説明

血液分析器、血液サンプルハンドラー、及び、血液サンプルを処理するための方法

【解決手段】
血液分析器は、該分析器の作動を制御する制御システムと、血液サンプルのパラメータを測定するセンサーと、該血液サンプルに該センサーをさらす露出手段と、血液サンプルのパラメータを伝達する伝達手段と、サンプルハンドラーと、を備える。該サンプルハンドラーは、血液サンプル及び攪拌要素を収容する血液サンプラーを受け入れるサンプラーベッドを備える。該サンプルハンドラーは、サンプラーがサンプラーベッドに配置されたとき血液サンプラー内で攪拌要素を動かす運動手段を更に備える。血液分析器は、血液サンプルを処理、分析することができる。血液サンプルハンドラー、並びに、血液サンプルを処理し分析する方法も提供される。攪拌手段を動かす運動手段は、磁石であり核は要素は磁性を有するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液分析器、血液サンプルを処理し分析するための方法、血液サンプルハンドラー、及び、血液サンプルを処理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床的に病気の患者の状態を評価する際に、血液分析が重要な役割を演じる。血液分析は、pH、ρO、ρCOのような血液ガスパラメータ、グルコース及びラクテートのような代謝パラメータ、及び、ナトリウム、カリウム及び塩化物のような電解質の測定を含み得る。
【0003】
血液分析の分析的プロセス、特に、血液ガス分析は、前分析相、分析相及び後分析相を含む、統合化プロセスである。分析から正確な結果を得るために、サンプル及びデータの適切な処理を、これらの相の各々で確実なものとするべきである。
【0004】
分析前には、血液サンプルは凝固若しくは塊となり得る。或いは、該サンプルは、血液サンプラー内の空気と反応し得る。特に、血液ガス分析に関しては、空気泡の存在は、その結果を偏らせるおそれがあり、回避されるべきである。しばしば、抗凝血剤が血液サンプルに添加され、サンプルが分析前に徹底的に攪拌される。血液サンプルを攪拌するという目的は、少なくとも2つの部分からなっている。即ち、血液サンプルに添加された抗凝血剤、例えばヘパリンの分解を促進することと、沈殿を防止することとである。ヘパリンを適切に分解することができない場合には、微小血塊の形成を引き起こし、結果を偏らせ、及び/又は、分析器に損傷を与え得る。沈殿は、サンプルの不均一性をもたらし、分析結果を誤らせる。
【0005】
従来では、血液分析のためのサンプルの攪拌によるサンプルのメンテナンスは、手動で、サンプラーを繰り返し転倒させ、それを水平に回転することにより、なされる。攪拌要素は、サンプラー中で前後にシフトされるときに攪拌を改善するためサンプラー内に導入することができる。このようにして、攪拌は、サンプラー内に空気を導入すること無く、なされる。
【0006】
血液分析のための統合型分析システムの一例は、米国特許番号5,366,896号に開示されている。米国特許番号5,366,896号は、複数の遠隔の実験室と、血液サンプルの分析のための中央監視ステーションと、を備える統合型分析システムを開示している。本システムは、サンプル格納ラックを備え、該ラック内では、血液サンプルを含む複数の注射器を、サンプルメンテナンスのため、配置し、回転させることができる。回転に引き続いて、注射器は、サンプル分析のため分析システムの分析区分へと自動的に輸送される。しかし、米国特許番号5,366,896号に開示された回転混合工程は、血液サンプルの均一性を確保する上では不十分である。
【特許文献1】米国特許番号5,366,896号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、これまでのところ種々の血液分析器が提案されたにも関わらず、血液分析のための血液サンプルの処理及び分析を提供する血液分析器の必要性がなおも存在している。更には、血液分析のための血液サンプルの処理を提供するサンプルハンドラーの必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のように、本発明の第1の態様によれば、血液分析器は、該分析器の作動を制御する制御システムと、血液サンプルのパラメータを測定するセンサーと、該血液サンプルに該センサーをさらす露出手段と、血液サンプルのパラメータを伝達する伝達手段と、サンプルハンドラーと、を備え、該サンプルハンドラーは、血液サンプル及び攪拌要素を収容する血液サンプラーを受け入れるサンプラーベッドと、サンプラーがサンプラーベッドに配置されたとき血液サンプラー内で攪拌要素を動かす運動手段と、を備える。
【0009】
血液分析のための血液サンプルの従来の処理及び分析と比較して、本発明のこの態様に係る血液分析器は、効率的な攪拌と、これによる血液サンプルの均一性とを提供する。
コンテナ内で攪拌要素を動かす手段によるサンプルの攪拌は、例えば国際特許出願WO00/12157号に開示されているように、注射の技術分野でも同様に知られている。WO00/12157号は、磁気流体振動装置を組み込んだ、注射器と、超音波コントラスト剤の注射のためのインジェクターとを開示している。振動要素は、注射器のボディ内に配置され、注射器と連係された自動源により発生された磁場により作動される。プランジャーは、コントラスト剤の注射のため前方に移動されるように注射器ボディ内に移動可能に配置されている。しかし、WO00/12157号は、血液サンプルの処理のための特定の要求にも、サンプル処理及び分析の統合の問題にも取り組んでいない。
【0010】
「血液分析器」という用語は、本願で使用されるとき、血液サンプルの1つ以上のパラメータを決定する血液サンプルの処理及び分析のための装置を意味している。この文脈では、処理とは、例えば、血液サンプルの受け取り、攪拌、冷却及び配置を含み得る。
【0011】
「制御システム」という用語は、本願で使用されるとき、分析器の作動を制御するためのユニットを意味している。制御システムは、例えば、分析器の運動手段、露出手段及び伝達手段を作動するためハードウェア及びソフトウェアを含み得る。制御システムは、組み込みのパーソナルコンピュータであってもよい。
【0012】
「パラメータ」という用語は、本願で使用されるとき、血液サンプルについての臨床情報の任意の一部、特に、例えば、Li、Na、K、Ca2+、Mg2+、Cl、HCO及びNH(NH)等の電解質のpH、濃度、例えば酸素、二酸化炭素の油溶性ガスの濃度(従来では、例えば分圧ρO、ρCOの形態で報告される)、ヘマトクリット(Hct)、ヘモグロビン(ctHb)、並びに、例えばオキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、メトヘモグロビン、カルボキシヘモグロビン、硫化ヘモグロビン、及び、胎児性ヘモグロビン等のヘモグロビン誘導体の各濃度、例えばグルコース、クレアチニン、尿素(BUN)、尿酸、乳酸、ビリルビン等の新陳代謝因子の各濃度を意味している。
【0013】
「センサー」という用語は、本願で使用されるとき、次のことができる任意種類の組織を意味している。即ち、該組織は、関心のある化学種と選択的に相互作用し、これにより、化学種の所望の特性の関数である、十分に定義され測定可能な応答を生成し、該所望の特性は、該応答から導出することができること、又は、血液のバルク特性に応答し、該応答は任意の特定の化学種に関して選択可能ではないが、血液中の一つ以上の化学種の総合濃度の関数であり、所望の特性は、該応答から導出することができることである。
【0014】
特に、本発明の血液分析器のセンサーは、電位センサー又は電流センサーのような電気化学センサーであってもよく、又は、該センサーは光学センサーであってもよい。
