説明

蛍光発光する隠れ証印

第1部分と第2部分とを含む印刷した証印が記述される。第1部分は、通常の昼光下で第1カラーを有する第1インクを有する。第2部分は、異なる第2インクを有する。第2インクは、通常の昼光下で第1カラーと実質的に同じ第2カラーを有する蛍光インクを含む。蛍光インクは、蛍光励起放射に晒されると、蛍光発光する。第2部分は、第1部分に埋め込まれ、第1、第2部分は、通常の昼光下で実質的に相互に視覚的に識別することができない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷した証印に関し、より詳しくは、隠れた蛍光証印に関する。
【背景技術】
【0002】
ある用途では、1次元又は2次元バーコード等の証印が、郵便物等の品目上に印刷される。例えば、バーコードは、郵便物上で郵便料金メーター証印と共に又はその中でしばしば使用される。黒色が、2次元バーコードを印刷するのに好んで使用され、また最適のコントラストと読取りやすさのため好適である。黒色の2次元バーコードの印刷の1つの問題は、入手可能なデスクトッププリンター又はコピー機で容易に複写できることである。黒の印刷は、任意の白黒コピー機でコピーでき、又はスキャンして入手可能なプリンターで容易に再印刷できる。他の問題は、誰でもバーコード上に印刷されているものを誰でも見ることができることである。ある用途では、ある情報を隠して渡したい。暗い色の蛍光インクが、米国特許出願公開第2002/195586A1、2003/0005303A1、2003/0041774A1に開示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
印刷した証印内に情報を隠し、しかもこれを簡単に確認し、又は読取れることが望まれている。郵便料金証印等には、別のレベルのセキュリティを与えるのに使用可能な隠れた情報を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1態様では、第1部分と第2部分とを含む印刷した証印が提供される。第1部分は、通常の昼光下で第1カラーを有する第1インクを含む。第2部分は、異なる第2インクを含む。第2インクは、通常の昼光下で第1カラーと実質的に同じ第2カラーを有する蛍光インクを含む。蛍光インクは、蛍光励起放射に晒されると、蛍光発光する。第2部分は、第1部分に埋め込まれ、第1、第2部分は、通常の昼光下で実質的に相互に視覚的に識別することができない。
【0005】
本発明の他の態様では、プリントヘッドシステムと、制御器を備える品目上に証印を印刷するためのシステムが提供される。プリントヘッドシステムは、品目上に少なくとも2つの異なるインクを印刷できる。プリントヘッドシステムは、通常の昼光下で第1カラーを有する第1インクの第1サプライと、異なる第2インクの第2サプライとを備える。第2インクは、通常の昼光下で第1カラーと実質的に同じ第2カラーを有し、第2インクは、蛍光インクを含む。プリントヘッドシステムにより品目上に第1、第2インクの適用を制御するため、制御器が提供される。制御器は、第1、第2インクを少なくとも部分的に混合したパターンで印刷することができ、第1、第2インクのパターンは、通常の昼光下で実質的の相互に視覚的に識別することができず、第2インクの第2パターンは、蛍光励起放射に晒されると、第1パターンから識別することができる。
【0006】
本発明の1つの方法によれば、品目上に証印を印刷する方法であって、通常の昼光下で第1カラーを有する非蛍光の第1インクで品目上に第1パターンを印刷し;異なる第2インクで品目上の第1パターン部分に、第2パターンを印刷するステップを備える方法が提供される。第2インクは、通常の昼光下で第1カラーと実質的に同じカラーを有する蛍光インクを含む。第1、第2インクのパターンは、通常の昼光下で実質的に相互に視覚的に識別することができない。第2パターンは、蛍光励起放射に晒されると、第1パターンから識別することができる。
【0007】
