説明

蛍光検出装置

【課題】 微弱な蛍光を検出することを目的とする。
【解決手段】 そこで、本発明は、蛍光被写体からの蛍光を検出する蛍光検出装置であって、前記蛍光被写体を照明する光源と、前記蛍光被写体へ向かう光を遮断するシャッター手段と、前記シャッター手段と光源の間に配置された光出力計測手段と、前記蛍光被写体の発した蛍光を検出する撮像素子と、前前記撮像素子の蓄積時間、又は前記シャッター手段の開閉時間の少なくとも何れか一方を変更する変更手段とを備え、前記変更手段は、前記光出力計測手段の計測結果よりノイズ画像を撮影するための蓄積時間を演算する演算手段と、前記演算結果の前記蓄積時間で撮影したノイズ画像を用い蛍光を検出して形成した撮影画像を補正する補正手段とを有する蛍光検出装置を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光被写体からの蛍光を検出する蛍光検出装置に関するものである。特に、DNA解析等の臨床検査に用いる蛍光検出装置に用いられる。
【背景技術】
【0002】
従来、DNAチップのプローブに結合したターゲットDNAの標識の発する蛍光強度を画像化する装置においては、標識の発する蛍光が微弱であるため、長時間露光により蛍光画像を一括撮像する方法が知られている。ただし、一般的に長時間露光を行うとセンサー中に暗電流が発生し画像中にノイズが現れるため、冷却CCDを用いる方法が知られている。
【0003】
冷却CCDを用いないノイズ除去方法として、長時間露光による被写体撮影後、被写体に光が入らないような状態にしてノイズ画像を作成し、被写体撮影画像からノイズ画像を減算して補正する方法が知られている。例えば、シャッターを閉じたまま、前記露光時間と同じ長さで蓄積したノイズ画像を撮影し、撮影画像から減算して補正する方法である。
【0004】
また、被写体撮影前に撮影した黒画像で長時間露光時の固定パターンノイズを取除く方法として、次の方法が知られている。知られている方法は次のものがある。〔1〕被写体の測光値より演算した蓄積時間より短い時間で複数の黒画像を事前に取得し、前記蓄積時間で撮影した黒画像を演算で求めることにより黒画像の取得時間を短縮するカメラ(特許文献1参照)。〔2〕被写体の測光値で演算した蓄積時間を本撮影の前後で黒画像を撮影し双方の画像を用いて画像補正を行うカメラ(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、測光窓より外界の明るさを測光し、CCDの蓄積時間を演算する画像変換記録装置も知られている。(特許文献3参照)
【特許文献1】特開2005−45552号公報
【特許文献2】特開2003−78820号公報
【特許文献3】特許03116397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来例においては、
冷却CCDを使う方法は、冷却CCDが非常に高価であるため装置の値段が高く、実用性が低い。
【0007】
一方、被写体からの光を遮断して、撮像素子又はその周辺の回路の出すノイズ画像を撮影し、それをもとに固定パターンノイズ画像を作成し、被写体画像を補正する方法は有効である。この固定パターンノイズ画像は、撮像素子の蓄積時間により異なるため、被写体撮影時の蓄積時間と同じ蓄積時間のノイズ画像を撮影する必要がある。撮影後ならば、被写体撮影時間と同一の蓄積時間でノイズ画像を撮影可能であり、正確な固定パターンノイズ画像が得られる。しかし、被写体撮影後にノイズ画像を撮影していたのでは、固定パターンノイズの補正に時間がかかり検査時間が長時間化する。特に、大量の複数のサンプルを測定する目的では、実用性が低い。
【0008】
また、被写体からの光を遮断して撮影するノイズ像には、固定パターンノイズとランダムノイズが含まれている。ランダムノイズは、画像毎に異なるため、この影響をなくして固定パターンノイズのみを用いて補正したほうが、より精度の高い蛍光画像を得られる。この画像を得るためには、複数枚の黒画像を撮影し、それを平均化して固定パターン画像を作成する方法が有効だが、複数枚の黒画像を撮影する場合には、なおさら時間がかかる。さらに、複数個のDNAチップの画像を撮影する場合、一枚毎に黒画像をとっていたのではさらに時間がかかる。
【0009】
そこで、蛍光撮影前に、前記固定パターンノイズ画像を作成する必要があるが、その蓄積時間の算出することが難しい。
【0010】
特許文献1には、撮影レンズを通して実際に撮像する被写体の明るさを測光しその測光量より演算した、撮影露光時間よりも短く、且つ異なる時間の2種類の蓄積時間をあらかじめ設定する。そして、その蓄積時間で事前に撮影した非露光画像を用いて固定パターンノイズを補正する方法が知られている。しかし、異なる撮影時間で撮影した黒画像から、所定時間の黒画像を演算で求める場合には、ランダムノイズの影響が強調される可能性があり、このランダムノイズを無くすためには、さらに数多くの黒画像が必要になることが考えられる。
