説明

血小板凝集抑制剤

【課題】 副作用の危険が少ない安全な血小板凝集抑制剤及びそれを含む飲食品、医薬品、香料組成物を提供することである。
【解決手段】 シソ科、キク科、ショウガ科、バラ科およびセリ科植物からなる群より選ばれた少なくとも1種の植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する血小板凝集抑制剤、並びに当該薬剤を含有する飲食品、医薬品、香料組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血小板凝集抑制剤及びそれを含有する飲食品、医薬品、香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
日本人の死亡率の高い疾患として、ガン、脳梗塞などの脳血管障害、心筋梗塞などの心疾患が挙げられる。脳梗塞、心筋梗塞ともに血管が血の塊で詰まる、つまり血栓ができることが直接の死因である。
心臓の周囲にある冠動脈が動脈硬化巣により狭くなり、さらには破綻し血管壁が壊れたところに血の塊が生成し、それが大きくなり血栓になると、冠動脈を完全に閉鎖し、心筋には血液が流れなくなる。その結果、心臓の筋肉細胞は酸素不足により壊死して急性心筋梗塞を発症する。同様な疾患が脳の動脈に起これば脳梗塞、脳から離れた動脈でも、はがれた血栓の一部が脳動脈中に詰まれば脳梗塞にいたる。
さらに、近年、痴呆症のうち脳血管性痴呆症については脳血管内に血栓が多数生成することが原因とされている。日本においては、脳血管性痴呆症はアルツハイマー症の2〜3倍と言われている。
【0003】
血栓形成の初期には、血液中の “血小板” が大きく関わっている。
高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などで動脈硬化、血液流動性の低下が進むと血圧を高めることで対応しようとするため、高血圧を発症する。その結果、血管壁透過性が高まり、動脈硬化が加速するとともに、血流によるずり応力の増加(血流状態の変化)が “血小板の凝集能”を高め、血栓傾向を高めることになる。
【0004】
現在、血栓形成抑制薬として血小板凝集抑制薬(血小板凝集阻害薬又は抗血小板薬ともいう)、抗凝固薬(血液凝固阻止薬ともいう)、血栓溶解薬が知られている。そのなかで血小板凝集抑制薬としては、アスピリン(Aspirin)、オザグレルナトリウム(Sodium ozagrel)、塩酸チクロピジン(Ticlopidine)、塩酸サルポグレラート(Sarpogrelate)などがある。副作用として出血傾向の増大、白血球減少、肝機能障害などが報告されている。さらに、アスピリンにおいては、投与量を増やすと逆の作用、つまり血小板凝集をもたらすこと(aspirinジレンマ)も知られているため、これら合成医薬品の投与には非常に注意を要する。
【0005】
このように合成医薬品は血栓予防に使用されているが、重大な副作用を誘発するケースがあり、また医師による処方が必要なので、近年、食品摂取による予防という利用しやすい簡便な摂取の仕方が注目されている。
【0006】
植物抽出物あるいはその成分を用いた血小板凝集抑制剤として、松樹皮抽出物と人参とを含有する組成物(特許文献1)、ハイビスカスの果実、果汁、葉又はそれらの抽出物を含有する抽出物(特許文献2)、ブドウ種子由来のプロアントシアニジンを含むもの(特許文献3)、イチョウ葉抽出物(非特許文献1)などが報告されている。
また、上記以外に、各種ハーブの抽出物が血小板凝集抑制剤として報告されている(特許文献4)。
健康長寿に対する国民の意識が高まるなか、商品の種類や使用形態が広がりつつあるが、これまでの植物抽出物又はその成分を利用した血小板凝集抑制剤においては、特有の香気を有していることから使用量や使用範囲が限定され、必ずしも満足のいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−28074号公報
【特許文献2】特開2006−137697号公報
【特許文献3】特開2004−238289号公報
【特許文献4】特開2006−111564号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Stucker, O. et al., International Journal of Microcirculation: Clinical and Experimental, 17(2), 61-66 (1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、幅広い飲食品に使用可能で、副作用の心配がなく、安心して摂取し続けることのできる血小板凝集抑制剤およびそれを含有する飲食品、医薬品、香料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。
その結果、シソ科、キク科、ショウガ科、バラ科及びセリ科植物の抽出物の分画物が優れた血小板凝集抑制作用を持つことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
【0011】
(1)シソ科、キク科、ショウガ科、バラ科およびセリ科植物からなる群より選ばれた少なくとも1種の植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する血小板凝集抑制剤。
【0012】
(2)シソ科植物がマジョラム(Majorana hortensis)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)、ペパーミント(Mentha ×piperita)、ハッカ(Mentha arvensis L. var. piperascens)、ホースミント(Mentha longifolia)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)及びスペアミント(Mentha spicata)からなる群より選ばれ、
