説明

血液体積および/または血液体積流量を決定する装置およびそれを動作する方法

本発明は、循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置(1)に関し、測定流体(3)を貯蔵するための流体貯蔵ユニット(2)、測定流体(3)を循環系の中に注入するための注入装置、流体貯蔵ユニットと注入装置との間に配置された少なくとも1つのポンプ装置(5)、循環システムへの注入の前に測定流体の少なくとも1つの特性を決定するための手段、注入部位から循環システムの下流におけるそれぞれの特性を決定するためのさらなる手段、および該決定された特性の関数として、該血液の体積あるいは体積流量を計算するための分析装置を含む。本発明は、測定流体が、流体貯蔵ユニットから第2のポンプ装置(9)に第1のポンプ装置(5)によって供給され、第2のポンプ装置からカテーテルに送られ得ることを提供する。本発明は、またそのような装置を動作させる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決定された特性の関数としての血液の体積あるいは体積流量を計算するための分析装置に加えて、測定流体を貯蔵するための流体貯蔵ユニット、測定する流体を循環システムに注入する、特に、カテーテル(11)あるいはカニューレである注入手段、流体貯蔵ユニットと注入手段との間に配置された少なくとも1つのポンプ装置、循環システムへの注入の前に、測定流体の少なくとも1つの特性を決定するための手段、注入部位から循環システムの下流におけるそれぞれの特性を決定するためのさらなる手段により、循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定する装置に関する。本発明は、そのような装置を動作する方法に加えて、測定流体のコンディショニングを行う手段を有するその様な装置にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような装置は、特許文献1から公知である。本明細書に記述する装置は、注入嚢の形の流体保存容器からなり、その容器は冷却された測定流体で満たされる。適切な測定流体は、例えば、(塩化ナトリウム溶液、リンゲル液、リチウム塩溶液のような)等張力電解液、等張力非イオン溶液(例えば、グルコース溶液)あるいは無脂肪栄養性液、ドリップ容器を介して供給される染色液(エバンス青、インドシアニン緑)であり得るが、また、高張塩化ナトリウム溶液でもあり得る。測定流体は、ポンプ装置によって、弁装置を通ってカテーテルに、ドリップチャンバを介して供給され、そのカテーテルにより測定流体が、患者の血流にパルス状に注入される。測定流体の内部流は、体温よりも冷たいが、注入部位から下流の血液温度に影響する。
【0003】
この方法は、熱希釈法として公知であるが、例えば、心拍出量を決定するために使用される。この場合、特許文献2の明細書(例えば、肺熱希釈浸透カテーテル)から公知のような種々のチャネルが供給されるカテーテルは、冷却された測定流体が右心室の前の第1のチャネルを通って注入されるように、循環システムに配置され、右心室後の血流の温度は、別のチャネルに配置された温度センサによって決定される。分析装置は、そして、供給される測定流体から、スチュアートハミルトン式を使用して、注入部位から下流の血流における温度変位に加えて、心拍出量(HZV)、供給される注入液および血液の温度を計算し得る。
【0004】
我々は、次式を得る。
【0005】
【数1】

ここで、
=注入液体積
=血液温度
=注入液温度
K=注入液および血液の比重および比熱に対する補正ファクタ
t=時間
である。
【0006】
また、実際に公知の方法によって、心拍出量および、例えば、平均遷移時間、遷移時間のメジアン、指示器の希釈曲線の上昇下降部分の急勾配割合が使用されて、処理能力体積および部分体積をも決定し得る。指示器の中心静脈注入および指示器の動脈測定に対しては、これらは、例えば、胸郭内の血液体積、全拡張終末期体積、実際の心臓充填体積および浸出肺水である。
【0007】
断続的に実行される測定器の希釈は、別の連続して実行される方法の流量および可能性として体積決定を繰り返し較正するために使用され得る。この手法は心拍出量の連続的決定のための動脈拍輪郭法の較正である場合が多い。しかし、経食道あるいは経胸壁超音波心臓検査法、食道あるいは外部超音波ドップラー検査法または電気的胸郭生体インピーダンス法のような、心拍出量を決定するための別の連続的方法への用途も見出される。通常、すべての連続的方法に共通なことは、本来、特に精密な測定結果を与えるものではないことであるが、頻繁な較正によって実質的に高い精度等級をもたらす。
【0008】
熱希釈はまた、経肺的に測定され得る。スチュアートハミルトン(Stewart Hamilton)式の代替として、特許文献3にあるようなYeldermanに従った相互相関によって評価がなされ得る。
【0009】
特許文献1に開示されている第1のサンプル実施形態に従うと、ポンプ装置はホースポンプを含み、ホースポンプにおいて、流体保存容器からカテーテルに導くホースラインが、カム構成によって、連続して下流に圧縮される。ホースラインに配置される流体筒は、その上で注入部位の方向に変位し、ポンプ装置の下流に配置された逆止弁を通って行き、逆止弁は流体保存容器からカテーテルへの流れに対してのみ開き、逆流を防止する。
【0010】
