説明

蛍光撮像顕微鏡法の顕微鏡及び方法

【課題】蛍光撮像顕微鏡法の顕微鏡及び方法を提供する。
【解決手段】パルス光源(1)と、撮像検出器(11)とを含む、蛍光撮像顕微鏡法、特に広視野蛍光顕微鏡法の顕微鏡は、ゲーティング手段が設けられること、並びにゲーティングにより、光源(1)及び検出器(11)が同期して、適した蛍光成分が評価に使用され、不適成分が拒絶されるように反射/散乱光を抑制することを特徴とする。さらに、本発明による顕微鏡を使用して蛍光撮像顕微鏡法を実行する方法が使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス光源と、撮像検出器とを含む、蛍光撮像顕微鏡法、特に広視野蛍光顕微鏡法の顕微鏡に関する。本発明は、本発明の顕微鏡を提供する、対応する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
極めて一般的には、本発明は蛍光顕微鏡法に関し、特に広視野蛍光顕微鏡法に関する。
【0003】
広視野蛍光顕微鏡法は、生物学的研究及び医学的研究で非常に重要である。従来の蛍光顕微鏡法では、試料は多かれ少なかれ1つずつ広視野顕微鏡法で照明されるが、試料は大きな面積にわたって照明され、対物レンズで撮像されるため、システム全体の点広がり関数(PSF)は対物レンズの(検出)PSFのみによって決まる。対照的に、共焦点顕微鏡では、入射光は試料に焦点合わせされるため、全体のPSFは照明PSFと検出PSFとの積である。
【0004】
一般に、広視野蛍光顕微鏡では、試料から顕微鏡の検出器光線路に散乱する励起光の量は、空間フィルタリングが検出ピンホールにより提供される共焦点顕微鏡で生じ得る量よりもはるかに高い。それにも関わらず、満足のいく条件下で画像を取得できるようにするには、散乱/反射光を十分な程度まで抑制する必要がある。このために、広視野蛍光顕微鏡は通常、対応する励起波長を抑制するバリアフィルタを使用する。通常、フィルタキューブが使用され、フィルタキューブは、バリアフィルタ(放射フィルタ)に加えて、励起光のスペクトルをフィルタリングする励起フィルタと、主ビームスプリッタとしてのダイクロイックとも含み、主ビームスプリッタは励起フィルタ及び放射フィルタの両方を支援する。
【0005】
しかし、ここでの欠点は、非可変のフィルタ特徴により、励起光のスペクトル調整ができないことである。さらに、多波長励起の場合、適切なスペクトル位置で透過又は反射するために、非常に特別なフィルタを使用する必要があり、柔軟性がさらに制限され、複数のスペクトル励起領域及び反射領域が可能な場合、一般に実際に使用されるフィルタホィールでは実施することができないほど多数の組み合わせが必要である。さらに、対応するフィルタのスペクトル幅により、検出領域は、励起波長領域から定義されたスペクトル距離を有さなければならず、その結果、顕微鏡の感度を増大させるために検出したい励起光が、中間領域で失われる。
【0006】
共焦点顕微鏡についてさらに詳しくは、例えば、特許文献1を参照し得る。この文献では、検出光は通常、少なくとも部分的に、ピンホールを通る有向光線の形態で存在する。したがって、音響光学装置を使用することが可能である。対照的に、広視野顕微鏡法では、実際の画像は視野光学系内に形成され、これは、光が複数の角度で同時に入射することを意味し、次に音響光学装置の使用を不適に、または実質的に不可能にさえするように見える。これは、音響光学装置が極めて大きな光学的開口部を必要とし、したがって、極めて複雑で高価であることに起因する。
【0007】
特許文献2から、顕微鏡でゲーティングを使用することはそれ自体が既知であるが、ゲーティングは撮像目的では使用されず、撮像中の反射/散乱光を抑制するために使用されることはさらにない。むしろ、この特許は、試料の化学組成を特徴付ける点スペクトルの撮像(顕微分光測光法)に関し、撮像検出器の使用を提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第199 06 757 A1号明細書
【特許文献2】米国特許第5,252,834号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、広視野蛍光顕微鏡法が可能な蛍光撮像顕微鏡で、満足のいく条件下で再現可能な画像を取得可能な単純な手段を使用して反射/散乱光の抑制を達成することである。これを達成するために必要な特徴は、単純な手段を用いて費用効率的に実施可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による顕微鏡に関しては、上記目的は請求項1に記載の特徴により達成される。本発明による方法に関しては、上記目的は、本発明による顕微鏡を使用して、請求項18に記載の特徴により達成される。