「露出手段」は、本願で使用されるとき、例えば、血液分析器のセンサー区分にテストサンプルを導入するための入口手段を備えるものを意味する。「露出手段」は、テストサンプルを吸引するための入口プローブを備えることができる。入口手段又は入口プローブは、導管と緊密に流体連通することができる。導管は、測定チャンバーを備えることができる。該導管は、該導管を介した血液の輸送のための流体気密経路を提供する配管又はチャンネルであるのが好ましい。血液は、ポンプを用いて導管を介して輸送することができる。このようにしてセンサーを、導管内で直接、又は、測定チャンバー内のいずれかで血液にさらすことができる。センサーの血液への露出は、検出表面と血液との間の直接的な物理的接触であってもよく、又は、導管の壁又は測定チャンバーの壁が検出表面をテスト流体から分離する、間接的な接触であってもよい。
【0015】
代替例として、血液サンプルは、血液サンプラー内に残っている間に、例えば光学手段等により分析処理を受けることができる。かくして、血液サンプルを保持する血液サンプラーは、一つ以上の適切な波長の光にさらされ、測定されたサンプルからの応答が得られる。
【0016】
「伝達手段」という用語は、本願で使用されるとき、プリンター、ディスプレイ、又は、オペレータにパラメータを連絡することができるか又はパラメータの連絡に参加することができるインターフェースを備えることができる。
【0017】
「サンプルハンドラー」という用語は、本願で使用されるとき、血液サンプルを処理するための装置を意味している。この処理工程は、血液サンプラー内の血液サンプルの攪拌、冷却及び配置の各工程を備えることができ、サンプルハンドラーは、そのための特定の手段を備えることができる。サンプルハンドラーは、特定の血液サンプルを保持する血液サンプラーを同定するための同定手段、例えばサンプラーバーコードを読み取るためのバーコード読み取り手段を更に持っていてもよい。
【0018】
「サンプラーベッド」という用語は、本願で使用されるとき、サンプルハンドラー内に配置されたときサンプラーを配置することができる支持部を意味している。サンプラーベッドは、例えば、血液サンプラーを受け入れるための凹部とすることができる。サンプラーベッドは、水平状態、角度を付けた傾斜状態、又は、垂直状態のいずれに置かれてもよく、サンプラーは、これに従って配置される。
【0019】
「血液サンプラー」という用語は、本願で使用されるとき、例えば注射器、毛細管又はテスト管、例えば真空テスト管若しくは血液のサンプリングのため設計された類似の装置等の血液収集装置を意味している。
【0020】
「攪拌要素」という用語は、本願で使用されるとき、血液サンプルの体積範囲内で物理的に動かされたとき、血液サンプルの攪拌を引き起こす、ボディを意味している。攪拌要素は、例えば、丸みを帯びた端部を備えた球形要素若しくは円柱要素であってもよい。
【0021】
「運動手段」という用語は、本願で使用されるとき、攪拌要素に作用し、これにより該攪拌要素を、それが配置されている血液サンプラーに対して動かすようにした、機械式、重力式、電気式、磁気式又は他の任意の物理的手段を意味している。かくして、それは、例えば傾斜又は回転する表面であってもよく、又は、磁石が磁気攪拌要素に作用するような磁気構成であってもよい。
【0022】
サンプルハンドラーは、血液分析器と別個のユニットであってもよく、又は、分析器と一体に構成されてもよい。サンプルハンドラーを血液分析器と一体に構成したとき、血液サンプルの処理及び分析は、小型の操作しやすい設備が得られるので促進される。
【0023】
攪拌要素を移動する運動手段は、機械式手段であってもよい。かくして、運動手段は、ロボットアームであってもよく、又は、サンプルハンドラー及び/又はサンプルベッドを例えば傾斜又は回転したりする等、動かすための支持部とすることができ、これにより、任意のサンプラー内に保持された攪拌要素を、重力を用いて動かすことができる。
【0024】
攪拌要素の移動は、サンプラーに対する移動であることが理解されるべきである。そのような相対的な移動は、静止した血液サンプラーに対する攪拌要素の運動であってもよい。それは、静止した攪拌要素に対するサンプラーの運動であってもよい。代替例として、血液サンプラー及び攪拌要素の両方を、サンプラー及び該要素の間の相対運動を始めとして、移動させることができる。
【0025】
攪拌要素を動かすための運動手段は、血液分析器の入口プローブであってもよい。かくして、本実施形態によれば、攪拌要素の運動は、サンプラー内の血液サンプル内部の入口プローブの運動により提供することができる。入口プローブを攪拌要素に機械的若しくは磁気的に連結することにより、攪拌要素は入口プローブを用いて動かすことができる。この連結は、保持及び解放機構を用いて達成することができる。該保持及び解放機構により、攪拌中の攪拌要素は、入口プローブにより保持され、攪拌の完了時には解放される。
【0026】
しかし、攪拌要素と運動手段との間の相互作用は磁気的であるのが好ましい。かくして、本発明の好ましい実施形態によれば、攪拌要素は、磁性要素であり、運動手段は磁石である。
【0027】
運動手段と攪拌要素との間の磁気的相互作用は、強力な相互作用を提供し、該相互作用は、血液分析器の設計に高い自由度を提供する。
「磁性要素」という用語は、本願で使用されるとき、磁場に対し応答し得る要素を意味している。かくして、磁性要素は、永久磁気モーメント、又は、磁場の影響に起因した誘導モーメントを有することができる。従って、磁性要素は、永久磁石、又は、ステンレス鋼のような磁化可能な要素を含むことができる。
【0028】
「磁石」という用語は、本願で使用されるとき、磁場を有する要素を意味している。かくして、磁石は、永久磁石、即ち永久磁場を有する要素であってもよく、又は、電磁石、即ち、電流が印加されたとき、磁場を有する要素であってもよい。磁石は、鉄、イオン、ニッケル、又は、コバルトを含む物質とすることができる。例えば、磁石は、ネオジム−鉄−ホウ素の永久磁石とすることができる。
【0029】
攪拌要素は、例えば永久磁石又は磁化可能な要素のいずれであってもよい。攪拌要素は、磁性粒子が埋め込まれたポリマーボディであってもよい。かくして、攪拌要素は、例えばフェライトステンレス鋼の粒子が埋め込まれたポリプロピレンであってもよい。
【0030】
運動手段の磁石又は磁性攪拌要素のいずれかを動かすことによって、攪拌要素に作用する磁場は、変化する。そのような作用の変化が生じたとき、攪拌要素は、これに従ってサンプラー内で動くことができる。
【0031】
攪拌要素は永久磁石であるのが好ましい。永久磁石はそれ自身内で磁場を有するので、永久磁石の攪拌要素と運動手段との間の相互作用は、磁化可能な攪拌要素と運動手段との間の相互作用よりも強くなる。より強い相互作用は、運動手段をサンプラーから更に離して配置することができ、なおも攪拌要素を動かすため十分に強い相互作用を提供するので、より高い設計の自由度を提供する。攪拌要素は、ネオジム−鉄−ホウ素の永久磁石とすることができる。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、運動手段は、攪拌要素を血液サンプラー内で直線的に動かす。この直線運動は、特に、長さ方向軸を有する血液サンプラー内で、血液サンプラー内の血液サンプルの効率的な攪拌を提供する。
【0033】
「直線的」という用語は、本願で使用されるとき、攪拌要素が、サンプラーの内部で一次元的に移動されるということを意味している。好ましくは、攪拌要素が、その全長さで攪拌を提供するため血液サンプルの長さ方向に沿って移動されるのがよい。
【0034】
