説明

血小板の計数

血液試料中の血小板の体積計数のための試料獲得装置は、血液試料を受け取るための測定空洞を含む。測定空洞は、固定された所定の厚さを有する。試料獲得装置は、測定空洞を画定する表面上に乾燥した形で配置された試薬をさらに含む。試薬は、血液試料中の赤血球を溶解させるための溶血剤と、任意選択で、血液試料中の血小板を選択的に染色するための染色剤とを含む。システムは、試料獲得装置と測定装置とを含む。測定装置は、試料獲得装置ホルダと、光源と、試料の拡大像のデジタル画像を獲得するための撮像システムとを含む。測定装置は、獲得したデジタル画像を分析して、血液試料中の血小板の数を求めるように構成された画像分析器をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液試料中の血小板(thrombocyte)の体積計数(volumetric enumeration)のための試料獲得装置、方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
血小板又は小板(platelet)は、巨細胞、巨核球の細胞質に由来する循環する血液成分である。血小板は、厳密には細胞ではなく、核をもたない。血小板には、止血、血餅収縮、損傷した血管の修復、及び炎症に重要な役割があり、一般に、血液1リットル当たり約250×10の濃度で存在する。血液中での生存期間は通常、8〜10日間である。血小板は、小さな円盤形で、直径約2μm、体積約7flである。血小板は、血液凝固に関係する物質を含み、これらの物質は、血小板中に特定の顆粒状で貯蔵され、血管内で亀裂が生じたときなど、血小板が活性化されると放出される。
【0003】
血小板数を求めることは、患者の治療に関連して重要になることが多い。この分析は、複数の疾患を診断するために必要とされることがある。たとえば、血小板数が少ない(血液1リットル当たり50×10未満)ということは、出血の素因の一般的な理由である血小板減少症であることを示す。血小板濃度が低いということは、たとえば再生不良性貧血の結果損傷した骨髄、急性白血病、骨髄腫若しくは細胞増殖抑止剤(cytostatica)、血小板の生存期間の減少、又は血小板凝集などの血小板分布の変化によって生じる、産生量の減少のためである可能性がある。一方、血小板濃度の上昇は、リウマチ性関節炎などの慢性炎症性疾患(血小板増加症(thrombocytose))の結果、又は骨髄で血小板が独立して産生される(血小板血症(thrombocytemia))結果である可能性があり、血栓、血栓症を招く恐れがある。
【0004】
分析結果をできるだけ早く得られるようにして患者の待ち時間を最小にし、且つ患者の最初の診察のときに、医師が治療及び診断をすぐに決定できるようにすることが望ましい。したがって、医師又は看護師が迅速に実行でき、検査室へ検査に送る必要のない分析方法を提供することが好ましいはずである。
【0005】
現在、血小板数は通常、自動コールターカウンタを用いて得られ、それによって血液成分(細胞及び血小板)が、電気伝導度又はインピーダンスを用いて識別される。米国特許第4240029号は、小板と赤血球の寸法を区別できる開口型変換器を用いて小板及び赤血球を数える装置を開示している。
【0006】
小板を数える別の自動化された方法は、フローサイトメータでのレーザ光散乱を使用する。小板は、測定された光散乱が示す通り、その寸法が比較的小さいことによって識別される。たとえば、米国特許第5817519号は、この方法の適用分野を開示している。
【0007】
小板数を評価する他の現在の方法は、国際公開第00/25140号に開示されているものなど、小板固有の抗体を利用すること、又は米国特許第6027904号に開示されているものなど、試料中の放出された小板顆粒タンパク質、たとえばトロンボスポンジン若しくはβ−トロンボグロブリンの量を測定することによる。
【0008】
血小板はまた、ブレッカークロンカイト(Brecher−Cronkite)法によって顕微鏡で数えられることもある。この方法により血液試料は、シュウ酸アンモニウム溶液と混合され、その後、暗い外周部を有する明るい点として見えるようになった血小板が、位相差顕微鏡で数えられる。血小板を数える別の知られた方法は、市販の試薬Plaxan(商標)を、バーカー(Burker)室などの計算室とともに使用することによる。計算室は、この計算室を明確に画定された小さな体積に分ける格子を備える。次いで、格子内の1枠当たりの血小板の数を数えることによって、血小板数を求めることができる。血小板数は、分析者によって手作業で得られ、信頼性の高い分析を実行できるためには、分析者が分析を実行する経験を積んでいる必要がある。これらの分析には、時間がかかる。さらに、これらの分析は手作業で実行されるので、分析の結果は、分析を実行する人によって異なる可能性がある。
【0009】
血小板数を求める既存の自動化された方法を高速化し且つ簡単にして、治療の現場で(at point of care)分析を提供できるようにすることが依然として必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、血小板の体積計数を求めるための簡単な分析を提供することである。本発明さらなる目的は、複雑な装置又は大がかりな試料の調製を必要としない迅速な分析を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的は、独立請求項に記載の試料獲得装置、方法、及びシステムによって、部分的に又は完全に達成される。好ましい実施形態は、従属請求項から明らかである。
