説明

蛍光管収納容器

【課題】液晶表示装置に使用あるいは使用済み蛍光管を破損することなく、安全に収納・搬送することを可能とする蛍光管の収納容器を提供する。
【解決手段】液晶表示装置に搭載される蛍光管あるいはリサイクル工場で廃液晶表示装置から回収される蛍光管を収納するための容器であって、蛍光管の形状ごとに、当該形状に合わせた構成を有する蛍光管収納容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に搭載される蛍光管あるいは廃液晶表示装置から回収される蛍光管を収納するための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、わが国では所得水準の向上に伴い、エアコンディショナ(エアコン)、テレビジョン受信機(テレビ)、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの家電製品、パーソナルコンピュータ(パソコン)などの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。
【0003】
加えて、社会における生産・消費活動全般について一般廃棄物や産業廃棄物が増加し、不法投棄や埋立地逼迫などの地球環境問題が注目を集め、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムから資源循環型経済システムへの転換が社会的に重要な課題となってきている。
【0004】
上記のような状況を受け、2001年4月より家電リサイクル法が施行された。ここで、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目(以下、「家電4品目」と略記する)のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
【0005】
これら家電4品目においては、関係者の鋭意努力のもと、法律施行当初に比べリサイクルが格段に進んでいる。現在、家電4品目に使用されている鉄、銅、アルミニウムなどの金属はもとより、プラスチックについてもリサイクルが拡大しつつある。また、テレビにおいては、ブラウン管表示装置のブラウン管ガラスを切断して電子銃や蛍光体を除去した後、ガラスカレットとして元のブラウン管用ガラスに再生使用するリサイクル技術が既に実用化されている。
【0006】
家電製品に含まれる金属、プラスチックおよびガラスなどの素材のリサイクルに際しては、まず、様々な部品・材料から構成されている家電製品の廃棄物を手解体などで解体し、部品・材料ごとに回収し、素材ごとに分別した後、元の素材として再生利用する方法が一般的である。
【0007】
たとえば、ブラウン管テレビのリサイクル処理の場合は、主に、(1)後キャビネットの取り外し工程、(2)ワイヤーハーネスの取り外し工程、(3)制御基板の取り外し工程、(4)前キャビネットの取り外し工程、(5)電子銃の取り外し工程、(6)ブラウン管前後のガラス分離工程、(7)ブラウン管ガラスの粉砕工程、という一連の工程により、手解体処理されている。回収された部品・材料は素材ごとに分別され、それぞれ適した方法で元の素材へ再生される。たとえば、キャビネット用プラスチック、ワイヤーハーネスおよび制御基板に含まれる金属、ブラウン管ガラスなどが再生利用されている。
【0008】
ところで、近年、液晶テレビ、液晶モニタを含む液晶表示装置の需要が、省電力、省スペース、軽量かつデジタル放送の受像に適する特性があることにより、急激に増加している。特に、大型の液晶パネルを搭載した大画面液晶テレビや、インフォメーションディスプレイやコンピュータ向けの液晶モニタの需要が劇的に増加している。これに伴い、液晶表示装置の廃棄量も今後急激に増加していくことが予想され、リサイクル活動などの環境活動において、リサイクル性向上などの要求が高くなってきている。
【0009】
ここで、「液晶表示装置」とは、表示部に液晶ディスプレイを搭載した製品を指し、具体的には、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイ、デスクトップ型パソコン用の液晶モニタ、ノート型パソコン、携帯電話、車載ナビゲーション用モニタ、携帯情報端末、ゲーム用モニタ、パチンコ、スロットマシンなどの遊技用モニタなども含む。
【0010】
ところが、このような液晶表示装置は比較的新しい製品であること、また、現状は比較的廃棄物の量が少ないこともあり、上述したブラウン管テレビのような適切なリサイクル処理は実用化されていない。廃棄された液晶表示装置は、廃棄物の処理施設で破砕され、シュレッダーダストなどとともに埋立処理あるいは焼却処理されているのが現状である。