本発明の他の態様によれば、第1インクを含む第1部分と、異なる第2インクを含む第2部分とを備える印刷画像が提供される。第2インクは、蛍光励起放射に晒されると、蛍光発光する蛍光インクを含む。第1、第2部分は、相互に混合し、印刷の写真モードで印刷され、印刷画像を形成する。第1、第2部分は、印刷画像内で、実質的に相互に視覚的に識別することができない。
【0008】
本発明の他の態様によれば、第1インクを含む第1部分と;異なる第2インクを含む第2部分とを備える印刷した証印が提供される。第2インクは、通常の昼光下で実質的に見えない即ち透明な蛍光インクを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前述の態様、及び本発明の他の特徴を、図面を参照して以下に説明する。
【0010】
図1を参照すると、本発明の特徴を有する印刷証印10の平面図が示される。本発明を図面に示す例示時の実施形態を参照して説明するが、本発明は多くの代替の実施形態の形式で実現することができる。更に、任意の好適な合図、要素の形状又は種類、材料を使用することができる。
【0011】
図示する実施形態で、印刷証印10は、一般的に印刷郵便証印メーター証印である。しかし、他の実施形態では、本発明の特徴は、任意の好適な種類の印刷証印で使用することができる。例えば、本発明の特徴は、銀行券、タグ、チケット、文書、身分証明書又は同様の品目上に印刷された証印と共に使用することができる。図示する実施形態で、証印10は、多くの異なる種類の伝達された情報を備える。証印10は、郵便料金価格部分12と、データ部分14と、メーター識別部分16と、ジップコードソース識別部分18と、2次元バーコード部分20と、隠れメッセージ部分22とを含む。別の実施形態では、証印10は、別の部分を備えることができる。
【0012】
郵便料金メーター証印以外の実施形態では、証印は、任意の好適な種類のメッセージ又は情報の表示/所持部分を備えることができる。図示する実施形態では、証印10は、通常の昼光では黒色の外観を有する。以下に示すように、証印10は、他の色でも良い。1つの種類の代替実施形態では、証印10は多色で、各々の異なる部分で1つ又はそれ以上の異なる色でも良い。
【0013】
隠れメッセージ部分22は、一般に郵便物等の品目の上に印刷された長方形のバーを備える。図1は、隠れメッセージ部分を周囲の通常の昼光下で見えるように示す。隠れメッセージ部分22は、一般に固体のほぼ均一な黒い形状と外観を有する。図2も参照すると、隠れメッセージ部分22が、蛍光励起放射に晒されたときを示す。隠れメッセージ部分22は、一般に第1部分24と、1つ又はそれ以上の第2部分26とを備える。
【0014】
第1部分24は、通常の昼光下で第1カラーを有する第1インクで印刷されている。図示する実施形態では、第1カラーは、黒色である。第1インクは、非蛍光インクである。第2部分26は、通常の昼光下で第2カラーを有する異なる第2インクで印刷されている。第2部分26は、隠れ証印を含む。図示する実施形態では、第2カラーは第1カラーと同じ、即ち黒である。第2インクは、蛍光インクである。より詳しくは、第2インクは、米国特許出願公開第2002/195586A1、2003/0005303A1、2003/0041774A1に開示されているような蛍光インクである。別の実施形態では、第1インクとして任意の好適な種類のカラーインクを使用することができ、第2インクとして任意の好適な種類のカラー蛍光インクを使用することができる。但し、2つのカラーが実質的に同じである必要がある。
【0015】
第2インクは、通常の昼光下で第1インクと実質的に同じ色を有するので、第2部分26は、通常の昼光下の条件では、実質的に視覚的に識別することができない。第2部分26が蛍光励起放射に晒されたときのみ、第2部分26が第1部分24から識別できるようになる。従って、第2部分26に保持された情報は、通常の昼光の条件では隠れたままであるが、比較的容易で安価な励起放射の処理で表示される即ち読める。
【0016】
図示する実施形態では、第2部分26は、VOIDという単語からなる。他の実施形態では、第2部分は、任意の好適な英数文字、単語、又は情報でも良い。例えば、第2部分26は、単語「ORIGINAL」でも良く、又はメーターナンバー部分16にメーターナンバーを印刷するよりむしろ、又はこれに加えて、メーターナンバーでも良い。他の例では、第2部分26は、1次元又は2次元バーコード等の機械可読情報でも良く、又はかすかな透かし模様でも良い。
