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血液内アミロイドβ抗体に特異的に結合する新規なAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キット
説明

血液内アミロイドβ抗体に特異的に結合する新規なAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キット

【課題】血液内アミロイドβ抗体に特異的に結合する新規なAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キットを提供する。
【解決手段】本発明では、アミロイドβ抗体に結合する特定配列のペプチドを探索し、Aβ22(pE)−42ペプチドが、正常なヒトに比べてアルツハイマー病患者の血清のアミロイドβ抗体に対する免疫反応性が高いことを確認したので、前記Aβ22(pE)−42ペプチドは、痴呆症診断用キットの有効成分として使用可能であり、初期診断が難しい痴呆症の診断に有用に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液内アミロイドβ抗体に特異的に結合する新規なAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
我が国のみならず全世界的に高齢化社会になるにつれて老人性疾患に多くの関心が注がれて活発な研究が行なわれている。アルツハイマー病は、退行性疾患であって、お年寄りに最も多く現れる代表的な痴呆関連疾患の一つで、疾病の特性上、患者本人のみならず家族の精神的、肉体的負担が非常に深刻である。アルツハイマー病は、65〜74歳で10%、75〜84歳で19%、85歳以上では47%が発病し、その発病率が毎年増えて大きな社会問題になってきている。
【0003】
現在までにアルツハイマー病の予防はもちろん、確立された早期診断方法は報告されたことがない。医師の臨床的所見と神経心理検査にのみ依存して診断を行なってきたのが実情で、このような結果により、疾病がかなり進行後にはじめて診断を受けるようになり、治療において大きな困難があった。また、治療剤もまだ開発されたものがなく、単に症状を緩和する薬物のみが使用されているだけである。
【0004】
現在、受け入れられているアルツハイマー病の機序は、「アミロイド仮説」である。これは痴呆症患者の脳に存在するアミロイドβ及びそれらが蓄積されて生じるプラーク(plaque)が神経細胞の持続的な死滅を誘導して脳神経伝達を阻害し、認知機能の損傷を起こして病気を誘発することに関するものである。アルツハイマー病で死亡した患者の頭脳で観察される老人斑(senile plaque)と神経原繊維タングルがアルツハイマー病の病理学的特性として示される。この中で老人斑は、細胞外部にタンパク質と死んだ細胞などが蓄積されて形成されるもので、主な構成成分はアミロイドβ(Amyloid−beta,Aβ)というペプチドである(非特許文献1)。アルツハイマー病患者の主要特徴である認知作用の漸進的喪失は、異常に蓄積されたアミロイドβによって誘発されるとみられ、アミロイドβはアミロイド前駆体タンパク質(以下「APP」と略称する)からタンパク質分解過程を通じて生成される。前駆物質であるAPPがβセクレターゼ(BSCE)及びγ−セクレターゼによって分解されてアミロイドβが生成されるようになる(非特許文献2〜5)。血液から診断指標を開発しようとする努力は活発に行なわれていて、最近はアルツハイマー病の病因に核心的な役割をすると知られているアミロイドタンパク質(アミロイドβ、Aβ42及びAβ40)水準を、アルツハイマー病を診断する基準に用いている。
【0005】
アルツハイマー病動物の場合、血漿と脳脊髄液のAβ42、Aβ40水準が年齢に比例して増加し、認知障害が始まれば減少するので、血漿でのアミロイドタンパク質水準を診断指標としての重要性と発病予測程度に対する基準にすることは、いまだに議論の対象になっている。人体内のアミロイド抗体に関しては、正常なヒトとアルツハイマー病患者の両方において脳、血液及び脳脊髄液などに存在することが知られているが、その量や特性に対してはまだ報告されたことがない。
【0006】
最近、アミロイドβ抗体を用いて体内のアミロイドβタンパク質の量を予測するアルツハイマー病の早期診断及び予防法の開発が、多くの注目を集めている。この方法の場合、正常なヒトに比べてアルツハイマー病患者の血液から特異的に増加する抗体と特異的に結合する特定配列のアミロイドβ抗原を捜し出すことが非常に重要である。
【0007】
そこで本発明者らは、アミロイドβ抗体に結合する特定配列のペプチドを探索し、Aβ22(pE)−42ペプチドが正常なヒトに比べてアルツハイマー病患者の血清のアミロイドβに対する免疫反応性が高いことを確認することによって、前記Aβ22(pE)−42ペプチドについて、痴呆症診断用キットの有効成分としての使用が可能であり、初期診断が難しい痴呆症の診断に有用に利用することができることを明らかにして、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO 2010/006720
【特許文献2】US 2011/0287005
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Hardy,J.ら,Nat Neurosci.1998年,第1巻,p.355−358
【非特許文献2】Craven,R.,Nat Rev.Neurosci.2001年,第2巻,p.533