【0011】
加えて液晶テレビは、近い将来、家電リサイクル法の適用品目として追加される。この場合、液晶テレビの再商品化率の遵守は勿論のこと、液晶テレビから取り出される回収物の安全かつ適正な処理が求められる。また液晶モニタは、使用されている部材は液晶テレビとほとんど同一であり、このような背景から、液晶テレビや液晶モニタのリサイクル処理技術の開発は急務となっている。
【0012】
液晶テレビ、液晶モニタなどの液晶表示装置は、自ら光を発光しない非発光型であり、光源として、水銀を含んだ蛍光管を使用しているものがある。水銀は、人体に有毒な物質であり、リサイクル処理の際、蛍光管の破損による大気中への漏洩などがないよう適切に回収・処理することが望ましい。
【0013】
液晶表示装置に使用される蛍光管は、照明などで使用される一般的な蛍光灯と比較すると、管径が3〜4mmと細く破損しやすいため、リサイクル工場から水銀処理業者に運搬する時は、十分に注意して蛍光管を収納・搬送することが望まれる。
【0014】
蛍光管を割らずに収納・搬送する容器については、蛍光管が上下左右に動くことなく、蛍光管に余計な歪を加えないように収納するのが最良である。蛍光管同士が干渉し会うと、歪が生じ、蛍光管割れが発生することが多くなるためである。
【0015】
現在、液晶表示装置用の蛍光管を収納・搬送する方法としては、蛍光管(直管、L字管、U字管)を、それぞれの形状ごとに本数を纏めて(たとえば10本)、緩衝材を巻き、ダンボールなどに整然と収納・搬送する方法が一般的であるが、蛍光管を取り出す際に緩衝材が引っかかって破損したり、緩衝材が廃棄物となったり、緩衝材の空間が多く搬送効率が低いなどの課題があった。
【0016】
また、特開2001−199430号公報(特許文献1)には、蛍光灯1本1本を箱型形状に区分された部分に、収納・搬送する容器が開示されている。しかしながら、電灯用蛍光灯に限定されており、液晶表示装置に使用される細い多種形状の蛍光管(直蛍光管、L字蛍光管、U字蛍光管)の収納・搬送容器については、この方法では不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2001−199430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
液晶表示装置は、省電力・省資源に貢献でき、デジタル放送の受像に適したテレビ受像機であるので、急激に生産量が増大するとともに、その表示面積も大型化することが予測される。これに伴って、今後、廃棄される薄型テレビも、数・重量ともに急激に増大すると予想される。
【0019】
しかし、液晶テレビや液晶モニタを含む液晶表示装置用使用済み蛍光管の安全な収納・搬送方法は確立されていない。したがって、今後、液晶表示装置に搭載される蛍光管や廃棄された液晶表示装置から回収される蛍光管を安全に回収・搬送する方法の確立が早急に要求される。特に、蛍光管を有する液晶表示装置は、有害物質である水銀を使用しているため、回収・搬送に際しては、水銀の大気中への漏洩を防止し、安全に搬送することが望まれている。
【0020】
現状用いられている蛍光管収容容器は、蛍光管製造メーカから液晶表示装置製造メーカに搬送する際に使用されている。その収納形態としては、同一形状の蛍光管を10本程度まとめ、緩衝材で巻く。この緩衝材で保護した蛍光管を整然と段ボール箱に並べて収納し、搬送している。同一形状の蛍光管を緩衝材で巻いた後、収納・搬送しているため、搬送時に破損することは少ないが、取り出し時に蛍光管が緩衝材と絡み合い破損する場合がある。
【0021】
一方、液晶表示装置のサイズがばらばらで入荷すると予想されるリサイクル工場では、まだ液晶表示装置のリサイクル処理が始まっていない。
【0022】
上記状況から、形状の異なる蛍光管を、効率的かつ安全に収納・搬送する容器については検討されていないのが現状である。
【0023】
蛍光管を割らずに収納・搬送するには、蛍光管同士が干渉せず、緩衝材など不要材料がないのが最良である。特に、L字蛍光管やU字蛍光管を直蛍光管に混ぜ込んで同じ箱に収納すると、運搬の際の振動などにより、蛍光管間の隙に他の蛍光管が入り込み、余計な歪がかかり、破損することとなる。出願人が行った実験では10%くらいのL字蛍光管、U字蛍光管が破損した。
