説明

蛍光灯駆動装置

【課題】比較的簡易な構成で適正な予熱を可能にする蛍光灯駆動装置を提供する。
【解決手段】蛍光灯駆動装置2では、スイッチ71がオンになる予熱期間中においては、蛍光灯1のフィラメント5,6の非電源側接続端子7d,8dの間にコンデンサ38が接続されていても非電源側接続端子7d,8dの間はスイッチ71により短絡状態になる。これにより、予熱期間中においてはフィラメント5,6に高周波電圧Voutを印加しても蛍光灯1が点灯することがないため、点灯開始前に点灯させることなくフィラメント5,6を予め加熱する予熱制御が可能となる。したがって、通常の点灯制御に必要な直列共振回路を構成するトランス19の2次巻線22、チョークコイル23、直流成分遮断用コンデンサ24、コンデンサ38等に加えて、スイッチ71とそれをオンオフ制御するスイッチ駆動回路75を追加する比較的簡易な構成で、適正な予熱を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の制御に関し、詳しくは、蛍光灯の点灯消灯を制御する蛍光灯駆動装置及び蛍光灯駆動装置の保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道等の室内灯具として、図11に示すような蛍光灯(蛍光ランプ)81が広く使用されている。蛍光灯81は、放電により発生する紫外線を管内の蛍光体に通し、これを可視光の光に変換して出力する灯具である。蛍光灯81には、蛍光灯81の点灯消灯を制御する蛍光灯駆動装置82が接続されている。蛍光灯駆動装置82には、インバータ83及びトランス84が設けられている。蛍光灯駆動装置82は、入力した直流電圧をインバータ83によって交流電圧に変換するとともに、この交流電圧をトランス84により昇圧し、この高周波交流電圧で蛍光灯81を点灯させる。
【0003】
このような蛍光灯81は、点灯前におけるフィラメントの加熱が不足すると、点灯開始電圧になっても放電が開始されなかったり、フィラメントのエミッタが飛散して放電灯の寿命を短くなることがある。このため、点灯開始前にフィラメントを予め加熱する予熱制御が行われている。
【0004】
例えば、従来より用いられている予熱制御として「コンデンサ予熱方式」がある。これは、蛍光灯を構成する一対のフィラメントの電源側端子間にインダクタとコンデンサによる直列共振回路に接続するとともに同フィラメントの非電源側端子間に予熱用コンデンサを接続し、点灯開始前の予熱時にこのような直列共振回路による共振電流を予熱用コンデンサを介してフィラメントに流すことにより予熱を可能にしている。
【0005】
また、下記特許文献1に開示される「放電灯点灯装置」では、予熱モードと始動モードを備え、予熱モードにおいては熱電子を放出し始める目標温度までフィラメントを加熱してから始動モードに移行する予熱電源回路を設けて点灯開始前の予熱を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−59622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし前述した「コンデンサ予熱方式」では、予熱時においても通常点灯時に用いる直列共振回路から供給される共振電流をフィラメントに流すことになる。このため、予熱時の管電圧が高くなる傾向があり、充分な温度に達する前に蛍光灯が点灯してしまうことから、フィラメントのエミッタが飛散し得るという問題があった。
【0008】
また、上記特許文献2の「放電灯点灯装置」では、予熱モード時にフィラメントを加熱する専用の予熱電源回路を設ける必要があることから、回路構成の複雑化を招くばかりか、このような予熱電源回路を構成するため、トランスT1、キャパシタC2,C3、インダクタL2,L3等の回路部品の数の増加や装置の大型化を招くという問題があった。
【0009】
上記目的に鑑み、本発明は比較的簡易な構成で適正な予熱を可能にする蛍光灯駆動装置を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、直流電圧をインバータ回路により高周波電圧に変換しこの高周波電圧により蛍光灯を点灯させる蛍光灯駆動装置において、前記蛍光灯を構成する一対のフィラメントのそれぞれの電源側端子間に直列に接続されるインダクタ及び前記一対のフィラメントの非電源側端子間に接続されるコンデンサを含んで構成され前記蛍光灯の点灯時の共振周波数に設定される直列共振回路と、前記コンデンサに並列に接続されるアナログスイッチと、前記アナログスイッチをオンオフ制御可能に構成され前記蛍光灯の点灯前における予熱期間中は前記アナログスイッチをオンにし予熱期間後はオフに制御するスイッチ制御回路と、を備えたことを要旨とする。
【0011】
本発明によれば、通常の点灯制御に必要な直列共振回路を構成するインダクタ及び一対のフィラメントの非電源側端子間に接続されるコンデンサに加えて、このコンデンサと並列にアナログスイッチを接続し、このアナログスイッチをスイッチ制御回路により蛍光灯の点灯前における予熱期間中はオンに、予熱期間後はオフにそれぞれ制御する。これにより、アナログスイッチがオンになる予熱期間中においては、フィラメントの非電源側端子間にコンデンサが接続されていても当該非電源側端子間はアナログスイッチにより短絡状態になるので、蛍光灯を構成する一対のフィラメントは短絡状態の非電源側端子間を経由して電源側端子間を直流的に導通状態にすることができる。したがって、アナログスイッチとそれをオンオフ制御するスイッチ制御回路を追加する比較的簡易な構成により、予熱期間中においてはフィラメントに高周波電圧を印加しても蛍光灯が点灯することがないため、点灯開始前に点灯させることなくフィラメントを予め加熱する予熱制御が可能となる。
【0012】
また、本発明の蛍光灯駆動装置によれば、前記高周波電圧の周波数を制御可能に構成される周波数制御回路を備え、この周波数制御回路は、前記予熱期間中における前記高周波電圧の周波数を予熱期間後における周波数よりも高い50KHz以上100KHz以下に設定する。これにより、予熱期間中において直流的に導通状態になったフィラメントには50KHz以上100KHz以下の高周波電圧が印加されるため、蛍光灯の予熱を短期間に行うことができる。
【0013】
さらに、本発明の蛍光駆動装置によれば、前記アナログスイッチの制御端子は、前記高周波電圧が供給される前記蛍光灯の電源ライン及びその周辺回路に対してフォトカプラにより電気的に絶縁されている。これにより、アナログスイッチの制御端子の入力インピーダンスが比較的高くても、蛍光灯の電源ライン及びその周辺回路から発生し得る高周波ノイズ等の影響を受け難いため、このようなノイズによる誤動作を抑制することができる。
【0014】
さらにまた、本発明の蛍光灯駆動装置によれば、前記スイッチ制御回路は、抵抗及びコンデンサの値により前記予熱期間を決定する時定数回路を含む。これにより、このような抵抗やコンデンサの値を適宜変更することで予熱期間を容易に設定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、断線の有無を検出しながらも、蛍光灯を高効率で点灯させる蛍光灯駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る蛍光灯駆動装置の構成例を示す説明図である。
【図2】図2(A)は、図1に示す構成から予熱制御に関する構成部分を抜き出したブロック図で、図2(B)はフォトカプラを追加した構成例を示すブロック図である。
【図3】断線や異常が発生していない正常点灯時のタイムチャート。
【図4】断線発生時のタイムチャート。
【図5】管異常発生時のタイムチャート。
【図6】第2実施形態における蛍光灯駆動装置の概略構成を示す構成図。
