説明

融解ヒーター、前記融解ヒーターを用いた標識およびカーブミラー

【課題】電気配線を必要とせず、安全に用いることができ、雪、霜または凍結によって視認が困難となる個々の支柱設置体(標識やカーブミラー)に独立して取り付けられる融解ヒーター、および、その融解ヒーターが取り付けられた支柱設置体(標識やカーブミラー)を提供する。
【解決手段】支柱設置体1を加熱により視認可能とさせる融解ヒーター2であって、融解ヒーター2の加熱は、箱3に設けた中綿収納部22に補給された有機成分から成る液体燃料が、吸液繊維材である中綿20に含浸するとともに中綿20によって吸い上げられて気化スペース60にて蒸発し酸素と混合して可燃流体となり、白金触媒21の触媒作用を利用して該可燃流体を酸化分解させて発熱する触媒燃焼方式として構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道標識や道路標識やカーブミラーなどを例示することができる支柱設置体の裏面に取り付け、支柱設置体の板面温度を雪の融解点以上にして表面に付着する雪・霜・氷を溶かし、支柱設置体の視認性を高める融解ヒーターと、この融解ヒーターを用いた標識およびカーブミラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道標識や道路標識やカーブミラーなどを例示することができる支柱設置体は、交通の安全と円滑を図るための必要不可欠なものであり、その視認性の良否が直ちに交通に影響を及ぼす。ところが、標識カーブミラーの表面に着雪・着霜・凍結が生じたりすると、内容判読やコーナー先の判断が不能となる場合がある。
これらの課題を解決する為に、着雪を防ぐため表示板に傾斜をつけたりする従来技術も開示され、電源を用いたヒーターの技術も開示されている(特許文献1)。
また、昼の気温を蓄熱することによって、カーブミラーの曇りを防ぐ技術も開発されている。
【0003】
しかしながら、標識やカーブミラー表面に着雪・着霜・凍結などが発生する寒冷地は、人口密度が少なく電源の確保が非常に困難であることが多いという課題があった。
また、気温蓄熱方式においては、常に気温が低い北国などでは、吸収する熱量が不足し役に立たないという問題があった。
【0004】
このような課題を解決する為に、電気を利用せず、運搬が容易な流体燃料・固体燃料を用いた融解ヒーターなども考えられたが、燃料を直接燃焼させるために常に火災の危険性があった。
このような現状から、電気配線を必要とせず、安全に用いることができ、個々の標識やカーブミラーに独立して取り付けられる融解ヒーターが業界から必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−336121
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電気配線を必要とせず、安全に用いることができ、個々の支柱設置体(標識やカーブミラー)に独立して取り付けられる融解ヒーター、および、その融解ヒーターが取り付けられた支柱設置体(標識やカーブミラー)を、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1記載の発明)
請求項1記載の融解ヒーターは、雪、霜、凍結または曇りによって視認が困難となる支柱設置体に取り付けられ、支柱設置体を視認可能とさせる融解ヒーターであって、融解ヒーターの加熱は可燃流体を触媒燃焼させるものであることを特徴とする。
(請求項2記載の発明)
請求項2記載の融解ヒーターは、請求項1で用いられる可燃流体が、吸液繊維材によって含浸保持され、毛細管現象によって吸い上げられ、白金触媒によって触媒燃焼されることを特徴とする。
(請求項3記載の発明)
請求項3記載の融解ヒーターは、上記請求項2記載の融解ヒーターであって、融解ヒーターは、箱状であり、前記箱の少なくとも一つの側面は「縦×横:10〜40cm×10〜40cm」であり、吸液繊維材は中綿であり、100cc〜3000ccの液体燃料を吸液可能である、ことを特徴とする。
【0008】
(請求項4記載の発明)
請求項4記載の融解ヒーターを用いた標識は、請求項3記載の融解ヒーターを用いた標識であって、融解ヒーターは、標識の表面からは見えない態様で設けられており、標識の背面に伝熱板を設け、この伝熱板と融解ヒーター前側面とを接触させ、融解ヒーター上面の上方に伝熱フィンを設け、この伝熱フィンと前記伝熱板は接続されており、融解ヒーターの底面、右側面、左側面、後側面には断熱材が設けられ、触媒燃焼によって発生した熱を高効率で融解に利用することによって、標識内容を視認可能となることを特徴とする。