【0011】
さらに、蛍光標識は、励起光を照射することにより褪色し、蛍光強度が低下するため、精度良く計測するためには、計測前に光を照射したくない。したがって、あらかじめ撮影レンズを通して被写体の明るさを測光できないため蓄積時間を求めるための演算もできない。
【0012】
また、被写体の明るさで露光時間を決めていたのでは、常に光量の積分値が一定の画像を撮像することになり、個々のプローブの蛍光輝度の絶対値を計測できる画像を得ることはできない。
【0013】
特許文献2も被写体の明るさを用いて露光量を決める点において同様である。
【0014】
また、特許文献3の周囲の明るさを内蔵のセンサーで検知する方法では、被写体(この場合は銀塩フィルム)を照明する正確な光量がわからないため精度のよい蛍光画像が得ることが難しい。
【0015】
また、励起光源が、常に一定の明るさで標識蛍光を励起していれば、あらかじめ決めた蓄積時間でノイズ画像及び蛍光画像を撮影できるが、そのような常に一定のパワーを発するレーザー光源、特に固体レーザー光源は高価であり製品のコストが高騰してしまう。低価格なレーザー光源の出力は、気温、放熱環境等の影響により少なからず変動し、さらに、点灯時間とともに出力が低下する傾向が強いため、安定した照明が得られ難い。
【0016】
上述のように、先行技術において微弱な蛍光を検出するために、種々の改良がなされているが、十分でない。そこで、本発明の目的は、微弱な蛍光を精度よく検出する蛍光検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで、本発明は、
発光被写体からの発光を検出する発光検出装置であって、
前記発光被写体を照射する光源と、
前記光源からの光を遮蔽するシャッター手段と、
前記光源からの光を検出するための光出力計測手段と、
前記発光被写体から発光した光を検出する撮像素子と、
前記光出力計測手段の出力にもとづいて、設定時間を変更するための変更手段とを備える発光検出装置を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、
蛍光被写体からの蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
前記蛍光被写体を照明する光源と、
前記蛍光被写体へ向かう光を遮断するシャッター手段と、
前記シャッター手段と光源の間に配置された光出力計測手段と、
前記蛍光被写体の発した蛍光を検出する撮像素子と、
前前記撮像素子の蓄積時間、又は前記シャッター手段の開閉時間の少なくとも何れか一方を変更する変更手段とを備え、
前記変更手段は、前記光出力計測手段の計測結果よりノイズ画像を撮影するための蓄積時間を演算する演算手段と、
前記演算結果の前記蓄積時間で撮影したノイズ画像を用い蛍光を検出して形成した撮影画像を補正する補正手段とを有する蛍光検出装置を提供するものである。
【0019】
さらに、本発明は、
ダーク画像を取得する装置であって、
光源からの光を検出するための光出力計測手段を備え、
前記光出力計測手段の計測結果をもとに、撮像素子の蓄積時間を変更する変更手段とを備え、
前記蓄積時間をもとに、ダーク画像を取得する装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
光出力計測手段を設けることに、蛍光被写体に一定の光量を照射することが可能になり、ノイズの除去が容易になり蛍光の検出を精度よく行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施例)
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(装置構成)
図1は本発明を実施した一実施例形態の蛍光検出装置の構成図である。
【0023】
蛍光被写体1は予めカセットトレイ2に配置され、蛍光被写体1からの蛍光を検出するための撮像素子3を備える。この蛍光被写体1に照射する光源4があり、蛍光被写体1へ向かう光を遮断するシャッター手段5を有する。そのシャッター手段5と光源4の光路間には、光出力計測手段6が配置されている。さらに、撮像素子の蓄積時間、又は前記シャッター手段の開閉時間の少なくとも何れか一方を変更する変更手段とを備える。この変更手段7内には、光出力計測手段6の計測結果よりノイズ画像を撮影するための蓄積時間を演算する演算手段7aを備える。さらに、演算手段7aの演算結果から算出された蓄積時間で撮影したノイズ画像を用い蛍光を検出して形成した撮影画像を補正する補正手段7bとを有する構成になっている。
