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血小板増殖促進剤
説明

血小板増殖促進剤

【課題】化学修飾hG−CSFポリペプチドを含有してなる血小板増殖促進剤を提供すること。
【解決手段】ヒト顆粒球コロニー刺激因子活性を有するポリペプチドの分子中の少なくとも1個のアミノ基に下記式(Ib)


〔式中、Rはアルキル基またはアルカノイル基を表し、Mは


または


または


(式中、rおよびsは同一または異なって任意に変わりうる正の整数を表す)を表し、nは任意に変わりうる正の整数を表し、Xは単結合、O、NHまたはSを表し、R3bはOH、ハロゲンまたは


(式中、X、M、R1aおよびnaはそれぞれ前記X、M、Rおよびnと同意義を表す)を表し、ZはO、SまたはNHを表し、pは1〜6の整数を表す〕で表される基を結合で表される基を結合してなる修飾ポリペプチド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(以下、hG−CSFと略記する)活性を有するポリペプチドの分子中のアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基またはグアニジノ基の少なくとも1個の基を化学修飾剤で化学修飾して得られる化学修飾hG−CSFポリペプチドおよび該ポリペプチドを含有してなる血小板増殖促進剤、該ポリペプチドの有効量を投与することからなる血小板の減少した患者の治療方法、血小板の減少した患者の治療に有効な薬理学的組成物の製造のための該ポリペプチドの使用および薬理学的に許容される担体と共に薬理的に許容される投与形態にある有効量の該ポリペプチドからなる血小板の減少した患者の治療のための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
血小板増殖促進作用を有する物質としては、インターロイキン6(非特許文献1参照)、白血病阻害因子(非特許文献2参照)、幹細胞因子(Stem Cell Factor)(非特許文献3参照)、マクロファージコロニー剌激因子(M−CSF)(特許文献1参照)、トロンボポエチン(非特許文献4参照)等が知られている。また、低分子の血小板増殖促進作用を有する物質としては、コナゲニン(非特許文献5参照)、Y25510(非特許文献5参照)、2−ピラノン誘導体(特許文献2参照)、FK565(特許文献3参照)等が知られている。
【0003】
hG−CSFは、造血幹細胞を増殖・分化させ、種々の血球を形成させる際に必須なポリペプチドの1種で、主として顆粒球、なかでも好中球の増加を促進する効果をもつことが知られている。
hG−CSF活性を有するポリペプチド中の基を化学修飾剤で化学修飾したポリペプチドとしては、hG−CSF活性を有するポリペプチドの分子中の少なくとも1個のアミノ基をポリエチレングリコール誘導体で修飾した化学修飾hG−CSFが知られている(特許文献4、5および6参照)。これらの化学修飾hG−CSFが、血小板の増殖を促進する効果を有することは知られていない。
【特許文献1】特公平6−11705号公報
【特許文献2】特開平5−213758号公報
【特許文献3】国際公開第93/23066号パンフレット
【特許文献4】特開平1−316400号公報
【特許文献5】国際公開第90/06952号パンフレット
【特許文献6】特開平5−32559号公報
【非特許文献1】キャンサー・リサーチ(Cancer Research),1990年,第50巻,p.2885−2890
【非特許文献2】ブラッド(Blood),1990年,第76巻,p.50−56
【非特許文献3】ブラッド(Blood),1992年,第80巻,p.904−911
【非特許文献4】ネイチャー(Nature),1994年,第369巻,p.533
【非特許文献5】日本癌学会総会、1992年、#2235
【非特許文献6】日本薬学会第113年会、1993年、PB13−22
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、新規の化学修飾されたhG−CSFまたはhG−CSF誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)ヒト顆粒球コロニー刺激因子活性を有するポリペプチドの分子中の少なくとも1個のアミノ基に下記式(Ib)
【0006】
【化1】

【0007】
〔式中、Rはアルキル基またはアルカノイル基を表し、Mは
【0008】
【化2】

【0009】
または
【0010】
【化3】

【0011】
または
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、rおよびsは同一または異なって任意に変わりうる正の整数を表す)を表し、nは任意に変わりうる正の整数を表し、Xは単結合、O、NHまたはSを表し、R3bはOH、ハロゲンまたは
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、X、M、R1aおよびnaはそれぞれ前記X、M、Rおよびnと同意義を表す)を表し、ZはO、SまたはNHを表し、pは1〜6の整数を表す〕で表される基を結合してなる修飾ポリペプチド。
(2)アミノ基に結合する基が下記式(Ib−1)
【0016】
【化6】

【0017】
(式中、nおよびnaは任意に変わりうる正の整数を表す)で表される基である(1)記載の修飾ポリペプチド。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、新規の化学修飾されたhG−CSFまたはhG−CSF誘導体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、hG−CSF活性を有するポリペプチドの分子中のアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基またはグアニジノ基の少なくとも1個の基が化学修飾されたポリペプチド、該ポリペプチドを含有してなる血小板増殖促進剤、該ポリペプチドの有効量を投与することからなる血小板の減少した患者の治療方法、血小板の減少した患者の治療に有効な薬理学的組成物の製造のための該ポリペプチドの使用および薬理学的に許容される担体と共に薬理的に許容される投与形態にある有効量の該ポリペプチドからなる血小板の減少した患者の治療のための組成物に関する。
【0020】
詳しくは、hG−CSF活性を有するポリペプチドの分子中のアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基またはグアニジノ基の少なくとも1個の基が、ポリアルキレングリコール誘導体またはスチレンマレイン酸共重合体の誘導体で化学修飾されたポリペプチドおよび該ポリペプチドを含有してなる血小板増殖促進剤、該ポリペプチドの有効量を投与することからなる血小板の減少した患者の治療方法、血小板の減少した患者の治療に有効な薬理学的組成物の製造のための該ポリペプチドの使用および薬理学的に許容される担体と共に薬理的に許容される投与形態にある有効量の該ポリペプチドからなる血小板の減少した患者の治療のための組成物に関する。
【0021】
ここで、ポリアルキレングリコール誘導体としてはポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体の誘導体等をあげることができる。
アミノ基、カルボキシ基、メルカプト基またはグアニジノ基の少なくとも1個の基の化学修飾剤をさらに詳しく述べると、アミノ基の化学修飾剤が式(I)
【0022】
【化7】

【0023】
{式中、R1はアルキル基またはアルカノイル基を表し、Mは
【0024】
【化8】

【0025】
または
【0026】
【化9】

【0027】
または
【0028】
【化10】

【0029】
(式中、rおよびsは同一または異なって任意に変わりうる正の整数を表す)を表し、nは任意に変わりうる正の整数を表し、Xは単結合、O、NHまたはSを表し、R2
【0030】
【化11】

