血液分析装置
【課題】簡単な構成でありながら検体容器の様々なフタ形状を識別する必要がなく、検体容器を設置するのと同時に、検体容器のフタの有無の確認及び混和の有無の設定を行うことである。
【解決手段】検体容器Tを保持する検体容器ホルダ6と、その検体容器ホルダ6を略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部7と、前記検体容器ホルダ7に設置された検体容器Tの傾斜角度θIを検出する傾斜角度検出部8と、前記ホルダ駆動部7を制御する制御装置9とを備え、前記制御装置9が、前記角度検出部8から角度検出信号を受け付けて、その傾斜角度θIに応じて、前記検体容器T内の血液検体の混和の有無を判断し、前記ホルダ駆動部7を制御するものである。
【解決手段】検体容器Tを保持する検体容器ホルダ6と、その検体容器ホルダ6を略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部7と、前記検体容器ホルダ7に設置された検体容器Tの傾斜角度θIを検出する傾斜角度検出部8と、前記ホルダ駆動部7を制御する制御装置9とを備え、前記制御装置9が、前記角度検出部8から角度検出信号を受け付けて、その傾斜角度θIに応じて、前記検体容器T内の血液検体の混和の有無を判断し、前記ホルダ駆動部7を制御するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、血液検体中に含まれる赤血球、白血球あるいは血小板などの成分を分析する血液分析装置に関し、特に、血液検体を収容している検体容器が設置される検体容器ホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の血液分析装置には、血液検体を収容する検体容器をセットした後に、その検体容器内の血液検体を混和せずに分析を行うもの(例えば特許文献1)と、検体容器内の血液検体を混和して分析を行うものとがある。このとき、混和は検体容器を転倒させることにより血液検体の混和を行っているので、混和を行うものであれば、検体容器の上部開口をフタによって閉塞していることが必要である。
【0003】
従来、血液分析装置には、混和を行う検体容器を設置する検体容器ホルダと、混和を行わない検体容器を設置する検体容器ホルダとの2種類の検体容器ホルダを有するものがある。
【0004】
しかしながら、2種類の検体容器ホルダを設けているので装置が肥大化してしまったり、機構が複雑になってしまったり、高価になってしまうという問題がある。また、いずれの検体容器ホルダに設置しても検体容器のフタの有無を確認する確認センサが必要である。この確認センサは検体容器の種類の違いによる様々なフタ形状を識別する必要があるので、高価になってしまうという問題がある。
【0005】
また、上部開口がフタによって閉塞されている検体容器のみを用いて分析する血液分析装置がある。この装置は、常に血液検体の混和を行うか、あるいは、使用者の操作により混和/非混和を選択するような構成になっている。
【0006】
しかしながら、検体容器のフタの有無を確認するための確認センサが必要になる。また、使用者の混和/非混和の選択ミスにより、混和しなければならないものを混和せずに分析したり、あるいは、混和する必要の無いものを混和して分析したりという誤作動の危険性もある。
【特許文献1】特開2004−4098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、簡単な構成でありながら検体容器の様々なフタ形状を識別する必要がなく、検体容器を設置するのと同時に、検体容器のフタの有無の確認及び混和の有無の設定を行うことができる血液分析装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る血液分析装置は、血液検体を収容する検体容器を保持する検体容器ホルダと、前記検体容器ホルダを略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部と、前記検体容器ホルダに設置された検体容器の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部と、前記ホルダ駆動部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置が、前記角度検出部から角度検出信号を受け付けて、その傾斜角度に応じて、前記検体容器内の血液検体の混和の有無を判断し、前記ホルダ駆動部を制御するものであることを特徴とする。なお、ここで「混和」とは、検体容器ホルダを軸線周りに回転させることによって検体容器の上部開口が少なくとも一回下方を向くように回転させること、ないし検体容器の上部開口を下方に向けることなく揺動させることを含む。
【0009】
このようなものであれば、検体容器の傾斜角度を検出することにより、血液検体の混和の有無及びフタの有無を認識するようにしているので、簡単にフタの有無を簡単に識別することができるようになる。また、検体容器を設置するのと同時に、検体容器のフタの有無の確認及び混和の有無の設定を行うことができるようになり、使用者の余分な操作に伴う誤操作を防ぐことができる。
【0010】
上記制御を実現するための具体的な実施の態様としては、前記制御装置が、前記傾斜角度検出部から角度検出信号を受け付けて、前記傾斜角度と予め定めた基準角度とを比較する角度比較部と、前記角度比較部から比較結果データを受け付けて、その比較結果に基づいて、前記検体容器内の血液検体を混和させた後に、略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御し、あるいは前記検体容器内の血液検体を混和させずに、前記検体容器が略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御するホルダ制御部と、を備えていることがある。
【0011】
使用者が検体容器を設置する際に、使用者によるフタの有無の確認を確実に行わせるためには、前記基準角度は、所定量の血液検体を収容した検体容器において、その開口を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器から血液検体が漏れ出る角度であることが望ましい。このようなものであれば、フタをしていない検体容器を転倒混和する角度範囲にセットすると血液検体が漏れ出るので、使用者に確認を促すことができる。
【0012】
また、血液検体を取り扱う分析装置であり、感染などの衛生上の問題を回避するためには、測定時において前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断するとともに、前記検体容器から漏れた血液検体を収容するカバー部をさらに備えていることが望ましい。
【0013】
さらに、装置の安全性を向上させるためには、前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部に開放している開放位置、又は前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断している閉塞位置において、前記カバー部をロックするロック機構を備えていることが望ましい。
【0014】
加えて、検体容器の設置を容易にするためには、前記検体容器ホルダに前記検体容器を設置する際に、前記検体容器が所望の傾斜角度となるように、前記検体容器ホルダを調節するための傾斜角度調節機構を備えていることが望ましい。
【0015】
前記傾斜角度検出部の具体的な実施の態様としては、傾斜角度検出部が、フォトインタラプタを用いたものであることが好ましい。
【0016】
装置の利便性を向上させるためには、前記検体容器ホルダが、異なる種類の検体容器を保持できるようにしていること
【発明の効果】
【0017】
