説明

蠕動ポンプおよび該ポンプと共に用いるための濾過アセンブリシステム

【課題】微生物分析のための膜濾過技術を実行するための改良された装置、システム、および、方法を提供すること。
【解決手段】蠕動ポンプと共に用いるための濾過アセンブリ、蠕動ポンプ、アセンブリとポンプとを含むシステム、並びに、アセンブリ、ポンプ、および、システムを使用する方法を開示する。濾過アセンブリ10は、濾過されるべき流体サンプルを保持するためのサンプルリザーバ20と、サンプルリザーバと流体的に連通する流体ポート38と、サンプルリザーバと流体ポートとの間の流路中に配置されるフィルタ要素45と、フィルタ要素を支持するためのフィルタ支持面31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
膜濾過技術は国際的に認められた微生物分析のための基準技術である。この技術によれば、場合により微生物汚染を含む流体サンプルが収集膜(一般的にはフィルタ装置内に配置される)に通され、また、微生物が成長して複製できるようにするために、膜に残存する微生物が液体栄養媒体に晒される。その後、微生物の存在を決定するために、膜または栄養流体が分析される。
【0002】
[0002]従来の微生物フィルタと共に用いるためのシステムは、一般に、流体サンプルを膜に通すために膜の下流側で真空ポンプを利用し、また、システムは、流体を収集して流体が真空ポンプに入らないようにするために、膜と真空ポンプとの間に収集リザーバを含む。かかるシステムは、汚染を回避するために定期的に洗浄されて消毒されなければならない。これは、汚染が分析されるべき流体サンプルの汚染をもたらす可能性があるからである。微生物フィルタと共に用いるための他のシステムは、流体サンプルを膜に通すために内部液体ポンプを利用する。流体サンプルおよび液体栄養媒体がポンプの内部部品と接触するため、ポンプも消毒しなければならない。
【0003】
[0003]微生物分析のための膜濾過技術を実行するための改良された装置、システム、および、方法が求められている。本発明の利点は、以下に記載される説明から明らかとなろう。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の一実施形態は、濾過アセンブリを備え、蠕動ポンプと共に用いるための濾過アセンブリシステムを提供するものである。濾過アセンブリは、濾過されるべき流体サンプルを保持するためのサンプルリザーバと、サンプルリザーバと流体的に連通する流体ポートと、サンプルリザーバと流体ポートとの間の流路中に配置されるフィルタ要素と、フィルタ要素を支持するためのフィルタ支持面とを備える。該システムは、第1の端部および第2の端部を有する可撓性のチューブを更に備え、第1の端部と流体ポートとの間を流体的に連通させるために第1の端部を流体ポートに接続することができ、あるいは、第1の端部が流体ポートに接続されて、第1の端部が流体ポートと流体的に連通する。濾過アセンブリシステムの幾つかの実施形態において、濾過アセンブリは、流体密封性の嵌合状態にてサンプルリザーバを取り外し可能に且つ交換可能にカバーするカバー部材、および/または、サンプルリザーバを支持するベースを更に備える。濾過アセンブリシステムの好ましい実施形態では、濾過アセンブリがベースを更に備え、ベースが流体ポートを備え、および/または、ベースがフィルタ要素を支持するためのフィルタ支持面を備える。
【0005】
[0005]他の実施形態では、濾過アセンブリシステムと共に用いるための蠕動ポンプが提供される。蠕動ポンプは、ヘッドハウジングと、少なくとも2つのシューまたはローラを備える回転可能なロータと、可撓性のチューブを受けるのに適したチューブホルダとを備える蠕動ポンプヘッドであって、可撓性のチューブが外径を有し、シューまたはローラがホルダ内に配置される可撓性のチューブを圧縮するように構成されており、可撓性のチューブが使い捨て可能な濾過アセンブリの流体ポートと流体的に連通し、流体ポートが外径を有するとともに使い捨て可能な濾過アセンブリのサンプルリザーバと流体的に連通し、流体ポートが濾過アセンブリのフィルタ要素を通過する濾過液を受けるように構成されている蠕動ポンプヘッドと、ポンプヘッドと連結し、ロータを回転させるように構成されているモータと、モータを受けるポンプハウジングであって、ポンプハウジングカバーを備え、該カバーが、(i)略平坦な濾過アセンブリ受け部と、(ii)受け部のスロットとを含み、スロットが少なくとも使い捨て可能な濾過アセンブリの流体ポートの外径と同じ大きさの隙間を含み、該隙間も可撓性のチューブを著しく圧縮することなくチューブの外径と同じ大きさであるポンプハウジングとを備える。この蠕動ポンプは、サンプルリザーバ、フィルタ要素、流体ポート、および、可撓性のチューブを通過する流れ方向で流体を引き込むように構成され、また、反対方向の流体流れは許容しない。
【0006】
[0006]汚染微生物を含む可能性がある流体を処理するための本発明の一実施形態に係る方法は、濾過アセンブリの下流側にあって可撓性のチューブを介して濾過アセンブリと流体的に連通する蠕動ポンプを動作させるステップであって、濾過アセンブリが、サンプルリザーバと、フィルタ要素と、流体ポートとを備え、サンプルリザーバが場合により汚染微生物を含む流体を収容する、ステップを含む。蠕動ポンプを動作させるこのステップは、可撓性のチューブを圧縮して開放する工程と、反対方向の流体流れを許容することなく、サンプルリザーバ、フィルタ要素、流体ポート、および、可撓性のチューブを通過する流れ方向で流体を引き込む工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明に係る蠕動ポンプの一実施形態を示している。図1Aは、モータと係合されるポンプヘッドと、濾過アセンブリの流体ポートを受けるための及び/または流体ポートに取り付けるためのアダプタを受けるためのスロットを含むポンプハウジングとを示す、蠕動ポンプの分解図である。
【図1B】本発明に係る蠕動ポンプの一実施形態を示している。図1Bは組み立てられたポンプの斜視図である。
【図2A】例示されるポンプヘッドを示し、図2Aは閉塞時のポンプヘッドを示している。
【図2B】例示されるポンプヘッドを示し、図2Bは開放時のポンプヘッドを示している。
【図3A】本発明に係る蠕動ポンプの一実施形態と係合される本発明に係る濾過アセンブリシステム(濾過アセンブリと取り付けられたチューブアダプタとを備える)の一実施形態を示している。図3Aは斜視図を示している。
【図3B】本発明に係る蠕動ポンプの一実施形態と係合される本発明に係る濾過アセンブリシステム(濾過アセンブリと取り付けられたチューブアダプタとを備える)の一実施形態を示している。図3Bは断面図を示している。
【図4】それぞれが濾過アセンブリと取り付け可能なチューブとを備える本発明に係る濾過アセンブリシステムの2つの例示的な実施形態の斜視図を示している。
【図5】本発明で用いる典型的な濾過アセンブリの等角投影図を示している。
【図6】図5に示される濾過アセンブリの垂直断面図である。
【図7】図5に示される典型的なベースの上等角投影図である。
【図8】濾過アセンブリの流体ポートに取り付けるためのアダプタの一実施形態を示し、可撓性のチューブがアダプタに取り付けられ、アダプタおよびチューブがパッケージ内でシールされる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0015]真空ポンプまたは内部液体ポンプを含む従来のシステムとは異なり、本発明は、それぞれが微生物汚染(例えば、サンプリングされるべき流体の汚染をもたらす)が生じ得る想定し得る分岐点である部品同士の間の接続部の数を減少させ、有益である。したがって、流体経路が簡略化される。
【0009】
[0016]他の利点は、蠕動ポンプが流体により湿潤されないので、蠕動ポンプの汚染の危険を伴うことなく、本発明に係る流体により湿潤される部品の全て、すなわち、濾過アセンブリを、より重要なことには、チューブアダプタ(設けられている場合)およびチューブを容易に取り外すことができるという点である。これに対し、従来のシステムにおける流体により湿潤される(あるいは、場合により湿潤される)部品は、汚染物残留の危険を高める真空ポンプまたは内部液体ポンプを含み、そのため、オートクレーブ浄化(真空システム)またはシステムを通じた浄化流体の圧送(内部液体ポンプシステム)などの別個の衛生手続きを要する。