【0012】
したがって、血液試料中の血小板の体積計数のための試料獲得装置が提供される。この試料獲得装置は、血液試料を受け取るための測定空洞を含む。測定空洞は、固定された所定の厚さを有する。試料獲得装置は、測定空洞を画定する表面上に乾燥した形で配置された試薬をさらに含み、前記試薬は、血液試料中の赤血球を溶解させるための溶血剤と、任意選択で、血液試料中の血小板を選択的に染色するための染色剤とを含む。
【0013】
試料獲得装置は、全血試料を測定空洞内へ直接取得し、それを分析することを可能にする。試料調製の必要はない。実際、血液試料は、患者の刺し傷をつけた指から直接、測定空洞内へ吸引することができる。試料獲得装置に試薬を与えることで、試料獲得装置内での反応を可能にし、それにより、試料を分析できる状態にする。反応は、血液試料が試薬と接触したときに開始される。したがって、試料を手作業で調整する必要はなく、それにより、分析は、患者が待っている間に診察室ですぐ実行するのに特に適したものとなる。
【0014】
試薬は乾燥した形で提供されるので、試料獲得装置の有用性に影響を及ぼすことなく、試料獲得装置を輸送し、長期間貯蔵することができる。したがって、試薬を有する試料獲得装置は、血液試料の分析を行うかなり前に製造し、調整することができる。
【0015】
多くの既存の方法が、異なる血球を、さらには血球のサブグループを数えることができるが、本発明による試料獲得装置は特に、血小板の体積計数を実行するように適合されている。試薬は、血液試料中の赤血球を溶解させるが、血小板は溶解させない溶血剤を含む。これにより、試料中の赤血球を計数する可能性がなくなる。一方、赤血球を溶解させることで、血液試料中の血小板を簡単に区別し且つ識別できるようにする。一部の無傷な白血球も存在する可能性があるが、白血球は血小板に比べて少数であり、寸法及び外観により、血小板とは容易に区別可能であろう。
【0016】
任意選択の染色剤は、個々の血小板のマーキングを提供する。これは、血小板を個別に見、又は検出することを可能にする1つの方法である。血小板を個別に見、又は検出することを可能にする別の方法は、位相差法を利用すること、好ましくは位相差顕微鏡を用いることによる。染色剤を位相差法とともに使用することもできる。血小板は、たとえば測定空洞を走査することによって、又は測定空洞の画像を得ることによって検出することができる。したがって、血小板数は、画定された体積中の個別に検出された血小板の数を合計することによって得ることができる。
【0017】
本発明はまた、血液試料中の血小板の体積計数のための方法を提供する。この方法は、血液試料を試料獲得装置の測定空洞内へ獲得するステップであって、前記測定空洞が、溶血剤と、任意選択で、試料と反応して血小板を染色する染色剤とを含む試薬を保持する、ステップと、血小板を有する試料に照射するステップと、測定空洞内の照射された試料の拡大像のデジタル画像を獲得するステップであって、染色剤で選択的に染色することによって、且つ/又は位相差によって、血小板を区別するステップと、デジタル画像をデジタル方式で分析して、血小板を識別し、且つ試料中の血小板の数を求めるステップとを含む。
【0018】
本発明はさらに、血液試料中の血小板の体積計数のためのシステムを提供する。このシステムは、前述の試料獲得装置を含む。システムは、測定装置をさらに含み、この測定装置は、測定空洞内に血液試料を保持する試料獲得装置を受けるように構成された試料獲得装置ホルダと、血液試料に照射するように構成された光源とを含む。測定装置は、撮像システムをさらに含み、この撮像システムは、拡大システムと、測定空洞内の照射された試料の拡大像のデジタル画像を獲得するためのデジタル画像獲得手段とを含み、染色剤で選択的に染色することによって、且つ/又は位相差によって、デジタル画像内で血小板を区別する。測定装置はまた、獲得したデジタル画像を分析して、血小板を識別し、血液試料中の血小板の数を求めるように構成された画像分析器を含む。
【0019】
本発明の方法及びシステムは、血小板数を求めるための、血液試料の非常に簡単な分析を提供する。この分析は、複雑な測定装置を必要とせず、操作者は高度なステップを実行する必要はない。したがって、この分析は、患者の診察に関連してすぐ実行することができ、資格のある技術者を必要としない。測定装置は、試料獲得装置のこれらの特性を利用して、測定空洞内へ直接獲得された無希釈の全血試料の分析を行う。測定装置は、ある体積の試料を撮像して、その1つの画像から血小板の体積計数を行うように構成される。
【0020】
血液試料は、測定空洞内で試薬と混合することができる。数分以内に、血液試料と試薬との反応により、赤血球を溶血させ、染色剤が与えられている場合、血小板を染色し、その結果試料は、すぐに光学測定へ出せるようになる。血液試料は、たとえば試薬を血液試料中へ分散若しくは拡散することによって、又は試料獲得装置を能動的に振動若しくは移動させて測定空洞内で撹拌を生じさせることによって、試薬と混合することができる。
【0021】
