説明

血清に基づく溶液中のインターロイキン6の安定化

【課題】インターロイキン6(IL-6)の安定化のための組成物の提供。
【解決手段】IL-6、そのアイソフォームまたは断片;飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩(ここで組成物中の化合物の濃度は約0.15〜約0.4%である);および血清を含む組成物。またその凍結乾燥物。さらに、かかる組成物または凍結乾燥物および使用説明書を含むキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する分野
本発明は、インターロイキン6 (IL-6)、そのアイソフォームまたは断片、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、および血清を含む組成物(ここで組成物中の該化合物の濃度は約0.15%〜約0.4%である)に関する。また、イムノアッセイ、受容体に基づくアッセイまたは他のアッセイでの定量的測定のための、インターロイキン6の安定化のための化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
インターロイキン-6 (IL-6)は広範囲の機能を有する多面的サイトカインである。それは、インターフェロン-β2プラズマ細胞腫増殖因子、および肝細胞刺激因子として最初に報告された。後に、それはヒトB細胞刺激因子(BSF2)として報告された。1988年に、それをIL-6と命名することが提案された。これは、さらなる研究で、該タンパク質がB細胞に対してだけでなく、T細胞、造血幹細胞、肝細胞および脳細胞に対しても活性を示すことが実証されたからである。
【0003】
IL-6は、22〜27 kDAの範囲の分子量を有する212アミノ酸ペプチドの産物をコードする単一遺伝子から生産される。さらに、急性細菌感染を有する患者のヒト体液中で60〜70 kDAの範囲の免疫反応性複合体が検出されることも報告された。
【0004】
IL-6はサイトカインファミリーに属する。サイトカインは、一の細胞から分泌され、他の細胞に、その特異的受容体への結合によってシグナル伝達する小分子である。インターロイキンは、概して、白血球によって生産されるサイトカインである。炎症促進性サイトカイン(IL-1、IL-6)は、主に、炎症性反応の増幅に関与する活性化された免疫細胞によって生産される。抗炎症性サイトカイン(IL-1受容体アンタゴニスト、IL-4、IL-6、IL-10、IL-11、IL-13)は、特定のサイトカインインヒビターおよび可溶性サイトカイン受容体と協力して、炎症促進性サイトカイン応答を抑制するように作用する。IL-6は、炎症促進性応答のレベルを抑制することに加え、急性期タンパク質、例えばCRPの主要な刺激因子であることによって、同様に重要な役割を果たす。恒常性条件(homeostasic conditions)でIL-6濃度は低いが、ストレス条件下でIL-6の量はすぐに増加する。
【0005】
IL-6生産は、傷害、外傷、ストレス、感染、脳、死、異常増殖、および他の状況と関連する急性炎症性反応の過程で迅速に誘発される。
【0006】
血清および血漿中のIL-6の定量的測定は、イムノアッセイを使用することによって実施することができる。液相でのIL-6タンパク質の安定性の欠如は、現行のIL-6検出アッセイの主な不都合であり、タンパク質の安定化に利用可能な方法はIL-6を安定化するために好適ではない(Chamani, et al.,)。
【0007】
タンパク質安定化方法は2つのクラスに分けることができる。第一に、タンパク質の化学的改変を妨げるかまたは最小にするための安定化を実施する。例えば酸化反応に対する保護である。化学的改変は共有結合による原子結合に関する変化に基づく。より正確には、化学的改変は、脱アミド反応、酸化、加水分解および新規ジスルフィド架橋の切断または形成を包含する。所定のタンパク質の化学的改変に対する安定化は、pHおよびバッファー組成の変化によって達成されることがよくある。新規ジスルフィド架橋の形成は、チオールの特異的保護基の使用によって妨げることができる。酸化に感受性の官能基はスカベンジャー試薬の使用によって保護することができる。保護は、スカベンジャーの優先的酸化によって達成される。
【0008】
第二に、タンパク質の物理的改変を妨げるために所定のタンパク質を安定化することができる。例えば、タンパク質構造中のコンフォメーション変化に対するタンパク質の保護である。これらのコンフォメーション変化を妨げるための様々なストラテジーを使用することができる。Timasheff S. N et. al.は、溶液中のタンパク質を安定化するための特定の賦形剤、例えば糖、塩、ポリアルコールの添加を報告している。高濃度で存在すると、これらの賦形剤は、活性の低下を防ぎ、かつタンパク質を機能的状態で維持する。
【0009】