【0010】
[0017]これに代えて或いはこれに加えて、他の利点は、以下のうちの1つ以上、すなわち、
(a)チューブ/チューブアダプタをパッケージの状態で予め殺菌して供給することができ、そのため、検査間の衛生手続きが不要である、
(b)流体接触部品が濾過アセンブリの下流側であまり必要とされず、例えば、短い長さのチューブ(アダプタを伴う或いは伴わない)を使用して本発明を実施することができ、一方、従来のシステムは、例えば、マニホールドアセンブリ、フラスコ、真空ポンプ、フラスコと真空ポンプとの間のフィルタ、並びに、マニホールドアセンブリをフラスコに接続する、フラスコをフィルタに接続する、および、フィルタを真空ポンプに接続する別個のチューブを含む、
(c)蠕動ポンプが濾過アセンブリの収集フィルタへの任意の逆流を防止する、
(d)従来のシステムと比べてフットプリントを最小限に抑えつつ本発明を実施でき、これは、幾つかの環境で、例えばスペースの値段が非常に高い正圧フード内で特に望ましい、
のうちの1つ以上を含む。
【0011】
[0018]本発明の一実施形態は、濾過アセンブリを備える蠕動ポンプと共に用いるための濾過アセンブリシステムであって、濾過アセンブリが、濾過されるべき流体サンプルを保持するためのサンプルリザーバと、流体密封性の嵌合状態にてサンプルリザーバを取り外し可能に且つ交換可能にカバーする随意的なカバー部材と、サンプルリザーバと流体的に連通する流体ポートと、サンプルリザーバと流体ポートとの間の流路中に配置されるフィルタ要素と、フィルタ要素を支持するためのフィルタ支持面とを備え、システムが第1の端部および第2の端部を有する可撓性のチューブを更に備え、第1の端部と流体ポートとの間を流体的に連通させるために第1の端部を流体ポートに接続することができ、あるいは、第1の端部が流体ポートに接続されて、第1の端部が流体ポートと流体的に連通している、濾過アセンブリシステムを提供する。濾過アセンブリシステムの幾つかの実施形態では、濾過アセンブリがサンプルリザーバを支持するベースを更に備える。濾過アセンブリシステムの好ましい実施形態では、濾過アセンブリがベースを備え、ベースが流体ポートを備え、および/またはベースがフィルタ要素を支持するためのフィルタ支持面を備える。
【0012】
[0019]他の実施形態では、濾過アセンブリシステムと共に用いるための蠕動ポンプが提供され、該蠕動ポンプは、ヘッドハウジングと、少なくとも2つのシューまたはローラを備える回転可能なロータと、可撓性のチューブを受けるのに適したチューブホルダとを備える蠕動ポンプヘッドであって、可撓性のチューブが外径を有し、シューまたはローラがホルダ内に配置される可撓性のチューブを圧縮するように構成されており、可撓性のチューブが使い捨て可能な濾過アセンブリの流体ポートと流体的に連通し、流体ポートが外径を有するとともに使い捨て可能な濾過アセンブリのサンプルリザーバと流体的に連通し、流体ポートが濾過アセンブリのフィルタ要素を通過する濾過液を受けるように構成されている蠕動ポンプヘッドと、モータと、モータを受けるポンプハウジングとを備える。モータは、ポンプヘッドと連結し、ロータを回転させるように構成されている。ポンプハウジングは、ポンプハウジングカバーを備え、該カバーが、(i)略平坦な濾過アセンブリ受け部と、(ii)受け部のスロットとを含み、スロットが少なくとも使い捨て可能な濾過アセンブリの流体ポートの外径と同じ大きさの隙間を含み、該隙間も可撓性のチューブを著しく圧縮することなくチューブの外径と同じ大きさである。この蠕動ポンプは、反対方向の流体流れを許容することなく、サンプルリザーバ、フィルタ要素、流体ポート、および、可撓性のチューブを通過する流れ方向で流体を引き込むように構成されている。
【0013】
[0020]場合により汚染微生物を含む流体を処理するための本発明の一実施形態に係る方法は、濾過アセンブリの下流側にあって可撓性のチューブを介して濾過アセンブリと流体的に連通する蠕動ポンプを動作させるステップであって、濾過アセンブリが、サンプルリザーバと、微生物収集フィルタ要素と、流体ポートとを備え、サンプルリザーバが場合により汚染微生物を含む流体を収容するステップを備え、ポンプを動作させるステップは、可撓性のチューブを圧縮して開放する工程と、反対方向の流体流れを許容することなく、サンプルリザーバ、フィルタ要素、流体ポート、および、可撓性のチューブを通過する流れ方向で流体を引き込む工程とを備える。
【0014】
[0021]以下、本発明のそれぞれの部品について更に詳しく説明する。ここで、同様の部品は同様の参照符号を有する。
【0015】
[0022]本発明によれば、一般的な参照のために図1Aおよび図1Bを使用すると、時としてローラポンプと称される蠕動ポンプ500は、可撓性のチューブ内に収容される流体を移動させる容積移送式ポンプである。ポンプは(図2Aおよび図2Bに詳しく示されるように)ハウジング401と回転可能なロータ410とを含むポンプヘッド400を含み、回転可能なロータ410は、一般的にはロータの外周またはその近傍に取り付けられる2つ以上(例えば、2〜12個)のシューまたはローラ411を含む(シューまたはローラをロータと一体にできる)。図示のポンプヘッドはピンチブロック402とチューブホルダ403とを含む。望ましい場合には、ポンプヘッドハウジングは、例えばポンプが動作される間にロータをカバーするためのカバー420を含むことができる。一般に、ピンチブロックおよびチューブホルダは、異なる直径のチューブを受け入れることができる(図示の実施形態では、ピンチブロックおよびハウジングの切り欠きがチューブホルダを形成し、また、チューブを受け入れるための他の適した構成が当技術分野において公知である)。様々なポンプヘッドが、本発明で用いるのに適しており、当技術分野において公知である。
【0016】
[0023]図1Aに示されるように、ポンプは、ロータを回転させるモータ450(好ましくは、非可逆モータ、または、逆転できないようにプログラム可能なモータ)も含み、ロータが回転すると、チューブの一部は、チューブを閉塞して流体をチューブを通じて移動させるシューまたはローラにより圧縮される。シューまたはローラが通過した後、チューブが開放する。これは時としてチューブ回復またはチューブ復元と称される。ロータは、該ロータが回転するときにチューブを閉塞する複数のシューまたはローラを有する(これにより、ポンプが動作される間、チューブの一部が常に閉塞される)ため、一方向で流体流れが生じ、逆行する流体流れが防止される。様々なモータが、本発明で用いるのに適しており、当技術分野において公知である。
【0017】
[0024]本発明によれば、参照のために図3Aおよび図3Bを使用すると、蠕動ポンプ500は、サンプルリザーバとフィルタ要素と流体ポートとを備えるフィルタアセンブリの下流側に配置され、流体ポートには可撓性のチューブが取り付けられ、該チューブがポンプヘッド400内に配置され、ポンプは、反対方向の流体流れを許容することなく、サンプルリザーバ、フィルタ要素、流体ポート、および、可撓性のチューブを通過する流れ方向で、場合により微生物汚染を含む流体サンプルを引き込むように構成されている。
【0018】
[0025]図1Aおよび図1Bに例示的に示されるように、ポンプ500は、好ましくはモータを受けるためのポンプハウジング200も含む。一般に、ポンプハウジングはポンプハウジングカバー210を備え、該カバーは、(i)略平坦な濾過アセンブリ受け部220と、(ii)受け部のスロット230とを含み、スロットが少なくとも濾過アセンブリの流体ポートの外径と同じ大きさの隙間を含み、該隙間も可撓性のチューブを著しく圧縮することなくチューブの外径と同じ大きさである。
【0019】
[0026]また、ポンプはモータのための電源(例えば、交換可能なバッテリまたはバッテリパック)を含むこともでき、および/または、ポンプは、電源、例えば電源コンセントに対してモータを取り付けるための電源コードを含むことができる。図1Aは、電源550がバッテリパックを備える実施形態を示している。
【0020】
