説明

螺子型ノズル、およびそれを用いた流体散布器ならびに消雪装置

【課題】 一般家庭においても特殊工具等を必要とせずに、簡便に組み立てることができる上、容易に移動、設置することが可能であって、しかも散水ノズルの周囲に満遍無く散水して、より効率的な消雪を実現する消雪技術を提供する。
【解決手段】 頂面21中央にドライバー噛合用の十字形状錐状穴22が凹設された頭部2と、該頭部2座面26中央から延伸され、タッピング用雄ネジ32を刻設したネジ部3とを有するネジ本体11からなり、該頭部2錐状穴22中央からネジ部3先端に掛けて流通孔33を縦貫、穿設する一方、頭部2の十字穴22部分を定着部4として嵌合させた流路形成チップ5が、該流通孔33直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁51と錐状穴22周壁との間には同流通孔33に通じる間隙23,23,……を確保し得るように規制して錐状穴22内に組み合わされてなる螺子型ノズル1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体の散布技術に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、水や温水等を散布する消雪装置を製造する分野は勿論のこと、その製造に必要とする設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
積雪地の市街地や国道等の多くに除雪、運搬、排雪作業等の一切を必要としない散水消雪設備が配備されており、このような施設は、主に交通の妨げとならないよう地上に突出しない埋設型のノズルを用いて地下水等を地上に噴出させ、所望の範囲を消雪可能とするものが殆どであり、例えば実用新案登録第3082388号公報の「消雪用散水ノズル付き配管ブロック装置」考案に開示されているように、合成樹脂製本管の適所に合成樹脂製の立上げ管を立設し、その上端に連結した散水ノズルを天面に露出させるようコンクリート中に埋設したものであって、当該本管の立上げ管立設箇所に雌ネジを穿設した上、該雌ネジに短管状ソケットの下端管状雄ネジを螺着し、該ソケット上端の管状内周面に環状溝を形成してOリングを嵌着し、該上端管状部内に立上げ管下端を挿し込み連結すると共に、散水ノズルの基端内周面にも同様の管状溝とそれに嵌着されたOリングとを設け、本管からノズルに向かう立上げ管上端を挿し込み連結した構造とすることにより、塩化ビニル製の配管が、舗装路面に埋設された際に加わる荷重や温度変化によって変形、破損してしまうのを防止可能としたもの等が既に開発済みとなっている。
【0003】
しかしながら、これら既に開発済みとなっている地下埋設型の散水ノズルは、大型車両の走行荷重にも十分に耐え得る程度の高い耐久性能を具備するものとして形成してあることから、然程耐荷重性能を必要としない一般家庭の庭先や玄関先等に設置するには、経済的に不釣り合いなものとなってしまうと同時に、それら不経済な散水ノズルによる敷設工事も、それ相応の配管を伴って多大な費用を要することになってしまうため、道路等の公共施設以外には殆ど利用されていないのが実情となっていた。
【0004】
(従来の技術)
そうした中、一般家庭において専門施工業者によらなくても簡便に組み立て設置することができるようにした消雪装置に関しての提案もあり、例えば実用新案登録第3103762号公報の「回転噴霧散水螺子ノズル」考案では、なべ頭螺子のネジ部の先端側適所から頭部座面直下に至る周壁面の一側が、ネジ部ネジ山を除く外周壁面の約30%を、ネジ部軸心に平行状に切除して液体衝突面に形成されるようにした上、通液管の周壁面適所にネジ受け加工を施した小孔を穿設し、該小孔に対してネジ部を螺合、装着したものとすることにより、通液管中に供給される液体を、通液管小孔の内周面となべ頭螺子の衝突面との隙間を通じて螺子軸心周りの何れか一方に向かう所定角度範囲に向けて噴射可能とし、螺子頭部にドライバーを噛合させて液体噴射方向を螺子軸心周りの360°に渡って調節、変更自在とした散水ノズルなどが開発済みとなっている。
【0005】
この提案済みのもののように、大量且つ低価格で市場提供されているなべ頭螺子に着目し、それらに僅かな加工を加えた上、螺子受け加工を施した通液管と組み合わせることによって簡便に製造可能とした散水ノズルは、一般家庭の庭先や玄関先等の敷地形状に合わせて低廉且つ容易に組み立て、設置することができるという利点を有しており、従前までの埋設型で耐荷重強度に富むものとした比較的高価につく消雪用ノズルに比較すれば、確かに格段に安価に利用することができるという利点をもってはいるが、なべ頭螺子のネジ部一側面を切除して液体用の衝突面とした構造の故に、該衝突面に衝突した液体が、ネジ部の一側面に面した所定角度範囲だけに噴出するものとなってしまい、広角的に噴射させるには、複数個のなべ頭螺子を装着するか、あるいはドライバーを用いてなべ頭螺子を任意角度回転させ、時間をずらして広角範囲に噴射するよう、その都度に操作しなければならないという欠点を抱えてしまっていて、散水ノズルの周囲を満遍無く消雪できるものとはなっていないことから、何とか低価格に設置できるという利点を生かし、より高い消雪機能を発揮し得るようにした消雪ノズルの開発、実現化が待望されている。
