説明

血液試料採取方法及び装置

【課題】採血管から採取カプラーを用いて血液試料を採取する場合において、血液試料の噴き出し等を防止する。
【解決手段】正立状態にある採血管18に対しカプラー34を装着し、採血管の封止栓18Aを貫通する試料流路及びエア流路を形成する。次に、採血管18の外部及び内部を減圧して大気圧よりも低い負圧状態にする。次に採血管18を倒立状態にする。その後に、採血管18の内部の負圧状態が保たれる範囲内でエア流路の入口からエアを送り込み、採血管18から血液試料を流出させる。その後に採血管18の外部を大気開放して試料流路を通ってエアが採血管内部に入るようにする。その後に採血管18を正立状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液試料採取方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
採血管に対する遠心分離処理により、採血管内部に三層が生じる。つまり、上層としての血清層、中間層としての分離剤(分離剤層)及び下層としての血球層が生じる。血液分析のためには採血管から血清等を外部へ取り出す必要がある。採血管にはアルミシール栓、ゴム栓といった封止栓が設けられているが、それらを除去しないで、そのままの状態で血液試料の抜き取りを行うことが要請されており、そのために採取カプラーが利用される(特許文献1−5参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたカプラーはエア流路及び試料流路を備える採取針を有している。採取針を採血管の封止栓に突き通すことにより、採血管の内部と外部とを連通させることができる。カプラー装着後に、採血管を倒立させ、その倒立状態においてエア流路にエアを送り込めば、採血管内部の圧力が高まって試料流路から血清(つまり血液試料)が流出し、それが採取容器に収容される。特許文献2に記載された採取カプラーも上記同様の採取針を備えている。但し、この技術では、採取容器側つまり試料流路の出口側を減圧することにより、血清の抜き取りがなされている。採血管内部は常に陰圧(大気圧以下の負圧)に維持されるので、エア流路からの血清の流出が防止されている。特許文献3には減圧と加圧とを交互に繰り返すことが記載されている。特許文献4,5には減圧と大気開放とを交互に繰り返すことが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−304387号公報
【特許文献2】特開平8−320318号公報
【特許文献3】特開平7− 77527号公報
【特許文献4】特開平9− 79953号公報
【特許文献5】特開平8−320317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1に、上記のようなカプラーを用いた血液試料の採取において、採取針における試料流路の入口や途中がフィブリン等によって詰まった場合、その状態でエアの送り込みを行っても(つまり採血管内部を加圧しても)血液試料の採取が困難となり、あるいは、血液試料の採取が不可能となる。その状態においては、採血管の姿勢を転倒状態から正立状態に戻した上で、採血管(及びカプラー)を取り外す必要がある。しかし、姿勢変更の過程で思いもよらず詰まりが解消すると、採血管内部は加圧状態にあるので、採血管から血液試料が噴出してしまうおそれがある。
【0006】
第2に、血液試料の採取後、採取カプラーにおける試料流路の出口側に血液試料が液滴として残留しているにもかかわらず、採血管の姿勢を倒立状態から正立状態にすると、つまり姿勢変更を行うと、液滴が飛散してしまうというおそれがある。
【0007】
第3に、採取針を封止栓に差し込む際において、採血管が何らかの事情により大気圧よりも高い圧力になっており、しかも封止栓の裏側に血液試料が付着していると、穿刺時点で血液試料が採取針の内部を通って飛散するおそれもある。採血管の内部が常に負圧にされているとしても、安全確保の観点からは、針を差し込む際における採血管内部からの血液試料の噴出を確実に防止する措置を講じておくのが望ましい。
【0008】