【0024】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、液晶表示装置に使用あるいは使用済み蛍光管を破損することなく、安全に収納・搬送することを可能とする蛍光管の収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の蛍光管収納容器は、液晶表示装置に搭載される蛍光管あるいはリサイクル工場で廃液晶表示装置から回収される蛍光管を収納するための容器であって、蛍光管の形状ごとに、当該形状に合わせた構成を有することを特徴とする。
【0026】
また本発明の蛍光管収納容器は、蛍光管に歪がかからないように、蛍光管の移動を防止するための冶具を備えることが、好ましい。
【0027】
本発明の蛍光管収納容器はまた、蛍光管収納容器の側面に前記冶具用の係止穴が設けられていることが好ましい。
【0028】
本発明の蛍光管収納容器はさらに、蛍光管収納容器の側面に設けられた係止穴に差し込まれた蛍光管を引っ掛けるための冶具に、蛍光管を引っ掛けて収納し得るように構成されていることが、好ましい。
【0029】
本発明における液晶表示装置は、液晶テレビ、液晶モニタを含むことが、好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の蛍光管収納容器によれば、液晶表示装置用蛍光管の形状に合わせた収納容器であって、かつ、蛍光管の稼動スペースを小さくし、蛍光管収納容器の上部に蛍光管収納容器を載せることが可能なように構成される。これによって、液晶表示装置用蛍光管収納・搬送作業の全般にわたり、収納・搬送に起因する蛍光管破損を防ぐことができ、かつ緩衝材などの副資材を使用せず、また搬送効率が高く再使用も可能なので環境負荷を小さく、蛍光管を殆ど破損することなく搬送することができる。さらに、万が一、蛍光管を破損しても水銀を容器内から外に漏洩する事も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に供される典型的な一例の液晶テレビの構造を模式的に示す分解斜視図である。
【図2】液晶表示装置に搭載される蛍光管あるいはリサイクル工場で廃液晶表示装置から回収される蛍光管の例を模式的に示す図である。
【図3】本発明の好ましい第1の例の蛍光管収納容器31を模式的に示す図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は断面図である。
【図4】本発明の好ましい第2の例の蛍光管収納容器41を模式的に示す図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は断面図である。
【図5】本発明の好ましい第3の例の蛍光管収納容器51を模式的に示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は断面図である。
【図6】L字蛍光管収納用の冶具61を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の蛍光管収納容器は、液晶表示装置に搭載される蛍光管あるいはリサイクル工場で廃液晶表示装置から回収される蛍光管を収納するための容器であって、蛍光管の形状ごと、当該形状に合わせた構成を有することを特徴とする。本発明の蛍光管収納容器について具体的に説明する前に、まずは、本発明の蛍光管収納容器に供される蛍光管を搭載した液晶表示装置、ならびに、蛍光管について説明する。本発明における液晶表示装置は、液晶テレビ、液晶モニタを含むことが好ましい。図1は、本発明に供される典型的な一例の液晶テレビの構造を模式的に示す分解斜視図である。液晶テレビの構造は、一般に、図1(a)に示すような20インチ以上の大型の液晶テレビの場合と、図1(b)に示すような20インチ未満の小型の液晶テレビとの大きく2つに分類される。
【0033】
20インチ以上の大型の液晶テレビの場合、図1(a)に示すように、後キャビネット1、スタンド2、前キャビネット3、ならびに、後キャビネット1と前キャビネット3との間に配置された制御基板4および薄型パネルモジュール5を基本的に備える。図1(a)には、蛍光管9がパネルガラス11dの直下に配置されている、直下型液晶テレビが示されている。このうち、薄型パネルモジュール5は、蛍光管シャーシ6、反射シート7、蛍光管クリップ8、蛍光管9、光学系シート10(プリズムシート、拡散シートなどから構成)、薄型パネルユニット11(液晶ドライバー基板11a、プラスチックケース11b、ベゼル11cおよびパネルガラス11dから構成)から構成されている。液晶材料や透明電極などは2枚のパネルガラス11dの間に封入されている。