[0027]一般に、プログラム可能なポンプは、以下のうちの1つ以上、すなわち、スイッチ、キーパッド、電源表示器、バッテリ充電表示器、回路基板、ロータ速度表示器、モータ制御器、rpmセンサのうちの1つ以上の更なる部品を含む。幾つかの用途では、位置的なモータ制御器および/またはrpmセンサを使用するポンプが、流体の正確な所定量が重要な用途のために測定されて制御されるべき用途において特に望ましい。適したポンプは、プログラム可能な「スマートポンプ」も含む。
【0021】
[0028]適した電源、電源コード、および、更なるポンプ部品は当技術分野において公知である。
【0022】
[0029]本発明で用いるのに適した濾過アセンブリは、サンプルリザーバと、流体流れポートと、サンプルリザーバと流体ポートとの間の流体流路中に配置されるフィルタ要素とを備え、それにより、濾過されるべき流体は、リザーバから、フィルタ要素および流体ポートを通過する。一般に、アセンブリは、例えばサンプルリザーバを支持するベースを更に備え、この場合、ベースが流体ポートを備える。これに代えて或いはこれに加えて、ベースがフィルタ要素を支持するためのフィルタ支持面を備えることができ、および/または、アセンブリは、フィルタ要素よりも多孔性があり且つメッシュ、スクリーン、紙、または、織物の層などのフィルタ要素に対して機械的な支持を与える中間支持部材を更に備えることができる。リザーバおよびベースは、例えば濾過後にフィルタ要素をアセンブリから除去することが望ましい場合には取り外し可能に係合されることが好ましい。
【0023】
[0030]濾過されるべき流体を保持するためのサンプルリザーバと、流体流れポートと、サンプルリザーバと流体ポートとの間の流体流路中に配置されるフィルタ要素とを備え、濾過されるべき流体がリザーバからフィルタ要素および流体ポートを通過するように構成されている適正な濾過アセンブリとしては、米国特許第4,468,321号、第6,358,730号、および、第6,913,152号、米国特許出願公開第2004/0063169号に開示される濾過アセンブリ、並びに、Magnetic Funnel FiltersとしてPall社(ニュ−ヨーク州のポートワシントン)から入手できる装置、および、商品名MicroFunnel(商標) Filter Funnel,MicroFunnel(商標) Plus Filter Funnel,MicroFunnel(商標) ST Disposable Filter Funnelの下で利用できる装置が挙げられるが、これらに限定されない。本発明によれば、可撓性のチューブは、濾過アセンブリシステムを形成するために濾過アセンブリの流体ポートに取り付けられる。
【0024】
[0031]それぞれが可撓性のチューブ100と連通する濾過アセンブリ10を含む本発明に係る濾過アセンブリシステム1000の例示的な実施形態が図3A、図3B、図4に示されている。
【0025】
[0032]幾つかの実施形態では、チューブが別個に設けられて使用前にアセンブリに接続される。チューブが濾過アセンブリのポートに一体的に取り付けられず、チューブがその後に使用前に濾過アセンブリに取り付けられる1つの実施形態において、チューブの一端部は、ポートと流体密封的に係合できる継手などのアダプタを更に取り付けて備える。図3B、図4、図8に例示的に示されるように、中空の継手150がチューブ100の一端部100aに取り付けられ(チューブ100は端部100a、100bを有する)、また、継手を使用前に濾過アセンブリのポート38と流体密封的に係合させることができる。継手は少なくとも1つの外側に面する突出部を含むことが好ましく、それにより、例えば、突出部が略平坦な濾過アセンブリ受け部220よりも上側(または下側)にある状態で継手の一部がポンプハウジング200の隙間230内に配置されると、継手が大きく下方へ(あるいは、上方へ)移動することが防止される。チューブ100の一端部100aに取り付けられる図3B、図8に示される典型的な継手150は、継手が隙間230内に配置されるときに大きな下方移動および大きな上方移動の両方を防止するように構成されている2つの軸方向に離間される外側に面する突出部151、152を備える。
【0026】
[0033]本発明で用いるのに適した1つの典型的な濾過アセンブリ10が図5から図7に更に詳しく示されている。図5および図6に示される濾過アセンブリ10は、サンプルリザーバ20と、サンプルリザーバ20の下端と取り外し可能に係合できてもよいベース30とを含む。サンプルリザーバ20は外壁21と内壁27とを含むチャンバ22を画定し、また、チャンバ22は、濾過されるように構成されている流体サンプル(場合により汚染微生物を含む)を収集して保持するために使用されてもよい。図示のアセンブリにおいて、ベース30は、サンプルリザーバ20を支持する役目を果たすとともに、流体ポート38を含む。サンプルリザーバ20と流体ポート38との間の流体流路中にはフィルタ要素45が配置され、それにより、濾過されるべき流体サンプルが、リザーバから、フィルタ、流体ポート、および、可撓性のチューブ100を通過するように構成されている。使用時には、随意的なカバー部材50がサンプルリザーバ20の上端と取り外し可能に係合できるのが好ましく、カバー部材は、該カバー部材50とサンプルリザーバ20との間に流体密封性のシールを形成する。図5、図6に示されるこの例示的なアセンブリにおいて、カバー部材50は、ガス(例えば、空気)の通過を許容するが液体または微生物の通過を防止する疎液性要素72を備える随意的な通気孔70を含む。しかしながら、通気孔70は、存在する場合には、カバー部材50と関連付けられる必要はなく、例えばサンプルリザーバ20の壁(例えば、外壁21または内壁27)と関連付けられてもよい。
【0027】
[0034]サンプルリザーバ20は、濾過されるように構成されている所望量のサンプル流体を保持できるようにする任意の構造を有してもよい。図示のアセンブリにおいて、サンプルリザーバ20は、略円筒状であるとともに、その上端および下端が開放している。サンプルリザーバ20は、サンプル流体のためのサンプルリザーバ20の外周を画定する外壁21と、リザーバ20の内周を画定する内壁27とを有する。外壁21は、円形横断面形状を有するとともに、その上端からその下端へ直線的に減少する内径(内壁27によって与えられる)を有してもよい。外壁21および内壁27の形状は重要ではなく、直径がその高さにわたって変化する必要はない。例えば、横断面形状が多角形であってもよく或いは非円形の湾曲形状を成していてもよく、また、サンプルリザーバ20の内径または他の寸法は、一定であってもよく、あるいは、サンプルリザーバ20の高さにわたって任意の所望の態様で変化してもよい。サンプルリザーバ20は、収集されるサンプル流体の量を測定する際にユーザを補助するためのグラデーションをその内面または外面に含んでもよい。
【0028】
[0035]図5および図6に示される例示的な濾過アセンブリ10はカバー部材50を含むが、カバー部材は任意である。図6に最も良く示されるカバー50の一例は、サンプルリザーバ20の上端の上に取り外し可能に嵌合するように形成される。カバー50は、サンプルリザーバ20の上端と様々な態様で係合してもよい。例えば、カバーおよびサンプルリザーバは、スナップ取り付け、バヨネット取り付け、ねじ螺合、圧入、または、隙間嵌めによって互いに係合してもよい。しかしながら、好ましくは、係合がカバーとリザーバとの間に流体密封性のシールを与え、また、係合は、カバー50がサンプルリザーバ20から落下することなく、依然としてカバー50をサンプルリザーバ20から容易に取り外すことができるようにしつつ、濾過アセンブリ10を取り扱って輸送できるようにサンプルリザーバ20からのカバー50の外れに対して何らかの抵抗を与えるように構成されている。また、カバー部材50は、例えばカバー部材50およびベース30が共にペトリ皿の一部として使用されるように構成されているときにベース30に取り外し可能に接続できるように形成されてもよい。
【0029】
[0036]図5および図6に示される例示的な濾過アセンブリ10は、通気孔を含むことが随意的ではあるが、少なくとも1つの、好ましくは複数のポート74と疎液性要素72とを備える少なくとも1つの通気孔70を含む。通気孔を含むことにより、カバー50を取り外すことなく、濾過されるべき流体を濾過アセンブリ10から引き出すことができる。
【0030】