【0011】
本発明による顕微鏡では、根本的な問題は、ゲーティングする手段を設けることにより、ゲーティングにより光源及び検出器が同期して、適した蛍光成分が評価に使用され、不適成分が拒絶されるように、反射/散乱光を抑制するという点で解消される。本発明の方法はそれに従って設計される。
【0012】
本発明の手法は、パルス光源と併せて顕微鏡法での撮像検出器のゲーティングを提案する。しかし、顕微鏡法に現在一般に使用されるカメラでは、読み出しが通常、共通の読み出しレジスタを介して逐次実行されるため、ゲーティングが可能ではなく、すべてのピクセルでの同時ゲーティングの可能度はさらに低い。これは、単一光子検出感度を有する従来のCMOSチップを用いても不可能であり、その理由は、そのようなCMOSチップでは、並列読み出しが可能であるが、読み出しプロセスがあまりにも遅すぎて、サブ100ns範囲での適したゲーティングが不可能であるためである。
【0013】
本発明に基づいて、好ましくは、ガイガーモードで動作するアバランシェフォトダイオードのアレイ(APDアレイ:この種のAPDは「シリコンフォトマルチプレクサ」と呼ばれることもある)が、ゲーティング可能であり、本発明による反射/散乱光の抑制が可能な撮像ユニットの提供に使用される。原理上、「ゲーティング可能なカメラ」を他の方法で実施することも考えられる。
【0014】
本発明は、パルス光源と、撮像検出器と共に動作する蛍光顕微鏡に基づく。パルス光源に関しては、蛍光減衰時間を考慮するために、この光源がおよそ蛍光の寿命程度の、又はよりよくは蛍光の寿命よりも短いパルス持続時間を有することが有利である。従来の蛍光色素が使用されると仮定すると、5ns未満、好ましくは1ns未満、特に好ましくは200ps未満の範囲のパルス持続時間を実施することが有利である。光源は、レーザ、LED、閃光LED、又はレーザ励起増幅媒質等であり得る。光源をトリガ可能である場合、特に有利である。しかし、これは本発明の教示の実施にとって必ずしも必要ではない。
【0015】
特に有利には、パルス白色光レーザ、パルスLED、パルスOPO、及び他のパルスレーザを使用することができる。
【0016】
検出は、言わば「ゲーティング可能なカメラ」を構成する撮像検出器を使用して実行される。これは、任意の種類のトリガ可能/ゲーティング可能な高速光学シャッタを前に有するカメラ又はアクティブ化可能/非アクティブ化可能な撮像検出器のいずれかであることができる。検出器信号を生成した後、各信号成分を使用するか、それとも拒絶するかを示す適した情報を提供する撮像検出器を使用することも可能である。
【0017】
ゲーティング可能な光学シャッタは、例えば、高速で切り替え可能な光学画像増強装置であることができ、この装置は、オフ状態の場合には光を増幅せず、オン状態の場合には光を増幅する。ゲーティング可能な光学シャッタは、ゲートが印加される場合、短パルス光により飽和し、したがって透明になる飽和可能な光学吸収体であってもよい。
【0018】
ゲーティング可能な検出器は、ガイガーモードで動作するアバランシェフォトダイオード(APD)に基づいて実施し得る。これに関連して、撮像検出器の個々の各画像ピクセルは、ガイガーモードで動作する1つ又は複数(=サブアレイ)のAPDで構成される。適したゲート電圧の印加により、個々のAPDのガイガーモードをイネーブルし、それにより、入射光子がAPDを壊し、対応する電子信号を生成させることができる。しかし、これは、ゲートがオフである限り生じ得ないため、この時間中、検出器はアクティブではない。
【0019】
ゲートを異なる方法で、例えば、ゲートがオフである間、検出器の出力を短絡させるか、又は信号引き出し線から切断することにより実施することも考えられる。同種の外部制御可能なゲートをCMOS又はCCDチップ等の他のカメラ種別で実施することもできる。
【0020】
原理上、ゲートがオフ状態の場合、信号の生成を抑制することが必ずしも必要である訳ではない。対応する時間情報を「保存」するだけで十分である。極端な場合、個々の各光子にタイムスタンプを付与する、すなわち、個々の各光子の到着時間を記憶して、下流のデータ処理ユニット(FPGA、DSP等)で光子を使用するか、それとも拒絶するかを判断するだけで十分である。これは、必ずしも個々の光子毎に行う必要はない。原理上、各画像ピクセルの信号波形又はその部分を記録し、後にそれを評価するだけで十分である。
【0021】