このように本発明によれば、検体容器の傾斜角度を検出することにより、血液検体の混和の有無及びフタの有無を認識するようにしているので、簡単にフタの有無を簡単に識別することができるようになる。また、検体容器を設置するのと同時に、検体容器のフタの有無の確認及び混和の有無の設定を行うことができるようになり、使用者の余分な操作に伴う誤操作を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の血液分析装置に係る一実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係る血液分析装置1は、電気抵抗法により、WBC(白血球数)、RBC(赤血球数)、PLT(血小板数)、MCV(赤血球容積)、Hct(ヘマトクリット値)を測定し、またシアンメトヘモグロビン法における吸光光度法によりHgb(ヘモグロビン濃度)等を測定(CBC測定)するものである。
【0020】
血液分析装置1の基本構成は、図1に示すように、検体容器Tから血液検体を吸引等するサンプリングノズル2と、サンプリングノズル2により吸引された血液検体や希釈液等を収容して血液検体を測定するための測定セル3と、当該測定セル3内の血液検体を測定する血液測定部4と、血液測定部4からの測定データを受け付けて血液検体のWBC等の分析などを行う演算装置5と、を備えている。
【0021】
検体容器Tは、本実施形態においては樹脂製の円筒形状をなし、上部に開口T1を有している。この開口T1は、混和を行う血液検体を収容する場合には例えば樹脂製のフタCによって閉塞される。
【0022】
サンプリングノズル2は、略鉛直状態に保持された検体容器T内の血液検体を吸引及び吐出等するものであり、後述するノズル駆動部20により駆動されるものである。なお、図1中の25は、サンプリングノズル2の先端部外周面を洗浄するためのノズル洗浄器である。
【0023】
ノズル駆動部20は、水平方向に設けられた第1のタイミングベルト201と、第1のタイミングベルトを駆動するモータ202と、第1のタイミングベルト202に固定され水平方向に往復運動するハウジング203と、ハウジング203に鉛直方向に設けられた第2のタイミングベルト204と、第2のタイミングベルト204を駆動するためのモータ205とを備えている。そして、第2のタイミングベルト205にサンプリングノズル2が取り付けられており、第1のタイミングベルト201により水平方向に移動でき、第2のタイミングベルト204により上下方向に移動できるようにしている。
【0024】
測定セル3は、WBC(白血球数)及びHgb(ヘモグロビン濃度)を測定するためのWBC/Hgb測定セル31(以下、単にWBCセルという。)と、RBC(赤血球数)及びPLT(血小板数)を測定するためのRBC/PLT測定セル32(以下、単にRBCセルという。)とを備えている。
【0025】
WBCセル31においては、サンプリングノズル2により血液検体が注入され、希釈液容器(図示しない)からの希釈液により一次希釈された後、溶血液容器(図示しない)からの溶血液が注入され、WBC及びHgbが測定される。RBCセル32においては、サンプリングノズル2により一次希釈された血液検体が注入され、さらに希釈液容器(図示しない)からの希釈液により二次希釈され後に、RBC及びPLTが測定される。
【0026】
血液測定部4は、WBC測定部41と、Hgb測定部42と、RBC/PLT測定部43とを備えている。WBC測定部41は、WBCセル31に設けた例えば白金電極などの測定電極41a、41bによりWBCを測定する。Hgb測定部42は、WBCセル31の外部に設けたハロゲンランプなどの光源42aとWBCセル31を透過した光を検出する光検出器42bによりHgbを測定する。RBC/PLT測定部43は、RBCセル32に設けた例えば白金電極などの測定電極43a、43bによりRBC/PLTを測定する。
【0027】
演算装置5は、血液測定部4からの測定データを受け付けて、所定の演算を行い、測定セル3内の血液検体のWBC、RBC、PLT、MCV、Hctを分析するものである。
【0028】
しかして本実施形態の血液分析装置1は、図1に示すように、検体容器Tを保持する検体容器ホルダ6と、検体容器ホルダ6を略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部7と、検体容器ホルダ6に設置された検体容器Tのその鉛直状態からの傾斜角度θIを検出する傾斜角度検出部8と、ホルダ駆動部7を制御する制御装置9とを備えている。
【0029】
以下に各部を説明する。
【0030】
検体容器ホルダ6は、検体容器Tを保持するものであり、その形状は円盤状をなし、検体容器Tを取り付けて保持するための取付穴61と、検体容器Tのその鉛直状態からの傾斜角度θIを検出するための検出孔62とを有している。
【0031】
取付穴61は、その開口T1が検体容器ホルダ6の側周面に現れるように、径方向に延びている。そして、取付穴61の内壁部には、検体容器Tを押圧して取付穴61に固定するための固定部611を設けている。この固定部611には、例えばOリングを用いている。なお、本実施形態では、3種類の異なる容器形状の検体容器Tを保持できるように3つの取付穴61を設けている。
【0032】
検出孔62は、後述する光透過型フォトインタラプタにより検体容器Tの傾斜角度θIを検出するためのものであり、検体容器Tが鉛直状態、混和しない角度(非混和角度)範囲内で傾斜している状態、混和する角度(混和角度)範囲内で傾斜している状態を判別するためのものである。
【0033】
また、本実施形態の検体容器ホルダ6は、使用者が手動で回転可能に構成している。つまり、3種類の取付穴61のいずれかを選択するため、及びその取付穴61にセットする検体容器Tの傾斜角度θIを決定するために回転可能にしている。このとき、検体容器ホルダ6の回転操作を容易にする為に傾斜角度調節機構Aを設けている。
【0034】
傾斜角度調節機構Aは、検体容器ホルダ6に検体容器Tをセットする際に、検体容器Tが所望の傾斜角度θIとなるように検体容器ホルダ6を調節するためのものである。本実施形態では図2に示すように、検体容器ホルダ6の側周面に設けられた鍔部63である。これにより、所定の取付穴61を検体容器Tを転倒混和する角度範囲(混和角度範囲)と、転倒混和しない角度範囲(非混和角度範囲)とに使用者が手動で、回転移動させることができる。さらに、本実施形態では傾斜角度θIの設定を容易化するために、混和角度範囲内の所定角度及び非混和角度範囲内の所定角度において、クリップストップ機構によりクリックストップ感が生じるようにしている。
【0035】
ホルダ駆動部7は、検体容器ホルダ6を略水平方向に配される軸線(以下、回転軸線Lという。)周りに回転駆動するものである。言い換えれば、検体容器ホルダ6を略鉛直平面内で回転駆動するものである。その構成は、装置1本体に設けられたモータと、当該モータの回転を検体容器ホルダ6に伝達する伝達ギアと備えており、モータは後述する制御装置9のホルダ制御部93により制御される。そして、本実施形態では、この回転軸線Lは前記検体容器ホルダ6の中心軸線Mと一致している。さらに、検体容器ホルダ6にセットした検体容器Tの中心軸線Nが検体容器ホルダ6の中心軸線Mと交差するようにしている。
【0036】
傾斜角度検出部8は、検体容器ホルダ6に設置された検体容器Tのその鉛直状態からの傾斜角度θIを検出するものであり、光源としてのLEDと光検出器としてのフォトトランジスタとを用いた光透過型フォトインタラプタを用いている。つまり、LEDとフォトトランジスタとが、検体容器ホルダ6を挟んで離間対向して設置し、検体容器ホルダ6に設けた検出孔62との関係で傾斜角度θIを検出するものである。
【0037】
制御装置9は、傾斜角度検出部8からの角度検出信号に基づいてホルダ駆動部7を制御等するものである。その機器構成は図3に示すように、CPU901、内部メモリ902、入出力インタフェース903、AD変換器904等からなる汎用又は専用のコンピュータであり、前記内部メモリ902の所定領域に格納してあるプログラムに基づいてCPU901やその周辺機器等が作動することにより、図4に示すように、角度検出信号受付部91、角度比較部92、ホルダ制御部93、ノズル制御部94等として機能する。
【0038】
各部を詳述する。
【0039】
角度検出信号受付部91は、傾斜角度検出部8からの傾斜角度検出信号を受け付けて、角度比較部92に出力するものである。
