説明

血中脂質濃度を低減するために有用な黄連および苦丁茶の抽出物を含む薬学的組成物

ヒトおよび家畜の健康を促進するために相乗効果的に有効な、薬草、薬草抽出物およびそれらの化学成分の医薬的組み合わせ。上記組み合わせは、苦丁茶、ベルベリンもしくはベルベリン含有植物抽出物、および他の選択肢的活性成分を含む、血中脂質レベル低下相乗効果的組成物である。相乗効果的量での抽出物および組み合わせの方法もまた、開示される。本発明に従う組成物は、被験体における多くの疾患もしくは状態(特に、心血管疾患)に罹患する可能性もしくはその進行を処置もしくは低減するために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ヒトおよび家畜の健康、特に心血管の健康を促進するための、医薬組成物、具体的には、薬草、薬草抽出物およびそれらの化学成分の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
心血管疾患(CVD)は、世界の大部分の先進国において主要な死亡原因である。米国単独では、総人口のうちの約25%を構成する6100万人の人々が、CVDのうちのいくつかのタイプに罹患していると報告された。血中コレステロールレベル、特に低密度リポプロテインコレステロールレベルの低下は、CVDの予防に有効なストラテジーのうちの1つであることが公知である[1]。
【0003】
あるクラスの薬物(スタチンといわれる)は、血中コレステロールレベルの低下に非常に有効であることが見いだされた。スタチンは、HMG−CoAレダクターゼ(細胞におけるコレステロールの合成における律速酵素)の活性を抑制することによって機能する。その得られた細胞内濃度の低下は、表面低密度リポプロテイン(LDL)レセプターの代償的アップレギュレーションを生じる。このことは、続いて、血漿からのLDL−コレステロールのクリアランスを媒介する。臨床的には、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、20〜40%まで血中LDL−コレステロールレベルを低下することにおいて有効であり、トリグリセリドレベルを低下させ、血中HDL−コレステロールレベルの適度な増加を誘導することにおいて有効であることもまた見いだされた[2,3]。しかし、血中脂質濃度の管理にそれらが成功しているにも拘わらず、スタチン治療は、高脂血症を有する全ての患者に処方することはできない。特に、これら薬物は、胆汁鬱滞を有する患者もしくは肝機能が損なわれた患者において禁忌を示す。いくらかの患者においては、スタチンはまた、クレアチンキナーゼのような種々の肝細胞酵素における上昇を引き起こすことが報告された。スタチンはまた、いくらかの患者の筋肉、腎臓および神経系に対して潜在的に有害な影響を有することが見いだされた。スタチンでの処置の間の筋疾患もまた、報告された。スタチンを受けている患者のうちの0.1〜0.2%において筋疾患が発生するに過ぎないが、そのリスクは、用量が増加するとともに増大する。さらに、未処置のままである場合、筋疾患は、横紋筋融解(rhabdomylosis)といわれる、より重篤かつ生命を脅かす状態をもたらし得る。その結果として、筋疾患の発症後に、スタチン治療をすぐに中止することが必要とされる[4,5]。
【0004】
1g/日の用量で3ヶ月間のベルベリン(BBR)での高コレステロール血症患者の処置は、血清コレステロール濃度が29%まで、トリグリセリドが35%まで、およびLDL−コレステロールが25%まで低下することが見いだされた[6]。実験的研究はまた、BBRのコレステロール低下効力を裏付ける。100mg/日の用量で2週間の、高脂血症ハムスターへのBBRの経口投与は、血清総コレステロールレベルおよびLDLコレステロールレベルを最大30%まで低下させることが見いだされた[6−8]。ヒト肝癌細胞株(例えば、Hep G2細胞)を利用する多くのインビトロ研究がまた、BBRのコレステロール低下効果の根底にある機構を決定するために行われた。これら研究からの結果は、BBRが、LDLレセプターについてのmRNAの安定化を増大させる転写後機構を介して、上記細胞における上記LDLレセプターの発現を増大させることを示す。BBRはまた、AMP活性化プロテインキナーゼの活性化を介して、上記細胞においてコレステロールおよびトリグリセリドの合成を阻害することが見いだされた[6−8]。より近年の研究においては、BBRは、3T3−L1脂肪細胞の分化を阻害し、PPAR経路を介して上記細胞における脂質生成を阻害することが見いだされた[9]。
【0005】
多くの研究からの証拠が、BBRがコレステロール低下特性を有することを示すが、約1g/日の用量は、臨床的利益を達成するために必要とされるようである。この投薬の長期にわたる投与の安全性は、懸念が残っている。実験的研究において、15mg/Kgを超える用量において10日間にわたるBBRのマウスへの腹腔内投与は、上記動物に対して致死的であることが分かった[10]。より高い用量のBBRはまた、培養物中の細胞に対して毒性であることが分かった。例えば、40μg/mlより高い用量のBBRでのL929細胞の処理は、細胞傷害性を誘導することが分かった。より近年になって、20μMの濃度のBBRとのヒト肝臓ミクロソームのインキュベーションは、種々のCYP 450酵素(CYP2D6、CYP3A4およびCYP2E1を含む)の活性を低下させることが分かった[11]。
【0006】
薬草茶である苦丁茶(Ku Ding Cha)(苦丁茶(Kudingcha、Kuding tea、bitter tea、ku cha)ともいわれる)はまた、心血管に利益があることが公知である。中国では、苦丁茶は、通常の茶としてもしくは機能性ドリンクとして広く消費されている。苦丁茶の起源植物は、Ligustrum属、Oleaceae属、およびIlex属、モチノキ科(Aquifoliaceae)において約10の最も一般的に知られた種からなる(Ligustrum pedunclare、Ligustrum purpurascens、Ligustrum japonicum、Ligustrum robustrum、Ilex cornuta、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex latifolia、Cratoxylum prunifolium、Ehretia thyrsiflora、Photinia serruiata[12]およびIlex paraguariensisを含む)。熱水中のこれら土壌植物(ground plant)からの抽出物は、茶として消費される。動物研究において、これら種のうちのいくつかの抽出物は、血液循環を促進し、血圧を下げ、抗酸化効果を有し、そして血漿中の脂質レベルを低下させることが分かった[13−15]。例えば、実験的研究において、500mg/日の用量で2週間にわたって高コレステロール血症ラットにIlex paraguariensisの水抽出物を毎日胃管栄養法で与えると、コレステロールおよびトリグリセリドの血漿濃度が顕著に低下することが分かった[16]。別の研究において、1〜3ヶ月間にわたってLigustrum japonicumの抽出物を毎日投与すると、高コレステロール血症ウサギの血中総コレステロールのレベルが低下した[17]。しかし、ヒト血中コレステロール濃度の管理における茶の臨床的利益は、未だ決定されていない。
【0007】
苦丁茶の生物学的に活性な成分は、未だ決定されていない。種々のIlex種の葉の水抽出物およびアルコール抽出物は、多くのテルペノイド、フラボノイド[18−23]、トリテルペン、フェニルエタノイドグリコシド、カフェオイルキナ酸およびその誘導体を含む。これら化合物のうちのいくつかは、上記苦丁茶のコレステロール低下効果に影響を与えている;近年の研究は、苦丁茶の2つの種(Ilex kudingchaおよびIlex macropodaを含む)の葉および小枝から単離された多くのモノテルペンおよびトリテルペンが、アシル−CoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)の活性をインビトロで阻害することが分かることを見いだした[24−27]。ACAT活性は、腸からのコレステロール吸収の調節および哺乳動物における脂肪酸でのコレステロールのエステル化にとって重要である。肝細胞におけるACATの阻害は、肝臓からのアポリポプロテイン−B含有リポプロテイン(例えば、超低密度リポプロテイン(VLDL)粒子)の分泌を低下させることが示された[28]。
【0008】
上記トリテルペノイドサポニンの多くは、Ilex kudingchaから単離されてきた:イレクジノシドA〜S、イレキソシドXL VIII、シナラサポニンC、ラチホロシドA、ラチホロシドC、ラチホロシドGおよびラチホロシドH、クジノシドG。これらのうちのいくつかは、顕著なACAT阻害活性を示した[26]。
【0009】
いくつかのモノテルペノイドおよびフェニルエタノイドグリコシドがまた、苦丁茶(Ligustrum pendunculare)葉から単離された:フェニルエタノイドグリコシドとしてのリペドシドA−IおよびリペドシドA−II、ならびにモノテルペノイドグリコシドとしてのリペドシドB−I、リペドシドB−II、リペドシドB−III、リペドシドB−IV、リペドシドB−V、およびリペドシドB−VI。リペドシドB−IIIは、269μMのIC50を有するACATのインヒビターとして同定された[23]。
【0010】
苦丁茶はまた、ウルソール酸、ベツリン、ルペオール、およびクロロゲン酸を含むことが公知である。
【0011】
ウルソール酸(3β−ヒドロキシ−12−ウルセン(ursen)−28−イック(ic)酸)は、いくつかの酵素(アデノシンデアミナーゼ、アラキドネートリポキシゲナーゼ、アロマターゼ、シクロオキシゲナーゼ、DNAリガーゼ I、エラスターゼ、プロテインキナーゼAおよびプロテインキナーゼC、ならびにRNA指向性DNAポリメラーゼを含む)のインヒビターとして同定された[29]。近年、ウルソール酸は、ヌクレオシドトリホスフェートヒドロラーゼ(NTPase、0.6μMのIC50)およびアシル−CoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT、IC50 58.8μM)のインヒビターとして同定された[30−31]。ウルソール酸はまた、強力な腫瘍発生阻止剤および化学防御剤である[32]。
【0012】
ベツリン(ルパ−20[29]−エン−3β,28−ジオール)およびベツリン酸(3−ヒドロキシ−20[29]−ルペン−28−オイック酸)は、種々の腫瘍細胞株に対して抗炎症性および細胞傷害性である[33]。米国特許第5,679,828号は、ベツリン酸およびその誘導体が、強力な抗HIV感染活性を有することを見いだした。ベツリン酸はまた、アシルCoA:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼのインヒビター(DGAT,IC50,9.6μM)として同定された[34]。さらに、ベツリンおよびベツリン酸は、それぞれ、83μMおよび16.2μMのIC50を有する、良好なACATインヒビターである[24]。
【0013】
ルペオール(3β−ヒドロキシ−20(29)−ルペン、もしくは20(29)−ルペン−3β−オール)は、NF−kBのダウンレギュレーションを介して抗癌活性を有することが見いだされ、アシル−CoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼのインヒビターとして同定された(ACAT IC50,48μM)[24,35]。