上述した技法には、特に電子装置が現在ではますます集積されているため、いくらかの重複部分がある。撮像ユニットがゲーティング可能であることが単に重要であり、すべての画像ピクセルに同じ(同時)ゲートを提供することが好ましいが、特殊な場合、異なる時間ゲート位置も考えられる。
【0022】
本発明の決定的なステップは、再現可能なように適した蛍光成分が使用され、不適成分が拒絶されるように、ゲーティング可能な撮像ユニットがパルス光源と同期することにあることが分かる。好ましくは、関心のある蛍光に属する光成分は、どのように実施されるかに関わりなく適したゲートにより撮像に使用される。反射光又は散乱光に属する成分は拒絶される。場合によっては、照明後の自由に選択可能な期間の蛍光を使用し、その一方で、他の光を拒絶するか、又は別の検出チャネルに少なくとも割り当て、若しくはそらすことが有用であり得る。これは特に、蛍光の寿命により試料内部の局所的な状況について結論付けることができる試料の場合に関連する。
【0023】
本発明の概念を実施するために必要なことは単に、撮像検出器、すなわち「カメラ」がゲートにより光源と適宜同期可能なことである。これは、中央トリガユニットを提供することにより達成することができ、中央トリガユニットは、光源及びカメラがトリガされるマスタを構成する。逆に、カメラがトリガされるマスタトリガを光源が生成することも可能であり(例えば、受動モードロックレーザの場合)、又はカメラが内在クロック又は外部制御されるクロックからトリガを生成してもよく、次に光源がこのトリガに同期される。
【0024】
適した構成が実施されると、顕微鏡内で反射/散乱光の抑制を達成することは容易である。従来の顕微鏡では、これだけで困難な試料の撮像を可能にするのに役立つ。
【0025】
この利点により、顕微鏡に通常使用される蛍光キューブを省くことが可能であり、それにより、前よりもスペクトル自由度をはるかに大きくすることができる。中性ビームスプリッタ(例えば、50:50又は80:20、すなわち、反射における20%光入力および透過における80%蛍光収率、又は他の分割比)が蛍光キューブの代わりに使用される場合、蛍光励起に任意の所望の波長を同時に使用することが可能であり、極端な場合には、反射光又は散乱光に伴う問題を有さずに、同じ波長で検出を実行することさえ可能である。
【0026】
しかし、後者を達成するために、例えば、異なるゲーティング方法を組み合わせることにより達成し得る特に効率的な抑制が要求される。加えて、バリアフィルタ、ノッチフィルタ、バンドエッジフィルタ、漸変フィルタ、又は他のフィルタの使用が可能であり続ける。上述した中性フィルタの代わりに、適宜偏光した励起光の同時使用と併せた偏光フィルタの使用も、反射/散乱光のさらなる抑制に寄与する。しかし、これは検出感度の低減に繋がる。この時点で、「反射/散乱光の抑制」という用語が、試料からの反射/散乱に限定されず、顕微鏡内部の構成要素から反射/散乱し得る光も含み、抑制する必要があることに留意されたい。
【0027】
中性フィルタ、すなわち、スペクトル的に比較的平坦なフィルタを使用するか、又は調整可能な光源又は照明光が分離される元である平坦なスペクトル分散を有する光源(例えば、白色光源)と組み合わせて調整可能なフィルタを使用することが特に有利である。この組み合わせにより、スペクトルが完全に調整可能であり、高感度を有する広視野顕微鏡を実施することが可能である。これにより、個々の各試料に最適なように照明を調整することができ、励起波長走査を実行することさえも可能である。これは、顕微鏡でのスペクトル検出に組み合わせることもできる。極端な場合、適宜結合された励起/放射スペクトルを記録することさえも可能である。
【0028】
本発明による技法は、スピニングディスク顕微鏡、局在顕微鏡、TIRF顕微鏡、構造化照明顕微鏡、SPIM顕微鏡等を含め、撮像ユニットを有するすべての蛍光顕微鏡に使用することができる。本発明による技法は、入射光蛍光顕微鏡法及び透過光蛍光顕微鏡法の両方に使用し得る。
【0029】
本発明の教示は、様々な方法で有利に具現され改良し得る。この点に関して、一方では、請求項1に従属する請求項が参照され、他方では、図面を参照する本発明の好ましい例示的な実施形態の以下の説明が参照される。図面を参照する本発明の好ましい例示的な実施形態の説明と併せて、一般に好ましい実施形態及び本教示の改良の説明も与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】当分野で既知等のフィルタキューブを有する従来既知の蛍光顕微鏡の基本的な設計を概略的に示す。
【図2】照明ユニットがトリガ可能LEDを含む本発明による顕微鏡の例示的な第1の実施形態を示す。
【図3】中性又は偏光ビームスプリッタを使用する本発明による顕微鏡の別の例示的な実施形態を示す。