【非特許文献3】David,H.S.ら,Nat Rev.Neurosci.2001年,第2巻,p.595−598
【非特許文献4】Yankner,B.A.,Neuron,1996年,第16巻,p.921−932
【非特許文献5】Selkoe,D.J.,Nature,1999年,第399巻,p.A23−A31
【非特許文献6】Andrij Baumketner and Joan−Emma Shea, Folidng Landscapes of the Alzheimer Amyloid−β(12−28) Peptide, J. Mol. Biol. (2006) 362, 567−579.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、血液内アミロイドβ抗体に特異的に結合する新規なAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キットを提供する。
【0012】
また、本発明は、
(1)対象由来血液を、配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドが付着した固体基板上に処理した後、洗浄する工程、及び
(2)前記基板上でのアミロイドβ抗体の付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程を含む、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法を提供する。
【0013】
同時に、本発明は、
(1)対象由来血液を固体基板上に処理した後、洗浄する工程、
(2)前記基板上に配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを処理した後、洗浄する工程、及び
(3)配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドの付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程を含む、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法を提供する。
【0014】
本発明1は、配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む、痴呆症診断用キットである。
本発明2は、前記ペプチドが、アミロイドβ抗体に結合することを特徴とする、本発明1の痴呆症診断用キットである。
本発明3は、前記痴呆症が、軽度認知障害(mild cognitive impairment,MCI)、アルツハイマー病及び脳アミロイド血管症からなる群から選択されることを特徴とする、本発明1の痴呆症診断用キットである。
本発明4は、前記ペプチドが、発色酵素、発色物質または蛍光分子に結合することを特徴とする、本発明1の痴呆症診断用キットである。
本発明5は、前記発色酵素が、HRP(ホースラディッシュペルオキシダーゼ)または塩基性脱リン酸化酵素(アルカリホスファターゼ)であることを特徴とする、本発明4の痴呆症診断用キットである。
本発明6は、前記発色物質が、コロイドゴールド(colloid gold)であることを特徴とする、本発明4の痴呆症診断用キットである。
本発明7は、前記蛍光分子が、ポリL−リジン−フルオレセインイソチオシアネート(poly L−lysine−flourescein isothiocynate,FITC)、ローダミン−B−イソチオシアネート(rhodamine−B−isothiocyanate,RITC)またはCy2、Cy3及びCy5からなる群から選択されることを特徴とする、本発明4の痴呆症診断用キットである。
本発明8は、前記キットが、
(1)配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドがコーティングされた反応体、
(2)基質との反応によって発色を示す標識体が結合された2次抗体結合体、及び
(3)前記標識体と発色反応する発色基質溶液
を含むことを特徴とする、本発明1の痴呆症診断用キットである。
本発明9は、前記2次抗体結合体の標識体が、HRP、塩基性脱リン酸化酵素、コロイドゴールド、蛍光物質及び色素からなる群から選択されることを特徴とする、本発明8の痴呆症診断用キットである。
本発明10は、前記発色基質が、TMB(3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン)、ABTS[2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)]及びOPD(o−フェニレンジアミン)からなる群から選択されることを特徴とする、本発明8の痴呆症診断用キットである。
本発明11は、
(1)対象由来血液を、配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドが付着した固体基板上に処理した後、洗浄する工程、及び
(2)前記基板上でのアミロイドβ抗体の付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程
を含む、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法である。
本発明12は、
(1)対象由来血液を固体基板上に処理した後、洗浄する工程、
(2)前記基板上に配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを処理した後、洗浄する工程、及び
