説明

血液分離シリンダ

【課題】血液分離シリンダの内部に分離されてある血漿又は血清の一部が、ガスケットへ押し戻されてしまうという問題がなく、かつ血液分離膜ガスケット内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダへ送り出すことができる血液分離シリンダを提供する。
【解決手段】血液分離膜によって分離された血球及び細胞成分と血漿又は血清とを隔離するゴム製または軟質エラストマー製の平板状の逆止弁21を備えた弁ケース12を、樹脂製の血液分離シリンダ11本体の先端に設け、内部に血液分離膜31を収納した血液分離膜ガスケット13を、血液分離膜31が当該弁ケース12に近接するよう血液分離シリンダ11本体の先端に取り付けてなる血液分離シリンダ11であって、逆止弁21に設けたスリットが、逆止弁21の適所において逆止弁21の膜厚に対して傾斜して形成したことを特徴とする血液分離シリンダ11である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血液分離シリンダに関する。特に、血液検査のため、個人が採取した血液を所定のハウジング中に収納した後に、血球及び細胞成分と血漿又は血清に分離するのに用いる血液分離シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の血液分離シリンダは、ハウジングの内壁に密着して挿入される形状を有し、血液分離膜を備えたガスケットを、先端部に設けてある。そして、所定のハウジング中に血液が収納された状態で、上方からハウジングの開口部を通して血液分離シリンダを挿入し、下方へ押圧する。すると、収納されている血液は、血液分離シリンダの先端部に設けられた血液分離膜によって、血球及び細胞成分と血漿又は血清に分離されて、血球及び細胞成分は血液分離膜の中または、その下方に残り、他方、血漿又は血清は血液分離膜より上方に移動し、血液分離シリンダの内部に浮上する。しかしながら、この状態を放置すると、分離された血漿又は血清が下方へ戻ろうとし、時間が経過すると、血液分離シリンダ内部の血漿又は血清の量が減少してしまう。
【0003】
したがって、分離後直ちに血球及び細胞成分と血漿又は血清を隔離しなければならない。隔離するために、従来は、先端に設けた内栓押圧棒を血液分離シリンダの開口部を通して、ユーザーが手で挿入し、円板状のゴム製またはエラストマー製の内栓を血液分離膜の上部まで押し込んで血球及び細胞成分と血漿又は血清とを隔離しようとしていた。
【0004】
しかしながら、内栓押圧棒をユーザーが手で押し込むと、血液分離シリンダ自体もハウジングへ押し込む結果となり、血液分離シリンダの下部とハウジングの間に残留している血液に過大な圧力が加わり、血液分離膜がはずれたり、破損したりしてしまう。すると、一時分離された血漿又は血清が流動して血漿と混合してしまい、いわゆる「客血」してしまい、正確な血液検査ができないという問題が生ずる。
【0005】
また、血液分離シリンダがハウジングの所定の位置まで押し込まれていても、血液分離シリンダの開口を通して内栓押圧棒を所定の位置まで押し込むと、その先端の内栓によって、血液分離シリンダの内部に分離されている血漿又は血清の一部が、ガスケットへ押し戻されてしまう。すると、血液検査に用いる血漿又は血清の量が不足してしまい、正確な血液検査ができないという問題が生ずる。
【0006】
また、内栓押圧棒を各ユーザーが手で押圧するため、押圧に個人差が生じ、押圧が不十分となり、血液分離膜より上方に集められる血漿又は血清の量が不足し、測定に必要な検体が確保できないという問題が発生する。
【0007】
そこで、血液分離膜を有する血液分離シリンダにおいて、血液分離膜によって分離された血球及び細胞成分と血漿又は血清とを隔離するゴム製または軟質エラストマー製の逆止弁を備えた内栓を、樹脂製の血液分離シリンダ本体の先端に設け、血液分離膜が当該内栓に近接するように血液分離膜ガスケットを血液分離シリンダ本体の先端に取り付けることにより、上記課題を解決しようとする試みが特開2010−261932号公報(特許文献1参照)において行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−261932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、実際に血液分離シリンダを血液の分離に用いた実験によると、血液分離膜ガスケット内の血液分離膜が圧縮圧力によって血液分離膜ガスケットの開口端部から、図4に示す矢印方向へ押し出されてしまったり、該開口端部で変形して充分な圧力がかからず、したがって血液分離膜ガスケット内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダへ送り出すことができないという問題が見つかった。
