説明

蛍光表示装置とその駆動方法

【課題】蛍光表示装置の表示コントローラから外部に接続される他の発光手段の表示データを出力する。
【解決手段】 蛍光表示装置を駆動する駆動制御回路(表示コントローラ)10から出力された表示データは、シフトレジスタ11,及び、ラッチ回路12でパラレルデータとして保持される。
ゲート回路A1〜Akから出力されたデータはブランキング期間が設定され蛍光表示部14で表示されるが、ゲート回路Ak+1〜Anから出力された第2の表示データはセレクタ16に供給され、他の発光源の制御データとして出力される。
第2の表示データはセレクタ16に供給されているポート切換信号によって蛍光表示部14と異なる輝度で出力させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蛍光表示装置に関わり、特に、蛍光表示部と他の発光手段による照明、又は表示機能を併用して、多彩な表示を行わせることができる蛍光表示装置、およびその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光表示管は、少なくとも一方が透明な真空容器の中で、カソードから放出される電子を電圧が印加されている蛍光膜に衝突発光させて、所望のパターンを文字や図柄で表示する電子管であり、表示すべきパターンの形状は陽極上に塗布された蛍光体で形成するように構成されている。
【0003】
一般的な蛍光表示装置は、ガラス基板と、ガラス基板上に設けられ陽極やグリッドを駆動するための配線層と、陽極上に所定のパターンで配置された蛍光膜と、蛍光膜と対向して配置されたカソードと、蛍光膜とカソードの間に設けられたグリッドと、透明なフロントガラスと前述したガラス基板及びそれらに挟まれた枠状の側壁から構成され気密封着された外囲器とで構成されており、外囲器内が所定の真空度に保たれるように封着されている。
【0004】
蛍光表示部となる蛍光膜は表示すべき内容によって種種の形態をとり、簡単に英数字を表示する場合はセグメントを陽極として蛍光体をつけたセグメントタイプのものが使用される。
また、文字や図形を表示する場合はドットタイプ蛍光表示管や、グラフイックタイプの蛍光表示管が使用され、一般的にドットアノード電極に対して表示データを供給するダイナミック駆動によって種種の模様が表示される。
【0005】
しかし、近年は蛍光表示技術の進歩により、さらに複雑なパターン表示機能が要請されており、カラー表示を可能にすると共に、蛍光表示装置で表示される内容に対応して各種の発光手段を同時に制御し、多彩な表示を演出するようにしたものがある。
例えば図6は多色表示ができる蛍光表示管の1例を示したもので、ガラス基板101の表面に複数の陽極104と、これに対応して配置された蛍光膜105が離間して配置され、その上方にグリッド106,及びカソード(フイラメント)107によって蛍光表示管が構成されている。なお、102は前面ガラス基板、103は側壁部である。
【0006】
そして、ガラス基板101の背後にバックライト光源108が配置されるように構成され、バックライト光源108は例えば発光ダイオードによって構成されている。
この蛍光表示管のバックライト光源108は、赤色、緑、黄等の色光を出力する面発光光源であり、観察者117がガラス基板101面を観察したときに、ガラス基板101面上の蛍光膜105の光115と、蛍光膜105間に設けられた帯状陽極104の開口部104aを透過してくるバックライト光源108の光116と、蛍光膜105の光115が混色して見えるように蛍光膜105の面積と輝度、光透過部の位置と面積及びバックライト光源108の輝度が決められている。
したがって、バックライト108の色によって各種の表示モードを作り出すことができ、多彩な表示モードを作ることができる。
【0007】
また、図7は本出願人が先に提案した発光ダイオード(LED)を用いた表示装置の一部を示しており、他の発光源としてLEDが真空容器内に形成されている。
この蛍光表示装置120は、任意の文字・図形等をフルカラーで表示するグラフィック蛍光表示管であり、緑(G)と青(B)は蛍光体の発光で表示し、赤(R)は前記LED100の発光で表示する。
【0008】
蛍光表示装置120の外囲器は、透光性の前面基板121と、前面基板121と平行な図示しない背面基板と、前記両基板の外周部を封着する図示しない側面部とから成る。前面基板121の内面には多数の表示部122が構成されている。
表示部122は、前面基板121の内面に設けられた蛍光表示部123と、LED表示部124からなる。