【0040】
角度比較部92は、角度検出信号受付部91から出力された傾斜角度検出信号を受け付けて、検体容器Tの傾斜角度θIと予め定めた基準角度θBとを比較して、その比較結果データをホルダ制御部93に出力するものである。
【0041】
ここで、傾斜角度θIとは、図5に示すように、検体容器Tの鉛直状態における中心軸線N(鉛直軸線X)と傾斜している状態における中心軸線Nとのなす角度である。
【0042】
また、予め定めた基準角度θBとは、本実施形態においては、所定量の血液検体を収容した検体容器Tにおいて、その開口T1を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器Tの開口T1から血液検体が漏れ出る角度に設定している。つまり、所定量の血液検体を収容した検体容器Tにおいて、その開口T1を閉塞していないまま混和角度範囲の傾斜角度θIに傾けると、検体容器Tの開口T1から血液検体が漏れ出ることになる。これによって、使用者は検体容器Tを設置する際に、フタの有無の確認を行うことができる。
【0043】
ホルダ制御部93は、角度比較部92から比較結果データを受け付けて、その比較結果データに基づいてホルダ駆動部7を制御するものである。具体的には、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θBよりも大きい場合には、図6(A)に示すように、検体容器Tを転倒させて検体容器T内の血液検体を転倒混和させた後に、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御するものである。一方、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θBよりも小さい場合には、図6(B)に示すように、検体容器Tを転倒させることなく、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御するものである。なお、図6(A)、(B)において、矢印は検体容器Tの回転方向を示している。
【0044】
このとき、検体容器T内の血液検体を転倒混和させるとは、検体容器Tの上部開口T1が少なくとも一回下方を向く(真っ逆さまの状態)ように検体容器ホルダを回転させることにより、血液検体を混和することを意味している。
【0045】
ノズル制御部94は、ホルダ制御部93が検体容器ホルダ6の回転制御を終了し、検体容器ホルダ6が検体容器Tを略鉛直状態に保持している状態において、サンプリングノズル2に所定の動作をさせるために、ノズル駆動部20を制御するものである。
【0046】
上記の構成に加え、本実施形態の血液分析装置1は、図7に示すように、測定時において検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断するとともに、検体容器Tから漏れた血液検体を収容するカバー部10と、カバー部10を所定位置においてロックするロック機構11を備えている。
【0047】
カバー部10は、測定時において検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断するとともに、検体容器Tから流出した血液検体を収容するものである。具体的には、検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部に開放している開放位置と、検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断している閉塞位置との間で回転可能に、装置1のケーシング(図示しない)に設けられている。そして、開放位置及び閉塞位置のいずれにおいても検体容器Tから漏れた血液検体を収容できるように構成している。
【0048】
ロック機構11は、カバー部10が開放位置及び閉塞位置にあるときに、カバー部10が回転しないようにロックするものであり、ロック機構11としては、例えばラッチ機構を用いることができる。具体的な動作としては、ケーシング及びカバー部10に設けたラッチ機構(図示しない)により、カバー部10が開放位置又は閉塞位置にあるときにカバー部10が回転しないようにロックする。
【0049】
次にこのように構成した血液分析装置1の動作について図8及び図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0050】
まず、図8を参照して、検体容器ホルダ6の動作を主として示す。使用者は血液検体を収容した検体容器Tをセットする時に、検体容器ホルダ6を傾斜角度調節機構Aにより手動で回転して、検体容器Tの種類に合った取付穴61を所望の傾斜角度θIに設定して、検体容器Tを取付穴61に挿入する。
【0051】
そして、開放位置にあるカバー部10を閉塞位置に回転させて、検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断する。その後、図示しない測定ボタンをオンにする(ステップSa1)。そうすると、傾斜角度検出部8が、検体容器Tの傾斜角度θIを検出して(ステップSa2)、その傾斜角度検出信号を角度検出信号受付部91が受け付け(ステップSa3)、角度比較部92に出力する。角度比較部92が傾斜角度θIと基準角度θBとを比較して(ステップSa4)、傾斜角度θIが基準角度θB以上か否かを判断して、その比較結果データをホルダ制御部93に出力する(ステップSa5)。
【0052】
この比較結果データに基づいてホルダ制御部93は、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θB以上である場合には、検体容器Tを転倒させて検体容器T内の血液検体を転倒混和させた後に、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御する(ステップSa6)。一方、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θB未満の場合には、検体容器Tを転倒させることなく、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御する(ステップSa7)。
【0053】
以上の動作が終了した後、図9に示すように、初期位置にあるサンプリングノズル2は、検体容器ホルダ6により鉛直状態に保持された検体容器Tの上方に移動し(ステップSb1)、検体容器T内の血液検体(全血)を吸引する(ステップSb2)。その検体吸引後、サンプリングノズル2はWBCセル31の位置に移動し、WBCセル31内に血液検体を吐出する(ステップSb3)。一方、希釈液容器11内の希釈液が、WBCセル31内に所定量注入されて、血液検体の一次希釈が行われる(ステップSb4)。
【0054】
WBCセル31の位置にあるサンプリングノズル2は、前記一次希釈された血液検体を所定量吸引して(ステップSb5)、RBCセル32に移動し(ステップSb6)、前記吸引した一次希釈された血液検体をRBCセル32に吐出する(ステップSb7)。そして、希釈液容器11内の希釈液が、RBCセル32内に所定量注入され、血液検体の二次希釈が行われる(ステップSb8)。
【0055】
上記一次希釈及び二次希釈が終わった後、溶血液容器12内の溶血液がWBCセル31内に所定量注入され(ステップSb9)、WBC及びHgbの測定が行われるとともに、RBCセル32内では、RBC及びPLTの測定が行われ、そのときの測定データは、信号処理器を経て演算装置5に出力される(ステップSb10)。
【0056】
演算装置5においては、血液測定部4からの測定データに基づいてWBC、RBC、PLT、MCV、Hctを算出する。
【0057】
測定が終わると、一次希釈された血液検体及び二次希釈された血液検体は、測定セル3から廃液容器に排出され、WBCセル31とRBCセル32は希釈液及び洗浄液容器からの洗浄液で洗浄される(ステップSb11)。
【0058】