【0024】
本発明では、蛍光被写体を用いて説明するが、燐光を発光する燐光被写体を用いることができるため、発光被写体、発光検出装置であればよい。また、本発明は、光出力計測手段を設けることである。これを設けることにより、光出力計測手段の計測結果にもとづいて、設定時間(撮像素子の蓄積時間、シャッター手段の開閉時間)の変更の信号を送信し、設定時間を変更する変更手段とにより適切な設定にすることが可能になる。さらに、撮像素子の蓄積時間を決定することにより、予め取得すべきダーク画像を撮像素子で検出し、メモリーで保存することができる。
【0025】
具体的な構成とより詳細な構成を次に示す。
【0026】
波長532nmのレーザー光を発生する固体レーザー光源4、入射面にはMgFの単層膜、裏面は532nmの光を略100%透過する反射防止膜が施してあり、且つ表面の単層膜により2%程度レーザー光を反射する光路分離ミラー8を備える。レーザー光の照射非照射を制御するシャッター手段5、レーザー光線のビーム径を広げるビームエクステンダー9、ガウシアンビームであるレーザー光線を被写体面でフラットトップの均一な強度の光束に変換するビームホモジナイザー10は、照明光学系を構成する。また、前記光路分岐ミラー8の分岐方向には、オパールガラス、擦りガラス等の拡散板11、フォトディテクター12が配置されレーザー出力計測手段を構成する。蛍光フィルター13、撮像光学系14、撮像素子3を有するデジタルカメラ15は、蛍光撮像手段を構成する。前記撮像光学系の上方には、搬送ステージ16の上にカセットトレイ2が配置されており、その中には、蛍光標識を施したDNAプローブアレイを有する複数のカセットトレイ2a、2b、2c、2dを配置する。蛍光標識されたDNAプローブアレイから発した蛍光は、撮像光学系を通して撮像素子へ蛍光が導かれる。
【0027】
フォトディテクター12からの出力を受ける光量計測回路17は、電荷を蓄積するコンデンサー17a、所定値とコンデンサーの電圧とを比較するコンパレーター17b、所定値に達するのに要する時間を計測するタイマー手段17cを有する。制御回路(変更手段)7は、MPUボード7a、画像ボード7b、メモリー7cを有し、前記計時された時間は、このメモリー7cに記憶される。具体的には、パソコンを用いて行う。この制御回路では、撮像素子3の蓄積時間又はシャッター手段の開閉時間を変更することを決定し、その信号を撮像素子やシャッター手段に送る。また、この制御回路7は、制御インターフェース18を介して、デジタルカメラ15の撮影時間の変更、及び、デジタルカメラ15からの画像転送を行う。変更手段には、操作パネル19が接続されており、操作パネルを通じて変更手段に電源のON/OFF、計測のスタート、検体数の入力等の操作を行う。
【実施例】
【0028】
実施例1(レーザー照射時間と蛍光画像の蓄積時間とが異なる蛍光検出装置)
次にこのような構成の装置を用いて、前記DNAチップ上の標識蛍光画像を撮影する方法について述べる。まず、検査者は、DNAチップのハイブリダイゼーション反応等の準備に先立ち操作パネル19を操作し装置に電源を投入する。電源の投入により変更手段7は、装置のイニシャライズを行うとともにレーザー光源4の電源をONする。これによりレーザー光源4は、レーザー光を発する。
【0029】
(蓄積時間演算)
レーザー出力が一定の安定状態に達するウェイティング時間終了後、光出力計測手段7でレ−ザー光出力を測定する。
【0030】
固体レーザー光源4の、パワー変動の様子を図2(A)に示す。この図において横軸は時間であり、縦軸はレーザー出力を示す。例えば、図2(A)では80mWから100mWのレンジで示している。この図に示すように、固体レーザー光源は、温度、湿度等の環境条件により複数の安定状態を持ち、2−A−1に示すような離散的な出力変動及び、2−A−2に示すような不安定な出力変動等が現れる。また、電源再投入により、出力が異なる安定状態に落ち着く現象や長期の使用に対して徐々に出力が低下する現象もある。また、点灯直後は、安定するまでに時間(ウェイティング時間)を要する。図2の(A)は、既にウェイティング時間は終了している。図2(C)は、シャッター手段5の開閉を示すタイミングチャートであり、レーザーパワー測定の際は閉じられている。これによりレーザー光が、蛍光標識を励起することはない。変更手段7は、メモリー7cにデジタルカメラのISO感度等を考慮した、蓄積電圧Vcを記憶しており、レーザー出力測定開始に先立ち、コンパレータ17bに蓄積電圧値Vcを設定する。そしてレーザー出力計測開始とともにタイマー17cをスタートする。レーザー光源4を発した波長532nmの光は、分岐ミラー8の表面で一部が反射され、拡散板11を照明する。