説明

螺旋状地中熱、熱交換体

【課題】 高額な費用を必要としない利用価値の高い地中熱、熱交換体を提供し、自然エネルギー活用での温熱環境の改善を課題とする。
【解決手段】 地中熱、熱交換体を螺旋状に成形、製品とすることで設置場所により異なる条件にも容易に設置でき、浅部帯の少ない部分でも螺旋状の特徴から熱交換部は多く、設置穴の掘削深さは少なくできる。また、螺旋状熱交換体に鉄筋を組合せることで基礎杭兼用品とすることが容易にできる。以上のことから低価格で利用価値の高い地中熱、熱交換体を提供し自然エネルギーの活用で温熱環境改善の課題の解決手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
持続可能な自然エネルギーの活用を目的とする技術分野である。本発明は、地表面から外気の影響を受けにくい深さ2.5メートル以上の浅部帯の自然蓄熱体である土壌を利用季節により生じる温冷熱の過不足を平準化され温熱環境改善へ役立てようとするものであり、また、必要に応じて基礎杭としても兼用できることからも利用価値の高い技術分野である。
【背景技術】
【002】
従来の地熱利用熱交換体は、地表面より数十メートルの深部まで掘削してU字型の管を設置し、管と土壌の間げきをモルタル等で充填する施行方法の熱交換体が主であった。以上のような工法は、設置場所などの異なる条件により様々な問題点があり、高額な費用が伴うものであり、経済的に一般への普及を望めるものでもなく、また、熱交換体以外への兼用利用も困難である。さらに蓄熱体として有効である土壌も地中深度が増すほど地中熱性状の把握が困難であり、利用形態の提案についても不十分なものである。
【003】
【非特許文献1】「空気調和、衛生工学会論文集 No.61、1996年4月(垂直埋設U字管を用いた地中蓄熱型冷暖房システムの実験と解析)第45頁〜第47頁」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【004】
背景技術のような高額な費用を必要としない、また、設置場所などの異なる条件による費用の大きな変化がなく熱交換体以外への利用も容易にでき、一般に普及しやすい低価格な熱交換体を提供しようとするものであり、また、把握が困難であった地中熱性状も浅部帯の地中土壌を活用することで課題の解決をしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【005】
課題を解決するため、本発明は地中熱、熱交換体を螺旋状に成形、製品とすることで設置が容易になり、また、浅部帯の少ない部分でも有効に熱交換部を多くすることができ、掘削深さは少なくすることができる。さらに、浅部帯利用の特徴から蓄熱体である土壌の地中熱性状の把握、コントロールも容易であり、また、螺旋状に成形された熱交換体に鉄筋を組合せることで基礎杭兼用とすることが容易である。以上のことから課題を解決するための手段とするものである。
【発明の効果】
【006】
本発明の効果は、
【005】
の説明のように、螺旋状を特徴とすることでU字型と比較しても少ない部分で多くの熱交換部を持つ効果があり、また、成形し事前に製品化することで異なる設置場所にも十分対応できる効果がある。さらに、地中浅部帯を利用することで掘削探さも少なく土壌特性、地中熱性状の把握、コントロールを容易にする効果もあり、また、螺旋状熱交換体に鉄筋を組合せることで容易に基礎杭兼用とすることができるもので、地表面数十メートル深部利用と比較して高額且つ異なる条件にも費用の大きな変化のない地中熱、熱交換体を提供することで発明の効果とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【007】
本発明の利用形態を基礎杭兼用列として
【図3】
の断面図で示す。
【図面の簡単な説明】
【008】
【図1】 本発明の螺旋状熱交換専用体の斜視図
【図2】 本発明の螺旋状熱交換体と鉄筋の組合せ断面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状を特徴とする垂直埋設型地中熱、熱交換体
【請求項2】
上記熱交換体に螺旋筋と縦筋を組合せ基礎杭の鉄筋と兼用する地中熱、熱交換体
【請求項3】
螺旋状を特徴とすることから、地中の少ない部分でも熱交換部分が多くなる地中熱、熱交換体

【図3】 本発明の基礎杭兼用熱交換体使用例断面図
【符号の説明】
【009】
1 地中熱、熱交換用液体循環パイプ
2 続きへの接続端部
3 基礎杭兼用熱交換体の螺旋筋
4 基礎杭兼用熱交換体の縦筋
5 熱交換体保護兼用現地打込み基礎杭コンクリート
【図1】
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【図2】
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【図3】
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