【0014】
クロロゲン酸(苦丁茶の化学成分)は、0.1μMのIC50を有するスクアレンシンターゼインヒビターとして同定された[36]。
【0015】
サンザシ(欧州および中国において広く栽培されている植物(中国ではサンザといわれる))は、種々の健康促進特性を有することが見出された。欧州では、生薬(herbal medicine)において一般に受け入れられているサンザシの種としては、Crataegus oxyacantha、Crataegus pentagyna Waldst、Crataegus nigra Waldst、Crataegus azarolus L.およびCrataegus monogynaが挙げられる。中国では、Crataegus pinnatifidaおよびCrataegus pinnatifida Bge var.major NE Br.を含むサンザシの2つの他の変種が、伝統中医薬において使用されてきた。研究から、欧州および中国の両方の変種が、種々の健康上の利益(抗酸化効果、抗炎症効果および脂質低下効果が挙げられる)を有することが示されている。これら変種はまた、脳および血管内皮に対する保護効果、ならびに内皮依存性弛緩を有することが見いだされた。さらに、いくつかの臨床研究から、サンザシが血圧降下特性を有しかつ軽度の不整脈の処置において有効であることもまた、示されている。フラボノイド、特に、プロアントシアニジン(proanthocyanidines)は、サンザシの活性成分であると考えられる。種々のフラボノイドを利用する研究から、これら化合物が、コレステロール低下特性を有することが示され、より具体的には、これら化合物が、コレステロールの肝臓取り込みを増大させることが見いだされた[37]。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の要旨)
本発明者らは、薬草としての黄連および苦丁茶、これらの抽出物もしくは化学的組み合わせを含む特定の組成物が、心血管の健康を相乗効果的に促進し得ることを見いだした。上記相乗効果的組み合わせは、1種以上の薬草を一緒に抽出するか、もしくは各薬草を別個に抽出し、次いで、上記抽出物を組み合わせるかのいずれかを介して得られ得る;後者の方法が好ましい。本発明者らはまた、ベルベリンおよび黄連抽出物内に見いだされるベルベリン関連アルカロイド(例えば、パルミチンクロリド)が、互いに相乗効果的に相互作用して、心血管の健康を促進することを発見した。天然由来のもしくは合成由来の化学的構成成分は、心血管の健康を促進するに有効な相乗効果的組み合わせを作製するために使用され得る。
【0017】
苦丁茶およびその抽出物は、液体抽出、もしくは超臨界流体抽出、または従来の液体溶媒を使用しかつ少量の超臨界流体と組み合わせた高圧抽出を使用することによって、新鮮なもしくは乾燥した植物のいずれかの部分、葉全体もしくは製粉された粉末から得られ得るが、乾燥したKDCの葉の微細に挽いた粉末からの液体抽出が好ましい。苦丁茶の最も好ましい種は、Ilex kudingchaに由来するが、種Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrum fortunatum L.およびIlex cornuta Lindl.ex paxt.もまた、同じ相乗効果を示す。液体抽出のための適切な溶媒としては、水、酸性水、水−アルコール混合物、水−低級アルキル(C1−6)アルコール混合物、アルコール(特に低級アルキル(C1−6)アルコール)、エステル(特に、C2−10エステル)、エーテル(特に、C4−12エーテル)、炭化水素クロリドもしくは他の有機溶媒またはこれらの混合物が挙げられる。水、アルコール、酢酸エチルおよび酢酸エチルベースの溶媒混合物が好ましいが、アルコール抽出が最も好ましい。抽出は、微細に挽いた苦丁茶の粉末1gあたり、例えば、1ml〜1L、好ましくは、2〜500ml、より好ましくは、2〜200ml、より好ましくは、2.5〜50ml、最も好ましくは、10mlの溶媒の割合で、液体抽出(加圧液体抽出(PLE(加速溶媒抽出(accelerated solvent extract)、ASEともいわれる))、浸軟、超音波処理、マイクロ波補助抽出もしくは超臨界流体抽出、浸漬、攪拌、または超音波補助抽出を含む)を使用することによって行われ得、最も好ましくは、選択された抽出手順に依存して、例えば、1分〜100時間、好ましくは、2分〜50時間、より好ましくは、5分〜24時間、さらにより好ましくは、20分〜5時間、最も好ましくは、2時間の時間にわたって、葉から得られ得る。上記抽出は、約4〜120℃、もしくは好ましくは、15〜100℃、もしくはより好ましくは、30〜90℃、もしくはより好ましくは、50〜80℃、またはさらにより好ましくは、60〜80℃、最も好ましくは、70〜78℃、またはさらに最も好ましくは、78℃の温度において、高圧容器中および/もしくは還流条件下で行われ、続いて、室温へと冷却し、圧力を大気圧へと戻し、次いで、上記苦丁茶抽出溶液を、濾過、遠心分離、もしくは沈殿およびデカント、または他の分離技術によって固相から分離された。濾過は、好ましい分離方法である。得られた溶液を、20〜80℃、好ましくは、20〜50℃、より好ましくは、30〜40℃、および最も好ましくは、30℃の温度でのエバポレーションを介して、好ましくは凍結乾燥によって、液体もしくは固体の生成物へと濃縮され得るが、濃縮はまた、エバポレーターもしくは噴霧乾燥技術を使用することによって起こり得る。
【0018】
苦丁茶は、苦丁茶植物の任意の部分、その抽出物、苦丁茶中に見いだされる化学的に合成された化合物、または上記新鮮もしくは乾燥した植物の任意の部分から同定される純粋な化学種を含み、特許請求の範囲を含め、本明細書中以降、KDCといわれる。KDCは、apoB分泌低下試験において複数の活性成分を含むことが見いだされ、また、黄連およびその抽出物と組み合わせて相乗効果を有する。KDC由来の小数の活性成分が、トリテルペン:ルペオール、ウルソール酸、ベツリンおよびベツリン酸および関連誘導体;トリテルペノイドサポニンのグループ;モノテルペノイドグリコシドのグループ、フェニルエタノイドグリコシドのグループ、カフェオイルキナ酸およびこれらの誘導体として同定された。これら化合物はまた、種々の他の植物から単離され得る。ウルソール酸の最高含有量を有する植物種としては、グリークセージ(Salvia triloba L.)、セイヨウキョウチクトウ(Nerium oleander L.)およびローズマリー(Rosmarius officinalis L.)が挙げられるが、これらに限定されない。ベツリンおよびベツリン酸の最高含有量を有する植物種としては、Betula alba、B.pendula、B.platyphyllaの樹皮およびZiziphus vulgaris var.spinosusの種子、カバノキの樹皮が挙げられるが、これらに限定されない。ルペオールの最高含有量を有する植物種としては、Alnus glutinosa、Aloe vera、Apocynum cannabinumおよびArbutus unedoが挙げられるが、これらに限定されない。クロロゲン酸はまた、珈琲、紅茶もしくは杜仲(Eucommia bark)(トチュウ(Du zhong)、Eucommia ulmoides Oliv.)から単離され得る。
【0019】
黄連およびその抽出物、黄連において見いだされる化学合成された化合物、ベルベリンおよびベルベリン含有抽出物、ベルベリン誘導体、アナログ、およびベルベリン関連アルカロイドは、特許請求の範囲を含め、本明細書中以降、HLといわれる。黄連、ベルベリンおよびベルベリン関連アルカロイド(例えば、パルミチンクロリド)は、最も好ましくは、Coptis chinensis Franchから、上記乾燥粉末化薬草からの液体抽出を使用して得られる。Coptis chinensisはまた、ときおり、Coptis根、オウレン(Golden Thread)、オウレン(Goldthread)、黄連(Huang Lian)、黄連、Rhizoma Coptidis、もしくはCoptis chinensis rhizomesとして知られている。HLはまた、好ましくは、Coptis deltoidea CY.Cheng et HsiaoおよびCoptis teeta Wallから得られる。さらに、ベルベリン、ベルベリン誘導体、アナログ、およびベルベリン関連アルカロイドはまた、種々の植物において見いだされ得る。これら植物としては、ヒドラスチス(goldenseal)(Hydrastis canadensis)、San−Ke−Zhen(Berberis spp.)、Berberis pratti Schneid、Berberis sargentiana Schneid.、Berberis virgetorum Schneid.、Berberis vernae Schneid.、Berberis soufleana.Schneid.、Berberis pruinosa Franch.、Berberis poiretii Schneid.、Berberis wilsonae Heml.、Berberis dictyophylla Fr.、Berberis julianae Schneid.、Berberis jamesiana Forrest et W.W.Sm.、Berbeis heteropoda Schrenk.、Berberis brachypoda Maxi、Berberis sargentiana、Berberis thunbergii、Berberis vulgaris(メギ(barberry))、およびヒイラギメギ(Berberis aquifolium)、ならびにCorydalis Tuber(延胡索)、Coptis japonica、Coptis Trifolia、Coptis teeta、Coptis quiquefolia、Coptis deltodea、Phellodendron amurence(キハダもしくは黄柏)、Argemone mexicaca L.(薊芥子)、Andira inermis(アンゲリン)、Corydalis Spp(オランダ延胡索(Fumewort))、Mahonia aquifolium(ヒイラギメギ(blue barberry))、Chelidinium majus L.(クサノオウ)、Menispermum canadense L.(コウモリカズラ)、Tinospora Cordifolia(Guduchi)、およびEschscholzia californica(ハナビシソウ)が挙げられる。適切な溶媒としては、水、酸性水、水−アルコール混合物、酸性水−アルコール混合物、水−低級アルキル(C1−6)アルコール混合物、酸性水−低級アルキル(C1−6)アルコール混合物、アルコール(特に、低級アルキル(C1−6)アルコール)、エステル(特に、C2−10エステル)、エーテル(特に、C4−12エーテル)、炭化水素クロリドもしくは他の有機溶媒またはこれらの混合物が挙げられる。水、酸性水、アルコール水溶液、酸性アルコール水溶液、酢酸エチルおよび酢酸エチルベースの溶媒混合物が好ましいが、アルコール水溶液抽出が最も好ましい。抽出は、挽いたCoptis chinensisの粉末1gあたり、例えば、1ml〜1L、好ましくは、2〜500ml、より好ましくは、2ml〜200ml、より好ましくは、2.5〜50ml、最も好ましくは、10mlの溶媒の割合で、例えば、1分〜100時間、好ましくは、2分〜50時間、より好ましくは、5分〜24時間、さらにより好ましくは、20分〜5時間、最も好ましくは、2時間の時間にわたって、例えば、4〜120℃、好ましくは、15〜100℃、より好ましくは、30〜90℃、より好ましくは、50〜80℃、さらにより好ましくは、60〜80℃、最も好ましくは、70〜78℃、最も好ましくは、78℃の温度において、高圧容器中および/もしくは還流条件下で、液体抽出(加圧液体抽出(PLE(加速溶媒抽出(accelerated solvent extract)、ASEともいわれる))、浸軟、超音波処理、マイクロ波補助抽出もしくは超臨界流体抽出、浸漬、攪拌、超音波補助抽出を含む)を使用し;続いて、室温および大気圧へと冷却および減圧し、次いで、上記Coptis chinensis溶液を、濾過、遠心分離、沈殿およびデカント、または他の分離技術によって固相から分離することによって、行われ得る。濾過は、最も好ましい分離技術である。得られた溶液は、最も好ましくは、凍結乾燥して、液体もしくは固体の抽出生成物へと濃縮され得るが、エバポレーションもしくは噴霧乾燥技術もまた、好ましい。