拡散板11により散乱された光の一部は、フォトディテクター12に達し、電流に変換される。この様に拡散板を介して計測することにより、ビームの角度変動等の影響を低減し安定してレーザー出力を計測することができる。この電流は、コンデンサー17aに蓄積され、その電圧は、コンパレーターにより常に比較することができる。図2(B)は、このコンデンサー17aの電圧を示すタイミングチャートであり、計測開始とともに電圧が上昇し、やがて電圧Vcに達する。タイマーは、この蓄積開始から、電圧がVcに達するまでの時間tpを計測し、時間tpは変更手段に信号が転送されメモリーに記憶される。変更手段7は、tpをもとに補正のためのダーク画像撮像の蓄積時間td、及び、蛍光画像撮像時の蓄積時間tfを演算する。実際の露光時間は、レーザー光の強度変動分長くなる可能性があるため、15%程度長く設定するとよい。
すなわち td=tf=tp+δt
レーザー出力が安定している場合には、PDの出力電流を電圧変換しその電圧値をもとに、レーザー出力を計測してもよい。しかし、本実施例に使用するような、出力変動のある光源を使う場合、決められた時間蓄積し、高い周波数の変動の影響をなくして計測するほうがより正確な計測ができる。これは、蛍光被写体への光照射中も光を蓄積可能である。
【0031】
(ダーク画像撮影)
次に、蛍光画像補正のためのノイズ画像であるダーク画像を撮像する。ダーク画像とは、撮像素子に光の入力がないダークな状態で撮影する画像であり電気的なノイズを表す。
【0032】
変更手段7は、制御インターフェース18を介して通信を行い、デジタルカメラのセンサー3の蓄積を開始し、td時間経過後、蓄積終了の指令を送り、その画像を変更手段7の画像ボードに転送しメモリー7cに保存する。図2のタイミングチャート(D)は、撮像素子の蓄積の様子を示しHの部分は、蓄積中であることをしめす。この実施例ではこの動作を3回繰返し、3枚の蓄積時間tdのダーク画像di1、di2、di3を得る。変更手段7は、これらの画像を平均化することにより、ランダムノイズを取除き、ノイズ画像である固定パターンノイズ画像Idを作成しメモリーに保存する。これにより、蛍光撮影準備が完了する。ダーク画像は1枚でもよいが、複数枚とりダーク画像の精度をあげるほうが好ましい。
【0033】
一定時間蛍光撮影のための操作が行われない場合、変更手段は、再び前記レーザー出力計測を行い、ダーク画像撮影を行いメモリー中の固定パターンノイズ画像を更新する。検査者が、操作パネルを操作し、暗箱の蓋を開ける等蛍光検出を行うための動作を行った場合には、上記ダーク画像撮影の動作を終了する。ただし、前記ダーク画像撮影動作は、トレー搬入、チップ配置の間は継続可能であり、実際の蛍光撮影の直前まで行うことができる。
【0034】
レーザー出力の変動が一定値以上の場合に、ダーク撮影を再度行うようにプログラムすればダーク撮影の回数を減らせることは言うまでもないが、それは、使用するレーザーの出力変動を勘案して決めるのが効率がよい。
【0035】
また、本実施例の場合複数のダーク画像を撮影し、それらの画像より一枚の固定パターン画像を求めたが、ダーク画像が一枚の場合には、ダーク画像をそのまま固定パターン画像として補正に利用してもよい。
【0036】
(蛍光撮影)
操作者は、ハイブリダイゼーション反応等の準備の完了したDNAチップをトレイにのせ、パネル19を操作し、不図示の暗箱の蓋を開き、トレイを配置し蛍光撮影をスタートさせる。パネル19への入力により蛍光撮影が行われることを検知した変更手段7は、ダーク画像撮影中の場合は、その撮影動作を中止し、暗箱の蓋を閉じて、カセット2aを撮影光軸の上に配置する等の蛍光撮影の準備を行う。そして撮像素子3の蓄積を開始した後、レーザーシャッター5を開放する。図2(C)にレーザーシャッター開閉のタイミングチャートを示す。レーザー光は、ビームエクスパンダー9で広げられ、ビームホモジナイザー10で被写体面におけるビーム断面の強度分布が均一な光束に変換されDNAチップの蛍光標識を励起する。蛍光フィルター13は、励起光の反射光及び散乱光を遮断し、標識の発した蛍光のみを透過する。透過した蛍光は、撮影光学系14により撮像素子3上に結像し、蛍光画像を形成する。
【0037】
