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血液悪性疾患の処置のための方法および組成物
説明

血液悪性疾患の処置のための方法および組成物

【課題】治療投与形態のための製造過程を容易にし得る、化合物の形態を提供する。
【解決手段】化合物1式(1)および/またはその互変異性体の有機酸塩および溶媒和物。塩の保存安定性が増強される炭水化物を含む組成物。ならびに、患者に治療有効量の化合物1および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物を投与することを含む、血液悪性疾患を有する患者の治療のための方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
N−6シクロプロピルPMEDAP(「cpr−PMEDAP」)は、様々な腫瘍細胞系統に対して、インビトロ細胞培養において抗増殖性効果および分化誘導効果をもたらすのに有効であることが示された(非特許文献1)。しかし、cpr−PMEDAPおよび他のN6−置換PMEDAP化合物を、近交系Sprague−Dawleyラットの血液悪性疾患のインビボモデルにおいて採用した場合(非特許文献2)、著者らは、「高い毒性」のために、「2,6−ジアミンプリン環の6位で置換された非環式ヌクレオシドリン酸塩は、血液悪性疾患の治療のための有望な薬剤ではないようである」と結論付けた。
【0002】
cpr−PMEDAPの様々なビス−およびモノ−アミノ酸アミデートエステル(およびその抗増殖性薬剤としての使用)が開示された。特許文献1を参照のこと。特許文献2は、毒性が減少した、血液悪性疾患を治療するために有用な、メトキシホスホネートヌクレオチドアナログプロドラッグをスクリーニングするための方法を開示する。
【0003】
血液悪性疾患は、血液細胞および/またはその前駆細胞の増殖障害と広く定義され、ここでこれらの細胞は制御不能な様式で増殖する。解剖学的に、血液悪性疾患は2つの主なグループ:リンパ腫(主に(しかし、全てではない)リンパ節中の、リンパ球細胞の悪性の塊)および白血病(代表的にはリンパ球または骨髄細胞由来の新生物であり、主に骨髄および末梢血に影響を及ぼす)に分けられる。リンパ腫は、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫(NHL)にさらに分けられ得る。後者のグループは数種の異なる存在を含み、それは臨床的に(例えば高悪性度のリンパ腫、低悪性度のリンパ腫)、組織学的に(例えば濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫)、または悪性細胞の起源に基づいて(例えばBリンパ球、Tリンパ球)、区別され得る。白血病および関連する悪性腫瘍は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)を含む。他の血液悪性疾患は、多発性骨髄腫を含む形質細胞障害、および骨髄異形成症候群を含む。
【0004】
イマチニブ(Gleevec(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))およびリツキシマブ(Rituxin(登録商標))のような新規薬剤の導入は、数種の血液悪性疾患の予後を改善したが、新規の有効な治療に対する、満たされていない医学的必要性が存在する。例えば、過去50年間に米国においてNHLの発症率が大幅に上昇したことから、治療抵抗性/再発性NHLに罹患する患者に対する、満たされていない医学的必要性が存在する。
【0005】
白血病は、より患者数が少ない。しかし、例えば急性骨髄性白血病(AML)および慢性リンパ性白血病(CLL)の治療に関して、低い5年生存率によって示されるように、実質的に満たされていない医学的必要性が存在する。
【0006】
既存の治療様式に対して、改善した治療域を有する、多特異的または広く活性な代謝拮抗薬剤に関する必要性が存在し、それを独立した単剤療法として、または他の治療と組み合わせて使用し得る。ほとんどの代謝拮抗剤は、DNA合成に関与する酵素(例えば、チミジンまたはプリン生合成に関与する酵素)を妨害し、そして/または新たに合成されたDNAに組み込まれる。核酸塩基、ヌクレオシド、およびヌクレオチドアナログは、有効な細胞毒性薬剤の重要なクラスであり、そして白血病およびリンパ腫の治療に広く使用される。これらの薬剤のうちの数種(5−フルオロウラシル、カペシタビン、および特にゲムシタビン)はまた、固形腫瘍の治療に対しても使用される。三種のアデノシンアナログ(フルダラビン、クラドリビン、およびクロファラビン)は、それぞれCLL、ヘアリーセル白血病、および小児ALLの治療に用いられる。プリンアナログであるペントスタチン(2’−デオキシコホルマイシン)、アデノシンデアミナーゼの阻害剤は、リンパ性悪性腫瘍に対する臨床的活性を有する。ネララビンは、デオキシグアノシンアナログara−Gのプロドラッグであり、それはプリンヌクレオシドホスホリラーゼによる異化作用に対して抵抗性であり、そしてT細胞悪性腫瘍に対して活性を示す。ピリミジンアナログの中で、シタラビン(ara−C)が評価されている;それは多くの血液悪性疾患において活性であり、そして急性骨髄性白血病の治療において使用される薬剤の1つである。
【0007】
しかし、既存の治療は、例えば安全性、有効性、および使用の容易さに関して限界を有する。治療が最初は成功し、次いで時間が経つにつれて血液悪性疾患が頻繁に再発することは珍しいことではない。
【0008】
従って、このクラスの既存の化合物に対して、改善した治療濃度域、および/または優れた有用性を有する、新規ヌクレオシド/ヌクレオチドに対する必要性が依然として存在する。
【0009】
出願人は、改善したPKおよび負荷、改善した治療域および/またはより低い薬剤耐性を有する、血液悪性疾患の治療のために適当な化合物を探索した。特に、血液細胞、特にPBMCに集中する化合物を同定することが所望された。これらの標的細胞に上記化合物を集中させることは、この化合物への患者の他の組織の暴露を低減することによって、治療域を広げることが期待される。
【0010】
特許文献1は、構造1を有する化合物を開示する:
【0011】

