説明

蛍光灯用途の青−緑蛍光体

【課題】 赤色放出蛍光体及び高演色指数を有する蛍光灯用蛍光体を提供する。
【解決手段】 Sr4Al1425:Eu2+(SAE)と、赤色、緑色及び青色放出蛍光体の各々の少なくとも1つとを含む蛍光体層(16)を備える蛍光灯(10)。該蛍光体層(16)は、付加的な深赤色蛍光体及び黄色放出蛍光体を選択肢的に含むことができる。得られる蛍光灯(10)は、2500ないし10000ケルビンの相関色温度で90以上の演色指数を有する白色光を示すことになる。ランプの蛍光体におけるSAEの使用は、増大した安定性と、許容可能なランプ寿命の間の光束維性とを有する高CRI光源をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体組成物に関し、詳細には蛍光灯で用いる蛍光体に関する。より詳細には、本発明は蛍光灯で用いる赤色放出蛍光体及び高演色指数を有する蛍光体を使用する蛍光灯に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯は、通常、不活性ガス及び水銀蒸気を収容する密封放電空間を囲む透明なガラスエンベロープを有する。電極によって供給される電流が加えられると、水銀がイオン化して、185nm及び254nmの1次波長を有する放射線が発生する。この紫外放射線は、次に、エンベロープの内側表面の蛍光体を励起し、ガラスを通過して放出する可視光を発生させる。
【0003】
一般に、照明用の蛍光灯は、水銀蒸気の紫外ルミネセンスを可視光に変換するために、254mmHg−共鳴波を吸収して活性化される蛍光体を使用する。幾つかの従来の蛍光灯においては、Ca10(PO46(F,Cl)2:Sb,Mnのような、白色発光ハロリン酸カルシウム蛍光体が使用されている。最近では、蛍光灯の演色特性及び発光出力を改善するために、発光スペクトルが比較的狭い帯域を占める赤色、緑色及び青色蛍光体の適切な混合物を用いる3帯域形蛍光灯を用いる白色の効率的な照明が提供され、実用化されている。例えば、青色放出蛍光体については、ユーロピウム賦活アルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体(BaMg2Al1627:Eu2+)、緑色放出蛍光体については、セリウム及びテルビウム賦活アルミン酸マグネシウム蛍光体[(Ce,Tb)MgAl1119]、及び赤色放出蛍光体については、ユーロピウム賦活酸化イットリウム蛍光体(Y23:Eu3+)が使用され、適切な比率に混合される。蛍光体ブレンドの組み合わされたスペクトル出力は白色光を生成する。
【0004】
このような3帯域形蛍光灯において、それぞれの蛍光体の発光色は互いにかなり異なる。従って、3つの対応する蛍光体の何れかの発光強度が低下した場合に、色の偏差が発生し、ランプの演色特性が劣化する。
【0005】
光源の見かけの色は、色温度によって説明され、これは考慮される放射線とほぼ同じ色度の放射線を放出する黒体の温度である。3000ケルビンの色温度を有する光源は、4100ケルビンの色温度を有する光源よりも赤色成分が大きい。蛍光体ブレンドを用いるランプの色温度は、蛍光体の比率を変化させることによって変えることができる。
【0006】
色の質は演色、より詳細には演色指数(CRI又はRa)によって更に説明され、これは、光源によって照明された物体の心理物理色が特定の条件における基準光源の心理物理色と一致する度合いの尺度である。CRIは、光源のスペクトル分布が、赤外(700nm超)と紫外(400nm未満)との間でプランク分布を有する白熱(黒体)光源のスペクトル分布に、実際上、いかに類似しているかの尺度である。蛍光体ブレンドを特徴付ける離散スペクトルは、物体の色がスペクトルピークに適合する物体の良好な演色をもたらすことになるが、該色がスペクトルピークの間にある物体は良好な演色とはならない。
【0007】
ランプの見かけの色は、色度座標によって説明され、これは、標準の方法に従ってスペクトルパワー分布から計算することができる。CIE,「Method of measuring and specifying color rendering properties of light sources」(第2版),Publ.CIE No.13.2(TC−3.2),Bureau Central de la CIE,Paris,1974年を参照されたい。CIE標準色度図には、種々の温度での黒体放射体の色点が含まれる。x−y図上の黒体色度の軌跡は、プランク軌跡として知られる。この軌跡上の点によって表されるどのような発光源も色温度によって特定することができる。このプランク軌跡に近いがその上にない点は、相関色温度(CCT)を有し、これはこの色温度でプランク軌跡に交差するように該点から直線を引くことができるため、全ての点が平均的な人の目にほぼ同じ色を有するものとして見えるものである。光源の発光効率は、全光束を全ランプパワー入力で除算した商であり、ワット当たりのルーメン(LPW又はlm/W)で表される。