(3)配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドの付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程
を含む、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、アミロイドβ抗体に結合する特定配列のペプチドを探索し、Aβ22(pE)−42ペプチドが、正常なヒトに比べて、軽度認知障害患者の血清のアミロイドβ抗体に対する免疫度が高いことを確認したので、前記Aβ22(pE)−42ペプチドは、痴呆症診断用キットの有効成分としての使用が可能であり、初期診断が難しい痴呆症の診断に有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】Aβ22(pE)−42ペプチドのアミロイドβ抗体に対する免疫反応性分析を示す。MCI(mild cognitive impairment):軽度認知障害、sevAD:深刻な(severe)アルツハイマー病、proAD:ほぼ確実な(probable)アルツハイマー病、をそれぞれ示す。
【図2】図2は、前記図1の定量分析の結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0018】
本発明は、配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キットを提供する。
【0019】
前記ペプチドは、アミロイドβ抗体に結合するものであり得るが、これに限定しない。
【0020】
前記痴呆症は、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病及び脳アミロイド血管症からなる群から選択されるものであり得るが、これに限定しない。
【0021】
前記痴呆症は、脳の基質的病気のために後天的に記憶、言語、判断力などの多くの領域の認知機能が落下して、日常生活や対人関係に支障をもたらす程度に知的機能が低下した状態を称する。痴呆症の例として、軽度認知障害、アルツハイマー病及び脳アミロイド血管症があり、アミロイドの生成と蓄積が前記疾患の原因になり得るので、本発明のペプチドを前記疾患の診断に適用することができる。
【0022】
前記ペプチドは、発色酵素、発色物質または蛍光分子に結合するものであり得、前記発色酵素は、HRP(ホースラディッシュペルオキシダーゼ)または塩基性脱リン酸化酵素(アルカリホスファターゼ)であり得、前記発色物質は、コロイドゴールドであり得、前記蛍光分子はポリL−リジン−フルオレセインイソチオシアネート(poly L−lysine−flourescein isothiocynate,FITC)、ローダミン−B−イソチオシアネート(rhodamine−B−isothiocyanate,RITC)またはCy2、Cy3及びCy5からなる群から選択されるものであり得るが、これに限定しない。
【0023】
特に、検出手段として二次抗体−信号物質の複合体を用いる場合、信号物質は特別にこれに制限されないが、蛍光分子(例えば、Cy3、Cy5、FITC、GFP(緑色蛍光タンパク質)、RFP(赤色蛍光タンパク質)、テキサスレッドなど)、発光物質、放射性同位元素、酵素(例えば、HRP、アルカリホスファターゼ、ベータガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ)などを使用することができる。
【0024】
本発明の痴呆症診断用キットは、抗原抗体結合反応、またはタンパク質リガンド結合反応を通じて、結合反応を定量または定性的に分析することで痴呆症を診断することができ、前記結合反応は、通常の酵素免疫分析法(ELISA)、放射能免疫分析法(RIA)、サンドイッチ測定法、ウエスタンブロッティング、免疫沈降法、免疫組織化学染色法、蛍光免疫法、酵素基質発色法、抗原抗体凝集法などの方法を用いて測定することができる。
【0025】
前記キットは、
(1)配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドがコーティングされた反応体、
(2)基質との反応によって発色を示す標識体が結合された2次抗体結合体、及び
(3)前記標識体と発色反応する発色基質溶液
を含むことを特徴とする痴呆症診断用キットであり得る。
【0026】
前記2次抗体結合体の標識体は、HRP、塩基性脱リン酸化酵素、コロイドゴールド、蛍光分子及び色素からなる群から選択されるものであり得るが、これに限定しない。
【0027】
前記発色基質は、TMB(3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン)、ABTS [2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)]及びOPD(o−フェニレンジアミン)からなる群から選択されるものであり得るが、これに限定しない。
【0028】
本発明者らは、アミロイドβ抗体に対するAβ22(pE)−42ペプチドの免疫反応性を確認するため、正常なヒト(48人)、軽度認知障害(MCI)(49人)、ほぼ確実なアルツハイマー病(11人)及び深刻なアルツハイマー病(62人)の血漿から抗体を分離した。
【0029】