【0031】
〔式中、R3はOH、ハロゲンまたは
【0032】
【化12】

【0033】
(式中、Xa、Ma、R1aおよびnaはそれぞれ前記X、M、R1およびnと同意義を表す)を表し、Yはハロゲンまたは
【0034】
【化13】

【0035】
[式中、ZはO,SまたはNHを表し、Wはカルボキシ基もしくはその反応性誘導体または、
【0036】
【化14】

【0037】
(式中、R4はアルキル基を表し、Halはハロゲンを表す)を表し、pは1〜6の整数を表し、mは0または1を表す]を表す〕、
【0038】
【化15】

【0039】
(式中、Waおよびmaは前記Wおよびmと同意義であり、tは0〜6の整数を表す)または
【0040】
【化16】

【0041】
(式中、Hala、paおよびR4aはそれぞれ前記Hal、pおよびR4と同意義を表す)を表す}で表されるポリアルキレングリコール誘導体、または、式(II)
【0042】
【化17】

【0043】
(式中、uおよびvは同一または異なって任意に変わりうる正の整数を示し、R5は、水素原子またはアルキル基を表す)で表されるスチレン−マレイン酸共重合体であり、カルボキシ基の化学修飾剤が式(III)
【0044】
【化18】

【0045】
(式中、Mb、R1bおよびnbはそれぞれ前記M、R1およびnと同意義を表す)
で表されるポリアルキレングリコール誘導体であり、メルカプト基の化学修飾剤が式(IV)
【0046】
【化19】

【0047】
(式中、MC、R1cおよびncはそれぞれ前記M、R1およびnと同意義を表す)
で表されるポリアルキレングリコール誘導体、または、式(V)
【0048】
【化20】

【0049】
〔式中、R5a、uaおよびvaはそれぞれ前記R5、uおよびvと同意義を表し、QおよびRの一方はカルボキシ基を表し、他方は、
【0050】
【化21】

【0051】
(式中、pbは前記pと同意義を表す)を表す〕で表されるスチレン−マレイン酸共重合体の誘導体であり、 グアニジノ基の化学修飾剤が式(VI)
【0052】
【化22】

【0053】
(式中、qは1または2を、Md、R1dおよびndはそれぞれ前記M、R1およびnと同意義を表す)で表されるポリアルキレングリコール誘導体である。
本発明に用いられる化学修飾基に関し、R1、R4およびR5で示されるアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖または分岐状のもの、例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル、tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ヘキシル,イソヘキシル,ヘプチル,オクチル,イソオクチル,デシル,ドデシル,テトラデシル,ヘキサデシル,オクタデシル等があげられ、R1で示されるアルカノイル基は炭素数1から18の直鎖または分岐状のもの、例えば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレリル,ピバロイル,ペンタノイル,ラウロイル,ミリストイル,パルミトイル,ステアロイル等があげられ、R3、YおよびHalで示されるハロゲンは、塩素,臭素,ヨウ素の各原子があげられ、Wで示されるカルボキシ基の反応性誘導体としては、酸クロリド、酸ブロミド等の酸ハライド類、p−ニトロフェニルエステル、N−オキシコハク酸イミド等の活性エステル類、炭酸モノエチルエステル、炭酸モノイソブチルエステル等との混合酸無水物類等があげられる。n,r,s,uおよびvで表される正の整数は、1〜1,000であり、とりわけnについては7〜500が、r,s,uおよびvについては1〜200が好ましい。本発明の化学修飾基の分子量は、500〜100,000の範囲内であり、好ましくは1,000〜40,000の範囲内にあるものである。
【0054】
本発明に使用するhG−CSF活性を有するポリペプチドとして、hG−CSF活性を有するポリペプチドならばいずれも用いることができるが、好ましくは、配列番号1で表されるアミノ酸配列、該配列の一部のアミノ酸配列、または該配列の一部のアミノ酸が別のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド〔Nature,319,415(1986)、特開昭63-267292、特開昭63-299、WO87/01132〕をあげることができる。配列番号1で表されるアミノ酸配列の一部のアミノ酸が別のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド(hG−CSF誘導体)の具体例を第1表に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
hG−CSF活性を有するポリペプチドの分子中にはアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基およびグアニジノ基が、それぞれ通常複数存在するが、hG−CSF活性を有するポリペプチドの化学修飾を行う場合、これらの基の少なくとも1個の基が化学修飾されていればよい。
ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体あるいはポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの共重合体の誘導体等のポリアルキレングリコール誘導体またはスチレン−マレイン酸共重合体の誘導体等の化学修飾剤とアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基またはグアニジル基を有するポリペプチド(hG−CSF誘導体)とを反応させることにより、hG−CSF活性を有するポリペプチドの化学修飾を行うことができる。
【0057】
hG−CSF活性を有するポリペプチドの分子中のアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基またはグアニジノ基とポリエチレングリコール誘導体またはポリプロピレングリコール誘導体とを反応させる方法としては、公知の方法〔例えば、特開平1−316400、Biotech.Lett.,14,559-564(1992)、BIO/TECHN0L0GY,8,343-346(1990)等〕あるいはそれに準じた方法を用いることができる。
【0058】
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体の誘導体とを反応させる方法としては、公知の方法〔例えば、特開昭59−59629、特開昭60−176586、WO89/06546、EP0539167A2等〕あるいはそれに準じた方法を用いることができる。
また、スチレン−マレイン酸共重合体の誘導体とを反応させる方法としては、公知の方法〔例えば、BIO INDUSTRY 5,499-505(1988)、特開昭64−85922、特開平1−99573等〕あるいはそれに準じた方法を用いることができる。
【0059】
上記の方法により製造される化学修飾されたhG−CSF活性を有するポリペプチドを含有してなる血小板増殖促進剤の具体的な例としては、hG−CSF中の少なくとも1個のアミノ基に下記式(Ia)で表される基を結合してなる修飾ポリペプチドが例示される。
【0060】
【化23】

【0061】
{式中、R1はアルキル基またはアルカノイル基を表し、nは任意に変わりうる正の整数を表し、Xは単結合、O、NHまたはSを表し、R2a
【0062】
【化24】