したがってこの発明は、前記弁ケースの逆止弁のスリット(切込み)を改良し、血液分離シリンダの内部に分離されてある血漿又は血清の一部が、ガスケットへ押し戻されてしまうという問題のない血液分離シリンダを提供しようとするものである。
またこの発明は、血液分離膜が圧縮圧力によって血液分離膜ガスケットの開口端部から押し出されてしまったり、該開口端部で変形して充分な圧力がかからず、したがって血液分離膜ガスケット内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダへ送り出すことができないという上記のような問題がなく、血液分離膜ガスケット内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダへ送り出すことができる血液分離シリンダを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため本発明の血液分離シリンダは、血液分離膜によって分離された血球及び細胞成分と血漿又は血清とを隔離するゴム製または軟質エラストマー製の平板状の逆止弁を備えた弁ケースを、樹脂製の血液分離シリンダ本体の先端に設け、血液分離膜ガスケットをその内部に収納した血液分離膜が当該弁ケースに近接するよう前記血液分離シリンダ本体の先端に取り付けてなる血液分離シリンダであって、
前記逆止弁に設けたスリットが、逆止弁の適所において逆止弁の膜厚に対して傾斜して形成したことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る血液分離シリンダにおいて、前記逆止弁に傾斜して設けたスリットが、逆止弁の両側に所定の間隔で一対形成され、かつ逆止弁の膜厚に対して下部側が近接するよう傾斜して形成されていることをも特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る血液分離シリンダにおいて、前記逆止弁に傾斜して設けたスリットが、逆止弁の厚さ方向(a)に対して約30°傾斜して形成されていることをも特徴とするものである。
もちろん約30°の傾斜を基本として、圧縮圧力の強弱に応じて傾斜角を変えることが望ましい。
【0013】
本発明に係る血液分離シリンダにおいて、前記血液分離膜ガスケットが前記弁ケースとは反対側の開口端部に、架橋部を設けられていることをも特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係る血液分離シリンダにおいて、前記血液分離膜ガスケットの開口端部に設けた架橋部が、前記開口端部に十字状に形成されていることをも特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明に係る血液分離シリンダにおいて、前記血液分離膜ガスケットの開口端部に設けた架橋部が、さらにその外面に所定の間隔で突起を形成されていることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明は弁ケースの逆止弁のスリット(切込み)を改良したので、前記血液分離シリンダの内部に分離されてある血漿又は血清の一部が、ガスケットへ押し戻されてしまうという問題のない血液分離シリンダを提供することが可能となった。
【0017】
また、本発明の血液分離シリンダは、比較的安価であるとともに、ユーザーの操作が簡単であり、個人差がほとんど生じることなしに、検査に必要な量の血漿又は血清が所定期間確保されるという効果が得られる。
さらに、この血液分離シリンダを用いれば、血液検査用の血漿又は血清を、ユーザー自身が自宅等で場所を選ばず、簡単に採取することができる。したがって、多数回の血液検査を行うことを助け、可能とすることができる。
【0018】
請求項4の発明は血液分離膜ガスケットの開口端部に架橋部を設けるよう改良したので、血液分離膜が圧縮圧力によって血液分離膜ガスケットの開口端部から押し出されてしまったり、該開口端部で変形して充分な圧力がかからず、したがって血液分離膜ガスケット内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダへ送り出すことができないという問題がなく、血液分離膜ガスケット内の前記血液成分を、例えば約200μl中190μl程度という、非常に効率的に血液分離シリンダへ送り出すことができる血液分離シリンダを提供することが可能となった。