【0020】
ベルベリンおよび上記黄連抽出物内に見いだされるベルベリン関連アルカロイドとしては、ベルベリン、およびベルベリン関連もしくはアナログ化合物(例えば、ベルベリンスルフェート、ベルベリンクロリド、パルミチンクロリド、コプチシンクロリド、ウォレニンクロリド、ジャトロリジンクロリド、コルヒチン、マグノフロリン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、(−)−カナジン、β−ヒドラスチン、ヒドラスチン(hydrastinie)、およびこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。これらアルカロイドの組み合わせは、apoB分泌を低下させることにおいて相乗効果を有することが見いだされた。
【0021】
本発明は、HLと組み合わせてKDCを含み、ギムネマ(Gymnema Sylvestre)[Wu Xue Teng]由来のギムネマ酸およびギムネマ酸含有抽出物;Gynostemma pentaphyllum(Gynostemma pentaphylla(thumb.)makino)[アマチャヅル]由来のギペノシドおよびギペノシド含有抽出物;葛(Pueraria lobata O.)[Ge Gan]由来のイソフラボンおよびイソフラボン含有抽出物;サンザシ(Crataegus pinnatifida、およびpinnatifida Bge.Var.major NE Br.)[サンザ]由来のフラボンおよびフラボン含有抽出物;ヤマイモ(Dioscorea Opposita Thunb)[山薬]由来のジオスゲニンおよびジオスゲニン含有抽出物;穿心蓮(Andrographis paniculatae)[穿心蓮]由来のアンドログラホリドおよびアンドログラホリド含有抽出物;橙皮および橙皮抽出物;枳実(tangerine)および橘皮抽出物;サンザシおよび/もしくはサンザシ抽出物;決明子(ケツメイシ)および決明子抽出物;沢瀉(タクシャ)および沢瀉抽出物;枸杞子(クコシ)および枸杞子抽出物;甘草(カンゾウ)および甘草抽出物;柴胡(サイコ)および柴胡抽出物;Radix et Rhizoma RheiおよびRadix et Rhizoma Rhei抽出物;何首烏(Fleeceflower Root)(カシュウ(shou wu))および何首烏抽出物;酸棗仁(サンソウニン)および酸棗仁抽出物;Rhizoma Polygonati Odorati(yu zhu)およびRhizoma Polygonati Odorati抽出物;淫羊霍(インヨウカク)および淫羊霍抽出物;地黄(Radix Scrophulariae)(ジオウ(xuan shen))および地黄抽出物;当帰(Radix Angelicae Sinensis)(トウキ(dang gui))および当帰抽出物;人参および人参抽出物;鬱金(ウコン)および鬱金抽出物;霊芝(Ganoderma Lucidumseu Sinensis)(レイシ(lingzhi));および霊芝抽出物;杜仲(トチュウ)および杜仲抽出物;ならびに防已(Fourstamen Stephania Root)および防已抽出物からなる群より選択される少なくとも1種のさらなる活性成分をさらに含む組成物の使用をさらに包含する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテイン−B含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対するHLの水抽出物の用量関連効果を示す。
【図2】図2は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対するKDCの水抽出物の用量関連効果を示す。
【図3】図3は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対するHLのエタノール抽出物およびKDCの酢酸エチル抽出物の用量関連効果を示す。
【図4】図4は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対するサンザシ抽出物の用量関連効果を示す。
【図5】図5は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対する、HLのメタノール抽出物へのサンザシ抽出物の添加の用量関連効果を示す。
【図6】図6は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対する、苦丁茶(KDC)のエーテル抽出物へのサンザシ抽出物の添加の用量関連効果を示す。
【図7】図7は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対する、HL抽出物、KDC抽出物およびサンザシ(Haw)抽出物の混合物の用量関連効果を示す。
【図8】図8は、Hep−G2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌に対する、HLのエタノール抽出物およびKDCの酢酸エチル抽出物の用量関連効果(別個に、および互いに1:1比組み合わせの両方)を示す。
【図9】図9は、HLのエタノール抽出物およびKDCの酢酸エチル抽出物を、150μg/mlの組み合わせ総用量に対して種々の割合における組み合わせが、HepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図10】図10は、200μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCの酢酸エチル抽出物の組み合わせが、HepG2細胞からアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図11】図11は、250μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCの酢酸エチル抽出物の組み合わせが、HepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図12】図12は、HLのエタノール抽出物および苦丁茶(KDC)の酢酸エチル抽出物の種々の割合における組み合わせが、上記混合物のIC50値にどのように影響を及ぼすかをプロットするアイソボログラムである。
【図13】図13は、苦丁茶(KDC)葉の抽出プロセスを示すフロー図である。
【図14】図14は、150μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCのエタノール抽出物の組み合わせが、HepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図15】図15は、200μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCのエタノール抽出物の組み合わせが、HepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図16】図16は、250μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCのエタノール抽出物の組み合わせが、HepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図17】図17は、150μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物、ならびにエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られたKDCの有機相抽出物(5−74−A)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図18】図18は、200μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物ならびにエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られたKDCの有機相抽出物(5−74−A)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図19】図19は、150μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物、ならびにエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られたKDCの水相抽出物(5−74−B)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図20】図20は、200μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物、ならびにエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られたKDCの水相抽出物(5−74−B)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図21】図21は、250μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物、ならびにエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られたKDCの水相抽出物(5−74−B)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図22】図22は、150μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合における苦丁茶(KDC)の3種の異なる抽出物の各々と、HLのエタノール抽出物との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。5−21−1は、KDCのエタノール抽出物であり;5−74−Aは、KDCのエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られた有機相抽出物であり;5−74−Bは、KDCのエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られた水相抽出物である。