【0034】
一方、15型や17型などエッジライト方式液晶テレビなどの20インチ未満の小型の液晶テレビの場合、図1(b)に示すように、後キャビネット16、スタンド17、前キャビネット18、ならびに、後キャビネット16と前キャビネット18との間に配置された制御基板19および薄型パネルモジュール20を基本的に備える。このうち、薄型パネルモジュール20は、蛍光管シャーシ21、反射シート22、反射シートカバー22a、蛍光管23、光学系シート24(プリズムシート、拡散シートなどから構成)、薄型パネルユニット25、反射ミラー26、導光板27から構成されている。
【0035】
ここで、図2は、液晶表示装置に搭載される蛍光管あるいはリサイクル工場で廃液晶表示装置から回収される蛍光管の例を模式的に示す図であり、図2(a)は直蛍光管、図2(b)はU字蛍光管、図2(c)はL字蛍光管を示している。図2(a)に示すような直蛍光管は、図1(a)に示したような20型以上の中型液晶表示装置、直下型蛍光管方式の大型液晶表示装置に使用される。図2(b)に示すようなU字蛍光管は、図1(a)、図1(b)にそれぞれ示したような、主に13〜28型までの直下型蛍光管方式の中小型液晶表示装置に使用される(図1(a)には、直蛍光管方式の場合が例示されているが、U字蛍光管方式の場合もある)。また、図2(c)に示すようなL字蛍光管は、図1(c)に示したような13型から20型までのエッジライト蛍光管方式の小型液晶表示装置にそれぞれ主に使用されている。
【0036】
本発明の蛍光管収納容器は、上述したような蛍光管(直蛍光管、U字蛍光管、L字蛍光管)の形状ごとに、当該形状に合わせた形状を有するものである。図3は、本発明の好ましい第1の例の蛍光管収納容器31を模式的に示す図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は断面図である。図3に示す例の蛍光管収納容器31は、直蛍光管用であり、直蛍光管の形状に合わせ、直方体状の内部空間を有する箱体として形成されている。蛍光管収納容器31を形成する材料としては特に制限されるものではなく、たとえば鉄板やプラスチックなどが挙げられるが、搬送重量の軽減や価格の点から、中でもプラスチックが好ましい。
【0037】
このような直方体状の内部空間を有する蛍光管収納容器31に、図3(b)に示すように、長さ方向を揃え、直蛍光管32を整然と並べる。このように、蛍光管の形状に合わせた形状の蛍光管収納容器31を用意することで、蛍光管を収納する際に蛍光管に歪がかかることを防止することができ、蛍光管が破損しにくいように収納することができる。
【0038】
蛍光管収納容器31に直蛍光管32を1段全て並び終えた場合には、蛍光管収容容器31の側面31aに設けられた係止穴34に、蛍光管の移動を防止するための冶具33を差し込む。このように、本発明の蛍光管収納容器は、蛍光管に歪がかからないように蛍光管の移動を防止するための冶具を備えることが好ましく、蛍光管収納容器の側面に蛍光管移動防止冶具用の係止穴が設けられていることが、より好ましい。このように構成することで、冶具33の下の直蛍光管32が動かないように、かつ冶具33の上に、さらに直蛍光管32を整然と並べることができるようになる。
【0039】
冶具33の形成材料については特に制限されるものではなく、たとえば鉄製の棒状物やプラスチック製の棒状物などを挙げることができるが、強度の観点からは、鉄製の棒状物が好ましい。また、当該冶具33の係止穴34は、直蛍光管32の通常の大きさから、蛍光管収納容器31の上下方向に4〜5mm程度の間隔をあけて設けられてなることが好ましい。
【0040】
図4は、本発明の好ましい第2の例の蛍光管収納容器41を模式的に示す図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は断面図である。図4に示す例の蛍光管収納容器41は、U字蛍光管用であり、図3に示した例の蛍光管収納容器31と同様に、直方体状の内部空間を有する箱体として形成されている。U字蛍光管用の場合、蛍光管収納容器41の側面41aに冶具(蛍光管を引っ掛けるための冶具)43を差し込むための係止穴44が設けられ、当該係止穴44に冶具43を差し込み、冶具43にU字蛍光管42を引っ掛けて収納することができるように構成される。冶具43にU字蛍光管42をくまなく引っ掛けた後には、係止穴44の上方に設けられた係止穴46に冶具(上述した蛍光管の移動を防止するための冶具)45を差し込み、冶具43に引っ掛けたU字蛍光管42が動かないようにする。このようにすることで、たとえこの蛍光管収納容器41上に別な蛍光管収納容器が載ったとしてもU字蛍光管42が破損しない。