[0037]図5および図6に示される例示的なアセンブリでは、カバー50が随意的な通気孔70を含み、通気孔が5つのポート74を含む。通気孔70を通過する流路中に配置される疎液性要素72は、想定し得る外部環境汚染物質、例えば微生物、液体、塵埃などのサンプルリザーバ20内への流入を防止するが、サンプルが収集されてカバー50がリザーバ20と流体密封的に係合された後においては空気のポート74を通じたサンプルリザーバ20内への流入を許容する。当技術分野において知られるように、要素72は、濾過アセンブリに対して、例えばカバー50および/またはサンプルリザーバ20の壁に対して取り付けることができる。
【0031】
[0038]一般に、疎液性要素72は、細孔構造を有し、例えば、孔サイズ(例えば、沸点によって、或いは例えば米国特許第4,340,479号に記載されるKによって明らかである)、孔径、孔比率、または、微生物の通過を減らし、それにより好ましくはバクテリアの通過を減らす微粒子捕捉効率(例えば単分散フタル酸ジオクチル(DOP)煙試験 (ASTM D2986−71またはASTM D 2986−95a)に記載される)を有する。例えば、幾つかの実施形態において、疎液性要素72は、約2.0マイクロメートル以下、または、約1.0マイクロメートル以下の孔径を有する。あるいは、幾つかの実施形態において、疎液性要素72は、少なくとも約0.2ミクロン(μm)以上の直径を有する粒子の少なくとも約99.9%を除去し、あるいは、疎液性要素は、少なくとも約0.3ミクロン(μm)以上の直径を有する粒子の少なくとも約99.97%を除去する。例示的に、一実施形態では、疎液性要素が、少なくとも約0.03%の10.5ft/分ガス流において0.3μmの単分散フタル酸ジオクチル(DOP)煙透過率(例えば、ASTM D2986−71によって測定される)を有する。
【0032】
[0039]疎液性要素は、微多孔膜(例えば、Pall Life Science(ミシガン州のアナーバー)およびPall社(ニューヨーク州のイーストヒル)から市販されている)、または、多孔質プラスチック部材、例えば、Porex社(ジョージア州のフェアバーン)から市販されるPOREX(登録商標)多孔質プラスチック部品などの任意の望ましいタイプを成すことができる。好ましくは、疎液性要素が疎水性微多孔膜を備える。細菌遮断細孔構造を有する要素を含む適した疎液性要素は市販されている。
【0033】
[0040]図示のアセンブリでは、通気孔70がサンプルリザーバ20の内部に面するカバー50の表面上に配置されるが、随意的な通気孔が他の場所に配置されてもよい。例えば、通気孔をサンプルリザーバ20の外壁21または内壁27の壁中あるいは壁上に配置することができ、あるいは、通気孔がカバーの他の部分中または他の部分上にあってもよい。また、通気孔が任意の適した数のポートを含むことができ、また、ポートが任意の適した内径を有することができる。
【0034】
[0041]使用前、通気孔70は、例えば要素72を使用前に望ましくない材料(例えば、滅菌剤)に晒さないように、取り外し可能な要素で覆われてもよい。通気孔70は、例えばステッカー、ラベルまたはシール、および/または、更なるカバー部材を含む任意の適した材料を使用して覆われてもよい。通気孔70を覆うステッカーは、取り外しに対する何らかの抵抗を与えるが依然として容易な取り外しを可能にする接着剤を利用するのが好ましい。ステッカーは、通気孔70のみを覆うように寸法付けられてもよく、あるいは、通気孔の領域を越えて延びてもよい。ステッカーは、事前に印刷された証印を含んでもよく、および/または、ユーザがその上にマークする或いは書くことができる材料を備えてもよい。これに加えて或いはこれに代えて、更なるカバー部材が、様々な態様で、サンプルリザーバ20とベース30とカバー50とに対して前述した様々な緊密度を伴って、カバー50と係合してもよい。また、更なるカバー部材は、ベース30の上端の上に嵌合するように形成され、それにより、更なるカバーおよびベース30が協働してペトリ皿を形成できるようにしてもよい。
【0035】
[0042]図5および図6に示される例示的なアセンブリにおいて、通気孔70を含むカバー50はディスク形状プレート61を備え、このプレートは該プレート61の外周から突出するタブ67を含む。カバー50は、ディスク形状プレート61の外周全体にわたって形成される連続環状逆チャネル62を含む。図6に更に詳しく示されるように、逆チャネル62は、ディスク形状プレート61の上面から上方に延びる内壁と、内壁の上縁にわたってディスク形状プレート61の中心から外側に延びる略直角な張出部と、直角張出部から下方へ延びる外壁とを備えることが好ましい。参照のために図6に示されるアセンブリを使用すると、逆チャネル62とサンプルリザーバ20の上端の外周全体にわたって形成される径方向外側リップ23との間にスナップ嵌合が形成される。外壁は径方向内側膨出部66を有する。弛緩(応力がかからない)状態で膨出部66において測定される逆チャネル62の外径は、弛緩状態のリップ23におけるサンプルリザーバ20の外径よりも小さく、そのため、リップ23が膨出部66を越えて上方へ付勢されると、膨出部66がサンプルリザーバ20とカバー50との離脱に抵抗する。カバー50とサンプルリザーバ20との間の係合が様々な緊密度を有してもよい。例えば、係合がシールを形成することなく離脱に対する何らかの抵抗を与えるのに十分であってもよく、あるいは、好ましくは、係合が2つの部材間で流体密封性のシールを行なう。
【0036】
[0043]前述したように、カバーは任意である。しかしながら、カバー50とサンプルリザーバ20との間の流体密封性のシールは、濾過前の流体サンプルの収集および/または一時的な保管のためにサンプルリザーバ20が使用されるように構成されている場合に都合良い。例えば、工場および流体処理施設では、工場または施設の一部で流体サンプルを収集し、その後、工場または施設の異なる部分にある分析用の実験室へサンプルを運ぶのが一般的である。そのようなケースでは、カバー50とサンプルリザーバ20との間に流体密封性のシールを設けること(および、通気孔の形態)により、こぼれ或いは汚染の虞を伴うことなく、サンプルリザーバ20内の流体サンプルを1つの場所から他の場所へ運ぶことができる。タブ67を設けると、例えばサンプルをサンプルリザーバ内へ導入するためのリザーバ20からのカバー50の離脱が容易になる。流体密封性のシールは、任意の適した手段によって形成できるが、好ましくはOリングまたはガスケットなどの別個のシール部材の使用を必要としない手段によって形成できる。図示の実施形態では、逆チャネル62により流体密封性のシールがカバー50とサンプルリザーバ20との間で得られる。弛緩状態における逆チャネル62の内径は、弛緩状態におけるサンプルリザーバ20の上端の内径よりも大きく、そのため、サンプルリザーバ20のリップ23が逆チャネル62内に配置されると、サンプルリザーバ20の上端が逆チャネル62の内壁によって逆チャネル62の外壁へ向けて径方向外側に付勢される。それにより、サンプルリザーバ20の上端が逆チャネル62と密に接触させられ、その結果、カバー50とサンプルリザーバ20との間にはサンプルリザーバ20の全周にわたって流体密封性のシールが形成される。
【0037】
[0044]図示の濾過アセンブリでは、アセンブリがベース30を含む。ベース30は、サンプルリザーバ20のための支持を行なうことが好ましい。また、ベース30は流体ポートおよび/またはフィルタ支持面31を含んでもよい。例示的なベース30の上等角投影図である図7に示されるように、図示のベース30はフィルタ支持面31と流体ポート38とを含む。図示のフィルタ支持面31は、ベース30の底部内面33から上方へ延びる複数の突起32の上面によって画定される。突起32は互いに離間されており、それにより、フィルタ要素45を通過した濾液が突起32間を流れて流体ポート38を通じて流出できる。流体ポート38の内部を突起32を含むベースの領域と接続するために、濾液のための1つ以上の排出開口39がベース30の中心にある突起32に形成される。
【0038】
[0045]図示のアセンブリにおいて、ベース30は例えば射出成形によって形成される一体部材であり、その場合、フィルタ支持面31がベース30の他の部分と一体形成されている。しかしながら、ベース30が複数の別個に形成される部品を備えることも想定し得る。例えば、フィルタ支持面31は、ベース30の内部に取り外し可能に設置されてフィルタ要素45を支持できる上面を有する有孔板、多孔板、スクリーン、または、メッシュを備えてもよい。
