説明

螺旋流発生装置

【課題】螺旋流発生装置の作製を容易にする。
【解決手段】螺旋流発生装置10は、流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面18cを備えた円筒状容器18と、円筒状容器18に流体を供給するための供給流路と、円筒状容器18から流体を排出するための排出流路とを有する。排出流路は、円筒状容器18の外周面18aから法線方向に延びる管路24によって画定される。螺旋流発生装置10は、円筒状容器18の内周面18cに沿う流体の螺旋流F’の流れ方向と直交する方向に流体を案内して、流体を排出流路に導くガイド部材16を円筒状容器18内にさらに有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の螺旋流を発生させる螺旋流発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、螺旋流を利用することにより、複数種類の物体を混合することや、混合状態の複数種類の物体を分離することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された螺旋流発生装置は、円筒状容器と、その容器の外周面からその接線方向に延びる供給用管路と、容器内に収容された円筒状のメッシュフィルタとを有する。微粉混入ペレットが、搬送流によって供給用管路を介して容器内に供給される。微粉混入ペレットを含む気流(混合気流)は、メッシュフィルタの内部空間に入り、メッシュフィルタの内周面に沿って流れ、螺旋状に流れる(螺旋流となる)。混合気流がメッシュフィルタの内周面に沿って螺旋状に流れる際に、混合気流内の微粉はメッシュフィルタを通過し、メッシュフィルタの外部に分離される。これにより、ペレットから微粉が分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−50354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載する螺旋流発生装置のように、円筒状容器の外周面からその接線方向に延びるように管路を該円筒状容器に一体的に形成することは容易ではない。例えば、ドリルによって円筒状容器の外周面にその接線方向に貫通穴を形成し、貫通穴から接線方向に延びるように円管を流体密に円筒状容器の外周面に溶接して管路を形成することは、容易ではない。
【0006】
そこで、本発明は、管路が円筒状容器に一体的に形成される螺旋流発生装置の作製を容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、排出流路が円筒状容器の外周面から法線方向に延びる管路によって画定され、円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流の流れ方向と直交する方向に流体を案内して、流体を排出流路に導くガイド部材を円筒状容器内にさらに有する、螺旋流発生装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、排出流路が円筒状容器の中心線方向の端部の一方から円筒状容器の中心線方向に延びる管路によって画定され、円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流の流れ方向と直交する方向に流体を案内して、流体を排出流路に導くガイド部材を円筒状容器内にさらに有する、螺旋流発生装置が提供される。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、ガイド部材が、円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流の流れ方向と交差するように円筒状容器の中心側から内周面に向かって延びて、流体を排出流路に案内するガイド面を備える、第1または第2の態様に記載の螺旋流発生装置が提供される。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、ガイド部材が、ガイド面に案内されている流体の排出流路に向かう方向以外の方向への流れを規制する規制面を備える、第3の態様に記載の螺旋流発生装置が提供される。
【0011】
本発明の第5の態様によれば、円筒状容器が、内周面と同心の円管状の内側管路を備え、内側管路の外周面が、ガイド部材の規制面の一部として機能する、第3または第4の態様に記載の螺旋流発生装置が提供される。
【0012】
本発明の第6の態様によれば、流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、供給流路が円筒状容器の外周面から法線方向に延びる管路によって画定され、供給流路を流れる流体の流れ方向と直交する円筒状容器の内周面に沿う周方向に流体を案内するガイド部材を円筒状容器内にさらに有する、螺旋流発生装置が提供される。
【0013】