本発明の目的は、上記第1の問題及び第2の問題の内の少なくとも一方の問題が生じることを防止することにある。本発明の他の目的は、更に上記第3の問題が生じることを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る方法は、正立状態にある採血管に対してカプラーを装着することにより、前記採血管の封止栓を貫通する試料流路及びエア流路を形成する装着工程と、前記装着工程後に、前記採血管の外部及び内部を減圧して大気圧よりも低い負圧状態にする減圧工程と、前記減圧工程後に、前記採血管を倒立状態にする倒立工程と、前記倒立工程後に、前記採血管の内部の負圧状態が保たれる範囲内で、前記エア流路の入口側からエアを送り込み、前記採血管から前記試料流路を介して血液試料を流出させる加圧工程と、前記加圧工程後に、前記採血管の外部を大気開放して前記試料流路を通って前記採血管内部へエアが逆流するようにする大気開放工程と、前記大気開放工程後に、前記採血管を正立状態に戻す正立工程と、を含むものである。
【0010】
上記構成によれば、採血管の外部及び内部が減圧されて負圧状態が形成された上で、採血管が倒立状態とされ、その状態で採血管内部へのエアの導入による血液試料の抜き取りが行われる。つまり、試料採取は、採血管内部の加圧が負圧状態を維持した状態で行われる。次に、試料採取後において採血管外部の大気開放を行えば、試料流路を通って、採血管の外部から内部へエアが進入することになる。その上で採血管が正立状態に戻される。よって、大気開放時において、試料流路の出口側に液玉があってもそれは内部に吸い込まれるから、その後に採血管を正立状態に戻しても、液玉の飛散を防止できる。また、試料流路の途中につまりが生じていても、採血管の内部よりも外部の方が圧力を高い状態に維持できるので、採血管を正立状態に戻す際につまりが突然解消されても血液試料の噴出を防止できる。そもそも大気開放時点では試料流路をエアが逆流するのでつまりを直接的に解消させやすいという利点も得られる。
【0011】
望ましくは、更に、上記方法が、前記装着工程の前に、前記採血管の外部を加圧する予備加圧工程を含む。この構成によれば、何らかの事情により、採血管内部が大気圧よりも高い圧力となっているような場合でも、採血管外部の予備的な加圧により、採取カプラーによる穿刺時において、シール栓の裏面に付着した血液試料等の噴出を防止できる。
【0012】
本発明に係る装置は、採血管に対して装着される部材であって、その装着状態において前記採血管の封止栓を貫通する試料流路及びエア流路を形成するカプラーと、前記カプラーが装着された採血管を収容する気密室と、前記気密室内の圧力を調整する室内圧力調整手段と、前記気密室内の採血管に装着されたカプラーのエア流路に接続された管内圧力調整手段と、前記気密室内において前記採血管の姿勢を成立状態及び倒立状態にする回転手段と、を含み、前記室内圧力調整手段は、前記気密室の室内を減圧して前記採血管の外部及び内部を大気圧よりも低い負圧状態し、前記回転手段は、前記減圧の実行後に前記採血管を倒立状態にし、前記管内圧力調整手段は、前記倒立状態において、前記エア流路の入口側からエアを送り込み、前記採血管から血液試料を流出させ、前記室内圧力調整手段は、前記エアの送り込み後に、前記採血管の外部を大気開放して前記試料流路を通って前記採血管内部へエアが逆流するようにし、前記回転手段は、前記大気開放の後に、前記採血管を正立状態に戻す、ものである。
【0013】
望ましくは、前記室内圧力調整手段は、前記採血管への前記カプラーの装着前に、前記気密室の内部を予備的に加圧する。望ましくは、前記室内圧力調整手段は、前記気密室の内部に連通した外部ポンプと、前記気密室の内部に連通した外部開放弁と、を含む。望ましくは、前記管内圧力調整手段は、前記エア流路の入口側に接続された内部ポンプと、前記エア流路の入口側に接続された内部開放弁と、を含む。内部ポンプによる採血管内部の加圧を行う場合には内部開放弁を閉状態にし、外部開放弁を大気開放する際には内部開放弁も一緒に開状態にするのが望ましい。そのようによれば、内部ポンプがシリンジポンプで構成されている場合において、大気開放時に圧力均衡作用によりピストンが追従運動してしまうことを防止でき、あるいは、ピストンが追従運動しないことによるエア流路からの血液試料の流出を防止できる。内部開放弁は少なくとも内部ポンプによる加圧開始から加圧完了までの期間において閉状態とされるのが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、カプラーを用いた血液試料採取において、血液試料の飛散あるいは噴出を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1には、本発明に係る血液試料採取装置の好適な実施形態が示されており、図1はその概念図である。この血液試料採取装置は遠心分離後の採血管から血液試料(特に血清)を開栓を行うことなく採取する装置である。