キク科植物がローマンカモミール(Chamaemelum nobile (L.) All.)、ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)及びタラゴン(Artemisia dracunculus)からなる群より選ばれ、
ショウガ科植物が黒ショウガ(Kaempferia parviflora)、バンウコン(Kaempferia galanga)、紫ウコン(Curcuma zedoaria)、ジャワウコン(Curcuma xanthorrhiza)、春ウコン(Curcuma aromatica)、秋ウコン (Curcuma domestica)及びショウガ(Zingiber officinale)からなる群より選ばれ、
バラ科植物がローズレッド(Rosa. Spp.)であり、そして
セリ科植物がパセリ(Petroselinum crispum、Petroselinum J. Hill)である、(1)に記載の血小板凝集抑制剤。
【0013】
(3)ローズマリー、マジョラム、ペパーミント、ジャーマンカモミール、タラゴン、黒ショウガ、ローズレッド及びパセリからなる群より選ばれた少なくとも1種の植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する血小板凝集抑制剤。
(4)抽出が植物の乾燥体1質量部に対して水あるいは0.5〜50質量部のエタノール水溶液による溶媒抽出であり、分画がイオン交換基を有しない合成吸着剤による分画である、(1)〜(3)のいずれかに記載の血小板凝集抑制剤。
【0014】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の血小板凝集抑制剤を含有することを特徴とする血小板凝集抑制用飲食品。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の血小板凝集抑制剤を含有することを特徴とする血小板凝集抑制用医薬品。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の血小板凝集抑制剤を含有することを特徴とする血小板凝集抑制用香料組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、血小板凝集を抑制せしめる安全な食品、医薬品組成物、香料組成物が提供される。本発明の血小板凝集抑制剤を用いることにより、脳梗塞、心筋梗塞、下肢急性動脈血栓症、脳血管性痴呆症などの血栓症を予防することが可能になる。
本発明の血小板凝集抑制剤は、不快な香気を有していないので、飲食品や香料組成物に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】血小板凝集抑制効果(血小板凝集惹起物質:コラーゲン)を示したグラフである。
【図2】血小板凝集抑制効果(血小板凝集惹起物質:ADP)を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1)原料植物
本発明の血小板凝集抑制剤は、シソ科、キク科、ショウガ科、バラ科、セリ科から選択される少なくとも1種の植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する。
【0018】
シソ科(Labiatae)植物としては、マジョラム(Majorana hortensis)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)、ペパーミント(Mentha ×piperita)、ハッカ(Mentha arvensis L. var. piperascens)、ホースミント(Mentha longifolia)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)及びスペアミント(Mentha spicata)のいずれかである。
キク科(Compositae)植物としては、ローマンカモミール(Chamaemelum nobile (L.) All.)、ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)、タラゴン(Artemisia dracunculus)のいずれかである。
【0019】
ショウガ科(Zingiberaceae)植物としては、黒ショウガ(Kaempferia parviflora)、バンウコン(Kaempferia galanga)、紫ウコン(Curcuma zedoaria)、ジャワウコン(Curcuma xanthorrhiza)、春ウコン(Curcuma aromatica)、秋ウコン (Curcuma domestica)、ショウガ(Zingiber officinale)のいずれかである。
バラ科(Rosaceae)植物としては、ローズレッド(Rosa. Spp.)である。
セリ科(Umbelliflorae)植物としては、パセリ(Petroselinum crispum、Petroselinum J. Hill)である。
【0020】
(2)抽出方法
本発明の血小板凝集抑制剤は、上記各原料植物の各部位(植物全体、葉、花、茎、根、種子、樹皮など)をそのまま用いても良く、これらを乾燥した乾燥体、もしくは乾燥後粉砕した粉末を抽出対象とする。
具体的には、これらを溶媒抽出や超臨界抽出の公知の抽出技術を単独あるいは組み合わせて適用する。