しかし、Kendrick B. S., et al.は、スクロースの存在下で、インターロイキン1受容体アンタゴニストのタンパク質表面積の増加は、水中より熱力学的に都合が悪いことを開示している。状態の間の平衡は、最小の表面積を有する状態の方へ移動する。Jensen W. A., et al.は、溶液中のPEPCの安定性に対する高濃度の数種の塩の影響を報告している。Tsai et al.は、広い種類のポリアニオンが、タンパク質がアンフォールドする温度を上げることによって酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)を安定化することを発見した。Campell PJ. et al.は、安定かつ信頼できる生物学的標準および参照調製物を達成するための方法を報告している。例えばウシ血清アルブミンの化学組成および抗原性活性に対する、炭水化物の添加の影響がTarelli E, et al.に報告されている。さらに、Tarelli et al.は、組み換えヒトアルブミンを生物学的物質および国際的参照試薬の調製のための安定剤として使用できることを示す。Todd et al.は、感受性タンパク質、例えばHIV-1プロテアーゼの二量体化により、タンパク質の構造的安定性がもたらされることを報告している。最後に、Lougheed W.D et al.は、インスリンの高分子量ポリマーへの凝集が溶媒の有効極性を減少させることによって阻害されることを報告している。
【0010】
しかし、タンパク質を安定化するための、現在までに既知の方法には、それらがIL-6および特に血清中のIL-6の十分な安定化を可能にしないという不都合がある。
【0011】
IL-6安定性の減少の結果は、IL-6に基づく試薬の生産の際の困難であり、例えば最大処理時間が制限され、利用可能な短い処理時間に起因してロットサイズが減少し、かつIL-6の半減期が制限される。処理時間中のIL-6損失を埋め合わせるために、工程管理中に追加のIL-6を加える必要があり、その結果、コストが増加する。顧客側では、安定性の減少により、IL-6製品、例えば標準物質または品質管理物質の安定性が不都合に短期化する。
【0012】
EP 1882944は、結合タンパク質を除去することによってアミロイドペプチドオリゴマーへの抗体結合に関与するエピトープを脱マスキングするための変性剤としてTTAB (テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド)を記載している。
【0013】
US 2004/0157218は、核酸を抽出するための生物学的サンプルの処理方法を開示し、DTAB (ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド)およびCTAB (セチルトリメチルアンモニウムブロミド)をタンパク質の変性のための界面活性剤として利用する。WO 2009/048962は、ある化合物の存在下でのタンパク質の、キャピラリー電気泳動によるサイズ分離の分離媒体を開示している。
【0014】
EP 1566437は、生物学的サンプルから固相に核酸を吸着するための方法を開示している。CTABは、タンパク質変性のための溶解バッファー中の界面活性剤として開示されている。ゆえに、上記文献によれば、CTABおよびDTABは、タンパク質を、安定化するのではなく、不安定化するために使用されている。
【0015】
EP 1242576は、抗原の安定性を高めるための水性試薬組成物を開示している。開示されている試薬組成物は、バッファー;タンパク質および/またはポリペプチドの混合物を含みかつ1〜50g%の総タンパク質濃度を有するプロテインリッチ遮断薬;可溶化剤;塩;キレート剤;界面活性剤;および保存剤を含み、7.5〜8.5の最終pHを有する。該保存剤は、0.01 % w/v、好ましくは1%〜0.1%の範囲の終濃度の化合物TTAB (トリメチルテトラデシルアンモニウムブロミド)であってよい。さらに、該プロテインリッチ遮断薬は、(5%) w/vの濃度のウシ胎児血清であってよい。明らかに、該保存剤TTABは、抗原を安定化するためではなく、微生物の増殖を妨げるために使用されている。
【0016】
EP 1242576で開示されているTTABの濃度範囲のほとんどの部分および低血清濃度がIL-6を安定化しないことを示す実験的証拠が存在する。逆に、これらの条件下でTTABはIL-6の不安定化の増加さえもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】EP 1882944
【特許文献2】US 2004/0157218
【特許文献3】WO 2009/048962
【特許文献4】EP 1566437
【特許文献5】EP 1242576
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Chamani, A.A. et al., J. Colloid Interface Sci. 297 (2006) 561.