本発明は、化合物1に関連する。本発明はまたそのジアステレオマーに関連し、ここでそのリン原子上で置換されたビスアミノ酸はLアミノ酸であり、そしてそのようなジアステレオマーは実質的にDアミノ酸を含まない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第05/066189号パンフレット
【特許文献2】国際公開第02/008241号パンフレット
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Naessensら、Biochem.Pharmacol.1999年7月15日;58(2):311−23
【非特許文献2】Valerianovaら、Anticancer Res.2001年5−6月;21(3B):2057−64
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来、式1の化合物は、遊離塩基として用いられてきた。しかし、出願人は、上記遊離塩基は吸湿性であるため、この遊離塩基は投与形態への処方のために商業的に最適でないと見出した。よって、出願人は治療投与形態のための製造過程を容易にし得る、化合物1の形態を探索した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の要旨)
出願人は、cpr−PMEDAPビスアミデートクラスの化合物のアミノ酸エステルのカルボキシル基上のアルキルエステルの性質が、この化合物をPBMCへ選択的に分布させるのに役立つことを見出した。予想外にも、ビス(エチル)エステル(すなわち化合物1)の投与は、血漿に対するcpr−PMEDAPのPBMCへの高度に選択的な分布をもたらすことが見出された。その分布は、別の密接に関連したビス(イソプロピル)エステルで得られるものよりはるかに顕著であった。それに加えて、化合物1の有機酸塩が、遊離塩基よりも吸湿性が低く、それによって化合物1を含む生成物の製造を容易にすることが見出された。最後に、これらの塩の安定性が(特に非経口処方において)、処方物中に炭水化物を含むことによって増強されることが見出された。
【0016】
よって、本発明の1つの実施態様は、化合物1および/またはその互変異性体の有機酸塩および溶媒和物である。
【0017】
本発明の別の実施態様は、(a)化合物1および/またはその互変異性体の有機酸塩および溶媒和物、ならびに(b)それによってこの塩の保存安定性が増強される炭水化物を含む組成物である。
【0018】
本発明の別の実施態様は、患者に治療有効量の化合物
【0019】
【化2】

および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物を投与することを含む、血液悪性疾患を有する患者の治療のための方法である。
【0020】
本発明のさらなる実施態様は、化合物を非経口投与で使用するために適当な容器に、この化合物
【0021】
【化3】