【図4】高速光学シャッタを使用する本発明による顕微鏡の例示的なさらなる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、励起光がフィルタキューブにより調整される、従来の蛍光顕微鏡の基本設計を概略的な形態で示す。
【0032】
特に、図1に示される構成は、光源としての照明ユニット1と、照明ユニット1の下流に配置された集光器2と、励起フィルタ4及びダイクロイックビームスプリッタ5を含むフィルタキューブ3とを含む。励起光6aは励起フィルタ4を通り、対物レンズ7を通って試料8に向けられる。
【0033】
試料8から来る蛍光/反射光6bは、対物レンズ7及びフィルタキューブ3を通って集積放射フィルタ9に到達し、チューブレンズ10により検出器11上に結像され、結像は集積カメラチップ12を有するカメラの形態をとり得る。そうして得られる信号はコンピュータ13に供給され、コンピュータ13は、画像処理ユニットと、特に照明ユニット1を制御する制御ユニットとの両方を含む。
【0034】
図2は、従来技術から既知のフィルタキューブ3をやはり使用する本発明による構成の例示的な第1の実施形態を示す。トリガ可能LEDが、トリガ可能な照明ユニット1として使用される。本発明によるゲーティングを実行するために、マスタ、特に、コンピュータ13により制御可能であり、及び/又はコンピュータ13を介してプログラム可能なトリガ/同期ユニット14が提供される。図1に示される従来技術に使用されるものに対応する他の設計特徴の詳細については、繰り返しを避けるために、図1の説明を参照する。
【0035】
図3は、中性又は偏光ビームスプリッタ15がフィルタキューブ3の部分として、又はフィルタキューブ3に代えて使用される本発明による構成の例示的なさらなる実施形態を示す。照明ユニット1は、レーザとして設計され、本発明によるゲーティングのマスタを定義する。照明ユニット1のトリガは、光学参照センサ16を介してリズムが刻まれる。トリガはゲーティング可能なカメラ11に直接供給され、カメラ11は集積評価ユニットを含み得る。これにより、外部トリガユニットをなくすことができる。
【0036】
図3に示される例示的な実施形態では、カメラ11の形態の2つのスペクトル検出器ユニットが、単なる例として提供される。漸変フィルタ17が、照明のために照明ユニット1[の光]から特定のスペクトル成分を抽出するために使用される。この点に関しては、漸変フィルタ17に代えて同様の機能の他の要素、例えば、AOTFを使用してもよいことに留意されたい。
【0037】
図4は、高速光学シャッタ18を使用して実施される本発明による構成の別の例示的な実施形態を示す。図4では、本発明の概念の特に好ましい実施形態では、中性ビームスプリッタ15を永久的に顕微鏡に設置することができ、その結果、フィルタキューブを変更する必要がないか、又はもはや変更する必要がないことも考えられる。
【0038】
本発明による顕微鏡の有利なさらなる実施形態に関しては、繰り返しを避けるために、説明の一般的な部分及び添付の特許請求の範囲を参照する。
【0039】
最後に、本発明による装置の上述した例示的な実施形態が主張される教示を単に例示することを意図され、そのような実施形態に限定されないことに特に留意されたい。
【符号の説明】
【0040】
1 照明ユニット、光源
2 集光器
3 フィルタキューブ
4 励起フィルタ
5 ダイクロイックビームスプリッタ、ダイクロイック
6a 励起光
6b 蛍光/反射光
7 対物レンズ
8 試料
9 放射フィルタ
10 チューブレンズ
11 検出器、カメラ
12 カメラチップ
13 コンピュータ、データ処理ユニット
14 トリガ/同期ユニット
15 中性ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ
16 光学参照センサ
17 漸変フィルタ
18 光学シャッタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス光源(1)と撮像検出器(11)とを含む、蛍光撮像顕微鏡法、特に広視野蛍光顕微鏡法の顕微鏡であって、ゲーティング手段が設けられ、前記ゲーティングにより、前記光源(1)及び前記検出器(11)が同期して、適した蛍光成分が評価に用いられ、不適な成分が拒絶されるように反射/散乱光を抑制する、顕微鏡。
【請求項2】
前記ゲーティング手段により、関心のある蛍光に属する光成分を前記検出器(11)に供給することができ、前記反射/散乱光に属する光成分は撮像に使用されない、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