【0063】
〔式中R3aはOH、ハロゲンまたは
【0064】
【化25】

【0065】
(式中Xa、R1aおよびnaはそれぞれ前記X、R1およびnと同意義を表す)を表し、Yaは単結合、または
【0066】
【化26】

【0067】
(式中、ZはO,SまたはNHを表し、pは1〜6の整数を表し、mは0または1を表す)を表す〕または
【0068】
【化27】

【0069】
(式中、maは前記mと同意義を表し、tは0〜6の整数を表す)を表す}。
式(Ia)の各基の定義において、アルキル基、アルカノイル基、ハロゲンおよび正の整数は、前記式(I)の定義と同じである。
また、本発明により新規の化学修飾されたhG−CSFまたはhG−CSF誘導体を提供することができる。
【0070】
新規の化学修飾されたhG−CSFとしては、hG−CSF中の少なくとも1個のアミノ基に下記式(Ib)で表される基を結合してなる修飾ポリペプチドが例示される。
【0071】
【化28】

【0072】
{式中、R1はアルキル基またはアルカノイル基を表し、Mは
【0073】
【化29】

【0074】
または
【0075】
【化30】

【0076】
または
【0077】
【化31】

【0078】
(式中、rおよびsは同一または異なって任意に変わりうる正の整数を表す)を表し、nは任意に変わりうる正の整数を表し、Xは単結合、O、NHまたはSを表し、R3bはR3aと同意義を表し、ZはO、SまたはNHを表し、pは1〜6の整数を表す}。
化学修飾hG−CSFおよび化学修飾hG−CSF誘導体にはポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体の誘導体またはスチレン−マレイン酸共重合体の誘導体が1〜5分子結合する。したがって、本化学修飾hG−CSFならびに本化学修飾hG−CSF誘導体は1〜5分子結合体の混合物で用いるか、あるいは1〜5分子結合体をそれぞれ分離して用いる。本化学修飾hG−CSFならびに化学修飾hG−CSF誘導体の分離には、通常の長鎖ポリペプチド等の分離に用いられるイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィー、硫安分画等の方法を準用することができる。
【0079】
化学修飾の程度は遊離基の減少量をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いて、化学修飾hG−CSFの移動度の変化を追うことにより確認される。
【0080】
本発明における蛋白質量の測定は、以下に記載する実験方法によって測定する。
実験方法1
ローリーの方法〔Lowry,O.H.,et al.,ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.),193,265(1951)〕により蛋白質量の測定を行う。
実験方法2
レムリの方法〔U.K.Laemmli:ネイチャー(Nature),227, 680(1970)〕によりSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、該ゲル上に分離された蛋白質をクマシーブリリアントブルーで染色した後、クロマトスキャナー(CS−930 島津製作所)で測定することにより蛋白質量を求める。
【0081】
次に、化学修飾hG−CSFおよび化学修飾hG−CSF誘導体の薬理活性について試験例で説明する。
試験例1 化学修飾hG−CSFおよび化学修飾hG−CSF誘導体のG−CSF活性およびマウス白血病細胞NFS60に対する増殖促進作用
後述する参考例4、6、8、9、12、15、17、19、20および実施例4で得られた化学修飾G−CSFおよび化学修飾hG−CSF誘導体のマウス骨髄細胞に対するG−CSF活性を、岡部らの方法[M.Okabe et al.,Blood,75,1788(1990)]に従って測定した。また、NFS60細胞[K.Holmesら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,6687(1985)]に対する増殖促進活性を、浅野らの方法〔薬理と治療、19,2767(1991)〕に従って測定した。その結果を第2表に示した。
【0082】
【表2】

【0083】
試験例2 放射線全身照射マウスの血小板減少に対する回復促進効果
第3表および第4表に示した試験においては、雄性BALB/cマウス(10週令)1群5匹を用い、第5表に示した試験においては、雄性BALB/cマウス(6週令)1群4匹を用い、これらマウスに137Cs放射線源(RI−433,東芝製)をマウス当たり3Gyを全身放射線照射(以下、Rxと略記する)した後、スペシファイド・パソジェン・フリー(SPF)飼育環境施設のクリーンラック内で飼育した。飲料水および餌は自由摂取させた。無処理対照群として、放射線を照射しないマウスを同様にして飼育した。
【0084】
第3表〜第5表に示した化学修飾hG−CSFおよび化学修飾hG−CSF誘導体をそれぞれ生理食塩水溶液に溶解し、第3表で示した試験においては、化学修飾hG−CSF誘導体(Tri体)溶液をRxの翌日に1回、またはRxの翌日と5日目に2回、第4表および第5表に示した試験においては、化学修飾hG−CSFまたは化学修飾hG−CSF誘導体溶液をRxの翌日に1回、マウス1匹当たり1回5μg/0.2ml皮下に投与した。
【0085】
経時的にマウス眼底静脈より採血し、自動血球計数器(CC−180A,東亜医用電子製)で血小板数を測定した。結果を第3表〜第5表に示した。
【0086】
【表3】

【0087】
【表4】

【0088】
【表5】

【0089】
3Gyの全身放射線照射マウスは著明な血小板数の減少がみられ、Rxの8〜9日目で最低値となり、その後、徐々に血小板数は増加してきたが、試験期間中に放射線処理前と同じ血小板数にまで回復することはなかった。しかし、化学修飾hG−CSFおよび化学修飾hG−CSF誘導体を投与したマウスでは、血小板数の減少が抑制され、8〜9日目以降に著しい血小板数の増加が認められ、11〜12日目には、放射線処理前と同じ血小板数にまで完全に回復した。Rxのの翌日と5日目に投与した群でも同様の効果が認められた。
【0090】
試験例3 抗癌剤投与による血小板減少に対する回復促進効果
雄性BALB/cマウス(9週令)1群5匹に、抗癌剤5−フルオロウラシル(5−FU,協和醗酵工業社製)を100mg/kg腹腔内に投与した。5−FU投与翌日に参考例4で得られた化学修飾hG−CSF(Tri体)を生理食塩水溶液に溶解したものをマウス1匹当たり1回5μg/0.2mlを皮下に投与した。経時的にマウス眼底静脈より採血し、自動血球計数器で血小板数を測定した。その結果を第6表に示した。
【0091】
【表6】