このように構成した本実施形態に係る血液分析装置1によれば、検体容器Tの傾斜角度θIを検出することにより、血液検体の混和の有無及びフタCの有無を認識するようにしているので、一般的な検体容器Tのフタ形状、容器形状のほぼ全てに対応することができるとともに、フタCの有無確認を簡便にすることができる。また、検体容器Tをセットする動作に、混和/非混和の選択の動作及び検体容器のフタの有無の確認を兼ねているので、使用者の余分な動作に伴う誤操作を防ぐことができるとともに、フタCの有無の確認を使用者に促すことができる。
【0059】
また、基準角度θBを、所定量の血液検体を収容した検体容器Tにおいて、その開口T1を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器Tの開口T1から血液検体が漏れ出る角度に設定しているので、フタCをしていない検体容器Tを転倒混和する角度範囲にセットすると血液検体が漏れ出るので、使用者に確認を促すことができる。
【0060】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0061】
例えば、図10に示すように、検体容器ホルダに、1種類の検体容器をセットするための角度の異なる2つの取付穴を設け、使用者が手動で回すことなく、挿入する取付穴によって、混和/非混和を認識するようにしても良い。
【0062】
また、前記実施形態では、検体容器をその上部開口が少なくとも一回下方を向くように回転させて血液検体を混和するものであったが、その他にも、図11に示すように、検体容器の上部開口を下方に向けることなく、単に揺動させて血液検体を混和するようにしても良い。
【0063】
さらに、前記実施形態では、傾斜角度が検体容器の鉛直状態を基準とするものであったが、この他にも、水平状態、基準角度にある状態、又は所定の傾斜角度にある状態を基準にしてもよい。つまり、角度検出部が、水平状態からの傾斜角度、基準角度にある状態からの傾斜角度、又は所定の傾斜角度にある状態からの傾斜角度を検出するようにすることもできる。基準角度にある状態からの傾斜角度を検出するものであれば、傾斜角度を検出するだけで、比較をすることなく混和、非混和を判断することができる。
【0064】
例えば、角度検出部が、水平状態からの傾斜角度を検出するものであれば、ホルダ制御部は、以下のように、ホルダ駆動部を制御する。つまり、角度比較部から比較結果データを受け付けて、水平状態からの傾斜角度が、基準角度より小さい場合には、検体容器内の血液検体を転倒混和させた後に、検体容器が略鉛直状態となるようにホルダ駆動部を制御し、傾斜角度が基準角度より大きい場合には、検体容器内の血液検体を転倒混和させずに、検体容器が略鉛直状態となるようにホルダ駆動部を制御する。
【0065】
加えて、どの方向からでも、検体容器を挿し込むことができる検体容器ホルダを用いるようにしても良い。
【0066】
その上、前記実施形態において傾斜角度検出部は光透過型フォトインタラプタを用いたものであったが、その他にも、光反射型フォトインタラプタを用いても良いし、ロータリーエンコーダ等を用いても良い。
【0067】
更にその上、前記実施形態では、円盤型の検体容器ホルダを用いたが、その他にも検体容器を把持するようなものであっても良い。
【0068】
また、前記実施形態では、測定ボタンをオンにしてから傾斜角度検出部が検体容器の傾斜角度を検出するようにしているがこれに限られず、検体容器ホルダの取付穴に検体容器を挿入する時、あるいはカバー部により検体容器及び検体容器ホルダを外部から遮断した時に傾斜角度を検出するようにしても良い。
【0069】
上記に加えて、前記実施形態では、ロック機構はラッチ機構を用いたものであったが、その他ソレノイド等を用いたものであっても良い。その構成は例えば、カバー部10に設けた係止孔101に挿入される固定棒と、固定棒を係止孔101に対して着脱させる固定棒駆動部とからなる。固定棒駆動部は、カバー部10を固定させる場合には、固定棒を係止孔に挿入し、カバー部10を固定しない場合には、固定棒を係止孔101から抜くように、固定棒を駆動するものである。
【0070】
前記実施形態では、血液検体の分析等を行う演算装置と、検体容器ホルダの制御等を行う制御装置とを別々に設けているが、1つの情報処理装置により血液検体の分析及び検体容器ホルダの制御等を行うようにしても良い。
【0071】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の血液分析装置に係る一実施形態を示す構成模式図
【図2】同実施形態における検体容器ホルダの斜視図。
【図3】同実施形態における制御装置の機器構成図。
【図4】同実施形態における制御装置の機能構成図。
【図5】検体容器の傾斜角度と基準角度を示す図。
【図6】同実施形態における検体容器ホルダの動作を示す図。
【図7】同実施形態における検体容器ホルダ及び開放位置にあるカバー部を示す図。
【図8】同実施形態の血液分析装置の検体容器ホルダの動作を主として示す動作フローチャート。
【図9】同実施形態の血液分析装置の測定動作を示す動作フローチャート。
【図10】その他の変形実施形態における検体容器ホルダの断面図。
【図11】さらに別の変形実施形態における検体容器ホルダの動作を示す図。
【符号の説明】
【0073】
1 ・・・血液分析装置
T ・・・検体容器
2 ・・・サンプリングノズル
6 ・・・検体容器ホルダ
7 ・・・ホルダ駆動部
8 ・・・傾斜角度検出部
A ・・・傾斜角度調節機構
9 ・・・制御装置
92・・・角度比較部
93・・・ホルダ制御部
10・・・カバー部
11・・・ロック機構
θI ・・・傾斜角度
θB ・・・基準角度
【技術分野】
【0001】
この発明は、血液検体中に含まれる赤血球、白血球あるいは血小板などの成分を分析する血液分析装置に関し、特に、血液検体を収容している検体容器が設置される検体容器ホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の血液分析装置には、血液検体を収容する検体容器をセットした後に、その検体容器内の血液検体を混和せずに分析を行うもの(例えば特許文献1)と、検体容器内の血液検体を混和して分析を行うものとがある。このとき、混和は検体容器を転倒させることにより血液検体の混和を行っているので、混和を行うものであれば、検体容器の上部開口をフタによって閉塞していることが必要である。
【0003】
従来、血液分析装置には、混和を行う検体容器を設置する検体容器ホルダと、混和を行わない検体容器を設置する検体容器ホルダとの2種類の検体容器ホルダを有するものがある。
【0004】
しかしながら、2種類の検体容器ホルダを設けているので装置が肥大化してしまったり、機構が複雑になってしまったり、高価になってしまうという問題がある。また、いずれの検体容器ホルダに設置しても検体容器のフタの有無を確認する確認センサが必要である。この確認センサは検体容器の種類の違いによる様々なフタ形状を識別する必要があるので、高価になってしまうという問題がある。
【0005】
また、上部開口がフタによって閉塞されている検体容器のみを用いて分析する血液分析装置がある。この装置は、常に血液検体の混和を行うか、あるいは、使用者の操作により混和/非混和を選択するような構成になっている。
【0006】
しかしながら、検体容器のフタの有無を確認するための確認センサが必要になる。また、使用者の混和/非混和の選択ミスにより、混和しなければならないものを混和せずに分析したり、あるいは、混和する必要の無いものを混和して分析したりという誤作動の危険性もある。
【特許文献1】特開2004−4098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、簡単な構成でありながら検体容器の様々なフタ形状を識別する必要がなく、検体容器を設置するのと同時に、検体容器のフタの有無の確認及び混和の有無の設定を行うことができる血液分析装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る血液分析装置は、血液検体を収容する検体容器を保持する検体容器ホルダと、前記検体容器ホルダを略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部と、前記検体容器ホルダに設置された検体容器の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部と、前記ホルダ駆動部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置が、前記角度検出部から角度検出信号を受け付けて、その傾斜角度に応じて、前記検体容器内の血液検体の混和の有無を判断し、前記ホルダ駆動部を制御するものであることを特徴とする。なお、ここで「混和」とは、検体容器ホルダを軸線周りに回転させることによって検体容器の上部開口が少なくとも一回下方を向くように回転させること、ないし検体容器の上部開口を下方に向けることなく揺動させることを含む。