【0008】
スペクトル混合の研究によれば、白色光源の光度及びCRIは、色の構成成分のスペクトル分布に基づくことが示されている。青色又は青−緑蛍光体は、重要な構成成分であり、その性能はCRIを最大にするために重要である。このような蛍光体は、ランプの安定的なCIE色座標を維持する期間にわたって蛍光体が化学的に安定性を維持するように、長期のランプ動作の間に構造的な完全性を保つことが期待される。演色AA及びAAAの高演色蛍光灯のために、青−緑蛍光体が非常に求められている。このような蛍光体は、既存の3帯域形ランプと併せて用いて該ランプのCRIを増大させることができる。
【非特許文献1】CIE,「Method of measuring and specifying color rendering properties of light sources」(第2版),Publ.CIE No.13.2(TC−3.2),Bureau Central de la CIE,Paris,1974年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、安定で比較的メンテナンスフリーであると同時に、高いCRIを有する蛍光灯を作るために蛍光体ブレンドで使用することができる青−緑蛍光体に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様において、本発明は、赤色蛍光体、青色蛍光体及び緑色蛍光体及びSr4Al1425:Eu2+の各々の少なくとも1つを含む蛍光体ブレンドを提供する。
【0011】
別の態様において、本発明は、Sr4Al1425:Eu2+と、赤色蛍光体、青色蛍光体、緑色蛍光体の各々の少なくとも1つとを含む蛍光体ブレンドを提供する。
【0012】
第3の態様において、本発明は、Sr4Al1425:Eu2+を含み、90−94のCRI及び2500−10000ケルビンの相関色温度を有するアーク放電ランプを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1を参照すると、円形の断面を有する細長いソーダ石灰ケイ酸塩ガラスエンベロープを備える例示的な蛍光灯が示される。前記ランプ内の低圧水銀放電組立体は、密封ガラスエンベロープの両端に取り付けられた口金20の電気接点22に接続された各端部に、1対の間隔を置いた従来型の電極構造体18を含む。前記密封ガラスエンベロープ内の放電維持充填物は、低圧のアルゴン或いはアルゴンと他の希ガスとの混合物のような不活性ガスであり、少量の水銀と組み合わせることにより低蒸気圧モードでランプを作動させる。ガラスエンベロープの内側表面には、本発明による蛍光体ブレンド層16が被着される。本発明の1つの実施形態においては、ランプ10は、蛍光体ブレンド層16とガラスエンベロープの内側表面との間に配置された材料の第2の層14を有することができる。この第2の層は、従来のハロリン酸カルシウム蛍光体を含む第2の蛍光体層を有することができる。第2の蛍光体層の代わりに、或いはこれに加えて、第2の層は、当該技術分野で公知の紫外線反射障壁層とすることができる。このような障壁層は、例えば、α−アルミナ粒子とγ−アルミナ粒子との混合物を含むことができる。
【0014】
上述の2重蛍光体層被覆は、液体懸濁物からの被着及び静電被着を含む種々の公知の手順によって形成することができる。例えば、ハロリン酸カルシウム蛍光体の基層は、種々の有機バインダ及び更に他の接着促進剤を含む従来の水性懸濁物からガラス表面上に被着させることができる。前記水性懸濁物は、従来の方法で塗布され、次いで乾燥される。本発明の蛍光体ブレンドの好適な液体懸濁物は、その後、上述の従来の方法で乾燥したベース蛍光体層上に再度被着させることができる。
【0015】