【0092】
5−FU投与群では、投与4日目より血小板数の減少がみられ、5日目に最低値となり、9日目に投与前の数に回復した。化学修飾hG−CSF投与群では、血小板の減少が抑制され、6日目以降明確な回復促進効果が認められた。7日目には、投与前の血小板数にまで完全に回復した。
【0093】
試験例4 骨髄移植時の血小板減少に対する回復促進効果
雄性BALB/cマウス(8週令)1群4匹に137Cs放射線源(RI−433,東芝製)をマウス当たり10GyをRxした後、SPF飼育環境施設のクリーンラック内で飼育した。放射線照射翌日に同系のマウスの骨髄細胞(ナイロンウール非付着細胞)の2×106個を放射線マウスの静脈内に移植した。約2時間経過後に、参考例4で得られた化学修飾hG−CSF(Tri体)を生理食塩水溶液に溶解したものをマウス1匹当たり1回10μg/0.2ml、20μg/0.2mlまたは40μg/0.2ml皮下に投与した。経時的にマウス眼底静脈より採血し、自動血球計数器で血小板数を測定した。その結果を第7表に示した。
【0094】
【表7】

【0095】
10Gyの全身放射線照射マウスは、重篤な血小板減少とともに2週間以内に全例死亡した。骨髄細胞の移植を受けたマウスは、死亡例は無かったが、血小板の低下が2週間以上続いた。化学修飾hG−CSFを投与した骨髄移植マウスでは、用量に依存して、11日目以降に血小板の回復促進効果がみられ、15日目には、放射線処理以前の血小板数以上に回復した。
【0096】
試験例5 急性毒性試験
5〜10週令のBALB/c系雄マウスを1群4匹用い、参考例4で得られた化学修飾hG−CSF(Tri体)を1匹あたり25μg単回投与した。あるいは1匹あたり20μgを投与した後、投与後1、5、9日目に20μgずつ計4回投与したが、ともに症状変化は全くなく、死亡例も認められなかった。
【0097】
以上、試験例で示したように、化学修飾hG−CSFおよび化学修飾hG−CSF誘導体は、放射線照射、癌化学療法または骨髄移植時等にみられる重篤な血小板減少症に対して、血小板の明らかな回復促進効果を示し、血小板増殖促進剤として有用である。
また、化学修飾hG−CSFまたは化学修飾hG−CSF誘導体とともに、他のサイトカインや低分子血小板増殖促進剤を用いることもできる。他のサイトカインとしては、インターロイキン3、インターロイキン6、白血病阻害因子、幹細胞因子(Stem Cell Factor)、マクロファージ・コロニー刺激因子、トロンボポエチン等があげられる。低分子血小板増殖促進剤としては、コナゲニン、Y25510、2−ピラノン誘導体、FK565等があげられる。
【0098】
化学修飾hG−CSFまたは化学修飾hG−CSF誘導体は、そのままあるいは各種の製薬形態で使用することができる。本発明の製薬組成物は活性成分として、有効な量の化学修飾hG−CSFまたは化学修飾hG−CSF誘導体を薬理上許容される担体と均一に混合して製造することができる。これらの製薬組成物は、注射による投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。
【0099】
注射剤は、化学修飾hG−CSFまたは化学修飾hG−CSF誘導体と蒸留水、塩溶液、グルコース溶液または塩水とグルコース溶液の混合物から成る担体とを用いて液剤として調製することができる。この際、常法に従い、適当な助剤を用いて、溶液、懸濁剤または分散剤として調製される。また、当該液剤を凍結乾燥し、凍結乾燥剤として調製することもできる。凍結乾燥の条件はとくに限定しないが、通常は−50℃以下で1〜5時間凍結し、棚温−20℃〜0℃、真空度50〜150mTorrで24〜48時間乾燥し、ついで棚温10〜30℃、真空度50〜100mTorrで16〜24時間乾燥し、凍結乾燥品を得る。
なお、本発明の血小板増殖促進剤は、通常の各種製薬担体、賦形剤、希釈剤、安定化剤あるいは吸着防止剤などを含むことができる。
【0100】
本発明の血小板増殖促進剤の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、対象となる疾患および患者の病状にあわせて決められるが、通常、成人一人当り15μg〜1.5mg、好ましくは25〜500μgの化学修飾hG−CSFまたは化学修飾hG−CSF誘導体含有製剤を1週間当り1〜7回投与する。投与方法としては、静脈注射または皮下注射等が用いられる。本発明の血小板増殖促進剤は、更に、座剤、点鼻薬としても用いることができる。
【0101】
以下に実施例および参考例を示す。
【実施例1】
【0102】
注射剤
下記方法により、次の組成からなる注射剤を調製した。
参考例4で得られた化学修飾hG−CSF誘導体 (Tri体)10mgをPBS溶液80mlに溶解し、ポリソルベート80(和光純薬社製)を2mg、ヒト血清アルブミン(シグマ社製)100mgおよびD−マンニトールl.5gを加え、PBSで容量を100mlにあわせた。得られた溶液を0.22μmのディスポーザブル製メンブランフィルターを用いて無菌濾過後、ガラスバイアルに2mlずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分0.2mgを含有する)を得た。
【0103】
【表8】

【実施例2】
【0104】
注射剤
下記方法により、次の組成からなる注射剤を調製した。
参考例4で得られた化学修飾hG−CSF誘導体(Tri体)50mgをPBS溶液80mlに溶解し、ポリソルベート80(和光純薬社製)を2mgおよびD−マンニトール1.5gを加え、PBSで容量を100mlにあわせた。得られた溶液を0.22μmのディスポーザブル製メンブランフィルターを用いて無菌濾過後、ガラスバイアルに2mlずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分1.0mgを含有する)を得た。
【0105】
【表9】

【実施例3】
【0106】
注射剤
下記方法により、次の組成からなる注射剤を調製した。
参考例4で得られた化学修飾hG−CSF誘導体( Tri体)10mgをPBS溶液80mlに溶解し、ポリソルベート80(和光純薬社製)を2mg、ヒト血清アルブミン(シグマ社製)100mgおよびD−マンニトール1.5gを加え、リン酸でpHを約5に調整した後、注射用蒸留水で容量を100mlにあわせた。得られた溶液を0.22μmのディスポーザブル製メンブランフィルターを用いて無菌濾過後、ガラスバイアルに2mlずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分0.2mgを含有する)を得た。
【0107】
【表10】