試料獲得装置は、前記測定空洞を画定する2つの平面を有する本体部材を含むことができる。これらの平面は、光学測定のための試料の厚さを決定するように、互いから所定の距離のところに配置することができる。これは、試料獲得装置が、光学測定に対して明確に画定された厚さを提供し、その厚さを使用して、血液試料の単位体積当たりの血小板数を正確に求めることができることを示唆する。分析される試料の体積は、測定空洞の厚さ及び撮像される試料の面積によって明確に画定される。したがって、明確に画定された体積を使用して、血小板の数を血液試料の体積に関連付けて、体積当たりの血小板数を求めることができる。
【0022】
測定空洞は、50〜170マイクロメートルの均一な厚さを有することが好ましい。厚さが少なくとも50マイクロメートルであるということは、測定空洞では血液試料が塗抹されて単一層になるのではなく、より大きな体積の血液を小さな断面積で分析できることを示唆する。したがって、信頼性の高い血小板数の値を与えるのに十分なほど大きな体積の血液試料を、比較的小さな血液試料の画像を使用して分析することができる。厚さは、少なくとも80マイクロメートルであることがより好ましく、それにより、さらに小さな断面積を分析し、又はより大きな試料体積を分析することができる。さらに、厚さが少なくとも50マイクロメートル、より好ましくは80マイクロメートルであると、2つの平面間の明確に画定された厚さを有する測定空洞の製造も簡単にする。
【0023】
厚さが約100マイクロメートルの空洞内に配置された大部分の試料では、血小板数は依然として非常に高く、その結果血小板が互いの上に配置されるために偏りが生じる。しかし、そのような偏りの影響は血小板数に関連し、したがって、少なくとも血小板数の大きな値については、結果を統計的に補正することによって処理することができる。この統計的補正は、測定装置の較正を基にすることができる。空洞の厚さがさらに、たとえば50μmに縮小された場合、この補正はより簡単にすることができるが、これは、前述の厚さが小さいことによる悪影響に対してバランスを取ることができる。
【0024】
さらに、測定空洞の厚さは、測定装置がデジタル画像を得て、測定空洞の深さ全体を同時に分析できるのに十分なほど小さい。この測定装置では拡大システムが使用されるので、大きな被写界深度を得るのは簡単ではない。したがって、1つのデジタル画像内で厚さ全体を同時に分析するためには、測定空洞の厚さが150マイクロメートルを超えないことが好ましいはずである。被写界深度は、170マイクロメートルの測定空洞の厚さを処理するように構成することができる。
【0025】
デジタル画像は、少なくとも測定空洞の厚さに相当する被写界深度で獲得することができる。この文脈では、「被写界深度」とは、光軸に沿った方向の長さのうち、その長さの範囲内に位置する細胞を画像分析で識別できるのに十分に焦点を合わせて撮像される長さを意味する。この「被写界深度」は、光学設定によって画定される従来の被写界深度より大きくすることができる。
【0026】
デジタル画像は、少なくとも測定空洞の厚さに相当する「被写界深度」で獲得されるので、試料の厚さ全体の十分な焦点が得られ、その結果試料のデジタル画像内で、測定空洞の厚さ全体を同時に分析することができる。試料の特定の一部分にあまりはっきりと焦点を合わせないことを選択することによって、試料の厚さ全体の十分な焦点が得られて、試料中の血小板の数を識別できるようになる。これは、血小板が幾分ぼやける可能性はあるが、それでもなお被写界深度の焦点は合っていると考えられることを示唆する。
【0027】
溶血剤と、任意選択で染色剤とを含む試薬は、液体中に溶かし又は懸濁させて、試料獲得装置の測定空洞内に導入することができる。次いで試薬は、室温及び室圧での蒸発によって、又は熱若しくは真空に促進されて、或いは凍結乾燥することによって、乾燥した形に変えることができる。室温及び室圧で、又は熱によって試薬を蒸発させる場合、この試薬は、メタノールなどの揮発性液体中に溶け又は懸濁していることが好ましい。
【0028】
本発明の試薬は、そのすべての成分を含めて、分析されるべき液体試料中に溶け且つ/又は懸濁できることが好ましく、またその分析中ずっと溶液/懸濁液中に留まるものであることが好ましい。前述のように、この方法は測定空洞の厚さ全体内の血小板を検出するように構成され、血小板を観察面へ引き寄せ又は固定化する必要がないので、試薬又は試薬の何らかの成分を固定化し、又は他の何らかの方法で溶解/懸濁を避ける必要もない。逆に、溶ける/懸濁できる試薬、好ましくは容易に溶ける/懸濁できる試薬を使用することで、試薬を液体試料に混合しやすくし、且つ試薬と測定されるべき血小板を含む液体試料との間のあらゆる反応を速める。
【0029】
任意選択の染色剤は、血小板の膜、細胞質、顆粒、若しくは任意の他の部分、又はその組合せを選択的に染色するように構成することができる。これは、着色された点として血小板を識別でき、したがってデジタル画像内で容易に数えることができることを示唆する。
【0030】
任意選択の染色剤は、メチレンブルー、エオシンメチレンブルー、アズールエオシンメチレンブルー、Plaxan(商標)、ヘマトキシリン、メチレングリーン、トルイジンブルー、ゲンチアナバイオレット、ズダン類似体、ガロシアニン、及びフクシン類似体からなる群の中のいずれか1つとすることができる。しかし、染色剤はこの群に限定されるものではなく、多くの他の物質を企図できることを理解されたい。任意選択の染色剤は、エオシンメチレンブルー又はアズールエオシンメチレンブルーであることが好ましい。