フォトディテクター12は前記と同様、光路分岐手段8で分岐したレーザー光を受光し、受光エネルギーを電流に変換しコンデンサー17aに蓄える。そして、設定電圧Vcになったところで、変更手段7に信号を送るとともにコンデンサーに蓄えられた電荷を放電する。この信号を受けた変更手段7は、レーザーシャッター5を閉じる。これにより、蛍光標識の励起は終了するが、撮像素子の蓄積は前記演算により求めた蓄積時間tfになるまで継続する。そして蓄積時間が、tfになった時点で蓄積を終了し、蛍光画像Ifを変更手段7に転送する。次に変更手段7は、搬送テーブル16を制御し2番目のカセット2bを撮影光軸上に配置する。そして、前記と同様、撮像素子の蓄積を開始し、レーザーシャッター5を開放し蛍光標識を励起する。前記と同様、図2に示すように、コンデンサーはレーザー光を蓄積し、電圧がVcに達したところでレーザーシャッターを閉じ励起を終了する。そして、その後撮像素子の蓄積時間がtfに達した時、蓄積を終了し画像を変更手段に転送する。同様に変更手段は、3番目のDNAチップを撮影光軸上に配置し蛍光撮影を行う。図2に示すように、このときにはレーザー出力が、上昇しているため、コンデンサーの電圧が早くVcに達するため図2の2−C−1に示したようにレーザーシャッターの開放時間は短い。しかし、撮像素子の蓄積時間は、演算で求めた時間tfの間継続し、蓄積終了とともに蛍光画像を変更手段7に転送する。このように、レーザーの露光時間はレーザー強度により異なるが、撮像センサーの蓄積時間は、常に一定であるため、最初に作成した固定パターン画像を用いて補正することができる。これにより、早く解析画像を作成することができる。
【0038】
(画像補正)
変更手段7は、蛍光画像Ifから、前記のように求めた固定パターン画像Idを引き算し解析用の蛍光画像を作成する。図3は、DNAチップの蛍光プローブを撮影した蛍光画像を表す図であり、プローブ蛍光の部分が、明部としてアレー状に配列しており、背景部分は黒である。しかし、この黒部分には、撮像素子の出す固定パターンノイズ成分等も含まれるため、補正が必要である。
【0039】
図4(a)は、蛍光撮影した画像の断面図でありDNAチップ上の蛍光スポットに対応した部分3−a−1、3−a−2、3−a−3は図3の明部として示したように高い輝度に対応して信号が強く現れている。図4(b)は、同じ部分の固定パターン画像の断面図である。この固定パターン画像を前記蛍光画像Ifから画像減算することにより固定パターンノイズを取除くことができる。図4(c)は、蛍光画像から固定パターン画像を引いた画像の同様の部分の断面図であり、ノイズ分がなくなり、プローブ蛍光の輪郭が明瞭に現れている。
【0040】
変更手段7は、電源投入から、一定の時間を待ち、その後、カセット搬入までの間に自動的にレーザー出力測定、ダーク画像撮影を行うようにプログラムされている。その動作の流れを図5のフローチャートに示す。
【0041】
以上、説明したように、レーザー出力を計測しその計測結果より蓄積時間を演算し、蛍光撮影前にダーク画像を撮影しておいたため、蛍光撮影後直ちに固定パターンノイズを補正した解析用画像を作成することができるため撮影の効率がよい。特に被写体が複数ある場合にも、一枚の固定パターンノイズ画像を使って複数の蛍光画像を補正できるため迅速な蛍光検出をおこなえる。
【0042】
前記実施例においては、撮像素子の蓄積中にレーザー出力の積分値を求め、シャッター開放時間を制御する例を示した。このように制御することにより、常に励起光のエネルギーを一定にして撮影できるため、絶対値の信頼の高い測定値が得られる。しかし、絶対値の精度が要求されない場合には、シャッター制御を行わず、蓄積時間中励起レーザー光を照射するようにしてもよい。この場合でも、本発明のあらかじめ非露光画像を撮影してあるため、蛍光撮影後直ちに固定パターンノイズを補正でき効率よく解析用画像が得られるという効果は同様である。
【0043】
実施例2(レーザー照射時間と蛍光画像の蓄積時間とが同じ蛍光検出装置)
前記実施例においては、蛍光撮像時の蓄積時間を常に一定にし、どのカセットの蛍光画像に対しても、同一の固定パターンノイズ画像をそのまま使えるようにした。しかし、励起光の露光時間に対応して蓄積時間も制御し、その蓄積時間を記録して、固定パターンノイズ画像を補正し、蛍光画像の補正に用いても良い。その実施例を次に示す。
【0044】
構成は、第一の実施例を示す図1と同様である。第二の実施例のタイミングチャートを図6に示す。この実施例において、ダーク画像は、第一の実施例と同様に取得するが、蛍光画像取得時の蓄積時間は、その時のレーザー出力により異なる。
【0045】
すなわち、蛍光画像蓄積とともに、タイマー17cをスタートし、レーザーシャッター5を開放する。このタイミングに同期してレーザー計測手段17のコンデンサーは、フォトディテクター12からの電流の蓄積を開始する。前記レーザーシャッター5が開放している間、蛍光標識は励起され、蛍光像は、撮像素子に蓄積される。前記コンデンサーの電圧が、電圧Vcに達したところで、レーザーシャッター5を閉じ標識の励起を終了する。そしてこれと同期して変更手段7は、インターフェース18を介してデジタルカメラ15に撮影終了の指令を送り、撮像素子3の蓄積を終了する。タイマー17cは、コンデンサーの電圧がVcに達するまでの時間すなわち、撮像素子の蓄積開始から終了までの時間を計測しており、計測した時間を画像とともに変更手段7に送り、メモリーに記憶する。前記と同様このような撮影動作をカセット毎に行い、メモリーには、カセット2a〜2dに対応した画像と蓄積時間t1〜t4が記憶される。