【実施例4】
【0108】
参考例3で得られたhG−CSF誘導体31.5mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)35mlを、5%水酸化ナトリウムでpH8.7に調整し、氷冷下で参考例18で得られた2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−6−(1−アミノプロピルオキシカルボニルオキシ−4’−ニトロフェニル)−s−トリアジン5.0gを添加し、4℃で7日間反応させた。該反応液に最終濃度0.7Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(2.5cm×6.1cm=30ml)に、30ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)90mlを30ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)系に、直線勾配で0.7〜0M硫酸アンモニウムを総量180ml、30ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0.47Mから0.16Mで溶出された。溶出画分に最終濃度0.7Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(2.5cm×12cm=60ml)に、60ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)180mlを60ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)系に、直線勾配で0.7〜0M硫酸アンモニウムを総量600ml、60ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0.38Mから0.11Mで溶出された。溶出画分200mlを限外濾過〔分子量分画1万:YM10(アミコン社製)〕し、6.5mlまで濃縮した。該濃縮液をPBSで充されたセファクリルS−300(ファルマシア社製)(2.5cm×45cm=220ml)に44ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。
【0109】
PBSを流し始め、92ml〜100ml近辺に、hG−CSF1分子に対しポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が3分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Tri体)が、100ml〜104ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が2分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Di体)が、116ml〜120ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が1分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Mono体)が溶出され、それぞれを1.0mg(収率3.0%)、1.4mg(収率4.4%)、1.1mg(収率3.6%)取得した。
【0110】
尚、化学修飾hG−CSF誘導体の純度およびMono体、Di体およびTri体におけるhG−CSF誘導体1分子へのポリエチレングリコール誘導体の結合分子数はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により確認した。
以後の参考例においても、化学修飾hG−CSF誘導体の純度およびポリエチレングリコール誘導体の結合分子数はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により確認した。
【0111】
参考例1
6−クロル−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンの製造
10gの無水炭酸ナトリウムを含む100mlの無水トルエンに平均分子量4000のモノメトキシポリエチレングリコール(日本油脂社製)20gを溶解し、110℃で30分間加熱した後、塩化シアヌル500mgを加え、110℃で24時間加熱した。反応残留物を濾去し、石油エーテル300mlを加えて、沈澱を生じさせ、該沈澱を数回石油エーテルで洗浄し、標記塩化物を10g取得した(収率50%)。
【0112】
参考例2
6−(3−カルボキシプロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンのN−ヒドロキシサクシンイミドエステルの製造
参考例1で得られた塩化物500mgを無水テトラヒドロフラン9mlに溶解した。一方、γ−アミノ酪酸10mg、トリエチルアミン28μlを無水ジメチルアミド1mlに溶解した液に上記溶液を添加後、室温下16時間攪拌した。次いで、減圧乾固の後、塩化メチレン30ml、10mMリン酸緩衝液(pH10)15mlを加え分配した。上層を2N塩酸でpH1にした後、塩化メチレン30mlを加え、再び分配した。下層を分画し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾別し、減圧濃縮を行い、標記カルボン酸を150mg取得した(収率30%)。
【0113】
該カルボン酸150mgとN−ヒドロキシサクシンイミド3mgを無水塩化メチレン1mlに溶解し、氷冷下N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)6mgを添加後、室温下12時間攪拌した。生じたジシクロヘキシルウレア(DCU)を濾別し、濾液にエチルエーテルを加えて、沈澱を生じさせた。該沈澱を濾別後、減圧乾燥し、標記エステルを100mg取得した(収率67%)。
【0114】
参考例3
配列番号1に示したアミノ酸配列を有するhG−CSFの1番目のスレオニンをアラニンに、3番目のロイシンをスレオニンに、4番目のグリシンをチロシンに、5番目のプロリンをアルギニンに、17番目のシステインをセリンにそれぞれ置換したhG−CSF誘導体(第1表、化合物k)を以下のようにして得た。
【0115】
上記のhG−CSF誘導体をコードするDNAを含むプラスミドpCfBD28を保有する大腸菌W3110strA株(Escherichia coli ECfBD28 FERMBP-1479)をLG培地〔バクトトリプトン10g,酵母エキス5g,塩化ナトリウム5g,グルコース1gを水1リットルに溶かし、NaOHでpHを7.0とする〕で37℃、18時間培養し、この培養液5mlを25μg/mlのトリプトファンと50μg/mlのアンピシリンを含むMCG培地(Na2HPO40.6%,KH2PO4 0.3%,塩化ナトリウム0.5%,カザミノ酸0.5%,MgSO4 1mM,ビタミンB14μg/ml,pH7.2)100mlに接種し、30℃で4〜8時間培養後、トリプトファンの誘導物質である3β−インド−ルアクリル酸(3β−indoleacrylic acid,以下IAAと略す)を10μg/ml加え、さらに2〜12時間培養を続けた。培養液を8000rpm、10分間遠心して集菌し、30mM 塩化ナトリウム、30mM トリス・塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄した。洗浄菌体を上記緩衝液30mlに懸濁し、0℃で10分間超音波破砕(BRANSON SONIC POWER COMPANY社SONIFIER CELL DISRUPTOR 200,OUTPUT CONTROL2)した。該超音波破砕物を9000rpmで30分間遠心分離して菌体残渣を得た。この菌体残渣からマーストンらの方法〔F.A.O.Marstonら:バイオ・テクノロジー(BIO/TECHNOLOGY),2,800(1984)〕に準じhG−CSF誘導体を抽出・精製・可溶化・再生した。
【0116】
参考例4
参考例3で得られたhG−CSF誘導体300mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.2)100mlに、参考例2で得られた活性エステル800mgを添加し、4℃で24時間反応させた。10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH8.0)100mlを加えた後、10mMトリス塩酸緩衝液−0.35M硫酸アンモニウム(pH8.0)で充たされたブチルトヨパール650M(東ソー製)(2.2cm×26cm)に100ml/hrの流速で通塔した。
【0117】
次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.35M硫酸アンモニウム(pH8.0)100mlを100ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)系に直線勾配で0.35〜0M硫酸アンモニウムを総量400ml、100ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0mMから250mMで溶出された。溶出画分250mlを限外濾過〔分子量分画1万:YM10(アミコン社製)〕し、10mlまで濃縮した。該濃縮液を、10mMリン酸緩衝液−生理食塩水(pH7.2)(PBS)で充たされたセファクリルS−200(ファルマシア製)(5.6cm×40cm)に160ml/hrの流速で通塔後、同流速でPBSを通塔した。PBSを流し始め、360ml〜400ml近辺に、hG−CSF1分子に対しポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が3分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Tri体)が、420ml〜450ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が2分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Di体)が、500ml〜530ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が1分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Mono体)が溶出され、それぞれを2.1mg(収率7%)、1.5mg(収率5%)、1.5mg(収率5%)取得した。Mono体、Di体およびTri体の純度はいずれも90%以上であった。