【0017】
隠れメッセージ部分22を印刷する好適な方法では、郵便物上に第1部分24を印刷し、次に、第1部分24の一部の上に第2部分26を印刷する。例えば、第1、第2部分は共に郵便料金メーターで印刷することができる。他の例では、第1部分24は郵便料金メーターで印刷し、第2部分26は郵便の当局により、第1部分に印刷され、郵便料金が使用されたことを示し、郵便料金の更なる使用を防ぐようにしても良い。他の例として、第1部分24はデスクトッププリンターにより印刷し、第2部分26は、例えば、プリントヘッドの第2の通過により、その後すぐに同じデスクトッププリンターにより印刷することもできる。他の例として、第1部分24をデスクトッププリンターにより印刷し、その後第2部分26を郵便料金メーターで印刷することもできる。郵便料金メーターが証印10の一部を読み、その読取りに基づいて第2部分26に印刷すべき情報を生成又は選択しても良い。
【0018】
隠れメッセージ部分22を印刷する他の方法は、第1部分24を印刷し、次に、第2部分26を印刷するが、第1部分24の上には第2部分26を印刷しない。より詳しくは、第1部分24を印刷したとき、第1部分24の内側に空いた領域を残す。第2部分26は、第1部分24の上でなく、この空いた領域に印刷することができる。他の代替の実施形態では、第2部分26は、第1部分24の一部の上に部分的に印刷することができる。又は、第1、第2部分は、少なくとも部分的に組合わせる又は混合することができる。他の方法は、第2部分26を最初に印刷紙印刷し、第1部分24を次に印刷することができる。印刷デバイスが、複数のプリントヘッドを備えるなら、第1、第2部分24,26とは、実質的に同時に印刷することができる。
【0019】
本発明は、通常のカラーインクで印刷されたテキスト又はバーコードに、カラーの蛍光インクの画像を埋め込むことにより課題を解決する。好適な実施形態では、カラーの蛍光インクは、黒の蛍光インクであり、通常のインクは非蛍光の黒インクである。蛍光を読むことにより生成される逆転画像は、VOID、PB METER NUMBER、ORIGINAL等の簡単なメッセージ又は、1次元又は2次元バーコード等のシンボル、又はかすかな透かし模様埋め込むことにより、容易に人が読取れるようにすることができる。逆転画像は、励起紫外線ランプで改変したスキャナで読取ることができ、又は人が視覚的に読取ることができる。このように、カラー蛍光インクは、隠れた情報を保持するセキュリティ機構であり、安価な手段で容易に確認することができる。本発明は、情報を隠し、後に容易に読取り又は確認できるという必要性に解決策を提供する。
【0020】
本発明は、主画像のインクのカラーと同じカラーの蛍光インクを埋め込むことにより、通常はサブリミナル即ち隠された情報を提供することからなっても良い。例えば、蛍光インクで印刷された隠れた情報は、バーコード又はテキストを備えても良い。蛍光インクの2重の特性(周囲の通常の昼光でのカラーと、放射源に晒されたときの蛍光)により、2つのインクが読み取り可能になり、蛍光励起放射(紫外線光、赤外放射等)の下では相互に識別可能になり、周囲の通常の昼光下では視覚的に識別できない。画像は、デスクトッププリンター又は郵便料金メーター上で、2つのプリントヘッド、又は1つのプリントヘッドで2回の通過、又は異なるインクを使用する多色プリントヘッドを使用して印刷することができる。一緒に使用する2つのインクの例は、黒インクと、黒の蛍光インク、赤インクと赤の蛍光インク、青インクと青の蛍光インクである。ここで使用するカラー蛍光インクとは、黒の蛍光インク、赤の蛍光インク、青の蛍光インク等を含む。
【0021】
本発明の1つの特徴は、非蛍光インクから作られた印刷した文字又はバーコードパターンを蛍光インクで印刷したメッセージ、文字又はバーコードパターンと混合することにより、サブリミナル画像を埋め込むことである。好適な実施形態では、埋め込まれた黒の蛍光インクは、黒の非蛍光のテキスト中に位置する。符号化されたメッセージは、要求により変化し、リアルタイムで新しいコードを生成することができる。