【0046】
変更手段7は、それぞれのカセットの画像を撮像したときの蓄積時間t1〜t4に応じて、前記固定パターン画像を補正する。
【0047】
この実施例においては、蛍光標識励起中のレーザー出力の積分値の計測手段と、ダーク画像撮影の蓄積時間を求めるレーザー出力計測手段を兼用したため、簡単な構造で、信頼度の高い計測が可能である。
【0048】
(固定パターンノイズの補正)
固定パターンノイズ画像Idは、蓄積時間tdで撮影したダーク画像di1,di2、di3より演算して求めたものであるから、精度良く蛍光画像を補正するためには、蛍光画像の蓄積時間t1〜t4に応じて補正する必要がある。図7(A)に蓄積時間tdの固定パターンノイズ画像の各画素に対応した画像データを示す。各画素のアドレス(i,j)に対応した画像データをNd_td(i.j)で表す。同様に撮像時間t1の固定パターンノイズ画像の各アドレスに対応した画素値を図7(B)に示すようにNd_t1(i,j)とあらわすとNd_t1(i,j)は、Nd_td(i,j)及び蓄積時間t1、tdを用いて以下の式で表すことができる。
Nd_t1(i,j)=Nd_td(i,j)*t1/td
固定パターンノイズには、時間に大きさが比例するセンサーの出す暗電流成分と、時間に比例しない読出し回路に依存する読出しノイズ成分よりなる。したがって、より正確には、平均的な読出しノイズ画像Nd_ro(i,j)を記憶しておき
Nd_t1(i,j)=(Nd_td(i,j)−Nd_ro(i,j))*t1/td+Nd_ro(i,j)
を計算しても良いが、蛍光撮影のように、蓄積時間が十分長い場合には、固定パターンノイズ画像の画素値は時間に比例するとして近似してもよい。以上と同様の計算により、各蓄積時間に対応した固定パターンノイズ画像データNd_t1(i,j)〜Nd_t4(i、j)を求め各カセット対応した蛍光画像データfi1(i,j)〜fi4(i,j)より減算し、固定パターンノイズの補正を行う。
【0049】
以上説明した実施例によれば、レーザーシャッター5の開放時間と蓄積時間を同期することにより、非露光状態で蓄積する時間を無くせるため、検出にかかる時間を短縮することができる。さらに、画像の蓄積時間により固定パターンノイズ画像を補正して用いるため効率良く高い信頼性の検出が行える。
【0050】
実施例3(DNA増幅器を含めた装置)
以上説明した実施例は、蛍光検出部のみの実施例について説明したが、検体DNAの増幅、蛍光標識、ハイブリダイゼーション反応、検出までの一連の動作を一気に行う遺伝子診断システムにこの検出系を組み込んだ場合にさらに効果は大きい。組み込むシステムとしては、DNA増幅システム、標識システム、ハイブリダイゼーションシステムがあり、これらをすべて組み込んでも、一部を組み込んだシステムでもよい。
【0051】
図8は、生体から採取、抽出されたDNA検体の増幅から、蛍光検出、解析までを行う一気通貫システムの概略を示す図である。検体DNAの入力をおこなうピペット、注射器等を設置する検体セットユニット61より投入された検体のDNAは、増幅ユニット62で増幅することにより飛躍的に数が増大し、さらに標識蛍光分子との結合反応が行われる。次に、反応ユニット(ハイブリダイゼーションシステム)63に送られDNAチップのプローブとのハイブリダイゼーション反応が行われる。反応ユニット63には、DNAチップ2a、2b、2c、2dをのせたトレー65が搬入される。増幅ユニット62、反応ユニット63には、試薬、及び廃液管理ユニット66より、試薬供給、廃液処理が行われる。64は、微弱蛍光を検出するため暗箱内に図1の蛍光検出手段を有する蛍光検出ユニットであり、各DNAプローブに結合した標識蛍光分子の像を撮像する。検出ユニットは、解析用画像をPC67に送り、PC67は、この蛍光画像を用いてDNA解析を行う。69は各操作スイッチを有する操作パネルである。
【0052】
このような構成において各ユニットの動作タイミングを図9に示す。まずユーザーはユニット61に検体DNAをセットし、パネル69を操作して、検体数を入力し、スタートスイッチを操作し装置の動作をスタートさせる。すると変更手段68は、開始時刻とともに検体数がメモリーに記録する。変更手段68は、この検体数に基づいてトレイ65にDNAチップをセットし、反応ユニット63に搬入する。そしてユニット62において既知の手段によるDNA増幅を開始する。さらに変更手段68は、検出ユニット64におけるレーザー点灯時刻、レーザー出力測定時刻、ダーク画像撮影開始時刻等の図10に示すタイムテーブルを作成する。このタイムテーブルは、増幅開始時刻と検体数より、蛍光検出開始時刻を演算し、この検出開始時刻を基準に各工程でかかる時間をもとに遡り、レーザー点灯時刻、レーザー出力測定時刻、ダーク画像撮影開始時刻を演算する。ただ、増幅反応ユニットでの時間が試薬投入、温度調整時間等のバラツキにより若干ずれることもあるので、各ユニットの進行状況をモニターして、前記タイムテーブルを補正したほう効率がよいことは言うまでもない。