【0009】
このようなものであれば、検体容器の傾斜角度を検出することにより、血液検体の混和の有無及びフタの有無を認識するようにしているので、簡単にフタの有無を簡単に識別することができるようになる。また、検体容器を設置するのと同時に、検体容器のフタの有無の確認及び混和の有無の設定を行うことができるようになり、使用者の余分な操作に伴う誤操作を防ぐことができる。
【0010】
上記制御を実現するための具体的な実施の態様としては、前記制御装置が、前記傾斜角度検出部から角度検出信号を受け付けて、前記傾斜角度と予め定めた基準角度とを比較する角度比較部と、前記角度比較部から比較結果データを受け付けて、その比較結果に基づいて、前記検体容器内の血液検体を混和させた後に、略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御し、あるいは前記検体容器内の血液検体を混和させずに、前記検体容器が略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御するホルダ制御部と、を備えていることがある。
【0011】
使用者が検体容器を設置する際に、使用者によるフタの有無の確認を確実に行わせるためには、前記基準角度は、所定量の血液検体を収容した検体容器において、その開口を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器から血液検体が漏れ出る角度であることが望ましい。このようなものであれば、フタをしていない検体容器を転倒混和する角度範囲にセットすると血液検体が漏れ出るので、使用者に確認を促すことができる。
【0012】
また、血液検体を取り扱う分析装置であり、感染などの衛生上の問題を回避するためには、測定時において前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断するとともに、前記検体容器から漏れた血液検体を収容するカバー部をさらに備えていることが望ましい。
【0013】
さらに、装置の安全性を向上させるためには、前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部に開放している開放位置、又は前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断している閉塞位置において、前記カバー部をロックするロック機構を備えていることが望ましい。
【0014】
加えて、検体容器の設置を容易にするためには、前記検体容器ホルダに前記検体容器を設置する際に、前記検体容器が所望の傾斜角度となるように、前記検体容器ホルダを調節するための傾斜角度調節機構を備えていることが望ましい。
【0015】
前記傾斜角度検出部の具体的な実施の態様としては、傾斜角度検出部が、フォトインタラプタを用いたものであることが好ましい。
【0016】
装置の利便性を向上させるためには、前記検体容器ホルダが、異なる種類の検体容器を保持できるようにしていること
【発明の効果】
【0017】
このように本発明によれば、検体容器の傾斜角度を検出することにより、血液検体の混和の有無及びフタの有無を認識するようにしているので、簡単にフタの有無を簡単に識別することができるようになる。また、検体容器を設置するのと同時に、検体容器のフタの有無の確認及び混和の有無の設定を行うことができるようになり、使用者の余分な操作に伴う誤操作を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の血液分析装置に係る一実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係る血液分析装置1は、電気抵抗法により、WBC(白血球数)、RBC(赤血球数)、PLT(血小板数)、MCV(赤血球容積)、Hct(ヘマトクリット値)を測定し、またシアンメトヘモグロビン法における吸光光度法によりHgb(ヘモグロビン濃度)等を測定(CBC測定)するものである。
【0020】
血液分析装置1の基本構成は、図1に示すように、検体容器Tから血液検体を吸引等するサンプリングノズル2と、サンプリングノズル2により吸引された血液検体や希釈液等を収容して血液検体を測定するための測定セル3と、当該測定セル3内の血液検体を測定する血液測定部4と、血液測定部4からの測定データを受け付けて血液検体のWBC等の分析などを行う演算装置5と、を備えている。
【0021】
検体容器Tは、本実施形態においては樹脂製の円筒形状をなし、上部に開口T1を有している。この開口T1は、混和を行う血液検体を収容する場合には例えば樹脂製のフタCによって閉塞される。
【0022】
サンプリングノズル2は、略鉛直状態に保持された検体容器T内の血液検体を吸引及び吐出等するものであり、後述するノズル駆動部20により駆動されるものである。なお、図1中の25は、サンプリングノズル2の先端部外周面を洗浄するためのノズル洗浄器である。
【0023】
ノズル駆動部20は、水平方向に設けられた第1のタイミングベルト201と、第1のタイミングベルトを駆動するモータ202と、第1のタイミングベルト202に固定され水平方向に往復運動するハウジング203と、ハウジング203に鉛直方向に設けられた第2のタイミングベルト204と、第2のタイミングベルト204を駆動するためのモータ205とを備えている。そして、第2のタイミングベルト205にサンプリングノズル2が取り付けられており、第1のタイミングベルト201により水平方向に移動でき、第2のタイミングベルト204により上下方向に移動できるようにしている。
【0024】
測定セル3は、WBC(白血球数)及びHgb(ヘモグロビン濃度)を測定するためのWBC/Hgb測定セル31(以下、単にWBCセルという。)と、RBC(赤血球数)及びPLT(血小板数)を測定するためのRBC/PLT測定セル32(以下、単にRBCセルという。)とを備えている。
【0025】
WBCセル31においては、サンプリングノズル2により血液検体が注入され、希釈液容器(図示しない)からの希釈液により一次希釈された後、溶血液容器(図示しない)からの溶血液が注入され、WBC及びHgbが測定される。RBCセル32においては、サンプリングノズル2により一次希釈された血液検体が注入され、さらに希釈液容器(図示しない)からの希釈液により二次希釈され後に、RBC及びPLTが測定される。
【0026】
血液測定部4は、WBC測定部41と、Hgb測定部42と、RBC/PLT測定部43とを備えている。WBC測定部41は、WBCセル31に設けた例えば白金電極などの測定電極41a、41bによりWBCを測定する。Hgb測定部42は、WBCセル31の外部に設けたハロゲンランプなどの光源42aとWBCセル31を透過した光を検出する光検出器42bによりHgbを測定する。RBC/PLT測定部43は、RBCセル32に設けた例えば白金電極などの測定電極43a、43bによりRBC/PLTを測定する。
【0027】
演算装置5は、血液測定部4からの測定データを受け付けて、所定の演算を行い、測定セル3内の血液検体のWBC、RBC、PLT、MCV、Hctを分析するものである。
【0028】
しかして本実施形態の血液分析装置1は、図1に示すように、検体容器Tを保持する検体容器ホルダ6と、検体容器ホルダ6を略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部7と、検体容器ホルダ6に設置された検体容器Tのその鉛直状態からの傾斜角度θIを検出する傾斜角度検出部8と、ホルダ駆動部7を制御する制御装置9とを備えている。