本発明の第7の態様によれば、流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、供給流路が円筒状容器の中心線方向の端部の一方から円筒状容器の中心線方向に延びる管路によって画定され、供給流路を流れる流体の流れ方向と直交する円筒状容器の内周面に沿う周方向に流体を案内するガイド部材を円筒状容器内にさらに有する、螺旋流発生装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、流体を排出するための排出流路を画定する管路が円筒状容器の外周面から法線方向に延びるため、円筒状容器の外周面からその接線方向に延びる場合に比べて、管路を円筒状容器に容易に一体的に形成することができる。
【0015】
また、ガイド部材が、円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流が管路に向かうように案内する。このようなガイド部材により、管路が円筒状容器の外周面から法線方向に延びていても、円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流が管路内にスムーズに流れることができる。
【0016】
したがって、螺旋流発生装置の螺旋流を発生させる機能を損なうことなく、螺旋流発生装置の作製を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る螺旋流発生装置の構成の一部を概略的に示す図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】図1のB−B線断面図
【図4】本発明の実施の形態2に係る螺旋流発生装置の構成の一部を概略的に示す図
【図5】図4のC−C線断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る螺旋流発生装置の構成の一部を概略的に示している。図2は、図1のA−A断面図であり、図3は図1のB−B断面図である。
【0019】
なお、本明細書で言う「螺旋方向」の流れや「螺旋流」は、流体が直線軸(本実施の形態の場合、後述する中心線C)を中心として旋回しつつ、直線軸方向に進行する流れを言う。また、本発明で言う「流体」は、気体や液体に限らず、流動性を備える物体を言う。
【0020】
図1〜3に示す螺旋流発生装置10は、本発明に係る螺旋流発生装置の一例であって、樹脂のペレット(粉粒体)に混入している微粉を分離するためのものである。
【0021】
図1に示すように、螺旋流発生装置10は、螺旋流を発生させるための本体12と、ペレットに混入する微粉を分離するためのフィルタ14と、螺旋流をガイドするガイド部材16とを有する。
【0022】
螺旋流発生装置10の本体12は、金属材料から作製されており、円筒状容器18と、円筒状容器18内に微粉混入ペレットを供給するための供給流路を画定する供給用管路20と、微粉が分離されたペレットを円筒状容器18の外部に排出するためのペレット用排出流路を画定するペレット排出用管路22と、微粉を円筒状容器18の外部に排出するための微粉用排出流路を画定する微粉排出用管路24とを備える。
【0023】
螺旋流発生装置10の本体12の円筒状容器18は、中心線Cを備える円筒体形状である。具体的には、円筒状容器18は、その内部空間にフィルタ14とガイド部材16とを取り付けるために、またメンテナンスのために、3つのパーツ(18−1〜18−3)に分離可能に構成されている。
【0024】
なお、図1に示す本体12の円筒状容器18は、中心線Cと直交する断面の面積が一定の形状であるが、本発明に係る円筒状容器は、中心線方向位置によって断面積が異なる形状であってもよい。
【0025】
供給用管路20は、微粉混入ペレットを円筒状容器18の内部空間に供給するためのものであって、円管から作製されている。微粉混入ペレットは、搬送流によって供給用管路20を介して円筒状容器18の内部空間に供給される。
【0026】
図2に示すように、供給用管路20の一端20aが、円筒状容器18の外周面18aに一体的に取り付けられている、例えば溶接によって接合されている。具体的には、供給用管路20は、円筒状容器18の接線方向に延びるように、円筒状容器18の外周面18aに一体的に形成されている。
【0027】
なお、ここで言う「接線方向」は、中心線Cと直交する円筒状容器18の円形断面と接する接線が延びる方向を言う。
【0028】
また、供給用管路20の内部空間と円筒状容器18の内部空間とを連絡するために貫通穴18bが、円筒状容器18に形成されている。さらに、供給用管路20は、その他端(円筒状容器18に非接続の端)20bに、微粉混入ペレットを含む搬送流F(以下、「混合気流F」と称する)を取り込むための開口20cを備えている。
【0029】
このような供給用管路20により、図2に示すように、供給用管路20を介して円筒状容器18の内部空間に流入した混合気流Fは、円筒状容器18(その内部空間の上側)の内周面18cに沿って流れることによって螺旋流となり、図1に示すようにフィルタ14の内部空間に流入する。