【特許文献1】(1)実用新案登録第3082388号公報 (2)実用新案登録第3103762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上記において見てきたとおり、従前までに提案のある消雪ノズルやそれらに関連する技術は、その多くが舗装道路等の大荷重が加わる地中に埋設された場合にも十分に耐え得る強度を有していて高価につくのが当然のようにして従前から普通に製造、流通してきているのに対し、一般家庭で簡便且つ経済的に組み立てて自在に設置することができ、しかも庭先や玄関先等を効率的に消雪することができるようにした散水ノズルは、未だ開発途上の段階にあると云わざるを得ず、特にその散水角度範囲には制限があってノズル散水周囲の360°方向の中の極限られた角度範囲にしか噴射することができず、消雪に際してはノズルの噴射角度をその都度、ドライバー等の工具を用いた手作業によって調節、変更しなければならない外、消雪対象の舗装面における排水用に設けられた僅かな傾斜の上方に設置し、散水することによって流れ下る水や温水等の消雪液を利用して、より広い範囲を消雪できるようにする等の様々な工夫を要するものとなってしまっていることから、特別な設置上の工夫等を必要とせずに設置範囲全体を速やかに消雪することができるようにした消雪ノズルの実現化ができないものかとの疑問を抱いてきた。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、一般家庭においても特殊工具等を必要とせずに簡便に組み立てることができる上、容易に移動、設置することが可能であって、しかも散水ノズルの周囲に満遍無く散水して、より効率的な消雪を実現する消雪技術の実現化を指向して逸速くその開発、研究に着手、実行して長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の螺子型ノズル、およびそれを用いた新規な構造の流体散布器、ならびに新規な構造の消雪装置を実現化することに成功したものであり、以下においては、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述していくこととする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の螺子型ノズルは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとした構成を要旨とする螺子型ノズルである。
【0009】
この基本的な構成からなる螺子型ノズルを、より具体的な構成のものとして示すと、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面にはタッピング用雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとした構成からなる螺子型ノズルとなる。
【0010】
更に具体的には、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面にはタッピング用雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体ネジ部先端の鋭角状部分をその軸心に略直交状に切削して平端面となし、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端の平端面に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとした螺子型ノズルということができる。
【0011】
更には、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該本体頭部の頂面十字穴中央寄りの四角夫々に、錐状穴周壁に達しない同心円筒状内周壁と、それらに続く段座とを有する定着部を形成した上、それら筒状内周壁によって包囲される短尺円柱空間に合致するか僅かに大きな寸法、形状の流路形成チップを、その底部周縁が各段状座に達する位置まで圧入、嵌合し、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとした構成の螺子型ノズルであるといえる。
【0012】
(関連する発明1)
上記した螺子型ノズルに関連し、この発明には、それを用いた流体散布器も包含しており、その基本的構成は以下のとおりとなっている。
即ち、流体用配管パイプの適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を当該配管パイプ中に開口、連通させたものとしてなる、前記何れかに記載の螺子型ノズルを用いた流体散布器である。
【0013】
これをより具体的なものとして示すと、流体用配管パイプの複数本を、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路を形成した配管枠体を設け、当該配管枠体の一側面における適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を各配管パイプ中に開口、連通させたものとした、この発明の螺子型ノズルを用いた流体散布器ということができる。
【0014】
(関連する発明2)
更に、この発明の骨幹を成す螺子型ノズルと、上記した流体散布器とに関連し、この発明には、それらを用いた消雪装置が含まれており、その基本的構成は、以下のとおりのものである。
即ち、流体用配管パイプの適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を配管パイプ中に開口、連通させ、流体用配管パイプに水または温水を供給可能な給水もしくは給湯装置を接続したものとしてなる、前記流体散布器を利用した消雪装置である。
【0015】
さらに具体的には、流体用配管パイプの複数本を、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路を形成した配管枠体を設け、当該配管枠体の一側面における適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を配管パイプ中に開口、連通させ、配管枠体に水または温水を供給可能な給水もしくは給湯装置を接続したものとしてなる、前記流体散布器を利用した消雪装置ということができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のとおり、この発明の螺子型ノズルによれば、既製品として大量に市場供給されているネジ本体に所定の加工を施すことによって散水に好適なノズルを簡単且つ経済的に大量生産することが可能となり、しかも流体用配管パイプへの接続作業も容易なことから、流体散布器の組み立て、ならびに消雪や散水の対象場所への設置作業等を誰もが簡便且つ迅速に行うことができる上、ネジ本体を縦貫する流通孔、および頭部のドライバー噛合用の十字かそれに近い形状の錐状穴、ならびにその定着部に嵌合させた流路形成チップの組み合わせにより、該流路形成チップの底部周縁と錐状穴周壁との間に流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制、配置したことによって流通孔を通じて供給された流体を、錐状穴周壁に沿ってネジ頭部の周囲に満遍無く噴出させることが可能となり、従来型の螺子利用のノズルに比較して、より広角的な散水を可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0017】