【0022】
本発明の1つの特徴は、色々のレベルの検出により、別のレベルのセキュリティを提供する。例えば、本発明は、通常の昼光で第1の検査レベルに使用し、例えば紫外線ランプで第2の検査レベルで使用することができる。または、高密度の情報を埋め込み、特別のスキャナと特別のソフトウェアで検出することができる。本発明は、一般に多色カートリッジを含むプリンターで、黒インクと黒の蛍光インク複合画像を印刷することからなる。画像は、モノクローム非蛍光と蛍光の任意の組合わせで印刷することができ、インクの数に比例して、より多くの情報を埋め込むことができる。
【0023】
蛍光インクを使用して、蛍光信号による隠れた情報を埋め込むことができる。又それゆえ、負のクロップコントラスト(吸収バックグラウンド上の蛍光信号)を生成することにより、環境から識別できる可能性がある。埋め込まれた画像は、黒の印刷したバックグラウンド(1例では、データマトリックスバーコード)上にディザーして(dithered)広い範囲で印刷することができ、励起放射の下で現われるとき、バックグラウンドにより不明瞭にされず、明確に現われる。更に、隠れモードでは、2つのインクは、シームレスに混ぜ合わすことができる。要するに、非蛍光と蛍光インクは、隠れモード(通常の黒のバーコード)と;出現モード(励起放射の下、色素により紫外から赤外まで)の2つのモードで使用することができる。
【0024】
図3を参照すると、2次元バーコード部分20の拡大図が示される。バーコード部分20は、本発明の特徴を有することができる。例えば、図4、5を参照すると、バーコード部分20は、第1部分28と、第2部分30とからなることができる。第1部分28と、第2部分30とは、郵便物上の同じ位置に印刷され、組合わさって全体のバーコード部分20を形成する。第1部分28は、第1インク;非蛍光インクでも良い。第2部分30は、第2インク;上述したようにカラー蛍光インクでも良い。第1、第2インクは、通常の昼光の条件下では、同じカラーであることが好ましい。従って、第1部分28と、第2部分30が相互に印刷されると、2つの部分28,30は、通常の昼光下では相互に視覚的に識別することができない。バーコード部分20は、光学読取器により、1つのインク源で印刷された従来のバーコード部分と同様に読取ることができる。しかし、バーコード部分20が蛍光励起放射源に晒されると、第2部分30が、第1部分28から光学的に識別できるようになる。第2部分30は、第1部分28と分離して別の機械可読のコードとして読取る又はスキャンすることができる。従って、バーコード部分20は、組合わされたバーコード部分20と、個別に第2部分30に含まれる情報との2つの異なる種類の情報を伝えるのに使用することができる。
【0025】
本発明を単色カラーの第1、第2部分を参照して記述したが、本発明の特徴は、1つ以上のカラーインクからなる証印に使用することができる。また、図6を参照すると、印刷証印32は、1つ以上のカラーの部分34〜45を備えことができる。部分34〜45の1つ又はそれ以上は、カラー蛍光インクであっても良い。カラー蛍光インクの配置パターンは、情報を運ぶため使用することができる。他の実施形態では、任意の好適な種類のパターン、又は部分のアレーを提供することができる。
【0026】
図7を参照すると、例えば郵便物等の品目上に証印を印刷するためのシステム60の概略図が示される。システムは、一般的に制御器48に作動的に接続されたプリントヘッドシステム46を備える。プリントヘッドシステム46は、品目上に少なくとも2つの異なるインクを印刷することができる。プリントヘッドシステム46は、第1インクの第1サプライ50と、異なる第2インクの第2サプライ52とを備える。上述したように、第1インクは、黒、青又は赤等の通常の昼光下で第1カラーを有する非蛍光インクである。また、上述したように、第2インクは、通常の昼光下で第1カラーと実質的に同じ第2カラーを有し、蛍光励起放射源に晒されると蛍光を発する蛍光インクである。他の実施形態では、プリントヘッドシステム46は、2つ以上のインクサプライを備えることができる。プリントヘッドシステム46は、少なくとも2つのプリントヘッドを備えることができる。他の実施形態では、プリントヘッドシステムは、品目上の領域を少なくとも2回通過する1つのプリントヘッドを備え、1回目は第1インクを印刷し、2回目は第2インクを印刷することができる。