【0030】
このフィルタ14は、混合気流Fから微粉を分離するフィルタであって、中心線Cを備える円錐台状の円筒体である。フィルタ14は、例えばパンチングメタルから作製される。
【0031】
フィルタ14はまた、その両端に、大きさが異なる開口14a,14bを備える。フィルタ14の大きい方の開口14aは、円筒状容器18の内部空間の上側で発生した螺旋方向の混合気流Fをフィルタ14の内部空間に取り込むためのものである。一方、小さい開口14bは、微粉が分離されたペレットをフィルタ14の外部に排出するためのものであり、本体12のペレット排出用管路22に接続されている。
【0032】
また、このフィルタ14は、微粉は通過できるがペレットは通過できない大きさの複数のフィルタ孔14c(いわゆるフィルタの目)を備える。このフィルタ孔14cにより、フィルタ14の内部空間と、フィルタ14と円筒状容器18の内周面18cとの間の空間とが連絡される。
【0033】
このようなフィルタ14により、混合気流Fが開口14aから開口14bに向かってフィルタ14の内周面に沿って螺旋方向に流れ、その際にフィルタ孔14cを介して微粉がフィルタ14と円筒状容器18の内周面18cとの間の空間に分離される。微粉は、フィルタ14のフィルタ孔14cを通過した気流によって微粉排出用管路24に向かって運ばれる。一方、フィルタ14によって微粉が分離されたペレットは、開口14bを介してペレット排出用管路22の内部空間に流入する。
【0034】
このペレット排出用管路22は、微粉が分離されたペレットを円筒状容器18の外部に排出するためのものであって、円管から作製されている。また、ペレット排出用管路22は、円筒状容器18の中心線C方向の一方の端部(底側)18dに接合されており、端部18dから中心線C方向に延びている。さらに、ペレット排出出用管路22は、円筒状容器18の内周面18cと同心にその内部空間に配置されている。さらにまた、ペレット排出用管路22の内部空間と円筒状容器18の外部とを連絡する開口18eが端部18dに形成されている。
【0035】
このようなペレット排出用管路22により、フィルタ14によって微粉が分離されたペレットが円筒状容器18の外部に排出される。なお、例えば、ペレット排出用管路22の開口18eは、樹脂成形装置のペレット投入口に接続される。
【0036】
一方、フィルタ14のフィルタ孔14cを通過した微粉を含む気流F’(以下、「混合気流F’」と称する)は、円筒状容器18の内周面18cに沿って流れることによって螺旋流となり、微粉排出用管路24に向かって流れる。
【0037】
この微粉排出用管路24は、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’を外部に排出するためのものであって、円管から作製されている。図3に示すように、微粉排出用管路24の一端24aが、円筒状容器18の外周面18aに一体的に取り付けられている、例えば溶接によって接合されている。
【0038】
具体的には、微粉排出用管路24は、図3に示すように、円筒状容器18の外周面18aの法線方向に延びるように、円筒状容器18の外周面18aに一体的に形成されている。
【0039】
なお、ここで言う「法線方向」は、円筒状容器18の中心線Cと直交する方向でもある。
【0040】
また、微粉排出用管路24の内部空間と円筒状容器18の内部空間とを連絡するために貫通穴18fが円筒状容器18に形成されている。さらに、微粉排出用管路24は、その他端(円筒状容器18に非接続の端)24bに、螺旋流発生装置10の構成要素である円筒状容器18内の空気を吸引する吸引装置(図示せず)と接続するための開口24cを備えている。なお、図示されてはいないが、吸引装置に向かう混合気流F’内の微粉を捕らえて回収するためのフィルタが、開口24cと吸引装置との間に設けられている。
【0041】
円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’が、微粉排出用管路24の内部空間に流入するように、ガイド部材16が設けられている。
【0042】
説明すると、図3に示すように、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’は、円筒状容器18の外周面18aの法線方向に延びる微粉排出用管路24の内部空間に流入しにくい。微粉排出用管路24の内部空間に流入するためには、混合気流F’は、流れ方向を約90度変更しなければならない。
【0043】
そのために、ガイド部材16が設けられ、そのガイド部材16は、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’を、その流れ方向と直交する方向に案内して微粉排出用管路24の内部空間に導くように構成されている。
【0044】