【図7】第3実施形態における断線等が発生していない正常点灯時のタイムチャートである。
【図8】第3実施形態における断線発生時のタイムチャートである。
【図9】第3実施形態における管異常発生時のタイムチャートである。
【図10】別例における管異常検出回路の構成を示す回路図。
【図11】従来における蛍光灯駆動装置の概略構成を示す構成図。
【図12】従来における保護機能を備えた蛍光灯駆動装置の概略構成を示す構成図。
【図13】蛍光灯に印加される高周波交流電圧の一例を示す波形図。
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した蛍光灯駆動装置の保護回路の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0018】
まず、第1実施形態に係る蛍光灯駆動装置2により点灯消灯を制御される蛍光灯1について簡単に説明をする。図1に示すように、蛍光灯1は、例えば、棒状の直管形蛍光管で、その両端に固定される口金には、一対のフィラメントが対向するようにそれぞれ設けられている。
【0019】
これらのうち一方のフィラメント(以降「第1フィラメント」という。)5は、その一端側(電源側端子)が、蛍光灯取付部100に設けられた電源側接続端子7cを介して点灯制御回路部4の第1接続端子7aに電気的に接続可能に構成されており、また他端側(非電源側端子)が非電源側接続端子7dを介して点灯制御回路部4の第1接続端子7bに電気的に接続可能に構成されている。
【0020】
同様に、他方のフィラメント(以降「第2フィラメント」という)6は、その一端側(電源側端子)が、蛍光灯取付部100に設けられた電源側接続端子8cを介して点灯制御回路部4の第2接続端子8aに、また他端側(非電源側端子)が非電源側接続端子8dを介して点灯制御回路部4の第2接続端子8bに、それぞれ電気的に接続可能に構成されている。
【0021】
このように構成される蛍光灯1には、点灯消灯の動作を制御する蛍光灯駆動装置2が接続されている。この蛍光灯駆動装置2は、外部電源から得た電源電圧Vccを所定値に変換する入力回路部3と、入力回路部3で生成した直流電圧を高周波の交流電圧(以降「高周波電圧」)Voutに変換して蛍光灯1に出力する点灯制御回路部4とを備えている。
【0022】
<入力回路部3>
入力回路部3には、電源電圧Vccが入力される入力端子9が設けられている。この入力端子9には、外部電源からの電源電圧Vccの他に、蛍光灯1を点灯又は消灯する際に操作する電源スイッチの操作信号Sswが入力される。電源スイッチがオン操作されると、操作信号Sswとしてオン状態を示すオン信号が入力され、電源スイッチがオフ操作されると、操作信号Sswとしてオフ状態を示すオフ信号が入力される。この電源スイッチのオンオフ操作は、入力回路部3の手動操作検出回路10によって検出される。
【0023】
入力回路部3には、電源電圧Vccに含まれるノイズを除去するノイズフィルタ11と、ノイズ除去後の電源電圧Vccを電圧源として点灯制御回路部4の電源電圧を生成する動作電源発生回路12とが設けられている。この動作電源発生回路12は、ノイズ除去後の電源電圧Vccを、蛍光灯1の点灯電源、即ち主電圧Vsとして点灯制御回路部4に出力し得るように構成されるとともに、点灯制御回路部4が動作するための基準電圧Vkとして所定値の直流電圧に降圧して点灯制御回路部4に出力し得るように構成されている。
【0024】
また、入力回路部3には、過熱保護機能として、入力回路部3における過熱の有無を検知し得る過熱検知回路13が設けられている。例えば、サーミスタにより温度変化を検知し得るように構成されており、本実施形態の場合、蛍光灯1の発熱有無を検知可能にしている。過熱検知の有無は、過熱検知回路13に接続されるLED等の発光素子からなる過熱検知通知部14の点灯(非検出時)や消灯(検出時)により視認可能に通知される。なお、この過熱保護機能は、蛍光灯駆動装置2を保護する保護回路2aの一機能である。
【0025】
さらに、入力回路部3には、手動操作検出回路10及び過熱検知回路13の検出結果に基づく動作信号Sdを点灯制御回路部4に出力する信号出力回路15が設けられている。この信号出力回路15は、手動操作検出回路10が電源オン操作を検出した際に過熱検知回路13が過熱を検出していない場合には、動作信号Sdとして点灯要求(オン信号)を点灯制御回路部4に出力し得るように、また手動操作検出回路10が電源オフ操作を検出した場合や、過熱検知回路13が過熱を検知している場合には、動作信号Sdとして消灯要求(オフ信号)を点灯制御回路部4に出力し得るように、構成されている。
【0026】
<点灯制御回路部4>
点灯制御回路部4には、点灯制御回路部4の電源オンオフを管理するスイッチ回路16、例えばPWM制御により発振する発振回路17、例えばプッシュプル回路からなるインバータ回路18、入力電圧を昇圧するトランス19、等が設けられている。
【0027】
スイッチ回路16は、動作電源発生回路12から基準電圧Vkが入力された際に、信号出力回路15から動作信号Sdとしてオン信号が入力されている場合には、基準電圧Vkを発振回路17に出力して発振回路17を動作し得るように構成されている。これにより、動作電源発生回路12から基準電圧Vkが入力されていても、信号出力回路15から動作信号Sdとしてオフ信号が入力されている場合には発振回路17を動作させることなく停止状態のままにする。
【0028】
このようなスイッチ回路16には、点灯制御回路部4による点灯動作の実行可否を通知する動作状態通知部20が接続されている。この動作状態通知部20は、例えばLEDからなり、点灯制御回路部4が蛍光灯1の点灯動作を実行しているときには点灯し、点灯動作を実行していないときには消灯する。
【0029】
また、スイッチ回路16には、断線検出機能として、後述する断線検出回路27から出力される検出信号Sdsに基づいて蛍光灯1の断線有無を監視する断線監視部33が設けられている。この断線監視部33は、検出信号Sdsが閾値以下となるか否かを監視し、検出信号Sdsが閾値以下となった場合には、蛍光灯1に断線が生じていると判断して、スイッチ回路16から発振回路17への基準電圧Vkの供給を停止する。これにより、断線状況下において点灯制御回路部4が点灯動作を行うことを防止可能にしている。なお、この断線検出機能も、蛍光灯駆動装置2を保護する保護回路2aの一機能である。
【0030】
発振回路17は、所定の高周波信号を発生させて、当該発振回路17に接続されるインバータ回路18内のスイッチング素子(図略)を交互にオンオフし得る機能を有するもので、本実施形態では当該発振回路17に接続される発振切換回路43によって発振周波数を選択切り換え可能に構成されている。なお、発振切換回路43は、後述の予熱時間設定回路73とともに本発明の「周波数制御回路」に相当し得るものである。
【0031】
例えば、後述するように、蛍光灯1の点灯前においては、予熱を目的とした第1フィラメント5及び第2フィラメント6による発熱を可能にするため、発振回路17を高い周波数(例えば約100KHz)で発振させ、予熱期間の経過後においては通常点灯するため、比較的低い周波数(例えば約40KHz)で発振させる。これにより、点灯前におけるフィラメントの加熱不足を解消可能にしている。なお、予熱制御は後述する予熱制御回路部により行われる。
【0032】