【非特許文献2】Timasheff S. N., Adv. Protein Chem. 91 (1998) 355-432.
【非特許文献3】Kendrick B. S., PNAS USA 94 (1997) 11917-11922.
【非特許文献4】Jensen W. A., Biochemistry 34 (1995) 472-480.
【非特許文献5】Tsai P.K. Pharm Res 10 (1993) 649-659.
【非特許文献6】Campell PJ. Et al., II. J Biol Stand 2 (1974) 259-267.
【非特許文献7】Tarelli E, et al., J Biol Stand; 9 (1981) 121±130.
【非特許文献8】Lougheed W.D. et al., Diabetes (1983) 34:424.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
IL-6の安定化を増加させる方法および手段の必要性が依然として残る。したがって、本発明の目的は、品質管理物質、標準物質、受容体に基づくアッセイまたは他のアッセイに使用されるIL-6の安定性の向上をもたらす条件を発見することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の要旨
本発明は、本発明の特許請求の範囲に記載の安定化剤としての組成物の使用によって、血清中の不十分なIL-6安定性の問題を解決する。
【0021】
驚くべきことに、いくつかの濃度範囲を使用すると、これらの化合物の濃度の狭いウインドウのみが血清中のIL-6の安定性を向上させることが明らかになった。本発明は、これらの化合物を含まない溶液と比較して良好な、IL-6の回収の増加を提供する。
【0022】
一態様では、本発明は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、および血清を含む組成物(ここで該組成物中の該化合物の濃度は約0.15〜約0.4%である)に関する。
【0023】
別の態様では、本発明は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、および血清を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物に再構成するために好適な凍結乾燥物に関する。
【0024】
別の態様では、本発明は、組成物または凍結乾燥物および使用説明書を含むキットに関する。
【0025】
別の態様では、本発明は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩と血清を混合するステップ(ここで組成物中の該化合物の濃度は約0.15 %〜約0.4 %である)、場合により、ステップAの混合物を凍結乾燥するステップを含む、組成物の製造方法に関する。
【0026】
本発明の別の態様は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片を安定化する方法であって、IL-6、そのアイソフォームまたは断片、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩と血清を混合するステップを含み、ここで組成物中の該化合物の濃度は約0.15〜約0.4%である、方法である。
【0027】
別の態様では、本発明は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片を安定化するための、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、TTAB濃度に依存したIL-6回収の結果を示す。TTABを0.05〜0.5 %で変動させた。驚くべきことに、安定化効果は、0.05 %〜0.5 %未満、特に0.15 %〜0.25 %のTTAB濃度で観察される。対照的に、0.5 %濃度のTTABはIL-6の不安定化をもたらす。サンプルを2〜8℃で5日まで保存した。
【図2】図2は、3種の濃度(ネガティブコントロールとしての0、そして0.2 %および0.25 %)のTTABでのIL-6回収の結果を示す。サンプルを2〜8℃で23日まで保存した。図1に示される結果が確認された。ネガティブコントロールと比較して、L1およびL2でIL-6回収について20%および17%増加が達成された(L1は43.7〜60.8 pg/mLの範囲の低レベルのIL-6を説明し、L2は258.5〜357.3 pg/mLの範囲の高レベルのIL-6を記載する)。
【図3−a】図3aおよび3bは、TTAB、DTABまたはHTABを添加しないヒトまたはウマ血清中の回収と比較した、ヒトに基づく組成物(a)およびウマ血清に基づく組成物(b)中のTTAB、DTABまたはHTABの存在下でのIL-6回収の結果を示す。サンプルを2〜8℃で30日まで保存した。