【0053】
増幅ユニット62の中で増幅及び蛍光標識と結合された検体DNAは流路を通り、反応ユニット63内の検体番号と対応したDNAチップと接しすでに試薬の投入されたチャンバー内に搬入される。標識された検体DNAは、ここで、DNAチップ上のプローブとハイブリダイゼーション反応が行われ、より相補性の高いプローブと結合する。このため相補性の高いプローブほど多くの蛍光標識が結合し強い蛍光を発する。
【0054】
これらの動作と平行して、検出ユニット64内では、先に決めたタイムテーブルに従って、レーザー点灯、レーザー出力測定、ダーク画像撮影が行われる。
【0055】
そして、ダーク画像撮影が終わった頃、ハイブリダイゼーション反応の終わったDNAチップをのせたトレー2が、検出ユニット64の暗箱内に搬入され、直ちに蛍光撮影が開始される。そして、検出画像は、実施例1、又は、実施例2で述べた補正方法に従い、既に取得したダーク画像を用いて固定パターンノイズが補正され、解析用PC67へと転送される。
【0056】
以上述べたように、他のユニットで反応を行っている蛍光画像撮影の前にダーク画像が取得してあるため、蛍光撮影後、ノイズ画像を蛍光撮影時の蓄積時間で補正することにより、迅速に固定パターンノイズを補正した解析用画像作成することができる。これにより増幅反応開始から、解析結果表示までの、時間を効率良く使って、精度のよい遺伝子解析を行うことができる。
【0057】
実施例4(さらに付加できる構成)
本発明においては、光出力計測手段をもちいることにより、微弱な信号をより精度よく検出することが可能になる。さらに、微弱な信号を増幅させるために、ロックインアンプ等を用いたロックイン検出を利用してもよい。ロックイン検出を行う場合は、光の変調信号を作らなくてはならないが、これは、レーザー光源4で変調信号を作成する方法や、シャッター手段5で変調する方法や、別途変調用のシャッタ手段をレーザー光源4と蛍光被写体1の間に設ける方法がある。変調のための駆動信号(変調信号)はMPUボード7aに送られる。変調された光で励起された蛍光被写体は、変調された強度で蛍光を発光し、その蛍光を撮像素子3で検出する。撮像素子で検出された信号と駆動信号を参照信号としてMPUボード7で画素ごとの信号を得て、画像を形成する。処理の都合によっては、演算手段のMPUボードとロックイン検出の演算処理を行うMPUボードを別々に設けてもよい。この方法を用いれば、ホワイトノイズが低減できる。
【0058】
また、検出エリアが小さいものであれば、光をp偏光とs偏光とに分離し、その強度差を測定するアンバランス検出を用いることも可能である。ただし、画素ごとに検出器を増やす必要があるため、検出器をライン状にして、レーザー光源を走査するなどの工夫が必要になる。
【0059】
さらに、レーザー光源自体をs偏光又はp偏光に偏光して、蛍光被写体に照射することも可能である。蛍光材料の特性に応じて、励起によって発光する強度の強い光を選ぶことも重要である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の装置を用いたDNA解析結果は、臨床検査における遺伝子診断に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施の形態の蛍光検出装置の構成図
【図2】第一の実施形態のタイミングチャート
【図3】蛍光画像を示す図
【図4】蛍光画像と固定パターン画像を示す図
【図5】動作の流れを示すフローチャート
【図6】第二の実施形態のタイミングチャート
【図7】各画像の画素値を示す図
【図8】第三の実施形態のユニット構成を示す図
【図9】第三の実施形態のタイミングチャート
【図10】タイムテーブルを示す図
【符号の説明】
【0062】
1 蛍光被写体
2 カセットトレイ
3 撮像素子
4 光源
5 シャッター手段
6 光出力計測手段
7 変更手段
8 光分離ミラー
9 ビームエクステンダー
10 ビームホモジナイザー
11 拡散版
12 フォトディテクター
13 蛍光フィルター
14 撮像光学系
15 デジタルカメラ
16 搬送ステージ
17 光量計測回路
18 制御インターフェイス