【0031】
溶血剤は、第4級アンモニウム塩、サポニン、デオキシコール酸などの胆汁酸、ジギトキシン、ヘビ毒、グルコピラノシド、又はトリトン(Triton)型の非イオン性界面活性剤とすることができる。しかし、溶血剤はこの群に限定されるものではなく、多くの他の物質を企図できることを理解されたい。溶血剤は、サポニンであることが好ましい。
【0032】
試料獲得装置は、測定空洞を試料獲得装置の外部と連通させる試料入口をさらに含むことができ、前記入口は、血液試料を獲得するように構成される。試料入口は、毛細管力によって血液試料を引き込むように構成することができ、また測定空洞は、血液を入口から空洞内へさらに引き込むことができる。その結果、血液試料は、単に試料入口を動かして血液に接触させるだけで、測定空洞内へ容易に獲得することができる。次いで、試料入口及び測定空洞の毛細管力により、明確に画定された量の血液を測定空洞内へ引き込む。別法として、血液試料は、試料獲得装置に外部からポンピング力を加えることによって、測定空洞内へ吸引し又は押し込むこともできる。別の代替法によれば、血液試料は、ピペット内に獲得し、次いでそのピペットを用いて、測定空洞内に導入することもできる。
【0033】
試料獲得装置は、使い捨て、すなわち一度しか使用されないように構成することができる。この試料獲得装置は、血液試料を受け取ることができ、且つその試料を細胞の計数のために提示するのに必要なすべての試薬を保持するので、血小板の計数を実行するためのキットを提供する。このことは、試料獲得装置が、一度だけの使用に適合されており、試料獲得装置を清浄にし且つ試薬を再度加える可能性を考慮せずに形成することができるので、特に可能になる。また、試料獲得装置は、プラスチック材料で成型することができ、それによって低価格で製造することができる。したがって、使い捨ての試料獲得装置を使用することは、やはり費用効果が高い可能性がある。
【0034】
染色剤を使用する場合、試料は、波長が染色剤の吸光度のピークに相当する光で照射することができる。その結果、染色剤の蓄積を含む染色された血小板は、光の透過率が低いことによって検出される。
【0035】
この場合、照射は、レーザ源を用いて実行することができる。このレーザ源は、染色剤の吸光度に適合する明確に画定された波長の光を提供することができる。さらに、レーザ源は、平行光を提供して迷光の外乱を最小にし、その結果、光の透過率が低い点をはっきりと区別する。
【0036】
別法として、照射は、発光ダイオードを用いて実行することもできる。この光源もやはり、試料中の他の物質から血小板を適切に区別するのに十分な照射条件を提供することができる。
【0037】
別法として、特に位相差を利用する場合は、タングステンハロゲン電球を使用して、試料を照射することもできる。
【0038】
デジタル画像は、3〜200倍、より好ましくは4〜20倍の倍率を使用して獲得することができる。これらの倍率の範囲内では、血小板は、検出するのに十分なほど拡大しながら、被写界深度は、試料の厚さをカバーするように構成することができる。倍率が低いということは、大きな被写界深度が得られることを示唆する。しかし、低い倍率が使用される場合、血小板を検出するのが困難になる可能性がある。獲得した画像内の画素数を増やすことによって、すなわちデジタル画像の解像度を高めることによって、より低い倍率を使用することができる。
【0039】
ある代替法は、位相差顕微鏡を使用して、血液試料に照明する光の一部が膜及び他の構造などと遭遇する結果生じる位相偏移を利用することである。この場合、分析される血液試料の血小板は、暗い周辺部を有する明るく輝く点として見える。
【0040】
分析は、デジタル画像内の吸光度が高い領域を識別することを含む。分析は、デジタル画像内の黒い若しくは暗い点を、又は、位相差を(十分に高い倍率で)使用するときは、血小板の周辺部に相当する暗い円環を識別することをさらに含むことができる。
【0041】
分析は、獲得したデジタル画像を電子的に拡大することをさらに含むことができる。試料を拡大して、試料の拡大されたデジタル画像を獲得した場合、獲得したデジタル画像自体を電子的に拡大して、獲得したデジタル画像内で互いに非常に近接して撮像された対象物間の区別を簡単にすることができる。
【0042】
次に本発明について、添付の図面を参照して例によってさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
次に図1を参照して、本発明の一実施形態による試料獲得装置10について説明する。試料獲得装置10は使い捨てであり、分析に使用した後は捨てられる。これは、試料獲得装置10が複雑な取り扱いを必要としないことを示唆する。試料獲得装置10は、プラスチック材料で形成されることが好ましく、射出成型によって製造することができる。これにより、試料獲得装置10の製造は、簡単で且つ安価になり、それによって、試料獲得装置10の費用を抑えることができる。
【0044】
試料獲得装置10は、本体部材12を含み、本体部材12は基部14を有する。操作者は、分析結果に何ら干渉することなく、基部14に触れることができる。基部14はまた、分析装置内のホルダに嵌合できる突起16を有することができる。突起16は、試料獲得装置10が分析装置内に正確に配置されるように構成することができる。