【図3−b】図3aおよび3bは、TTAB、DTABまたはHTABを添加しないヒトまたはウマ血清中の回収と比較した、ヒトに基づく組成物(a)およびウマ血清に基づく組成物(b)中のTTAB、DTABまたはHTABの存在下でのIL-6回収の結果を示す。サンプルを2〜8℃で30日まで保存した。
【図4】図4は、TTAB、DTABおよびHTABを添加しない同バッファー中の回収と比較した、3 %血清タンパク質を含む水性バッファー中のTTAB、DTABまたはHTABの存在下でのIL-6回収の結果を示す。サンプルを2〜8℃で30日まで保存した。結果は、血清中で観察された結果(図1〜3)とは対照的に、3 %血清タンパク質を含む水性バッファー中のIL-6の安定性に対するTTAB、DTABおよびHTABの有害な影響を明らかに示す。
【図5】図5は、pH 7 Hepes緩衝化血清(ウマ血清、ウシ血清、ヒツジ血清およびマウス血清)中の0.225 % TTABの存在下でのIL-6回収の結果を示す。サンプルを2〜8℃で7日保存した。これらの結果は、ウマ血清、ヒツジ血清およびマウス血清中でのIL-6の安定化を示すが、ウシ血清中ではそうではない。ウシ血清中では、TTABはIL-6の安定性の低下をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0029】
発明の詳細な説明
第1の好ましい態様では、本発明は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、および血清を含む組成物(ここで該組成物中の該化合物の濃度は約0.15%〜約0.4%である)に関する。
【0030】
本発明の関連で、「インターロイキン-6 (IL-6)」は、好ましくは、当技術分野で公知であるようなIL-6を包含することが意図される。好ましくは、IL-6は、インターフェロン-I 2、プラズマ細胞腫増殖因子、肝細胞刺激因子およびヒトB細胞刺激因子2 (BSF2)を包含する。IL-6は、好ましくは、212アミノ酸、より好ましくは184アミノ酸IL-6ペプチドの産物をコードする単一遺伝子から生産されるタンパク質である。該184アミノ酸IL-6ペプチドは該212アミノ酸ペプチドのN末端で切断されているものである(Song M et., )。好ましくは、IL-6は、その受容体IL-6Rに結合していない遊離IL-6を包含する。さらに、IL-6は、IL-6/IL-6R複合体の状態のIL-6を包含しうる(Taga T et.,; Drucker C et al.,)。好ましくは、IL-6は、モノクローナル抗IL6抗体M-BE8 (EP0430193で規定している。すなわち、セルラインBE-8によって生産される抗体であるか、またはKLEIN, B., et al.で規定される)またはM-23C7が結合できるかまたは結合しているIL-6タンパク質である。好ましくは、IL-6は、Elecsysおよびcobasイムノアッセイシステム(Roche)で使用されるRoche IL-6アッセイの抗体が結合できるかまたは結合しているIL-6である。用語IL-6はまた、好ましくは、上記IL-6、好ましくはヒトIL-6の変異体を包含する。該変異体は、具体的な参照IL-6分子、好ましくはヒトIL-6に実質的に類似のタンパク質またはペプチドを包含する。実質的に類似の、という用語は、当業者によって十分に理解される。特に、IL-6変異体はアイソフォームまたはアレルであってよく、それは、具体的な参照IL-6分子のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1個のアミノ酸交換(および好ましくは約25個まで、より好ましくは約15個まで、より好ましくは約10個まで、より好ましくは約5個まで、最も好ましくは約3個までのアミノ酸交換)を示す。好ましくは、そのようなIL-6変異体は、好ましくはヒトIL-6に関して、さらにより好ましくはヒトIL-6の全長にわたって、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは少なくとも約98%の、具体的な参照IL-6分子に対する配列同一性を有する。2つのアミノ酸配列間の同一性の程度は、当技術分野で周知のアルゴリズムによって決定することができる。
【0031】