【0118】
参考例5
カルボキシルメチルモノメトキシポリエチレングリコールのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造 充分脱水した平均分子量5000のカルボキシルメチルモノメトキシポリエチレングリコール(日本油脂社製)4g(0.8mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)184mgを無水塩化メチレン40mlに溶解後、氷冷下アルゴン気流中DCC 330mgを加え,30分間攪拌した。その後、室温に戻し、1.5時間攪拌後、不溶物(DCU)を濾別し濾液を16mlまで減圧濃縮した。これを無水ジエチルエーテル240mlに滴下して沈殿を生成させ、沈殿を無水ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下溶媒を除去し、標記化合物を2.8g(0.56mmol)取得した(収率70%)。
【0119】
参考例6
参考例3で得られたhG−CSF誘導体202.5mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)225mlを、5%水酸化ナトリウムでpH8.1に調整し、氷冷下で参考例5で得られたカルボキシルメチルモノメトキシポリエチレングリコールのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル1.1gを添加し、4℃で6時間反応させた。その後、26.7mgのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む水溶液0.5mlを加え、反応液とした。反応液を8000rpm、4℃で40分間遠心分離し、その上清370mlに最終濃度0.68Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.68M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(5cm×6.6cm=130ml)に、130ml/hrの流速で通塔した。
【0120】
次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.68M硫酸アンモニウム(pH7.5)390mlを130ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)390mlを130ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、35mlから80mlで溶出された。溶出画分45mlを限外濾過〔分子量分画1万:YM10(アミコン社製)〕し、30mlまで濃縮した。該濃縮液を、PBSで充されたセファクリルS−200(ファルマシア社製)(5cm×51cm=1000ml)に200ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。化学修飾hG−CSFポリペプチドは、PBSを流し始めて200mlから380mlあたりに溶出され、ポリエチレングリコール誘導体1から4分子の結合体(Mono体〜Tetra体)の混合物であった(収量158mg、収率78%)。
【0121】
参考例7
カルボキシルメチルモノメトキシポリエチレングリコールのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造
充分脱水した平均分子量10000のカルボキシルメチルモノメトキシポリエチレングリコール(日本油脂社製)12g(1.2mmol)、HONSu 276mgを無水塩化メチレン120mlに溶解後、氷冷下アルゴン気流中DCC495mgを加え、30分間撹拌した。その後、室温に戻し1.5時間撹拌し不溶物(DCU)を濾別し、濾液を48mlまで減圧濃縮した。これを無水ジエチルエーテル720mlに滴下して沈殿を生じさせ、沈殿を無水ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下で溶媒を除去し、標記化合物を10.0g(1.0mmol)取得した(収率83%)。
【0122】
参考例8
配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するG−CSF40.8mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)30mlを、5%水酸化ナトリウムでpH8.3に調整し氷冷下で参考例7で得られたカルボキシルメチルモノメトキシポリエチレングリコールのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル326mgを添加し、4℃で6時間反応させた。その後、3.9mgのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む水溶液0.1mlを加え、反応液とした。反応液に硫酸アンモニウムをその濃度が最終的に0.7Mとなるように添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(2.5cm×8.1cm=40ml)に、40ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)120mlを40ml/hrの流速で通塔して洗浄後後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)系に、直線勾配で0.7〜0M硫酸アンモニウムを総量240ml、40ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0.33Mから0.05Mで溶出された。溶出画分90mlを限外濾過〔分子量分画1万:YM10(アミコン社製)〕し、6mlまで濃縮した。該濃縮液をPBSで充されたセファクリルS−300(ファルマシア社製)(2.5cm×45cm=220ml)に44ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。化学修飾hG−CSFポリペプチドは、PBSを流し始めて60mlから102mlあたりに溶出され、ポリエチレングリコール誘導体1から4分子の結合体(Mono体〜Tetra体)の混合物であった(収量9.5mg、収率23%)。
【0123】
参考例9
参考例3で得られたhG−CSF誘導体304.2mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)338mlを、5%水酸化ナトリウムでpH8.1に調整し氷冷下で参考例7で得られたカルボキシルメチルモノメトキシポリエチレングリコールのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル4.8gを添加し、4℃で6時間反応させた。その後、58.1mgのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む水溶液0.5mlを加え、反応液とした。反応液を8000rpm、4℃で40分間遠心分離し、その上清に最終濃度0.68Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.68M硫酸アンモニウム(pH8.0)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(5cm×7.1cm=140ml)に、140ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.68M硫酸アンモニウム(pH8.0)420mlを140ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)420mlを140ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、82mlから184mlで溶出された。溶出画分102mlを、PBSで充されたセファクリルS−300(ファルマシア社製)(10cm×50cm=3900ml)に780ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。化学修飾hG−CSFポリペプチドはPBSを流し始めて1600mlから2070mlあたりに溶出され、ポリエチレングリコール誘導体1から4分子の結合体(Mono体〜Tetra体)の混合物であった(収量216mg 収率71%)。
【0124】
参考例10
6−(3−カルボキシプロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造
γ−アミノ酪酸412mg(4.0mmol)を0.1Mホウ酸緩衝液(pH10)300mlに溶解し、氷冷下6−クロル−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジン20g(2mmol)(生化学工業社製)を加えて、4℃で一昼夜撹拌した。さらに室温で6時間撹拌した後、1N塩酸でpH1に調整し、クロロホルム抽出を行った。クロロホルム相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥後濾別した。減圧下で溶媒を除去し、生じた固形物に乾燥したアセトンを添加し、溶解させた。該アセトン溶液を減圧濃縮し、室温に放置することにより標記カルボン酸を再結晶化させ、該結晶を15.8g(1.6mmol)取得した。
【0125】
該カルボン酸10g(1.0mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド230mgを無水塩化メチレン100mlに溶解し、氷冷下アルゴン気流中DCC413mgを加え、30分撹拌した。その後、室温に戻し1.5時間撹拌し不溶物(DCU)を濾別し、濾液を40mlまで減圧濃縮した。これを無水ジエチルエーテル600mlに滴下して沈殿を生成させ、沈殿を無水ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下で溶媒を除去し標記化合物を7.7g(0.77mmol)取得した(収率77%)。