LED表示部124では、前面基板121に設けられた多数の前記LED100は表示面の列方向に沿って所定間隔をおいて並んでおり、図示はしないがLED100のこの列が所定間隔をおいて行方向に多数並んでいる
【0009】
前面基板121の内面には、互いに直交するそれぞれ複数の行配線125と列配線126が配設されており、LED表示部124の駆動マトリクスが構成されている。両配線は透光性であり、連続した帯状の行配線125に対し、列配線126は行配線125と交差しないように破線状に形成されている。そして、各行配線125は各LED100の各カソード電極に接続され、列配線126の各端部は各LED100の各アノード電極に接続されている。
【0010】
上記の構成において前記行配線125と列配線126を適宜のタイミングで駆動すれば、表示面のLED表示エリアにおける所望のLED100を選択して赤色に発光させることができる。
なお、前記蛍光表示部123の上方には、行方向に平行なワイヤー状の制御電極127が所定の間隔で張設され、さらにその上方には図示されていないがフィラメント状の線状陰極が張設されている。なお、130は透明な絶縁層、131は陽極電極、132,133はフイルタ、134は蛍光体層を示している。
【0011】
この蛍光表示管120は、まず制御電極及びコモン接続した各LED100のカソード電極を、共通の走査信号制御部によって走査する。そして、蛍光表示部123の各陽極導体131及び各LED100のアノード電極に、共通のデータ信号制御部から所定のタイミングで表示信号を与える。これによって、蛍光表示部123とLED表示部124は同期して駆動され、所望の画像表示を行うことができる。
【0012】
図8はバックライトにLEDを使用したものに対して蛍光表示装置の前面に導光板141を設け、蛍光表示装置の表示に対して深みのある演出が行われるようにしたものである。
表示部としてのFL(蛍光表示部)142は、FL制御及び操作制御のための回路が形成されているプリント基板143に取り付けられ、数字や文字、画像などの情報を表示するとともに自ら発光するものである。具体的には例えば冷陰極蛍光管で構成され、時刻や「録音」、「再生」、「早送り」、「巻戻し」など動作モードの文字・画像情報を表示するものである。
【0013】
この表示装置の場合は、前面パネル部の正面上部に形成された表示窓144に、導光板141の長方形部分が対応するように照明部が取付けられ、さらに照明部に重ねるようにFL142が取付けられる。
厚さ4mmから1mmへと断面楔形状にした導光板141の左側端にLED145が取付けられ、ホルダー146a,146bで導光板141に固定されて照明部を構成しているいる。
【0014】
FL142の表示領域に表示された文字・画像の発光は、導光板141の透光率の高い領域を通り表示窓144から外部に出射するので外部から視認可能となる。
一方、LED142の光が前面に出力され装飾作用を奏する。つまり、FL自体の発光による表示に加えて、照明部において3色LED145を制御することにより7色以上の照明が可能となり、従来の液晶表示装置などとは異なるまったく新しい照明を伴った表示が可能となるのである。なお、液晶表示装置のバックライトとは違いFL自体が発光するので、導光板自体の照明の輝度を変化させても表示機能自体には何ら問題はない。
【0015】
【特許文献1】特開2001−93452号
【特許文献2】特開平7−66457号
【特許文献3】特開2002−82634号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記したように、従来の蛍光表示装置に対して他の発光手段、例えば、発光ダイオード等を蛍光表示管と同時に点灯表示できるようにすると、表示機能が変化に富んだものになり、例えば、車載用の蛍光表示装置に適応する場合は運転機能を向上させるような視認性を付加することができる。
また、蛍光管表示部に関連して車内の各種の操作情報や、車内の照明状態などをLED等の発光で表示させると、多彩な表示機能と快適空間を実現する際に役立つことがある。
【0017】
そこで、従来は車載のマイコン等から出力された表示データに基づいて、このような蛍光表示以外の他の発光手段である例えば、LEDなどの点灯制御を同時に行うようにすることが考えられている。