加えて、ネジ本体のネジ部をタッピング用雄ネジの形状としたことにより、流体用配管パイプの周壁面に穿孔した下孔に直接、螺着して装着作業を完了することができるものとなって雌ネジのタップ作業やナットの熔接や接着といった煩わしい作業が不要となり、ノズルの取付け作業の効率化を実現化することができ、しかもタッピング用雄ネジ先端の鋭角状部分を、切除して平端面とすることにより、流通孔の穿孔作業によるバリやネジ部破損等の不良発生を防止して、良品率を格段に高めることができる。
【0018】
ネジ本体頭部の定着部を、錐状穴周壁に達しない同心円筒状内周壁と、それらに続く段座とからなるものとしたことにより、それら各円筒状内壁によって包囲される短尺円柱相当空間に合致するか僅かに大きな直径寸法であって、頭部頂面中央から各段座までの深さに略一致するか僅かに大きな高さ寸法に設定した短尺円柱状の流路形成チップを圧入、嵌合させ、一体的に結合することができ、一度の単純な打込み作業のみによって比較的複雑な複数の噴射口を一気に形成できるという秀れた効果を発揮できる。
【0019】
また、ネジ本体頭部の外周縁に、同ネジ本体軸心を挟み平行状に対峙してなる、一対もしくはネジ本体軸心周りの所定角度置き毎に配された複数対の工具噛合面を切削、形成したことにより、流路形成チップの嵌着によってドライバー工具による締付け作業が不可能となったネジ本体を、レンチやプライヤー等の一般的工具類を用いた締付け作業を可能として、流体用配管パイプへの取付けを効率化することができるものとなり、さらに、ネジ本体をステンレス鋼製とし、これに嵌着される流路形成チップを銅製としたことにより、比較的硬質なネジ本体の定着部に比較的軟質な流路形成チップを嵌着するものとし、その嵌着作業性と作業安定性とを高めることができると共に、散水に用いたときにも十分な強度と防錆性能とを確保できるという優れた特徴を得られるものとなる。
【0020】
この発明の流体散布器によれば、流体用配管パイプの適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して当該螺子型ノズルのネジ部を螺着するという極めて簡便な組み立て作業によって組立て作業を完了させることができる上、流体用配管パイプを散水や消雪の目的箇所に設置することによって配管パイプの周辺に、満遍無く散水して効率的に消雪することができ、しかも比較的簡素で軽量なことから運搬や移動設置を容易に行うことができ、比較的小型のものとした場合であっても、広範囲に渡り移動させながら散水、消雪することが可能となる上、手持ち可能な寸法、形状に設定して薬剤散布用のものとしたり、あるいは給水や簡易的なシャワー設備等としても利用することができ、しかも流体用配管パイプの複数本を、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路を形成した配管枠体からなるものとすることによって効率的な流体散布を実現し、より広い範囲に渡って一斉に散水し、効果的に融雪可能な消雪装置を実現可能とすることができる。
【0021】
この発明の消雪装置によれば、前記流体散布器に対し、水または温水を供給可能な給水もしくは給湯装置を接続したものとしたことにより、強制的に水圧を掛けて散水することが可能となって流体散布器の設置箇所とその周辺に効率的且つ満遍無く散水し、迅速に消雪可能となり、しかもその設置場所を比較的自由に調節、変更することができる上、住宅の屋根や軒先、壁の外、庭や玄関先等、様々な場所への設備が可能となって、特別な熟練を必要としない比較的軽微且つ簡単な作業によって経済的に組み立て設置できるという秀れた特徴を発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
ネジ本体は、流体供給物の壁面に外側から貫通状に螺着可能であって、しかも頭部頂面の工具噛合用の穴およびその周辺に比較的簡単な加工を施すことにより、流体供給物内部に通じる流体噴出用の広角的ノズルを合理的に形成、可能とする機能を果たし、頭部頂面の中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、しかも頂面に表れる形状がネジ部径よりも大きい錐状穴を有するものとしなければならず、JIS(Japanese
Industrial Standard)やその外の工業規格に基づくか、あるいは市場に大量に安定供給されているトラス頭螺子、なべ頭螺子、皿頭螺子等とすべきであり、特にそれら何れかのタッピング螺子とするのが望ましく、ステンレス鋼等の防錆に優れた素材からなるものを選択することができる。
【0023】
頭部は、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状の錐状穴が形成されており、比較的簡便な加工によって流路形成チップ装着用となる定着部を形成可能とする機能を果たすものであり、丸、皿、丸皿、なべ、トラス、バインド頭等の中から何れかを選択することが可能であり、十字穴に限らず、すり割り付き十字穴(マイナスドライバーの使用も可能な十字穴)を含み、定着部や工具噛合面等を通常の工作機械用刃物等によって容易に加工可能な素材製のものを選択すべきであり、散布対象となる流体にもよるが、水や温水の散布による消雪に用いる場合には、防錆に優れたステンレス鋼製とするのが望ましい。
【0024】
定着部は、ネジ本体頭部の頂面中央であって流通孔の直上となる適所に、流路形成チップを装着、一体化可能とする機能を果たすものであり、定着部に嵌着された流路形成チップの底部周縁と錐状穴周壁との間に流体噴出用の間隙を形成可能とするものとしなければならず、頭部の頂面十字穴中央寄りの四角夫々に、錐状穴周壁に達しない同心円筒状内周壁と、それらに続く段座とを形成したものとするのが望ましく、切削加工あるいはプレス加工によって形成したものとすることができる。