(請求項5記載の発明)
請求項5記載の融解ヒーターを用いたカーブミラーは、請求項2記載の融解ヒーターを用いたカーブミラーであって、融解ヒーターは、箱状であり、前記箱の少なくとも一つの側面は「縦×横:40〜100cm×40〜100cm」であり、吸液繊維材は中綿であり、1000cc〜20000ccの液体燃料を吸液可能であり、融解ヒーターは、カーブミラーの表面からは見えない態様で設けられており、カーブミラーの背面に伝熱板を設け、この伝熱板と融解ヒーター前側面とを接触させ、融解ヒーター上面の上方に伝熱フィンを設け、この伝熱フィンは前記伝熱板と接続されており、融解ヒーターの底面、右側面、左側面、後側面には断熱材が設けられ、触媒燃焼によって発生した熱を高効率で融解に利用することによって、前記表面を視認可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
(請求項1記載の発明の効果)
請求項1記載の発明とすることによって、電気配線を必要とせず、標識の炎上といった事故の発生があり得ない、融解ヒーターを提供することができる。
触媒燃焼により雪・氷・霜などが解ける程度といった適度な過熱となるため、送電ロスや、燃焼炎の高カロリーロスが発生せず、非常に熱効率が高く、環境に優しい融解ヒーターとなる。
(請求項2記載の発明の効果)
請求項2記載の発明は、たとえ列車や自動車が標識に接触事故を起こした場合であっても、燃料への引火が発生し得ない、融解ヒーターを提供することができる。
また、白金触媒を用いた触媒燃焼であると、燃焼触媒に燃料が掛かった場合は引火せず逆に触媒反応が停止するので、含浸保持された液体燃料が引火する危険性もない。
(請求項3記載の発明の効果)
請求項3記載の発明とすることによって、標識に適した大きさの、融解ヒーターとなる。支柱設置体に合わせた寸法とし、雪・氷・霜が融解可能な最低限の発熱とすることによって、一回の燃料補給で3週間〜5週間利用可能なものとなり、作業者の負担を軽減することができる。
(請求項4記載の発明)
そして、請求項3記載の発明を設けた標識とすることができる。このようにすると、断熱材によって融解ヒーターの無駄な放熱が抑えられ、効率的に標識の雪・氷・霜を融解させることが可能となる。
(請求項5記載の発明)
また、請求項2記載の発明を、カーブミラーに適した大きさとすることもできる。請求項4記載の発明と同様に、断熱材によって融解ヒーターの無駄な放熱が抑えられ、効率的に標識の雪・氷・霜を融解させることが可能となる。一般的なカーブミラーは、直径60cm、80cm、100cmである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】支柱設置体に融解ヒーターを取り付けた態様の垂直断面図
【図2】A位置における支柱設置体に融解ヒーターを取り付けた態様の水平断面図
【図3】支柱設置体に融解ヒーターを取り付けた態様の背面図
【図4】融解ヒーターの分解斜視図
【図5】融解ヒーターの採寸用斜視図
【図6】実施例2の融解ヒーターの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、これらの発明を実施するための最良の形態として実施例について詳しく説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、支柱設置体に融解ヒーターを取り付けた態様の垂直断面図である。図2は、A位置における支柱設置体に融解ヒーターを取り付けた態様の水平断面図である。図3は、支柱設置体に融解ヒーターを取り付けた態様の背面図である。図4は、融解ヒーターの分解斜視図である。図5は、融解ヒーターの採寸図である。
【0013】
(1.支柱設置体について)
この発明は、支柱設置体1が着雪・着霜・凍結する季節に加熱することによって、表面10(標識の表示面、カーブミラーの鏡面)視認可能とする融解ヒーター2である。
支柱設置体1として、標識1やカーブミラー1を例示することができる。
一般的に鉄道標識は直径45cmであり、カーブミラーの直径は、60cm、80cm、100cmである。このことから、支柱設置体1の直径は、40cm〜110cmの範囲である。