また、表示用コントローラから蛍光表示管で表示する文字データや、セグメント選択データを出力する共に、この蛍光表示管用のコントローラ回路から出力されるデータの一部を発光ダイオード(LED)駆動用信号として出力するものも考えられているが、この場合は、蛍光表示管の輝度調整(ディミング)を行うと、LEDの発光出力も同時に変化するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明はかかる問題点を簡単に解消するために、真空容器内に設けられた電子源と、該電子源から放出された電子により発光する蛍光表示と、該蛍光表示部で所定の表示を行うための信号を出力するための駆動制御回路(表示用コントローラ)を備えている蛍光表示装置において、
前記駆動制御回路は前記蛍光表示部に対する第1の表示データを所定のタイミングで出力すると共に、前記蛍光表示部と関連して照明又は表示する機能を有する他の発光手段に対する第2の表示データは、セレクタを介して選択的に出力されるように構成した。
【0019】
他の発光手段としては発光ダイオード(LED)を使用すると共に、セレクタを介して出力されるLED等に対する表示データは、蛍光表示部に対して独立に輝度調整を行うようにすることもできる。
【0020】
本発明の蛍光表示装置は表示駆動用の駆動制御回路、又はこの駆動制御回路の出力を供給するドライバ群が蛍光表示装置を構成している真空容器中に内包されたCIG (CHIP IN GLASS)タイプの蛍光表示装置に好適であり、他の発光手段に対するデータは上記真空容器の外部出力端子から得られるようにすることによって、蛍光表示部のバックライトと使用することができる。
【0021】
また、本発明の蛍光管表示管の駆動方法は、真空容器内に設けられた電子源から放出された電子により、蛍光表示部を発光し、所望の文字図形の表示を行うための信号を出力するために、前記蛍光表示部に対する表示データと、前記蛍光表示部に関連した他の発光手段である、例えば、照明用の表示データの信号を1個のワンチップマイクロコンピュータから出力するようにプログラムすると共に、前記蛍光表示部に対する表示データの輝度と、前記照明用の他の発光手段の輝度が独立して制御できるようにしている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の蛍光表示装置とその駆動方法は、ワンチップの蛍光管表示ドライバを使用したときでも、蛍光表示装置の輝度に対して他の発光手段の輝度が影響されないようにすることができるので、より多彩な表示を行う蛍光表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の蛍光表示装置のドライブ部分の具体例を示したものである。
この図において、10は蛍光表示装置を駆動するための駆動制御回路(以下、表示用コントローラという)であり、通常は外部から供給されたコマンド信号に基づいて、蛍光表示管を発光させるための表示データを駆動信号として所定のタイミングで出力するデジタル演算処理、及び記憶部、及び信号処理部等を集積したマイクロコンピュータによって構成されている。
【0024】
この表示用コントローラ10からは蛍光表示装置の表示駆動方式に応じて種種の信号が出力されるが、一般的にはダイナミック駆動方式がとられるため、蛍光管の表示位置を指定するスキャンニング信号(グリッド選択信号)、蛍光管の複数個の発光アノード(セグメント)に対する発光データを出力するシリアルデータ信号、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのラッチ信号LAT、発光セグメントの表示周期を設定するブランキング信号BKが主な信号ととして出力されている。
また、本実施例では表示データの一部がLED駆動信号として出力されるために、この発光モードを指定するポート切換信号が出力されるようになされている。
【0025】
11は表示のためのデータがシリアルデータとして順次供給されるシフトレジスタであり、このシフトレジスタ11の各段にクロック信号CLKのタイミング供給されたデータは、パラレル信号として出力するために、所定の周期毎にラッチ信号LATのタイミングで次のラッチ回路12に一旦保持される。
13は表示のためのデータを蛍光表示部や、他の発光手段に供給するためのドライバ段であり、発光点の個数に対応した論理積回路で構成されたゲート回路A1〜An及び、バッファアンプB・・・・Bによって構成されている。なお、各バッファアンプBは論理レベルを表示駆動電圧レベルに変換して出力する。
【0026】
ラッチ回路12に保持された表示データは、一方の入力がブランキング信号BKとなっているゲート回路A(1,2,3,・・・n)を介して、表示部に供給される。