【図23】図23は、200μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合における苦丁茶(KDC)の3種の異なる抽出物の各々と、HLのエタノール抽出物との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。5−21−1は、KDCのエタノール抽出物であり;5−74−Aは、KDCのエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られた有機相抽出物であり;5−74−Bは、KDCのエタノール抽出および酢酸エチル抽出後に得られた水相抽出物である。
【図24】図24は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とウルソール酸との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図25】図25は、30μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とウルソール酸との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図26】図26は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とベツリンとの組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図27】図27は、75μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とベツリンとの組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図28】図28は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とルペオールとの組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図29】図29は、30μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とルペオールとの組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図30】図30は、250μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCの水相抽出物の細画分(94−1)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図31】図31は、250μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCの水相抽出物の細画分(94−2)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図32】図32は、250μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物およびKDCの水相抽出物の細画分(94−3)の組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図33】図33は、250μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるKDCの水相抽出物の3種の異なる細画分の各々と、HLのエタノール抽出物との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。94−1は、5−74−Bの第1の細画分であり;94−2は、5−74−Bの第2の細画分であり:94−3は、5−74−Bの第3の細画分である。
【図34】図34は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とクロロゲン酸との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図35】図35は、75μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるHLのエタノール抽出物とクロロゲン酸との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図36】図36は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるベルベリン(BBR)とルペオールとの組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図37】図37は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるベルベリン(BBR)とベツリンとの組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図38】図38は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるベルベリン(BBR)とウルソール酸との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図39】図39は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるベルベリン(BBR)とクロロゲン酸との組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【図40】図40は、50μg/mlの総組み合わせ用量に対して種々の割合におけるベルベリン(BBR)とパルミチンクロリドとの組み合わせが、hepG2細胞からのアポリポプロテインB含有リポプロテイン(apo−B)の分泌にどのように影響を及ぼすかをプロットする非線形ブレンド曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
多くの研究の証拠から、ベルベリン(BBR)(薬草である黄連(Coptis chinensis)およびヒドラスチス(Hydrastis canadensis)から主に単離されるアルカロイド)は、コレステロール低下特性を有することが示されている。特に、ベルベリンは、LDLレセプターのmRNAを明らかに安定化する転写後機構を介して、肝細胞における上記LDLレセプター発現を高めることが見いだされた。LDLレセプターのこの増大した発現は、コレステロールの肝臓取り込みを高め、結論として、血漿中のLDL−コレステロールのレベルを低下させる。
【0024】
KDC抽出物の上記コレステロール低下特性は、テルペン、テルペノイド、フラボノイド、フェニルエタノイドグリコシド、カフェオイルキナ酸およびその誘導体の含有量に関連するようである。近年の研究から、これらテルペノイドが肝臓ミクロソーム酵素であるACAT(これは、肝臓細胞からのコレステロールのエステル化および分泌に必要とされる)を阻害することが示された。
【0025】
ベルベリンおよびKDCは、コレステロール低下特性を有すると報告されたが、それらは、異なる機構を介して作用するようである。いかなる特定の作用機構にも拘束されないが、ベルベリンは、コレステロールの肝臓取り込みを高めることが見いだされた一方で、KDCは、コレステロールの肝臓分泌を低下させることが報告された。コレステロールは、LDLによって組織へと運ばれ、アポリポプロテインB(apo−B)は、LDLの主なアポリポプロテインである。高レベルのapo−Bは、アテローム動脈硬化症をもたらし得る。本発明は、apo−B分泌を低下させるように相乗作用で作用することが見いだされた、HLおよびKDCを含む組成物に関する。上記組成物は、ヒトおよび家畜の健康、特に、心血管の健康を促進するために、ならびに心筋症を予防もしくは処置するために、それらの脂質低下効果において有用である。
【0026】
本発明に従う組成物は、被験体における多くの疾患もしくは状態を妨げる機会もしくはその進行を処置もしくは低減するために使用され得る。疾患もしくは状態としては、例えば、心筋症、心血管疾患、高脂血症、高リポ蛋白血症、高レベルのリポプロテイン(a)、虚血、冠状動脈疾患、アテローム動脈硬化症、アンギナ、脳血管疾患、脳卒中、オーバーウェイトもしくは肥満、メタボリックシンドローム、多嚢胞性卵巣症候群、心筋梗塞、糖尿病、インスリン耐性、硬化性障害(sclerotic disorder)、高血糖症、高血圧症、不整脈、中枢神経系の疾患、脳の疾患、末梢神経系の疾患および炎症が挙げられる。
【0027】
本発明はまた、HLおよびKDCを、薬学的に受容可能な担体と組み合わせて含む薬学的組成物を包含する。当業者は、この点において有用である任意の薬学的に受容可能な担体に精通しており、従って、本発明に従う薬学的組成物を作製するための手順は、詳細には議論されない。適切には、上記薬学的組成物は、錠剤、カプセル剤、液剤(liquid)、ロゼンジ、パスタ剤、膏薬、散剤、ローション剤、エアロゾル、注射もしくは坐剤に適した溶液の形態であり得る。
【0028】
上記経口組成物は、不活性希釈剤もしくは食用担体を含み得る。経口治療投与の目的で、HLおよびKDCを含む組成物は、賦形剤とともに組み込まれ得、錠剤、トローチ、散剤もしくはカプセル剤(例えば、ゼラチンカプセル剤)の形態で使用され得る。経口組成物はまた、流体担体を使用して調製され得る。薬学的に適合性の結合剤もしくは他の担体物質は、上記組成物の一部として含まれ得る。このような結合剤および担体は、結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンもしくはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、もしくはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑り剤(glidant)(例えば、コロイド性二酸化珪素);甘味剤(例えば、スクロースもしくはサッカリン);または矯味矯臭剤であり得る。HLおよびKDC組成物はまた、食品もしくは飲料と混合され得、経口的に摂取され得る。強化食品および飲料は、上記食品もしくは飲料の製造の間に、HLおよびKDCを添加することによって作製され得る。あるいは、消費者は、消費のとき付近に、HLおよびKDCを上記食品もしくは飲料に添加し得る。各成分は、上記食品もしくは飲料に、他の成分と一緒に、もしくは上記他の成分とは別個に添加され得る。食品および飲料の例は、シリアル、スナックバー、乳製品、フルーツジュース、粉末化食品および乾燥粉末飲料ミックスであるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明に従う脂質レベル低下組成物は、任意の適切な経路(経口、エアロゾル、もしくは肺への送達のための他のデバイス、鼻スプレー、静脈内、筋肉内、腹腔内、膣、直腸、および局所、経粘膜もしくは経皮が挙げられる)によって投与され得る。経粘膜もしくは経皮投与については、浸透させるべきバリアに適した浸透剤が、上記処方物中で使用される。このような浸透剤は、一般に、当該分野で公知である。経粘膜投与は、鼻スプレー、坐剤もしくは直腸送達のための保持浣腸の使用を介して達成され得る。上記坐剤は、従来の坐剤用基剤(例えば、カカオ脂および他のグリセリド)を含み得る。経皮投与については、上記活性化合物は、当該分野で一般に公知であるように、軟膏、膏薬、ゲル、もしくはクリーム剤へと処方される。
【0030】