攪拌要素の直線運動は、サンプラーに沿った磁石の直線運動により達成することができる。かくして、運動手段は、そのために、サンプラーに隣接して配置された直線案内手段を備えるのが好ましく、該直線案内手段は、その長さ方向軸に平行に配置されているのが更に好ましい。磁石は、該磁石からの磁束のラインがサンプラーに垂直に延在するように直線案内手段の支持部に配置される。支持部を前後に、好ましくはサンプラーの長さ方向軸に沿って変位させるとき、磁石は移動され、よって、攪拌要素は、サンプラー内で直線的に移動され、これにより血液サンプルを攪拌する。
【0035】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、運動手段は、攪拌要素を回転させる。
「回転させる」という用語は、本願で使用されるとき、攪拌要素が、当該要素の内部若しくは外部の軸若しくは点の周りに移動されることを意味している。回転を用いた攪拌作用は、サンプル内に形成された乱流に起因して血液サンプルの効率的な攪拌を提供する。
【0036】
攪拌要素の回転は、サンプラーに隣接して配置された磁石の回転により達成することができる。磁石は、磁石からの磁束のラインがサンプラーに平行に延在するように配置されるのが好ましい。磁石が回転するとき、これによって攪拌要素が回転される。
【0037】
運動手段は、磁石がサンプラーに隣接して配置されるところのローターを備えることができる。「ローター」という用語は、本願で更に使用されるとき、中心軸を有する機械的回転実体を意味し、該中心軸で又は該軸から一定の距離でボディを保持することができる。ローターが回転するとき、ボディは、この軸の周りに回転される。
【0038】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、攪拌要素の回転は、その直線運動と組み合わせられてもよい。かくして、運動手段も同様に組み合わせることができ、例えば、磁石を保持するローターは、直線案内手段の支持部に配置されてもよい。ローターを回転し、支持部を前後にシフトすることにより、攪拌要素は、回転すると共に、直線的に移動する。
【0039】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、運動手段は、血液サンプラー内で楕円状に攪拌要素を動かす。
「楕円状」という用語は、本願で使用されるとき、攪拌要素がサンプラー内で長さ方向及び横方向に同時に移動されるということを意味している。横方向の運動は、サンプラーの湾曲した内側表面に沿った揺動を含むことができる。
【0040】
攪拌要素の楕円運動は、全サンプル体積のうち高い比率の部分が、攪拌要素の各長さ方向ストロークで攪拌されるので、特に効率的な血液サンプルの攪拌作用を提供する。
攪拌要素の楕円運動は、中心軸から所定距離で磁石を回転させることにより、達成されるのが好ましい。従って、運動手段は、そのために、磁石を保持する回転式コンベヤーを備える。磁石と共に回転式コンベヤーを回転させることにより、攪拌要素は、サンプラー内で楕円運動を描く。磁石は、該磁石からの磁束のラインがサンプラーに垂直に延在するように回転式コンベヤー内に配置されるのが好ましい。
【0041】
「回転式コンベヤー」という用語は、本願で使用されるとき、中心軸を有し、該軸から一定の距離にボディを保持することができる機械式回転実体を意味している。かくして、回転式コンベヤーが回転するとき、ボディは、該軸から一定の距離で該軸の周りに回転される。回転式コンベヤーは、ローターの特別の実施形態であることが理解されるべきである。
【0042】
本発明の好ましい実施形態によれば、磁石を保持する回転回転式コンベヤーが直線案内手段の支持部内に配置されているところの運動手段により別の楕円運動を達成することができる。該直線案内手段は、サンプラーの長さ方向軸に平行に移動することができる。攪拌要素の対応する運動は、サンプラーの全長さで攪拌作用を提供する。
【0043】
分析器がサンプラー内に導入されるべき入口プローブを備えるとき、攪拌要素は、血液サンプルの適切な攪拌を可能にするのに十分に大きくあるべきであるが、テストサンプルの輸送のため血液サンプラー内への入口プローブの貫通を妨げられることなく可能にするべきである。
【0044】
かくして、本発明の好ましい実施形態によれば、サンプラーは、内側直径と、サンプラー内で静止した状態の攪拌要素のための自由な高さと、を有し、該自由な高さと該内側直径との比率は、高々0.5であり、好ましくは、高々0.4である。
【0045】
「サンプラー内で静止した状態の攪拌要素のための自由な高さ」とは、本願で使用されるとき、攪拌要素がサンプラー内で静止しているときサンプラーの内側底部からの攪拌要素の許容可能な高さを意味している。許容可能な高さは、静止時並びに静止要素とサンプラーの内側底部との間にスリップが存在するときの攪拌要素それ自体の高さを含むことが理解されるべきである。
【0046】
上記比率が、高々0.5である場合には、妨げられない入口プローブの貫通のため十分な余地が残されている。
攪拌要素がサンプリング時に血液サンプラー内に存在するとき、空気層が攪拌要素の表面に捕捉され得る。そのような空気層のサンプラー内への捕捉を避けるため、攪拌要素は、球形であるのが好ましい。球形の攪拌要素は、例えば鋭いエッジを持つ攪拌要素と比較したとき、おそらくは減少したエッジ効果に起因して、空気層を捕捉する傾向がほとんど存在しないことが見出された。
【0047】
本発明の代替の好ましい実施形態によれば、攪拌要素は、細長くされている。「細長い」という用語は、本願で使用されるとき、当該要素が、該要素の一つの寸法が、該要素の他の任意の寸法よりも長いということを意味している。細長い攪拌要素は、例えばその回転により、優れた攪拌特性を提供する。
【0048】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、攪拌要素は、丸みを帯びた端部を有する。「丸みを帯びた端部」という用語は、本願で使用されるとき、攪拌要素の両端部が丸みを帯びているということ、即ち、鋭いエッジを持っていないということを意味している。かくして、丸みを帯びた端部は、球形若しくは楕円形、又は、他の任意の丸みを帯びた形状であってもよい。例えば球形端部を備えた円柱攪拌要素は、優れた攪拌特性を提供し、空気層を保持する傾向をほとんど持っていないことが見出された。
【0049】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、攪拌要素は、楕円体又は超2次楕円体である。「楕円体」という用語は、本願で使用されるとき、楕円の回転体又はスフェロイドである。「超2次楕円体」という用語は、本願で使用されるとき、超2次楕円の回転体、又はスーパースフェロイドである。空気層の捕捉は、楕円状の攪拌要素を使用しても回避することができ、これも優れたサンプル攪拌特性を提供することが見出された。
【0050】
本発明の更に別の好ましい実施形態によれば、攪拌要素は、連結表面の間に鋭角が存在しないエッジ状端部を有する細長い要素であってもよい。かくして、攪拌要素は、当該要素の端で連結表面の間の全ての角度が鈍角、例えば少なくとも100°である、6つのエッジ端を備えた六晶方系要素であってもよい。
【0051】
本発明の好ましい実施形態によれば、細長い攪拌要素は、長さ方向軸と、端点とを有し、移動手段が攪拌要素を、その長さ方向軸が攪拌要素の端点の周りに回転するように回転させる。
【0052】