特許文献1の別のサンプル実施形態に従うと、ポンプ装置は、ピストン駆動が備えられたピストン/シリンダ構成として構成され、ピストン駆動は、二方弁を介して流体保存容器およびカテーテルに液圧的に接続され得る。第1の弁設定において、測定流体が、流体保存容器からピストン/シリンダ構成の中に流れ、チャンバ体積が増加するとき、ピストンは駆動ユニットによって後退させられる。弁が切り替わった後、ピストン/シリンダ構成に構築された測定流体は、カテーテルに供給され得、チャンバ体積が小さくなるに従って、ピストンは前方に進む。
【0011】
熱希釈の手順および、循環部の血液の体積あるいは体積流量を決定するこの種の装置の用途について、特別な参照が特許文献1の明細書になされている。
【0012】
塞栓症を防ぐために、両方のサンプル実施形態において、空気センサが、ポンプ装置から下流のカテーテルに導くホースラインに配置され、空気センサは熱希釈装置の制御に接続される。この方法において生成される過剰な圧力による空気の浸透を防止するために、注入嚢は適切な手段により圧縮され得るが、空気泡は注入液に生成し得るのを確実には排除され得ないので、空気泡が空気センサによって検出されると、注入プロセスが中断されなければならない。さらに、特に、ピストン/シリンダ構成において時間が経過する場合、流体保存容器からカテーテルへの途中において、注入液が加熱し、従って、測定結果に影響する可能性が存在する。
【0013】
特許文献4は、熱的に絶縁された交換可能なピストン/シリンダ構成によって熱希釈を実行する自動注入装置を開示しており、この構成のピストンは、クランク機構のおかげで動き得る。注入液は、流体保存容器からピストンの運動によって引き出され、熱交換器カセットを通って行く。この熱交換器において、流体は熱電気温度制御装置によって冷却される。ボーラスの注入は、ピストン/シリンダ構成からの測定流体を押し付けることによってなされ、弁装置は、すでに記述した方法において、ピストン/シリンダ構成の中へのおよびピストン/シリンダ構成からの両方の流量を制御する。
【0014】
この装置は、測定流体の冷却のためには実質的に高価であるという欠点を有する。さらに、絶縁にも拘わらず、比較的時間に厳しく、ピストン/シリンダ構成を満たし、また空にする間、冷却された注入液がある温度まで加熱されることを排除できない。
【0015】
同様な構造的レイアウトにより熱希釈を行う注入装置は、特許文献5から公知であり、いくつかの弁の構成により選択として、第1の保存容器から第1の流体により、あるいは第2の温度制御された保存容器から冷却された測定流体により充填され得る。
【0016】
熱希釈の準連続的な実行のためのさらなる装置が、特許文献3および特許文献6に開示されているが、これらは、高価であることと信頼性の理由で実際には受け入れられていない。
【0017】
特許文献7は、ピストン/シリンダ構成を有する熱希釈注入器を記述しており、空力的に動作され、注入プロセスを等しくする。
【0018】
特許文献8および特許文献9においては、さらに、手動のあるいは部分的に自動化された液体ボーラスの分注のための装置が開示されている。
【0019】
特許文献10においては、熱希釈の実行のためのカテーテルが記述され、測定流体のボーラスが、制御および記録手段を備える注入ポンプによってポンプされる。カテーテルは、血流の酸素飽和度の連続決定の手段をさらに有する。
【0020】
さらに、熱希釈を実行して心拍出量をゴーリン(Gorlin)式により決定する装置が、特許文献11から公知である。この場合、心臓に導入されたカテーテルには、その道筋に沿って複数の開口部が提供され、カテーテル内を走る流体充填チャネルによって、対応する数の圧力測定装置に接続される。これらは、肺動脈、右心耳および左心耳における圧力を検出する。さらに、カテーテルは、温度センサを有するとともに、流量断面積を狭くするための拡張可能なバルーンを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】独国特許出願公開第4214068号明細書
【特許文献2】米国特許第4,817,624号明細書
【特許文献3】米国特許第4,507,974号明細書
【特許文献4】米国特許第5,037,396号明細書
【特許文献5】米国特許第4,502,488号明細書
【特許文献6】米国特許第6,736,782号明細書
【特許文献7】米国特許第4,212,298号明細書
【特許文献8】米国特許第5,526,817号明細書
【特許文献9】米国特許第4,327,724号明細書
【特許文献10】米国特許第5,676,145号明細書
【特許文献11】米国特許第6,004,275号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
一方では、本発明が基づいている課題は、問題になっているような、特に、繰り返しかつ自動的な方法において、循環部の血液の体積および/または体積流量を決定するための装置において、注入液への空気の浸透を信頼性よく防ぐことである。さらに、装置は、治療的に必要なあるいは少なくとも禁忌ではない流体量により測定を実行するために適切であるべきである。さらに、本発明が基づいている課題は、カテーテルへの途中において、測定流体の特性の変化による測定結果の望まない影響をできる限り防ぐことである。さらに、不必要に測定を妨害しないように、測定の性能について、立会い者は迅速に知らされるべきである。加えて、分析装置の測定プログラムは、間違ったあるいは乱れた希釈測定を独立に認識できるべきであり、誤りであるそれらを表示すべきではなく、あるいは、流量および/または体積の決定のための別の連続法の再較正にそれらを使用すべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明が基づいている課題は、問題になっているような装置における空気泡の形成について、測定流体が、第1のポンプ装置によって流体貯蔵ユニットから第2のポンプ装置に取られる点において、また、後者から血液循環に取られる点において、解決される。