【0029】
以下に各部を説明する。
【0030】
検体容器ホルダ6は、検体容器Tを保持するものであり、その形状は円盤状をなし、検体容器Tを取り付けて保持するための取付穴61と、検体容器Tのその鉛直状態からの傾斜角度θIを検出するための検出孔62とを有している。
【0031】
取付穴61は、その開口T1が検体容器ホルダ6の側周面に現れるように、径方向に延びている。そして、取付穴61の内壁部には、検体容器Tを押圧して取付穴61に固定するための固定部611を設けている。この固定部611には、例えばOリングを用いている。なお、本実施形態では、3種類の異なる容器形状の検体容器Tを保持できるように3つの取付穴61を設けている。
【0032】
検出孔62は、後述する光透過型フォトインタラプタにより検体容器Tの傾斜角度θIを検出するためのものであり、検体容器Tが鉛直状態、混和しない角度(非混和角度)範囲内で傾斜している状態、混和する角度(混和角度)範囲内で傾斜している状態を判別するためのものである。
【0033】
また、本実施形態の検体容器ホルダ6は、使用者が手動で回転可能に構成している。つまり、3種類の取付穴61のいずれかを選択するため、及びその取付穴61にセットする検体容器Tの傾斜角度θIを決定するために回転可能にしている。このとき、検体容器ホルダ6の回転操作を容易にする為に傾斜角度調節機構Aを設けている。
【0034】
傾斜角度調節機構Aは、検体容器ホルダ6に検体容器Tをセットする際に、検体容器Tが所望の傾斜角度θIとなるように検体容器ホルダ6を調節するためのものである。本実施形態では図2に示すように、検体容器ホルダ6の側周面に設けられた鍔部63である。これにより、所定の取付穴61を検体容器Tを転倒混和する角度範囲(混和角度範囲)と、転倒混和しない角度範囲(非混和角度範囲)とに使用者が手動で、回転移動させることができる。さらに、本実施形態では傾斜角度θIの設定を容易化するために、混和角度範囲内の所定角度及び非混和角度範囲内の所定角度において、クリップストップ機構によりクリックストップ感が生じるようにしている。
【0035】
ホルダ駆動部7は、検体容器ホルダ6を略水平方向に配される軸線(以下、回転軸線Lという。)周りに回転駆動するものである。言い換えれば、検体容器ホルダ6を略鉛直平面内で回転駆動するものである。その構成は、装置1本体に設けられたモータと、当該モータの回転を検体容器ホルダ6に伝達する伝達ギアと備えており、モータは後述する制御装置9のホルダ制御部93により制御される。そして、本実施形態では、この回転軸線Lは前記検体容器ホルダ6の中心軸線Mと一致している。さらに、検体容器ホルダ6にセットした検体容器Tの中心軸線Nが検体容器ホルダ6の中心軸線Mと交差するようにしている。
【0036】
傾斜角度検出部8は、検体容器ホルダ6に設置された検体容器Tのその鉛直状態からの傾斜角度θIを検出するものであり、光源としてのLEDと光検出器としてのフォトトランジスタとを用いた光透過型フォトインタラプタを用いている。つまり、LEDとフォトトランジスタとが、検体容器ホルダ6を挟んで離間対向して設置し、検体容器ホルダ6に設けた検出孔62との関係で傾斜角度θIを検出するものである。
【0037】
制御装置9は、傾斜角度検出部8からの角度検出信号に基づいてホルダ駆動部7を制御等するものである。その機器構成は図3に示すように、CPU901、内部メモリ902、入出力インタフェース903、AD変換器904等からなる汎用又は専用のコンピュータであり、前記内部メモリ902の所定領域に格納してあるプログラムに基づいてCPU901やその周辺機器等が作動することにより、図4に示すように、角度検出信号受付部91、角度比較部92、ホルダ制御部93、ノズル制御部94等として機能する。
【0038】
各部を詳述する。
【0039】
角度検出信号受付部91は、傾斜角度検出部8からの傾斜角度検出信号を受け付けて、角度比較部92に出力するものである。
【0040】
角度比較部92は、角度検出信号受付部91から出力された傾斜角度検出信号を受け付けて、検体容器Tの傾斜角度θIと予め定めた基準角度θBとを比較して、その比較結果データをホルダ制御部93に出力するものである。
【0041】
ここで、傾斜角度θIとは、図5に示すように、検体容器Tの鉛直状態における中心軸線N(鉛直軸線X)と傾斜している状態における中心軸線Nとのなす角度である。
【0042】
また、予め定めた基準角度θBとは、本実施形態においては、所定量の血液検体を収容した検体容器Tにおいて、その開口T1を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器Tの開口T1から血液検体が漏れ出る角度に設定している。つまり、所定量の血液検体を収容した検体容器Tにおいて、その開口T1を閉塞していないまま混和角度範囲の傾斜角度θIに傾けると、検体容器Tの開口T1から血液検体が漏れ出ることになる。これによって、使用者は検体容器Tを設置する際に、フタの有無の確認を行うことができる。
【0043】
ホルダ制御部93は、角度比較部92から比較結果データを受け付けて、その比較結果データに基づいてホルダ駆動部7を制御するものである。具体的には、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θBよりも大きい場合には、図6(A)に示すように、検体容器Tを転倒させて検体容器T内の血液検体を転倒混和させた後に、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御するものである。一方、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θBよりも小さい場合には、図6(B)に示すように、検体容器Tを転倒させることなく、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御するものである。なお、図6(A)、(B)において、矢印は検体容器Tの回転方向を示している。
【0044】
このとき、検体容器T内の血液検体を転倒混和させるとは、検体容器Tの上部開口T1が少なくとも一回下方を向く(真っ逆さまの状態)ように検体容器ホルダを回転させることにより、血液検体を混和することを意味している。
【0045】
ノズル制御部94は、ホルダ制御部93が検体容器ホルダ6の回転制御を終了し、検体容器ホルダ6が検体容器Tを略鉛直状態に保持している状態において、サンプリングノズル2に所定の動作をさせるために、ノズル駆動部20を制御するものである。
【0046】
上記の構成に加え、本実施形態の血液分析装置1は、図7に示すように、測定時において検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断するとともに、検体容器Tから漏れた血液検体を収容するカバー部10と、カバー部10を所定位置においてロックするロック機構11を備えている。
【0047】
カバー部10は、測定時において検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断するとともに、検体容器Tから流出した血液検体を収容するものである。具体的には、検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部に開放している開放位置と、検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断している閉塞位置との間で回転可能に、装置1のケーシング(図示しない)に設けられている。そして、開放位置及び閉塞位置のいずれにおいても検体容器Tから漏れた血液検体を収容できるように構成している。
【0048】
ロック機構11は、カバー部10が開放位置及び閉塞位置にあるときに、カバー部10が回転しないようにロックするものであり、ロック機構11としては、例えばラッチ機構を用いることができる。具体的な動作としては、ケーシング及びカバー部10に設けたラッチ機構(図示しない)により、カバー部10が開放位置又は閉塞位置にあるときにカバー部10が回転しないようにロックする。