HLおよびKDCは、同時に、または一定期間にわたって逐次的に投与され得る。HLおよびKDCを逐次的に投与するための有効な時間範囲は、60分間以下である。好ましくは、HLおよびKDCは、同時投与される。HLおよびKDCを含む組成物は、単独で、もしくは別の医薬と組み合わせて、使用され得る。
【0031】
本発明に従うHLおよびKDCの投与量は、上記患者の処置されるべき特定の状態、ならびに年齢、性別、および全身的な健康状態に依存する。有効投与量は、相乗効果を奏するに十分な量において、HLおよびKDCの相乗作用に有効な量において投与される。しかし、適切な投与量は、0.1〜500mg/kg体重/日の間の範囲で、1〜10日用量の間で、見いだされ得る。好ましくは、有効投与量は、1〜400mg/kg体重/日の間の範囲に及び、分割された用量において1日に2〜6回の間で投与される。より好ましくは、上記有効投与量は、2〜100mg/kg 体重/日であり得、分割された用量において1日に2〜4回の間で投与され得る。最も好ましくは、上記有効投与量は、10〜60mg/kg 体重/日であり得、分割された用量において1日に3回で投与される。
【0032】
約1%〜99%のHL:KDC重量比が、相乗作用がある;しかし、25%〜99%が好ましく、20%〜80%がより好ましく、25%〜75%がさらにより好ましく;33%〜75%がより好ましく;そして40%〜67%がより好ましく、適切には、1:1比が最も好ましい。
【0033】
約1%〜99%のHLエタノール抽出物:KDCエタノール抽出物重量比は、相乗作用があり、好ましい;しかし、25〜75%はより好ましく、30%〜67%はさらにより好ましく;そして約1:2の比が最も好ましい。
【0034】
約1% 対 99%のHLエタノール抽出物:KDC酢酸エチル抽出物重量比は、相乗作用があり、好ましい;しかし、25% 対 75%がより好ましく、33% 対 67%がさらにより好ましく、そして約2:1比が最も好ましい。
【0035】
約1% 対 99%のHLエタノール抽出物:KDC水抽出物重量比は、相乗作用がある;しかし、5% 対 85%が好ましく、25% 対 75%がより好ましく、そして約3:1比が最も好ましい。
【0036】
約1% 対 99%のHLエタノール抽出物:クロロゲン酸重量比は、相乗作用がある;しかし、25% 対 75%が好ましく、約1:3比が最も好ましい。
【0037】
約1% 対 65%のベルベリン:ルペオール重量比は、相乗作用があり、好ましい;しかし、5 対 60%がより好ましく、30% 対 55%がさらにより好ましく、そして約1:1比が最も好ましい。
【0038】
約1% 対 99%のベルベリン:ベツリン重量比は、相乗作用があり、好ましい;しかし、30 対 70%がより好ましく、30% 対 60%がさらにより好ましく;そして約1:1比が最も好ましい。
【0039】
約1% 対 50%のベルベリン:ウルソール酸重量比は、相乗作用があり、好ましい;しかし、1 対 49%がより好ましく、30 対 40%がさらにより好ましく;そして約1:2比が最も好ましい。
【0040】
約1% 対 75%のベルベリン:クロロゲン酸重量比は、相乗作用があり、好ましい;しかし、5 対 74%がより好ましく、20% 対 50%がさらにより好ましく;そして約1:3比が最も好ましい。
【0041】
約1% 対 99%のベルベリン:パルミチンクロリド重量比は、相乗作用があり、好ましい;しかし、25% 対 75%はより好ましく;そして約2:1比が最も好ましい。
【0042】
用語「有効量」および/もしくは「治療的量」とは、処置されている疾患状態の予防および/もしくは処置を提供するに十分な投与量を意味する。これは、患者、疾患の状態、および行われる処置に依存して変動する。上記患者は、ヒトもしくは動物(トリおよび哺乳動物を含む)であり得る。従って、上記組成物は、医療的用途および獣医学的用途の両方を有する。
【0043】
以下の実施例において、Apo−B分泌実験を、HepG2細胞に対して行った。これら細胞を、アメリカンタイプカルチャーコレクション(カタログ番号:ATCC HB−8065)から得た。HepG2(ヒト肝芽腫由来細胞株)は、インタクトなヒト肝臓におけるリポプロテイン取り込みおよび代謝を研究するために最も一般的に使用されるモデルのうちの1つである。これら細胞は、ヒト肝臓細胞から分泌される血漿タンパク質(アポリポプロテイン−Bを含む)のうちの大部分を分泌する[38]。さらに、細胞内および細胞外のコレステロール代謝に関与する酵素(LCAT、ACAT、HMG−CoAレダクターゼおよびコレステロール7−α−ヒドロキシラーゼが挙げられる)の大部分は、これら細胞において発現される[39]。それらはまた、飽和可能な高親和性および飽和不能な(nonsaturable)低親和性のLDL結合部位の両方を示す[40]。
【0044】
本発明は、ここで以下の実施例によってさらに解明される。
【実施例】
【0045】
(実施例1)
(HepG2細胞からのApo−Bの分泌に対するHLおよびKDCの用量関連効果の決定)
単独で、および組み合わせで使用される場合、ヒト肝癌細胞Hep−G2からのapo−Bの分泌に対するHL、KDCおよびサンザシ抽出物の効果を、決定した。Coptis chinesis(黄連)および苦丁茶(Ilex kudingcha)の水抽出物を作りだし、試験した;結果は、それぞれ、図1および図2に示す。Coptis chinesis(黄連)のエタノール抽出物および苦丁茶(Ilex kudingcha)の酢酸エチル抽出物もまた、作りだし、サンザシ抽出物を、図3〜12に示されるこれら実験のために使用した。単離された黄連抽出物もしくは苦丁茶抽出物は、用量関連様式においてHep−G2細胞からのapo−Bの分泌を低下させ(図3)、上記サンザシ抽出物はまた、上記細胞からのapo−Bの分泌に対して阻害効果を有する(図4)。HLは、KDCより大きな効力を有した。HL抽出物およびKDC抽出物のIC50値は、それぞれ、146μg/mlおよび238.6μg/mlであることが分かった。上記HLへの(図5)、および上記KDCへの(図6)サンザシ抽出物の添加は、用量依存性様式において、両方の抽出物の効力を増大させることが分かった。
【0046】
さらに、apo−B分泌に対するHL抽出物およびKDC抽出物を1:1の重量比で組み合わせる効果(図8)は、相乗効果を示す。明らかなように、上記組み合わせは、HLもしくはKDCのいずれかの単離された抽出物より大きな効力を有することが見いだされ、従って、上記抽出物の間で相乗効果を示した。
【0047】
(実施例2)
(HepG2細胞からのApo−Bの分泌に対するHL、KDCおよびサンザシの用量関連効果の決定)
apo−Bの分泌に対する、HL抽出物、KDC抽出物、および2つの異なる濃度でのサンザシ抽出物を含む混合物の効果を示す(図7)。サンザシの存在下で、HLもしくはKDC単独のいずれかの濃度を増大させても、apo−B分泌に対する上記混合物の阻害効果に対するさらなる効果はほとんどなかったのに対して、サンザシの濃度を増大させると、上記組み合わせ抽出物の効力全体を増大させることが分かった。しかし、これら3種の抽出物のうちのいずれか2つの濃度が同時に増大した場合、上記混合物の効力全体が増大することが分かった。3種の抽出物全ての濃度の増大は、最も大きな効力を有することが分かった。上記データの因子分析から、上記3種の抽出物の中で、サンザシ抽出物が、上記混合物の効力全体に対して最も貢献しており、続いて、HLおよびKDCが、最小の効果を有したことが明らかになった。HLとKDCとの間の相互作用の性質は、相乗作用があることが分かった。
【0048】
(実施例3)
(HL抽出物およびKDC抽出物の組み合わせのIC50値の決定)
上記HLおよびKDCのIC50値は、それぞれ、146μg/mlおよび239.1μg/mlであることが分かった。HLの濃度を、50μg/mlにおいて一定に保持しかつKDCを変化させた場合、上記IC50値は、163.5μg/mlであることが分かった;この結果は、KDC抽出物の113.5μg/mlが、50% 効力につき50μg/ml HLに付加されるはずであることを示す。さらに、HL濃度を100μg/ml一定にしかつKDCを変化させた場合、上記IC50は、123.3μg/mlであることが分かった。従って、100μg/mlのHLは、50% 効力につき23.3μg/mlのKDC抽出物に付加されるはずである。上記組み合わせた抽出物の低い方のIC50値は、上記2種の抽出物が、hepG2細胞からのapo−Bの分泌を低下させることにおいて相乗作用で作用したことを示唆する。
【0049】
さらなる実験を、上記HL抽出物とKDC抽出物との間の相乗効果を確認するために引き続き行った。非線型ブレンド、アイソボログラムおよび組み合わせ指数を含む3つの一般に使用されるアプローチを、この相互作用を決定するために利用した。
【0050】
150μg/ml、200μg/mlおよび250μg/mlの総用量に対するHLおよびKDCの混合物についての非線型ブレンド曲線を、それぞれ、図9、図10、および図11に図示する。すべてのこれら濃度において、上記混合物中でHLの割合を増大させると、上記抽出物の効力が増大することがわかった。このことは、上記線の内方への曲がりにおいて反映され、それによって、上記2種の抽出物の間の相互作用の性質が、相乗作用があることを示した。
【0051】
さらに、HL抽出物およびKDC抽出物の種々の組み合わせに対してプロットしたIC50値(表1)に基づくアイソボログラムは、内方に曲がることがわかった(図12)。このことは、上記2種の抽出物の間の相互作用の性質が、相乗作用的であることをさらに示した。図12は、上記2種の抽出物のIC50値に基づく(50% 効力を示す)。このことは、50μg/mlのHL濃度において、113.2μg/mlのKDCが、HepG2細胞からのapo−Bの分泌において50%阻害を達成するために必要とされることを示す。であるのに対して、HLの濃度が100μg/mlに増大される場合、わずか23.3μgのKDCがこの効果を達成するために必要とされる。
【0052】
【表1】

(組み合わせ指数)
薬物組み合わせ指数(CI)の決定は、薬物相互作用の性質の定量的情報を提供する。それは、以下の式を介して計算される:
CI=(CA,X/ICX,A) + (CB,X/ICX,B
A,XおよびCB,Xは、x%薬物効果を達成するために、組み合わせにおいて使用される薬物Aおよび薬物Bの濃度である。ICX,AおよびICX,Bは、同じ効果を達成するための単一薬剤の濃度である。1より小さい、1に等しい、および1より大きいCIは、それぞれ、相乗効果、相加効果、および拮抗作用を示す。
【0053】
HL 50μg/mlについて:0.81
HL 100μg/mlについて:0.78。
【0054】
上記両方のHL濃度について計算された組み合わせ指数は、1より小さいことが分かった。このことは、HLおよびKDCが、Hep−G2細胞からのapo−Bの分泌を減少することにおいて相乗作用で相互作用したことをさらに示す。
【0055】
上記組み合わせ指数を、上記IC50値から計算した。そして上記HL単独のIC50値が150μg/mlより小さいことが分かったので、150μg/mlより大きなHLの量を含む混合物についての組み合わせ指数(CI)は、計算できない。
【0056】
(実施例4)
(抽出方法が、KDCの観察される生物学的活性に影響を及ぼすか否かの決定)