インバータ回路18は、例えば、直列に接続された2つのスイッチング素子(例えばMOS−FET)からなるプッシュプル回路により構成されており、発振回路17から出力される高周波信号を互いに逆相になるように制御(ゲート)端子に入力することで、これらのスイッチング素子を交互にオンオフする。これにより、このインバータ回路18に接続されたトランス19の一対の1次巻線21a,21bに対して交互に電流を流すことができるため、トランス19の2次巻線22に高周波電圧Voutが発生し、この高周波電圧Voutによって蛍光灯1を点灯させることが可能となる。蛍光灯1が点灯する際の共振周波数は、2次巻線22及びチョークコイル23のインダクタンス成分と、コンデンサ38(後述する)のキャパシタンス成分とによって設定されている。
【0033】
トランス19は、前述したように、一対の1次巻線21a,21bと、1つの2次巻線22とからなり、2次巻線22の第1巻線端子22aは、第1接続端子7a,7bの一方側の端子7a(以降「一方側第1接続端子7a」)に接続され、2次巻線22の第2巻線端子22bは、第2接続端子8a,8bの一方側の端子8a(以降「一方側第2接続端子8a」)に接続されている。一方側第1接続端子7aは主電圧Vsに接続され、一方側第2接続端子8aはトランス19の2次巻線22を介して主電圧Vsに接続されている。
【0034】
一方側第2接続端子8aと第2巻線端子22bとの間には、チョークコイル23及びコンデンサ24(以降「直流成分遮断用コンデンサ24」)の直列回路25が接続されている。チョークコイル23は、トランス19の2次側のインダクタンス成分を稼ぐもので、これにより、トランス19の2次巻線22の巻線量を低減可能にしている。なお、トランス19の2次巻線22とチョークコイル23とは、本発明の「電源側端子間に直列に接続されるインダクタ」に相当し得るものである。
【0035】
直流成分遮断用コンデンサ24は、直流成分をカットして直流電流が流れないようにするためのもので、トランス19の2次巻線22側から蛍光灯1の第1フィラメント5、抵抗35,36,37を経由して蛍光灯1の第2フィラメント6、チョークコイル23に至る閉回路を蛍光灯1の電流ループ回路26とすると、この電流ループ回路26に直流電流が流れないようにしている。なお、この電流ループ回路26は、本発明の「直列共振回路」に相当し得るものである。
【0036】
本実施形態では、この電流ループ回路26に断線検出回路27が接続されている。この断線検出回路27は、複数の抵抗28,29,30,31を直列接続した回路からなり、電流ループ回路26を流れる電流値に応じた電圧値として検出信号Sdsをスイッチ回路16に出力するように構成されている。これにより、スイッチ回路16の断線監視部33は、前述したように、検出信号Sdsが閾値以下となるか否かを監視して検出信号Sdsが閾値以下になると、蛍光灯1を繋ぐ通電経路に断線が発生していることを判断可能になる。
【0037】
第1接続端子7a,7bの他方側の端子7b(以降「他方側第1接続端子7b」)と、第2接続端子8a,8bの他方側の端子8b(以降「他方側第2接続端子8b」)との間に直列に接続される抵抗35,36,37は、例えば蛍光灯1のフィラメント切れや管破損灯を検出する管異常検出回路34を構成している。
【0038】
この管異常検出回路34は、蛍光灯駆動装置2を保護する保護回路2aの一機能として管破損検出機能を実現し得るもので、蛍光灯1の第1フィラメント5と第2フィラメント6との間の端子間電圧を監視して、管異常の有無を検出可能に構成されている。本実施形態の場合、管異常検出回路34は、第1フィラメント5側から見て1番目の抵抗35と2番目の抵抗36とのノードに発生する分圧Vbbを、フィラメント5,6の端子間電圧として出力する。また、第1接続端子7bと第2接続端子8bとの間には、蛍光灯1が点灯する際の共振周波数を決定するコンデンサ38が接続されている。なお、このコンデンサ38は、本発明の「コンデンサ」に相当し得るものである。
【0039】
また、管異常検出回路34には、管異常検出回路34の分圧Vbbから直流分を取り除くフィルタ回路39が接続されている。このフィルタ回路39は、この分圧Vbbから直流成分を取り除いて交流成分のみとし、これを整流回路40で整流することで一定値の直流電圧に変換可能にしている。整流回路40の出力側には、管異常検出回路34による保護動作を実行し得る保護動作回路41が接続されている。
【0040】
即ち、保護動作回路41には、管異常検出回路34が蛍光灯1の異常を検出した際に点灯制御回路部4による点灯動作を強制終了するシャットダウン実行部42や、フィラメント予熱時に発振回路17のシャットダウン機能を一時的に停止させるシャットダウン一時停止部44が設けられている。
【0041】
シャットダウン実行部42は、整流後の分圧Vbbと閾値とを比較し、分圧Vbbが閾値未満となると、蛍光灯1に管異常が発生したと判断して発振回路17にシャットダウン要求Ksdを出力し得るように構成されている。これにより、シャットダウン要求Ksdを受けた発振回路17は、入力回路部3からの基準電圧Vkの入力有無にかかわらず発振動作を停止して蛍光灯1の点灯動作を強制終了する。
【0042】
これに対して、シャットダウン一時停止部44は、予熱期間中、発振回路17のシャットダウン機能が動作しないようにするもので、例えば抵抗とコンデンサからなるRC回路の時定数から決まる時間だけ、シャットダウン一時停止要求Kitを発振切換回路43に出力し得るように構成されている。これにより、発振切換回路43は、シャットダウン一時停止要求Kitが入力される間、発振回路17にシャットダウンを実行させることなく高い周波数での発振動作を実行可能にしている。
【0043】
なお、シャットダウン一時停止部44で設定される蛍光灯1の予熱時間は、次に説明する予熱制御回路部の予熱時間設定回路73によって設定される所定の予熱時間と同じ値であるので、当該予熱時間が経過した旨を知らせる予熱期間満了信号を予熱時間設定回路73から取得するように構成しても良い。これにより、シャットダウン一時停止部44において予熱時間を生成するRC時定数回路が省略できるので、回路構成を簡素にできる。
【0044】
このように蛍光灯駆動装置2は、過熱保護機能、断線検出機能や管破損検出機能を実現し得る保護回路2aを備えているが、本実施形態に係る蛍光灯駆動装置2では、比較的簡易な構成で実現可能な予熱制御回路部4a(図2参照)を備えている。
【0045】
次に、本例の蛍光灯駆動装置2の動作を図3〜図5に従って説明する。
【0046】
まず、図3に示すように、蛍光灯1に断線が発生していない場合を想定する。入力端子9に電源電圧Vccが入力されると、電源電圧Vccはノイズフィルタ11によってノイズが除去され、ノイズ除去後の電源電圧Vccが動作電源発生回路12に出力される。動作電源発生回路12は、ノイズ除去後の電源電圧Vccを主電圧Vsとして点灯制御回路部4に出力する。主電圧Vsが点灯制御回路部4に入力されると、この主電圧Vsは蛍光灯1に印加される。ここでは、蛍光灯1に断線が発生していない場合を想定しているので、断線検出回路27は正常値で以て検出信号Sdsを断線監視部33に出力する。よって、断線監視部33は、正常な検出信号Sdsを入力することによって、蛍光灯1に断線が発生していないと認識する。
【0047】
また、動作電源発生回路12は、点灯制御回路部4への主電圧Vsの供給動作とともに、ノイズ除去後の電源電圧Vccを降圧して基準電圧Vkを生成し、これを発振回路17の動作電源としてスイッチ回路16に出力する。
【0048】
この状態下において、電源スイッチがオン操作されたとする。信号出力回路15は、電源スイッチのオン操作を手動操作検出回路10で確認すると、過熱検知回路13が過熱を検出していないことを条件に、動作信号Sdとしてオン信号をスイッチ回路16に出力する。このとき、過熱検知通知部14は点灯動作をとるので、蛍光灯1が過熱していないことがユーザに通知される。
【0049】