【0025】
ネジ部は、流体用配管パイプの適所に直接的に螺合、装着してネジ本体頭部に形成されたノズルまで配管パイプ内からの流体を流通可能とする機能を果たすものであり、散水や消雪に有効な流体流量の確保が可能な流通孔径を確保可能な谷径を有するものとしなければならず、JIS規格またはそれ以外の工業規格に基づくか、もしくは市場に大量に安定供給されている螺子を利用すべきであり、タッピング螺子や木螺子等を選択することができ、これらを選択した場合には、流通孔を穿設する際の破損やバリの発生を防止するよう先端鋭角状部分を平端面に加工したものとすることができる。
【0026】
流通孔は、ネジ部先端からノズル噴射口を形成する頭部の錐状穴に掛けて、ノズル噴射に十分な量の流体を円滑に供給、通過可能とする機能を果たすものであり、ネジ本体の頭部側からネジ部先端側へ向けて穿孔したものか、ネジ先端側から頭部頂面に向けて穿設したものかに関わらず、ネジ部軸心に同心状もしくは平行状に穿孔、縦貫されたものとすべきであるが、ネジ部軸心に対して斜設したり、ネジ部先端または頭部の何れかに向けて直径が暫減または暫増したり、二段、三段と多段に内径を変えたもの等とすることも可能である。
【0027】
流路形成チップは、ネジ本体頭部の錐状穴周壁との間にノズル噴射口を形成する間隙を形成し、流通孔を通じてネジ部先端側から供給された流体を、頭部の周囲外側に向けて噴射、可能とする機能を果たすものであり、流体の噴出圧力によって不用意に変形したり、脱落したりしない程度に十分な強度を有するものとしなければならず、しかも頭部定着部に対して簡単に嵌合、一体化できる程度の弾性(または塑性)を有する例えば銅やその合金等の素材からなるものとし、頭部頂面の十字穴の対峙端間距離よりも小さな直径に設定され、定着部に嵌着された状態で頂面十字穴の四方端が、夫々ノズル開口を形成するよう寸法設定すべきであり、また必要に応じて、四方のノズル口の中の1ないし3箇所を閉鎖可能な閉鎖片を一体に形成し、嵌着後に頭部ノズル口の何れか3ないし1箇所を開口させ、その外のノズル口を閉鎖して散布角度範囲に制限を加えた構造とすることが可能である。
【0028】
流体用配管パイプは、複数箇所にネジ形ノズルを螺着可能であって、適所から水または湯等の流体を加圧、供給可能とする機能を果たすものであり、ボール盤やハンドドリル等の工作機械や工具類を用い、その壁面に比較的簡単に複数の下孔を穿孔可能な素材製のものとしなければならず、螺子型ノズルのネジ部を螺着可能な雌ネジを有する下孔を穿設したものとすることができる外、タッピング螺子を直接的に螺着可能な下孔を穿孔しただけのものとすることができ、水道用やガス管用の金属製パイプや塩化ビニル製パイプ等、様々な金属や合成樹脂製のパイプを用いることができ、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路を形成した配管枠体とすることが可能である。
【0029】
配管枠体は、面状範囲に渡り複数の螺子型ノズルを、点在状且つ満遍無く配置可能とすると共に、それら装着された全ての螺子型ノズルに流体を供給可能とする機能を果たすものであり、複数本の流体用配管パイプを、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路を形成したものとすることができ、水道管やガス管用の金属製パイプあるいは合成樹脂製パイプおよびその接続部品類等から形成することができ、運搬や設置位置の調節といった作業を容易にするよう、比較的軽量な塩化ビニル製の配管パイプ、エルボ、チーズ、バルブ等の各部品を適宜接続、溶着して形成したものとすることができ、設置や姿勢維持のための脚部や腕部品等を設けたものとすることができる。
【0030】
給湯装置は、流体溶配管パイプやそれによって形成された配管枠体の流体回路、および流体散布器に対して水や消雪効率を高めるよう適温に加熱された湯等を強制的に供給可能とする機能を果たすものであり、水道圧そのものを利用して水道水を供給するものや、ポンプを用いて加圧し貯留水や地下水を汲み上げ、圧送するものとすることができる外、電力、ガス、灯油、重油、微粉炭、コークス、薪等の各種燃料を用いて流体を加熱できるものとするのが望ましく、具体的には給湯器やボイラー等とすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0031】
図1のトラス頭ネジ本体の斜視図、図2の鋭角状先端部分を平端面化したネジ本体の斜視図、図3の流通孔を穿孔したネジ本体の斜視図、図4の定着部を加工したネジ本体の斜視図、図5の流路形成チップを装着したネジ本体の斜視図、図6の流体の噴射を白抜き矢印によって示したネジ本体の斜視図、図7の工具噛合面を加工したネジ本体頭部頂面の平面図、および図8の工具噛合面を加工したネジ本体の斜視図に図示される事例は、頂面21中央にドライバー噛合用の十字形状で、頂面21に表れる形状が後記するネジ部3径よりも大きい錐状穴22が凹設された頭部2と、該頭部2座面26中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面にはタッピング用雄ネジ32が刻設されたネジ部3とを有するネジ本体11からなり、該ネジ本体11頭部2の錐状穴22中央からネジ部3先端に掛けて、外周雄ネジ部分32を除くネジ部3直径よりも小さく設定した流通孔33を縦貫、穿設する一方、該流通孔33の上端か、同流通孔33よりも上方となる本体11頭部2の十字穴22部分かの何れかまたは双方を定着部4としてネジ本体11頭部2頂面21側から嵌合させる流路形成チップ5が、当該流通孔33直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁51と錐状穴22周壁との間には同流通孔33に通じる間隙23,23,……を確保し得るように規制して本体11頭部2錐状穴22内に組み合わされてなる、この発明の螺子型ノズルにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0032】
当該螺子型ノズル1は、JIS(Japanese Industrial Standard)日本工業規格ならびにISO(International