抽出方法がKDCの生物学的活性に影響を及ぼすか否かを決定するために、KDCの3種の異なる抽出物を調製した。図13は、これら抽出物の調製において利用される処理技術を示すフロー図を示す。生のKDC葉を、最初に、エタノールで抽出し、その得られた抽出物(5−21−1)を凍結乾燥し、その後、他の抽出物の調製および生物学的活性の評価に利用した。その乾燥抽出物(5−21−1)を、水に溶解させ、酢酸エチルでさらに抽出した。酢酸エチル抽出の後に得られた有機相抽出物(5−74−A)および水相抽出物(5−74−B)の両方を、回収した。KDC処理の間に生の葉から得られた全ての抽出物を、両方を単独で、およびHLのエタノール抽出物と組み合わせて生物学的活性について試験した。
【0057】
KDCおよびHLのエタノール抽出物の間の相互作用:図14〜16は、150μg/ml、200μg/mlおよび250μg/mlの総組み合わせ用量に対するHLのエタノール抽出物とKDCのエタノール抽出物(5−21−1)との間の非線形ブレンド曲線を示す。異なる割合でのこれら抽出物の混合物は、これら抽出物個々のいずれかのものより高い効力を一貫して有することが分かった。従って、上記結果は、hepG2細胞からのapo−B関連リポプロテインの分泌を減少することにおいてHLのエタノール抽出物およびKDCとの間の相乗効果を示す。
【0058】
上記KDCの酢酸エチル有機相抽出物(5−74−A)とHLとの間の相互作用:図17および図18は、それぞれ、150μg/mlおよび200μg/mlの総組み合わせ用量に対して、上記HLのエタノール抽出物(HL)と、エタノール抽出、次いで酢酸エチル抽出の両方の後に得られたKDCの上記有機相抽出物(5−74−A)との間の相互作用を示す。従って、5−74−Aは、これら実験において試験した用量の両方に対して、上記HL抽出物と相乗作用で作用することが分かった。
【0059】
KDCの水相抽出物(5−74−B)とHLとの相互作用:図19、図20、および図21は、上記HLのエタノール抽出物、およびエタノール抽出、次いで、酢酸エチル抽出の両方の後に得られたKDCの水相抽出物(5−74−B)を含む混合物についての非線形ブレンド曲線を示す。図19〜21は、HLが、KDCの5−74−B抽出物と相乗作用で作用することを実証する。
【0060】
図14〜21に示されるように、KDCについての抽出方法は、そのHLとの相乗作用の相互作用に影響を及ぼさない。上記3つの抽出物の中で、5−74−Aは、HLと最も大きな相乗効果を有することが分かった(図22および図23)。
【0061】
(実施例5)
(トリテルペノイド、ウルソール酸、ベツリン、およびルペオール、ならびにHLとの間の相互作用)
5−74−Aの化学的分析から、5−74−Aが、種々のトリテルペノイドを含んでいたことが明らかになった。そして特に、顕著な量のルペオール、ベツリンおよびウルソール酸が、この抽出物中で見いだされた。従って、次の実験セットを、これらトリテルペノイドの各々と、上記HLのエタノール抽出物との間の相互作用の性質を決定するために設計した。
【0062】
図24〜29に記載される実験は、HLが約20% BBRを含むことを示す先の実験分析に基づいた。従って、HL中のBBRの20%の値を、ウルソール酸もしくはルペオールのいずれかと組み合わせて、30μg/mlもしくは50μg/mlの総組み合わせ用量の混合物を調製した。例えば、図24において、40% BBR含有量を有する50μg/mlの総用量に対して、20μg/mlのBBRが必要とされる;従って、100μg/mlのHLを、30μg/mlのウルソール酸(60% ウルソール酸含有量に対して)に添加した。同様の様式において、HL中の20%のBBRをベツリンと組み合わせて、50μg/mlおよび75μg/mlの総組み合わせ用量の混合物を調製した。これらテルペノイドの各々とHLとの非線形ブレンド曲線を、図24〜29に示す。従って、トリテルペノイド、特に、ウルソール酸、ベツリンおよびルペオールは、HLと相互作用するKDCの構成要素のうちのいくつかである可能性があるようである。
【0063】
(実施例6)
(KDC水性細画分である94−1、94−2、94−3と、黄連との間の相互作用)
上記実験の完了の後に、5−74−B(KDCのエタノール抽出および酢酸エチル抽出の後に得られた水相抽出物)を、セファデックス−15カラムを通す水溶出によってさらに分画し、3つの画分を連続して回収し、画分94−1、94−2および94−3と称した。
【0064】
94−1とHLのエタノール抽出物との間の相互作用:図30は、94−1および上記HL抽出物の種々の混合物についての非線形ブレンド曲線を示す。図30から明らかであるように、94−1は、HLと相乗作用で相互作用した。
【0065】
94−2とHLのエタノール抽出物との間の相互作用:図31は、94−2がまた、HLと組み合わせた場合に相乗作用があることを示す。
【0066】
94−3とHLのエタノール抽出物との間の相互作用:図32は、94−3がまた、HLと組み合わせた場合に相乗作用があることを示す。その効果は、3:1という94−3 対 HLの重量において最も明らかである。
【0067】
図30〜32において示されるように、5−74−Bの各細画分は、HLと相乗作用がある。上記水相抽出物5−74−Bの3つの細画分の中で、94−3は、HLと最も大きな相乗効果を有する(図33を参照のこと)。
【0068】
(実施例7)
94−3の化学的分析から、この画分の主要な構成成分のうちの1つが、クロロゲン酸といわれるカフェオイルキナ酸であることが明らかになった。従って、その後の実験を、クロロゲン酸と上記HLのエタノール抽出物との間の相互作用の性質を決定するために設計した。
【0069】
クロロゲン酸と上記HLのエタノール抽出物との間の相互作用:クロロゲン酸および上記HLのエタノール抽出物を、その相互作用を研究するために、種々の割合で一緒に混合した。これら組み合わせの効果を、図34および図35において、50μg/mlおよび75μg/mlの総組み合わせ用量において図示する。クロロゲン酸はまた、上記HL抽出物との相乗効果を表した。このことは、上記KDC抽出物のクロロゲン酸含有量が、HLとKDCとの間の示された相乗効果に寄与しているようであることを示す。
【0070】
(実施例8)
実験を、BBRと、KDCの種々の潜在的活性成分(ルペオール、ベツリン、ウルソール酸、およびクロロゲン酸を含む純粋化合物)との間の相乗効果を考慮するために考え出した。以下のグラフは、図36〜39においてBBRと、これら純粋化合物との間の相乗効果を図示する。
【0071】
(実施例9)
実験をまた、HLの異なる成分の間での相互作用の性質を決定するために行った。従って、ベルベリンとパルミチンクロリドとの間の相互作用の性質を決定した。そしてこれを、図40に示す。パルミチンクロリドはまた、ベルベリンと相乗作用で相互作用することがわかった。
【0072】
【数1】

【0073】
【数2】

【0074】
【数3】

(項目1)
相乗作用に有効な量のHLおよびKDCを含む、相乗作用の血中脂質低下組成物。
(項目2)
有効量のサンザシ抽出物をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目3)
HL 対 KDCの重量比は、約15%〜85%の間である、項目1に記載の組成物。
(項目4)
HL 対 KDCの重量比は、25〜75%の間である、項目3に記載の組成物。
(項目5)
HL 対 KDCの重量比は、33〜67%の間である、項目4に記載の組成物。
(項目6)
HL 対 KDCの重量比は、40〜60%の間である、項目5に記載の組成物。
(項目7)
HL 対 KDCの重量比は、約1:1である、項目6に記載の組成物。
(項目8)
血中脂質レベルを低下させる必要のある患者における血中脂質レベルを低下させるための方法であって、該方法は、相乗作用に有効な量の第1の活性成分(HL)および第2の活性成分(KDC)を該患者に投与する工程を包含し、
該第1の活性成分は、黄連、黄連抽出物、黄連中に見いだされる化学的に合成された化合物、ベルベリン、ベルベリン含有抽出物、ベルベリン誘導体、ベルベリンアナログ、およびベルベリン関連アルカロイドからなる群より選択され、
該第2の活性成分は、苦丁茶、苦丁茶植物の任意の部分、苦丁茶抽出物、苦丁茶中に見いだされる化学的に合成された化合物、および新鮮もしくは乾燥苦丁茶植物の任意の部分に由来する純粋な化学種からなる群より選択される、
方法。
(項目9)
前記HLもしくはKDCのうちの少なくとも一方は、食品もしくは飲料において前記患者に経口投与される、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記組成物は、食品もしくは飲料である担体をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目11)
血中脂質レベルの低下のための、別の医薬と組み合わせるかもしくは食品品目を含む1種以上の薬学的に受容可能な担体と組み合わせられている、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目12)
血中脂質レベルの低下のための薬学的組成物、食品もしくは飲料の調製のための、項目1に記載の組成物の使用。
(項目13)
ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物を含む、血中脂質レベル低下相乗作用の組成物。
(項目14)
有効量のサンザシ抽出物をさらに含む、項目13に記載の組成物。
(項目15)
前記ベルベリン含有植物抽出物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisに由来する、項目13に記載の組成物。
(項目16)
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、項目13に記載の組成物。
(項目17)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約10%〜90%の間である、項目13に記載の組成物。
(項目18)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、25%〜75%の間である、項目17に記載の組成物。
(項目19)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、33%〜67%の間である、項目18に記載の組成物。
(項目20)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、40%〜60%の間である、項目19に記載の組成物。
(項目21)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約1:1である、項目20に記載の組成物。
(項目22)
血中脂質レベルの低下のための別の医薬と組み合わせるかもしくは食品品目を含む1種以上の薬学的に受容可能な担体と組み合わせられている、項目13に記載の薬学的組成物。
(項目23)
血中脂質レベルの低下のための薬学的組成物、食品もしくは飲料の調製のための、項目13に記載の組成物の使用。
(項目24)
血中脂質レベル低下組成物を生成するためのプロセスであって、該プロセスは、溶媒中に苦丁茶1gあたり1〜1000mL溶媒中の液体抽出を使用して、苦丁茶抽出物を得る工程、該苦丁茶生成物を回収する工程、溶媒中にベルベリン含有植物1gあたり5〜20mL溶媒中の液体抽出物を使用して、該ベルベリン含有植物からベルベリン溶液を得る工程、該ベルベリン生成物を回収する工程を包含し、該苦丁茶生成物および該ベルベリン生成物を混合する工程をさらに包含する、プロセス。
(項目25)
前記ベルベリン含有植物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisである、項目24に記載のプロセス。