タンパク質チップを用いて免疫反応性を測定した実験の結果、正常なヒトに比べて軽度認知障害とアルツハイマー病患者の血液で、アミロイドβ抗体に対するAβ22(pE)−42ペプチドの免疫反応性が増加することを確認した(図1参照)。具体的にはAβ22(pE)−42ペプチドが、軽度認知障害患者(143%、p<0.01)、ほぼ確実なアルツハイマー病患者(146%、p<0.01)及び深刻なアルツハイマー病患者(148%、p<0.001)で、正常なヒトよりも免疫反応性が特異的に増加することを確認した(図2参照)。
【0030】
このように、Aβ22(pE)−42ペプチドは、正常なヒトに比べて軽度認知障害患者の血清のアミロイドβ抗体に対する免疫反応性が高いことを確認したので、前記Aβ22(pE)−42ペプチドは、痴呆症診断用キットの有効成分として使用が可能であり、初期診断が難しい痴呆症の診断に有用に用いることができる。
【0031】
また、本発明は、Aβ22(pE)−42ペプチドを用いて、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法を提供する。
【0032】
これは、
(1)対象由来血液を配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドが付着した固体基板上に処理した後、洗浄する工程、及び
(2)前記基板上でのアミロイドβ抗体の付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程
を含むことができる。
【0033】
同時に、本発明は、Aβ22(pE)−42ペプチドを用いて、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法を提供する。
【0034】
これは、
(1)対象由来血液を固体基板に処理した後、洗浄する工程、
(2)前記基板上に配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを処理した後、洗浄する工程、及び
(3)配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドの付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程
を含むことができる。
【0035】
前記方法において、工程(1)の対象はヒトを含む脊椎動物で、具体的には哺乳動物であり、より具体的にはヒト、類人猿類、牛、豚、ネズミ、ウサギ、モルモット、ハムスター、犬または猫を用いることができるが、これに限定されない。
【0036】
前記方法において、前記Aβ22(pE)−42ペプチドとアミロイドβ抗体の付着程度は、ウエスタンブロッティング、酵素免疫化学検出法(ELISA)、免疫組織化学染色法、免疫沈降法及び免疫蛍光法からなる群から選択されたいずれか一つで測定し得るが、これに限定されない。
【0037】
このように、Aβ22(pE)−42ペプチドが、正常なヒトに比べてアルツハイマー病患者の血清のアミロイドβ抗体に対する免疫度が高いことを確認したので、前記Aβ22(pE)−42ペプチドは、痴呆症の診断に有用に用いることができる。
【0038】
以下、本発明を下記の実施例によって、より詳細に説明する。
【0039】
但し、下記の実施例は本発明の内容を例示するだけのものであって、発明の範囲が実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
<実施例1>抗原抗体分離
正常なヒト(48人)、軽度認知障害(MCI)(49人)、ほぼ確実なアルツハイマー病(11人)及び深刻なアルツハイマー病(62人)の血漿を分離緩衝溶液(dissociation buffer)(TBS buffer,1.5%BSA,0.2M glycine−acetate,pH2.5)に1:500に希釈した後、20分間常温に放置しておいた。Amicon Ultra−0.5ml 10K Ultracel(Millipore,lreland)フィルターに希釈した血漿を入れて常温で8000gで20分間遠心分離した。新しいAmicon tubeにフィルターを裏返して移した後、1000gで2分間遠心分離し、1Mトリスバッファー(pH9.0)を用いてpH7.0に調節した。
【0041】
<実施例2>タンパク質チップ分析
TBS−グリセロール緩衝溶液(30%グリセロール、pH7.4)に6X His−抗体(abcam,UK)を1μg/ml濃度に希釈してタンパク質チップ(proteogen,韓国)上に1μlずつローディング(loading)した後、4℃でひと晩または37℃で3時間放置した。3M紙(3M paper)を用いてチップ上の6X His−抗体を除去した後、洗浄溶液(washing buffer)(TBS buffer,0.1%ツイーン20)で10分ずつ3回弱く洗浄した。蒸留水でチップに残っている洗浄溶液を10分間弱く振りながら洗い出して、1,500rpmで3分間遠心分離して残っている液体を除去した。遮断溶液(Blocking buffer)(TBS buffer,0.1%ツイーン20、3%BSA)を入れて、常温で1時間弱く振りながら処理した後、前記と同一な方法で洗浄して遠心分離して上澄み液を除去した。チップ上にAβ22(pE)−42ペプチド:pyrEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIA(配列番号1)(Peptide 2.0 Inc,www.peptide2.com)(TBS−glycerol buffer,3%BSA)を1μlずつローディングした後、37℃で1時間放置し、液体を除去した。前記<実施例1>で分離した抗体を抗体希釈緩衝溶液(TBS−glycerol buffer,3%BSA)に 1:4の割合で希釈してチップ上に1μlずつローディングした後、37℃で1時間放置した。1時間後に液体を除去し、チップ上に2次抗体(Anti−human IgG,cy5)を抗体希釈緩衝剤に1:5000の割合で希釈して1μlずつローディングした後、37℃で30分間放置した。30分後に液体を除去し、チップスキャナを用いて結果を確認した。