【0039】
[0046]図示のフィルタ支持面31は、平坦であるが、それが濾過のためのフィルタ要素45を支持できるようにする任意の形状を有してもよい。例えば、フィルタ支持面31は皿形状、アーチ形状、または、波形状であってもよい。
【0040】
[0047]図示のアセンブリにおいて、フィルタ支持面31は、フィルタ支持面31の外周から上方へ延びる円形壁34によって取り囲まれ、また、複数の径方向突起35が壁34の上に形成される張出部から上方へ延びる。この場合、各突起35の垂直径方向内面は壁34と面一である。壁34および突起35は、フィルタ支持面31上に配置されるフィルタ要素45を取り囲んで位置決めする役目を果たす。
【0041】
[0048]フィルタ支持面31はベース30の部品として示されているが、支持面はそのように限定されない。フィルタ支持面31はサンプルリザーバ20内に形成されて配置されてもよい。例えば、サンプルリザーバ20がその下端で完全に開放する代わりに、サンプルリザーバがフィルタ要素45を支持するための有孔底面を有してもよい。あるいは、例えばフィルタが自立している場合には、フィルタ支持面31が完全に省かれてもよい。
【0042】
[0049]濾過アセンブリ10は、チューブが取り付けられないときには支持されることなく水平面上に直立することができる。一例において、ベース30は、テーブル上または他の水平面上にベース30を支持するためにその全周にわたって延びる外壁41を含む。しかしながら、複数の脚部などの連続壁以外の部材を使用してベースを支持することもできる。あるいは、ベース30は、自立していなくてもよく、また、単独で直立しない形状を有してもよい。例えば、ベース30の底部が漏斗のように形成されてもよい。
【0043】
[0050]サンプルリザーバ20およびベース30は様々な形態を有してもよい。一実施形態において、サンプルリザーバ20およびベース30は、別個に形成されて互いに取り外し不能に接続されてもよく、あるいは、単一部材として形成されてもよい。他の例では、濾過アセンブリ10がベース30を含まなくてもよい。しかしながら、一例において、サンプルリザーバ20は、例えばフィルタ要素45を取り外すためにベース30をサンプルリザーバ20から分離できるように、或いはベース30をペトリ皿の一部としてサンプルリザーバ20から分離して使用できるように、ベース30と取り外し可能に係合される。
【0044】
[0051]サンプルリザーバ20とベース30との間の係合態様は、該係合がOリングやガスケットなどのシール部材を必要とすることなく流体密封性のシールを形成するが、サンプルリザーバ20およびベース30を手で互いから容易に取り外すことができるように構成されていることが好ましい。また、サンプルリザーバ20の下端も、サンプルリザーバ20とフィルタ支持面31上に配置されるフィルタ要素45の上面との間に流体密封性のシールが形成され、それにより、サンプルリザーバ20からの流体がサンプルリザーバ20とフィルタ要素45との間で流れることによってフィルタ要素45を迂回しないように形成されることが好ましい。
【0045】
[0052]サンプルリザーバ20とベース30との間の緊密なシール接触をベース30の内周全体にわたって与える任意のタイプの取り外し可能な係合を使用して、2つの部材を取り外し可能に係合させることができれば有益である。例えば、サンプルリザーバ20とベース30との間に締り嵌めが存在し、それにより、径方向の力がサンプルリザーバ20の外周面をベース30の対向する外周面にシール接触させてもよく、あるいは、濾過アセンブリ10の軸方向に作用する圧縮力によってサンプルリザーバ20およびベース30の対向する表面が互いにシール接触させられてもよく、および/または、リザーバおよびベースがそれぞれ磁石を含むことができ、リザーバとベースとが組み付けられるときに磁石が互いに隣接して、磁石の吸引力がフィルタ要素をリザーバとベースとの間でシール状態で挟持する。図示のアセンブリにおいて、サンプルリザーバ20およびベース30は、サンプルリザーバ20の外周面とベース30の内周面との間に流体密封性のシールをもたらす締まり嵌めによって互いに係合される。サンプルリザーバ20およびベース30は、使用中に互いから不意に外れないように、これらを引き離そうとする軸力に対する抵抗を与えるように構成されてもよい。
【0046】
[0053]この例示において、外れに対する抵抗は、サンプルリザーバ20の下端がベース30の上端内に受けられるスナップ嵌合によって与えられる。図6の横断立面図に示されるように、サンプルリザーバ20の下端は、その外周全体にわたって連続的に延びる径方向外側突起と溝とを有する。同様に、図示のベース30は、その内周全体にわたって連続的に延びる径方向内側突起と溝とをその上端に有する。サンプルリザーバ20の下端の外径およびベース30の内径は、突起がそれぞれの溝内に締り嵌めによって嵌り込んでぴったりと嵌合し、それにより、サンプルリザーバ20の全周にわたって各突起と対応する溝との間に線接触または面接触などの緊密な接触が存在するように選択されるのが好ましい。サンプルリザーバ20は、例えば突起を溝から離脱させるべく、2つの部材を互いに対して曲げるだけでベース30から取り外されてもよい。
【0047】
[0054]溝および突起がベース30の上端に可能な限り近接して形成される場合には、2つの部材を離脱させることは一般に容易である。例えば、図示の実施形態では、突起がベース30の上端に直接に隣接する。サンプルリザーバ20とベース30との間のシール接触の位置は、該接触が通常の使用中に濾過アセンブリ10の外部への流体漏れを防止できさえすれば重大ではない。例えば、シール接触が溝および突起の嵌め合い面同士の間であってもよく、あるいは、異なる位置にシール接触を形成することができ、その場合、溝と突起との間の係合は、主に、サンプルリザーバ20およびベース30の不意な外れに抵抗する役目を果たし、あるいは、フィルタ要素45に対する流体密封性のシールを形成するためにサンプルリザーバ20とフィルタ要素45との間の軸方向圧縮力を維持する役目を果たす。後者の場合、溝および突起が連続部材である必要はない。
【0048】
[0055]図示のアセンブリにおいて、それぞれの溝は、対応する突起と形状が相補的である。すなわち、各溝と対応する突起とが表面接触するように、各溝が対応する突起とほぼ同じ曲率半径を有する。しかし、溝および突起の曲率は、溝および突起が例えば線接触するように構成されていてもよい。2つの部材のうちの一方の表面上に形成される単一の突起と、該突起と係合するために2つの部材の他方の表面上に形成される単一の溝とを用いて、サンプルリザーバ20とベース30との間にシールを形成することができるが、複数の溝および突起が更に完全性の高いシールを形成してもよい。
【0049】
[0056]バヨネット嵌合またはねじ螺合など、あるいは、前述した磁石を介した、スナップ嵌合以外の多くの構成を使用して、サンプルリザーバ20とベース30との間の離脱に抵抗することができる。また、テープまたはシュリンクラップスリーブなどのスリーブをサンプルリザーバ20とベース30との間の結合部の周囲に配置すること、あるいは、2つの部材をそれらの外周にわたって互いに軽く(例えば超音波溶着によって)溶着し或いは接着して、所望時に部材を互いから容易に外すことができるようにしつつ部材同士を固定することが望ましい場合もある。そのような接続態様は、サンプルリザーバ20およびベース30の溝および突起によって与えられる締まり嵌めの代わりに、或いは締まり嵌めに加えて使用されてもよい。
【0050】
[0057]サンプルリザーバ20の下端には、サンプルリザーバ20の全周にわたって延びる環状シールリム26を形成することができる。サンプルリザーバ20およびベース30の溝および突起が互いに係合されると、シールリム26が下方へ押圧されてベース30のフィルタ支持面31の上に配置されるフィルタ要素45の上面とシール接触される。シールリム26とフィルタ要素45との間の圧縮力は、サンプルリザーバ20およびベース30の溝と突起との間の係合によって維持される。図示のアセンブリにおいて、シールリム26は、シールリム26の全周にわたってシールリム26の外周とベース30の内周との間に環状の空隙が存在するようにサンプルリザーバ20上に配置される。空隙は、2つの部材間の毛管作用による流体のクリープを防止するエアロックを形成することによってサンプルリザーバ20とベース30との間のシールの完全性を高めることができると考えられる。しかしながら、空隙は必要不可欠ではなく、シールリム26がベース30の内周と緊密に接触してもよい。