具体的には、このガイド部材16は、例えばプラスチック材料から作製されており、図1や図3に示すように、円筒状容器18の内周面18cとペレット排出用管路22の外周面22aとの間に、また円筒状容器18の端部18d上に設けられている。また、ガイド部材16は、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’の流れ方向(すなわち、内周面18cの周方向)と交差するように延びるガイド面16aを備えている。
【0045】
このガイド部材16のガイド面16aは、具体的には、ペレット排出用管路22の外周面22aから円筒状容器18の内周面18c(具体的には、開口18fの混合気流F’の流れ方向に関して下流側)に延びている。また、ガイド面16aは、円筒状容器18の端部18dから中心線C方向に延びている。
【0046】
このようなガイド面16aにより、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’は、微粉排出用管路24の内部空間にスムーズに流入することができる。
【0047】
さらに、ガイド部材16は、図1や図3に示すように、スロープ面16bを備える。スロープ面16bは、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向にガイド面16aに向かって延びている。
【0048】
図3に示すスロープ面16bの場合、その一端16cから時計回り方向に延びてガイド面16aの上方を通過し、また円筒状容器18の端部18dに位置する他端16dまで延びている。
【0049】
このようなスロープ面16bにより、混合気流F’がガイド面16aに向かうように案内される。
【0050】
加えて、ガイド部材16は、図1に示すように、ガイド面16aに案内されている混合気流F’が、微粉排出用管路24に向かって流れずに、円筒状容器18の中心線C方向供給用管路20側に流れることを防止する規制面16eを備える。この規制面16eは、図3に示すように、スロープ面16bの裏側に設けられている。
【0051】
ガイド部材16の規制面16eがガイド面16aに案内されている混合気流F’の流れを規制することに関連して言えば、図1や図3に示すように、円筒状容器18の端部18dやペレット排出用管路22の外周面22aも同様の役割を果たす。円筒状容器18の端部18dは、ガイド面16aに案内されている混合気流F’が、中心線C方向底部18d側に流れることを規制する規制面として機能する。また、ペレット排出用管路22の外周面22aは、ガイド面16aに案内されている混合気流F’が、中心線Cに向かう方向に流れることを規制する規制面として機能する。
【0052】
なお、ガイド部材16が、ガイド面16aに案内されている混合気流F’の中心線C方向底部18d側方向や中心線Cに向かう方向への流れを規制する規制面を備えてもよい。
【0053】
また、ガイド部材16は、クリーニングなどのメンテナンスを容易にするために、円筒状容器18に着脱可能に構成するのが好ましい。
【0054】
本実施の形態によれば、本体12の円筒状容器18内から微粉を含む混合気流F’を排出するための微粉排出用管路24が円筒状容器18の外周面18aからその法線方向に延びるため、接線方向に延びる場合に比べて、微粉排出用管路24を円筒状容器18の外周面18aに容易に一体的に形成することができる。
【0055】
また、ガイド部材16が、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’が微粉排出用管路24内に向かうように案内する。このようなガイド部材16により、微粉排出用管路24が円筒状容器18の外周面18aからその法線方向に延びていても、円筒状容器18内を螺旋方向に流れる混合気流F’が微粉排出用管路24内にスムーズに流れることができる。
【0056】
したがって、螺旋流発生装置10の螺旋流を発生させる機能を損なうことなく、螺旋流発生装置10の作製を容易にすることができる。
【0057】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る螺旋流発生装置の構成の一部を概略的に示している。図5は、図4のC−C断面図である。
【0058】
本実施の形態2の螺旋流発生装置と、図1に示す実施の形態1に係る螺旋流発生装置10との違いは、微粉排出用管路が、本体の円筒状容器の外周面ではなく端部に設けられている点である。したがって、この異なる点を中心にして、本実施の形態2の螺旋流発生装置を説明する。
【0059】
図4に示すように、本実施の形態2の螺旋流発生装置110の微粉排出用管路124は、円管から作製されており、円筒状容器118の端部(底側)118dに、その一端が一体的に取り付けられている、例えば溶接によって接合されている。また、微粉排出用管路124は、端部118dから円筒状容器118の中心線C方向外側に延びている。さらに、微粉排出用管路124の内部空間と円筒状容器118の内部空間とを連絡するために開口118fが端部118dに形成されている。
【0060】