【0024】
さらに、最初に述べたような装置は、この課題を解決するために適しており、第1のポンプ装置によって提供される第1の体積流量により、測定流体は血液循環に供給され得、第2のポンプ装置によって提供される第2の体積流量は、好ましくは周期的に回帰して、一時的に第1の体積流量に重畳される。
【0025】
これらの構成のおかげで、血液循環における注入液体積流量は、変調され得る。一般に、体積流量を変調する手段には、測定および分析装置からは逆の影響は生じない。第1のポンプ装置の取扱いおよび安全機能は、そこなわれないままである。さらに、大気圧より上の圧力が全体の注入システムにおいて連続的に優勢であり、従って、通常、空気検出器が必要でないように、空気がシステムに入らないことが保証される。
【0026】
測定結果の望まない影響について、上述のような装置における本発明の課題解決は、流体貯蔵ユニットと注入手段との間の途中で測定流体をコンディショニングする手段を備えているが、コンディショニングする手段は少なくとも1つのポンプ装置上に作用することにおいて生じる。これは、注入の直前において、測定流体が測定のための最も好ましい特性をなおも有することを保証する。
【0027】
最新の測定について立会い者に通知することは、本発明に従って、第1のポンプ装置の体積流量が検出され、第2のポンプの充填体積が確かめられ、これから、第2のポンプ装置が充填される時間が計算され、第2のポンプ装置の始動の前に当該時間間隔において、信号が出力されることにおいてなされる。
【0028】
さらに、本発明の1つの実施形態に従うと、装置は体内自体の血液に対する入口を備える。従って、血液は患者の体内から引き出され、続いて測定流体として使用され、この目的のため、測定目的に適した特性が提供される。入口および注入手段は、特に、透析に対して1つ、血液治療用の装置に配置され得る。
【0029】
本発明の1つの好ましい実施形態において決定されるべき特性は、熱希釈が血液の体積および血液の体積流量、特に心臓の血液の体積流量、の決定方法として確立され、さらなる困難なしに血液の一時的な冷却が保存されるので、測定流体の温度および血液循環における温度である。
【0030】
第1のポンプ装置は、好ましくは流体の連続送達に適しており、第2のポンプ装置の時期を得た充填および/または低い送達レートのより長く継続する注入に対して適正である体積流量を提供する。機械的構造および安全機構のおかげで、ホースポンプ、特に通常の注入ポンプは特にこれに適している。代替として、例えば、動静脈の血液透析機械のポンプを使用し得、その場合、患者自身の血液が定常的に循環され測定流体として使用される。
【0031】
第2の支援ポンプ装置は、好ましくは、流体の不連続な送達のために提供され、代替として液圧的にカテーテルに接続され、あるいは、追加として、注入液流の変調のために第1のポンプ装置に接続される。その単純な構造のため、第2のポンプ装置は特にピストン/シリンダ構成である。代替として、間にある注入液嚢を有する膜ポンプあるいはプレート圧縮装置が、第2のポンプ装置としても使用され得る。
【0032】
第1の好ましい代替実施形態によると、第2のポンプ装置のピストンは、駆動機構に動作的に接続され得、一定の体積流量を発するために、駆動機構は均一にピストンをシリンダの中に押し込む。
【0033】
ここで、駆動機構は、好ましくは空力的駆動であり、押し込まれているピストンにのみ作用し、ピストンが拡張しているときには作用しない。ピストンの拡張は第1のポンプ装置の送達圧力によって達成される。
【0034】
特別な利点により、後退し拡張した端位置にあるピストンは、端ストップに作用し、端ストップは、双安定三方/二方弁のような制御機構を介して駆動機構を制御する。
【0035】
逆止弁が、第2のポンプ装置と第1のポンプ装置および/または有利に第2のポンプ装置から下流の圧力に依存して開く閾値弁との間に配置される。第2のポンプ装置が起動される場合、逆止弁は測定流体が後方向に流れることを防ぎ、閾値弁は、第2のポンプが満たされている場合、カテーテル方向に流れるのを防ぐ。
【0036】
別の有利な代替によると、駆動機構は、構造的費用を少なくするために、特に圧縮ばねである、ピストンと相互作用する力蓄積器である。有利に、1つの遮断位置および1つの貫通流位置を有する双安定二方弁が、第2のポンプ装置の下流に配置され、ピストン/シリンダ構成が満たされているとき、カテーテルへの流れ接続を遮断し、それによって必要な流体圧力を発生し力蓄積器に張力をかける。ピストンは好ましくは、後退し伸展した端位置において端ストップに作用し、ピストンが制御機構を介して二方弁を制御する。
【0037】
第2のポンプ装置の測定流体をコンディショニングするための手段は、特にピストン/シリンダ構成として構成された手段は、熱希釈が好ましい測定方法であるので、測定流体の温度制御のための手段として好ましくは構成される。このため、商業的に利用可能なペルチエ素子が、それらの利用可能性および低い入手コストのために、有利に使用される。
【0038】
装置は、さらに、本発明に従った測定流体を搬送する、注入、注射およびホースシステムすなわち、分岐から導く枝を含む少なくともカテーテルおよびホースラインが、特にポリウレタン、ポリエチレンあるいはポリカーボネートである耐性材料の1回使用の無菌システムとして作られるように、有利に設計される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図面は本発明の様々な実施形態を模式的にまた例として示す。示されたパラメータは、通常の体重の大人(体重70kg)を参照する。
