることを特徴とする、請求項10ないし14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1ないし9の何れか1項に記載の透明な蛍光プラスチックガラスを、プラスチックのマーキングのために、ガラスを含んだ物体上の銘を含む照明要素または蛍光ディスプレイの製造のために用いる方法。
【請求項17】
請求項1ないし9の何れか1項に記載の透明な蛍光プラスチックガラスを無機または有機ガラス表面のコーティング材の製造のために用いる方法。


【公表番号】特表2007−523221(P2007−523221A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535941(P2006−535941)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/DE2004/002347
【国際公開番号】WO2005/037925
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(591091515)シュトゥディエンゲゼルシャフト・コーレ・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (18)
【氏名又は名称原語表記】STUDIENGESELLSCHAFT KOHLE MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】