【0017】
図1において、血液試料採取装置10は、気密空間14を形成する気密室12を有している。気密空間14内にはホルダ16が回転可能に設けられている。ホルダ16は採血管18を収容する部材であり、ホルダ16の内部には井戸状の収容部が形成されている。その上部開口縁にはシール部材としてのOリング17が設けられている。採血管18は遠心分離後のものであり、その上部には栓18Aが設けられている。
【0018】
ホルダ16には水平軸22が設けられており、その水平軸22にはモータ20が連結されている。モータ20はホルダ16を回転運動させる機構であり、すなわちモータ20を制御することにより、採血管18を正立状態または倒立状態にすることが可能である。ホルダ16の内部空間は通路26を介してポンプ24に連通されている。ポンプ24はシリンジポンプであり、そのポンプ24はシリンジ28とピストン30とを含む。このシリンジポンプ24は開放弁32と共に管内圧力調整手段として機能するものである。ホルダ16の収容部に連通して開放弁32が設けられている。開放弁32はその開放動作時においてホルダ16の内部を圧力的に開放して、気密空間14内の圧力と同じにするものである。
【0019】
採取カプラー34は栓18Aを取り除くことなく、採血管18内から血液試料を採取するための器具である。採取カプラー34は従来例同様にディスポーザブル型として利用することが可能である。採取カプラー34は採血管18の頭部に装着されるものであり、その中央部には採取針36が設けられている。装着時において、採取針36は栓18Aを貫通する。採取針36には中央孔としての試料流路と周囲溝としてのエア流路とが形成されている。これについては後に図2を用いて説明する。
【0020】
ホルダ16の直下には採取容器38が設けられている。ちなみに、採取容器38を保持している機構については図示省略されている。採取カプラー34の装着は本実施形態において自動的に行われているが、その機構も図示省略されている。採取カプラー34の装着を用手的に実施するようにしてもよい。
【0021】
気密室12には図示されるように、開放弁40とポンプ42とが接続されている。それらは室内圧力調整手段として機能するものである。ポンプ42は気密空間14すなわち室内を減圧する際に機能するものである。開放弁40は室内を大気開放する際に機能するものである。
【0022】
図2には上述した採取針36の断面が示されている。図2に示す構造は一例であって、様々な構造を採用し得る。採取針36の中心軸上に沿って中央孔としての試料流路36Bが形成されており、採取針36の外周面には溝状の形態を有するエア流路36Aが形成されている。採取針36を栓に突き通した状態においては試料流路36Bを介して採血管の内外が連通し、同時にエア流路36Aを介して採血管の内外が連通する。但し、図1に示したように試料流路36Bは筒状体としてのカプラー本体を上下に貫通して形成されているのに対し、エア流路36Aはカプラー本体の下側の領域にだけ形成されている。
【0023】
図3には採取カプラー34を採血管18に装着したときの状態が示されている。採取カプラー34におけるカプラー本体の外周囲とホルダ16の収容部との間がOリング17によってシールされる。この状態では採血管18の内部が試料流路を介して気密室と連通しかつ、採血管18の内部がエア流路を介して収容部と連通する。
【0024】
図4にはホルダ16を倒立状態にしたときの様子が示されている。ホルダ16の回転は上述したモータ20の作用によって行われる。図4に示す倒立状態においては、採取カプラーにおける試料流路の出口側が採取容器38の上方に位置し、採血管18の内部の圧力を高めれば、自然に血液試料が試料流路を通って採取容器38内に流出する。
【0025】
次に図5を用いて図1乃至図4に示した装置の動作を説明する。この図5は血液試料採取方法を説明するための図でもある。図5(A)は気密空間内の圧力変動すなわち雰囲気圧力の変動を表している。具体的には符号100は圧力グラフである。図5(B)は採血管内の圧力すなわち管内圧力の変化を表している。符号102が圧力グラフである。いずれの図においても横軸が時間軸であり、ベースラインは大気圧を表している。