スイッチ回路16は、信号出力回路15から動作信号Sdとしてオン信号を入力すると、断線検出回路27が断線を検出していないことを条件に、動作電源発生回路12から得た基準電圧Vkを発振回路17に出力する。これにより、発振回路17に動作電源が供給された状態となる。発振回路17は、スイッチ回路16から基準電圧Vkを入力すると、これを電源として発振し、インバータ回路18を介してトランス19の2次巻線22から、高い周波数に準じた高周波交流電圧Voutが出力され、蛍光灯1がまずはフィラメント予熱で以て点灯動作を開始する。
【0050】
このとき、発振切換回路43は、蛍光灯1を予熱電流で点灯させるために、発振回路17を高い周波数で発振させる。ところで、蛍光灯1がフィラメント予熱する際、蛍光灯1の管電圧は不安定な状態をとるので、タイミングによっては管異常検出回路34の分圧Vbbが閾値を下回り、保護動作回路41のシャットダウン実行部42が機能してしまうことも想定される。よって、シャットダウン一時停止部44は、フィラメント予熱の際にシャットダウン機能が利かないようにするために、自身のCR成分の定数から決まる時間の間だけ、シャットダウン一時停止要求Kitを発振切換回路43に出力する。よって、発振切換回路43は、予熱期間の間、発振回路17をシャットダウンしないようにしながら高い周波数で発振させる。
【0051】
予熱期間がタイムアップすると、シャットダウン一時停止部44はシャットダウン一時停止要求Kitの出力を停止する。これにより、発振切換回路43は、シャットダウン一時停止要求Kitを入力しない状態をとり、今度は発振回路17を低い周波数で発振させる。よって、トランス19の2次巻線22から、低い周波数に準じた高周波交流電圧Voutが出力され、蛍光灯1の点灯動作がそれまでのフィラメント予熱から通常点灯に切り換えられる。
【0052】
続いて、図4に示すように、例えば蛍光灯1に断線が発生していた場合、主電圧Vsが蛍光灯1に印加されても、蛍光灯1の電流ループ回路26に電流が流れないので、断線検出回路27はオン信号を出力することができない。よって、電源スイッチがオン操作されて信号出力回路15からスイッチ回路16にオン信号が入力されても、スイッチ回路16はこれに応答しない。従って、発振回路17には基準電圧Vkが供給されないので、結果として点灯制御回路部4が動作せず、蛍光灯1は消灯状態を維持する。
【0053】
また、図5に示すように、例えば蛍光灯1に管異常が発生していた場合、フィラメント5,6の端子間電圧は低くなるので、管異常検出回路34の分圧Vbbが閾値以下に落ち込む。よって、シャットダウン実行部42は、分圧Vbbが閾値以下となることを確認するので、蛍光灯1に管異常が発生したと認識し、発振回路17にシャットダウン要求Ksdを出力する。発振回路17は、このシャットダウン要求Ksdに従って動作し、蛍光灯1の点灯動作を強制終了する。
【0054】
従って、本例においては、蛍光灯1の閉ループ回路である電流ループ回路26に直流成分遮断用コンデンサ24を設けて、蛍光灯1の点灯時において電流ループ回路26に流れる電流から直流成分をカットする。そして、この直流成分が流れない電流ループ回路26、つまり蛍光灯1の電流経路上に、断線が発生していないかどうかを断線検出回路27によって検出する。よって、断線検出するに際してトランス19の2次側に直流電流を直接流す方式を用いずに済むので、トランス19の2次側に偏磁をさせない状態で、断線有無を検出することが可能となる。このため、蛍光灯1の断線有無を検出しながらも、効率よく蛍光灯1を点灯させることが可能となる。
【0055】
また、フィラメント5,6の間の端子間電圧、つまり管電圧を見る管異常検出回路34を蛍光灯駆動装置2に設け、この管異常検出回路34から得る分圧Vbbによって管異常の有無を監視する。よって、例えばフィラメント切れや管破損が発生すると、それに応じて分圧Vbbが上昇するという傾向を利用して、本例のような管異常検出回路34を点灯制御回路部4に設けておけば、分圧Vbbの上昇を検出することを以て、フィラメント切れや管破損の有無も問題なく検出することが可能となる。
【0056】
本実施形態の構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0057】
(1)蛍光灯1に繋がる電流ループ回路26に直流成分遮断用コンデンサ24を接続し、同ループ回路26に繋がる断線検出回路27によって同ループ回路26における断線有無を監視する。このため、蛍光灯1の断線有無を監視しながらも、効率よく蛍光灯1を点灯させることができる。
【0058】
(2)蛍光灯1の一対のフィラメント5,6の間に、管異常の発生有無を監視する管異常検出回路34を設けたので、蛍光灯1に発生するフィラメント切れや管破損等を検出することができる。そして、蛍光灯1にフィラメント切れや管破損が発生した際には、蛍光灯駆動装置2の動作を強制停止するので、このような異常状態時に蛍光灯駆動装置2を停止状態に切り換えることができる。
【0059】
(3)管異常検出回路34を複数の抵抗35〜37により構成したので、蛍光灯1の種類に合わせて管異常検出回路34の検出出力を切り換えたい場合に、例えば抵抗35〜37を他の抵抗値のものに切り換えたり、或いは抵抗成分を増設したりするなどの簡単な作業によって、これに対応することができる。
【0060】
(4)入力回路部3に過熱検知回路13を設け、蛍光灯駆動装置2ひいては蛍光灯1が過熱した際には、蛍光灯駆動装置2による蛍光灯1の点灯動作を強制終了する。よって、蛍光灯駆動装置2ひいては蛍光灯1を過熱から保護することができる。
【0061】
(5)蛍光灯1の点灯消灯を主に管理するスイッチ回路16、発振回路17、保護動作回路41、発振切換回路43等は、連続した入力の変化に対して出力信号の状態も連続的に変化するアナログ回路から構成される。よって、蛍光灯駆動装置2において点灯消灯を制御する回路部分を、アナログ回路という簡素な構成のもので済ますことができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、本例の第2実施形態を図6に従って説明する。なお、本例は、第1実施形態に対して、蛍光灯1の点灯消灯をソフトウェア回路によって制御する点のみが異なっている。よって、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0063】
図5に示すように、蛍光灯駆動装置102には、蛍光灯1の点灯消灯をプログラマブルに制御する制御コントローラ51が設けられている。制御コントローラ51は、例えばCPU(Central Processing Unit)52やメモリ53等を備えたソフトウェア回路からなり、メモリ53に格納された制御プログラム54に基づいて点灯動作や消灯動作を実行する。また、制御コントローラ51は、1チップ化された制御IC(Integrated Circuit)からなっている。本例の制御コントローラ51は、第1実施形態の例えばスイッチ回路16、発振回路17、保護動作回路41及び発振切換回路43等の働きを担う回路である。なお、制御コントローラ51が点灯消灯制御手段を構成し、制御プログラム54がプログラムに相当する。
【0064】
制御コントローラ51には、電源電圧Vccや操作信号Sswを入力する入力回路部55と、蛍光灯1の発熱有無を検知する過熱検知回路部56とが接続されている。入力回路部55は、入力した電源電圧Vccを主電圧Vs及び基準電圧Vkに変換出力するとともに、操作信号Sswを入力したことを制御コントローラ51に通知する。過熱検知回路部56は、入力回路部55における発熱有無を見ることで蛍光灯1の発熱を監視し、その監視結果に応じた過熱検出通知Skmを制御コントローラ51に出力する。
【0065】