「細長い軸が端点の周りに回転する」という用語は、本願で使用されるとき、攪拌要素が、最初に、その長さ方向軸が攪拌要素の第1の端点の周りに半回転だけ回転されるように回転され、続いて、長さ方向軸が該要素の第2の端点の周りに半回転だけ回転されるということを意味している。この文脈において、「端点」という用語は、厳密な一端点から所定距離にある該要素の表面の点として厳密な端点を含んでいる。かくして、細長い攪拌要素がロッド形状である場合には、当該回転は、実際に、厳密な一端点の周りで実行される。しかし、細長い攪拌要素が例えば楕円体である場合には、当該回転は、厳密な端点と、該厳密な端点から所定距離にある該要素の表面の点の周りの回転となる。
【0053】
攪拌要素の「揺動進行」運動パターンによれば、サンプルは、非常に良く攪拌される。
「揺動進行」は、サンプラーに沿って、好ましくは、その長さ方向軸に沿って、磁石を運動させることにより達成することができる。そのような「揺動進行」を実行するため、攪拌要素とサンプラー壁との間の摩擦は、攪拌要素が「揺動進行」無しにサンプラー壁に沿って横滑りすることを防止するのに十分でなければならないということが理解されるべきである。従って、攪拌要素は、例えば、パターン形成若しくは砂地表面の点で、又は、表面コーティング、例えばポリマーコーティングの点で、摩擦表面を有するのが好ましい。磁石を動かすことによって作用されるときの攪拌要素の摩擦及び偏向に起因して、攪拌要素の「揺動進行」運動パターンが得られる。
【0054】
運動手段は、サンプラーに沿って、好ましくは、その長さ方向軸に平行に配置された直線案内手段を備えていてもよい。磁石は、該磁石からの磁束のラインがサンプラーに垂直に延在するように直線案内手段の支持部に配置されている。該支持部をサンプラーに沿って前後に変位させるとき、磁石は移動され、よって攪拌要素がサンプラー内で直線的に移動され、これにより血液サンプルを攪拌する。
【0055】
本発明は、特定に記載されたものを超えて上記構成部品の他の任意の組み合わせ、即ち、磁石の平行、垂直若しくは傾斜配置、磁石若しくは磁化材料の任意の組み合わせ、並びに、攪拌要素の上記運動パターンの任意の組み合わせを網羅することが理解されるべきである。
【0056】
本発明の更に別の好ましい実施例によれば、サンプラーベッドは、サンプラーベッドに血液サンプラーを位置決めすることを容易にさせるガイドを有する。ガイドは、サンプラーベッドにおいて血液サンプラーの整列を容易にし、よって血液分析器のセンサーへの血液サンプルのさらしを容易にすることができる。ガイドは、サンプラーを支持する凹部又はソケットのいずれであってもよく、又は、サンプラーを整列する1組のリブであってもよい。サンプラーは、ガイドとの適合のための対応手段を持っていてもよい。
【0057】
本発明の更に別の好ましい実施形態によれば、サンプルハンドラーは、追加のサンプラーベッドを備える。好ましくは、サンプルハンドラーは、2乃至5のサンプラーベッドを備える。複数のサンプラーベッドは、血液サンプラー内に保持された複数の血液サンプルの処理及び分析を可能にすることができる。そのような場合には、一つの血液サンプルを他の血液サンプルが自動的に維持される間に分析することができ、該他の血液サンプルは、該一つの血液サンプルの分析が完了したとき、分析される。
【0058】
好ましくは、サンプルハンドラーは、追加のサンプラーベッドに配置された血液サンプラー内の攪拌要素を動かすための追加の運動手段を備えている。血液サンプルハンドラーが複数のサンプラーベッドを有する場合、攪拌要素を動かすための手段は、一つの攪拌手段を所定時に動かすための手段又はサンプラーの各々で攪拌要素を同時に動かすための手段のいずれであってもよい。従って、当該要素は、ハンドラー内の血液サンプラーの数並びに各サンプラーのための攪拌要求に応じて、任意の組み合わせ若しくは単独で、例えば5つの要素から1つの要素、5つの要素から2つの要素、5つの要素から3つの要素、5つの要素から4つの要素、又は、5つの要素全てを動かすことができる。
【0059】
本発明の更に別の好ましい実施形態によれば、血液分析器は、入口プローブを備え、該入口プローブ及びサンプラーベッドは、入口プローブと、サンプラーベッドに配置された血液サンプラーとの間の流体連通を提供するため互いに対して移動可能である。かくして、テストサンプルを、血液サンプラーから入口プローブへと輸送することができる。該入口プローブから、該テストサンプルを、導管系を介して、1つ以上のセンサーを備える分析器のセンサー区分へと輸送することができる。入口プローブは、吸引入口管であるのが好ましい。入口プローブをサンプラーベッドに対して動かすための手段は、静止したサンプルハンドラーに対して入口プローブを動かすための手段であってもよく、又は、静止した入口プローブに対して1つ以上のサンプラーベッドを動かすための手段であってもよい。
【0060】
複数のサンプラーベッドを備えるサンプルハンドラーは、平行な配置又は径方向の配置に配置された、これらのベッドを持っていてもよい。従って、入口プローブは、内部に配置された血液サンプラーに接近するように、各ベッドに対応する位置の間で、各々、直線的に運動するか又は回転することができる。
【0061】
本発明の好ましい実施形態によれば、入口プローブを動かすための手段は、ギアを介して、入口プローブの運動を提供する電動モーターとすることができる。同様に、サンプラーベッドを動かすための手段は、ギアを介してサンプルベッドの運動を提供する電動モーターとすることができる。
【0062】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、入口プローブは、補助入口プローブ位置に配置されてもよく、該位置から、入口プローブは、補助サンプラー位置に配置されたサンプラーからサンプルを収集することができる。補助入口プローブ位置は、追加の入口プローブ位置であり、該位置には、サンプルハンドラー内の対応するサンプラーベッドが存在しないことが理解されるべきである。補助サンプラー位置は、サンプルハンドラーに隣接して配置された別個のサンプラー位置である。補助入口プローブ位置と補助サンプラー位置との組み合わせは、「緊急入口」を構成し、該緊急入口を、サンプラーからのテストサンプルの迅速な輸送のために使用することができる。サンプラーは、典型的には、補助サンプラー位置で手で保持され、この位置では攪拌されない。
【0063】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、血液分析器は、現時点で分析されたサンプル、電流分析及び電流収集シーケンスの、各状態及び各同定データを報告するようになったディスプレイを有する。ディスプレイは、分析器を作動するためのタッチスクリーンを備えるのが好ましい。かくして、所望の分析モード、収集シーケンス、攪拌パターン等をタッチスクリーンを介して選択することができる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態によれば、サンプラーベッドを、特定種類の血液サンプラーを受け取るように適合させることができる。かくして、注射器の受け取りのため、サンプラーベッドは、水平に対して10〜30°の範囲の角度で傾斜されるのが好ましい。注射器の傾斜構成は、注射器内に残された空気の蓄積並びに全注射器体積の収集を容易にする。更には、注射器は、傾斜されて配置されたとき漏れるおそれが少ない。他方、毛細管は、水平に配置されたとき漏れるおそれが少なく、かくして、毛細管は、水平に配置されたサンプラーベッドに配置されるのが好ましい。
【0065】
本発明の好ましい実施形態によれば、サンプルハンドラーは、冷却要素を備え、好ましくは、サンプラーベッドに配置された血液サンプルを冷却するためサンプラーベッドに隣接して着座されたペルチェ素子を備える。
【0066】
サンプルハンドラーは、サンプラーベッドに配置された血液サンプラーの同定のための同定手段を有するのが好ましい。同定手段は、サンプラー記憶手段内に格納された同定データを読み取るための読み取り手段、例えば、血液サンプラー上のサンプル同定バーコードを読み取るためのバーコードリーダーを持つことができる。