【0051】
[0058]フィルタ要素45は、濾過される流体と適合し且つ流体から対象の微生物を除去できる少なくとも1つのフィルタ媒体を備えることが好ましい。フィルタ媒体は、例えば様々な材料の微多孔膜または線維要素、あるいは、濾紙などの任意の所望のタイプを成していてもよい。幾つかの用途においては、フィルタ媒体が耐熱材料である。微生物学的研究のための多種多様なフィルタ媒体が市販されており、また、任意のそのようなフィルタ媒体をフィルタ要素45として本発明と共に使用できる。フィルタ媒体は、任意の所望の態様で、例えばサイズにしたがって、吸着によって、および/または、親和結合によって、微生物を収集(捕捉)してもよい。微生物学的研究で用いるフィルタ媒体はしばしば平坦な膜ディスクであるが、フィルタ要素45が任意の特定の形状を有する必要はない。例えば、平坦の代わりに、膜がその表面積を増大させるための襞を含んでもよい。
【0052】
[0059]フィルタ要素45は、濾過されるべき流体がフィルタ要素45を通過するようにサンプルリザーバ20と流体ポート38との間の流体流路中に配置される。フィルタ要素は自立していてもよく、あるいは、図示の実施形態の場合のように、平坦なフィルタ要素45がフィルタ支持面31によって支持される。フィルタ要素45は、フィルタ支持面31によって取り外し可能に支持されてもよく、あるいは、例えば接着剤、溶剤、高周波シール、超音波シール、および/または、ヒートシールを使用することによってフィルタ支持面31に取り外し不能に取り付けられてもよい。図示のアセンブリでは、ベースがフィルタ支持面31を含むが、もう一つの方法として、サンプルリザーバ20がフィルタ支持面を含んでもよい。フィルタ要素45は、フィルタ支持面31と直接に接触してもよく、あるいは、好ましくは、メッシュ、紙、または、織物の層などのフィルタ要素45よりも多孔性があり且つフィルタ要素45に対して機械的な支持を与える中間支持部材上に載置してもよい。あるいは、フィルタ要素は、支持体に対して積層されるフィルタ媒体を備えることができる。フィルタ要素45が培養中にベース30上に残されるように構成されている場合には、濾過後のフィルタ要素45の取り扱い量を減らすために、培養中に栄養溶液を保持するのに用いる吸収パッド46が濾過後ではなく濾過前にフィルタ要素45の真下に配置されれば都合良い場合がある。また、吸収パッド46が濾過中にフィルタ要素を支持してもよい。また、プレフィルタ、保護シート、または、他の部材をフィルタ要素45の上に配置することが望ましい場合がある。
【0053】
[0060]弾力性がある圧縮性の部材をシールリム26がフィルタ要素45と接触する場所の真下の領域でフィルタ要素45の下面とフィルタ支持面31との間に配置することが有利な場合がある。そのような部材は、シールリム26およびフィルタ支持面31の軸方向長さの変化を補償して、シールリム26をフィルタ要素45と緊密にシール接触した状態に維持することができ、それにより、サンプルリザーバ20およびベース30の製造公差をあまり正確にせずに済むようにできる。弾力性がある部材は、濾過されるべき流体を透過してもよく或いは透過しなくてもよい。例えば、弾力性がある部材は、フィルタ要素45の真下に配置される不透過性のガスケットを備えてもよい。また、ガスケットなどの弾力性があるシール部材をフィルタ要素45の上面とシールリム26との間に配置することもでき、それにより、シールリム26は、フィルタ要素45と直接に接触しないが、フィルタ要素45とシール接触させられるシール部材とシール接触される。そのようなシール部材は、フィルタ要素45から分離されてもよく或いはフィルタ要素45に結合されてもよい。
【0054】
[0061]図示のアセンブリにおいて、フィルタ支持面31を取り囲む壁34は、吸収パッド46およびフィルタ要素45がフィルタ支持面31上に取り付けられるときに吸収パッド46が壁34によって取り囲まれて少なくとも部分的に壁34の上端の下側に配置される一方で吸収パッド46の上に配置されるフィルタ要素45が壁34の上端またはそれよりも上側に配置されて径方向突起35によって取り囲まれるような高さを有する。例えば、壁34は、吸収パッド46の厚さとほぼ同じ高さを有してもよい。吸収パッド46の一部または全体が壁34の上端よりも下側に配置された状態で、濾過アセンブリ10を備える濾過アセンブリシステム1000のユーザがフィルタ要素45を吸収パッド46の上から異なる場所へ移動させたいと思う場合には、ユーザが鉗子を使用して吸収パッド46を一緒に拾い上げることなくフィルタ要素45を拾い上げることは容易である。径方向突起35間の空間は、フィルタ要素45に容易にアクセスできるようにするとともに、ベース30からのフィルタ要素の除去を容易にする。
【0055】
[0062]製造の容易さの観点からすれば、サンプルリザーバ20のシールリム26の軸方向長さおよびベース30上の径方向突起35の軸方向高さは、図6に示されるようにサンプルリザーバ20がベース30とシール係合してサンプルリザーバ20のシールリム26がフィルタ要素45と接触させられる際に径方向突起35の上面とサンプルリザーバ20の下面との間に軸方向隙間が存在するように構成されていることが好ましい。そのような隙間が存在すれば、径方向突起35の上面がサンプルリザーバ20の下面と接触するときと同じ正確な公差で径方向突起35およびシールリム26を製造する必要がなくなる。
【0056】
[0063]濾過アセンブリシステム1000および濾過アセンブリ10は、所望の強度、可撓性、耐熱性、および、耐食性などのファクタに応じて、また、濾過アセンブリ10が再使用できるように構成されているか或いは使用の終わりに廃棄されるように構成されているかどうかに応じて、漏斗、リザーバ、ペトリ皿、チューブ、および、他の実験器具のために従来から使用される材料を含む多種多様な材料、例えば、金属、プラスチック、および、ガラスから形成することができる。濾過アセンブリシステム1000および濾過アセンブリ10の異なる部分が異なる材料から形成されてもよい。経済的な製造のためには、成形によって形成され得るプラスチックが濾過アセンブリ10に特に適している。適したプラスチックの幾つかの例は、ポリプロピレン、ナイロン、および、ポリアクリル酸塩である。ある場合には、アセンブリ10内の物質を容易に観察できるように、サンプルリザーバ20などのアセンブリ10の一部が半透明または透明であれば都合良い。
【0057】
[0064]一般に、濾過アセンブリはバッグなどのシールされた容器に入れて滅菌を維持しつつ発送される。シールされた容器は、好ましくは濾過アセンブリおよびチューブの滅菌を維持しつつ流体ポートに取り付けられ(濾過アセンブリシステムを形成する)或いは取り付けられないチューブを含むこともできる。あるいは、チューブ(好ましくは、継手を備えるアダプタに取り付けられる)は、一般的には滅菌を維持しつつ別個のシールされた容器(例えば、図8に示されるシールされたバッグ160)に入れて発送することができる。濾過アセンブリ、アダプタ、チューブ、および、濾過アセンブリシステムは、当技術分野において知られる様々な滅菌プロトコルにしたがって滅菌できる。
【0058】
[0065]幾つかの実施形態では、チューブの第1および/または第2の端部が使用前にシールされる。例えば、この場合、一方または両方の端部が取り外し可能なシールによって覆われ、あるいは、一方または両方の端部が閉じられて、一方または両方の端部を開放するためにチューブがカットされ、あるいは、一方の端部が取り外し可能なシールによって覆われ、他方の端部を開放するためにチューブがカットされる。
【0059】
[0066]蠕動ポンプのシューまたはローラによって接触されるチューブ100は可撓性であるが、本発明の実施形態は更なるチューブを含むことができる。この場合、更なるチューブは可撓性があり或いは可撓性がない。様々な可撓性のチューブおよび非可撓性のチューブ、並びに、アダプタ、継手、コネクタを本発明にしたがって使用することができ、また、適したチューブ、アダプタ、継手、および、コネクタが当技術分野において公知である。