Organization for Standardization)国際標準化機構に基づく、図1中に示すようなステンレス鋼製トラス頭タッピング螺子である例えば、ネジの呼びM4×12のネジ本体11に対し、以下のような加工を施すことによって製造されたものであって、図2中に示すように、ネジ部3の鋭角状に形成されている先端から長さ約3mmの部分をグラインダーもしくは適宜工作機械等を用いて切除し、ネジ部3軸心に略垂直状の平端面31を形成し、ネジ部3の全長を約9mmに短縮してから、ボール盤または旋盤、フライス盤等の工作機械に専用治具を用いてネジ本体11頭部2の頂面21が、図示しないドリル工具先端に対峙し、且つネジ部3の軸心とドリル工具軸心とが略一致する姿勢とするよう位置決め固定した上、図3に図1中のA−A線部分を断面化したものとして示すように、頭部2頂面21のドライバー噛合用十字形の錐状穴22中央底部から、ネジ部3先端側の平端面31の中央に掛けて直径2mmの同心円柱状の流通孔33を穿設、縦貫させたものとする。該流通孔33は、ネジ部3先端の平端面31中央から、頭部2頂面21の十字形錐状穴22中央底部に向けて穿孔、縦貫させたものとすることも可能である。
【0033】
続いて、ドリル工具を直径2.5mmのエンドミル工具に交換し、頭部2頂面21中央に深さ0.5mmの短尺円柱形相当の切り込みを入れ、実質的に錐状穴22の十字穴形状中央寄りの四角夫々を切削して、図4中に示すように、合計4箇所の円筒状内周壁41,41,……と、それらの下端に連続する段座42,42,……とを有する定着部4を形成したものとする。該定着部4は、流通孔33を穿設した後に切削、形成しているが、流通孔33を穿孔する前段階に加工することが可能である外、ドリル一体型のエンドミル工具を用いて一度の切削加工によって流通孔33ならびに定着部4を同時に形成してしまうことも可能であり、また、定着部4をプレス加工によって形成することもできる。
【0034】
直径2.5mm、深さ0.5mmの定着部4に対して、同寸法の短尺円柱状とした銅製の流路形成チップ5を、図4中の白抜き矢印に示すように嵌合状に装着し、鏨等の工具類を用いて流路形成チップ5の天面の略全体を、その底部周縁51が各段座42,42,……に達するまで打撃して、図5中に示すように、カシメ固定したものとし、頭部2の十字形錐状穴22の各四方に向かう傾斜状周壁面と流路形成チップ5との間に、図6中の白抜き矢印に示すように、流通孔33に通じる間隙23,23,……が形成され、それら各間隙23,23,……の頭部2頂面に表れる開口は、夫々縦横0.75mmの概略矩形状のノズル口24,24,……を形成するものとなっている。
【0035】
ネジ本体11頭部2は、ネジ部3の軸心を挟み180°を隔てて対峙する位置に、図7および図8中に示すように、互いに6.8mmの間隔を隔ててネジ部3の軸心に平行な一対の工具噛合面25,25を切削もしくはプレス加工によって形成したものとなっている。
【実施例2】
【0036】
図9の流体用配管パイプに螺着されたネジ型ノズルの断面図、図10の自立型流体散布器の下面図、および図11の自立型流体散布器の側面図に示される事例は、流体用配管パイプ8の複数本を、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路71を形成した配管枠体7を設け、当該配管枠体7の一側面における適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔81,81,……を穿孔し、各下孔81,81,……に対して、前記実施例1に示した螺子型ノズル1,1,……の、ネジ部3,3,……を夫々螺合、装着し、各ネジ部3,3,……先端の流通孔33,33,……を各配管パイプ8,8,……中に開口、連通させたものとしてなる、この発明の螺子型ノズルを用いた流体散布器における代表的な一実施例を示すものである。
【0037】
当該流体散布器61は、図10中に示すように、耐熱ビニル製パイプ(塩化ビニル製パイプ)である直径13mmの複数本の流体用配管パイプ8,8,……と、図示していないチーズやエルボ等とを組み合わせて縦寸法Lが1000mm、横寸法Wが1400mmの矩形外郭形状とし、その内側に横幅INの100mm毎の間隔を隔てて縦寸法L方向に平行状に配列するよう接続し、概略柵状の配管枠体7を形成すると共に、その対角線上に配置された一対の角部夫々に、バルブ付きのホース用アダプター72,72を接続し、その中一方の配管角部から対角線上反対側の配管角部に向けて流体を供給、可能とする流体回路71を形成したものとした上、該配管枠体7の外郭であって横寸法W方向の両端に該当する四隅付近の夫々には、交叉する丸パイプ同士を緊結可能なクランプ金具73,73,……を介して、図11中に示すような、長さ600ないし1000mmの支持用パイプ脚74,74,……の上端側適所を適宜角度に連結し、当該配管枠体7を略水平状に支持可能なものとしている。
【0038】
該配管枠体7は、図10中に示すように、縦寸法L方向に平行状に配管された複数本の流体用配管パイプ8,8,……夫々の軸心直下となる周壁面の、同縦寸法L方向の間隔Dが100mm置きとなる位置毎に、直径方向に貫通する直径3mm程度の下孔81,81,……を、互いに隣接する流体用配管パイプ8,8の下孔81,81,……同士が、縦寸法L方向に50mm夫々位置を変えて配管枠体7の全面に渡り、千鳥状の配置となるよう穿孔し、図9中に示すよう、各下孔81,81,……に対して螺子型ノズル1,1,……のタッピング雄ネジ部3,3,……を夫々螺合、装着したものとする。その際、各螺子型ノズル1,1,……は、図7および図8中に示した工具噛合面25,25にスパナやプライヤー等を噛合、挾持して螺着、操作することとなる。
【実施例3】
【0039】