ガイド部材116も、図4や図5に示すように、実施の形態1のガイド部材16と同様に、例えばプラスチック材料から作製されており、円筒状容器118の内周面118cとペレット排出用管路122の外周面122aとの間に、また円筒状容器118の端部118d上に設けられている。また、ガイド部材116は、円筒状容器118の内周面118cに沿って螺旋方向に流れる混合気流(微粉を含む気流)F’の流れ方向(すなわち、内周面118cの周方向)と交差するように延びるガイド面116aを備えている。
【0061】
このガイド部材116のガイド面116aは、具体的には、ペレット排出用管路122の外周面122aから円筒状容器118の内周面118c(具体的には、開口118fの混合気流F’の流れ方向に関して下流側)に延びている。また、ガイド面116aは、円筒状容器118の端部118dから中心線C方向に延びている。
【0062】
このようなガイド面116aにより、円筒状容器118の内周面118cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’は、微粉排出用管路124の内部空間にスムーズに流入することができる。
【0063】
本実施の形態2によれば、本体112の円筒状容器118内から微粉を含む混合気流F’を排出するための微粉排出用管路124が円筒状容器118の端部118dから円筒状容器118の中心線C方向外側に延びるため、円筒状容器118の外周面118aからその接線方向に延びる場合に比べて、微粉排出用管路124を円筒状容器118の端部118dに容易に一体的に形成することができる。
【0064】
また、ガイド部材116が、円筒状容器118の内周面118cに沿って螺旋方向に流れる混合気流F’が微粉排出用管路124内に向かうように案内する。このようなガイド部材116により、微粉排出用管路124が円筒状容器118の端部118dから中心線C方向外側に延びていても、円筒状容器118内を螺旋方向に流れる混合気流F’が微粉排出用管路124内にスムーズに流れることができる。
【0065】
したがって、螺旋流発生装置110の螺旋流を発生させる機能を損なうことなく、螺旋流発生装置110の作製を容易にすることができる。
【0066】
以上、上述の2つの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されない。
【0067】
例えば、上述の実施の形態1,2のガイド部材16,116と異なる構成のガイド部材であってもよい。例えば、微粉排出用管路に向かって開口する出口と、円筒状容器の内周面の周方向に開口する入口と、出口と入口とを連絡する内部流路とを備えるガイド部材であっても、上述のガイド部材16,116と同様の機能を果たすことができる。
【0068】
また、例えば、上述の実施の形態1の場合、図2に示すように、本体12の供給用管路20は、円筒状容器18の外周面18aからその接線方向に延びるように、円筒状容器18の外周面18aに一体的に形成されているが、本発明はこれに限らない。供給用管路20も、微粉排出用管路24と同様に、図3に示すように円筒状容器18の外周面18aから法線方向に延びるように、または図4に示すように円筒状容器18の端部(天井側)から中心線C方向外側に延びるように、円筒状容器18に一体的に形成されてもよい。
【0069】
この場合も、ガイド部材16と同様のガイド部材を設ける必要がある。すなわち、供給用管路20を流れる混合気流(微粉混入ペレットを含む気流)の流れ方向と交差するように延びて、円筒状容器18の内周面18cに沿う周方向に混合気流を案内するガイド部材を設ける必要がある。
【0070】
このようなガイド部材も、上述の実施の形態1や2のガイド部材16,116のガイド面16a,116aと同様に、円筒状容器18の中心C側から内周面18cに向かって延びるガイド面を備えるのが好ましい。また、円筒状容器18の内周面18cに沿って螺旋方向にガイド面の前方から延びて、ガイド面に案内されて周方向に流れる混合気流を螺旋方向に案内するスロープ面を備えるのが好ましい。このようなガイド部材により、供給用管路20内からの混合気流が円筒状容器18の内周面18cに沿う螺旋方向の流れにスムーズに移行することができる。すなわち、供給用管路20が円筒状容器18の外周面18aにその接線方向に一体的に形成されていなくても、スムーズに螺旋流を発生させることができる。
【0071】
なお、このような供給用管路を介して供給された混合気流を案内するガイド部材の場合、円筒状容器の端部(天井側)が、ガイド面に案内されて周方向に流れる混合気流をスロープ面に案内する役割を果たす。また、円筒状容器の端部(天井側)に内周面と同心に内側管路(例えば図1にペレット排出用管路22と類似の管路)を設ければ、その内側管路の外周面も、ガイド面に案内されて周方向に流れる混合気流をスロープ面に案内する役割を果たすことができる。
【0072】
さらに、上述の実施の形態1,2の場合、本体の円筒状容器に一体的に形成されている管路は直線状であるが本発明はこれに限らない。本発明は、広義には、本体の円筒状容器に一体的に形成される側の管路の部分が、円筒状容器の外周面から法線方向に延びる、または円筒状容器の端部から該円筒状容器の中心線方向に延びるものである。