本発明の青−緑放出蛍光体は、一般式Sr4Al1425:Eu2+(SAE)を有する、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウムである。上述の発光材料は、多くの様々な用途で用いることができる。例えば、該材料は、ランプ、陰極線管、プラズマディスプレイ、又は液晶ディスプレイの蛍光体として用いることができる。該材料はまた、電磁カロリーメータ、ガンマ線カメラ、コンピュータ断層撮影スキャナ、又はレーザのシンチレータとして用いることができる。これらの用途は、単に例示的に過ぎず、全てを網羅していることを意味するものではない。好ましい実施形態においては、該蛍光体は、上述のように蛍光灯において使用される。
【0016】
図3に見られるように、Sr4Al1425:Eu2+蛍光体は、約495nmにおけるピーク発光波長及び410nmでの弱い副帯域を有し、これはEu2+の4f7−4f65d直接遷移に対応する。主発光を495nmに有するSr4Al1425:Eu2+の使用により、主発光を448nmに有するBaMgAl1017:Eu2+(BAM)を用いて作られた光源よりも高いCRIの光源を製造することが可能となる。加えて、対称的な発光ピークによって示されるSr4Al1425:Eu2+のスペクトル分布は、BaMgAl1017:Eu2+或いは(Sr,Ba,Ca)10(PO46Cl2:Eu2+のような、維持性及び安定性に懸念のある、最近の青色蛍光体又は青−緑蛍光体を超えた顕著な改善を提供する。
【0017】
Sr4Al1425:Eu2+蛍光体は、液相(フラックス)法又は固相法のような何らかのセラミックパウダー法によって製造することができる。好ましくは、蛍光体の製造法は以下の段階を含む。最初に、蛍光体材料の各化合物をるつぼ又はボールミルのような他の適切な容器内で混合する。例えば、出発原料は、ZrO2又はイットリウム強化ジルコニアの粉砕媒体を有するボールミルを用いてブレンドすることができる。好ましい蛍光体の出発化合物は、金属成分の酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩、又はシュウ酸塩を含む。例えば、Sr4Al1425:Eu2+を形成するためには、炭酸ストロンチウム(SrCO3)、酸化アルミニウム(アルミナ、Al23)又は水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、及びEu23をるつぼ又はボールミル内で混合することができる。
【0018】
ブレンドした材料を、次いで、空気中又は還元性雰囲気中で、1400ないし1600℃で5−15時間、好ましくは1500℃で10時間の間焼成して、該材料を焼結させる。還元性雰囲気は生成ガス(2%水素及び98%窒素)を含むことができる。好ましくは、出発原料はまた、セラミック蛍光体を形成する焼成段階の間に出発原料の反応を促進させるフラックスを含有することができる。好ましくは、フラックスは、フッ化物又は塩化物化合物のようなハロゲン化合物を含む。好ましいハロゲン化合物には、フッ化マグネシウム、アルミニウム又はストロンチウム、或いは塩化マグネシウム、ストロンチウム、マンガン又はアンモニウムが含まれる。しかしながら、該蛍光体はフラックスを添加すること無く焼成してもよい。次いで、焼成された混合物によりランプバルブのような基体を被覆する。好ましくは、混合物粒子と液体との懸濁物を用いて基体を被覆する。
【0019】
上述の蛍光灯10での使用において、本発明のSr4Al1425:Eu2+(SAE)蛍光体を、好ましくは、赤色蛍光体、緑色蛍光体、及び青色蛍光体と共にブレンドして蛍光体ブレンド16を形成する。Sr4Al1425:Eu2+は、何らかの従来の公知の蛍光体とブレンドして、白色光を放出することができる本発明の蛍光体ブレンドを形成することができる。好ましくは、Sr4Al1425:Eu2+は、約610ないし625nmにピーク発光を有し約610ないし640nmで発光する赤色蛍光体と、約535ないし約555nmにピーク発光を有し約500nmないし約600nmで発光する緑色蛍光体と、約440ないし約470nmで発光する青色蛍光体の各々の1つ又はそれ以上とブレンドすることができる。また、約600ないし約700nmで発光する深赤色蛍光体及び/又は好ましくは約570nmにピーク発光を有し約540ないし590nmで発光する黄色蛍光体を該ブレンドに含むことができる。緑色放出蛍光体の限定されない例には、Tb−Ce賦活アルミン酸マグネシウム、ケイ酸イットリウム及びオルトリン酸ランタンのような希土類賦活蛍光体が含まれる。好適な青色蛍光体の限定されない例には、ユーロピウム賦活アルミン酸バリウム・マグネシウム、クロロリン酸ストロンチウム、又はクロロリン酸ストロンチウムバリウムカルシウムが含まれる。好適な赤色蛍光体の限定されない例には、ユーロピウム賦活酸化ガドリニウム及び酸化イットリウムが含まれる。好ましい蛍光体ブレントは、SAE、LaPO4:Te,Ce(LAP)、Sr5(PO43(Cl,F,OH):Eu2+(SECA)、及び(Y,La,Gd)BO3(YLGB)の混合物を含む。