図12の壁面設置型流体散布器の正面図、および図13の壁面設置型流体散布器の下面図に示した事例は、基本的に前記実施例2の流体散布器61と同様、複数本の流体用配管パイプ8,8,……に、図示していないチーズやエルボ等の接続用部品を組み合わせ、縦寸法Lが400mm、横寸法Wが2000mmの外郭矩形枠状とし、その内側に縦寸法L方向間隔INが100mm毎となる間隔を隔てて、横寸法W方向に平行状となるよう流体用配管パイプ8,8,……を配列すると共に、同横寸法W方向の中央における縦寸法L方向に隣接する配管パイプ8,8,……同士を、隣接するもの同士が互いに横寸法W方向に100mmずつ交互に位置を変えて配置された接続パイプ75,75,……を介して接続し、概略柵状の配管枠体7を形成した上、該配管枠体7の中央付近に位置する流体用配管パイプ8の中途適所、背面側にホース用アダプター72を突出させた状態に接続し、また、同配管枠体7の左右一方寄り下端に配置された流体用配管パイプ8の角部分付近となる中途適所には、背面側に突出された排水用のバルブ付きホースアダプター72が設けられたものとなっている。
【0040】
該配管枠体7は、図12中に示すように、全ての流体用配管パイプ8,8,……ならびにチーズやエルボ等の配管継ぎ手部分を含む範囲に渡り、その正面側となる周壁面の略中央であって液体流通方向に沿った同図12中に間隔Dで示す凡そ100mm置きとなる箇所毎に、直径方向に貫通する直径3mm程度の下孔81,81,……を穿孔し、図9中に示すよう、各下孔81,81,……に対して螺子型ノズル1,1,……を装着し、図7および図8中に示した各工具噛合面25,25にスパナやプライヤー等を噛合、挾持して回転操作し、螺着したものとする。
【0041】
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなる実施例1の螺子型ノズル1は、その製造過程において図2中に示したように、ネジ部3の鋭角状先端部分を平端面31に加工してから、図3中に示したように、流通孔33を穿孔、縦貫させたことにより、ネジ部3先端の破損やバリの発生を未然に防ぐことが可能であり、さらに、流通孔33を穿孔する前段階において該平端面31の中央に、流通孔33の直径2mmよりも僅かに大きな直径の比較的浅い擂鉢状の下穴を穿孔しておくことにより、より効果的にバリの発生を阻止可能となる。
【0042】
ネジ本体11頭部2の頂面21に、図4中に示したように、十字形錐状穴22の中央寄りとなる四角に跨る短尺円柱状に相当する定着部4を形成し、その円筒状内周壁41,41,……間に略同形状の流路形成チップ5を嵌合状に装着し、底部周縁51が段座42,42,……に達するよう工具による打撃を加えて、図5中に示すよう、カシメ止めしたことによって図6中の白抜き矢印に示すように、流通孔33を通じて供給された流体が、流路形成チップ5底部周縁51と十字形錐状穴22の傾斜状周壁面との間に形成された間隙23,23,……を通じて頂面21上方に向けて放出されることとなり、ネジ本体11の軸心周りに90°間隔を隔てた四方に向けて開口されたノズル口24,24,……の夫々から、図9中に示す錐状穴22の開き角度θに相当する約45°の角度範囲に渡り、頭部2頂面21からネジ本体11の軸心方向に向けて噴射されるものとなり、頭部2の周回り略360°の方向に散布可能なものとなる。
【0043】
図7および図8に示すように、ネジ本体11頭部2に形成された一対の工具噛合面25,25は、ノズル口24,24,……を形成するために利用不可能となった十字形錐状穴22に代わってレンチやプライヤー等を噛合、挾持させてネジ部3の螺合操作を可能とするものとなり、螺子型ノズル1の装着作業を簡便なものとし、また、ネジ本体11をステンレス鋼製とすることにより、散水に利用する際に十分な防錆を確保するものとなる上、流路形成チップ5を、ステンレス鋼製のネジ本体11よりも、軟質であって鏨等を用いた打撃によって容易に変形させることができる銅製のものとすることにより、組み立て作業性を向上すると共に、ネジ本体11頭部2の定着部4に圧入、嵌着させると、流体の噴出圧力に十分に耐える強度で定着部4に一体化されたものとなる。
【0044】
当該螺子型ノズル1を、流体用配管パイプ8の適宜間隔を隔てた複数適所に穿孔した下孔81,81,……の夫々に対し、貫通状に螺着したものとすると、図6および図9中に示したように、流体用配管パイプ8中に供給された水または温水が、ネジ本体11の流通孔33を通じてノズル口24,24,……から散布されることとなり、該流体用配管パイプ8を、例えば建築物の雨樋内や軒先周辺等に沿って設置し、図示しないボイラーや給湯器あるいは地下水を汲み上げるポンプ等の水や湯の供給源に接続することにより、軒先の氷柱や積雪を効率的に溶かすことが可能となる。
【0045】
実施例2に示した流体散布器61は、図10および図11中に示したように、縦Lが1000mm、横Wが1400mmの矩形平面柵状に形成され、複数の螺子型ノズル1,1,……が装着された下面を、四角付近に設けた支持用パイプ脚74,74,……によって600ないし1000mmの高さに略水平状に支持したものとすることにより、例えば庭等地上の積雪上所望箇所に自立状に設置した上、一方のホース用アダプター72に、図示しない給湯装置からの給湯用ホースを導いて接続し、他方のホース用アダプター72に、同給湯装置の循環用ホースを接続して温水を循環、給湯するようにして消雪装置6を形成し、各ホース用アダプター72,72のバルブを解放すると共に、該流体散布器61の流体回路71に温水を供給し、図11中の破線に示すように、温水を地上積雪に満遍無く散布することによって効果的に消雪することが可能となり、該流体散布器61の設置範囲の消雪を終えたら、手作業によって次の積雪上に移動させて消雪を続けることとなるが、移動の対象となる流体散布器7は、比較的軽量な耐熱ビニル製パイプと、同素材の接続部品との組み合わせによって形成されており、1人もしくは2人程度の少人数であっても容易に運搬、移動させることが可能なものとなっている。
【0046】
実施例3の図12および図13中に示した流体散布器61は、例えば、図14の建築物外壁面に設置した消雪装置の断面図に示すように、建築物9の窓94の下側に渡る外壁93の所定高さ位置に、鉛直状に装着、設置して図示しない給湯装置から延伸させた給油用ホースと循環用ホースとを、夫々図13中のホース用アダプター72,72に実線矢印で示すよう接続し消雪装置6を構成した上、該流体散布器61に温水を循環、供給することにより、図13ならびに図14に破線で示すように、窓94の下側範囲である犬走り92付近の積雪Sに向けて満遍無く散布され、基礎91外壁から約350mm外側の消雪範囲Tに渡り確実に消雪することが可能となる。