【図1】本発明に従った、循環部の血液の体積あるいは体積流量を決定するための第1の装置であり、開始位置の状態を示している。
【図2】第2のポンプ装置の充填後の図1の装置の状態を示している。
【図3】第2のポンプ装置を空にした後の図1および図2の装置の状態を示している。
【図4】本発明に従った別の装置を示す。
【図5】本発明の別の実施形態に従った装置であり、開始位置の状態を示している。
【図6】第2のポンプ装置の充填後の図5の装置の状態を示している。
【図7】第2のポンプ装置を空にした後の図5および図6の装置の状態を示している。
【図8】別の好ましい実施形態に従った装置。
【発明を実施するための形態】
【0040】
循環部の血液の体積あるいは体積流量の決定のための、図1に表わされた装置1は、注入嚢あるいはビン状容器のような、流体貯蔵ユニット2を有し、流体貯蔵ユニット2に、測定流体3が備蓄される。そのような測定流体は、例えば指示流体であり得る。測定流体3には、すでに流体貯蔵ユニット2において、後の測定プロセスの基礎を形成する特性が提供される。このサンプル実施形態において、熱希釈のための測定流体3はすでに冷却状態で、つまり体温より低い温度で、提供されている。
【0041】
測定流体3を運搬する全体の注入、注射およびホースシステムは、好ましくは1回使用の、特にポリウレタンあるいはポリエチレンである耐性材料の無菌システムとして作成される。
【0042】
測定流体は、注入ポンプ6の形式の第1のポンプ装置によって流体貯蔵ユニット2からホースライン4を横切って引き出され、ホースライン4の分岐7の方向に送達され、この分岐から第1の枝8が第2のポンプ装置9に接続され、第2の枝10が、患者の血流に導入されるカテーテル11に接続されている。
【0043】
第2のポンプ装置9は、設計的にシリンジ様でありかつシリンダ12を含み、シリンダ12の中にピストン13が可動に配置されている。枝8は、ピストン/シリンダ構成15のチャンバ14の端面に現れ、ピストン/シリンダ構成15は、ピストン13の変位によってその体積を変化できる。ピストン13の拡張した端位置におけるオーバーハング端16は、ピストン13の初期位置に配置された空力的駆動機構17上および端ストップ18上で衝突し、端ストップ18は、機械的接続19を介して空力的三方/二方弁21の調節機構20に動作的に接続されている。ピストン13の後退した端位置において、別の端ストップ18’が起動され、別の端ストップ18’は、同様に機械的接続19’によって三方/二方弁21の双安定調節機構20に接続される。端ストップ18、18’および機械的接続19、19’の代わりに、電気的あるいは空力的スイッチあるいは導管もそれぞれ基本的に使用できる。図1に示される排気位置における三方/二方弁21が駆動17を加圧空気ポート23から切断されるとすぐに、空力駆動17の初期化がばね22の作用の下で起きる。加圧空気ポート23は、例えば、病院の加圧空気網あるいは別の加圧空気発生器に接続され得る。
【0044】
分岐7の上流側において、逆止弁24がホースライン4に配置され、逆止弁24は、第1のポンプ装置5の送達流に対して反対方向への逆流を遮断する。分岐7から下流側では、枝10において、さらなる閾値弁25があり、閾値弁25は、圧力に依存して開く。
【0045】
反復測定が含まれている限り、図1に示されるように、注入プロセスの準備の開始において、ピストン/シリンダ構成15のピストン12はその最大後退位置に位置し、そこでは、チャンバ14の最小の可能な体積となる。注入ポンプ6は、比較的小さいが一定の体積流量V1に調節され、この体積流量V1は例えば12.5ml/h(=300ml/24h)と50ml/h(=1200ml/24h)との間であり得る。サンプル実施形態において、送達体積は25ml/hに設定されている。注入ポンプ6が始動すると、分岐7からカテーテル11の方向に導くホースライン4の枝10が、閾値弁25によって遮断されるので、それによって送達される測定流体3が、逆止弁24の開状態の下で、ホースライン4の枝8を通ってピストン/シリンダ構成15のチャンバ14の中に注入される。ピストン13の変位において打ち勝つべき摩擦力は、非常に低く設計されるので、閾値弁25から上流の測定流体3に生成される圧力は、閾値弁25の開圧力よりも低い。
【0046】
サンプル実施形態において、チャンバ14がその最大容量25mlに満たされると、ピストン13は、シリンダ12からそのオーバーハング端16が端ストップ18に対して作用するまで、拡張される(図2)。今チャンバ14に収容される測定流体3の体積は、好ましくは10と25mlとの間である。ここでサンプル実施形態では、これは25mlに、つまり、チャンバの最大容量に設定されている。
【0047】
装置1は、音響警告システムを備えており、この警告システムは約2分間の待機時間により次の熱希釈を示す。血液温度に影響を与えることによる偽の測定結果に導く可能性のある作用は、以降、停止されるべきである。
【0048】
ストップ18を起動することによって、三方/二方弁21は双安定調節機構20によって、その第2の位置に動かされ、そこでは加圧空気ポート23が空力駆動17に接続され、空力駆動17を第2のポンプ装置9の拡張したピストン13に対して働かせる。
【0049】