【0067】
本発明の第2の態様によれば、攪拌要素を備えた血液サンプラー内に収容された血液サンプルを処理し分析するための方法が提供され、該方法は、血液分析器のサンプルハンドラーのサンプラーベッドに血液サンプラーを配置し、攪拌要素をサンプラー内で動かすことにより、血液サンプルを攪拌し、血液サンプルにセンサーをさらし、血液サンプルのパラメータを測定し、該パラメータを伝達する、各工程を備える。
【0068】
血液分析のための血液サンプルの従来の処理及び分析と比較したとき、本発明の本態様に係る方法は、それが、効率的な攪拌を提供し、血液サンプルの均一性をもたらすという利点を奏する。
【0069】
本方法によれば、オペレータは、自動メンテナンスのため血液分析器に血液サンプラーを預けることができるということが理解されるべきである。かくして、オペレータは、分析の時点まで血液サンプルを手動で維持する必要はない。
【0070】
本発明の方法によれば、サンプルを、血液分析器に30分程度預けることができ、なおも正確な分析結果を得ることを可能にする。
本発明の第2の態様によれば、複数の血液サンプルを、所定の露出シーケンスに従って分析のためセンサーにさらすことができる。そのような露出シーケンスの例は次の通りである。
(a) サンプルハンドラーへの血液サンプラーの受け取りの時刻が記録され、露出シーケンスが、任意の時刻で、最も古く受け取られたサンプルがさらされるように時間順に並べられたシーケンスである、時間順シーケンス
(b) 患者からのサンプリング時刻が記録され、露出シーケンスが、任意の時刻で最も古いサンプルがさらされるように時間順に並べられたシーケンスである、代替の時間順シーケンス
(c) サンプラーベッドに番号が付けられた数値シーケンスであって、該サンプラーがこれに従って番号が付けられ、露出シーケンスが、数値順に並べられたシーケンス、即ち、最も小さい番号が付けられたサンプラーからの血液サンプルがさらされ、次に、次に小さい番号が付けられたサンプラーからの血液サンプルがさらされていき、最も大きい数が付けられたサンプラーからの血液サンプルの露出に引き続いて、当該シーケンスが繰り返されるところの数値シーケンス
(d) サンプラーベッドに番号が付けられた優先数値シーケンスであって、サンプラーがこれに従って番号が付けられ、露出シーケンスは、任意の時刻で最も小さい数のサンプラーから血液サンプルがさらされるように順番が付けられた、優先数値シーケンス
(e) サンプルハンドラー内のサンプラーの受け取りの時刻又はサンプリングの時刻が記録され、血液サンプルが受け取り時刻又はサンプリング時刻から所定の時間内でさらされていなかったところのサンプラーが却下される、「却下」シーケンス
(f) サンプルハンドラー内のサンプラーの受け取りの時刻が記録され、血液サンプルが受け取り時刻後の所定の時間内でさらされていなかったところのサンプラーが優先される、「非却下」シーケンス
(g) 患者からのサンプリング時刻が記録され、サンプリング時刻後の所定の時間内でさらされていなかったところのサンプラーが優先される、代替の「非却下」シーケンス
サンプル分析の完了は、オペレータにサンプラーを取り外すことができることを知らせるために表示されてもよい。サンプラーからのテストサンプルが分析される前にサンプラーが取り外される場合、例えばサンプラーベッドのセンサーにより検出されるような場合には、警告が発動されてもよい。
【0071】
本発明の本態様に係る好ましい実施形態によれば、血液分析器は、入口プローブを有し、入口プローブ及び血液サンプラーは、血液サンプラーから入口プローブまでのテストサンプルの輸送を可能にするように互いに流体連通した状態へと移動される。入口プローブは、分析用の血液サンプラーからのテストサンプルの容易な輸送を可能にする。
【0072】
本発明の本態様に係る更に好ましい実施形態によれば、テストサンプルは、血液サンプラー内の複数の位置から入口プローブへと輸送される。そのような輸送処理は、完全な血液サンプルを表すテストサンプルが提供されたとき、可能となるサンプル不均一性を更に補償する。
【0073】
テストサンプルの輸送は、サンプラー内の血液サンプル内の少なくとも2つの静的位置から実行することができ、又は、サンプラー内の血液サンプル内の入口プローブを連続的に移動しつつ実行することができる。テストサンプルは、血液サンプル内でランダムに選択された多数の位置から輸送されるのが好ましい。血液の泡が、血液サンプラーの頂部、例えば注射器のルアー内に集められたとき、テストサンプルは頂部から輸送されないのが好ましい。
【0074】
本発明の本態様の更に別の好ましい実施形態によれば、テストサンプルの血液サンプラーから入口プローブまでの輸送は、最初に血液サンプラーから入口プローブまで血液を輸送し、入口プローブから血液サンプラーへと所定量の血液を戻し、上記工程を繰り返し、血液サンプラーから入口プローブまでテストサンプルを輸送する、各工程を備える。
【0075】
例えば入口プローブ内の血液の流れは、それ自体で攪拌作用を提供する。血液部分の主要部分は、層流を呈しており、それ自体で、血液部分の断面に沿った流れ速度の変動に起因して血液を攪拌する。血液部分の前部及び後尾部では、流れを乱流となり、血液を更に攪拌する。本発明の本好ましい実施形態によれば、流れの距離は延長され、流れは少なくとも2回反転されており、両方の現象は血液の攪拌に寄与している。
【0076】
更に好ましい実施形態によれば、上記輸送処理は、結合され、かくして、血液を輸送し戻している間に入口プローブの位置をシフトする。
本発明の第3の態様によれば、血液サンプルハンドラーが提供される。この血液サンプルハンドラーは、血液分析器との作動的な連通を提供するインターフェースと、血液サンプルと攪拌要素とを収容する血液サンプラーを受け入れるサンプラーベッドと、サンプラーがサンプラーベッドに配置されたときサンプラー内で前記攪拌要素を動かす運動手段と、を備える。
【0077】
サンプルハンドラーは、血液分析器に関して使用される別個の実体であってもよく、オプションで、血液分析器と一体に構成されていてもよい。サンプルハンドラーは、分析時点まで血液サンプルのメンテナンスを提供し、サンプルハンドラーを血液分析器と接続したとき、サンプルの処理及び分析が更に容易となる。本発明の本態様によれば、サンプルハンドラーは、様々な血液分析器に関して使用することができる。
【0078】
「作動的な連通を提供するインターフェース」という用語は、本願で使用されるとき、血液分析器に向った血液サンプルハンドラーのインターフェースを意味し、これは、それらの相互連通のため使用することができる。かくして、当該インターフェースは、例えば分析器から制御されるべきハンドラーのための、ハンドラーの分析器への電子的接続のための電子的接続手段を備えることができる。当該インターフェースは、ハンドラーを分析器に物理的に結合させるための物理的接続手段も備えていてもよく、それは、ハンドラーに保持されたサンプラーから分析器へのテストサンプルの輸送を可能にするための輸送手段を備えていてもよい。
【0079】
本第3の態様の好ましい実施形態によれば、サンプラーベッドは、サンプルハンドラー内の別々の位置の間で移動可能である。サンプラーベッドの移動は、分析処理へとさらすため又はそこからのテストサンプルの輸送のため内部に配置された血液サンプラーを配置することができ、例えば血液サンプラーを血液サンプラーの入口プローブに対して配置することができる。
【0080】