【0047】
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例1の螺子型ノズル1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、その製造に際してネジ本体11のタッピング用ネジ部3における先鋭状先端部分を、図2中に示すように予め切除して平端面31とすることにより、図3中に示すように、流通孔33を穿孔、縦貫させる工程においてネジ部3先端側の破損やバリの発生を防止できるものとなり、さらに、該平端面31の中央に、流通孔33よりも直径の大きな概略擂鉢型の下穴を穿設した後に、流通孔33を穿孔するようにすると、ネジ部3先端側の破損やバリをさらに確実に防止できるものとなる。
【0048】
図4中に示すように、ネジ本体11の頂面21に、深さ0.5mmの段座42,42,……を有する定着部4を形成したことにより、特別な位置決め操作をせずに流路形成チップ5を打ち込み嵌着した場合にも、図5中に示すように、錐状穴22周壁と流路形成チップ5底部周縁51との間の合計4箇所の間隙23,23,……を均一な流路として形成、確保することができるものとなり、定着部4と流路形成チップ5との間に螺合構造や熔接作業等の煩雑な加工を施さずとも高い品質を確保することができ、製造工数を削減し、経済的に生産、市場提供することができるという優れた特徴を得ることができる。
【0049】
また、図7および図8に示したように、頭部2の外周縁に形成した一対の工具噛合面25,25によって流体供給用パイプ等の螺合対象物8の下孔81に対して迅速且つ確実に螺合、装着することが可能となり、熟練作業を一切必要とせずに一般家庭においても短時間の中に螺着することができ、しかも塩化ビニル製パイプ等の比較的入手容易な配管用パイプ8,8,……と、エルボやチーズ等とを接続し、棒状、柵状あるいは格子状の流体散布器61を組み立てて、複数の螺子型ノズル1,1,……を点在状に螺着することにより、希望する寸法、形状の消雪装置6や、あるいは花壇や庭等への散水を可能とする流体散布器61等を簡便に制作、設置して利用することができるようになるという高い実用性を発揮するものである。
【0050】
実施例2の図10および図11に示したように、四角付近に取り付けられた支持用パイプ脚74,74,……によって600ないし1000mm程度の高さに水平状に支持された流体散布器61に対し、図示しない給湯装置を接続してなる消雪装置6は、該流体散布器61の面積に略相当する範囲を一度に消雪することが可能であって、しかもその略全体が耐熱合成樹脂製のパイプや接続部品類の組み合わせによって形成されていることから、1人または少人数の手によって容易に運搬移動することが可能であり、大型の消雪装置を設置せずとも、当該流体散布器61を移動させながら、広い敷地を効率的に消雪することができ、多大な労力と経費とを要する除雪作業を一切不要として格段に経済的な消雪を実現可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0051】
また、実施例3の図12ないし図14中に示した消雪装置6によれば、耐熱合成樹脂製で比較的軽量なものとして組み立てられた流体散布器61を、建築物9の窓93下側に渡る外壁93に装着することにより、脚部やスタンド類を必要とせず、しかも外壁93に大きな荷重負担を与えずに設置することができる上、外壁93直下となる基礎91付近から犬走り92上に至る約350mmの距離Tに渡る窓93下の範囲に、満遍無く湯を散布することができ、ホース用アダプター72のバルブを操作するだけで、窓93際の積雪を迅速に消雪し、室内からの眺望を確保できるようになるという従前には無い形態の融雪を実現化することができる。
【0052】
(結 び)
叙述の如く、この発明の螺子型ノズルは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従来型の路面埋設用散水ノズルに比較して格段の低価格化を実現可能であると共に、従前までに開発された螺子利用型のノズルに比べ、より広角的な液体散布を可能とする上、それを用いた流体散布器は、少人数であっても簡単に持ち運びでき、建築物壁面等にも容易に設置できる程度に十分に軽量なものとすることができ、一般的な給湯装置等を接続することによって従来型の大掛かりな地中埋設型の散水消雪装置に比較して、より簡便に且つ経済的に設置、利用できる消雪装置を提供することができることから、これまで除雪作業に要していた労力負担と経費とを大幅に削減し、より短時間の中に経済的に消雪できるようになるという秀れた効果を発揮するものとなり、その部品の入手し易さや容易な組み立て設置性等が熟練技術を持たない一般消費者にも大いに歓迎され、その高い実用性によって消雪設備や除雪機械の販売店やホームセンターおよびその施工業者等によって高く評価されて広範に利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図面は、この発明の螺子型ノズル、およびそれを用いた流体散布器ならびに消雪装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】螺子型ノズルのネジ本体となるトラス頭螺子を示す斜視図である。
【図2】ネジ部先端に平端面を形成したネジ本体を示す斜視図である。
【図3】流通孔を縦貫したネジ本体を示す斜視図である。
【図4】定着部を形成したネジ本体を示す斜視図である。
【図5】流路形成チップを嵌着したネジ本体を示す斜視図である。
【図6】螺子型ノズルの流体噴出経路を白抜き矢印で示す側面図である。
【図7】一対の工具噛合面を形成したネジ本体の頭部頂面を示す平面図である。
【図8】一対の工具噛合面を形成した螺子型ノズルを示す斜視図である。
【図9】螺子型ノズルを螺着した流体用配管パイプを示す断面図である。
【図10】自立型の流体散布器を示す下面図である。
【図11】自立型の流体散布器を示す側面図である。
【図12】壁面装着用の流体散布器を示す正面図である。
【図13】壁面装着用の流体散布器を示す下面図である。