このとき、好ましい方法としては溶媒抽出が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、へキサン等およびこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち水、エタノールおよびエタノール水溶液(エタノール濃度が10〜90%)が特に好ましい。
【0021】
用いる溶媒の量は特に限定されるものではないが、通常は植物の乾燥体1質量部に対して0.5〜50質量部、好ましくは1.0〜30質量部、特に好ましくは5.0〜20質量部で用いられる。溶媒量が植物の乾燥体1質量部に対して0.5質量部未満の場合は、溶媒の種類によっては抽出が十分でない場合があり、溶媒量が50質量部を超える場合は経済的に有利でない場合がある。
抽出方法としては、そのまま又は粉砕物を適当な抽出溶媒に浸漬する方法、加温下(常温〜溶媒の沸点の範囲)攪拌する方法等によって得ることが出来る。
【0022】
例えば、植物の粉砕物を室温下の50%エタノール中で10〜60分間攪拌して抽出物を得る方法や、植物の粉砕物を100℃加熱還流下の水中で30〜60分間攪拌して抽出物を得る方法などが挙げられる。
上記抽出操作で得られた抽出物から香気成分を除去する方法としては、溶媒抽出を行う方法(例えば米国特許第3950266号明細書)、超臨界二酸化炭素を用いる方法(例えば特開平3−9985号公報)、合成吸着樹脂を用いる方法(例えば特開2003−105337号公報)などを単独あるいは適宜組み合わせて用いることができる。
【0023】
(3)分画方法
次いで、得られた抽出物を分画する。分画は、特に、合成吸着剤による分画が好ましい。本発明に用いる合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋構造ポリマーであってイオン交換基のような官能基を実質的に持たないものである。
本発明に用いる合成吸着剤としては、その母体がスチレン系のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、例えば三菱化学株式会社製の「セパビーズSP70(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.6mL/g、比表面積870m2/g、最頻度半径が71Å)や「ダイヤイオンHP20(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.3mL/g、比表面積590m2/g、最頻度半径が260Å)等が使用できるが、これらに限るものではない。
【0024】
(4)血小板凝集抑制剤の組成物
本発明の血小板凝集抑制剤は、飲食品用、医薬用又は香料用として通常用いられている他の任意成分を付加した組成物の態様で提供することができる。
用いられる任意成分としては、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤及び香料などであり、常法によりこれらの成分を添加して各種製剤・剤型として用いることもできる。
【0025】
(5)血小板凝集抑制剤を含有する香料組成物
本発明で用いることのできる香料としては、例えばアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、
【0026】
酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、
【0027】
フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、
【0028】
グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、
【0029】
タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、
【0030】
アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、
【0031】
オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビ
ア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、
【0032】
キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、
【0033】
コンサイ、コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、
【0034】
ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、
【0035】
テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、シンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、
【0036】
バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブ
ナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、
【0037】
ペニーロイヤル、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、
【0038】
ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料が例示され、適宜選択して使用される。
【0039】