【0126】
参考例11
配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するhG−CSF40.8mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)30mlを、5%水酸化ナトリウムでpH7.2に調整し、氷冷下で参考例10で得られた6−(3−カルボキシプロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル326mgを添加し、4℃で48時間反応させた。その後、3.9mgのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む水溶液0.1mlを加え、反応液とした。反応液に最終濃度0.7Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(2.5cm×8.1cm=40ml)に、40ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)120mlを40ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)系に、直線勾配で0.7〜0M硫酸アンモニウムを総量240ml、40ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0.35Mから0.07Mで溶出された。溶出画分90mlを限外濾過〔分子量分画1万:YM10(アミコン社製)〕し、6mlまで濃縮した。該濃縮液をPBSで充されたセファクリルS−300(ファルマシア社製)(2.5cm×47cm=230ml)に46ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。化学修飾hG−CSFポリペプチドはPBSを流し始めて110mlから145mlあたりに溶出され、ポリエチレングリコール誘導体1から3分子の結合体(Mono体〜Tri体)の混合物であった(収量7.8mg、収率19%)。
【0127】
参考例12
参考例3で得られたhG−CSF誘導体540mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)600mlを、5%水酸化ナトリウムでpH7.2に調整し氷冷下で参考例10で得られた6−(3−カルボキシプロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル8.7gを添加し4℃で48時間反応させた。その後、105mgのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む水溶液0.5mlを加え、反応液とした。反応液を8000rpm、40分間、4℃で遠心分離し、その上清600mlに硫酸アンモニウムをその濃度が最終的に0.68Mとなるように添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.68M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(5cm×18cm=350ml)に350ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.68M硫酸アンモニウム(pH7.5)700mlを350ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)系に直線勾配で0.68〜0M硫酸アンモニウムを総量2800ml、350ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0.39Mから0.20Mで溶出された。溶出画分800mlを限外濾過〔分子量分画1万:YM10(アミコン社製)〕し、100mlまで濃縮した。該濃縮液をPBSで充されたセファクリルS−300(ファルマシア社製)(10cm×50cm=3900ml)に780ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。化学修飾hG−CSFポリペプチドはPBSを流し始めて1750mlから2250mlあたりに溶出され、ポリエチレングリコール誘導体1から3分子の結合体(Mono体〜Tri体)の混合物であった(収量303mg、収率56%)
【0128】
参考例13
6−(3−カルボキシプロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンの製造
充分乾燥した平均分子量12000のモノメトキシポリエチレングリコール(日本油脂社製)100g(8.33mmol)、酸化亜鉛(和光純薬工業社製)9.3g、モレキュラーシーブス(タイプ4A)(和光純薬工業社製)83.5gを乾燥ベンゼンに溶解し、アルゴン気流中室温で一昼夜放置した。その後、モレキュラーシーブスを除去し、再び新しいモレキュラーシーブス42gを加え、同様に一昼夜放置した。次に、モレキュラーシーブスを除去し、蒸留装置を用いてアルゴン気流中80℃で蒸留し、初留50mlを除去した。さらにモレキュラーシーブス(タイプ4A)を100g程度詰め込んだソックスレー抽出装置(固相用)を用いて、アルゴン気流中80℃で一昼夜脱水還留を行った。反応液を冷却後、736mg(4.0mmol)の塩化シアヌルを加え、5日間同様にして脱水還留を行った。この際使用した塩化シアヌルは、乾燥したジエチルエーテルより再結晶したものを用いた。その後、室温で冷却し乾燥ベンゼン300mlを加え、3600rpmで10分間遠心分離し、不溶物を除去した。上清を300mlまで減圧濃縮し、乾燥したジエチルエーテル3000ml中に滴下し沈殿を生成させた。該沈殿を回収し、乾燥ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下で溶媒を除去し、乾燥沈殿物を取得した。
【0129】
該乾燥沈殿物100gを、γ−アミノ酪酸1.24g(12.0mmol)を0.1Mホウ酸緩衝液(pH10)1000mlに溶解した溶液に、氷冷下で添加し、4℃で一昼夜撹拌した。さらに室温で6時間撹拌した後、1N塩酸でpH1.0に調整し、クロロホルムで抽出した。クロロホルム相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾別し、減圧下で溶媒を除去した。生じた白色固体に乾燥アセトンを添加し溶解させた。該アセトン溶液を減圧濃縮し、室温に放置することにより再結晶化させ、標記化合物を約70〜80%含む粗精製物90gを得た。これを、6000mlの蒸留水に溶解し、あらかじめ2N水酸化ナトリウム12000mlを通塔後、蒸留水で平衡化した6000mlの陰イオン交換樹脂HPA−75(三菱化学社製)に通塔し、蒸留水で溶出して標記化合物を主成分に含有する画分を回収した。これを1N塩酸でpH1.0に調整し、クロロホルム抽出を行った。クロロホルム相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾別し、減圧下で溶媒を除去し、高純度の標記化合物を43.6g取得した(収率43%)。
【0130】
参考例14
6−(3−カルボキシブロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造
参考例13の方法に準じ合成し、充分乾燥させた6−(3−カルボキシプロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジン25g(1.0mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド240mgを無水塩化メチレン400mlに溶解し、氷冷下アルゴン気流中DCC431mgを加え、30分撹拌した。その後、室温に戻し1.5時間撹拌し、不溶物(DCU)を濾別し、濾液を160mlまで減圧濃縮した。これを無水ジエチルエーテル2400mlに滴下して沈殿を生じさせ、該沈殿を無水ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下で溶媒を除去し標記化合物を21.4g(0.89mmol)取得した(収率89%)。
【0131】
参考例15
参考例3で得られたhG−CSF誘導体504mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)560mlを、5%水酸化ナトリウムでpH7.3に調整し、氷冷下で参考例14で得られた6−(3−カルボキシプロピルアミノ)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル22.4gを添加し、4℃で48時間反応させた。
【0132】
その後、113mgのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む水溶液0.5mlを加え、反応液とした。反応液に最終濃度0.7Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(5cm×25cm=500ml)に、500ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)1500mlを500ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)系に、直線勾配で0.7〜0M硫酸アンモニウムを総量3000ml、500ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0.55Mから0.08Mで溶出された。溶出画分に最終濃度0.7Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(5cm×15cm=300ml)に、450ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)1500mlを450ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)900mlを450ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。目的物は、67mlから132mlで溶出された。溶出画分100mlを、PBSで充されたセファデックスG−25(ファルマシア社製)(5cm×50cm=1000ml)に300ml/hrの流速で通塔した。次いで、同流速でPBSを通塔した。化学修飾hG−CSFポリペプチドはPBSを流し始めて350mlから500mlあたりに溶出され、ポリエチレングリコール誘導体1から4分子の結合体(Mono体〜Tetra体)の混合物であった(収量282mg、収率56%)。