制御コントローラ51には、駆動回路として働くゲートドライブ回路部57を介して点灯回路部58が接続されている。本例の点灯回路部58は、第1実施形態の例えばインバータ回路18、トランス19、断線検出回路27、管異常検出回路34、フィルタ回路39、整流回路40等の働きを担う回路である。点灯回路部58は、制御コントローラ51から入力した直流電圧をインバータ回路18及びトランス19によって高周波交流電圧Voutに変換し、同電圧Voutを蛍光灯1に出力して蛍光灯1を点灯させる。また、点灯回路部58は、断線検出回路27の検出信号Sdsや、管異常検出回路34の分圧Vbbを制御コントローラ51に出力する。
【0066】
また、制御コントローラ51には、蛍光灯駆動装置102の動作状態を表示する表示回路部59が設けられている。制御コントローラ51は、断線検出回路27で蛍光灯1の断線を検出したり、管異常検出回路34で管異常を検出したり、過熱検知回路部56で過熱を検知したりすると、蛍光灯駆動装置102の動作を停止するとともに、表示要求Kdpを表示回路部59に出力する。表示回路部59は、この表示要求Kdpを入力すると、例えばそれまで点灯していたLEDを消灯するなどして、異常発生をユーザに通知する。
【0067】
さて、本例の場合は、蛍光灯1の点灯消灯を、ソフトウェア回路からなる制御コントローラ51により実行する。このため、もし仮に蛍光灯1の点灯消灯の動作パターンを切り換えたい要望があっても、このときは制御コントローラ51のメモリ53に格納されている制御プログラム54を他プログラムに上書きすれば対応可能である。よって、蛍光灯1の点灯消灯の動作パターンの切り換えを、単なるプログラムの書き換えという簡単な作業で済ますことが可能となる。
【0068】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(5)の効果に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
【0069】
(6)蛍光灯1の点灯消灯を主に管理する回路部分を、制御コントローラ51というソフトウェア回路によって構成した。このため、例えば蛍光灯1の点灯消灯の動作内容を切り換えたい場合には、制御コントローラ51のメモリ53に描き込まれた制御プログラム54を他のプログラムに変更すれば済む。よって、蛍光灯駆動装置102自体を変更せずとも、点灯消灯の動作を簡単に他動作に切り換えることができる。
【0070】
(第3実施形態)
次に、本例の第3実施形態を図1に示す説明図の構成から予熱制御に関する構成部分を抜き出した図2も図1とともに参照しながら説明する。なお、蛍光灯駆動装置112のうち、蛍光灯1、入力回路部3及び点灯制御回路部4については、第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0071】
<予熱制御回路部4a>
図2(A)に示すように、予熱制御回路部4aは、スイッチ71、予熱時間設定回路73及びスイッチ駆動回路75により構成されている。スイッチ71は、例えば、MOS−FET等で構成されるアナログスイッチで、ゲート端子に入力されるゲート制御信号によってオンオフ制御し得るように構成されている。
【0072】
このアナログスイッチは、双方向に入出力が可能で半導体により構成されているものであれば、その構成要素はバイポーラトランジスタでもCMOS等のユニポーラトランジスタ等であっても良い。ただし、蛍光灯1のフィラメント(第1フィラメント5及び第2フィラメント6)を発熱させて予熱する必要から、例えば、最大許容電圧は400V以上で、最大許容電流は1.5A以上の仕様が要求される。
【0073】
このため、例えば、SSR(ソリッドステート・リレー)や機械的なリレー等がスイッチ71の具体例として挙がるかもしれないが、SSRは、一般に、最大許容電圧が高いと最大許容電流が小さくなり、最大許容電流が大きいと最大許容電圧が低くなる、といった最大許容電圧と最大許容電流のバランスから前記の仕様を満たし難いため、スイッチ71には不向きである。
【0074】
また、機械的なリレーやスイッチは、半導体スイッチに比べるとスイッチング速度が極めて遅く、アーク放電によるノイズやチャタリングの発生、さらには蛍光灯駆動装置自体の大型化を招きやすいことから、スイッチ71として機械的なリレー等を使うことは、想定し難い。このような理由から本実施形態に係る蛍光灯駆動装置112では、スイッチ71としてアナログスイッチを採用している。
【0075】
なお、アナログスイッチのスイッチング速度は100nSオーダであるため、図2(B)に示すようにスイッチ71の前段にフォトカプラ77を介在させても1mS以下に収まる。これに対し、機械的なリレーのスイッチング速度は10mSオーダで、アナログスイッチに比べて100倍以上遅い。
【0076】
また、SSRの最大許容電圧と最大許容電流の例としては、下記のものが挙げられる。
G3VM-61A1 (オムロン株式会社製):許容電圧 60V、許容電流0.5A
G3VM-202J1(オムロン株式会社製):許容電圧200V、許容電流0.2A
G3VM-351G (オムロン株式会社製):許容電圧350V、許容電流0.11A
【0077】
予熱時間設定回路73は、蛍光灯1の予熱時間を設定するもので、本実施形態では入力回路部3から出力される動作信号Sdとしての点灯要求(オン信号)をトリガにして所定の予熱時間(例えば、0.4秒〜3.0秒間)をスタートさせる。例えば、前述したシャットダウン一時停止部44と同様に抵抗とコンデンサからなるRC回路の時定数から決まる時間(T=R×C)だけ蛍光灯1の第1フィラメント5及び第2フィラメント6を発熱させて予熱し得るように、当該予熱期間中はHレベルとなる制御信号をスイッチ駆動回路75と発振切換回路43に出力可能に構成されている。
【0078】
予熱期間中は、発振回路17を高い周波数(例えば約100KHz)で発振させるため、発振切換回路43に制御信号を出力して発振回路17の発振周波数を設定可能にしている。なお、予熱時間設定回路73は、前述の発振切換回路43とともに本発明の「周波数制御回路」に相当し得るものである。
【0079】
なお、予熱時間設定回路73で設定される所定の予熱時間は、前述したシャットダウン一時停止部44によって設定する蛍光灯1の予熱時間と同じ値であるので、当該予熱時間が経過した旨を知らせる予熱期間満了信号をシャットダウン一時停止部44から取得するように構成しても良い。これにより、予熱時間設定回路73において予熱時間を生成するRC時定数回路が省略できるので、予熱時間設定回路73の構成を簡素にできる。
【0080】
スイッチ駆動回路75は、前述したスイッチ71のオンオフ制御を可能にするもので、予熱時間設定回路73からの制御信号を受けてスイッチ71にゲート制御信号を出力可能に構成されている。本実施形態では、予熱期間中だけ予熱時間設定回路73から出力されるHレベルの制御信号を受けてスイッチ71をオンにし、それ以外の期間はスイッチ71をオフにするようにスイッチ71のスイッチング制御をしている。なお、このスイッチ駆動回路75は、本発明の「スイッチ制御回路」に相当し得るものである。
【0081】
このように予熱制御回路部4aを構成することによって、スイッチ71がオンになる予熱期間中においてはコンデンサ38の両端をスイッチ71が導通状態にするので、コンデンサ38の存在にかかわらず、蛍光灯1のフィラメント(第1フィラメント5、第2フィラメント6)の非電源側接続端子7d,8dの間は短絡状態になる。これにより、短絡状態の非電源側接続端子7d,8dを経由して電源側接続端子7c,8cの間を直流的に導通状態にすることができる。
【0082】