香料の添加量は特に限定されるものではないが、一般的には本発明の血小板凝集抑制剤を含む組成物中、0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜30質量%、最も好ましくは0.01〜10質量%の添加量となるように配合される。
本発明の血小板凝集抑制剤の使用形態は、そのまま或いは希釈した状態、乳化状態、更には粉化した様々な製剤の形で用いることができる。
【0040】
(6)血小板凝集抑制剤を含有する飲食品
本発明に関わる血小板凝集抑制剤を含有する飲食品を製造するには、上記の方法で製造した成分またはその製剤を用いることができ、慣用の手段を用いて、食用に適した状態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。
この飲食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など)に添加して使用、あるいは水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。
【0041】
(7)血小板凝集抑制剤を含有する医薬品
本発明の血小板凝集抑制剤を医薬品として使用する場合には、そのままでも種々の投与形態で使用できるが、好ましくは錠剤、丸剤、粉剤、シロップ剤、乳剤、液剤、カプセル剤、注射剤のような製剤化した内服薬として使用する。
すなわち、本願の血小板凝集抑制剤を含有する医薬組成物は、経口投与に適した形態、例えば錠剤であり、注射剤の場合は無菌の液剤または懸濁剤である。一般に、上記組成物は薬用担体または希釈剤を使用して慣用の方法で製造することができる。
【0042】
本発明の血小板凝集抑制剤の摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、医薬品や飲食品の形態等により適宜選択・決定されるが、例えば、抽出、乾燥した粉末として一日当たり1mg〜10g程度、好ましくは10mg〜1gとされ、一日数回に分けて摂取してもよい。
【実施例】
【0043】
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
〔製造例1〕
ローズマリーの葉、茎、花の乾燥品1kgに対して20kgの50%エタノール水溶液に浸漬し10分間、攪拌しながら抽出を行った。
この抽出液に蒸留水を加えてエタノール濃度を30%に調整し、三菱化学株式会社製の合成吸着剤「SEPABEADS(R) SP70」を充填したカラム(直径135mm×長さ120cm)に導入した。
さらに30%エタノール水溶液にて溶出した。これを濃縮乾固して140gの試料を得た。
マジョラムの葉;ペパーミントの葉、茎;タラゴンの葉、茎;ローズレッドの花;ラベンダーの葉、茎、花;セイボリーの葉、花;オレガノの葉、花;黒ショウガの根、茎;タイムの葉、茎;レモンバームの葉、花;パセリの葉、茎の各乾燥品についてもローズマリーと同様の方法で試料を作製し、それぞれ230g、200g、250g、190g、210g、170g、240g、150g、150g、170g、165gの試料を得た。
なお、抽出後にカラム分離を行なうことにより特有の匂いは減少した。
【0045】
〔製造例2〕
ジャーマンカモミールの花の乾燥品1kgに対して20kgの水に浸漬し、30分間、加熱還流しながら抽出を行った。
不溶物をろ過除去して得られた抽出液に95%エタノールを加えてエタノール濃度を30%に調整し、三菱化学株式会社製の合成吸着剤「SEPABEADS(R) SP70」を充填したカラム(直径135mm×長さ120cm)に導入した。
さらに30%エタノール水溶液にて溶出した。これを濃縮乾固して170gの試料を得た。
なお、抽出後にカラム分離を行なうことにより特有の匂いは減少した。
【0046】
〔試験例〕血小板凝集抑制効果の測定
血小板凝集能測定装置(アグレゴメーター NKK Hema Tracer 1, SSR Engineering Co.,
Ltd.)を用いて比濁法で測定を行なった。ヒト静脈血をヘパリン採血して得た多血小板血漿(PRP)の比濁計透過度を0%、乏血小板血漿(PPP)の比濁計透過度を100%とした。
37℃で攪拌しながらPRP 300μlに試料を1000ppm(1mg/ml)となるように加えた。
次いで、血小板凝集惹起物質としてコラーゲンを1μg/ml、あるいは血小板凝集惹起物質としてADP(アデノシン二リン酸)を5μMになるように加えて、誘導される血小板凝集を測定した。
血小板惹起物質添加5分後の凝集が試料により抑制される率、すなわち血小板凝集抑制率は以下の式により求めた。
血小板凝集抑制率=(試料無添加の凝集率−試料添加の凝集率)/試料無添加の凝集率×100%
【0047】
血小板凝集抑制効果は各濃度の試料について3回の測定値の平均をとり、試料無添加のコントロールの凝集を40%以上抑制するものを有効とした。
下記の表1、2並びに図1、2に示したように、ローズマリー、マジョラム、ペパーミント、ジャーマンカモミール、タラゴン、黒ショウガ、ローズレッド、パセリは血小板凝集抑制率が高かった。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
〔実施例1〕(混合茶飲料)
90℃の湯500mlに対して、緑茶葉1g、はとむぎ8g、大麦1g、玄米0.2g、プーアル茶0.2g、どくだみ茶0.1g、はぶ茶0.1g、チコリー0.1gを添加し、8分間抽出を行った。
抽出後固液分離を行い、ビタミンC 0.1gと水を加えて10000mlとし炭酸水素ナトリウムにてpHを5.5に調整後、製造例1のローズマリー抽出物を0.1%となるように添加して、混合茶飲料を得た。
【0051】
〔実施例2〕(清涼飲料水)