【0060】
[0067]場合により汚染微生物を含む流体を処理するための本発明の一実施形態に係る方法は、濾過アセンブリの下流側にあって可撓性のチューブを介して濾過アセンブリと流体的に連通する蠕動ポンプを動作させるステップであって、濾過アセンブリが、サンプルリザーバと、微生物収集フィルタ要素と、流体ポートとを備え、サンプルリザーバが場合により汚染微生物を含む流体を収容するステップを備え、ポンプを動作させるステップは、可撓性のチューブを圧縮して開放する工程と、反対方向の流体流れを許容することなく、サンプルリザーバ、フィルタ要素、流体ポート、および、可撓性のチューブを通過する流れ方向で流体を引き込む工程とを備える。
【0061】
[0068]方法の実施形態は、微生物の存在に関してフィルタ要素を分析するステップおよび/または微生物の存在に関してフィルタ要素を通過する流体を分析するステップを更に備えることができる。
【0062】
[0069]一般に、方法の実施形態は、チューブを通過する流体を所望の場所へ方向付けるステップを更に備える。
【0063】
[0070]様々な流体、例えば生物薬剤産業、マイクロエレクトロニクス産業、飲料産業における流体を本発明の実施形態にしたがって濾過することができる。本発明の実施形態は、流体の汚染を監視すること、例えば流体が滅菌であるようにすることが望ましい場合に特に有益である。本発明の実施形態は、例えば濾過されるべき流体が加熱流体である、例えば約80℃の温度まで加熱される「ホットループ」システムを含む様々なシステムで用いるのに適する。
【0064】
[0071]方法の一実施形態を実施する際、一般的な参照のために図3Aおよび図3Bを使用すると、濾過アセンブリ10と流体ポート38に連通するチューブ100とを備える濾過アセンブリシステムは蠕動ポンプ500と関連付けられ、この場合、チューブの一部がポンプヘッド(例えば、チューブホルダ403内に置かれてロータ410とピンチブロック402との間に配置される;図2B参照)に配置され、ポート38の近傍のチューブの部分がスロット230内に配置され、アセンブリのベースがポンプハウジング200の平坦なアセンブリ受け部220上に配置される。前述したように、濾過アセンブリが一体的に取り付けられるチューブを含んでもよく、あるいは、例えば継手150をポート38と係合させることによりチューブをその後に取り付けることができる。
【0065】
[0072]濾過されるべき流体サンプルは当初はサンプルリザーバ20内に収集されるのが好ましく、あるいは、流体は、収集後で且つアセンブリ10がポンプハウジング上に配置される前あるいは後にサンプルリザーバ内に配置されてもよい。方法の実施形態は、カバーを有する或いはカバーを伴わないフィルタアセンブリを用いて実施できる。また、前述したように、フィルタアセンブリが1つ以上の通気孔(例えば、カバーの一部として、および/または、アセンブリの他の部品の一部として)を含むことができ、あるいは、アセンブリが通気孔を欠くことができる。
【0066】
[0073]ポンプハウジング200上に濾過アセンブリ10がある場合(カバーが使用される場合には、カバー50をリザーバ20と流体密封的に係合させることができる)、蠕動ポンプ500は、流体サンプルをフィルタ要素45およびポート38を通じてチューブ100内に引き込むように動作される。濾過された流体は所望の場所へ通すことができる。
【0067】
[0074]流体サンプルがサンプルリザーバ20から引き出されてフィルタ要素45を通過すると、一般にポンプが停止される。このとき、濾過アセンブリ10がポンプハウジングから除去されてもよく或いはポンプハウジングに残されてもよい。一般に、アセンブリおよびチューブは適切なときにポンプから除去されて廃棄される。
【0068】
[0075]濾過された流体および/またはフィルタ要素は、当技術分野において知られるように、微生物の存在に関して検査することができる。
【0069】
[0076]フィルタ要素の検査に関しては、フィルタ要素をフィルタアセンブリから取り外して例えばペトリ皿へ移すことができる。この場合、捕捉された微生物が存在する場合には、この微生物を培養することができる。微生物の培養を含むフィルタ要素の検査、および、微生物の存在および/または同一性の決定は、当技術分野において知られるように行なうことができる。
【0070】
[0077]ベース30およびカバー50またはベース30および更なるカバーがペトリ皿として使用されるように構成されている実施形態では、濾過の完了後、サンプルリザーバ20が、サンプルリザーバとベースとの間のスナップ嵌合を解放することにより手でベース30から取り外され、フィルタ要素45(取り外し可能であり、あるいは、フィルタ支持面31に取り外し不能に取り付けることができる)がベース30の上に残される。この場合、フィルタ要素45の真下に配置される吸収パッド46に適切な栄養溶液が加えられ、吸収パッド46は一般に濾過前にフィルタ要素45の真下に配置されている。
【0071】
[0078]栄養溶液は、フィルタ要素を通じて上から或いは流体ポート38を介して下から吸収パッド46に加えることができる。栄養溶液が吸収パッド46に加えられると、ベース30およびカバー50またはベース30および更なるカバーを備えるペトリ皿はいつでも培養できる状態にある。望ましい場合には、キャップまたはプラグなどの閉塞体を流体ポート38の下端に取り付け或いはポートよりも先端側のチューブの開放端に挿入して、培養中に流体が流体ポートから漏れないようにしてもよい。
【0072】
[0079]本発明の一実施形態によれば、濾過アセンブリシステムと、栄養溶液、成長培地、および、試薬(例えば、微生物の存在を検出するため)のうちの1つ以上とを備える検査キットが設けられる。検査キットは、1つの容器内にシールされる滅菌濾過アセンブリを含むことが好ましく、一方、栄養溶液、成長培地、および/または、試薬は他の容器内にシールされる。
【0073】
[0080]本明細書中に挙げられる刊行物、特許出願、および、特許を含む全ての文献は、それぞれの文献があたかも参照によって本願に組み入れられるべく個別に且つ具体的に示されてその全体が本明細書に記載されているかのごとき場合と同じ程度まで参照することにより本願に組み入れられる。
【0074】
[0081]発明を記載する文脈における(特に以下の請求項との関連における)用語「1つの(a,an)」および「その(the)」の使用および同様の参照は、本明細書中で他に示唆されていなければ或いは文脈によって明らかに矛盾しなければ、単数および複数の両方を網羅するように解釈されるべきである。用語「備える」、「有する」、「含む」、および、「包含する」は、他に言及されていなければ、制約のない用語(すなわち、「を含むがそれに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書中における値の範囲の列挙は、単に、その範囲内に入るそれぞれの別個の値を個別に示す省略法としての役目を果たそうとするものであり、本明細書中で他に示唆されていなければ、それぞれの別個の値はあたかもそれが本明細書中に個別に列挙されたかのように明細書中に組み入れられる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他に示唆されていなければ或いは文脈によって明らかに矛盾しなければ、任意の適した順序で行なうことができる。本明細書中で与えられる任意の全ての例および典型的な言葉(例えば、「など」)の使用は、本発明をより良く例示しようとしているにすぎず、他に主張されていなければ本発明の範囲を限定しない。明細書中の言葉は、本発明の実施に不可欠な任意の請求項に記載されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0075】