19 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光被写体からの発光を検出する発光検出装置であって、
前記発光被写体を照射する光源と、
前記光源からの光を遮断するシャッター手段と、
前記光源からの光を検出するための光出力計測手段と、
前記発光被写体から発光した光を検出する撮像素子と、
前記光出力計測手段の計測結果にもとづいて、設定時間を変更するための変更手段とを備えることを特徴とする発光検出装置。
【請求項2】
蛍光被写体からの蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
前記蛍光被写体を照明する光源と、
前記蛍光被写体へ向かう光を遮断するシャッター手段と、
前記シャッター手段と光源との光路間に配置された光出力計測手段と、
前記蛍光被写体の発した蛍光を検出する撮像素子と、
前記撮像素子の蓄積時間、又は前記シャッター手段の開閉時間の少なくとも一方を変更する変更手段とを備え、
前記変更手段は、前記光出力計測手段の計測結果よりノイズ画像を撮影するための蓄積時間を演算する演算手段と、
前記演算結果の前記蓄積時間で撮影したノイズ画像を用い蛍光を検出して形成した撮影画像を補正する補正手段とを有することを特徴とする蛍光検出装置。
【請求項3】
前記光源は、前記蛍光被写体を励起する励起光を発し、且つ
前記蛍光被写体の発した蛍光を透過し前記撮像素子に導き、前記励起光を遮断する蛍光フィルターを有する撮像手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の蛍光検出装置。
【請求項4】
前記光源は、レーザー光源であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項5】
前記変更手段は、メモリーに待ち時間を記憶させ、前記光源の点灯からの時間を計時し、前記待ち時間経過後、前記光源からの光出力計測を開始するための信号を送ることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項6】
前記ノイズ画像の撮影は、前記蛍光被写体を配置する前で、且つ前記光源のウェイティング時間の終了後であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項7】
前記蛍光被写体は複数であり、複数の前記蛍光被写体から得られる複数の前記撮影画像を同一の前記ノイズ画像に基づき補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項8】
予め、複数枚の画像を撮影し、前記複数枚の画像より一枚のノイズ画像を作成することを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項9】
前記光出力計測手段は、前記蛍光被写体への光照射中も光を蓄積可能であり、且つ前記出力計測手段からの信号に基づき、前記シャッターを閉じるための信号を変更手段に送ることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項10】
前記変更手段は、前記光出力計測手段からの信号により、シャッターを閉じるための信号を前記シャッター手段に送り、且つ撮像素子の蓄積を終了する信号を前記撮像素子へ送る変更手段であり、さらに、蛍光撮影の蓄積時間を計時し記憶する手段と、前記ノイズ画像を蛍光撮影時の前記蓄積時間で補正する第二の補正手段とを有することを特徴とする請求項1から8のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項11】
投入された生体のDNAを増幅するDNA増幅システムと、
増幅されたDNAに標識蛍光分子を結合する標識システムと、
標識されたDNAをDNAチップのプローブと結合させるハイブリダイゼーションシステムとの内の少なくとも一つのシステムを有することを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の蛍光検出装置。
【請求項12】
ダーク画像を取得する装置であって、
光源からの光を検出するための光出力計測手段を備え、
前記光出力計測手段の計測結果をもとに、撮像素子の蓄積時間を変更する変更手段とを備え、
前記蓄積時間をもとに、前記撮像素子でダーク画像を取得することを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−203138(P2008−203138A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40902(P2007−40902)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】