【0042】
タンパク質チップを用いて免疫度を測定した実験の結果、正常なヒトに比べて軽度認知障害とアルツハイマー病患者の血液で、アミロイドβ抗体に対するAβ22(pE)−42ペプチドの免疫反応性が増加することを確認した(図1)。具体的には、Aβ22(pE)−42ペプチドが軽度認知障害患者(143%、p<0.01)、ほぼ確実なアルツハイマー病(146%、p<0.01)、深刻なアルツハイマー病(148%、p<0.001)で、正常なヒトより免疫反応性が特異的に増加することを確認した(図2)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む、痴呆症診断用キット。
【請求項2】
前記ペプチドが、アミロイドβ抗体に結合することを特徴とする、請求項1に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項3】
前記痴呆症が、軽度認知障害(mild cognitive impairment,MCI)、アルツハイマー病及び脳アミロイド血管症からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項4】
前記ペプチドが、発色酵素、発色物質または蛍光分子に結合することを特徴とする、請求項1に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項5】
前記発色酵素が、HRP(ホースラディッシュペルオキシダーゼ)または塩基性脱リン酸化酵素(アルカリホスファターゼ)であることを特徴とする、請求項4に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項6】
前記発色物質が、コロイドゴールド(colloid gold)であることを特徴とする、請求項4に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項7】
前記蛍光分子が、ポリL−リジン−フルオレセインイソチオシアネート(poly L−lysine−flourescein isothiocynate,FITC)、ローダミン−B−イソチオシアネート(rhodamine−B−isothiocyanate,RITC)またはCy2、Cy3及びCy5からなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項8】
前記キットが、
(1)配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドがコーティングされた反応体、
(2)基質との反応によって発色を示す標識体が結合された2次抗体結合体、及び
(3)前記標識体と発色反応する発色基質溶液
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項9】
前記2次抗体結合体の標識体が、HRP、塩基性脱リン酸化酵素、コロイドゴールド、蛍光物質及び色素からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項10】
前記発色基質が、TMB(3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン)、ABTS[2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)]及びOPD(o−フェニレンジアミン)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の痴呆症診断用キット。
【請求項11】
(1)対象由来血液を、配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドが付着した固体基板上に処理した後、洗浄する工程、及び
(2)前記基板上でのアミロイドβ抗体の付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程
を含む、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法。
【請求項12】
(1)対象由来血液を固体基板上に処理した後、洗浄する工程、
(2)前記基板上に配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドを処理した後、洗浄する工程、及び
(3)配列番号1で表されるAβ22(pE)−42ペプチドの付着程度が、正常なヒトに比べて増加した対象を、痴呆症に罹患している、または罹患する危険がある個体であると判定する工程
を含む、痴呆症診断の情報を提供するためのアミロイドβ抗体検出方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−83644(P2013−83644A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222653(P2012−222653)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【出願人】(512258975)
【Fターム(参考)】