および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物を含む、組み合わせである。
【0022】
本発明のさらなる実施態様は、滅菌水溶液中で、化合物
【0023】
【化4】

の有機酸塩および炭水化物を調製する工程、および上記溶液を、約1時間を越える時間にわたって保存する工程を含む方法である。
【0024】
本発明のさらなる実施態様は、炭水化物および化合物
【0025】
【化5】

の有機酸塩の滅菌水性溶液を、この溶液が約1時間を越える時間にわたって必要に応じて保存されることの開示(例えば患者への挿入広告)とともに含む、包装された組成物である。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
以下の化合物
【化6】

の有機酸塩および/またはその互変異性体および溶媒和物。
(項目2)
前記有機酸が、コハク酸である、項目1に記載の塩。
(項目3)
項目1に記載の塩および炭水化物を含む、滅菌水溶液。
(項目4)
新生物を有する患者に、治療有効用量の項目1に記載の塩を投与する工程を含む方法。
(項目5)
(a)非経口薬学的生成物のために適当な容器、ならびに、該容器に配置される(b)治療有効用量の以下の化合物
【化7】

および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物を含む、組み合わせ。
(項目6)
前記化合物が、実質的に等張性の水溶液である、項目5に記載の組み合わせ。
(項目7)
前記化合物が、少なくとも一つの有機酸との塩である、項目5に記載の組み合わせ。
(項目8)
前記有機酸がコハク酸である、項目7に記載の組み合わせ。
(項目9)
前記容器が、滅菌出入口を備える、項目5に記載の組み合わせ。
(項目10)
前記容器が、バイアルまたは可撓性バッグである、項目5に記載の組み合わせ。
(項目11)
血液悪性疾患を有する患者の治療のための方法であって、該方法は、治療有効量の以下の化合物
【化8】

および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物を、該患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目12)
前記血液悪性疾患が、多発性骨髄腫または骨髄異形成症候群である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記血液悪性疾患が、白血病またはリンパ腫である、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記化合物の有機酸塩が投与される、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記化合物が非経口投与される、項目11に記載の方法。
(項目16)
以下の化合物
【化9】

および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物、ならびに血液悪性疾患の治療のために有用な少なくとも一つの他の薬剤を含む、組成物。
(項目17)
滅菌水溶液中の以下の化合物
【化10】

の有機酸塩および炭水化物を調製する工程、ならびに該溶液を約1時間を越える時間にわたって保存する工程を包含する、方法。
(項目18)
(a)炭水化物、および(b)以下の化合物
【化11】

の有機酸塩および/またはその互変異性体および溶媒和物の滅菌水溶液を、該溶液が約1時間より長い時間にわたって必要に応じて保存されることの開示とともに含む、包装された組成物。
(項目19)
(a)非経口薬学的生成物のために適当な容器、
(b)治療有効用量の以下の化合物
【化12】

および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物;ならびに
(c)該化合物および該容器の使用のための指示
を含むキット。
(項目20)
血液悪性疾患の治療のための医薬の製造における、以下の構造を有する化合物
【化13】