【図14】建築物壁面に装着された流体散布器による消雪状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 螺子型ノズル
11 同 ネジ本体
2 頭部
21 同 頂面
22 同 錐状穴(十字形)
23 同 間隙
24 同 ノズル口
25 同 工具噛合面
26 同 座面
3 ネジ部
31 同 平端面
32 同 雄ネジ(タッピング用)
33 同 流通孔
4 定着部
41 同 円筒状内周壁
42 同 段座
5 流路形成チップ
51 同 底部周縁
6 消雪装置
61 同 流体散布器
7 配管枠体
71 同 流体回路
72 同 ホース用アダプター
73 同 クランプ金具
74 同 支持用パイプ脚
75 同 接続パイプ
8 流体用配管パイプ
81 同 下孔
9 建築物
91 同 基礎
92 同 犬走り
93 同 外壁
94 同 窓
L 配管枠体の縦寸法
W 配管枠体の横寸法
IN 流体用配管パイプの隣接間隔寸法
D ネジ型ノズルの隣接間隔寸法
θ ノズルの散布角度
T 消雪範囲寸法
S 積雪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとしたことを特徴とする螺子型ノズル。
【請求項2】
頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面にはタッピング用雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとしたことを特徴とする螺子型ノズル。
【請求項3】
頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面にはタッピング用雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体ネジ部先端の鋭角状部分をその軸心に略直交状に切削して平端面となし、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端の平端面に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとしたことを特徴とする螺子型ノズル。
【請求項4】
頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該本体頭部の頂面十字穴中央寄りの四角夫々に、錐状穴周壁に達しない同心円筒状内周壁と、それらに続く段座とを有する定着部を形成した上、それら筒状内周壁によって包囲される短尺円柱空間に合致するか僅かに大きな寸法、形状の流路形成チップを、その底部周縁が各段状座に達する位置まで圧入、嵌合し、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなるものとしたことを特徴とする螺子型ノズル。
【請求項5】
ネジ本体頭部は、その外周縁にネジ本体軸心を挟み平行状に対峙してなる一対もしくはネジ本体軸心周りの所定角度置き毎に配された複数対の工具噛合面を切削、形成してなるものとした、前記請求項1ないし4何れか一項記載の螺子型ノズル。
【請求項6】
ネジ本体はステンレス鋼製のものとし、流路形成チップは銅製のものとして形成された、前記請求項1ないし5何れか一項記載の螺子型ノズル。
【請求項7】
流体用配管パイプの適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を当該配管パイプ中に開口、連通させてなるものとした、前記請求項1ないし6何れか一項記載の螺子型ノズルを用いた流体散布器。
【請求項8】
流体用配管パイプの複数本を、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路を形成した配管枠体を設け、当該配管枠体の一側面における適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を各配管パイプ中に開口、連通させてなるものとした、前記請求項1ないし6何れか一項記載の螺子型ノズルを用いた流体散布器。
【請求項9】
流体用配管パイプの適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を配管パイプ中に開口、連通させ、流体用配管パイプに水または温水を供給可能な給水もしくは給湯装置を接続してなるものとした、前記請求項7に記載の流体散布器を利用した消雪装置。
【請求項10】
流体用配管パイプの複数本を、所定面積を包囲可能な概略柵状あるいは格子状等の面状枠型に組み合わせ、流体回路を形成した配管枠体を設け、当該配管枠体の一側面における適宜間隔を隔てた複数適所に、適宜直径の下孔を穿孔し、各下孔に対して、頂面中央にドライバー噛合用の十字かそれに近い形状で、頂面に表れる形状が後記するネジ部径よりも大きい錐状穴が凹設された頭部と、該頭部座面中央から同心状であって下方に向けて延伸すると共に、その外周面には雄ネジが刻設されたネジ部とを有するネジ本体からなり、該ネジ本体頭部の錐状穴中央からネジ部先端に向け、外周雄ネジ部分を除くネジ部直径よりも小さく設定した流通孔を縦貫、穿設する一方、該流通孔の上端か、同流通孔よりも上方となる本体頭部の十字穴部分かの何れかまたは双方を定着部としてネジ本体頭部頂面側から嵌合させる流路形成チップが、当該流通孔直上方向を閉鎖状にすると共に、その底部周縁と錐状穴周壁との間には同流通孔に通じる間隙を確保し得るように規制して本体頭部錐状穴内に組み合わされてなる螺子型ノズルの、ネジ部を夫々螺合、装着し、各ネジ部先端の流通孔を配管パイプ中に開口、連通させ、配管枠体に水または温水を供給可能な給水もしくは給湯装置を接続してなるものとした、前記請求項8に記載の流体散布器を利用した消雪装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−61756(P2007−61756A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252857(P2005−252857)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(505329417)有限会社 ASEAN (1)
【Fターム(参考)】