本発明の第4の態様によれば、攪拌要素を用いて血液サンプラー内に含まれた血液サンプルを処理するための方法が提供される。本方法は、サンプルハンドラーのサンプラーベッドに血液サンプラーを配置し、サンプラー内で攪拌要素を動かすことによって血液サンプルを攪拌する、各工程を備える。
【0081】
血液分析のための血液サンプルの従来の処理及び分析と比較して、本発明の本態様に係る方法は、それが、効率的な攪拌を提供し、血液サンプルの均一性をもたらすという利点を奏する。
【実施例】
【0082】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る血液分析器(100)を示している。血液分析器(100)は、磁化可能な攪拌要素(150)を備えた注射器(130)を保持するサンプラーベッド(120)を有するサンプラーハンドラー(110)を備えている。サンプルハンドラー(110)の機能は、図2乃至図8に関連して詳細に説明されている。血液分析器(100)は、センサー区分(320)内に配置された1組の4つのセンサー(310a乃至d)に分析器導管(300)を介してテストサンプルを輸送するための入口プローブ(270)を更に備える。柔らかいタッチのスクリーンディスプレイ(290)は、オペレータへの分析結果の連絡を始めとした血液分析器(100)の作動のために使用されている。
【0083】
図2は、本発明の好ましい磁石に係る血液分析器(100)を示している。この分析器は、図1に示された分析器(100)に対応しているが、5つのサンプラーベッド(120a〜e)を有するサンプルハンドラー(110)を備えている。5つのサンプラーベッド(120a〜e)の各々は、血液サンプル(図示せず)と磁化可能な球形攪拌要素(150)とを保持する注射器(130)に適合することができる。
【0084】
注射器(130)内の攪拌要素(150)を動かすための手段は、サンプラーベッド(120a〜e)の各々の下方に着座している永久磁石(160)である。永久磁石(160)は、回転式コンベヤー(170)に配置され、該回転式コンベヤーは、駆動ベルト(図示せず)により回転式コンベヤー(170)に接続された電導モーター(図示せず)により回転される。回転式コンベヤー(170)は、支持部(200)に配置され、該支持部は、直線案内部(220)を介して支持部(200)に接続された追加の電導モーター(図示せず)により直線的に移動される。回転式コンベヤー(170)は、支持部(200)の運動から独立に回転されてもよく、該支持部は、回転式コンベヤー(170)の回転から独立に移動されてもよい。各サンプラーベッドの運動手段は、独立に作動することができる。かくして、分析器(100)は、血液サンプラーにより占められた5つのサンプラーベッド(120a〜e)のうち任意数で作動することができるということが理解されるべきである。
【0085】
図2から理解することができるように、血液サンプルハンドラー(110)は、血液分析器(100)と一体である。血液分析器(100)は、自動化されており、オペレータは、自動的なメンテナンス及び分析のため該分析器に血液サンプラーを預けることができる。
【0086】
分析器(100)は、入口プローブ(270)を有し、該プローブは、5つの別個の入口プローブ位置(280a〜e)の間で移動することができ、各々の位置は、5つのサンプラーベッド(120a〜e)の一つに対応する。入口プローブ(270)は、吸引プローブであり、該プローブは、注射器(130)内に延長されるとき、分析器導管(300)を介して、センサー区分(320)内に配置された4つのセンサー(310a〜d)の組に輸送するためテストサンプルを吸引することができる。入口プローブは、追加の入口プローブ位置(図示せず)を有し、該位置には、対応するサンプラーベッドが存在していない。この追加の位置は、サンプルハンドラー内に配置されていないサンプラーからのテストサンプルの緊急輸送のため使用することができる。柔らかいタッチのスクリーンディスプレイ(290)は、血液分析器(100)の作動のため使用される。
【0087】
サンプルハンドラー(110)は、ハンドラーに保持された血液サンプルの冷却のためのペルチェ素子(図示せず)を有する。
図3は、図1の血液分析器のサンプルハンドラー(110)と、その攪拌原理とを示している。
【0088】
注射器(130)は、10mmの内径と、50mmの活動バレル長さと、を有する。磁化可能なステンレス鋼球形攪拌要素(150)は、3.5mmの外径を有し、かくして、注射器(130)内に載置されるとき、注射器の直径の35%までを占める。
【0089】
注射器(130)内に配置された球形攪拌要素(150)は、注射器(130)内で楕円状に移動される。この楕円運動のパターンは、運動手段(160,170,200)によって得られる。
【0090】
回転式コンベヤー(170)は、32mmの外径を有し、8mmの直径を持つネオジム−鉄−ホウ素の磁石(160)が、回転式コンベヤー(170)内に配置され、それによって磁石の中心軸が回転式コンベヤー中心から9mmの径方向距離に位置する。回転式コンベヤー(170)は、注射器(130)の下方に配置され、それにより、磁石(160)の頂部と注射器の底部との間の距離が3mmとなる。磁石(160)は、磁石(160)からの磁束ラインが注射器(130)に垂直に延在するように回転式コンベヤー内に垂直に配置されている。
【0091】
回転式コンベヤー(170)は、注射器(130)に平行に変位可能である、支持部(200)上に配置されている。支持部(200)のストロークの最大長さは70mmである。回転式コンベヤー(170)は、毎分700回の周波数で回転され、支持部(200)は、12mmのストロークの長さで毎分16ストロークの率で移動される。回転式コンベヤー(170)の回転に起因して、攪拌要素(150)は、注射器(130)内で楕円状に移動される。かくして、攪拌要素(150)は、長さ方向ストロークの第1の区間の間に血液サンプル体積の一方の側を走査し、その一方で、サンプル体積の他方の側は、長さ方向ストロークの第2の区間の間に走査される。従って、血液サンプルは、非常に良く攪拌される。
【0092】
注射器(130)内で保持された血液サンプルの全体積を攪拌するため、回転式コンベヤー(170)内の磁石(160)の径方向距離の2倍、磁石の直径、及び、支持部(200)のストロークの長さの総和が、注射器(130)の作動バレル長さの少なくとも60%を構成するべきであることが理解されるべきである。しかし、攪拌要素の周りに発生する乱流場に起因して、当該総和は、注射器(130)の作動バレル長さの100%を完全に占める必要はない。
【0093】
図4は、サンプラーハンドラーの代替実施例の概略図であり、該実施例では、運動手段が、血液サンプラー(130)内で楕円状に攪拌要素(150)を移動させる。
図4のサンプルハンドラーの運動手段は、図2及び図3のサンプルハンドラーの運動手段(160,170)に類似しているが、支持部(200)が存在していない。回転式コンベヤー(170)は、毎分700回の周波数で回転され、これにより、注射器(130)内で楕円状に攪拌要素(150)を移動させ、血液サンプルを攪拌する。
【0094】
図3のサンプルハンドラーと比較して、図4のサンプルハンドラーは、より簡単な構成を有する。図3のサンプルハンドラーは、図4のサンプルハンドラーよりも大きい攪拌を提供するが、後者は、小さな攪拌しか要求しない血液サンプルのためにまだ使用することができる。
【0095】
図5は、攪拌要素が「揺動進行する」本発明の代替実施例に係る攪拌原理を示している。
楕円体形状の磁化可能なステンレス鋼製の攪拌要素(400)は、7mmの長さ方向軸と、3.5mmの2つの互いに垂直な横方向軸と、を有し、これらの横方向軸の両方は、長さ方向軸に対して垂直である。当該要素(400)は、砂地表面を有し、血液サンプル保持注射器(440)内に配置されている。注射器(440)は、10mmの内側直径と、50mmの作動バレル長さと、を有する。