【0027】
制御器48は、プリントヘッドシステム46により、品目上への第1、第2インクの適用を制御することができる。好適な実施形態では、制御器48は、第1、第2インクを少なくとも部分的に混合したパターンで印刷するように、プリントヘッドシステム46を制御し、第1、第2インクのパターンが、通常の昼光下では実質的に相互に視覚的に識別できないようにすることができる。上述したように、第2インクを印刷することにより形成する第2パターンは、少なくとも部分的に第1インクを印刷することにより形成した第1パターン上に印刷することができる。又は、第2パターンは、第1パターンの内側の空いた領域内に印刷することができ、又は相互に隣接するように印刷することができる。1つの種類の実施形態では、制御器は、プリントヘッドシステム46により、第1、第2パターンの相対的大きさに基づいて、第1、第2インクを比例して印刷するように、印刷を制御することができる。1つの種類の実施形態では、システムは、制御器48に結合した入力デバイス54を備えることができる。制御器は、入力デバイス54からの信号に基づいて、第2パターンを変化させることができる。こうすると、ユーザーの要求により又は自動的に、隠れた符号化されたメッセージを変化させることができ、新しいコード又は新しい隠れ符号化されたメッセージをリアルタイムで生成することができる。
【0028】
複合証印10の第2部分26の隠れ証印の読取は、蛍光励起源を使用してユーザーにより視覚的に行うことができ、及び/又は自動システムにより行うことができる。また、図8を参照すると、複合証印10に加え隠れた部分を読取るための自動化システム70が示される。自動化システム70は、励起源72と、読取器即ちスキャナ74と、複合証印10を有する品目78を移送するための移送システム76とを備える。移送システム76は、郵便物取扱いに使用するような任意の好適な種類の文書移送システムを備えることができる。別の実施形態では、励起源72と読取器74が、ハンドヘルド走査デバイスに含まれるようなときは、移送システム76はなくても良い。励起源72は、励起放射線80を、複合証印10に向けることができる。励起源72と励起放射線80の種類は、使用するカラー蛍光インクにより、一般的に紫外線から赤外線までの範囲である。読取器74は、蛍光画像を読取り、蛍光画像に対応する信号を、走査した蛍光画像を処理するためのプロセッサ等の他の構成部品に送る。他の実施形態では、複合証印を蛍光励起放射源に当て、蛍光画像を自動的に検出し、蛍光画像に対応する信号を他の構成部品に送るための、任意の好適な種類のデバイス又は方法を提供することができる。
【0029】
図9〜13を参照して、本発明の他の実施形態を記述する。図9は、例えばハーフトーン即ちグレースケールにより印刷した白黒写真タイプの画像100を示す。インクジェット印刷又は固体インクトナー印刷を含む任意の好適な種類の画像印刷方法を提供することができる。本発明の特徴はまた、カラーの写真タイプ画像を印刷するとき使用することができる。画像100は、一般に第1部分102(図10)と、第2部分104(図11)とを備える。第1部分102は、非蛍光インク等の第1インクで印刷される。第2部分104は、黒蛍光インク等の蛍光インクを含む第2インクで印刷される。図9〜11を比較すると分るように、第1、第2部分102,104は、混合して即ち交互配置して印刷され、複合画像100を生じる。各部分102,104は、画像100の一部を有する。両方の部分102,104は、ハーフトーン即ちグレースケール等の写真モードで印刷されている。
【0030】