(項目26)
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、項目24に記載のプロセス。
(項目27)
前記溶媒は、水、酸性水、アルコール水溶液、酸性のアルコール水溶液、酢酸エチルおよび酢酸エチルベースの溶媒混合物である、項目24に記載のプロセス。
(項目28)
前記溶媒は、水性アルコール抽出物である、項目24に記載のプロセス。
(項目29)
前記溶媒は、酢酸エチルもしくは酢酸エチルベースの溶媒混合物である、項目24に記載のプロセス。
(項目30)
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、約10%〜90%の間である、項目24に記載のプロセス。
(項目31)
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、25%〜75%の間である、項目30に記載のプロセス。
(項目32)
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、33%〜67%の間である、項目31に記載のプロセス。
(項目33)
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、40%〜60%の間である、項目32に記載のプロセス。
(項目34)
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、約1:1である、項目33に記載のプロセス。
(項目35)
血中脂質レベルを低下させる必要のある患者における血中脂質レベルを低下させるための方法であって、該方法は、該患者に、有効量のベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物を投与する工程を包含する、方法。
(項目36)
前記ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物は、同時に投与される、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物は、連続して投与される、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物は、60分間を含め、最大60分までの期間にわたって投与される、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記ベルベリン含有植物抽出物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisに由来する、項目35に記載の方法。
(項目40)
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、項目35に記載の方法。
(項目41)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約10%〜90%の間である、項目35に記載の方法。
(項目42)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、25%〜75%の間である、項目41に記載のプロセス。
(項目43)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、33%〜66%の間である、項目42に記載のプロセス。
(項目44)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、40%〜60%の間である、項目43に記載のプロセス。
(項目45)
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約1:1である、項目44に記載のプロセス。
(項目46)
前記組成物の抽出物のうちの少なくとも一方は、経口投与される、項目35に記載の方法。
(項目47)
前記低下される血中脂質レベルは、トリグリセリドレベルを含む、項目35に記載の方法。
(項目48)
前記低下される血中脂質レベルは、低密度リポプロテインコレステロールレベルを含む、項目35に記載の方法。
(項目49)
前記低下される血中脂質レベルは、総コレステロールレベルを含む、項目35に記載の方法。
(項目50)
哺乳動物における心血管疾患、高脂血症、心筋症、高リポタンパク血症、高レベルのリポタンパク質(a)、虚血、冠動脈性心疾患、アテローム動脈硬化症、アンギナ、脳血管疾患、脳卒中、オーバーウェイトもしくは肥満、心筋梗塞、糖尿病、インスリン抵抗性、硬化障害、高血糖症、高血圧症、不整脈、中枢神経系の疾患、脳疾患、末梢神経系の疾患または炎症を処置もしくは予防するための、項目35に記載の方法。
(項目51)
前記哺乳動物はヒトである、項目35に記載の方法。
(項目52)
血中脂質レベルを低下させる必要のある哺乳動物における血中脂質レベルを低下するための調製物を含むキットであって、該キットは、別個の容器中に、ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物を含む、キット。
(項目53)
前記ベルベリン含有植物抽出物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisである、項目52に記載のキット。
(項目54)
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、項目52に記載のキット。
(項目55)
ギムネマ(Gymnema Sylvestre)由来のギムネマ酸および/もしくはギムネマ酸含有抽出物、Gynostemma pentaphyllum(Gynostemma pentaphylla(thumb.)makino)由来のギペノシドおよび/もしくはギペノシド含有抽出物、葛(Pueraria lobata O.)由来のイソフラボンおよびイソフラボン含有抽出物、サンザシ(Crataegus pinnatifida、およびpinnatifida Bge.Var.major NE Br.)由来のフラボンおよび/もしくはフラボン含有抽出物、大黄(Rheum officinale baill.)由来のエモジンおよび/もしくはエモジン含有抽出物、ヤマイモ(Dioscorea Opposita Thunb)由来のジオスゲニンおよび/もしくはジオスゲニン含有抽出物、ならびに穿心蓮(Andrographis paniculatae)由来のアンドログラホリドおよび/もしくはアンドログラホリド含有抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の薬草抽出物をさらに包含する、項目1に記載の組成物。
(項目56)
ギムネマ(Gymnema Sylvestre)由来のギムネマ酸および/もしくはギムネマ酸含有抽出物、Gynostemma pentaphyllum(Gynostemma pentaphylla(thumb.)makino)由来のギペノシドおよび/もしくはギペノシド含有抽出物、葛(Pueraria lobata O.)由来のイソフラボンおよび/もしくはイソフラボン含有抽出物、サンザシ(Crataegus pinnatifida、およびpinnatifida Bge.Var.major NE Br.)由来のフラボンおよび/もしくはフラボン含有抽出物、大黄(Rheum officinale baill.)由来のエモジンおよび/もしくはエモジン含有抽出物、ヤマイモ(Dioscorea Opposita Thunb)由来のジオスゲニンおよび/もしくはジオスゲニン含有抽出物、ならびに穿心蓮(Andrographis paniculatae)由来のアンドログラホリドおよび/もしくはアンドログラホリド含有抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の薬草抽出物を投与する工程をさらに包含する、項目33に記載の方法。
(項目57)
有効量の、サンザシ由来のフラボンをさらに含む、項目13に記載の組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相乗作用に有効な量の第1の活性成分(HL)および第2の活性成分(KDC)を含む、相乗作用の血中脂質低下組成物であって、
該第1の活性成分は、黄連、黄連抽出物、黄連中に見いだされる化学的に合成された化合物、ベルベリン、ベルベリン含有抽出物、ベルベリン誘導体、ベルベリンアナログ、およびベルベリン関連アルカロイドからなる群より選択され、
該第2の活性成分は、苦丁茶、苦丁茶植物の任意の部分、苦丁茶抽出物、苦丁茶中に見いだされる化学的に合成された化合物、および新鮮もしくは乾燥苦丁茶植物の任意の部分に由来する純粋な化学種からなる群より選択される、
組成物。
【請求項2】
有効量のサンザシ抽出物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
HL 対 KDCの重量比は、約10%〜90%の間である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
HL 対 KDCの重量比は、25〜75%の間である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
HL 対 KDCの重量比は、33〜67%の間である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
HL 対 KDCの重量比は、40〜60%の間である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
HL 対 KDCの重量比は、約1:1である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
血中脂質レベルを低下させる必要のある患者における血中脂質レベルを低下させるための方法であって、該方法は、相乗作用に有効な量の第1の活性成分(HL)および第2の活性成分(KDC)を該患者に投与する工程を包含し、
該第1の活性成分は、黄連、黄連抽出物、黄連中に見いだされる化学的に合成された化合物、ベルベリン、ベルベリン含有抽出物、ベルベリン誘導体、ベルベリンアナログ、およびベルベリン関連アルカロイドからなる群より選択され、
該第2の活性成分は、苦丁茶、苦丁茶植物の任意の部分、苦丁茶抽出物、苦丁茶中に見いだされる化学的に合成された化合物、および新鮮もしくは乾燥苦丁茶植物の任意の部分に由来する純粋な化学種からなる群より選択される、
方法。
【請求項9】
前記HLもしくはKDCのうちの少なくとも一方は、食品もしくは飲料において前記患者に経口投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物は、食品もしくは飲料である担体をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
血中脂質レベルの低下のための、別の医薬と組み合わせるかもしくは食品品目を含む1種以上の薬学的に受容可能な担体と組み合わせられている、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
血中脂質レベルの低下のための薬学的組成物、食品もしくは飲料の調製のための、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項13】
ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物を含む、血中脂質レベル低下相乗作用の組成物。