【0045】
試料獲得装置10は、試料入口18をさらに含む。試料入口18は、試料獲得装置10内の対向する壁同士の間に画定され、これらの壁は、試料入口18内に毛細管力が生じるように互いに近接して配置される。試料入口18は、試料獲得装置10の外部と連通して、血液を試料獲得装置10内へ引き入れることができる。試料獲得装置10は、試料獲得装置10の内部の対向する壁同士の間に配置された測定空洞20をさらに含む。測定空洞20は、試料入口18に連通して配置される。測定空洞20を画定するこれらの壁は、試料入口18の壁よりともに近接して配置され、その結果毛細管力により、血液を試料入口18から測定空洞20内へ引き入れることができる。
【0046】
測定空洞20の壁は、互いから50〜170マイクロメートル、より好ましくは80〜150マイクロメートルの距離のところに配置される。この距離は、測定空洞20全体にわたって均一である。測定空洞20の厚さは、検査される血液の体積を画定する。分析結果は、検査される血液試料の体積と比較されるので、測定空洞20の厚さは非常に正確である必要があり、すなわち、測定空洞20内の厚さの変動、及び異なる試料獲得装置10の測定空洞20間の厚さの変動は、ごくわずかしか許容されない。この厚さにより、比較的大きな試料の体積を、小さな面積の空洞内で分析することができる。この厚さにより理論的には、血小板は、測定空洞20内で互いの上に配置できるが、これは、統計モデルで説明することができる。
【0047】
測定空洞20の壁の表面は、少なくとも部分的に試薬22で被覆される。試薬22は、凍結乾燥、加熱乾燥、又は真空乾燥し、且つ測定空洞20の表面に塗布することができる。血液試料が測定空洞20内に獲得されると、血液は乾燥した試薬22と接触し、試薬22と血液の間の反応を開始する。
【0048】
試薬22は、ピペット又はディスペンサを使用して、試薬22を測定空洞20内に挿入することによって加えられる。試薬22は、測定空洞20内に挿入されると、水又は有機溶媒に溶ける。試薬22を含むこの溶媒で、測定空洞20を満たすことができる。次いで、乾燥が実行され、その結果、溶媒は蒸発し、試薬22は、測定空洞20の表面に付着する。
【0049】
代替製造方法によれば、試料獲得装置10は、2つの部品を互いに取り付けることによって形成することができ、それによって、一方の部品は測定空洞20の底面壁を形成し、他方の部品は測定空洞20の上面壁を形成する。これにより、2つの部品を互いに取り付ける前に、露出した表面上に試薬22を乾燥させることができる。
【0050】
試薬22は、溶血剤と、任意選択で染色剤とを含む。溶血剤は、第4級アンモニウム塩、サポニン、デオキシコール酸などの胆汁酸、ジギトキシン、ヘビ毒、グルコピラノシド、又はトリトン型の非イオン性界面活性剤とすることができ、好ましくはサポニンである。染色剤を使用する場合、染色剤は、メチレンブルー、エオシンメチレンブルー、アズールエオシンメチレンブルー、Plaxan(商標)、ヘマトキシリン、メチレングリーン、トルイジンブルー、ゲンチアナバイオレット、ズダン類似体、ガロシアニン、又はフクシン類似体とすることができる。血液試料が試薬22と接触すると、溶血剤は、赤血球を溶解させるように作用し、その結果赤血球は、血漿と混合される。さらに、染色剤を使用する場合、染色剤は、血小板中に、たとえばその膜の中に蓄積することができる。染色剤を使用する場合、試薬22は、すべての血小板をはっきりと染色するのに十分な量の染色剤を含むべきである。したがって、余分な染色剤が存在することが多く、それらは血漿中に混在する。余分な染色剤により、血漿中に、均一で、低い背景濃度の染色剤が与えられる。血小板中に蓄積した染色剤は、染色剤の背景濃度と区別することができる。
【0051】
試薬22はまた、他の成分を含むことができ、この成分は、活性とし、すなわち血液試料との化学反応に関与するものとしても、不活性とし、すなわち血液試料との化学反応に関与しないものとしてもよい。活性成分はたとえば、溶血又は染色作用を触媒するように構成することができる。不活性成分はたとえば、測定空洞20の壁の表面への試薬22の付着を改善するように構成することができる。
【0052】
数分以内に、血液試料は試薬22と反応し、その結果赤血球は溶解し、染色剤を使用する場合、染色剤は血小板中に蓄積する。
【0053】
図2を参照して、試料獲得装置の別の実施形態について説明する。試料獲得装置110は、測定空洞を形成する室120を含む。試料獲得装置110は、血液を室120内へ輸送するための、室120内への入口118を有する。室120は、吸引管121を介してポンプ(図示せず)へ接続される。このポンプは、吸引管121を介して室120内に吸引力を加えることができ、その結果、入口118を通して室120内に血液を吸引することができる。試料獲得装置110は、測定を実行する前に、ポンプから切り離すことができる。試料獲得装置の測定空洞と同様に、室120は、検査されるべき試料の厚さを画定する明確に画定された厚さを有する。さらに、室120の壁には、血液試料と反応させるための試薬122が塗布される。
【0054】