空力駆動17は、一定の比較的高い体積流量V2で1秒から10秒の間で、チャンバ14の全体積がピストン/シリンダ構成15から追い出されるように設計される。生じる送達圧力の作用の下に、流体貯蔵ユニット2の方向の還流が妨げられるように、逆止弁24は閉じる。ホースライン4における弾性的に拡張可能な領域26は、注入ポンプ6によってなおも送達される逆止弁24から上流の測定流体を受け入れる。領域26の弾性は、逆止弁24と第1のポンプ装置5との間のホースライン4の圧力が、注入ポンプ6の遮断圧力よりも確実に下であるように選択される。
【0050】
同時に、閾値弁25が開き、第2のポンプ装置9とカテーテル11との間の流れチャネルをクリアする。カテーテル11を通って注入される体積流量V3は、第2のポンプ装置9によって注入される体積流量V2に対応する。閾値弁25は、好ましくは中心静脈血圧を測定するための装置に備えられる。閾値弁25が開いた後、測定可能な圧力ピークあるいは比較的長く続く圧力の上昇が生じ、その上昇の縁は注入プロセスの開始を指定し、熱希釈分析装置を起動するために使用され得る。さらに、カテーテル11に流れ込む測定流体3の温度は、ホースライン4の枝10の中の温度センサ27によって検出される。血液温度の経過は、10秒から30秒の期間に対して記憶される。
【0051】
所望の注入体積がピストン/シリンダ構成15から放出されたら、三方/二方弁21が再び空力駆動17を加圧空気ポート23から遮断し排気を提供する結果により、後退するピストン13のオーバーハング端16が第2の端ストップ18’に衝突する(図3)。空力駆動17は、ばね22の作用の下で、図1のその開始位置まで続けて後退する。同時に、分岐7の領域の圧力が低下して、閾値弁25が再び閉じる。圧力低下は、さらに、測定プロセスの終了を特徴付け、分析のための測定の必要な継続時間が決定され得る。注入ポンプ6の送達圧力は続いて逆止弁24を開くのに十分である。ホースラインの弾性領域26が空にされるので、ピストン/シリンダ構成15の再度の充填がここで生じる。
【0052】
測定結果の計算およびグラフ描画は示されていない分析ユニットによって自動的に生じる。さらに、システム内の圧力低下によって決定され得る測定の終わりに、血液温度の影響についての制限が、次の測定のための待機時間まで掲げられるというメッセージが送られる。例えば、注入の前の血液温度のベースラインが、±0.1°/分あるいは信号/ノイズ比(S/N比)が10未満であるような所定の閾値の値を超えてドリフトした場合、測定値は捨てられる。さらに、熱希釈曲線はある基準を有するべきである。従って、例えば、上昇は下降よりも急峻であるべきである。さらに、下降は基本的に単指数的であるべきである。曲線における乱れあるいはピークは、同様に無効な測定を示す。
【0053】
注入ポンプ装置6によって送達される体積流量V1およびピストン/シリンダ構成15の容量が既知である場合、継続して生じる測定に対するサイクル時間が計算され得る。通常、ピストン/シリンダ構成15は、最初の測定が始動される前に、例えば、24mlの体積によりすでに部分的に充填されている。装置1が使用される場合、チャンバ14の充填を完了するために必要な1mlの体積が、最初にピストン/シリンダ構成15の中に注入されなければならない。注入ポンプ6において調節された25ml/hの体積流量V1に対して、これは2.4分(2分24秒)以内におきる。±5%の注入ポンプ6の送達許容度を考慮すると、2.28分(2分16.8秒)から2.52分(2分31.2秒)の時間窓を得る。さらに、注入ポンプ6によって送達される測定流体の一部分は弾性拡張部を通るホースライン4によって取られるので、ホースラインシステムの弾性が考慮されなければならない。この無効体積は装置固有であり、従って前もって決定でき、システム定数として計算において考慮され得る。サンプル実施形態における無効体積が1mlである場合、これは最初の測定を準備するのに2倍の時間、つまり、4.56分と5.04分の間、へ導く。2回目および続く測定においては、チャンバ14は毎回完全に、つまり25mlで、充填されなければならない。ホースライン4の無効体積を考慮すると、我々は57分から63分のサイクル時間を得る。この方法において決定されたサイクル時間は、次の測定の上記警告を出すために使用され得る。
【0054】
図4のサンプル実施形態は、基本的に図1から図3の装置に対応する。しかしながら、閾値弁25は定められた流体スループットを有する、バイパス28として作用する毛細管と調和されており、そのバイパスによって、第2のポンプ装置9の充填の間、第1のポンプ装置5によって送達される体積流量V1のうちのカテーテルへの部分流量V1も流れる。一方、第1のサンプル実施形態においては、サイクルは高い注入スループットの1フェーズおよび注入のない1フェーズにより形成され、バイパス28を使用して、高スループットおよび低スループットを交互に達成できる。
【0055】
ピストン/シリンダ構成15はさらに測定流体3の温度制御の手段29を備え、その温度制御の手段29によって、第2のポンプ装置9における経過時間の間にコンディショニングがもたらされる。手段29は、ペルチエ素子30を備えており、ペルチエ素子30は、シリンダ12の外側横表面を囲み、電位が与えられた後にそれを冷却する。
【0056】
図5から図7に示される装置1において、ピストン/シリンダ構成15のピストン13は、螺旋状の圧縮ばね31に直接作用し、その圧縮ばね31には、測定流体3がチャンバ14に注入されるときに延びるピストン13によって張力が与えられる。分岐7から下流のホースライン4において、枝10において二方弁33の形式の弁が配置されており、二方弁33は遮断位置と貫通位置とを有する。測定プロセスを準備するとき、二方弁33は遮断位置におかれる(図5)。注入ポンプ6によって送達される体積流量V1は、従って分岐7から枝8を横切ってピストン/シリンダ構成15のチャンバ14の中に送達され、チャンバ14はこの方法で充填される。このように強制されたピストン13は、所望の全体積が達成されたとき、端ストップ34に対して作用し、端ストップ34は、機械的接続35によって機械的に動作される双安定二方弁33の調節装置36に繋がれる。二方弁33は、この方法において、貫通位置に動かされ、分岐7とカテーテル11との間の流れチャネルが開通される(図6)。