【0019】
また、本発明の血液分離シリンダは、比較的安価であるとともに、ユーザーの操作が簡単であり、個人差がほとんど生じることなしに、検査に必要な量の血漿又は血清が所定期間確保されるという効果が得られる。
さらに、この血液分離シリンダを用いれば、血液検査用の血漿又は血清を、ユーザー自身が自宅等で場所を選ばず、簡単に採取することができる。したがって、多数回の血液検査を行うことを助け、可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の血液分離シリンダの全体構造を示す要部切断断面図である。
【図2】ねじ付きキャップ部分の拡大断面図である。
【図3】ねじ付きキャップと血液分離シリンダのかみ合わせ面を示す要部拡大断面図である。
【図4】血液分離膜ガスケット部分の概略断面図である。
【図5】その要部拡大断面図である。
【図6】(a)は弁ケース部分の拡大平面図、(b)はその拡大概略断面図である。
【図7】(a)は逆止弁を備えた弁ケース部分の拡大平面図、(b)はその拡大概略断面図である。
【図8】血液分離膜ガスケット部分の拡大断面図である。
【図9】血液分離膜ガスケットに収納する筒状ホルダの斜視図である。
【図10】血液分離膜ガスケット部分の底面図である。
【図11】血液分離膜ガスケット部分の他の例を示す拡大断面図である。
【図12】その底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の血液分離シリンダの実施の形態を示す説明図である。
血液分離シリンダ11を収納するボトル10の後端には、ねじ付きキャップ14が取り付けてある。また、該ねじ付きキャップ14の内面には雌ねじ61が切ってあり、前記ボトル10の上部外面に設けられている雄ねじ62と螺合する。
【0022】
なお、前記ボトル10に収納する血液分離シリンダ11の上部側面には、少なくとも対向して一対の開口部63が設けてあり、該開口部63の上端はそれぞれアーチ片64が形成されている。
前記開口部63およびアーチ片64は、血液分離シリンダ11を収納するボトル10にねじ付きキャップ14をねじ込む際に、血液分離シリンダ11内の空気を逃がすためのものであり、後述の逆止弁21にかかる負荷を調整する役目も有している。
【0023】
図3は、ねじ付きキャップ14と血液分離シリンダ11のかみ合わせ面を示すものである。
すなわち、ねじ付きキャップ14の内側に一体的に形成した丸棒状の密栓65端部の周囲には、先端に向かって薄肉となる密着部66が形成してあり、該密着部66の径を血液分離シリンダ11の下方に向かって狭まるように形成した最下部の段部67よりもやや大きめに形成してある。そして前記密栓65端部の密着部66は、ねじ付きキャップ14と血液分離シリンダ11のかみ合わせ面よりもやや突き出るよう形成されている。
したがってこの最下部の段部67に前記丸棒状の密栓65先端の密着部66を押し込むことにより、両者は密着して血液分離シリンダ11内を確実に加圧することができる。
もちろん、前記段部67の傾斜角や傾斜部分の長さ等によっても、後述の逆止弁21にかかる負荷を調整することができる。
【0024】
前記樹脂製の血液分離シリンダ11の先端には、後述の血液分離膜によって分離された血球及び細胞成分と血漿又は血清とを隔離するための、ゴム製または軟質エラストマー製の平板状の逆止弁21を備えた弁ケース12が、血液分離シリンダ11と一体的に設けてある。
また、内蔵した前記血液分離膜が当該弁ケース12に近接するように、ゴム製または軟質エラストマー製で容器状をなす血液分離膜ガスケット13を血液分離シリンダ11の本体先端に装着してある。
【0025】
図4および図5は前記血液分離膜ガスケット13内の部分拡大図であり、前記血液分離膜ガスケット13内部の筒状ホルダ30内には前記血液分離膜31が複数層に重ねられて収納され、また前記血液分離シリンダ11の下端と前記血液分離膜ガスケット13上端の突条32との間に別途血液分離膜33を介在させた上、前記平板状の逆止弁21を備えた弁ケース12を取り付けてある。
【0026】
前記平板状の逆止弁21は、その適所において該逆止弁21の膜厚に対して傾斜して形成されたスリット22を備えている。そしてこの傾斜して形成されたスリット22は、前記血液分離膜31によって分離された血球及び細胞成分と血漿又は血清とを隔離し、血漿又は血清が逆行しないよう逆止弁21としての機能を発揮させるためのものである。