融解ヒーター2は、図1〜図3に示すように、支柱設置体1の背面11に取り付けられ、支柱12によって支柱設置体1と共に固定される。
【0014】
(2.加熱態様について)
融解ヒーター2は、図1に示す構成であり、可燃流体を触媒燃焼させ、箱3状である融解ヒーター2本体全体が熱を有するものとなり、その熱を支柱設置体1に伝える。この熱伝導によって支柱設置体1の温度は5℃〜10℃に上昇し、付着している雪・霜・氷などを融解させることができる。
【0015】
(3.使用する燃料について)
触媒燃焼を行う燃料の供給源として、吸液繊維材による含浸保持、液体燃料の容器保存とサイフォンによる燃料供給、ガスボンベ(カセットボンベ)などを例示することができる。
しかしながら、液体燃料の容器保存、ガスボンベ(カセットボンベ)の場合、列車や自動車などが標識やカーブミラーに接触事故を起こした場合、燃料への引火の危険性があった。
流体容器が破損した場合であったとしても、燃料が飛散せず大事故とならないので、吸液繊維材による含浸保持とするのが好ましい。
【0016】
したがって、実施例1においては、吸液繊維材を用いて液体燃料の含浸保持したものを記載する。吸液繊維材が液体燃料を含浸保持可能な量は、吸液繊維材の体積の37%〜50%とすることが例示できる。体積の37%〜50%を含浸保持可能な吸液繊維材として、ハクキンカイロ株式会社製のハクキンカイロ用中綿20を用いた。その他の吸液繊維材として、綿、ガラス等の繊維集合体を例示することができる。
【0017】
中綿20に含浸保持させる燃料(有機成分)として、ベンジン、ホワイトガソリンを例示することができる。この実施例では、1ccにつき白金の触媒燃焼において約11500cal(46.2kJ〜50.4kJ)発生させる、ハクキンカイロ株式会社製ベンジンを用いた。
液体燃料の含浸は、容器を逆さにしても、こぼれ出ない態様であることが好ましい。
【0018】
(4.触媒燃焼について)
触媒燃焼は、金属などが有する触媒作用を利用して、250〜400℃の低温で、有機成分を酸化分解させる燃焼方式である。
触媒材料には、貴金属(白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、など)や、貴金属の硝酸塩や、貴金属の塩化物が使われる。このような材料を、ガラス繊維、セラミック繊維、メタルハニカム、セラミックハニカム、などに坦持して使用する。
【0019】
白金系触媒は300℃〜400℃の表面温度で有機成分をほぼ完全に酸化分解する。
したがって、触媒燃焼に用いる触媒は、白金触媒21を用いるのが好ましい。この実施例では、白金触媒21としてハクキンカイロ株式会社製のハクキンカイロ火口を用いた。
このようなハクキンカイロ火口を用いると、接触事故による、支柱12の破壊などが発生したとしても、火口が急激に冷却され反応が停止するのみであり、燃料は引火点に到達せず火災の恐れがない。
【0020】
(5.融解ヒーター2の基本構成について)
融解ヒーター2は、図1〜4に示すように、中綿20と白金触媒21と中綿収納部22と上面カバー23と触媒固定板6と中綿固定板7とを有し、中綿収納部22と上面カバー23によって箱3状に形成されている。前記箱3は、上面と底面と前側面と右側面と左側面と後側面からなる。
触媒固定板6は、白金触媒21を固定すると共に、白金触媒21の下側に気化スペース60を設けさせるものである。中綿固定板7は、中綿20がはみ出ないように固定すると共に、板中央に気化孔70が設けられており、気化スペース60への気化を可能とする。気化スペース60の高さは、白金触媒21の下面から中綿固定板7の上面まで、4mmとすることができる。
箱3状の融解ヒーター2の周囲は、図1〜4に示すように、上面の上方には伝熱フィン40が設けられ、底面には接触する態様で底面断熱板51が設けられ、前側面には伝熱板42が接触する態様で設けられ、右側面には右側面断熱板53が接触する態様で設けられ、左側面には左側面断熱板54が接触する態様で設けられ、後側面には後側面断熱板55が設けられている。
【0021】
(6.融解ヒーター2の寸法について)
融解ヒーター2の寸法は、前側面の縦長さを10〜40cm、前側面の横長さを10〜40cmとすることができる。
例えば、図3に示す円盤状の支柱設置体1の直径が450mmの鉄道標識である場合、前側面および伝熱板42の寸法は、「縦×横:300mm×300mm」(直径の70%)とすることができる。すなわち、「(円盤状の支柱設置体1の直径)÷(2の平方根)」を用いて導いた値を、正方形とした前側面および伝熱板42の一辺の長さとすることができる。