【0073】
加えて、上述の実施の形態1,2の螺旋流発生装置は、ペレットと微粉とを分離するように、混合状態の複数の物体を分離するものであるが、本発明はこれに限らない。本発明は、例えば、複数の物体を螺旋流によって混合する混合装置にも適用可能である。例えば、混合用途の螺旋流発生装置は、複数の物体を供給するための複数の供給用管路と、複数の物体の混合物を排出するための排出用管路とを有する。複数の物体それぞれは、気流とともに対応する供給用管路を介して円筒状容器に供給され、円筒状容器内で混合され、そして排出用管路を介して円筒状容器の外部に排出される。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、ペレットから微粉を分離する用途に限らず、内周面に沿う螺旋流を発生させる装置であれば適用可能である。また、気体の螺旋流に限らず、流体の螺旋流を発生させる装置にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
10 螺旋流発生装置
16 ガイド部材
18 円筒状容器
18a 外周面
18c 内周面
24 管路(供給用管路)
F’ 螺旋流(混合気流)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、
円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、
円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、
排出流路が円筒状容器の外周面から法線方向に延びる管路によって画定され、
円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流の流れ方向と直交する方向に流体を案内して、流体を排出流路に導くガイド部材を円筒状容器内にさらに有する螺旋流発生装置。
【請求項2】
流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、
円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、
円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、
排出流路が円筒状容器の中心線方向の端部の一方から円筒状容器の中心線方向に延びる管路によって画定され、
円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流の流れ方向と直交する方向に流体を案内して、流体を排出流路に導くガイド部材を円筒状容器内にさらに有する螺旋流発生装置。
【請求項3】
ガイド部材が、円筒状容器の内周面に沿う流体の螺旋流の流れ方向と交差するように円筒状容器の中心側から内周面に向かって延びて、流体を排出流路に案内するガイド面を備える、請求項1または2に記載の螺旋流発生装置。
【請求項4】
ガイド部材が、ガイド面に案内されている流体の排出流路に向かう方向以外の方向への流れを規制する規制面を備える、請求項3に記載の螺旋流発生装置。
【請求項5】
円筒状容器が、内周面と同心の円管状の内側管路を備え、
内側管路の外周面が、ガイド部材の規制面の一部として機能する、請求項3または4に記載の螺旋流発生装置。
【請求項6】
流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、
円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、
円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、
供給流路が円筒状容器の外周面から法線方向に延びる管路によって画定され、
供給流路を流れる流体の流れ方向と直交する円筒状容器の内周面に沿う周方向に流体を案内するガイド部材を円筒状容器内にさらに有する螺旋流発生装置。
【請求項7】
流体の螺旋流を発生させる円筒状の内周面を備えた円筒状容器と、
円筒状容器に流体を供給するための供給流路と、
円筒状容器から流体を排出するための排出流路とを有し、
供給流路が円筒状容器の中心線方向の端部の一方から円筒状容器の中心線方向に延びる管路によって画定され、
供給流路を流れる流体の流れ方向と直交する円筒状容器の内周面に沿う周方向に流体を案内するガイド部材を円筒状容器内にさらに有する螺旋流発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−43127(P2013−43127A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182817(P2011−182817)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】