次に図3を参照して、血小板の体積計数のための装置30について説明する。装置30は、血液試料を有する試料獲得装置10を受けるための試料ホルダ32を含む。試料ホルダ32は、試料獲得装置10を受けるように構成され、その結果、試料獲得装置10の測定空洞20が装置30内に正確に配置される。装置30は、試料獲得装置10内の血液試料を照らすための光源34を含む。光源34は、白熱電球とすることができ、この白熱電球は、可視スペクトル全体の光を照射する。
【0055】
染色剤を使用する場合、血小板中に蓄積した染色剤は、特定の波長の光を吸収し、その結果、試料のデジタル画像内で血小板が浮かび上がる。カラー画像を獲得した場合、血小板は、はっきりと着色された点として浮かび上がる。白黒画像を獲得した場合、血小板は、より明るい背景に対して暗い点として浮かび上がる。
【0056】
位相差法を利用する場合、染色する必要はないが、血小板をさらに検出しやすくするためにとにかく染色すると役立つ可能性があり、血小板は、暗い周囲を有する明るい点として浮かび上がる。
【0057】
別法として、光源34は、レーザ又は発光ダイオードとすることができる。光源34を使用して、画像内のコントラストを上げることができ、その結果、血小板をより容易に検出することができる。この場合、光源34は、波長が染色剤の吸収ピークに相当する電磁放射を放射するように構成される。この波長はさらに、血液化合物の吸収が比較的低くなるように選択されるべきである。さらに、試料獲得装置の壁は、波長に対して本質的に透明であるべきである。たとえば、染色剤としてメチレンブルーを使用する場合、光源34は、波長667nmの光を照射するように構成することができる。
【0058】
装置30は、撮像システム36をさらに含み、撮像システム36は、光源34に対して試料ホルダ32の反対側に配置される。したがって、撮像システム36は、血液試料を透過した放射を受け取るように構成される。撮像システム36は、拡大システム38と、画像獲得手段40とを含む。拡大システム38は、3〜200倍、より好ましくは4〜20倍の倍率を提供するように構成される。これらの倍率の範囲内では、血小板を区別することができる。さらに、拡大システム38の被写界深度はそれでもなお、少なくとも測定空洞20の厚さに相当するように構成することができる。
【0059】
拡大システム38は、試料ホルダ32に近接して配置される対物レンズ又はレンズ系42と、対物レンズ42から離れて配置される接眼レンズ又はレンズ系44とを含む。対物レンズ42は、試料の第1の拡大像を提供し、この像は、接眼レンズ44によってさらに拡大される。拡大システム38は、試料の適切な拡大及び撮像を実現するためのさらなるレンズを含むことができる。拡大システム38は、測定空洞20内の試料が試料ホルダ32内に置かれたとき、画像獲得手段40の像面上に焦点を結ぶように構成される。
【0060】
図3の測定装置内に位相差顕微鏡が含まれる場合、光源34と試料ホルダ32との間にコンデンサレンズ及びリング絞りが含まれ、対物レンズ42と画像獲得手段40との間に位相板が含まれる。
【0061】
画像獲得手段40は、試料のデジタル画像を獲得するように構成される。画像獲得手段40は、CCDカメラなどの任意の種類のデジタルカメラとすることができる。デジタルカメラの画素サイズにより、像面の錯乱円は被写界深度内で画素サイズを超えてはならないという制約が撮像システム36に課される。デジタルカメラ40は、測定空洞20内の試料のデジタル画像を獲得する。このデジタル画像内では、試料の厚さ全体に、血小板を数えるのに十分に焦点が合っている。撮像システム36は、測定空洞20の面積を画定し、この面積が、デジタル画像内で撮像される。撮像される面積は、測定空洞20の厚さとともに、撮像される試料の体積を画定する。撮像システム36は、試料獲得装置10内の血液試料の撮像に適合するように設定される。撮像システム36の設定を変更する必要はない。撮像システム36は、設定が偶然に変更されないように、ハウジング内に配置されることが好ましい。
【0062】
装置30は、画像分析器46をさらに含む。画像分析器46は、デジタルカメラ40に接続され、デジタルカメラ40によって獲得されたデジタル画像を受け取る。画像分析器46は、血小板に相当するデジタル画像内のパターンを識別して、デジタル画像内に存在する血小板の数を数えるように構成される。したがって、画像分析器46は、より明るい背景の中で暗い点を識別するように構成することができる。画像分析器46は、デジタル画像を分析する前に、まずデジタル画像を電子的に拡大するように構成することができる。これは、デジタル画像を電子的に拡大することでデジタル画像が幾分ぼやけるとしても、画像分析器46は、互いに近接して撮像された血小板をより容易に区別できることを示唆する。
【0063】
画像分析器46は、デジタル画像内で識別される血小板の数を、前述の明確に画定された血液試料の体積で割ることによって、血液の体積当たりの血小板の数を計算することができる。この体積当たりの血小板数は、装置30の表示装置上に提示することができる。
【0064】
画像分析器46は、画像分析を実行するためのコードを含む処理装置として実現することができる。
【0065】