本実施例は後で述べるように、ゲート回路A1〜Akから出力される表示データは蛍光表示部14に対応する第1の表示データとされ、ゲート回路Ak+1〜Anから出力されるデータは、他の発光源、例えば発光ダイオード用に出力される第2の表示データとなるように構成されている。
なお、蛍光表示部14には通常、表示内容をスキャンするためのに、グリッド選択信号がグリッドドライバ15を介して供給され、ダイナミック駆動となるように制御されている。
【0027】
ところで、本実施例では、ゲート回路Ak+1〜Anから出力された第2の表示データは、一点鎖線で囲ったセレクタ16を介してバッファアンプBに供給される点に特徴がある。
すなわち、セレクタ16はラッチ回路12から出力されたブランキング制御が行われていない第2の表示データと、ゲート回路A(k+1〜n)でブランキング制御されている第2の表示データを論理積回路16a、及び16bの一方の入力となるように形成し、他方の入力には論理レベル(H、L)で出力されるポート切換信号を一方の論理積回路にはインバータINを介して供給することによって、論理和回路16cから、ブランキングをかけた表示データと、ブランキングがかっていない表示データが選択的に出力できるようにしている。
【0028】
そして、このセレクタ16を介して出力された第2の表示データは、発光手段がLEDとなっている場合は、バッファアンプBを介してドライブ用のトランジスタ17ー1.17−2,・・・のベース電極に供給され、発光素子18−1.18ー2,・・・・・を駆動するように構成されている。
【0029】
図2は表示データが駆動信号として出力されるタイミングを示したものである。
この図においてGSは表示部のスキャン周期を示すグリッドスキャン信号の周期T、Tnはグリッドスキャン周期Txを拡大した期間を示し、この周期内のシリアルデータSIと、クロック信号CLK、シリアルデータSIをラッチ回路12に取り込むラッチ信号LAT、及び次の周期に移行するタイミングを作るブランキング信号BKが示されている。
先に述べたようにスキャン周期(T)内でラッチされた表示データは、ブランキング信号BKを一方の入力とするゲート回路A1〜Anを介して出力されるため、ドライブ用のバッファアンプBから出力される駆動信号はドライブ出力1とされている期間となる。
【0030】
従って、ドライブ出力1の輝度は、常にブランキング信号BKのパルス幅tpによって制限され、図のようにブランキング信号BKのパルス幅を矢印で示すように広くしてディミングを掛けると、ドライブ出力1はドライバ出力2で示すように短時間の出力幅となるように制限されることになり、ブランキング幅を変えることによってディミング調整を行うことができる。
そして、従来はこのディミング調整によって外部端子に出力されるLEDの発光輝度も同時に影響を受け、表示機能が損なわれていた。
【0031】
しかし、本実施例の場合はLEDに供給される第2の表示データは、セレクタ16を介して外部端子16−1、16−2・・・に出力されるようにしているので、例えば、図1の実施例においてポート切換信号のレベルをゼロ(Lレベル)にすると、セレクタ16から出力される第2の表示データは、論理積回路16bを介して出力された信号になり、ラッチ回路12からブランキング信号BKの影響を受けていない信号を直接、他の発光手段となるLED駆動用の第2の表示データ(ドライバ出力3)として得ることができる。
本実施例でスイッチSWを設けておくと、ポート切換信号を予め「H」または「L」となるようにすることができる。
すなわち、このスイッチSWをプリント配線板におけるジャンパー線で構成するようにすれば、蛍光表示装置の機種毎に、他の発光手段に対する表示データに対して、ディミングの影響の有無を予め選択させることができる。
【0032】
図3は本発明の他の実用例を示したもので、図1と同一機能は同一の符号とされている。
すなわち、10は蛍光表示装置を駆動するための表示用コントローラであり、蛍光管を発光させるための表示データを駆動信号として所定のタイミングで出力するデジタル演算処理、及び記憶部等を集積したマイクロコンピュータによって構成されている。
【0033】
表示用コントローラ10からはダイナミック駆動方式とするため、蛍光管の表示位置を指定するスキャンニング信号(グリッド選択信号)、蛍光管の複数個の発光アノード(セグメント)に対する発光データを出力するシリアルデータ信号、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのラッチ信号LAT、発光セグメントの表示周期を設定するブランキング信号BKが主な信号として出力されている。