【0041】
蛍光管収納容器41の形成材料としては特に制限されないが、上述した図3に示した例の蛍光管収納容器31の形成材料として好適なものとして挙げたものが同様に好適である。また、蛍光管を引っ掛けるための冶具43の形成材料については特に制限されるものではなく、たとえば鉄製の棒状物やプラスチック製の棒状物などを挙げることができるが、強度の観点からは、鉄製の棒状物が好ましい。
【0042】
図5は、本発明の好ましい第3の例の蛍光管収納容器51を模式的に示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は断面図である。図5に示す例の蛍光管収納容器51は、L字蛍光管用であり、L字蛍光管52をそのまま箱の斜面に引っ掛けて収納することができるように、L字蛍光管52の形状に合わせた断面L字状の傾斜面を有する容器として構成される。このような蛍光管収納容器51に、L字蛍光管52を引っ掛けて整然と並べた後は、蛍光管収納容器51に設けられた係止穴54に冶具(上述した蛍光管の移動を防止するための冶具)53を差し込み、当該冶具53で引っ掛けたL字蛍光管52が動かないようにする。このようにすることで、たとえこの蛍光管収納容器51上に別な蛍光管収納容器を載せたとしてもL字蛍光管52の破損を防止することができる。蛍光管収納容器51の形成材料としては特に制限されないが、上述した図3に示した例の蛍光管収納容器31の形成材料として好適なものとして挙げたものが同様に好適である。
【0043】
図6は、L字蛍光管収納用の冶具61を模式的に示す図である。図6に示すようなL字蛍光管の形状に合わせた断面L字状の傾斜面を有する冶具を用い、これを図3に示したような直蛍光管用の収納容器に嵌め込むようにしてもよい。このようにすることで、直蛍光管用の蛍光管収納容器を、L字蛍光管収納用にも用いることができる。また冶具61の形成材料としても特に制限されないが、上述した図4に示した例の冶具43の形成材料として好適なものとして挙げたものが同様に好適である。
【符号の説明】
【0044】
1 後キャビネット、2 スタンド、3 表キャビネット、4 制御基板、5 液晶モジュール、6蛍光管シャーシ、7 反射シート、8 蛍光管クリップ、9 蛍光管、10 光学系シート、11 薄型パネルユニット、16 後キャビネット、17 スタンド、18 前キャビネット、19 制御基板、20 薄型パネルモジュール、21 蛍光管シャーシ、22 反射シート、23 蛍光管、24 光学系シート、25 薄型パネルユニット、26 反射ミラー、27 導光板、31 蛍光管収納容器、32 直蛍光管、33 冶具、34 係止穴、41 蛍光管収納容器、42 U字蛍光管、43 冶具、44 係止穴、45 冶具、46 係止穴、51 蛍光管収納容器、52 L字蛍光管、53 冶具、54 係止穴、61 L字蛍光管収納冶具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示装置に搭載される蛍光管あるいはリサイクル工場で廃液晶表示装置から回収される蛍光管を収納するための容器であって、蛍光管の形状ごとに、当該形状に合わせた構成を有する、蛍光管収納容器。
【請求項2】
蛍光管に歪がかからないように、蛍光管の移動を防止するための冶具を備える、請求項1に記載の蛍光管収納容器。
【請求項3】
蛍光管収納容器の側面に前記冶具用の係止穴が設けられている、請求項2に記載の蛍光管収納容器。
【請求項4】
蛍光管収納容器の側面に設けられた係止穴に差し込まれた蛍光管を引っ掛けるための冶具に、蛍光管を引っ掛けて収納し得るように構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光管収納容器。
【請求項5】
液晶表示装置が液晶テレビ、液晶モニタを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光管収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−202245(P2010−202245A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49215(P2009−49215)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】