図4を参照して、血小板の体積計数のための方法について説明する。この方法は、試料獲得装置内で血液試料を獲得するステップ102を含む。無希釈の全血試料が、試料獲得装置内で獲得される。この試料は、毛細管血又は静脈血から獲得することができる。毛細管血の試料は、患者の刺し傷をつけた指から直接、測定空洞内へ引き入れることができる。この血液試料は、試料獲得装置内の試薬と接触し、反応を開始する。赤血球は溶解し、染色剤は血小板中に蓄積する。血液試料を獲得してから数分以内に、この試料は分析できるようになる。ステップ104で、試料獲得装置は分析装置内に配置される。分析装置のボタンを押すことによって、分析を開始することができる。別法として、分析は、この装置が試料獲得装置の存在を検出することによって、自動的に開始される。
【0066】
ステップ106で、試料に照射され、ステップ108で、試料の拡大像のデジタル画像が獲得される。この試料には、波長が染色剤の吸収ピークに相当する電磁放射が照射される。これは、デジタル画像が、血小板の位置に黒い又はより暗い点を含むことを示唆する。
【0067】
ステップ110で、獲得したデジタル画像は画像分析器へ転送され、画像分析器は画像分析を実行して、このデジタル画像内の黒い点の数を数える。
【0068】
ここに示す方法及び装置はたとえば、約25000個の血小板を数えるように構成することができ、これにより、得られた結果の統計的な確実性がより良好になる。普通の健康な大人の血小板数は、約250×10個/リットル(血液)である。これは、体積約0.1μlの試料中に25000個の血小板が見られることを示唆する。たとえば、厚さ100μmの測定空洞内の1.0×1.0mmの面積を撮像した場合、撮像される体積は0.10μlである。獲得した画像の一部分を選択して分析することができる。したがって、獲得した画像は、血小板数を求めるために使用する部分に異常がないように、まず粗く分析することができる。獲得した画像のうちの選択されて分析される部分は、十分な体積の血液試料を分析するのに適切なサイズを有するように選択することができる。
【0069】
本明細書に記載の好ましい実施形態は、決して限定するものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義する保護の範囲内で、多くの代替実施形態が可能であることは強調されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態による試料獲得装置の概略図である。
【図2】本発明の別の実施形態による試料獲得装置の概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による測定装置の概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による方法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液試料中の血小板の体積計数のための試料獲得装置であって、
血液試料を受け取るための測定空洞であって、所定の固定された厚さを有する測定空洞と、
該測定空洞を画定する表面上に乾燥した形で配置された試薬であって、該血液試料中の赤血球を溶解させるための溶血剤を含み、且つ該血液試料中の血小板を選択的に染色するための染色剤をさらに含む試薬とを含む、上記試料獲得装置。
【請求項2】
前記試料獲得装置が、前記測定空洞を画定する2つの平面を有する本体部材を含む、請求項1に記載の試料獲得装置。
【請求項3】
前記平面が、光学測定のための試料の厚さを決定するように、互い〜所定の距離のところに配置される、請求項2に記載の試料獲得装置。
【請求項4】
前記測定空洞が、50〜170マイクロメートル、より好ましくは80〜150マイクロメートルの均一な厚さを有する、請求項1〜3までのいずれか一項に記載の試料獲得装置。
【請求項5】
前記染色剤が、前記血小板の膜を選択的に染色するように構成される、請求項1〜4までのいずれか一項に記載の試料獲得装置。
【請求項6】
前記染色剤が、メチレンブルー、エオシンメチレンブルー、アズールエオシンメチレンブルー、Plaxan(商標)、ヘマトキシリン、メチレングリーン、トルイジンブルー、ゲンチアナバイオレット、ズダン類似体、ガロシアニン、又はフクシン類似体からなる群の中のいずれか1つである、請求項1〜5までのいずれか一項に記載の試料獲得装置。
【請求項7】
前記溶血剤が、第4級アンモニウム塩、サポニン、胆汁酸、ジギトキシン、ヘビ毒、グルコピラノシド、又はトリトン(Triton)型の非イオン性界面活性剤であり、好ましくはサポニンである、請求項1〜6までのいずれか一項に記載の試料獲得装置。
【請求項8】
前記測定空洞を前記試料獲得装置の外部と連通させる試料入口をさらに含み、該入口が、血液試料を獲得するように構成される、請求項1〜7までのいずれか一項に記載の試料獲得装置。
【請求項9】
血液試料中の血小板の体積計数のための方法であって、
血液試料を試料獲得装置の測定空洞内へ獲得するステップであって、該測定空洞が、溶血剤と、任意選択で、試料と反応して血小板を染色する染色剤とを含む試薬を保持するステップと、
血小板を有する該試料を照射するステップと、
該測定空洞内の照射された試料の拡大像のデジタル画像を獲得するステップであって、染色剤で選択的に染色することによって且つ/又は位相差によって血小板を区別し、該デジタル画像が、少なくとも該測定空洞の厚さに相当する被写界深度で獲得されるステップと、
該デジタル画像をデジタル方式で分析して血小板を識別し、且つ該試料中の血小板の数を求めるステップとを含む、上記方法。
【請求項10】