好ましくは、同一性の程度は、2つの最適にアライメントされた配列を比較ウインドウにわたって比較することによって決定することができ、ここで、比較ウインドウ中のアミノ酸配列の断片は、参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して最適なアライメントのために付加または欠失(例えばギャップまたはオーバーハング)を含みうる。パーセンテージは、両配列中で同一アミノ酸残基が存在する位置の数を決定して適合位置の数を取得し、その適合位置の数を比較ウインドウ中の位置の総数で割り、結果に100を掛けて、配列同一性のパーセンテージを取得することによって算出される。比較のための配列の最適なアライメントは、Smith and Watermanのローカルホモロジーアルゴリズムによって、Needleman and Wunschのホモロジーアライメントアルゴリズムによって、Pearson and Lipmanの類似度検索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ実装(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group (GCG)のGAP、BESTFIT、BLAST、PASTA、およびTFASTA)によって、または目視検査によって行うことができる。2つの配列が比較のために特定されたら、それらの最適のアライメントを決定し、すなわち同一性の程度を決定するために、GAPおよびBESTFITが好ましく用いられる。好ましくは、ギャップウェイトの5.00およびギャップウェイトレングスの0.30のデフォルト値を使用する。上に参照される変異体は、アレル変異体または任意の他の種特異的ホモログ、パラログ、またはオーソログであってよい。変異体という表現はまた、それぞれの完全長タンパク質またはペプチドを標的にする診断手段またはリガンドによって依然として認識される分解産物、例えばタンパク質分解による分解産物をも包含する。用語「変異体」はまた、スプライスバリアントをカバーすることが意図される。用語「変異体」はまた、翻訳後修飾ペプチド、例えばグリコシル化ペプチドに関する。「変異体」はまた、例えばペプチドへの標識、特に放射性標識または蛍光標識の共有結合または非共有結合による結合によって、サンプルの収集後に修飾されているペプチドである。好ましくは、IL-6変異体は、具体的な参照ペプチドの本質的に同一の免疫学的および/または生物学的特性を有し、好ましくはヒトIL-6と同一の免疫学的および/または生物学的特性を有し、最も好ましくはヒトIL-6と同一の生物学的および/または免疫学的特性を有する。好ましくはIL-6変異体は、ヒトIL-6活性の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約98%を示す。IL-6活性は好ましくはIL-6受容体結合活性である(Taga et al., ; Drucker C, et al.,)。好ましくはIL-6変異体は、ヒトIL-6の少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%のヒトIL-6受容体結合活性を示す。
【0032】
本発明の化合物は、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)、より好ましくは式C12〜C16-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(II)の化合物である。化合物のハロゲン化物は、好ましくは、フルオライド、クロライド、ブロミド、またはヨーダイドから選択され、より好ましくはブロミドである。
【0033】
好ましくは、本発明中で使用される化合物は、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17またはC18アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物から選択され、より好ましくはC12、C13、C14、C15またはC16アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物から選択される。実例化合物(case compounds)のCAS番号は、1119-97-7, 1119-94-4, 1112-00-5, 57-09-0, 19727-46-9, 4574-04-3, 73163-54-9, 112-02-7, 1885-15-0, 112-03-8, 77544-88-8, 879685-36-6, 1120-02-1, 21424-24-8, 57-09-0, 21424-22-6, 1119-97-7, 21424-21-5, 1119-94-4, 2650-58-0, 67867-02-1, 19014-04-1, 205582-59-8, 15934-10-8, 7192-88-3, 82539-37-5である。
【0034】