バレンシアオレンジ果汁30ml、レモン果汁3ml、果糖1.5g、クエン酸0.5g、ビタミンC100mg、に製造例1のマジョラム抽出物100mg加え、水を加えて100mlとし、よく攪拌した後に炭酸ガスを封入し、清涼飲料水を得た。
【0052】
〔実施例3〕(チューインガム)
ガムベース50gに砂糖100g、香料0.5g、製造例1の黒ショウガ抽出物の1%水溶液を30g添加し、ニーダーを使用して練り、成型後完成した。
【0053】
〔実施例4〕(ビスケット)
強力粉100g、ショートニング100g、上白糖40g、薄力粉30g、水20g、製造例2のジャーマンカモミール抽出物10g、全脂粉乳4g、重曹0.6gを混合し、成型したのち焼成してビスケットを得た。
【0054】
〔実施例5〕(キャンデー)
水飴280g、グラニュー糖360g、製造1のペパーミント抽出物120gを混合した後、155℃まで加熱した。その後、120℃まで冷却し、クエン酸12g、香料1.2g、グリセリン50gを添加し、成型、冷却後完成した。
【0055】
〔実施例6〕(顆粒剤)
製造例1のタラゴン抽出物5.0gに、乳糖5.0g、トウモロコシデンプン5.0gを加えて練合し、造粒した後、乾燥して整粒した。
【0056】
〔実施例7〕(カプセル剤)
製造例1のローズレッド抽出物5.0g、トウモロコシデンプン5.0g、乳糖5.0g、結晶セルロース1.0gを充分に混合した後、カプセルに充填し、カプセル40個とした。
【0057】
〔実施例8〕(錠剤)
製造例1のペパーミント抽出物50gにトウモロコシデンプン2.0g、乳糖50g、ステアリン酸カルシウム0.2g、タルク1.8gを充分に混合した後、打錠機により打錠し、重量0.52gの錠剤を200錠製造した。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明により、血小板凝集抑制剤を提供することができる。それを摂取することで、血栓が原因となる症状に対する予防あるいは改善効果を得ることが期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シソ科、キク科、ショウガ科、バラ科およびセリ科植物からなる群より選ばれた少なくとも1種の植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する血小板凝集抑制剤。
【請求項2】
シソ科植物がマジョラム(Majorana hortensis)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)、ペパーミント(Mentha ×piperita)、ハッカ(Mentha arvensis L. var. piperascens)、ホースミント(Mentha longifolia)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)及びスペアミント(Mentha spicata)からなる群より選ばれ、
キク科植物がローマンカモミール(Chamaemelum nobile (L.) All.)、ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)及びタラゴン(Artemisia dracunculus)からなる群より選ばれ、
ショウガ科植物が黒ショウガ(Kaempferia parviflora)、バンウコン(Kaempferia galanga)、紫ウコン(Curcuma zedoaria)、ジャワウコン(Curcuma xanthorrhiza)、春ウコン(Curcuma aromatica)、秋ウコン (Curcuma domestica)及びショウガ(Zingiber officinale)からなる群より選ばれ、
バラ科植物がローズレッド(Rosa. Spp.)であり、そして、
セリ科植物がパセリ(Petroselinum crispum、Petroselinum J. Hill)である、請求項1に記載の血小板凝集抑制剤。
【請求項3】
ローズマリー、マジョラム、ペパーミント、ジャーマンカモミール、タラゴン、黒ショウガ、ローズレッド及びパセリからなる群より選ばれた少なくとも1種の植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する血小板凝集抑制剤。
【請求項4】
抽出が植物の乾燥体1質量部に対して水あるいは0.5〜50質量部のエタノール水溶液による溶媒抽出であり、分画がイオン交換基を有しない合成吸着剤による分画である、請求項1〜3のいずれかの項に記載の血小板凝集抑制剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の血小板凝集抑制剤を含有することを特徴とする血小板凝集抑制用飲食品。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の血小板凝集抑制剤を含有することを特徴とする血小板凝集抑制用医薬品。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の血小板凝集抑制剤を含有することを特徴とする血小板凝集抑制用香料組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−153671(P2012−153671A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15875(P2011−15875)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(591011410)小川香料株式会社 (173)
【Fターム(参考)】