【0026】
S1においては、図1に示した状態において、ホルダ16内に採血管18がセットされる。そのセットは用手的に行われてもよいし、自動的に行われてもよい。ちなみに、この初期状態において、外部開放弁としての開放弁40は閉状態にあり、内部開放弁としての開放弁32は開状態にある。
【0027】
S2においては、気密室12において、その内部に気密空間14が形成される。すなわち採血管の出し入れにおいて使用された開口部が閉じられる。S3においては図1に示したポンプ42により、気密空間が加圧される。この加圧は予備加圧として位置づけられるものである。すなわち、採取カプラーを採血管に装着する時点において、仮に採血管内部が大気圧よりも高い圧力にあると、採取針を穿刺した時点で血液試料の噴出等が生じる恐れがあるが、このように採血管外部の加圧を行えば、そのような噴き出しを効果的に防止することが可能となる。
【0028】
図5のS4では、採血管に対してカプラーが装着される。すると、採取針を介して採血管の内部と外部とが連通することになるので、通常、試料流路等を通ってエアが採血管内部に流入する。
【0029】
S5においては図3に示した状態において、ポンプ42の作用により、気密空間14内が減圧される。すると、その減圧にともなって採血管18内部も減圧されることになる。
【0030】
以上により、気密空間内すなわち採血管内が減圧されて、それが大気圧よりも低い負圧状態とされる。図5においてS6は減圧の完了を表している。そして、S7において図4に示した開放弁32が閉状態とされ、またホルダ16すなわち採血管18が倒立状態とされる。S8ではポンプ24によってエアがエア流路を介して採血管18の内部に送り込まれる。すると、採血管18から試料流路を介して採取容器38へ血液試料が取り出される。この場合において、加圧の途中において詰まりが生じた場合の圧力波形が符号102Aで示されており、加圧終了後の自然的な流下状態において詰まりが生じた場合の圧力波形が符号102Bで示されている。
【0031】
S9は吐出の完了を表しており、その後において、S10で開放弁40が開放され、同時に開放弁20も開放される。これにより採血管の内外が大気圧に戻される。仮に、図4に示した状態において、試料流路の出口側に液玉が生じたとしても、以上のような大気開放により、試料流路を介して採血管の外部から内部へエアが引き込まれることになるので、そのような液玉は内部に吸い込まれることになる。よって、次の工程において採血管を正立状態に戻したとしても、液玉の飛散という問題を効果的に防止できる。また、そのようなエアの引き込みにより、詰まりを直接的に解消させることが可能である。仮に詰まりを解消できない場合であっても、採血管の外部より採血管の内部の方が低い圧力となっているため、採血管を正立状態に戻したとしても、内部から外部へ血液試料が噴出することはない。S11においては採血管が正立状態に戻される。その後、採取カプラーが取り外されて、それが必要に応じて廃棄される。
【0032】
以上の実施形態によれば、予備加圧により、採取カプラーを装着する時点における血液試料の噴き出しを効果的に防止することができる。また、負圧状態が維持されるように、血液試料の抜き取りが行われ、そして血液試料の抜き取り後において、大気開放を行った上で正立状態に戻されるので、正立状態に戻す際、あるいは戻した後において、液玉の飛散を防止できるとともに、血液試料の噴き出しを防止できるという利点がある。
【0033】
図6には簡略化された実施形態が示されている。図6(A)に示す圧力波形200は気密室内の圧力変動を表すものであり、図6(B)に示す圧力波形202は採血管内部の圧力変動を表すものである。さらに、符号202A及び202Bは詰まりが生じた場合における圧力変動を表している。
【0034】
図6において、S5〜S11は、図5に示した実施形態と同じステップである。一方、この実施形態においては予備加圧が行われておらず、採血管のセットを行う工程S1の後にカプラー装着工程S4´が実行され、その後に気密空間における開口部を閉じて、気密室内を完全に気密化する工程S2´が実行されている。この実施形態においてはカプラー装着時点において、採血管の外部の圧力が大気圧とされており、採血管内部の圧力が大気圧よりも低い状態にあるのであれば、血液試料の噴出といった問題は生じない。S5以降の工程においては、上述した図5に示す実施形態と同様に大気圧よりも低い負圧状態において、加圧による血液試料の抜き取りが行われ、大気開放後に正立状態への復帰が行われているため、上述した実施形態と同様の利点を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明にかかる血液試料採取装置の概念図である。