および/またはその塩、互変異性体および溶媒和物の使用。
(項目21)
本明細書中に開示される化合物または方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の塩を調製するために適当な有機酸は、Merck Index 第74版、1993年の3−12から3−523頁の表「Physical Constants of Organic Compounds」において開示される、同じ語幹を有する(例えば「アセト酢酸」)そのあらゆる誘導体(カルボキシル基が遊離のままでないエステルは除く)と共に、(天然に存在するか、または合成)アミノ酸(例えば、グルタミン酸およびアスパラギン)、ならびにC1〜16アルキルおよびC6〜16アリールおよびC4〜16へテロアリールカルボン酸(例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、グルタル酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、および2−フェノキシ安息香酸)を含む、代表的には少なくとも1つのカルボキシル基を含む化合物である。ジカルボン有機酸が特に興味深い。1つ以上の有機酸を組み合わせて用いることは、本発明の範囲内である。上記塩は、下記の実施例1で示す手順と同様に調製される。
【0027】
代表的には、有機酸対化合物1のモル比は約1:1である。しかし、ポリ有機酸の場合には、その比は1モルの化合物1対酸基の数(例えばジカルボン酸塩に関しては、化合物1対塩の比は2:1)であり得る。しかし、上記割合は、1:1またはそれより低い範囲まで、酸官能基の濃縮および酸官能基による置換の程度に依存して可変である。
【0028】
化合物1の適当な処方物は、動物およびヒトへの使用に関わらず、任意で1つ以上の受容可能な担体を含む。その担体は、処方物の他の成分と適合性であり、そして患者に対して生理学的に無害であるという意味で、「受容可能」でなければならない。
【0029】
処方物は、任意で「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(1986)において述べられたもののような賦形剤を含む。賦形剤はアスコルビン酸および他の抗酸化剤、EDTAのようなキレート剤、デキストリン、マンニトールまたはデキストロースのような炭水化物、緩衝液(例えばクエン酸)、アルカリ金属塩、流動促進剤、増量剤、ならびに治療用途に適するか、または治療用途のために意図される、錠剤、カプセル、溶液、または他の組成物中で従来見出される他の物質を代表的に含む。代表的には、処方物は、通常非経口使用のために処方されるので、従来の打錠賦形剤を含まない。処方物は、理想的には無菌である。それに加えて、非経口調製物は実質的に等張性である。処方物のpHは、任意で約5〜10、通常約6〜9、代表的には約5〜6の範囲である。
【0030】
化合物1の有機酸塩の非経口(滅菌水性)溶液は、安定化量の炭水化物、代表的には糖類(単糖、二糖、または多糖類)、グリコシドまたは糖アルコール(アルジトール)を必要に応じて含む。多糖類は、非経口注射または注入時に生分解性であるべきであり、そしてデキストリンおよびデンプンを、代表的には3〜10ユニット含む。代表的な炭水化物は、ヘキソース、アルドース、アルドヘキソース、アルドトリオース(例えばグリセルアルデヒド)、アルドテトロース(例えばエリトロース)、アルドペントース(例えばアラビノース)、ケトース、ケトヘキソース(例えばフルクトース)、ケトペントース(例えばリブロース)、マルトース、スクロース、ラクトース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースを含む。特に関心があるのは、従来非経口処方で使用される炭水化物、例えばマンニトールまたはデキストロースである。炭水化物の光学的性質は重要ではないが、その炭水化物が非経口投与時に生分解性であるような立体構造であることが望ましい。例えば、5%のデキストロース(溶液の重量で;pH約4.2、非緩衝化)は、有意な分解無しに、化合物1コハク酸塩の40℃で60時間の保存を可能にする。他方、同じ条件下のpH2、7および9における緩衝化溶液中での保存は、化合物1の実質的な分解(それぞれ約100重量%、18重量%、および76重量%)を引き起こす。