【請求項14】
有効量のサンザシ抽出物をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記ベルベリン含有植物抽出物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisに由来する、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約10%〜90%の間である、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、25%〜75%の間である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、33%〜67%の間である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、40%〜60%の間である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約1:1である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
血中脂質レベルの低下のための別の医薬と組み合わせるかもしくは食品品目を含む1種以上の薬学的に受容可能な担体と組み合わせられている、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
血中脂質レベルの低下のための薬学的組成物、食品もしくは飲料の調製のための、請求項13に記載の組成物の使用。
【請求項24】
血中脂質レベル低下組成物を生成するためのプロセスであって、該プロセスは、溶媒中に苦丁茶1gあたり1〜1000mL溶媒中の液体抽出を使用して、苦丁茶抽出物を得る工程、該苦丁茶生成物を回収する工程、溶媒中にベルベリン含有植物1gあたり1〜1000mL溶媒中の液体抽出物を使用して、該ベルベリン含有植物からベルベリン溶液を得る工程、該ベルベリン生成物を回収する工程を包含し、該苦丁茶生成物および該ベルベリン生成物を混合する工程をさらに包含する、プロセス。
【請求項25】
前記ベルベリン含有植物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisである、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、請求項24に記載のプロセス。
【請求項27】
前記溶媒は、水、酸性水、アルコール水溶液、酸性のアルコール水溶液、酢酸エチルおよび酢酸エチルベースの溶媒混合物である、請求項24に記載のプロセス。
【請求項28】
前記溶媒は、アルコール水溶液である、請求項24に記載のプロセス。
【請求項29】
前記溶媒は、酢酸エチルもしくは酢酸エチルベースの溶媒混合物である、請求項24に記載のプロセス。
【請求項30】
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、約10%〜90%の間である、請求項24に記載のプロセス。
【請求項31】
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、25%〜75%の間である、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、33%〜67%の間である、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、40%〜60%の間である、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記ベルベリン溶液 対 苦丁茶溶液の重量比は、約1:1である、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
血中脂質レベルを低下させる必要のある患者における血中脂質レベルを低下させるための方法であって、該方法は、該患者に、有効量のベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項36】
前記ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物は、同時に投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物は、連続して投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物は、60分間を含め、最大60分までの期間にわたって投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記ベルベリン含有植物抽出物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisに由来する、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約10%〜90%の間である、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、25%〜75%の間である、請求項41に記載のプロセス。
【請求項43】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、33%〜66%の間である、請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、40%〜60%の間である、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記ベルベリン含有植物抽出物 対 苦丁茶抽出物の重量比は、約1:1である、請求項44に記載のプロセス。
【請求項46】
前記組成物の抽出物のうちの少なくとも一方は、経口投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記低下される血中脂質レベルは、トリグリセリドレベルを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
前記低下される血中脂質レベルは、低密度リポプロテインコレステロールレベルを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項49】
前記低下される血中脂質レベルは、総コレステロールレベルを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項50】
哺乳動物における心血管疾患、高脂血症、心筋症、高リポタンパク血症、高レベルのリポタンパク質(a)、虚血、冠動脈性心疾患、アテローム動脈硬化症、アンギナ、脳血管疾患、脳卒中、オーバーウェイトもしくは肥満、心筋梗塞、糖尿病、インスリン抵抗性、硬化障害、高血糖症、高血圧症、不整脈、中枢神経系の疾患、脳疾患、末梢神経系の疾患または炎症を処置もしくは予防するための、請求項35に記載の方法。
【請求項51】
前記哺乳動物はヒトである、請求項35に記載の方法。
【請求項52】
血中脂質レベルを低下させる必要のある哺乳動物における血中脂質レベルを低下するための調製物を含むキットであって、該キットは、別個の容器中に、ベルベリン含有植物抽出物および苦丁茶抽出物を含む、キット。
【請求項53】
前記ベルベリン含有植物抽出物は、Coptis chinensis Franch、Coptis deltoidea C.Y.Cheng et Hsiao、Coptis teeta WallもしくはHydrastis Canadensisである、請求項52に記載のキット。
【請求項54】
前記苦丁茶抽出物は、Ilex kudincha C.J.Tseng(Aquifoliaceae)、Ilex aquifoliacese、Ilex latifolia Thunb、Ligustrum robustum、Ehretia thyrsiflora、Clerodendrun fortunatum L.もしくはIlex cornuta Lindl. ex paxtに由来する、請求項52に記載のキット。
【請求項55】
ギムネマ(Gymnema Sylvestre)由来のギムネマ酸および/もしくはギムネマ酸含有抽出物、Gynostemma pentaphyllum(Gynostemma pentaphylla(thumb.)makino)由来のギペノシドおよび/もしくはギペノシド含有抽出物、葛(Pueraria lobata O.)由来のイソフラボンおよびイソフラボン含有抽出物、サンザシ(Crataegus pinnatifida、およびpinnatifida Bge.Var.major NE Br.)由来のフラボンおよび/もしくはフラボン含有抽出物、大黄(Rheum officinale baill.)由来のエモジンおよび/もしくはエモジン含有抽出物、ヤマイモ(Dioscorea Opposita Thunb)由来のジオスゲニンおよび/もしくはジオスゲニン含有抽出物、ならびに穿心蓮(Andrographis paniculatae)由来のアンドログラホリドおよび/もしくはアンドログラホリド含有抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の薬草抽出物をさらに包含する、請求項1に記載の組成物。
【請求項56】
ギムネマ(Gymnema Sylvestre)由来のギムネマ酸および/もしくはギムネマ酸含有抽出物、Gynostemma pentaphyllum(Gynostemma pentaphylla(thumb.)makino)由来のギペノシドおよび/もしくはギペノシド含有抽出物、葛(Pueraria lobata O.)由来のイソフラボンおよび/もしくはイソフラボン含有抽出物、サンザシ(Crataegus pinnatifida、およびpinnatifida Bge.Var.major NE Br.)由来のフラボンおよび/もしくはフラボン含有抽出物、大黄(Rheum officinale baill.)由来のエモジンおよび/もしくはエモジン含有抽出物、ヤマイモ(Dioscorea Opposita Thunb)由来のジオスゲニンおよび/もしくはジオスゲニン含有抽出物、ならびに穿心蓮(Andrographis paniculatae)由来のアンドログラホリドおよび/もしくはアンドログラホリド含有抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の薬草抽出物を投与する工程をさらに包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項57】
有効量の、サンザシ由来のフラボンをさらに含む、請求項13に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公表番号】特表2011−519368(P2011−519368A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506794(P2011−506794)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005461
【国際公開番号】WO2009/133458
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(510231880)アフェクサ ライフ サイエンシーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】