【0049】
次にこのように構成した血液分析装置1の動作について図8及び図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0050】
まず、図8を参照して、検体容器ホルダ6の動作を主として示す。使用者は血液検体を収容した検体容器Tをセットする時に、検体容器ホルダ6を傾斜角度調節機構Aにより手動で回転して、検体容器Tの種類に合った取付穴61を所望の傾斜角度θIに設定して、検体容器Tを取付穴61に挿入する。
【0051】
そして、開放位置にあるカバー部10を閉塞位置に回転させて、検体容器T及び検体容器ホルダ6を外部から遮断する。その後、図示しない測定ボタンをオンにする(ステップSa1)。そうすると、傾斜角度検出部8が、検体容器Tの傾斜角度θIを検出して(ステップSa2)、その傾斜角度検出信号を角度検出信号受付部91が受け付け(ステップSa3)、角度比較部92に出力する。角度比較部92が傾斜角度θIと基準角度θBとを比較して(ステップSa4)、傾斜角度θIが基準角度θB以上か否かを判断して、その比較結果データをホルダ制御部93に出力する(ステップSa5)。
【0052】
この比較結果データに基づいてホルダ制御部93は、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θB以上である場合には、検体容器Tを転倒させて検体容器T内の血液検体を転倒混和させた後に、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御する(ステップSa6)。一方、検体容器Tの傾斜角度θIが基準角度θB未満の場合には、検体容器Tを転倒させることなく、検体容器Tが略鉛直状態となるようにホルダ駆動部7を制御する(ステップSa7)。
【0053】
以上の動作が終了した後、図9に示すように、初期位置にあるサンプリングノズル2は、検体容器ホルダ6により鉛直状態に保持された検体容器Tの上方に移動し(ステップSb1)、検体容器T内の血液検体(全血)を吸引する(ステップSb2)。その検体吸引後、サンプリングノズル2はWBCセル31の位置に移動し、WBCセル31内に血液検体を吐出する(ステップSb3)。一方、希釈液容器11内の希釈液が、WBCセル31内に所定量注入されて、血液検体の一次希釈が行われる(ステップSb4)。
【0054】
WBCセル31の位置にあるサンプリングノズル2は、前記一次希釈された血液検体を所定量吸引して(ステップSb5)、RBCセル32に移動し(ステップSb6)、前記吸引した一次希釈された血液検体をRBCセル32に吐出する(ステップSb7)。そして、希釈液容器11内の希釈液が、RBCセル32内に所定量注入され、血液検体の二次希釈が行われる(ステップSb8)。
【0055】
上記一次希釈及び二次希釈が終わった後、溶血液容器12内の溶血液がWBCセル31内に所定量注入され(ステップSb9)、WBC及びHgbの測定が行われるとともに、RBCセル32内では、RBC及びPLTの測定が行われ、そのときの測定データは、信号処理器を経て演算装置5に出力される(ステップSb10)。
【0056】
演算装置5においては、血液測定部4からの測定データに基づいてWBC、RBC、PLT、MCV、Hctを算出する。
【0057】
測定が終わると、一次希釈された血液検体及び二次希釈された血液検体は、測定セル3から廃液容器に排出され、WBCセル31とRBCセル32は希釈液及び洗浄液容器からの洗浄液で洗浄される(ステップSb11)。
【0058】
このように構成した本実施形態に係る血液分析装置1によれば、検体容器Tの傾斜角度θIを検出することにより、血液検体の混和の有無及びフタCの有無を認識するようにしているので、一般的な検体容器Tのフタ形状、容器形状のほぼ全てに対応することができるとともに、フタCの有無確認を簡便にすることができる。また、検体容器Tをセットする動作に、混和/非混和の選択の動作及び検体容器のフタの有無の確認を兼ねているので、使用者の余分な動作に伴う誤操作を防ぐことができるとともに、フタCの有無の確認を使用者に促すことができる。
【0059】
また、基準角度θBを、所定量の血液検体を収容した検体容器Tにおいて、その開口T1を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器Tの開口T1から血液検体が漏れ出る角度に設定しているので、フタCをしていない検体容器Tを転倒混和する角度範囲にセットすると血液検体が漏れ出るので、使用者に確認を促すことができる。
【0060】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0061】
例えば、図10に示すように、検体容器ホルダに、1種類の検体容器をセットするための角度の異なる2つの取付穴を設け、使用者が手動で回すことなく、挿入する取付穴によって、混和/非混和を認識するようにしても良い。
【0062】
また、前記実施形態では、検体容器をその上部開口が少なくとも一回下方を向くように回転させて血液検体を混和するものであったが、その他にも、図11に示すように、検体容器の上部開口を下方に向けることなく、単に揺動させて血液検体を混和するようにしても良い。
【0063】
さらに、前記実施形態では、傾斜角度が検体容器の鉛直状態を基準とするものであったが、この他にも、水平状態、基準角度にある状態、又は所定の傾斜角度にある状態を基準にしてもよい。つまり、角度検出部が、水平状態からの傾斜角度、基準角度にある状態からの傾斜角度、又は所定の傾斜角度にある状態からの傾斜角度を検出するようにすることもできる。基準角度にある状態からの傾斜角度を検出するものであれば、傾斜角度を検出するだけで、比較をすることなく混和、非混和を判断することができる。
【0064】
例えば、角度検出部が、水平状態からの傾斜角度を検出するものであれば、ホルダ制御部は、以下のように、ホルダ駆動部を制御する。つまり、角度比較部から比較結果データを受け付けて、水平状態からの傾斜角度が、基準角度より小さい場合には、検体容器内の血液検体を転倒混和させた後に、検体容器が略鉛直状態となるようにホルダ駆動部を制御し、傾斜角度が基準角度より大きい場合には、検体容器内の血液検体を転倒混和させずに、検体容器が略鉛直状態となるようにホルダ駆動部を制御する。
【0065】
加えて、どの方向からでも、検体容器を挿し込むことができる検体容器ホルダを用いるようにしても良い。
【0066】
その上、前記実施形態において傾斜角度検出部は光透過型フォトインタラプタを用いたものであったが、その他にも、光反射型フォトインタラプタを用いても良いし、ロータリーエンコーダ等を用いても良い。
【0067】
更にその上、前記実施形態では、円盤型の検体容器ホルダを用いたが、その他にも検体容器を把持するようなものであっても良い。
【0068】
また、前記実施形態では、測定ボタンをオンにしてから傾斜角度検出部が検体容器の傾斜角度を検出するようにしているがこれに限られず、検体容器ホルダの取付穴に検体容器を挿入する時、あるいはカバー部により検体容器及び検体容器ホルダを外部から遮断した時に傾斜角度を検出するようにしても良い。
【0069】
上記に加えて、前記実施形態では、ロック機構はラッチ機構を用いたものであったが、その他ソレノイド等を用いたものであっても良い。その構成は例えば、カバー部10に設けた係止孔101に挿入される固定棒と、固定棒を係止孔101に対して着脱させる固定棒駆動部とからなる。固定棒駆動部は、カバー部10を固定させる場合には、固定棒を係止孔に挿入し、カバー部10を固定しない場合には、固定棒を係止孔101から抜くように、固定棒を駆動するものである。
【0070】
前記実施形態では、血液検体の分析等を行う演算装置と、検体容器ホルダの制御等を行う制御装置とを別々に設けているが、1つの情報処理装置により血液検体の分析及び検体容器ホルダの制御等を行うようにしても良い。
【0071】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の血液分析装置に係る一実施形態を示す構成模式図