【0031】
安定化量の炭水化物は可変性であり、そして予測される保存条件および望ましい保存寿命、緩衝液の選択、pH、化合物1の量、および当業者によって認識される他の因子に依存する。通常、溶液の約0.5重量%から5重量%が使用される。代表的には、最適な量の炭水化物を、日常的な実験によって決定するが、その量は一般的に、溶液に等張性を与える量を(緩衝液、塩化ナトリウム等とともに)超えない。しかし、その非経口組成物を注入前またはその間に希釈することが予測されるなら、高張性(hyperisotonic)の濃度が受容可能である。その非経口溶液は、必要に応じて、約pH4から6で(代表的にはクエン酸緩衝液で)緩衝化される。
【0032】
炭水化物の存在は、炭水化物の濃度に関して上記で述べた因子(例えば保存温度等)に依存して、少なくとも約60時間、1週間まで、1ヶ月または1年、または任意の中間の期間の保存(投与時間を含む)の間、水性溶液中で化合物1の塩を安定化する。
【0033】
非経口経路は悪性腫瘍の治療のために最も簡便であるので、治療組成物を、任意で非経口経路(皮下経路、筋肉内経路、静脈内経路、皮内経路、髄腔内経路、および硬膜外経路を含む)によって投与する。静脈内注入が一般的に選択される投与方法である。
【0034】
上記処方物は、単回投与または複数回投与容器、例えば密封したアンプル、バイアル、または可撓性の注入バッグで提示され得る。その容器は任意で、ガラスまたは硬いプラスチックであるが、代表的には半剛体またはポリオレフィン(ポリエチレン)または可塑化ポリ塩化ビニルで作られた可撓性の容器である。その容器は代表的には単一チャンバーである。これらの容器は、内容物の出入りのために、デバイスの容器への滅菌流入を容易にするための少なくとも1つの一体化した滅菌出入口を有する(通常シリンジまたは静脈内にセットした針)。その出入口は可溶化溶液(もし必要なら)の滅菌通路および非経口溶液の放出を提供する。オーバーパウチ(overpouch)(通常ポリオレフィン)が容器のために必要に応じて提供される。
【0035】
上記処方物は、容器中で溶液として、または乾燥形態で存在する。実質的に無水形態で、例えば凍結乾燥して保存される場合、この処方物は、使用の直前に、滅菌液体担体(例えば注射用の水)の添加のみを必要とする。溶液は、塩化ナトリウムのような等張性安定剤、またはマンニトールまたはデキストロースのような糖を含む。炭水化物または糖の予測しなかった利点は、保存水溶液中における、化合物1塩の安定性の増加である。その容器を、滅菌溶液で満たし、そして次いで公知の過程によって熱または化学薬品によって滅菌する。一般的に、上記処方物の滅菌溶液を、可撓性の容器に滅菌充填し、そしてその後必要に応じて凍結乾燥する。本発明の容器生成物を製造するための適当な技術は、Avisら、Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications 第1および3巻(1984)において見出される。
【0036】
上記非経口容器は、以下に記載するような1日投与量または単位1日部分投与量の化合物1、またはその適当な画分を含む。
【0037】
化合物1、化合物1の有機酸塩、または炭水化物で安定化したその水性溶液は、任意で血液悪性疾患だけでなく、全ての種類の固形腫瘍(例えば頭頚部癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、骨癌、脳腫瘍など、特に子宮および子宮頸癌、ならびに形成異常、黒色腫、および乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌(小細胞および非小細胞)および膵臓癌)を含む、あらゆる新生物を治療するために用いられる。
【0038】
本発明の処方物は、単剤療法として、または血液悪性疾患の治療のための他の薬剤と組み合わせて投与される。本発明の処方物は、必要に応じて、他の抗腫瘍薬と実質的に同時に投与されるか、またはその薬剤は本発明の処方物と組み合わされ、そして次いで同時に患者に投与される。化合物1と共に有用な(治療有効量でそれと組み合わせられるか、または同時に投与される)代表的な抗腫瘍薬は、上記の背景で述べた、血液悪性疾患のために使用されるものを含む、悪性腫瘍の治療において現在用いられているあらゆる治療を含む。これらの併用薬剤は、(a)実質的に同じ時間に、しかし異なる投与経路によって投与する、(b)本発明の処方と組み合わせて、そして同時に投与する、または(c)交互の期間(例えば、化合物1による治療の休止期の間)に投与される。一般的に、組み合わせて使用される場合、本発明の処方物は、別のクラスから選択された別の抗腫瘍薬(例えばモノクローナル抗体)と治療的に組み合わせられる。