【0057】
弁装置32のこの動きのおかげで、なおも動作している注入ポンプ6によって送達される測定流体3のうちの一定の体積流量V1が弁23を通ってカテーテル11内に流れ得る。この上に、第2の体積流量V2(t)が重畳され、第2の体積流量V2(t)は、ピストン/シリンダ構成15によって枝8を横切ってホースライン4の中に注入されて戻され、チャンバ14の体積がより小さくなるに従って、圧力ばね31はピストン13をシリンダ12の中に押しやる。圧縮ばね31によって生成される押付け力が、ピストンの後退の間に、ばね力の減少のためにいくらか減少するので、第2の体積流量V2(t)は時間とともにわずかに減少する。このように、1秒から10秒の期間にわたり、まず、高い体積流量V3(t)=V2(t)+V1が、カテーテル11を横切って患者の血流の中に注入されるフェーズが起きる。適切に寸法が決められた圧縮ばね31のおかげで、一様分布の流れパターンからの変位が20%以下である体積流量V3(t)が好ましくは選択される。ピストン/シリンダ構成15によって注入される測定流体3の体積は既知であり、またチャンバ14の容量と注入時間の間に注入ポンプによって送達される測定流体との和に対応する。
【0058】
第1のポンプ装置5の最大送達圧力は、それが第2のポンプ装置9の最高起動圧力よりも高くなるように割り当てられる。理論上は、第2のポンプ装置9は第1のポンプ装置5よりも高いいかなる圧力も装備できない。従って、測定流体3は、ピストン/シリンダ構成15から流体貯蔵ユニットへ、注入ポンプ6の送達方向の反対に、は流れ得ない。注入ポンプ6の送達圧力はピストン/シリンダ構成15のピストン13を、圧縮ばね31の力に対抗して拡張するために十分でなければならない。
【0059】
チャンバ14が空になった後(図7)、ピストン13はシリンダ12の中に後退し、ここで別の端ストップ34’に作用する。これは、二方弁33の調節機構36を起動し、二方弁33は弁機構32を図5の初期位置に再設定する。
【0060】
端ストップ34、34’および機械的接続35、35’の代わりに、基本的に電気的あるいは空力的スイッチあるいは導管もそれぞれ使用し得る。
【0061】
図8に示される実施形態において、本発明の装置は透析機械37の形式をした血液治療装置に動作的に接続され、その透析機械37は本質的に血流の連続送達のためのポンプ装置5を備える。透析機械37は入口38によって透析患者の血管系39に液圧的に接続される。入口38の領域において、第1の温度センサ27がホースシステム4に配置され、この温度センサ27は血液循環から引き出された動脈血の温度を測定する。別の温度センサ27’が静脈バイパスカニューレ40からすぐ上流側に配置される。透析機械37と温度センサ27’との間に、さらに、血液循環から取り除かれた血液の温度制御のための手段29が提供され、この血液は例えばペルチエ素子30によってそこで冷却される。温度制御のための手段29は、能動的に制御されたY弁41およびその下流に配置された接続点42を横切って、ホースライン4に液圧的に接続され、ホースライン4は、Y弁41と接続点42との間にバイパス43を形成する。
【0062】
測定を準備するために、バイパス43が遮断されている間に、熱希釈法のために十分な量の血液が、Y弁41を切り替えることによって温度制御するための手段29に注入される。次に、Y弁41が切り替えて戻され、透析機械37から合流する血液が、バイパス43を横切って血管系39に還流する。事前に貯蔵された血液の十分な冷却の後、Y弁41の別の切り替えが起きる。このとき、ポンプ装置5によって送達された血流が、測定流体3として働く冷却された血液を、温度センサ27’を通り過ぎて静脈バイパスカニューレ40の方向に、駆動する。
【0063】
第2の支援ポンプ装置9は、温度制御のための手段29の領域に配置され得、この手段は冷却された血液の注入をスピードアップする。通常、しかしながら、普通の300mg/分の透析ポンプ流および保存容器において冷却された20mlの血液は、十分な注入時間4秒をもたらすので、これは必要とされない。
【0064】
透析ホースシステムは、温度センサ27、27’、Y弁41、バイパス43および蛇行する血液経路を有する嚢状の手段29を含むが、好ましくは、ポリウレタン、ポリエチレンあるいはポリカーボネートのような耐性材料の使い捨て品として作られる。
【0065】
サンプル実施形態において、血液の体積あるいは体積流量の測定は、冷却された流体ボーラスの注入後の血液温度の変動時間を追跡することによってなされる。しかしながら、本質的に、血流中の酸素飽和度の意識的な改変あるいは、塩化ナトリウム、造影剤、あるいは放射性とラベルされた物質の注入のような、測定流体の他の特性の影響を決定することによって、有益な希釈曲線がまた得られる。しかしながら、注入液ボーラスによって生成された血流の冷却は時間的に限定され、さらなる困難なしにそれ自体が回復するので、熱希釈は普通の技術である。
【0066】
さらに、例えば、高い貫通流のフェーズに対する固定された時間モデルあるいは調節機構20または36における可変遅延に代わって、制御可能な遮断あるいは解放制御弁を枝8に導入することにより、複雑なパターンを発生できる。