又、図12を参照すると、例示の目的で、第2部分104が、第2部分104はハーフトーン即ちグレースケールで印刷されていない部分106として示される。第2部分は、データマトリックス2次元バーコード部分を形成する。別の実施形態では、第2部分は、例えば1次元バーコード部分等の任意の好適な機械可読の証印でもよい。色々の2次元バーコードフォーマットが存在する。例えば、AIM International, Incによる国際技術仕様--International Symbology Specification(国際記号仕様)、又はAIM USAによるUniform Symbology Specification PDF-417等の2次元バーコードがある。2次元バーコードを印刷するための装置と方法は、米国特許第6,631,012 B2号に記述されている。しかし、画像100を印刷するのに、任意の好適な装置と方法を使用することができる。
【0031】
図13を参照すると、図9の画像100が蛍光放射源に晒され、負の即ち逆転画像として示される。図から分るように、第1部分102は黒の部分102'となり、第2部分104は実質的に白/蛍光を発する部分104'となる。部分104'は、蛍光を発している間バーコード読取器により読取ることができる。1つの印刷し読取る方法が、2003年10月24日に出願された「Method And Apparatus For Halftone Printing With Multi-Signal Transmission Ink」という題の米国特許出願第10/692,570号に記述されている。
【0032】
本発明により、写真タイプの画像を含む任意の好適な種類の画像に、情報を隠して即ち秘密に保持することができる。画像を印刷するデバイスは、第1部分を第1インクで印刷し、第2部分を第2インクで印刷するようにプログラムすることができる。カラー画像では、第1インクは、蛍光インクでない3つ又はそれ以上のインクとおそらく黒インクでも良く、第2インクは、蛍光インクである3つ又はそれ以上のインクとおそらく黒インクでも良い。
【0033】
図14を参照すると、本発明の他の実施形態が示される。図14は、第1部分122と第2部分124を有する郵便料金証印120を示す。第1部分122は、非蛍光インク等の第1インクで印刷されている。第2部分は、蛍光インク等の発光インクで印刷されている。より詳しくは、第2インクは、昼光又は白色光で実質的に見えない即ち透明なインクである。この実施形態では、第2部分124は、第1部分122のバーコード部分126の上に印刷されている。第2部分124がバーコード部分126の上に印刷されていることによっては、バーコード部分126は実質的に変化しない。従って、第2部分124がバーコード部分126の上に印刷されていることによって邪魔されずに、バーコード部分126を機械で読取ることができる。
【0034】
証印120が蛍光励起源に晒されるとき、第2部分124は蛍光を発することができる。第2部分124は、機械即ちスキャナにより読取ることができる。バーコード部分126を第2部分124を読取るためのポイントを識別する基準として使用できるように、バーコード部分126に対して、第2部分124の位置を決めて印刷することができる。他の実施形態では、バーコード部分126は、第2部分124を印刷するのに使用したインクと異なる波長で蛍光を発するカラー蛍光インクで印刷することができる。
【0035】
上述の説明は、本発明を例示するだけである。当業者は、本発明の精神から離れることなく、色々の改変と修正を行うことができる。従って、本発明は、特許請求の範囲の範囲に入るこのような代替、修正、改変を全て含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の特徴を有する印刷証印の平面図である。
【図2】図1の印刷証印の蛍光励起放射に晒されると現われる隠れメッセージ部分の拡大図である。
【図3】図1に示す2次元バーコードの拡大図である。
【図4】図3に示す2次元バーコードの第1部分の平面図である。
【図5】図3に示す2次元バーコードの第2部分の平面図である。
【図6】本発明の特徴を有する複合証印の別の実施形態の平面図である。
【図7】本発明の複合証印を印刷するシステムのブロック図である。