【0096】
運動手段は、注射器(440)の長さ方向軸に平行に配置された、最大長さ70mmのストロークの直線移動可能な支持部(450)を備える。円柱状ネオジム−鉄−ホウ素の磁石(460)は、注射器(440)より下3mmの距離に支持部(450)内に水平に配置され、それにより、磁石(460)からの磁束のラインが注射器(440)に垂直に延在する。
【0097】
直線案内部(450)は、42mmのストロークの長さで毎分80ストロークの率で移動される。攪拌要素(400)は、注射器(440)の長さ方向軸に沿って揺動進行する。「揺動進行」は、攪拌要素の第1の端点(420)の周りで攪拌要素の長さ方向軸に半周だけの第1の回転と、これに続く攪拌要素の第2の端点(430)の周りで長さ方向軸に半周だけ第2の回転と、を含む。楕円状攪拌要素に関しては、「端点」とは、厳密な端点を含み、該厳密な端点からある距離にある攪拌要素の表面を指している。
【0098】
磁石(460)の4つの位置P1〜P4及び攪拌要素(400)の位置は、図5に示されている。位置P1では、要素(400)は静止している。位置P2及びP3に移動したとき、要素(400)は、それがその直立位置(P3)に達するまで、その第2の端点(430)の周りに回転される。図5から理解することができるように、攪拌要素の磁気偏向は、位置P1〜P4の間で次第に変化される。偏向の漸次的変化は、攪拌要素が横滑りすることを防止する摩擦砂地表面と共に、「揺動進行」にとって欠かせないものである。位置P4では、P1〜P3からの「揺動進行」が、注射器(440)の長さ方向軸に沿って続けられる。
【0099】
「揺動進行」運動パターンの不規則性に起因して、血液サンプルは、非常に攪拌される。
位置P1で静止した状態では、攪拌要素(400)は、注射器の直径の35%を占め、かくして、入口プローブの注射器(440)内への貫通のため十分な空間を残していることが理解されるべきである。回転の間に、直立位置(P3)に到達される。この位置では、攪拌要素(400)は、注射器の直径の70%を占める。しかし、この直立位置(P3)は、安定ではなく、攪拌の完了時には、要素(400)は、位置P1に対応するその最も大きな表面上で横たわる傾向にあり、入口プローブの貫通を妨げないことを可能にする。
【0100】
図6は、本発明の更なる代替実施例に係る攪拌原理を示し、該実施例では、運動手段が、血液サンプラー内で直線的に移動する。
5mmの直径を有するステンレス鋼の磁化可能な球形攪拌要素(470)は、血液サンプル保持注射器(480)内に配置されている。注射器(480)は、10mmの内側直径と、50mmの作動バレル長さとを有する。
【0101】
球形攪拌要素(470)の直線的移動のため使用される運動手段は、図5で使用されるものと同じである。支持部(450)は、42mmのストローク長さで毎分100ストロークで移動される。従って、磁石(460)は、注射器(480)の長さ方向軸に沿って直線的に移動され、よって、攪拌要素(470)は、血液サンプルを攪拌しつつ直線的に移動される。攪拌要素(470)は、攪拌要素(470)と血液サンプル及び血液サンプラーとの間の摩擦力を減少させる滑らかな表面を有し、よって、攪拌要素(470)の直線運動を可能にする。球形攪拌要素は、それが摩擦表面を有する場合には転がることができることが理解されるべきである。
【0102】
図7は、攪拌要素が回転されるところの、本発明の更に別の実施例に係る攪拌原理を示している。
楕円体形状のネオジム−鉄−ホウ素の永久磁石攪拌要素(490)は、血液サンプル保持注射器(500)内に配置されている。磁化可能な楕円体形状攪拌要素(490)は、7mmの長さ方向軸と、2つの互いに垂直な3.5mmの横方向軸と、を有し、該横方向軸の両方は、長さ方向軸に垂直である。注射器(500)は、10mmの内側直径と、50mmの作動バレル長さと、を有する。
【0103】
運動手段は、ローター(510)を備えており、該ローターの中心には、ネオジム−鉄−ホウ素の管状磁石(520)が注射器(500)の3mm下に配置されている。磁石(520)は、ローター(510)内に配置され、磁石(520)からの磁束のラインは、注射器(500)の長さ方向軸に平行に延在する。
【0104】
磁石を備えるローター(510)は、毎分1000回の周波数で回転され、これにより、攪拌要素(490)を回転させて血液サンプルを攪拌する。
図1乃至3及び図5乃至6のサンプルハンドラーと比較すると、図7のサンプルハンドラーは、より簡単な構成を有する。図1乃至3及び図5乃至6のサンプルハンドラーは、図7のサンプルハンドラーよりも良い攪拌を提供するが、それでも後者は、小さい攪拌だけしか要求しない血液サンプルのために使用することができる。
【0105】
図8は、運動手段が、攪拌要素を回転させると共に攪拌要素を血液サンプラー内で直線的に移動させる、サンプルハンドラーの概略図である。
図8のサンプラーハンドラーの運動手段は、図6及び図7のサンプルハンドラーの運動手段を組み合わせたものを備えている。かくして、それは、支持部(450)内に配置された磁石(520)を備えるローター(510)を有する。注射器及び攪拌要素は、図7の注射器(500)及び攪拌要素(490)に対応している。
【0106】
ローター(510)は、毎分1000回の周波数で回転され、直線案内部(450)は、42mmのストロークの長さで毎分16ストロークの率で移動される。これによって、攪拌要素(490)は、回転され、注射器(500)内で直線的に移動され、血液サンプルを攪拌する。
【0107】
攪拌要素の回転及び直線運動を組み合わせたことに起因して、血液サンプルは、非常に良く攪拌される。
本発明の範囲は、本発明の好ましい実施例である図1乃至図8に説明された実施例に限定されるものではないことが強調されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る血液分析器を示す。
【図2】図2は、本発明の別の実施例に係る血液分析器を示す。
【図3】図3は、図2の分析器のサンプルハンドラーの概略図である。
【図4】図4は、サンプルハンドラーの第2の実施例の概略図である。
【図5】図5は、サンプルハンドラーの第3の実施例の概略図である。
【図6】図6は、サンプルハンドラーの第4の実施例の概略図である。
【図7】図7は、サンプルハンドラーの第5の実施例の概略図である。
【図8】図8は、サンプルハンドラーの第6の実施例の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液分析器であって、
前記分析器の作動を制御する制御システムと、
血液サンプルのパラメータを測定するセンサーと、
前記血液サンプルに前記センサーをさらす露出手段と、
前記血液サンプルのパラメータを伝達する伝達手段と、
サンプルハンドラーと、
を備え、
前記サンプルハンドラーは、
前記血液サンプル及び攪拌要素を収容する血液サンプラーを受け入れるサンプラーベッドと、
前記サンプラーが前記サンプラーベッドに配置されたとき前記血液サンプラー内で前記攪拌要素を動かす運動手段と、
を備える、血液分析器。
【請求項2】
前記攪拌要素は、磁性要素であり、前記運動手段は磁石である、請求項1に記載の血液分析器。
【請求項3】
前記運動手段は、前記血液サンプラー内で前記攪拌要素を直線的に移動させる、請求項1又は2に記載の血液分析器。
【請求項4】
前記運動手段は、前記攪拌要素を回転させる、上記請求項のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項5】