【符号の説明】
【0067】
1 装置(循環部の血液の体積あるいは体積流量を決定するための)
2 流体貯蔵ユニット
3 測定流体
4 ホースライン
5 第1のポンプ装置
6 注入ポンプ
7 分岐
8 枝
9 第2のポンプ装置
10 枝
11 カテーテル
12 シリンダ
13 ピストン
14 チャンバ
15 ピストン/シリンダ構成
16 端(ピストンの)
17 駆動(空力的)
18,18’ 端ストップ
19,19’ 接続
20 調節機構
21 二方弁
22 ばね
23 加圧空気ポート
24 逆止弁
25 閾値弁
26 領域(弾性的)
27,27’ 温度センサ
28 バイパス
29 手段(温度制御のための)
30 ペルチエ素子
31 圧縮ばね
32 弁機構
33 二方弁
34,34’ 端ストップ
35,35’ 接続
36 調節機構
37 透析機械
38 入口
39 血管系
40 バイパスカニューレ
41 Y弁
42 接続点
43 バイパス
体積流量(第1のポンプ装置における)
体積流量(第2のポンプ装置における)
体積流量(カテーテルにおける)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置であって、該装置は、
測定流体(3)を貯蔵するための流体貯蔵ユニット(2)と、
該測定流体(3)を循環系に注入するための、特にカテーテル(11)あるいはカニューレである、注入手段と、
該流体貯蔵ユニット(2)と該注入手段との間に配置された少なくとも1つのポンプ装置(5)と、
該循環系への注入の前に、該測定流体(3)の少なくとも1つの特性を決定するための手段と、
注入部位から下流の循環系におけるそれぞれの特性を決定するための手段と、
該決定された特性の関数として、該血液の体積あるいは体積流量を計算するための分析装置と
を含み、該循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置は、
測定流体(3)が該流体貯蔵ユニット(2)から第2のポンプ装置(9)に第1のポンプ装置(5)によって取られ、該第2のポンプ装置(9)から該血液循環部に送られる
ことを特徴とする、循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置。
【請求項2】
循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置(1)であって、該装置は、
測定流体(3)を貯蔵するための流体貯蔵ユニット(2)と、
該測定流体(3)を循環系に注入するための、特にカテーテル(11)あるいはカニューレである、注入手段と、
該流体貯蔵ユニット(2)と該注入手段との間に配置された少なくとも1つのポンプ装置(5)と、
該循環系への注入の前に、該測定流体(3)の少なくとも1つの特性を決定するための手段と、
注入部位から下流の循環系におけるそれぞれの特性を決定するための手段と、
該決定された特性の関数として、該血液の体積あるいは体積流量を計算するための分析装置と
を含み、該循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置は、
該測定流体(3)が、第1のポンプ装置(5)によって提供される第1の体積流量(V1)で該血液循環に供給され、該第1の体積流量(V1)の上に第2のポンプ装置(9)によって提供される第2の体積流量(V2)が一時的に重畳される、
ことを特徴とする、特に請求項1に記載の循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置。
【請求項3】
前記一時的な重畳は周期的に繰り返し可能であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記決定されるべき特性は、前記測定流体(3)の温度および前記血液循環における温度であることを特徴とする、請求項1から3のうちの一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のポンプ装置(5)は前記測定流体(3)の連続的な送達に適していることを特徴とする、請求項1から4のうちの一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のポンプ装置(5)は、ホースポンプ、特に注入ポンプであることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のポンプ装置(9)は、好ましくは前記測定流体(3)の不連続な送達のために提供されることを特徴とする、請求項1から6のうちの一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のポンプ装置(9)はピストン/シリンダ構成(15)あるいは膜ポンプであることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のポンプ装置(9)の前記ピストン(13)は、駆動機構に動作的に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記駆動機構は、空圧駆動(17)であり、該空圧駆動(17)は前記ピストン(13)が押し込まれている場合のみに作用することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ピストン(13)は、後退して拡張した端位置において端ストップ(18、18’)に作用し、該端ストップ(18、18’)は前記駆動機構を制御機構を介して制御することを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