また、この予熱期間中においては、発振回路17を高い周波数(例えば約100KHz)で発振させる制御信号が予熱時間設定回路73から発振切換回路43に出力されるので、当該予熱期間中は、第1接続端子7a及び第2接続端子8aから高い周波数の高周波電圧が蛍光灯1に出力される。これにより、短期間に蛍光灯1のフィラメントを発熱させて予熱を完了させることが可能となる。
【0083】
なお、図2(B)に示すように、スイッチ71のゲート端子と予熱時間設定回路73の出力との間にフォトカプラ77を介在させる構成を採っても良い。即ち、スイッチ71のゲート端子に印加されるゲート電圧をフォトカプラ77の出力側でドライブすることによって、蛍光灯1に高周波電圧Voutを供給する電流ループ回路26及びその周辺回路から当該ゲート端子を電気的に絶縁することができる。これにより、スイッチ71のゲート端子の入力インピーダンスが比較的高くても、電流ループ回路26等から発生し得る高周波ノイズ等の影響を受け難いため、このようなノイズによるスイッチ71の誤動作を抑制することが可能となる。
【0084】
フォトカプラ77の入力側にノイズ除去用のコンデンサやインダクタを追加することで、さらに誤動作を抑制することができる。またフォトカプラ77の出力側にブリーダ抵抗等を並列に設けることで、スイッチ71のオンオフ制御を速くすることができる。
【0085】
次に、本実施形態に係る蛍光灯駆動装置112の動作を図7及び図8に基づいて説明する。最初に図7を参照しながら蛍光灯1に断線等の異常が発生していない場合について説明した後、蛍光灯1に異常が発生している場合について図8を参照して説明する。
【0086】
まず、外部から蛍光灯駆動装置112に電源電圧Vccが供給されると、入力端子9から入力された電源電圧Vccはノイズフィルタ11によりノイズ除去された後、動作電源発生回路12に入力される。動作電源発生回路12では、この電源電圧Vccに基づいて主電圧Vsを生成するとともに降圧して基準電圧Vkも生成する。これらの電圧Vs,Vkはいずれも点灯制御回路部4に出力される。これにより、点灯制御回路部4には駆動電力が供給されるためその動作が可能になり、また蛍光灯1のフィラメント5,6には点灯制御回路部4の抵抗35〜37を介して主電圧Vsによる電流が流れるため、断線検出回路27による断線検出が可能となる(図7(A))。
【0087】
また、過熱検知回路13による過熱の有無も検出される。蛍光灯1等の過熱が検知されていない場合には、例えばHレベルの検出信号が出力されて過熱検知通知部14が点灯し、過熱が検知されている場合には、例えばLレベルの検出信号が出力されて過熱検知通知部14が消灯する。ここでは過熱が検知されていないことを前提として説明を進めるのでHレベルの検出信号が出力される(図7(B))。
【0088】
また、蛍光灯1に断線が発生していない場合を想定しているので、断線検出回路27からは正常値の検出信号Sdsが断線監視部33に出力されて、これを受けた断線監視部33は蛍光灯1に断線が発生していないと判断する(図7(E))。
【0089】
電源スイッチがオンに操作されオン状態の操作信号Sswが手動操作検出回路10により検出されると(図7(C))、信号出力回路15は、過熱検知回路13による過熱検出のないことを条件に動作信号Sdとしてオン信号をスイッチ回路16と予熱時間設定回路73に出力する(図7(D))。
【0090】
スイッチ回路16は、信号出力回路15から動作信号Sdとしてオン信号が入力されると、断線検出回路27が断線を検出していないことを条件に、動作電源発生回路12から得た基準電圧Vkを発振回路17に出力する。この動作信号Sdとしてのオン信号は、予熱時間設定回路73にも入力される。このオン信号を受けると予熱時間設定回路73は、それをトリガに所定の予熱時間をスタートさせるとともに発振切換回路43に制御信号を出力して発振回路17の発振周波数を高い周波数(例えば約100KHz)に切り換える。これにより、発振回路17は高い周波数で発振を開始し(図7(G))、インバータ回路18のスイッチング素子を交互にオンオフすると、トランス19の2次巻線22からは高周波電圧Voutが出力される。
【0091】
所定の予熱時間をスタートさせると予熱時間設定回路73は、当該予熱期間中、スイッチ71をオンにするゲート制御信号(例えはHレベル)をスイッチ71に出力するようにスイッチ駆動回路75に対して制御信号を出力する(図7(I))。
【0092】
これにより、スイッチ71はオフ状態からオン状態に制御されるので、トランス19の2次巻線22から出力された高周波電圧Voutが蛍光灯1のフィラメント(第1フィラメント5、第2フィラメント6)に印加されると、オン状態のスイッチ71を介して、一方側第1接続端子7a,電源側接続端子7c,第1フィラメント5,非電源側接続端子7d,他方側第1接続端子7b,スイッチ71,他方側第2接続端子8b,非電源側接続端子8d,第2フィラメント6,電源側接続端子8c,一方側第2接続端子8aの双方向の通電経路で高周波電圧Voutが流れてフィラメントの予熱が可能となる(図7(H))。
【0093】
なお、フィラメント予熱の際はスイッチ71がオン状態になることから、管異常検出回路34を構成する抵抗35〜37による分圧電圧は発生することなく、管異常検出回路34から出力される分圧Vbbは0Vになる。つまり、管異常が発生していないにもかかわらず、シャットダウン実行部42が機能してしまうため、これが働かないように前述したRC回路の時定数から決まる時間だけ、シャットダウン一時停止要求Kitを発振切換回路43に出力する。これにより、発振切換回路43は、予熱期間中、発振回路17をシャットダウンしないようにしながら高い周波数で発振回路17を発振させる。
【0094】
予熱期間が経過すると、予熱時間設定回路73は、スイッチ71をオフにするゲート制御信号(例えはLレベル)をスイッチ71に出力するようにスイッチ駆動回路75に対して制御信号を出力する。またこれとほぼ同時に発振回路17の発振周波数を低い周波数(例えば約40KHz)に切り換えるように発振切換回路43に制御信号を出力する。これにより、発振回路17は低い周波数で発振を開始するとともに(図7(G))、スイッチ71がオフ状態になるため(図7(I))、スイッチ71のない状態と同様、通常の点灯制御に移行して蛍光灯1の点灯動作がそれまでのフィラメント予熱から通常点灯に切り換えられる(図7(H))。
【0095】
続いて、蛍光灯1に異常が発生している場合について図8,図9を参照して説明する。
【0096】
まず、蛍光灯1のフィラメントが断線している場合について説明する。
【0097】
図8に示すように、フィラメントが断線している場合には、ノイズ除去後の電源電圧Vccに基づいて動作電源発生回路12が主電圧Vsを生成し蛍光灯1に印加されても、蛍光灯1の電流ループ回路26には電流が流れない。
【0098】
このため、断線検出回路27はオン信号を出力することができないことから(図8(E))、電源スイッチがオン操作され信号出力回路15からスイッチ回路16にオン信号が入力されても(図8(D))、スイッチ回路16はこれに応答しない。したがって、発振回路17には基準電圧Vkが供給されないので、点灯制御回路部4は動作することなく(図8(F),(G),(I))、蛍光灯1は消灯状態を維持する(図8(H))。
【0099】
次に、蛍光灯1に管異常が発生している場合について説明する。
【0100】
図5に示すように、管異常が発生している場合には、第1フィラメント5や第2フィラメント6の端子間電圧が低くなるので、管異常検出回路34の分圧Vbbが閾値未満に低下する(図9(F))。
【0101】