前記血液試料が、前記測定空洞内で前記試薬と混合される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記測定空洞が、50〜170マイクロメートル、より好ましくは80〜150マイクロメートルの厚さを有する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
分析される試料の体積が、前記測定空洞の厚さ及び撮像される前記試料の面積によって明確に画定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記試料が、波長が前記染色剤の吸光度のピークに相当する光で照射される、請求項9〜12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記照射するステップが、レーザ源を用いて実行される、請求項9〜13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記照射するステップが、発光ダイオードを用いて実行される、請求項9〜13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記デジタル画像が、3〜200倍、より好ましくは4〜20倍の倍率を使用して獲得される、請求項9〜15までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記分析するステップが、前記デジタル画像内の吸光度が高い領域を識別するステップを含む、請求項9〜16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記分析するステップが、前記デジタル画像内の黒い点を識別するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記分析するステップが、前記獲得したデジタル画像を電子的に拡大するステップを含む、請求項9〜18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
血液試料中の血小板の体積計数のためのシステムであって、
請求項1〜8までのいずれか一項に記載の試料獲得装置と測定装置とを含み、該測定装置が、
測定空洞内に血液試料を保持する試料獲得装置を受けるように構成された試料獲得装置ホルダと、
血液試料に照射するように構成された光源と、
撮像システムであって、拡大システムと、測定空洞内の照射された試料の拡大像のデジタル画像を獲得するためのデジタル画像獲得手段とを含み、染色剤で選択的に染色することによって且つ/又は位相差によって該デジタル画像内で血小板を区別する、撮像システムと、
獲得した該デジタル画像を分析して血小板を識別し、該血液試料中の血小板の数を求めるように構成された画像分析器とを含む、上記システム。
【請求項21】
前記拡大システムが、少なくとも前記試料獲得装置の測定空洞の厚さの被写界深度で構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
分析される試料の体積が、前記測定空洞の厚さ及び撮像される前記試料の面積によって明確に画定される、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記光源が、波長が前記染色剤の吸光度のピークに相当する光を照射するように構成される、請求項20〜22までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記光源が、レーザ源を含む、請求項20〜23までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記光源が、発光ダイオードを含む、請求項20〜23までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記拡大システムが、3〜200倍、より好ましくは4〜20倍の倍率を有する、請求項20〜25までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記画像分析器が、前記デジタル画像内の吸光度が高い領域を識別するように構成される、請求項20〜26までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記画像分析器が、前記デジタル画像内の黒い点を識別するように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記画像分析器が、前記獲得したデジタル画像を電子的に拡大するように構成される、請求項20〜28までのいずれか一項に記載のシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−541736(P2009−541736A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516448(P2009−516448)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000655
【国際公開番号】WO2008/010760
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(500154353)ヘモク アクチボラゲット (11)
【Fターム(参考)】