【図8】図1の示す複合証印の隠れた蛍光証印を検出するためのシステムの概略図である。
【図9】本発明の特徴を有する画像の平面図である。
【図10】図9に示す画像の第1部分の平面図である。
【図11】図9に示す画像の第1部分の平面図である。
【図12】第2部分がハーフトーン即ちグレースケールで印刷されていない場合の、図11に示す第2部分の例示の図である。
【図13】蛍光励起放射に晒され、逆転即ちネガ画像で示される図9に示す画像の図である。
【図14】本発明の特徴を有する第1、第2部分を有する郵便証印を示す平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷した証印であって、
通常の昼光下で第1カラーを有する第1インクを含む第1部分と、
異なる第2インク含む第2部分とを備え、前記第2インクは蛍光インクを含み、前記蛍光インクは、通常の昼光下で前記第1カラーと実質的に同じ第2カラーを有し、前記蛍光インクは、蛍光励起放射に晒されると、蛍光発光し、前記第2部分は、前記第1部分に埋め込まれ、前記第1、第2部分は、証印内で実質的に相互に視覚的に識別することができないことを特徴とする印刷証印。
【請求項2】
請求項1において、前記第2部分は、前記第1部分に埋め込まれ、通常の昼光下で実質的に相互に視覚的に識別することができない印刷証印。
【請求項3】
請求項1において、前記第1、第2カラーは、黒である印刷証印。
【請求項4】
請求項1において、前記印刷証印は、郵便料金メーター証印である印刷証印。
【請求項5】
請求項1において、前記第2部分は英数文字を含む印刷証印。
【請求項6】
請求項1において、前記第2部分はバーコードを含む印刷証印。
【請求項7】
請求項1において、前記第2部分は、前記第1部分の一部の上に印刷される印刷証印。
【請求項8】
請求項1において、前記第2部分の少なくとも一部は、前記第1部分から分離し、これと組合わされている印刷証印。
【請求項9】
請求項1において、前記第2カラーは、赤又は青である印刷証印。
【請求項10】
請求項1において、前記第1部分は、2次元バーコードを含む印刷証印。
【請求項11】
品目上に証印を印刷するシステムであって、
品目上に少なくとも2つの異なるインクを印刷でき、通常の昼光下で第1カラーを有する第1インクの第1サプライと、異なる第2インクの第2サプライとを備えるプリントヘッドシステムを備え、前記第2インクは、通常の昼光下で第1カラーと実質的に同じ第2カラーを有し、前記第2インクは蛍光インクを含み、
前記プリントヘッドシステムにより前記品目上に第1、第2インクの適用を制御するための制御器を備え、前記制御器は、前記第1、第2インクを少なくとも部分的に混合したパターンで印刷することができ、前記第1、第2インクのパターンは、通常の昼光下において前記証印内で実質的に相互に視覚的に識別することができず、前記第2インクの前記第2パターンは、蛍光励起放射に晒されると、前記第1パターンと識別することができることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11の品目上に証印を印刷するシステムにおいて、前記制御器は、前記第1、第2インクを少なくとも部分的に混合したパターンで印刷することができ、前記第1、第2インクのパターンは、通常の昼光下で実質的に相互に視覚的に識別することができないシステム。
【請求項13】
請求項11の品目上に証印を印刷するシステムにおいて、前記プリントヘッドシステムは、少なくとも2つのプリントヘッドを備えるシステム。
【請求項14】
請求項11の品目上に証印を印刷するシステムにおいて、前記プリントヘッドシステムは、品目上の領域を少なくとも2回通過できる1つのプリントヘッドを備え、1回目は前記第1インクを印刷し、2回目は前記第2インクを印刷するシステム。
【請求項15】
請求項11の品目上に証印を印刷するシステムにおいて、前記制御器は、前記第1インク上の少なくとも一部に前記第2インクを印刷することができるシステム。
【請求項16】
請求項11の品目上に証印を印刷するシステムにおいて、前記制御器は、前記第1、第2パターンの相対的大きさに基づいて、前記第1、第2インクを比例して印刷することができるシステム。