閾値未満に低下した分圧Vbbが入力されると、シャットダウン実行部42は、分圧Vbbが閾値未満であることを検出して蛍光灯1に管異常が発生したと判断して、発振回路17にシャットダウン要求Ksdを出力する(図9(G))。これにより、発振回路17は、このシャットダウン要求Ksdに従って動作し蛍光灯1の点灯動作を強制終了させる(図9(H))。なお、蛍光灯1に管異常が発生している場合には、当初、蛍光灯1は正常に点灯しているため、スイッチ駆動回路75の動作については図7に示す正常時と同様になる。
【0102】
以上説明したように、本実施形態に係る蛍光灯駆動装置112によると、直流電圧Vccをインバータ回路18により高周波電圧Voutに変換しこの高周波電圧Voutにより蛍光灯1を点灯させる蛍光灯駆動装置2において、蛍光灯1を構成する第1フィラメント5及び第2フィラメント6のそれぞれの電源側接続端子7c,8cの間に直列に接続されるトランス19の2次巻線22とチョークコイル23と直流成分遮断用コンデンサ24とを含んで構成され蛍光灯1の点灯時の共振周波数に設定される直列共振回路と、一対の第1フィラメント5及び第2フィラメント6の非電源側接続端子7d,8dの間に接続されるコンデンサ38と、コンデンサ38に並列に接続されるスイッチ71と、スイッチ71をオンオフ制御可能に構成され蛍光灯1の点灯前における予熱期間中はスイッチ71をオンにし予熱期間後はオフに制御するスイッチ駆動回路75と、を備える。
【0103】
これにより、スイッチ71がオンになる予熱期間中においては、第1フィラメント5及び第2フィラメント6の非電源側接続端子7d,8dの間にコンデンサ38が接続されていても当該非電源側接続端子7d,8dの間はスイッチ71により短絡状態になるので、蛍光灯1を構成する一対の第1フィラメント5及び第2フィラメント6は短絡状態の非電源側接続端子7d,8dの間を経由して電源側接続端子7c,8cの間を直流的に導通状態にすることができる。したがって、通常の点灯制御に必要な直列共振回路を構成するトランス19の2次巻線22、チョークコイル23、直流成分遮断用コンデンサ24や一対の第1フィラメント5、第2フィラメント6の非電源側接続端子7d,8dの間に接続されるコンデンサ38に加えて、スイッチ71とそれをオンオフ制御するスイッチ駆動回路75を追加する比較的簡易な構成により、予熱期間中においては第1フィラメント5及び第2フィラメント6に高周波電圧Voutを印加しても蛍光灯1が点灯することがないため、予熱終了前に点灯させることなく第1フィラメント5及び第2フィラメント6を予め加熱する予熱制御が可能となる。よって、スイッチ71とそれをオンオフ制御するスイッチ駆動回路75を追加する比較的簡易な構成で、適正な予熱を可能にし得る蛍光灯駆動装置2を提供することができる。
【0104】
また、本実施形態に係る蛍光灯駆動装置112によると、高周波電圧Voutの周波数を制御可能に構成される発振切換回路43及び予熱時間設定回路73を備え、これらは予熱期間中における高周波電圧Voutの周波数を予熱期間後における周波数(例えば約40KHz)よりも高い約100KHzに設定する。これにより、予熱期間中において直流的に導通状態になった第1フィラメント5及び第2フィラメント6には100KHzの高周波電圧Voutが印加されるため、蛍光灯1の予熱を短期間に行うことができる。なお、本実施形態では、高周波電圧Voutの周波数として、予熱期間中においては約100KHz、通常点灯時においては約40KHzにそれぞれ設定したが、これに限られることはなく、予熱期間中における高周波電圧Voutの周波数として、第1フィラメント5及び第2フィラメント6を過熱することが可能な周波数帯域であれば、例えば、200KHz,400KHz,800KHz,1MHz等、あるいはそれ以上の周波数であっても良い。
【0105】
さらに、本実施形態に係る蛍光灯駆動装置2によると、スイッチ71のゲート端子は、高周波電圧Voutが供給される蛍光灯1の電流ループ回路26やその周辺回路に対してフォトカプラ77により電気的に絶縁されている。これにより、スイッチ71のゲート端子の入力インピーダンスが比較的高くても、蛍光灯1の電流ループ回路26等から発生し得る高周波ノイズ等の影響を受け難いため、このようなノイズによる誤動作を抑制することができる。
【0106】
なお、本願発明の実施の形態は、これまでに述べた構成に限らず、次の態様に変更しても良い。
【0107】
・点灯消灯の制御対象となる蛍光灯1は、1本に限らず複数としても良い。また直管形蛍光管に限らず、環形やU字形状等のコンパクト形の蛍光管であっても良い。
【0108】
・電源電圧Vccは、直流電圧に限らず例えば商用電源から得た交流電圧としても良い。
【0109】
・トランス19の種類は、1次側が2つの巻線からなる構造のものに限らず、例えば1次側が1つの巻線からなるものでも良い。
【0110】
・インバータ回路18は、プッシュプル回路からなるものに限らず、他の回路を採用しても良い。また、インバータ回路18は、フルブリッジ回路及びハーフブリッジ回路のどちらを採用しても良い。
【0111】
・コンデンサ24は、2次巻線22の第2巻線端子22b側に設けられることに限らず、例えば第1巻線端子22a側に設けられても良い。
【0112】
・蛍光灯駆動装置2は、鉄道に搭載されることに限らず、自動車等の車両に搭載されても良い。
【0113】
・第1及び第2実施形態において、直流成分遮断手段は、コンデンサ24のみに限定されるものではなく、例えばコイル等の他の成分を組み合わせて用いてもよい。
【0114】
・第1及び第2実施形態において、コンデンサ24は、2次巻線22の第2巻線端子22b側に設けられることに限らず、例えば第1巻線端子22a側に設けられてもよい。
【0115】
・第1及び第2実施形態において、断線検出回路27は、4つの直列接続された抵抗28〜31と1つのコンデンサ32からなる構成のものに限定されず、断線を検出できれば、どのようなデバイスを用いてもよい。
【0116】
・第1及び第2実施形態において、断線有無を見る回路、即ち断線監視部33は、スイッチ回路16に設けられることに限らず、例えばこれを発振回路17に組み込むなど、その配置箇所を適宜変えてもよい。
【0117】
・第1及び第2実施形態において、管異常検出手段は、複数の抵抗35〜37及びコンデンサ38からなることに限定されない。例えば、図10に示すように、トランス19に設けた補助巻線61により代用してもよい。
【0118】
・第1及び第2実施形態において、管異常検出手段をトランス19の補助巻線61で代用する場合、補助巻線61はトランス19に形成されることに限らず、例えばチョークコイル23に設けてもよい。
【0119】
・第1及び第2実施形態において、電源電圧Vccは、直流電圧に限らず、例えば商用電源から得た交流電圧としてもよい。
・第1及び第2実施形態において、トランス19の種類は、1次側が2つの巻線からなる構造のものに限らず、例えば1次側が1つの巻線からなるものでもよい。
【0120】
・第1及び第2実施形態において、インバータ回路18は、プッシュプル回路からなるものに限らず、他の回路を採用してもよい。また、インバータ回路18は、フルブリッジ回路及びハーフブリッジ回路のどちらを採用してもよい。
【0121】
・第1及び第2実施形態において、管異常や過熱が発生したときには、発振回路17の発振動作を止めにいくのではなく、例えばスイッチ回路16の電源供給動作を止めにいくようにしてもよい。
【0122】
・第1及び第2実施形態において、過熱検知回路13(過熱検知回路部56)は、蛍光灯駆動装置2,102側に設けられることに限らず、例えば蛍光灯1に一体組み付けして、蛍光灯1の過熱を直に検出するものでもよい。
【0123】
・第1及び第2実施形態において、点灯消灯の制御対象となる蛍光灯1は、1本に限らず、複数としてもよい。
【0124】