【0039】
NHLの治療は、代表的にはシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびリツキシマブを含む。組み合わせて使用される場合、化合物1は、1つ以上の前述の薬剤と一緒に、またはその代用として、治療の過程で投与される。化合物1はまた、リツキシマブと組み合わせて投与され得る。CLLの治療のために、化合物1は単剤療法として、またはシクロホスファミドおよび/またはリツキシマブのような他の薬剤と組み合わせて投与される。化合物1と共に使用するために適当な他の治療薬は、エトポシド、メルファラン、ニトロソウレア、ブスルファン、白金錯体、非古典的アルキル化剤(例えば、プロカルバジン)、代謝拮抗剤(例えば、葉酸、プリン、アデノシンアナログ、ピリミジンアナログ、ビンカアルカロイド等)を含む。
【0040】
イヌにおける単回投与毒性観察に基づいて、1mg/kg/日および3mg/kg/日の間、またはそれより多く約10mg/kg/日までの化合物1の投与量が、イヌにおいて有効であると想定することは妥当である(化合物1の有機酸塩を用いる場合、投与量は塩のさらなる重量を考慮して調整される)。ヒトにおける化合物のPKプロファイルが、イヌにおいて観察されたものと同様であると仮定して、現在までの発見は、化合物1のヒト有効投与量(表面積に関して0.54倍補正した)が、他の因子の中でもとりわけ、患者の状態および注入への耐性に依存して、約1から14日の間隔で(一般的に週1回または2週間に1回、代表的には週2回投与で)の反復投与を有する単回投与として投与される場合、0.54mg/kg IVおよび1.62mg/kg IVの間またはそれより高いことを示唆する。個々の癌の独特の性質、患者の状態、患者の耐性および当該分野の腫瘍学者に公知の他の事項のために、適当な投与量においてかなりの変動が予測されるので、有効な投与量の範囲は、コア実験モデルよりも大きい。従って、約0.5mg/kg/日〜5.4mg/kg/日の投与量範囲が、適当であると予測される。単回投与が適当であるが、当業者に明らかであるように、再び患者の状態および治療に対する耐性に依存して、サイクル間に約10日〜30日、通常23日の休止期間を有する、複数の投与サイクルが代表的であると予想される。
【0041】
上記の全ての文献および特許の引用は、参考として本明細書中に援用される。本発明は、当業者が以下の特許請求の範囲の内容を作成および使用することを可能にするほど十分詳細に記載された。以下の実施例は、本発明を例示し、そして本発明を制限するよう解釈されるべきではない。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
cprPMEDAP(1.64g、5mmol)、Ala−エチルエステルHCl(4.62g、30mmol)およびTEA(8.36mL、60mmmol)の混合物を、10mLの無水ピリジンで処理し、そして60℃に加熱して均一な溶液にした。10mLの無水ピリジン中のアルドリチオール−2(7.78g、35mmol)およびトリフェニルホスフィン(9.18g、35mmol)の溶液を加えた。生じた混合物を、60℃で一晩加熱した。冷却後、明るい黄色の溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した後、粗製の残渣を、100%酢酸エチルを用いた(次いで10〜15%のMeOH/DCMに切り換えて)フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、望ましい産物を溶出した(1.12g、43%の収率)。
【0043】
コハク酸塩の形成:
中性プロドラッグ(2.60g)を、エタノール(15mL)中のコハク酸(583mg)の溶液に溶解した。50%v/vのn−ヘプタン/エタノール(20mL)を加えた後、望ましい塩をろ過によって単離した(2.26g;融点 130℃)。
【0044】
【表2】