好ましくは、該化合物はTTAB (テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、またはDTAB (ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド)またはHTAB (ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)である。TTABは化合物テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号1119-97-7に関する。DTABは化合物ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号1119-94-4に関する。HTABは化合物ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号57-09-0に関する。
【0035】
本発明の化合物は飽和または不飽和である。好ましくは、該化合物はアルカン、アルケンまたはアルキンである。
【0036】
さらに、本発明の化合物は置換または非置換である。本明細書中で使用される用語「置換化合物」は、少なくとも1つの水素原子が基Rによって置き換えられている化合物を記載する。Rは、H;ヒドロキシル;チオール;フルオリド、クロライド、ブロミドまたはヨーダイドから選択されるハロゲン化物;以下の化合物: 線状、分岐または環状アルキル、場合により置換されている線状、分岐または環状アルケニルから選択されるC1-C4化合物であり、ここでオプションの該置換基は、アルケニルアルキル、アルキニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル(heterocyclealkyl)、場合により置換されているヘテロシクロアルケニルアルキル、アリールシクロアルキル、およびアリールヘテロシクロアルキルの1種以上から選択され、そのそれぞれは場合により置換されており、ここでオプションの置換基は、アルケニルアルキル、アルキニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル(heterocyclealkyl)、場合により置換されているヘテロシクロアルケニルアルキル、アリールシクロアルキル、およびアリールヘテロシクロアルキル、フェニル、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、-NH(アルキル)、-NH(シクロアルキル)2、カルボキシおよび-C(O))-アルキルの1種以上から選択される。
【0037】
本明細書中で使用される用語「安定化」とは、IL-6の構造的完全性の保存または少なくとも生物学的活性の保存を表す。好ましくは、「安定化されたIL-6」とは、IL-6の保存期間が延長しているIL-6を表す。好ましくは、「安定化されたIL-6」は、実施例で規定される条件下で検査された場合に、本発明のIL-6組成物を2〜8℃で7日間保存するときに、少なくとも約60 %、好ましくは少なくとも約80 %の回収%を示すIL-6である。
【0038】
興味深いことに、発明者らは、IL-6を含む(液体)組成物中の約0.15 %〜約0.4 %の濃度の本発明の化合物がIL-6の安定化をもたらすことを発見した。より好ましくは、該化合物の濃度は約0.15 %〜約0.25 %である。さらに、約0.5 %より高い濃度の該化合物、および0.05 %未満の濃度の該化合物は、血清中のIL-6 (インターロイキン-6)の不安定化をもたらす。
【0039】
特に、本発明は、IL-6回収が、約0.05 %〜約0.5 %で変動したTTAB濃度に依存することを示す。最も強い安定化効果は、約0.2 %〜約0.25 %のTTABの濃度で観察される。約0.5 %濃度のTTABはIL-6の不安定化をもたらす。IL-6回収は、異なる濃度(ネガティブコントロールとしての0 %、そして0.2 %および0.25 %)のTTABを使用することによって確認することもできる。ネガティブコントロールと比較して、低および高濃度のIL-6でのIL-6回収における20%および17%増加が2〜8℃で23日後に達成された。
【0040】
上昇した安定性を有するIL-6の提供は、免疫学的試薬の生産を改善させ、最大処理時間の制限を軽減し、IL-6ロットサイズを増加させる。好ましくは、不安定化されたIL-6の損失を埋め合わせるための、工程管理中のIL-6のさらなる添加は必要ではない。ゆえに、IL-6のより高い安定性によってIL-6に基づく製品のコストの低下が生じる。顧客側では、IL-6の安定性の増加により、それぞれの製品、例えば標準物質または品質管理物質のより長い安定性の要求につながる。
【0041】
IL-6安定化効果は限定されず、本発明の他の化合物におよぶ。例えば、ヒトおよびウマ血清中の指定濃度の化合物TTAB、DTABおよびHTABが、TTAB、DTABまたはHTABを添加しないヒトまたはウマ血清中の回収と比較して、IL-6を強く安定化することが示される(図3aおよび3b)。サンプルは2〜8℃で30日まで保存した。
【0042】