本例でも表示データの一部がLED駆動信号として出力されるように、発光ポートを指定するポート切換信号が出力されるようになされているが、さらに、外部の発光手段に対する輝度調整行うことができる外部BK信号が表示コントローラ10から出力されるようにしている。
【0034】
11はシフトレジスタであり、12はシフトレジスタ11の各段のデータを1スキャン毎にラッチ信号LATのタイミングでとりこむラッチ回路12である。
13はゲート回路A1〜An及び、バッファアンプB・・・・Bによって構成されているドライバ段であり、各バッファアンプBは論理レベルを表示駆動電圧レベルに変換して出力する。
【0035】
ラッチ回路12に保持された表示データは、一方の入力がブランキング信号BKとなっているゲート回路A(1,2,3,・・・n)を介して、表示部に供給される。
そして、ゲート回路A1〜Akから出力される第1の表示データは蛍光表示部14に対応するものとされ、ゲート回路Ak+1〜Anから出力されるデータは他の発光源、例えば発光ダイオード用に出力する第2の表示データとして外部出力端子(16−1、16−2,・・・16−k)に供給される。
蛍光表示部14には、表示内容をスキャンするためのに、グリッド選択信号がグリッドドライバ15を介して供給される,ダイナミック駆動となるように制御されている。
【0036】
本実施例でも、ゲート回路Ak+1〜Anから出力された第2の表示データは、一点鎖線で囲ったセレクタ16を介してバッファアンプBに供給されるが、このセレクタ16には、ラッチ回路12の出力データと外部BK信号の論理積をとったゲート回路Abkを介して供給されるものが第2の表示データとして供給されている。
すなわち、セレクタ16にはゲート回路Ak+1〜Anから出力された通常のブランキング制御が行われている表示データと、ゲート回路Abkで外部ブランキング制御されている表示データを論理積回路16a、及び16bの一方の入力となるように形成し、他方の入力にポート切換信号を供給することによって論理和回路16cから、通常のブランキングをかけた第2の表示データと、外部ブランキングで調整される第2の表示データが選択できるようにしている。
【0037】
従って、この図3に示す実施の形態では、図4に示すようにシリアルデータSI、クロック信号CLK、蛍光表示部のブランキング信号BKに対して、さらに外部ブランキング信号BKLEDが供給される。
そして、ブランキング信号BKによってブランキングタイムを調整した蛍光表示部14の第1の表示データと同じディミング調整を行った第2の表示データである外部ドライブ出力3と、ラッチされた第2の表示データに対して外部ブランキング信号BKLEDの期間だけ出力を停止して、LED等の発光手段に対して独立に輝度調整を行った外部ドライブ出力4を選択して出力することができる。
この場合、外部ブランキング信号BKLEDのパルス幅をゼロにすると、ラッチ回路12に保持されている第2の表示データがディミング制御されないまま出力(図2のドライブ出力3)される。
【0038】
図5は本発明の蛍光表示装置の駆動方式を適応した装置の具体例を示したものでる。
この図に示されているように、本例では扁平なガラス容器内に先に述べた表示コントローラ10や、ドライブ段13のチップ24等が内封されているCIG(チップインガラス)方式の蛍光表示管20(CIGVFD)であり、内部には走査電極となるグリッド21と、マトリックス状に配置され、数列、数行からなるドット形状の蛍光電極部22、フイラメント23等が形成されている。
【0039】
真空容器の側壁からは表示駆動のための複数個の電源端子p、p、入力信号端子Tinがリード端子によって形成されており、先に述べたように蛍光表示部と異なる発光手段としてLEDを駆動するための外部リード端子Toutも真空容器の側壁のリード端子から得られるようにされている。
したがって、このCIG方式の蛍光表示管を車載用のフロントボードに実装すれば、このボードに付設されている表示用のLED等の発光源も表示コントローラに入力されたコマンド信号によって同時に制御することができるようになる。
【0040】
また、その場合に蛍光表示部の輝度調整に影響されることなくLEDの点灯制御が行われるので、先に従来技術として示したような蛍光表示に関連するバックライト用のLEDや、車載用の他の機能表示に使用されるLED等に対して、独立してディミング調整を行うことができる。