(実施例2)
表1は、化合物1およびその代謝物、cpr−PMEDAP(9−(2−ホスホニルメトキシエチル)−N−シクロプロピル−2,6−ジアミノプリン)、PMEG(9−(2−ホスホニルメトキシエチル)グアニン)、およびPMEDAP(9−(2−ホスホニルメトキシエチル)−2,6−ジアミノプリン)の抗増殖EC50を示す。DNAポリメラーゼ阻害剤(ara−C)、DNAポリメラーゼ/リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、ゲムシタビン)、アデノシンデアミナーゼ阻害剤(デオキシコホルマイシン)、DNAメチル化阻害剤(デシタビン)、DNAアルキル化剤(ドキソルビシン)、および有糸分裂阻害剤(ビンクリスチン)を含む、血液悪性疾患の治療に使用される様々な化合物もまた試験した。ドキソルビシンおよびビンクリスチンを除く全ての化合物は、ヌクレオシドアナログであり;ara−C、ゲムシタビン、およびデシタビンはシトシンアナログであり、そして残りはアデノシンアナログである。cpr−PMEDAPおよびPMEGは、それぞれアデノシンおよびグアノシンアナログであると考えられ得る。化合物を、ヒトおよびイヌリンパ芽球(T細胞分裂促進因子フィトヘマグルチニン(PHA)またはB細胞分裂促進因子ヤマゴボウマイトジェン(PWM)で刺激した)、急性リンパ球性白血病を有する患者由来の2つのTリンパ球性細胞系統(CEMおよびMolt−4)、急性骨髄性白血病を有する患者由来の2つの骨髄細胞系統(KG−1およびHL−60)、バーキットリンパ腫由来のBリンパ球性細胞系統(DaudiおよびRaji)、非ホジキンリンパ腫由来のBリンパ球性細胞系統(RL)、皮膚T細胞リンパ腫由来のTリンパ球性細胞系統(PM−1)、および組織球性リンパ腫由来の単球系細胞系統(U937)を用いて、化合物を試験した。
【0045】
化合物1は、様々なリンパ芽球および白血病/リンパ腫細胞系統において抗増殖活性を示した。そのEC50の範囲は、27および1043nMの間であり、血液悪性疾患の治療に一般的に使用される2つのヌクレオシドアナログ、クロファラビン(25−418nM)およびara−C(23−1820nM)のものと同様であった。他のヌクレオシドの中で、ゲムシタビンが最も強力であり(3.4−18nM)、そしてデオキシコホルマイシンが最も弱かった(>200,000nM)。全ての化合物の中で、ビンクリスチン(0.6−5.3nM)が最も高い効力を示した。ヒトおよびイヌ細胞において、化合物1の活性に有意な差はなかった。それに加えて、PHA−blast(主にT細胞)およびPWM−blast(主にB細胞)との間、またはTリンパ球性細胞系統およびBリンパ球性細胞系統との間に、違いは全く観察されなかった。従って、他のグアノシンアナログであるネララビン(これは、T細胞リンパ腫に対してのみ有効である)と異なり、化合物1はTおよびB細胞リンパ腫の両方に有効であり得る。
【0046】
試験したほとんどの細胞型において、化合物1の加水分解産物であるcpr−PMEDAPは、化合物1より有意に効力が弱く、ホスホロアミデートプロドラッグが、薬剤の細胞への移行を促進したこと、およびプロドラッグ部分が細胞内で切断されたことを示唆する。cpr−PMEDAPの脱アミノ化産物であるPMEGは、脱アルキル化産物PMEDAPより有意に強力であり、化合物1の抗増殖活性のための活性分子は、PMEGppであるという仮説と一致した。
【0047】
(表1.ヒトリンパ芽球、イヌリンパ芽球、および白血病/リンパ腫患者由来のヒト細胞系統における抗増殖EC50(nM))
【0048】
【表1−1】