そのIL-6回収は、TTAB、DTABおよびHTABを添加しない同バッファー中の回収と比較すると、3%タンパク質を含む水性バッファー中でTTAB、DTABおよびHTABの存在下でさらに明らかである。サンプルは2〜8℃で30日まで保存した。これらの結果は、血清中で観察される結果と対照的に、水性溶液中のIL-6の安定性に対するTTAB、DTABおよびHTABの有害な影響を明らかに示す。
【0043】
Hepes緩衝化血清中の0.225 % TTABの存在下でのIL-6回収(図5)は、IL-6の安定性に対するTTABの正の効果が、ウマ血清中で達成されるだけでなく、ヒツジおよびマウス血清中でも達成されることを示す。ウシ血清に対してTTABの正の効果は達成されなかった。それは、他の種由来の血清と比較してウマ血清中のホルモンおよび/またはビタミンB12の異なる組成に起因しうる。
【0044】
本発明の化合物のIL-6安定化効果は特定の血清型に限定されない。本発明のさらなる態様は、本明細書中で使用される血清が哺乳類の血清であり、好ましくはヒト、ウマ、ウシ、ヒツジまたはマウス血清から選択されることである。好ましくは、該血清は哺乳類の血清であり、それはヒツジ血清ではないか、またはヒツジもしくはウシ血清ではない。本明細書中で使用される用語「血清」とは、バッファーを含む血清に基づく溶液を表す。塩、バッファー、糖、キレート剤、保存剤およびプロテアーゼインヒビターなどの物質の、本発明の血清への添加は好ましいが必要ではない。本明細書中で使用される用語「ウマ血清」とは、ウマから取得された血清を表す。本明細書中で使用される用語「ウシ血清」とは、ウシから取得された血清を表す。本明細書中で使用される用語「ヒツジ血清」とは、ヒツジから取得された血清を表す。本明細書中で使用される用語「マウス血清」とは、マウスから取得された血清を表す。
【0045】
好ましくは、本発明の組成物中の血清濃度は、少なくとも約60 %、より好ましくは約70 %、より好ましくは約80 %、ずっとより好ましくは約90 %、最も好ましくは約95 %である。
【0046】
本発明の組成物に糖を加えることができる。本明細書中で使用される用語「糖」とは、任意の単糖または二糖を表す。好ましくは「糖」は、D-グルコースおよび/またはD-マンノースを表す。該糖は、好ましくはポリオール、より好ましくはマンニットである。本明細書中で使用される用語「ポリオール」とは、任意の糖アルコールを表す。好ましくは「ポリオール」とは、D-マンニトールおよび/またはラセミマンニトール、CAS番号69-65-8を表す。
【0047】
本発明の組成物にキレート剤を加えることができる。本明細書中で使用される用語「キレート剤」とは、二座または多座リガンドを表す。好ましくは「キレート剤」とは、EDTA (エチレンジアミン四酢酸)および/またはEDDS (エチレンジアミン-N,N'-二コハク酸)を表す。
【0048】
本発明の組成物に保存剤を加えることができる。本明細書中で使用される用語「保存剤」とは、EP0467337に記載されるような診断試薬を保存するために使用される化合物を表す。好ましくは、用語「保存剤」は、Pyrion-Chemieから商品名Oxy-Pyrion (2-Hydroxypyridin-N-oxid)の下で入手可能な化合物2-ヒドロキシ-ピリジン-N-オキシドに関する。
【0049】
本発明の組成物にプロテアーゼインヒビターを加えることができる。本明細書中で使用される用語「プロテアーゼインヒビター」とは、キモトリプシン、サーモリシン、パパイン、プロナーゼ、膵臓抽出物およびトリプシンに起因するタンパク質分解による崩壊を妨げる化合物および/または化合物の混合物を表す。好ましくは「プロテアーゼインヒビター」は、Rocheから入手可能な製品(Protease Inhibitor Cocktail complete, Cat.No. 11697498001)に関する。
【0050】
好ましくは、本発明の組成物または血清にバッファーを加える。該バッファーは、好ましくは、以下の化合物: ホスファート(リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム)、Hepes (N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタンスルホン酸)、Mopso (3-N-モルホリノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、Mops (3-モルホリノプロパンスルホン酸)、Bes (N,N-ビス-2-ヒドロキシエチル-2-アミノエタンスルホン酸)、Tris (Tris-ヒドロキシメチルアミノ-エタン)またはTea (トリエタノールアミン)の少なくとも1種を含む。好ましくは、本発明のバッファーはHepesである。
【0051】
本発明の血清では、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヒトまたはマウス血清に基づく50 mM Hepes緩衝液にIL-6を加える。組成物の最終pHは6.5〜7.5の範囲であり、最も好ましくは、組成物の最終pHは7.0である。