・第1及び第2実施形態において、過熱検知通知部14や動作状態通知部20は、LEDからなることに限定されない。例えば、文字や絵柄を表示可能なディスプレイとし、同ディスプレイによって、より視覚的に異常を通知するものでもよい。
【0125】
・第1及び第2実施形態において、本例の蛍光灯駆動装置2,102は、鉄道に搭載されることに限らず、自動車等に搭載されてもよい。
【0126】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0127】
(技術的思想G)
請求項2〜7のいずれかにおいて、前記蛍光灯の点灯開始初期時、当該蛍光灯を流れる予熱電流によって該蛍光灯を点灯させる蛍光灯予熱実行手段を備えた。ところで、蛍光灯には予熱電流で放電させると長寿命化する傾向があるので、本構成を採用すれば蛍光灯の寿命を長く延ばすことが可能となる。
【0128】
(技術的思想H)
技術的思想Gにおいて、前記蛍光灯が予熱動作する際、前記強制終了の機能を一時的に利かないようにする強制終了一時停止手段を備えた。ところで、予熱動作時の蛍光灯は動作が不安定であるので、蛍光灯が瞬間的に異常とみなし得る状態をとって、強制終了が働いてしまうことも想定される。しかし、本構成においては、予熱動作時には強制終了の機能を一時的に停止するので、強制終了の機能を設けても、予熱動作を問題なく実行することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、照明装置の点灯制御分野、特に、蛍光灯の点灯制御分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1…蛍光灯、2,102、112…蛍光灯駆動装置、2a…保護回路、3…入力回路部、4…点灯制御回路部、4a…予熱制御回路部、5…第1フィラメント(一対のフィラメント)、6…第2フィラメント(一対のフィラメント)、7a…一方側第1接続端子、7b…他方側第1接続端子、8a…一方側第2接続端子、8b…他方側第2接続端子、7c,8c…電源側接続端子(フィラメントの電源側端子)、7d,8d…非電源側接続端子(フィラメントの非電源側端子)、9…入力端子、11…ノイズフィルタ、12…動作電源発生回路、13…過熱検知手段を構成する過熱検知回路、14…過熱検知通知部、15…過熱抑制手段を構成する信号出力回路、16…点灯消灯制御手段を構成するスイッチ回路、17…点灯消灯制御手段を構成する発振回路、18…インバータ回路、19…トランス、20…動作状態通知部、21a,21b…一次巻線、22…2次巻線(インダクタ)、23…チョークコイル(インダクタ)、24…直流成分遮断手段としての直流成分遮断用コンデンサ、26…電流ループ回路(電源ライン)、27…断線検出手段としての断線検出回路、28〜31…抵抗、32…コンデンサ、33…点灯停止手段としての断線監視部、34…電圧監視手段としての管異常監視回路、35〜37…抵抗、38…コンデンサ、39…フィルタ回路、41…点灯消灯制御手段を構成する保護動作回路、42…点灯強制終了手段を構成するシャットダウン実行部、43…点灯消灯制御手段を構成する発振切換回路(周波数制御回路)、44…シャットダウン一時停止部、51…点灯消灯制御手段を構成する制御コントローラ、52…CPU、53…メモリ、54…プログラムとしての制御プログラム、55…入力回路部、56…過熱検知手段を構成する過熱検知回路部、57…ゲートドライブ回路部、58…点灯回路部、59…表示回路部、61…補助巻線、71…スイッチ(アナログスイッチ)、73…予熱時間設定回路(時定数決定回路,周波数制御回路)、75…スイッチ駆動回路(スイッチ制御回路)、77…フォトカプラ、81…蛍光灯、82…蛍光灯駆動装置、83…インバータ、84…トランス、100…蛍光灯取付部、101…第一蛍光灯用ソケット、102…蛍光灯駆動装置、103…蛍光灯取付面、104…蛍光灯サポート部、104a〜104d…保護片、105…受容部、121…第二蛍光灯用ソケット、122…ソケットホルダ、123…蛍光灯可動サポート部、124…開口部、125…蛍光灯サポート部、165…信号線路、501,530、540、550…発光ダイオード照明回路、502,600…発光部、502a〜502d,600a〜600d…LED回路、503…駆動電流供給部、504…電源、505…故障検出部、505a〜505d…電圧検出回路、506…故障警報部、510…照明装置、514…電源線路、521…信号線路、561…警報表示LED、601,611,621,631、641…第一抵抗、602,612,622,632、642…結節点、603,613,623,633、643…第二抵抗、604,614,624,634、644…FET(半導体スイッチング素子)、640…故障検出部、640a…電圧検出回路、640b…電圧検出回路、660…フォトカプラ、660a…入力側、660b…出力側、661…故障警報部、665…信号線路、700…発光部、700a〜700d…LED回路、701,702,703,704…発光ダイオード群、705a…電圧検出回路、D1〜D4,D11〜D13,D21〜D23,D31〜D33,D41〜D43…発光ダイオード、Vcc…入力電圧としての電源電圧(直流電圧)、Vout…交流電圧としての高周波交流電圧(高周波電圧)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路により変換しこの高周波電圧により蛍光灯を点灯させる蛍光灯駆動装置において、
前記蛍光灯を構成する一対のフィラメントのそれぞれの電源側端子間に直列に接続されるインダクタ及び前記一対のフィラメントの非電源側端子間に接続されるコンデンサを含んで構成され前記蛍光灯の点灯時の共振周波数に設定される直列共振回路と、
前記コンデンサに並列に接続されるアナログスイッチと、
前記アナログスイッチをオンオフ制御可能に構成され前記蛍光灯の点灯前における予熱期間中は前記アナログスイッチをオンにし予熱期間後はオフに制御するスイッチ制御回路と、を備えることを特徴とする蛍光灯駆動装置。
【請求項2】
前記高周波電圧の周波数を制御可能に構成される周波数制御回路を備え、
当該周波数制御回路は、前記予熱期間中における前記高周波電圧の周波数を前記予熱期間後における周波数よりも高い50KHz以上100KHz以下に設定することを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯駆動装置。
【請求項3】
前記アナログスイッチの制御端子を備え、
当該アナログスイッチの制御端子は、前記高周波電圧が供給される前記蛍光灯の電源ライン及びその周辺回路に対してフォトカプラにより電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光灯駆動装置。
【請求項4】
前記スイッチ制御回路は、抵抗及びコンデンサの値により前記予熱期間を決定する時定数回路を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光灯駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−230923(P2012−230923A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−187356(P2012−187356)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【分割の表示】特願2011−534297(P2011−534297)の分割
【原出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000144544)レシップホールディングス株式会社 (179)
【Fターム(参考)】