【図2】同実施形態における検体容器ホルダの斜視図。
【図3】同実施形態における制御装置の機器構成図。
【図4】同実施形態における制御装置の機能構成図。
【図5】検体容器の傾斜角度と基準角度を示す図。
【図6】同実施形態における検体容器ホルダの動作を示す図。
【図7】同実施形態における検体容器ホルダ及び開放位置にあるカバー部を示す図。
【図8】同実施形態の血液分析装置の検体容器ホルダの動作を主として示す動作フローチャート。
【図9】同実施形態の血液分析装置の測定動作を示す動作フローチャート。
【図10】その他の変形実施形態における検体容器ホルダの断面図。
【図11】さらに別の変形実施形態における検体容器ホルダの動作を示す図。
【符号の説明】
【0073】
1 ・・・血液分析装置
T ・・・検体容器
2 ・・・サンプリングノズル
6 ・・・検体容器ホルダ
7 ・・・ホルダ駆動部
8 ・・・傾斜角度検出部
A ・・・傾斜角度調節機構
9 ・・・制御装置
92・・・角度比較部
93・・・ホルダ制御部
10・・・カバー部
11・・・ロック機構
θI ・・・傾斜角度
θB ・・・基準角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液検体を収容する検体容器を保持する検体容器ホルダと、
前記検体容器ホルダを略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部と、
前記検体容器ホルダに設置された検体容器の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部と、
前記ホルダ駆動部を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置が、前記角度検出部から角度検出信号を受け付けて、その傾斜角度に応じて、前記検体容器内の血液検体の混和の有無を判断し、前記ホルダ駆動部を制御するものである血液分析装置。
【請求項2】
前記制御装置が、前記傾斜角度検出部から角度検出信号を受け付けて、前記傾斜角度と予め定めた基準角度とを比較する角度比較部と、
前記角度比較部から比較結果データを受け付けて、その比較結果に基づいて、前記検体容器内の血液検体を混和させた後に、略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御し、あるいは前記検体容器内の血液検体を混和させずに、前記検体容器が略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御するホルダ制御部と、を備えている請求項1記載の血液分析装置。
【請求項3】
前記基準角度が、所定量の血液検体を収容した検体容器において、その開口を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器から血液検体が漏れ出る角度であることを特徴とする請求項2記載の血液分析装置。
【請求項4】
測定時において前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断するとともに、前記検体容器から漏れた血液検体を収容するカバー部をさらに備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の血液分析装置
【請求項5】
前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部に開放している開放位置、又は前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断している閉塞位置において、前記カバー部をロックするロック機構を備えていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の血液分析装置。
【請求項6】
前記検体容器ホルダに前記検体容器を設置する際に、前記検体容器が所望の傾斜角度となるように、前記検体容器ホルダを調節するための傾斜角度調節機構を備えている請求項1、2、3、4又は5記載の血液分析装置。
【請求項7】
傾斜角度検出部が、フォトインタラプタを用いたものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の血液分析装置。
【請求項8】
前記検体容器ホルダが、異なる種類の検体容器を保持できるようにしていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の血液分析装置。
【請求項1】
血液検体を収容する検体容器を保持する検体容器ホルダと、
前記検体容器ホルダを略水平方向に配される軸線周りに回転駆動するホルダ駆動部と、
前記検体容器ホルダに設置された検体容器の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部と、
前記ホルダ駆動部を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置が、前記角度検出部から角度検出信号を受け付けて、その傾斜角度に応じて、前記検体容器内の血液検体の混和の有無を判断し、前記ホルダ駆動部を制御するものである血液分析装置。
【請求項2】
前記制御装置が、前記傾斜角度検出部から角度検出信号を受け付けて、前記傾斜角度と予め定めた基準角度とを比較する角度比較部と、
前記角度比較部から比較結果データを受け付けて、その比較結果に基づいて、前記検体容器内の血液検体を混和させた後に、略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御し、あるいは前記検体容器内の血液検体を混和させずに、前記検体容器が略鉛直状態となるように前記ホルダ駆動部を制御するホルダ制御部と、を備えている請求項1記載の血液分析装置。
【請求項3】
前記基準角度が、所定量の血液検体を収容した検体容器において、その開口を閉塞せずに傾斜させたときに、当該検体容器から血液検体が漏れ出る角度であることを特徴とする請求項2記載の血液分析装置。
【請求項4】
測定時において前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断するとともに、前記検体容器から漏れた血液検体を収容するカバー部をさらに備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の血液分析装置
【請求項5】
前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部に開放している開放位置、又は前記カバー部が前記検体容器及び前記検体容器ホルダを外部から遮断している閉塞位置において、前記カバー部をロックするロック機構を備えていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の血液分析装置。
【請求項6】
前記検体容器ホルダに前記検体容器を設置する際に、前記検体容器が所望の傾斜角度となるように、前記検体容器ホルダを調節するための傾斜角度調節機構を備えている請求項1、2、3、4又は5記載の血液分析装置。
【請求項7】
傾斜角度検出部が、フォトインタラプタを用いたものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の血液分析装置。
【請求項8】
前記検体容器ホルダが、異なる種類の検体容器を保持できるようにしていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の血液分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−248405(P2007−248405A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75962(P2006−75962)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】
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