【0020】
蛍光体ブレンドの個々の蛍光体の相対比率は、これらの発光がブレンドされたときに、CIE座標の所定のx値及びy値の可視光を形成するように調整することができ、ここで該x値は約0.3ないし約0.40の範囲にあり、該y値は約0.3ないし約0.40の範囲にある。加えて、各成分の相対比率は、緑色蛍光体、赤色蛍光体及び青色蛍光体の各1つからなる3つの蛍光体成分のブレンドから形成される3成分ブレンドと比較して、高い演色指数が実現されるものである。限定を意図するものではないが、本発明の蛍光体ブレンドは、一般に、重量で、約35ないし約50%の赤色蛍光体、約5ないし約20%の青色蛍光体、約15ないし約45%の緑色蛍光体、及び約5ないし約30%のSr4Al1425:Eu2+を含有することができる。
【0021】
好ましくは、蛍光体の組み合わせは、x値が0.3ないし0.40の範囲にあり、y値が完全放射体の約0.25の範囲内である所定の色点となる。好ましくは、蛍光体ブレンドは、実質的に均一な所定の輝度及びCRIを有する。好ましくは、輝度は70Lms/Wより大きく、CRIは約90より大きい。蛍光体成分の比率は、望ましい色点範囲全体にわたって高い輝度及びCRIが得られるように調整し、ランプが高い輝度及び色点を均一に有するようにされる。加えて、結果として得られる蛍光灯は、使用される種々の蛍光体の相対量に基づいて、2500−10000の相関色温度(CCT)を有し、より好ましくは3000−10000Kを有することになる。
【0022】
付加的な添加剤を蛍光体ブレンドに含むことができ、該添加剤には、分散媒体、結合剤、及び、例えばアルミナ、リン酸カルシウム、増粘剤、分散剤及び当該技術分野で公知の特定のホウ酸塩化合物を含む1つ又はそれ以上の種々の公知の非発光性添加剤を含むことができる。
【0023】
被覆手順においては、通常、種々の蛍光体粉末を重量でブレンドする。次いで、結果として得られる粉末を、任意選択的に当該技術分野で公知の分散剤を有する水媒体(これは当該技術分野で公知の他の添加剤を含むことができ、これにはアルミナ又はピロリン酸カルシウムの細かい非発光粒子のような接着促進剤が含まれる)内で分散させる。通常はポリエチレンオキサイドである、増粘剤を添加することができる。次に、懸濁物を、所望の厚み又は被覆重量の被覆を形成するのに好適となるまで、通常は脱イオン水で希釈する。ハロリン酸塩のベース被膜を用いる2つの被膜構成においては、最初に、管の内側にハロリン酸塩が塗布される。次いで、蛍光体ブレンド懸濁物が、ガラス管の内側に被覆として塗布され(好ましくは、垂直に保持された管の内側に懸濁物を注ぐことにより、又は該管の内側に懸濁物をポンプで送入することにより)、当該技術分野で公知の方法で、乾燥するまで強制的に空気加熱される。最初の薄い被膜又は薄層が塗布された後、追加的に、所望の薄い被膜又は薄層を同様の方法で塗布することができ、次の被覆が塗布される前に各被膜の乾燥が注意深く行われる。本発明において、この薄層は、アークによって生成されるUV光の実質的に全てを吸収するのに十分な全厚みすなわち蓄積厚みとなるまで、積層される。限定を意図するものでは無いが、通常はこれは約1ないし約25ミクロンの厚みに対応するが、蛍光体ブレンドの正確な組成及び該蛍光体の粒子寸法に依存する。
(実施例)
下記の濃度の蛍光体を混合し、蛍光体ブレンドを生成した。
【0024】
【表1】



【0025】
該蛍光体ブレンドの水性懸濁物を調製し、蛍光ガラスエンベロープの内側表面に塗布した。この蛍光体ブレンドで作り結果として得られた蛍光灯は、4000KのCCTを示し、70.6Lms/Wの発光効率で94のCRIにおいて2882ルーメンを出力した。光源の発光効率は、ワット当たりのルーメン(LPW又はlm/W)で表される、放射された全光束を全ランプパワー入力で除算した商である。
【0026】
図3は、Sr4Al1425:Eu2+、LAP、SECA及びYOB3のブレンドを含む、この蛍光体層を有するランプにおける波長に対する光出力のプロットである。この蛍光体ブレンドを用いた蛍光灯の色座標はx=0.370、y=0.379であり、図4のCIE色度図に図式的に示される。色度の色座標x及びyは蛍光体技術において公知である。図の実線の曲線は、あるx及びy座標に対応する単色放出波長を示す。