逆止弁(24)が前記第2のポンプ装置(9)と前記第1のポンプ装置(5)との間に配置され、および/または前記圧力に依存して開く閾値弁(25)が、該第2のポンプ装置から下流に配置されていることを特徴とする、請求項9から11のうちの一項に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動機構は前記ピストン(13)と相互作用する力蓄積器、特に圧縮ばね(31)であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
1つの遮断位置および1つの流れ貫通位置を有する二方弁(33)が、前記第2のポンプ装置(9)から下流に配置されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ピストン(13)は、後退して拡張した位置において端ストップ(34、34’)に作用し、該端ストップ(34、34’)が前記二方弁(33)を制御機構を介して制御することを特徴とする、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のポンプ装置(5)の前記体積流量(V1)が決定され、前記第2のポンプ装置(9)の充填体積が確認され、
次に、前記第2のポンプ装置(9)が充填される時間が計算され、
該第2のポンプ装置(9)の起動の前に、信号が該時間間隔で出力される
ことを特徴とする、請求項1から15のうちの一項に記載の装置を動作する方法。
【請求項17】
循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置(1)であって、該装置は、
測定流体(3)を貯蔵するための流体貯蔵ユニット(2)と、
該測定流体(3)を循環系に注入するための、特にカテーテル(11)あるいはカニューレである、注入手段と、
該流体貯蔵ユニット(2)と該注入手段との間に配置された少なくとも1つのポンプ装置(5、9)と、
該循環系への注入の前に、該測定流体(3)の少なくとも1つの特性を決定するための手段と、
注入部位から下流の循環系における少なくとも1つの特性を決定するための手段と、
該決定された特性の関数として、該血液の体積あるいは体積流量を計算するための分析装置と
を含み、
該装置は、流体貯蔵ユニット(2)と注入手段との間の途中で該測定流体をコンディショニングする手段を備え、
該循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置(1)は
該コンディショニングのための手段が、少なくとも1つのポンプ装置(5、9)に作用する
ことを特徴とする、特に請求項1から15のうちの一項に記載の装置。
【請求項18】
前記コンディショニングのための手段は、前記測定流体(3)の温度制御のための手段(29)として構成されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記コンディショニング可能なポンプ装置(9)は、ピストン/シリンダ構成(15)あるいは膜ポンプとして構成されることを特徴とする、請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記温度制御のための手段(29)は、ペルチエ素子(30)を含むことを特徴とする、請求項17から19のうちの一項に記載の装置
【請求項21】
前記測定流体(3)を運搬する構造部品のうち、少なくとも前記カテーテル(11)およびホースライン(4)は、1回使用の、特にポリウレタンあるいはポリエチレンの耐性材料の無菌システムとして作られることを特徴とする、請求項1から15および17から20のうちの一項に記載の装置。
【請求項22】
循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置(1)であって、該装置は、
測定流体(3)を送達するためのホースライン(4)と、
該測定流体(3)を循環系に注入するための、特にカテーテル(11)あるいはカニューレである、注入手段と、
該注入手段から下流に配置された少なくとも1つのポンプ装置(5、9)と、
該循環系への注入の前に、該測定流体(3)の少なくとも1つの特性を決定するための手段と、
注入部位から下流の循環系における少なくとも1つの特性を決定するための手段と、
該決定された特性の関数として、該血液の体積あるいは体積流量を計算するための分析装置と
を含み、
該循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置は身体自体の血液のための入口を備えることを特徴とする、循環部の血液体積および/または血液体積流量を決定するための装置。
【請求項23】
血液治療のための装置、特に、透析のための装置は、入口と注入手段との間に配置されることを特徴とする、請求項22に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−521753(P2011−521753A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512025(P2011−512025)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004019
【国際公開番号】WO2009/146918
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(507208691)エドワーズ ライフサイエンシーズ アイピーアールエム アーゲー (3)
【Fターム(参考)】