照明後の定義可能な時間窓の蛍光を使用することができ、前記時間窓外の蛍光は、撮像に使用されず及び/又は別の検出チャネルにそらすことができる、請求項1又は2に記載の顕微鏡。
【請求項4】
同じ及び/又は同時ゲートがすべての画像ピクセルに提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項5】
異なる時間ゲート又はゲート位置を、異なる画像ピクセルに対して実施することができる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項6】
前記ゲーティング手段は、好ましくは、前記光源及び前記検出器をトリガすることができるマスタを規定する中央トリガユニット(14)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項7】
特に、モードロックレーザの場合に、前記光源(1)は、前記検出器(11)をトリガすることができるマスタトリガを生成する、請求項6に記載の顕微鏡。
【請求項8】
前記検出器(11)は、内在するか又は外部制御されるクロックから、前記光源(1)を同期させることができるトリガを生成する、請求項6に記載の顕微鏡。
【請求項9】
前記検出器(11)はゲーティング可能なカメラの形態である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項10】
前記カメラ(11)は、トリガ可能/ゲーティング可能な高速光学シャッタ(18)を含むか、又はトリガ可能/ゲーティング可能な高速光学シャッタ(18)に機能的に関連付けられる、請求項9に記載の顕微鏡。
【請求項11】
前記シャッタ(18)は、オン状態の場合に光を増幅する高速切り替え可能な光学画像増強器の形態である、請求項10に記載の顕微鏡。
【請求項12】
前記シャッタ(18)は、ゲート信号が印加される場合、短パルス光により飽和し、したがって透明になる光学吸収体の形態である、請求項10に記載の顕微鏡。
【請求項13】
前記検出器(11)はそれ自体ゲーティング可能であり、すなわち、適宜アクティブ化可能/非アクティブ化可能である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項14】
前記ゲートがオフである間、前記検出器(11)の出力は短絡又は信号引き出し線から切断される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項15】
前記検出器(11)は、好ましくはガイガーモードで動作するアバランシェフォトダイオード(APD)のアレイを含むため、前記撮像検出器(11)の個々の各画像ピクセルは、単一のAPD又はサブアレイの意味で複数のAPDで構成される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項16】
前記検出器(11)は、検出信号を生成した後、各信号成分を使用可能又は非使用可能として条件付ける情報を提供する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項17】
信号波形の到着時間を表すタイムスタンプ又は信号波形の記録が、各光子又は各画像ピクセルに割り当てられて、下流のデータ処理ユニット(13)において前記光子/画像ピクセルを評価に使用することができるか否かを判断する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の顕微鏡。
【請求項18】
特に、請求項1〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡を使用する、パルス光源と撮像検出器とを含む蛍光撮像顕微鏡法、特に広視野蛍光顕微鏡法の方法であって、
撮像に使用可能な信号に関して、ゲーティングが実行され、前記ゲーティングは、前記光源及び前記検出器を同期させて、適した蛍光成分を評価に使用し不適な成分を拒絶するように反射/散乱光を抑制する、方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−3587(P2013−3587A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134609(P2012−134609)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(500178876)ライカ マイクロシステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー (80)
【Fターム(参考)】