【0027】
495nmでのSAEの発光により、蛍光灯における他の蛍光体でのSAEの使用は、高CRIスペクトルに適合する発光スペクトルを与える。従来の赤−緑−青3蛍光体ブレンドは発光スペクトルに「ホール」を残すものであり、この「ホール」がSAEの発光によって補われる。これによりランプのスペクトル範囲が改善され、90以上の高CRIの生成が可能となる。更に、SAE蛍光体は、同じ範囲で発光する類似の蛍光体より高い安定性を示す。従って、SAEを組み込んだこのような蛍光体を用いるランプからの放射光の品質は特に優れたものであり、ランプ寿命の間に顕著に劣化しない。
【0028】
更に、GdMgB510:Ce,Tb(CBT)、CeMgAl1019:Ce,Tb(CAT)、及びCa5(PO43(Cl,F,OH):Sb3+,Eu2+,Mn2+(HALO)を、蛍光体ブレンド16に添加することができる。
【0029】
本発明を詳細に且つ特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の概念及び範囲を逸脱することなく種々の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかであろう。例えば図5及び図6に見ることができるように、本発明の蛍光体ブレンドは、コンパクトな蛍光灯装置で使用することができる。図5を参照すれば、巻き付けられた2重螺旋構造のランプエンベロープ又はチューブ32を有する螺旋状コンパクト蛍光灯が示される。端部32a、32bは、ハウジング部材34の上部36に入り;端部32a、32b内部には電極38が配置され、該電極38はハウジング部材34内に取り付けられた安定器回路装置40に電気的に結合される。図6に関しては、蛍光管50、キャップ56によって密封されたハウジング52、及びこの例によればネジ口金56を有するコンパクト形蛍光灯が側面図で示される。該コンパクト形蛍光灯は、当該技術分野で公知の口金を通じて電源に電気的に接続され、口金の接続部から来る配線は、ハウジング52内部に配置された安定器回路及び/又は蛍光管50の電極に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】蛍光灯の概略断面図。
【図2】Sr4Al1425:Eu2+(SAE)の発光スペクトルのプロット。
【図3】本発明による蛍光体層を有するランプの波長に対する光出力のプロット。
【図4】CIE色度図のプロット。
【図5】本発明の実施形態によるコンパクト蛍光灯の断面図。
【図6】本発明の別の実施形態による別のコンパクト蛍光灯の断面図。
【符号の説明】
【0031】
10 蛍光灯
14 第2の層
16 蛍光体ブレンド層
18 電極構造体
20 口金
22 電気接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外放射線を可視照明に変換する第1の蛍光体層(16)を備える蛍光灯(10)であって、前記層(16)が、約610ないし625nmにピーク発光を有し約610ないし640nmで発光する赤色蛍光体と、約535ないし約555nmにピーク発光を有し約500ないし約600nmで発光する緑色蛍光体と、約440ないし約470nmで発光する青色蛍光体と、式Sr4Al1425:Eu2+を有する蛍光体とを含むことを特徴とする蛍光灯(10)。
【請求項2】
前記ランプが、約2500ないし約10000ケルビンの相関色温度、及び約90ないし94の演色指数を示すことを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項3】
ハロ蛍光体を含む第2の蛍光体層(14)を更に備える請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項4】
前記第2の蛍光体層(14)がハロリン酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項3に記載の蛍光灯(10)。
【請求項5】
約600ないし約700nmで発光する深赤色蛍光体及び/又は約540ないし590nmで発光し好ましくは約570nmにピーク発光を有する黄色蛍光体を更に備える請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項6】