すなわち、この逆止弁21によって、下から上へ向かう液流を通すが、逆に上から下へ向かう液流を遮断する。
【0027】
図6(a),(b)は前記弁ケース12を表わすものであり、該弁ケース12は前記平板状の逆止弁21を収納保持する皿状でその底部には開口部23が形成されており、開口部23の周囲には前記平板状の逆止弁21を保持するフランジ部24が設けられている。
【0028】
図7(a),(b)は前記弁ケース12に前記平板状の逆止弁21を収納保持した状態を表わすものであり、前記平板状の逆止弁21には、円形をなす該逆止弁21の両側に所定の間隔でスリット22−1,22−2が一対形成されている。
また、前記平板状の逆止弁21の膜厚に対して傾斜して形成された当該スリット22−1,22−2は、前記逆止弁21の膜厚に対して下部側が近接するよう形成されている。
【0029】
しかも、前記逆止弁21の膜厚に対して傾斜して形成されたスリット22−1,22−2は、それぞれ約30°の角度に傾斜して設けられている。
このスリット22−1,22−2を前記逆止弁21の膜厚に対して傾斜して形成すること、またその傾斜が約30°の角度が好適であることは、本発明者の長期間にわたる研究の成果である。
【0030】
前期実施例によれば、弁ケース12の逆止弁21のスリット(切込み)を改良したので、前記血液分離シリンダ11の本体側に分離されてある血漿又は血清の一部が、前記血液分離膜ガスケット13の内部へ移行するという問題のない血液分離シリンダを提供することが可能となった。
【0031】
前記血液分離膜ガスケット13の筒状の内部に複数層に重ねて収納された前記血液分離膜31としては、中空糸膜からなる精密濾過膜(Microfiltlation Membrane=MF膜)が好適であり、孔の大きさが概ね50ナノメートルから10マイクロメートルの膜が使用できる。
【0032】
図8ないし図12に基いて、この発明の血液分離シリンダの他の実施例の要部について詳細に説明する。
図8ないし図10の実施例において、前記血液分離膜ガスケット13は、前記弁ケース12とは反対側の開口端部71に、ほぼ十字の形状に形成された架橋部72が設けられている。もちろん、1本の棒状でも、開口端部71の中心から放射状に3本、あるいは放射状に5本以上からなる架橋部72であっても構わない。そして、前記各架橋部72の間は当然開口端部71の上下に貫通している。
なお、図において73は、開口端部71内側の周囲に立ち上げたリング状のスペーサで、前記血液分離膜ガスケット13の開口端部71と筒状ホルダ74内の前記血液分離膜31とが密着しないようにするためのものである。
【0033】
以上のように、前記開口端部71にほぼ十字の形状に形成された架橋部72を設けておくことにより、前記血液分離膜31が圧縮圧力によって血液分離膜ガスケット13の開口端部71から押し出されてしまったり、該開口端部71で変形して充分な圧力がかからず、したがって血液分離膜ガスケット13内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダ11へ送り出すことができないという問題が解消できた。
それに伴い、血液分離膜ガスケット13内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダ11へ送り出すことができて、検査に必要かつ充分な量の血清が確保できるようになり、実用的な血液分離シリンダを提供することができるようになった。
【0034】
図9は筒状ホルダ74を示すものであり、この筒状ホルダ74も前記弁ケース12側の端部に、ほぼ十字の形状に形成された架橋部75が設けられている。もちろん、1本の棒状でも、中心から放射状に3本、あるいは放射状に5本以上からなる架橋部75であっても構わない。そして、前記各架橋部75の間は当然前記弁ケース12側の端部の上下に貫通している。
図において76は、前記血液分離シリンダ11下端の弁ケース12の外周に突設した突起(図示せず)を係合して、筒状ホルダ74を前記血液分離シリンダ11下端の弁ケース12と連結するためのフックである。
【0035】
図11および図12の実施例において、前記血液分離膜ガスケット13は、前記弁ケース12とは反対側の開口端部81に、ほぼ十字の形状に形成された架橋部82が設けられている。そして、前記各架橋部82の間は当然開口端部81の上下に貫通している。