このように縦・横の寸法を設定すると、奥行き寸法を調整することによって、含浸する液体燃料の量を調節することができる。
四角形の支柱設置体1である場合は、前記四角形の支柱設置体1の縦横長さに一致する、前側面および伝熱板42の縦横の長さとすればよい。支柱設置体1が三角形の場合も、支柱設置体1の三辺と前側面および伝熱板42の三辺とを一致させるのが好ましい。
【0022】
融解ヒーター2は、伝熱板42の寸法が「縦×横:300mm×300mm」であるとき、図5に示すように、「縦×横×奥行き:150mm×200mm×100mm」と設定するのが好ましい。上面カバー23の高さは50mmであり、20mm挿入されるものである。
【0023】
(7.寸法と支柱設置体1との良い相性)
そして、中綿20の収納部を「縦×横×奥行き:100mm×200mm×100mm」に設定すると、収納部の容積(中綿20の体積)は2000ccとなる。中綿体積が2000ccであると、750ccから1000ccのベンジンを含浸保持可能となる。この時、中綿20が新品の場合は約1000ccであり、ベンジン補給の場合は約750ccである。前述のベンジン含浸保持量であると、ハクキンカイロ社製の白金触媒を用いて、約3週間、直径450mmの円盤状の支柱設置体1の温度は5℃〜10℃に上昇させておくことができる。
この3週間という長期間は、定期点検を行なう作業者にとって、非常に好都合であった。
【0024】
(8.高効率な熱利用について)
融解ヒーター2が長期間利用であるのは、以下に述べる高効率な熱利用にも起因する。
融解ヒーター2は、図1、図2に示すように、中綿収納部22に補給された液体燃料は、中綿20に含浸するとともに中綿20によって吸い上げられ、気化スペース60で気化孔70から蒸発した液体燃料が酸素と混合し、白金触媒21によって燃料消費し、発熱することによって、ハクキンカイロの如く箱3全体が熱を有する態様である。
この熱は、断熱材5(底面断熱板51、右側面断熱板53、左側面断熱板54、後側面断熱板55)によって外界へ逃げないものであり、背面11に密接する伝熱フィン40と上面上部の伝熱板42によって、支柱設置体1の温度上昇に利用される。
断熱材5には、グラスウール、ロックウール、羊毛断熱材、セルロースファイバー、炭化コルク、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、などを用いることができる。伝熱フィン40および伝熱板42には、各種金属を用いることができる。実施例1においては、断熱材5としてロックウールやグラスウールなどを用い、伝熱フィン40および伝熱板42にはアルミニウムを用いた。
【0025】
(9.その他の構成について)
触媒燃焼を進行させる為に、側面には側面通気孔24を設けることができ、上面には上面通気孔25を設けることができる。側面通気孔24に対応する断熱材通気孔56を設けても良い。このとき取付カバー9は、前述の側面通気孔24、上面通気孔25、断熱材通気孔56に対し、通気可能な態様で取り付けられる。
支柱設置体1と融解ヒーター2と支柱12は、図1〜図3に示されるように、支柱設置体1の背面11に固定具8および取付カバー9を用いて一体化されるものである。取付カバー9の上部に屋根を設け、鳥の巣箱形状とすることもできる。
【実施例2】
【0026】
前述の実施例1を踏まえ、さらに融解ヒーター2を改良することができる。図6は、実施例2の融解ヒーターの斜視図である。
実施例2記載の融解ヒーター2は、中綿収納部22の開口に本体折曲部26を設け、触媒固定板6に触媒固定板折曲部61、中綿固定板7に中綿固定板折曲部71を設けることができる。
本体折曲部26は、開口の4辺を形成する金属板4枚のうち3枚の端部を折り曲げることによって形成され、中綿収納部22の開口の3辺付近に設けられる。このとき本体折曲部26を設けなかった残りの1辺の端部は、上面カバー23の挿入シロ程度切り取られる。
このように本体折曲部26を設けると、中綿20が上昇し、中綿収納部22からはみ出る心配がなく、中綿固定板7および触媒固定板6を側面側からスライドさせて脱着可能なものとなる。
触媒固定板折曲部61は、触媒固定板6の挿入方向後方端部に設けられる。
中綿固定板折曲部71は、中綿固定板7の挿入方向後方端部に設けられる。