前記蛍光体層(16)が、Sr4Al1425:Eu2+、LaPO4:Te,Ce(LAP)、Sr5(PO43(Cl,F,OH):Eu2+(SECA)、及び(Y,La,Gd)BO3(YLGB)のブレンドを含むことを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項7】
α−アルミナ粒子とγ−アルミナ粒子の少なくとも1つを含むUV反射障壁層(14)を更に備える請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項8】
前記可視照明が白色光を含むことを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項9】
前記ランプ(10)がガラスエンベロープ(12)を更に備え、前記第1の蛍光体層(16)が前記ガラスエンベロープ(12)の内側表面に被着されることを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項10】
前記可視光がCIEスケール上で、x値が0.3ないし0.4の範囲にありyが0.3ないし0.4の範囲にある所定の色座標を有することを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項11】
前記可視光がCIEスケールで、x値が約0.370でありyが約0.379である所定の色座標を有することを特徴とする請求項10に記載の蛍光灯(10)。
【請求項12】
前記ランプ(10)が70Lms/Wを超える発光効率を有することを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項13】
前記蛍光体層(16)が、重量で、約35ないし約50パーセントの前記赤色蛍光体と、約5ないし約20パーセントの前記青色蛍光体と、約15ないし約45パーセントの前記緑色蛍光体と、約5ないし約30パーセントのSr4Al1425:Eu2+とを含むことを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項14】
前記ランプ(10)がコンパクト形蛍光灯であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯(10)。
【請求項15】
蛍光照明用途で用いるのに好適な蛍光体ブレンドであって、前記ブレンドが、赤色放出蛍光体と、緑色放出蛍光体と、青色放出蛍光体と、Sr4Al1425:Eu2+とを含む蛍光体ブレンド。
【請求項16】
前記赤色蛍光体が約610ないし625nmにピーク発光を有し約610ないし640nmで発光し、前記緑色蛍光体が約535ないし約555nmにピーク発光を有し約500ないし約600nmで発光し、及び前記青色蛍光体が約440ないし約470nmで発光することを特徴とする請求項15に記載の蛍光体ブレンド。
【請求項17】
約600ないし約700nmで発光する深赤色蛍光体及び/又は約540ないし590nmで発光し好ましくは約570nmにピーク発光を有する黄色蛍光体を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の蛍光体ブレンド。
【請求項18】
Sr4Al1425:Eu2+、LaPO4:Te,Ce(LAP)、Sr5(PO43(Cl,F,OH):Eu2+(SECA)、及び(Y,La,Gd)BO3(YLGB)を含む請求項15に記載の蛍光体ブレンド。
【請求項19】
前記蛍光体ブレンドが、重量で、約35ないし約50パーセントの前記赤色蛍光体と、約5ないし約20パーセントの前記青色蛍光体と、約15ないし約45パーセントの前記緑色蛍光体と、約5ないし約30パーセントのSr4Al1425:Eu2+とを含むことを特徴とする請求項15に記載の蛍光体ブレンド。
【請求項20】
前記蛍光体ブレンドが、2500ないし10000Kの相関色温度で90以上のCRIを示す蛍光灯(10)で用いるのに好適であることを特徴とする請求項15に記載の蛍光体ブレンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2004−269845(P2004−269845A)
【公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2003−327078(P2003−327078)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】