【0049】
【表1−2】

末梢血単核細胞(PBMC)を、T細胞分裂促進因子PHA(1μg/mL)と3日間インキュベートし、続いて10U/mLのインターロイキン−2とさらに4日間インキュベートすることによって、PHA−リンパ芽球を産生した。B細胞(CD−19結合体化磁気ビーズを用いてPBMCから精製した)を、PWM(20μg/mL)と7日間インキュベートすることによって、PWM−リンパ芽球を産生した。
【0050】
リンパ芽球(マイクロタイターウェルあたり150,000細胞)および白血病/リンパ腫細胞系統(ウェルあたり30,000細胞)を、5倍段階希釈の化合物と3日間インキュベートした。BrdUアッセイを以下のように行った:リンパ芽球を、マイクロタイタープレートで(ウェルあたり150,000細胞)、5倍段階希釈の化合物と3日間インキュベートした。3日目に、細胞を10μMのBrdUで3時間標識し、そして細胞DNAに組み込まれたBrdUの量を、酵素免疫測定法(ELISA)によって定量した。あるいは、細胞を1mg/mLのXTT試薬(3,3’−[1[1(フェニルアミノ)カルボニル]−3,4−テトラゾリウム]−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム水和物)および1%のPMS(フェナジンメトサルフェート)と2時間インキュベートし、そして色の変化(ミトコンドリアのデヒドロゲナーゼが、黄色のXTTをオレンジ色のホルマザン塩に還元する)を定量した。実験データを使用して、シグモイド型の用量反応曲線を作成し、そして50%有効濃度(EC50)値を、Windows(登録商標)用GraphPad Prismソフトウェアバージョン4.00(GraphPad Software、SanDiego California USA)を用いて計算した。平均値の標準誤差(SEM)が、平均値の50%より小さくなるまで、アッセイを2〜20回繰り返した。
【0051】
ほとんどの場合において、SEMが平均値の50%より小さくなるまで、アッセイを2〜20回繰り返した。不定データ(SEM>0.5平均EC50)。N.D;実施していない。
【0052】
(実施例3)
イヌにおけるPBMCおよび血漿間のプロドラッグの分布
cpr−PMEDAPの様々なプロドラッグを、0.2mg/kgの30分IV注入としてイヌに投与した。プロドラッグ1−4は、モノアミデート(リンもフェノキシで置換された)であり、一方最後の2つの化合物はビス(アミデート)であった。AおよびB化合物は、リン原子キラル中心における実質的に単離された鏡像異性体であり、一方monoAlatBUは、この部位におけるラセミ体であった。アラニンはL異性体であった。
【0053】
血液をEDTAカリウム中に収集し、そして遠心によって分離した。末梢血単核球(PBMC)を、CPTチューブ(クエン酸ナトリウム)を用いて収集した。
【0054】
プロドラッグの分析のために、100μLの血漿に内部標準(D4APおよびTDF)を含む100μLのアセトニトリルを加えることによって、血漿サンプルを沈殿させた。遠心によってタンパク質を沈殿させた後、100μLを別のチューブに移して乾燥させ、そして次いで0.2%の蟻酸を含む100μLの水で再構築した。20μLのアリコートを、LC/MS/MS分析のためのカラムに注入した。150×2.0mm、4μm Synergi Fusion−RP80Aカラム(Phenomenex)、ならびに0.25mL/分で、0.2%の蟻酸存在下の0.5〜99%のアセトニトリルの多段階直線状勾配を用いて、分析を行った。ポジティブMRMモードで、エレクトロスプレーイオン化を用いたSciex API−4000質量分析計を用いて、分析物を検出した。サンプルを、GS−327260、GS−8369、GS−0573、およびGS−0438に関して分析した。
【0055】
PBMCサンプルを70%のMeOH中に溶解した。100%の血清中に再懸濁した各時点からの細胞の別々のアリコートを使用して、各サンプルにおける細胞の量を確定した。細胞サンプルを、サンプルあたり15×10細胞に規格化した。様々な程度の溶血が観察された。抽出した細胞物質を含む70%のMeOHを、直接分析および脱リン酸化のために2つに分け、そして別々に乾燥させた。
【0056】
乾燥後、直接分析のためのサンプルを、内部標準(TDFおよびD4AP)を含む20%のアセトニトリルに再懸濁し、そしてGS−327260、GS−8369に関して分析した。50×2.0mm、4μm Synergi Hydro−RP80Aカラム(Phenomenex)、ならびに1.0mL/分で、0.2%の蟻酸存在下の0〜95%のアセトニトリルの多段階直線状勾配を用いたLS/MS/MS分析のために、20μLを注入した。ポジティブMRMモードで、エレクトロスプレーイオン化を用いたSciex API−4000質量分析計を用いて、分析物を検出した。
【0057】
乾燥後、脱リン酸化のためのサンプルを、1Uのウシ腸管ホスファターゼ(アルカリホスファターゼ、Sigma)で、製造者の提供した緩衝液中で2時間処理した。次いでサンプルを60%のアセトニトリルに調整し、乾燥し、そして内部標準(TDFおよびD4AP)を含む60%のアセトニトリルに再懸濁し、そして直接PBMC分析に関して記載したように、cpr−PMEDAPに関して分析した。
【0058】
(表:30分の静脈内注入による、ビーグル犬へのプロドラッグ投与後の、血漿およびPBMCのcpr−PMEDAP(CPMEDAP)に対する暴露の比較)
【0059】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2013−100324(P2013−100324A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−6055(P2013−6055)
【出願日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【分割の表示】特願2009−511052(P2009−511052)の分割
【原出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】