前記運動手段は、前記血液サンプラー内で前記攪拌要素を楕円状に移動させる、上記請求項のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項6】
前記サンプラーは、所定の内側直径と、前記サンプラー内で静止した状態の攪拌要素のための自由な高さと、を有し、前記自由な高さと前記内側直径との比率は、高々0.5である、上記請求項のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項7】
前記攪拌要素は球形である、上記請求項のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項8】
前記攪拌要素は細長い形状である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項9】
前記攪拌要素は丸みを帯びた端部を有する、請求項8に記載の血液分析器。
【請求項10】
前記攪拌要素は楕円体又は超2次楕円体である、請求項9に記載の血液分析器。
【請求項11】
前記攪拌要素は、長さ方向軸及び端点を有し、前記運動手段は、該攪拌要素の長さ方向軸が該攪拌要素の端点の周りに回転するように、前記攪拌要素を回転させる、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項12】
前記サンプラーベッドは、血液サンプラーが該サンプラーベッドに位置決めされることを容易にするガイドを有する、上記請求項のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項13】
前記サンプルハンドラーは、追加のサンプラーベッドを備える、上記請求項のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項14】
入口プローブを備え、該入口プローブと前記サンプラーベッドに配置された血液サンプラーとの間の流体連通を提供するため、前記入口プローブ及び前記サンプラーベッドは、互いに対して移動可能である、上記請求項のいずれか1項に記載の血液分析器。
【請求項15】
攪拌要素を備えた血液サンプラー内に収容された血液サンプルを処理し分析するための方法であって、
血液分析器のサンプルハンドラーのサンプラーベッドに前記血液サンプラーを配置し、
前記攪拌要素を前記サンプラー内で動かすことにより、前記血液サンプルを攪拌し、
前記血液サンプルにセンサーをさらし、
前記血液サンプルのパラメータを測定し、
前記パラメータを伝達する、各工程を備える方法。
【請求項16】
前記血液分析器は、入口プローブを有し、前記血液サンプラーから前記入口プローブまでのテストサンプルの輸送を可能にするように、前記入口プローブ及び前記血液サンプラーは、互いに流体連通する状態へと移動される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記テストサンプルは、前記血液サンプラー内の複数の位置から前記入口プローブへと輸送される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記血液サンプラーから前記入口プローブまでのテストサンプルの前記輸送工程は、
最初に前記血液サンプラーから前記入口プローブまで血液を輸送し、
前記入口プローブから前記血液サンプラーまで所定量の前記血液を戻し、
選択的に上記工程を繰り返し、
前記血液サンプラーから前記入口プローブまで前記テストサンプルを輸送する、各工程を備える、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
血液サンプルハンドラーであって、
血液分析器との作動的な連通を提供するインターフェースと、
血液サンプルと攪拌要素とを収容する血液サンプラーを受け入れるサンプラーベッドと、
前記サンプラーが前記サンプラーベッドに配置されたとき前記サンプラー内で前記攪拌要素を動かす運動手段と、
を備える、血液サンプルハンドラー。
【請求項20】
前記攪拌要素は、磁性要素であり、前記運動手段は磁石である、請求項19に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項21】
前記運動手段は、前記血液サンプラー内で直線的に前記攪拌要素を移動させる、請求項19又は20に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項22】
前記運動手段は、前記攪拌要素を回転させる、上記請求項19乃至21のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項23】
前記運動手段は、前記血液サンプラー内で前記攪拌要素を楕円状に移動させる、上記請求項19乃至22のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項24】
前記サンプラーは、所定の内側直径と、前記サンプラー内で静止した状態の攪拌要素のための自由な高さと、を有し、前記自由な高さと前記内側直径との比率は、高々0.5である、上記請求項19乃至23のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項25】
前記攪拌要素は球形である、上記請求項19乃至24のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項26】
前記攪拌要素は細長い形状である、請求項19乃至24のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項27】
前記攪拌要素は丸みを帯びた端部を有する、請求項26に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項28】
前記攪拌要素は楕円体又は超2次楕円体である、請求項27に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項29】
前記攪拌要素は、長さ方向軸及び端点を有し、前記運動手段は、該攪拌要素の長さ方向軸が該攪拌要素の端点の周りに回転するように、前記攪拌要素を回転させる、請求項26乃至28のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項30】
前記サンプラーベッドは、前記サンプラーハンドラー内の別々の位置の間で移動可能である、請求項19乃至29のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項31】
前記サンプルハンドラーは、追加のサンプラーベッドを備える、請求項19乃至30のいずれか1項に記載の血液サンプルハンドラー。
【請求項32】
攪拌要素を用いて血液サンプラー内に収容された血液サンプルを処理するための方法であって、
サンプルハンドラーのサンプラーベッドに前記血液サンプラーを配置し、
前記サンプラー内で前記攪拌要素を動かすことによって前記血液サンプルを攪拌する、各工程を備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−510883(P2006−510883A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561067(P2004−561067)
【出願日】平成14年12月20日(2002.12.20)
【国際出願番号】PCT/DK2002/000892
【国際公開番号】WO2004/057304
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(500554782)ラジオメーター・メディカル・アー・ペー・エス (20)
【Fターム(参考)】