【請求項17】
請求項11の品目上に証印を印刷するシステムにおいて、前記制御器は、前記第1、第2インクを少なくとも部分的に混合したパターンで印刷することができるシステム。
【請求項18】
請求項11の品目上に証印を印刷するシステムにおいて、前記制御器は、入力デバイスからの信号に基づいて、前記第2パターンを変化させることができるシステム。
【請求項19】
品目上に証印を印刷する方法であって、
通常の昼光下で第1カラーを有する非蛍光の第1インクで品目上に第1パターンを印刷し、
異なる第2インクで品目上の前記第1パターンの部分に、第2パターンを印刷するステップを備え、前記第2インクは、通常の昼光下で前記第1カラーと実質的に同じカラーを有する蛍光インクを含み、前記第1、第2パターンは、通常の昼光下で実質的に相互に視覚的に識別することができず、前記第2パターンは、蛍光励起放射に晒されると、前記第1パターンと識別することができることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19において、前記第2パターンを印刷するステップは、通常の昼光下では前記第1、第2パターンは実質的に相互に視覚的に識別できないように、前記第1パターンに対して前記第2パターンを印刷する方法。
【請求項21】
請求項19において、前記第2パターンを印刷するステップは、前記第1パターン上に前記第2パターンを印刷する方法。
【請求項22】
請求項19において、前記第2パターンを印刷するステップは、前記第2パターンの少なくとも一部を前記第1パターンの一部と交互配置する方法。
【請求項23】
品目上の印刷した証印を検出する方法であって、
請求項19により前記品目上に前記証印を印刷し、
前記証印を蛍光励起照射源に晒し、
前記第2パターンが蛍光を発しているとき前記第1、第2パターンを走査し、前記第2パターンを読取るステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項24】
印刷画像であって、
第1インクを含む第1部分と、
異なる第2インクを含む第2部分とを備え、前記第2インクは、通常の昼光下で実質的に見えない即ち透明な蛍光インクを含み、
前記第1、第2部分は相互に混合され、印刷の写真モードで印刷されて、前記印刷画像を形成し、前記第1、第2部分は、前記印刷画像内で実質的に視覚的に識別できないことを特徴とする印刷画像。
【請求項25】
請求項24において、前記第1、第2部分は、両方ともハーフトーン即ちグレースケールの画像部分を含む印刷画像。
【請求項26】
請求項24において、前記印刷画像は、写真画像を含む印刷画像。
【請求項27】
印刷した証印であって、
第1インクを含む第1部分と、
異なる第2インクを含む第2部分とを備え、前記第2インクは、通常の昼光下で見えない即ち透明な蛍光インクを含むことを特徴とする印刷証印。
【請求項28】
請求項27において、前記第2部分は、前記第1部分の上に位置する印刷証印。
【請求項29】
請求項27において、前記第2部分は、機械可読のコード部分を含む印刷証印。
【請求項30】
請求項27において、前記印刷証印は郵便料金証印であり、前記第1、第2部分の少なくとも一方は、機械可読のコード部分を含む印刷証印。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−508971(P2007−508971A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536673(P2006−536673)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/033836
【国際公開番号】WO2005/042645
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(506118537)ピットニイ ボウズ インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】