また、配線板にこのような蛍光表示管を取り付けたモジュールタイプの蛍光表示装置に対しても、本発明の駆動方法を適応すれば、1個の表示コントローラによって蛍光管表示と、LED表示とを独立した輝度でコントロールすることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
蛍光表示管と他の発光手段を共同して駆動し、多彩な表示機能を実現する際に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施の形態を示すブロック線図である。
【図2】表示コントローラの各種の信号のタイミング波形図である。
【図3】図1の別の実施例を示すブロック線図である。
【図4】図3の表示コントローラにおける信号のタイミング波形図である。
【図5】蛍光表示管の一例を外観の斜視図である。
【図6】従来の蛍光表示管の断面図である。
【図7】バックライト光源を有する蛍光表示装置の説明図である。
【図8】前面照明型の蛍光表示装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10表示用コントローラ 11シフトレジスタ 12ラッチ回路 13ドライバ段 14蛍光表示部 15グリッドドライバ 16セレクタ A1〜AKゲート回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器内に設けられた電子源と、該電子源から放出された電子により発光する蛍光表示部と、入力データに基づいて前記蛍光表示部で所定の表示を行うための表示データを出力するための駆動制御手段を備えている蛍光表示装置において、
前記駆動制御手段には、少なくと、前記蛍光表示部に対する第1の表示データと、前記蛍光表示部に関連した他の発光手段に対する第2の表示データを保持するラッチ回路と、 該ラッチ回路の出力に対してブランキング期間を付加し、ディミング調整行うことができるゲート回路と、
前記ラッチ回路に保持されている第2の表示データと、前記ゲート回路から出力される第2の表示データを選択して出力するセレクタとを設け、
前記セレクタで選択された前記第2の表示データが前記他の発光手段に供給されるように構成されていることを特徴とする蛍光表示装置。
【請求項2】
上記他の発光手段は発光ダイオードによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光表示装置。
【請求項3】
上記セレクタを介して出力される上記の発光手段に対する第2の表示データは、蛍光表示部に対して独立に輝度調整が行われるように構成されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の蛍光表示装置。
【請求項4】
上記他の発光手段に対するデータは上記真空容器の外部出力端子から得られるようにしたことを特徴とする請求項1,2、又は3に記載の蛍光表示装置。
【請求項5】
上記他の発光手段は上記蛍光表示部のバックライトとされていることを特徴とする請求項1,2,3,又は4に記載の蛍光表示装置。
【請求項6】
上記他の発光手段は上記蛍光表示装置の真空容器内に設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4、又は5に記載の蛍光表示装置。
【請求項7】
真空容器内に設けられた電子源から放出された電子により、蛍光表示部を発光し、所望の文字図形の表示を行うための信号と、前記蛍光表示部に関連した他の発光手段に対する信号とを前記真空容器内に内装された表示用コントローラから出力するように制御すると共に、前記蛍光表示部に対する表示データの輝度と、前記他の発光手段に対する輝度がそれぞれ独立して制御できるようにすることを特徴とする蛍光表示装置の駆動方法。
【請求項8】
上記他の発光手段は発光ダイオードによって構成されていることを特徴とする請求項7に記載の蛍光表示装置の駆動方法。
【請求項9】
上記他の発光手段は上記蛍光表示部のバックライトとされていることを特徴とする請求項7、又は8に記載の蛍光表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−9050(P2008−9050A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178119(P2006−178119)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000201814)双葉電子工業株式会社 (201)
【Fターム(参考)】