触媒固定板折曲部61および中綿固定板折曲部71は、本体折曲部26を設けなかった残りの1辺の部分を塞ぐ役割を果たすと共に、前述のスライドによる脱着を行なうとき持ち手としての役割を果たし、スライド操作を容易なものとする。
このスライド操作を可能としたことによって、燃料であるベンジンを追加する場合、触媒固定板6を挿入方向の逆方向に移動させ、気化孔70にベンジンを注ぎ込み、中綿20にベンジンを補充することが可能となり、作業者の負担は軽減される。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明は、道路標識や鉄道標識やカーブミラーなどの支柱設置体1に利用することができる。
支柱設置体1の形状として、円形、四角形、三角形などを挙げることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 支柱設置体
10 表面
11 背面
12 支柱
2 融解ヒーター
20 中綿
21 白金触媒
22 中綿収納部
23 上面カバー
24 側面通気孔
25 上面通気孔
26 本体折曲部
3 箱
40 伝熱フィン
42 伝熱板
5 断熱材
51 底面断熱板
53 右側面断熱板
54 左側面断熱板
55 後側面断熱板
56 通気孔
6 触媒固定板
60 気化スペース
61 触媒固定板折曲部
7 中綿固定板
70 気化孔
71 中綿固定板折曲部
8 固定具
9 取付カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雪、霜、凍結または曇りによって視認が困難となる支柱設置体(1)に取り付けられ、支柱設置体(1)を視認可能とさせる融解ヒーター(2)であって、融解ヒーター(2)の加熱は可燃流体を触媒燃焼させるものであることを特徴とする融解ヒーター。
【請求項2】
可燃流体は、吸液繊維材によって含浸保持され、毛細管現象によって吸い上げられ、白金触媒(21)によって触媒燃焼されることを特徴とする請求項1記載の融解ヒーター。
【請求項3】
融解ヒーター(2)は、箱(3)状であり、前記箱(3)の少なくとも一つの側面は、「縦×横:10〜40cm×10〜40cm」であり、吸液繊維材は中綿(20)であり、100cc〜3000ccの液体燃料を吸液可能であることを特徴とする請求項2記載の融解ヒーター。
【請求項4】
請求項3記載の融解ヒーター(2)を用いた標識(1)であって、融解ヒーター(2)は、標識の表面(10)からは見えない態様で設けられており、標識(1)の背面(11)に伝熱板(42)を設け、この伝熱板(42)と融解ヒーター前側面とを接触させ、融解ヒーター上面の上方に伝熱フィン(40)を設け、この伝熱フィン(40)と前記伝熱板(42)は接続されており、融解ヒーターの底面、右側面、左側面、後側面には断熱材(5)が設けられ、触媒燃焼によって発生した熱を高効率で融解に利用することによって、標識内容を視認可能となることを特徴とする融解ヒーターを用いた標識。
【請求項5】
請求項2記載の融解ヒーター(2)を用いたカーブミラー(1)であって、融解ヒーター(2)は、箱(3)状であり、前記箱(3)の少なくとも一つの側面は「縦×横:40〜100cm×40〜100cm」であり、吸液繊維材は中綿(20)であり、1000cc〜20000ccの液体燃料を吸液可能であり、融解ヒーター(2)は、カーブミラー(1)の表面(10)からは見えない態様で設けられており、カーブミラー(1)の背面(11)に伝熱板(42)を設け、この伝熱板(42)と融解ヒーター前側面とを接触させ、融解ヒーター上面の上方に伝熱フィン(40)を設け、この伝熱フィン(40)は前記伝熱板(42)と接続されており、融解ヒーター(2)の底面、右側面、左側面、後側面には断熱材(5)が設けられ、触媒燃焼によって発生した熱を高効率で融解に利用することによって、前記表面(10)を視認可能となることを特徴とする融解ヒーターを用いたカーブミラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−215027(P2012−215027A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81382(P2011−81382)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000135519)ハクキンカイロ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】