[0082]本明細書中には、発明を実施するために発明者に公知である最良の形態を含むこの発明の好ましい実施形態が記載されている。これらの好ましい実施形態の変形は、先の説明を読めば当業者に明らかとなり得る。発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形を使用することを予期し、また、発明者は、発明が本明細書に具体的に記載される方法以外の方法で実施されること意図する。したがって、この発明は、適用可能な法律によって許容されるような添付の請求項に挙げられる主題の全ての変更および等価物を含む。また、前述した要素のその全ての想定し得る変形での任意の組み合わせは、本明細書中で他に示唆されていなければ或いは文脈によって明らかに矛盾しなければ、本発明によって包含される。
【符号の説明】
【0076】
10…濾過アセンブリ、20…サンプルリザーバ、21…外壁、22…チャンバ、23…径方向外側リップ、26…環状シールリム、27…内壁、30…ベース、31…フィルタ支持面、32…突起、34…円形壁、35…径方向突起、38…流体ポート、39…排出開口、45…フィルタ要素、46…吸収パッド、50…カバー部材、61…ディスク形状プレート、62…逆チャネル、66…膨出部、67…タブ、70…通気孔、72…疎液性要素、74…ポート、100…可撓性のチューブ、100a、100b…端部、150…継手、151、152…突出部、160…バッグ、200…ポンプハウジング、210…ポンプハウジングカバー、220…濾過アセンブリ受け部、230…受け部のスロット、401…ハウジング、402…ピンチブロック、403…チューブホルダ、403…チューブホルダ、400…ポンプヘッド、410…ロータ、411…ローラ、420…カバー、450…モータ、500…蠕動ポンプ、550…電源、1000…濾過アセンブリシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蠕動ポンプと共に用いるための濾過アセンブリシステムであって、濾過アセンブリを備え、
該濾過アセンブリが、
(a)濾過されるべき流体サンプルを保持するためのサンプルリザーバと、
(b)前記サンプルリザーバと流体的に連通する流体ポートと、
(c)前記サンプルリザーバと前記流体ポートとの間の流路中に配置されるフィルタ要素と、
(d)前記フィルタ要素を支持するためのフィルタ支持面と、
を備え、
当該濾過アセンブリシステムが、(e)第1の端部および第2の端部を有する可撓性のチューブを更に備え、前記第1の端部と前記流体ポートとの間を流体的に連通させるために前記第1の端部を前記流体ポートに接続可能であり、または、前記第1の端部が前記流体ポートに接続されて、前記第1の端部が前記流体ポートと流体的に連通している、濾過アセンブリシステム。
【請求項2】
前記チューブの前記第1の端部が前記流体ポートに接続される、請求項1に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項3】
前記チューブの前記第1の端部が前記流体ポートに一体的に接続される、請求項2に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項4】
前記チューブの前記第1の端部が前記流体ポートと流体密封的に係合できる継手を更に備える、請求項2または3に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項5】
前記継手が少なくとも1つの外側に面する突出部を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項6】
前記継手が少なくとも2つの互いに軸方向に離間され外側に向いた突出部を備える、請求項5に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項7】
前記濾過アセンブリがベースを更に備え、該ベースが前記サンプルリザーバを支持する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項8】
前記ベースが前記流体ポートを備える、請求項7に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項9】
前記ベースが前記フィルタ要素を支持するための前記フィルタ支持面を備える、請求項7または8に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項10】
流体密封性の嵌合状態にて前記サンプルリザーバを取り外し可能に且つ交換可能にカバーするカバー部材を更に備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項11】
前記サンプルリザーバと連通する少なくとも1つの通気孔を更に備え、該通気孔が、前記サンプルリザーバ内への空気の流入を許容するが前記サンプルリザーバ内への微生物の流入を防止する疎液性要素を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の濾過アセンブリシステム。
【請求項12】
濾過アセンブリシステムと共に用いるための蠕動ポンプであって、
(a)ヘッドハウジングと、少なくとも2つのシューまたはローラを備える回転可能なロータと、可撓性のチューブを受けるのに適したチューブホルダとを備える蠕動ポンプヘッドであり、前記可撓性のチューブが外径を有し、前記シューまたは前記ローラが前記ホルダ内に配置される前記可撓性のチューブを圧縮するように構成されており、前記可撓性のチューブが使い捨て可能な濾過アセンブリの流体ポートと流体的に連通し、前記流体ポートが外径を有するとともに前記使い捨て可能な濾過アセンブリのサンプルリザーバと流体的に連通し、前記流体ポートが前記濾過アセンブリのフィルタ要素を通過する濾過液を受けるように構成されている、蠕動ポンプヘッドと、
(b)前記ポンプヘッドと連結し、前記ロータを回転させるように構成されているモータと、
(c)前記モータを受けるポンプハウジングであり、ポンプハウジングカバーを備え、該ポンプハウジングカバーが、(i)略平坦な濾過アセンブリ受け部と、(ii)前記受け部のスロットとを含み、前記スロットが少なくとも前記使い捨て可能な濾過アセンブリの前記流体ポートの外径と同じ大きさの隙間を含み、該隙間も前記可撓性のチューブを著しく圧縮することなく前記チューブの外径と同じ大きさである、ポンプハウジングと、
を備え、
前記サンプルリザーバ、前記フィルタ要素、前記流体ポート、および、前記可撓性のチューブを通過する流れ方向で流体を引き込むように構成され、かつ、反対方向の流体流れを許容することがないよう構成されている、蠕動ポンプ。
【請求項13】
前記スロットが、前記流体ポートと係合できる継手の一部を受けるように構成されており、前記継手には、前記可撓性のチューブの一端が取り付けられる、請求項12に記載の蠕動ポンプ。
【請求項14】
非可逆モータを備える、請求項12また13に記載の蠕動ポンプ。
【請求項15】
前記モータを非可逆的に動作させるようにプログラムされる、請求項12または13に記載の蠕動ポンプ。
【請求項16】
汚染微生物を含む可能性がある流体を処理するための方法であって、
濾過アセンブリの下流側にあって可撓性のチューブを介して前記濾過アセンブリと流体的に連通する蠕動ポンプを動作させるステップであり、前記濾過アセンブリが、サンプルリザーバと、微生物収集フィルタ要素と、流体ポートとを備え、前記サンプルリザーバが場合により汚染微生物を含む流体を収容する、ステップ
を備え、
前記蠕動ポンプを動作させる前記ステップが、前記可撓性のチューブを圧縮して開放する工程と、反対方向の流体流れを許容することなく、前記サンプルリザーバ、前記フィルタ要素、前記流体ポート、および、前記可撓性のチューブを通過する流れ方向で流体を引き込む工程とを備える、方法。
【請求項17】
微生物の存在に関して前記フィルタ要素を分析するステップを更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
微生物の存在に関して流体を分析するステップを更に備える、請求項16または17に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−149636(P2012−149636A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−276026(P2011−276026)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】