【図2】採取針の断面図である。
【図3】採取カプラーの装着状態を示す図である。
【図4】倒立状態を示す図である。
【図5】予備加圧が行われる動作例を示す図である。
【図6】予備加圧が行われない動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10 血液試料採取装置、12 気密室、14 気密空間、16 ホルダ、18 採血管、24,42 ポンプ、32,40 開放弁、34 採取カプラー、36 採取針、38 採取容器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正立状態にある採血管に対してカプラーを装着することにより、前記採血管の封止栓を貫通する試料流路及びエア流路を形成する装着工程と、
前記装着工程後に、前記採血管の外部及び内部を減圧して大気圧よりも低い負圧状態にする減圧工程と、
前記減圧工程後に、前記採血管を倒立状態にする倒立工程と、
前記倒立工程後に、前記採血管の内部の負圧状態が保たれる範囲内で、前記エア流路の入口側からエアを送り込み、前記採血管から前記試料流路を介して血液試料を流出させる加圧工程と、
前記加圧工程後に、前記採血管の外部を大気開放して前記試料流路を通って前記採血管内部へエアが逆流するようにする大気開放工程と、
前記大気開放工程後に、前記採血管を正立状態に戻す正立工程と、
を含むことを特徴とする血液試料採取方法。
【請求項2】
請求項1記載の装置の方法において、
更に、前記装着工程の前に、前記採血管の外部を加圧する予備加圧工程を含む、ことを特徴とする血液試料採取方法。
【請求項3】
採血管に対して装着される部材であって、その装着状態において前記採血管の封止栓を貫通する試料流路及びエア流路を形成するカプラーと、
前記カプラーが装着された採血管を収容する気密室と、
前記気密室内の圧力を調整する室内圧力調整手段と、
前記気密室内の採血管に装着されたカプラーのエア流路に接続された管内圧力調整手段と、
前記気密室内において前記採血管の姿勢を正立状態及び倒立状態にする回転手段と、
を含み、
前記室内圧力調整手段は、前記気密室の室内を減圧して前記採血管の外部及び内部を大気圧よりも低い負圧状態にし、
前記回転手段は、前記減圧の実行後に前記採血管を倒立状態にし、
前記管内圧力調整手段は、前記倒立状態において、前記エア流路の入口側からエアを送り込み、前記採血管から血液試料を流出させ、
前記室内圧力調整手段は、前記エアの送り込み後に、前記採血管の外部を大気開放して前記試料流路を通って前記採血管内部へエアが逆流するようにし、
前記回転手段は、前記大気開放の後に、前記採血管を正立状態に戻す、
ことを特徴とする血液試料採取装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記室内圧力調整手段は、前記採血管への前記カプラーの装着前に、前記気密室の内部を予備的に加圧する、ことを特徴とする血液試料採取装置。
【請求項5】
請求項3記載の装置において、
前記室内圧力調整手段は、
前記気密室の内部に連通した外部ポンプと、
前記気密室の内部に連通した外部開放弁と、
を含むことを特徴とする血液試料採取装置。
【請求項6】
請求項3記載の装置において、
前記管内圧力調整手段は、
前記エア流路の入口側に接続された内部ポンプと、
前記エア流路の入口側に接続された内部開放弁と、
を含むことを特徴とする血液試料採取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−139309(P2010−139309A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314449(P2008−314449)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(390029791)アロカ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】