この実施例においては、前記架橋部82の外面(下側の面)のほぼ中央に突起83が形成されており、圧縮加圧の際の前記血液分離膜31にかかる圧力の調整を行うようになっている。もちろん前記突起83を前記架橋部82の外面(下側の面)の各架橋部82の中間部分の適所にも配置することができる。
なお、図において84は、開口端部81内側の周囲に立ち上げたリング状のスペーサで、前記血液分離膜ガスケット13の開口端部81と、該血液分離膜ガスケット13に収納した筒状ホルダ85内の前記血液分離膜31とが密着しないようにするためのものである、
【0036】
以上のように、前記開口端部81に形成された架橋部82上に突起83を設けておくことにより、前記血液分離膜31に必要かつ充分な圧力がかかるようになった。
それに伴い、血液分離膜ガスケット13内の前記血液成分を効果的に血液分離シリンダ11へ送り出すことができて、検査に必要かつ充分な量の血清が確保できるようになり、実用的な血液分離シリンダを提供することができるようになった。
【0037】
本発明の血液分離シリンダは、上記の構造のため、比較的安価であるとともに、ユーザーの操作が簡単であり、個人差がほとんど生じることなしに、検査に必要な量の血清が所定期間確保されるという効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この血液分離シリンダを用いれば、血液検査用の血清を、ユーザー自身が自宅等で場所を選ばず、簡単に採取することができる。したがって、多数回の血液検査を行うことを助け、可能とすることができる。
【符号の説明】
【0039】
10 ボトル
11 血液分離シリンダ
12 弁ケース
13 血液分離膜ガスケット
14 ねじ付きキャップ
21 逆止弁
22、22−1,22−2 スリット
23 開口部
24 フランジ部
30 筒状ホルダ
31 血液分離膜
32 突条
33 血液分離膜
61 雌ねじ
62 雄ねじ
63 開口部
64 アーチ片
65 密栓
66 密着部
67 段部
71 開口端部
72 架橋部
73 リング状のスペーサ
74 筒状ホルダ
75 架橋部
76 フック
81 開口端部
82 架橋部
83 突起
84 スペーサ
85 筒状ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液分離膜によって分離された血球及び細胞成分と血漿又は血清とを隔離するゴム製または軟質エラストマー製の平板状の逆止弁を備えた弁ケースを、樹脂製の血液分離シリンダ本体の先端に設け、内部に血液分離膜を収納した血液分離膜ガスケットを、前記血液分離膜が当該弁ケースに近接するよう前記血液分離シリンダ本体の先端に取り付けてなる血液分離シリンダであって、
前記逆止弁に設けたスリットが、逆止弁の適所において逆止弁の膜厚に対して傾斜して形成したことを特徴とする血液分離シリンダ。
【請求項2】
前記逆止弁に傾斜して設けたスリットは、逆止弁の両側に所定の間隔で一対形成され、かつ逆止弁の膜厚に対して下部側が近接するよう傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の血液分離シリンダ。
【請求項3】
前記逆止弁に傾斜して設けたスリットは、逆止弁の厚さ方向(a)に対して約30°傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の血液分離シリンダ。
【請求項4】
前記血液分離膜ガスケットは、前記弁ケースとは反対側の開口端部に、架橋部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の血液分離シリンダ。
【請求項5】
前記血液分離膜ガスケットの開口端部に設けた架橋部は、前記開口端部に十字状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の血液分離シリンダ。
【請求項6】
前記血液分離膜ガスケットの開口端部に設けた架橋部は、さらにその外面に所定の間隔で突起を形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の血液分離シリンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−185146(P2012−185146A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151209(P2011−151209)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(511040492)株式会社雅精工 (1)
【Fターム(参考)】