【0133】
参考例16
4−ニトロフェニルオキシカルボニル−(O−メトキシポリエチレングリコール)の製造
充分乾燥した平均分子量10000のメトキシポリエチレングリコール5.5g(0.55mmol)(日本油脂社製)を27.5mlの乾燥塩化メチレンに溶解し、0.153mlのトリエチルアミン、222mgの4−ニトロフェニルクロロホルメイトを加え、アルゴン気流中、室温で4時間攪拌した。この間、トリエチルアミンでpHを7.5〜8.5に保った。反応液を20mlまで減圧濃縮し、300mlの乾燥ジエチルエーテル中に滴下して沈殿を生じさせた。該沈殿を乾燥ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で溶媒を除去した。該沈殿を乾燥した酢酸エチルより再結晶化させ、減圧乾燥して標記化合物を4.8g(0.48mmol)取得した(収率87%)。
【0134】
参考例17
参考例3で得られたhG−CSF誘導体40.5mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)45mlを、5%水酸化ナトリウムでpH8.7に調整し、氷冷下で参考例16で得られた4−ニトロフェニルオキシカルボニル−(O−メトキシポリエチレングリコール)4.3gを添加し、4℃で3日間反応させ、反応液とした。反応液に最終濃度0.7Mとなるように硫酸アンモニウムを添加し、10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)で充されたブチルトヨパール650M(東ソー社製)(2.5cm×12cm=60ml)に、60ml/hrの流速で通塔した。次いで10mMトリス塩酸緩衝液−0.7M硫酸アンモニウム(pH7.5)180mlを60ml/hrの流速で通塔して洗浄後、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)系に、直線勾配で0.7〜0M硫酸アンモニウムを総量360ml、60ml/hrの流速で通塔し、溶出を行った。次いで10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)180mlを60ml/hrの流速で未溶出部分の溶出を行った。目的物は、硫酸アンモニウム0.4Mから0Mで溶出された。溶出画分210mlを限外濾過〔分子量分画1万:YM10(アミコン社製)〕し、30mlまで濃縮した。該濃縮液をPBSで充されたセファクリルS−300〔ファルマシア社製(5cm×51cm=1000ml)〕に200ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。
【0135】
PBSを流し始め、285ml〜305ml近辺に、hG−CSF1分子に対しポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が3分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Tri体)が、325ml〜345ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が2分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Di体)が、365ml〜385ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が1分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Mono体)が溶出され、それぞれを6.2mg(収率10.9%)、6.8mg(収率11.9%)、5.0mg(収率8.8%)取得した。
【0136】
参考例18
6−(1−アミノプロピルオキシカルボニルオキシ−4’−ニトロフェニル)−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジンの製造
120mg(1.6mmol)の3−アミノ−1−プロパノールを0.1Mホウ酸緩衝液(pH10)200mlに溶解し氷冷下8g(0.8mmol)の6−クロル−2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−s−トリアジン(生化学工業社製)を加え、4℃で一昼夜攪拌した。反応液を2N塩酸でpH1.0に調整し、クロロホルムで抽出した。クロロホルム相を2N塩酸で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。減圧下で溶媒を除去し、生じた固形物に乾燥アセトンを添加し、溶解させた。該アセトン溶液を減圧濃縮し、室温に放置することによりアルコール体を再結晶化させ、該結晶を5.5g取得した。(収率69%)
次に充分乾燥した該アルコール体5.3g(0.53mmol)を乾燥塩化メチレン26.5mlに溶解後0.147mlのトリエチルアミンを加え、さらに214mg(1.06mmol)の4−ニトロフェニルクロロホルメートを加え、4℃で4時間攪拌した。その後、反応液を20mlに減圧濃縮し、300mlの乾燥ジエチルエーテル300mlに滴下して沈殿を生じさせた。この沈殿を乾燥シエチルエーテルで洗浄し、減圧下で溶媒を除去後、乾燥した酢酸エチルより再結晶し、減圧乾燥により標記化合物を4.6g(0.46mmol)取得した(収率87%)。
【0137】
参考例19
参考例3で得られたhG−CSF誘導体29.25mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.5)6.5mlに、氷冷下で活性化ポリエチレングリコール試薬M−SCM−20000(Shearwater Polymer社製)287mgを添加し、4℃で6時間反応させた後、50mg/mlのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液35μlを加え、反応液とした。該反応液をPBSで充されたセファクリルS−300(ファルマシア社製)(2.5cm×45cm=220ml)に44ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。
【0138】
PBSを流し始め、96ml〜104ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が2分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Di体)が溶出され、該Di体を3.8mg(収率13.0%)取得した。
【0139】
参考例20
参考例3で得られたhG−CSF誘導体28.8mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.5)6.7mlに、氷冷下で活性化ポリエチレングリコール試薬M−SSPA−20000(Shearwater Polymer社製)98mgを添加し、4℃で24時間反応させた後、40mg/mlのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液30μlを加え、反応液とした。該反応液をPBSで充されたセファクリルS−300(ファルマシア社製)(2.5cm×45cm=220ml)に44ml/hrの流速で通塔した後、同流速でPBSを通塔した。
【0140】
PBSを流し始め、78ml〜98ml近辺に、ポリエチレングリコール誘導体のカルボン酸が3分子結合した化学修飾hG−CSF誘導体(Tri体)が溶出され、該Tri体を2.0mg(収率6.6%)取得した。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明によれば、hG−CSF活性を有するポリペプチドの分子中のアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基またはグアニジノ基の少なくとも1個の基が化学修飾された化学修飾ポリペプチドおよび該ポリペプチドを含有する優れた血小板増殖促進剤を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト顆粒球コロニー刺激因子活性を有するポリペプチドの分子中の少なくとも1個のアミノ基に下記式(Ib)
【化1】

〔式中、Rはアルキル基またはアルカノイル基を表し、Mは
【化2】

または
【化3】

または
【化4】

(式中、rおよびsは同一または異なって任意に変わりうる正の整数を表す)を表し、nは任意に変わりうる正の整数を表し、Xは単結合、O、NHまたはSを表し、R3bはOH、ハロゲンまたは
【化5】

(式中、X、M、R1aおよびnaはそれぞれ前記X、M、Rおよびnと同意義を表す)を表し、ZはO、SまたはNHを表し、pは1〜6の整数を表す〕で表される基を結合してなる修飾ポリペプチド。
【請求項2】
アミノ基に結合する基が下記式(Ib−1)
【化6】

(式中、nおよびnaは任意に変わりうる正の整数を表す)で表される基である請求項1記載の修飾ポリペプチド。

【公開番号】特開2006−56900(P2006−56900A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306788(P2005−306788)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【分割の表示】特願平7−522256の分割
【原出願日】平成7年2月23日(1995.2.23)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】