【0052】
本発明の別の態様は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、および血清を含む、本発明に基づく組成物に再構成するために好適な凍結乾燥物に関する。
【0053】
本明細書中で使用される用語「凍結乾燥物」とは、凍結乾燥プロセスによって取得される本発明の組成物を表す。凍結乾燥物中の成分の濃度は、凍結乾燥物が規定量の規定の液体組成物(例えば蒸留水)での再構成の際に本発明の組成物を生じさせるように設定される。
【0054】
本発明の別の態様は、本発明の組成物または凍結乾燥物および使用説明書を含むキットに関する。
【0055】
別の態様では、本発明の組成物または本発明の凍結乾燥物の製造方法であって、以下のステップ:
(A) 以下のもの:
(i) IL-6、そのアイソフォームまたは断片、
(ii) 飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、ここで組成物中の該化合物の濃度は約0.15 %〜約0.4 %である、および
(iii) 血清
を混合するステップ、
(B) 場合により、ステップAで得られた混合物を凍結乾燥するステップ
を含む方法を提供する。
【0056】
別の態様では、IL-6、そのアイソフォームまたは断片を安定化する方法であって、以下のもの:
(i) IL-6、そのアイソフォームまたは断片、
(ii) 飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、ここで組成物中の該化合物の濃度は約0.15 %〜約0.4 %である、および
(iii) 血清
を混合するステップを含む方法を提供する。
【0057】
本発明の別の態様は、IL-6、そのアイソフォームまたは断片を安定化するための、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩の使用に関する。好ましくは、IL-6組成物中の化合物は、約0.15 %〜約0.4 %、好ましくは約0.15 %〜0.25 %の濃度を有する。好ましくは、該組成物は、血清、好ましくは緩衝化された血清をさらに含む。好ましくは、該化合物は式C12〜C16-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(II)の化合物であり、ここでハロゲン化物は、フルオライド、クロライド、ブロミド、またはヨーダイドから選択される。好ましくは、該化合物は、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドから選択される。
【0058】
本発明の安定化されたIL-6は、シングルもしくはマルチアナライトコントロールおよび/またはシングルもしくはマルチアナライトキャリブレーターとして使用することができる。
【0059】
本明細書中で使用される用語「コントロール」とは、アナライト、例えばIL-6の測定に必須の品質管理物質を表す。本明細書中で使用される用語「シングルアナライトコントロール」とは、1つのアナライトを含む品質管理物質を表す。本明細書中で使用される用語「マルチアナライトコントロール」とは、2種以上のアナライトを含む品質管理物質を表す。
【0060】
ほとんどの装置およびセンサーは特定の精度仕様を満たすように設計され、該仕様を満たすように装置を調節するプロセスは較正と称される。他の装置を較正するために使用されるデバイスはキャリブレーターとして知られる。キャリブレーターは、それらが働くように設計されている対象の装置に応じて、形式および機能が変動する。本明細書中で使用される用語「マルチアナライトキャリブレーター」とは、2種以上のアナライトを含むキャリブレーターを表す。
【0061】
本明細書中で使用される用語「約」は、特定の値、量、濃度、レベルなどに対してプラスマイナス20%の範囲を包含し、「約100%」の値の指定は、100 +/- 20%の数値範囲、すなわち80〜120の値の範囲を包含するよう意図される。好ましくは、用語「約」は、特定の値、量、濃度、レベルなどに対してプラスマイナス10%の範囲を包含し、最も好ましくは、特定の値、量、濃度、レベルなどに対してプラスマイナス5%の範囲を包含する。
【実施例】
【0062】
実施例
トータルで4つの実験由来の結果を示す。最初の2つのデータセットは、ウマ血清に基づく組成物中のIL-6の安定化を示す。IL-6は、常に、低濃度(24〜60 pg/mL)および高濃度(126〜357 pg/mL)として記載される2種の濃度で試験される。第3のデータセットはウマ血清およびヒト血清中の安定化を示す。第4のデータセットは、3 %血清タンパク質を含む水性組成物中のIL-6の安定性に対する化合物の負の影響を示す。
【0063】
該組成物はHepes (50 mM)とともに血清を含む。RocheのElecsys IL-6 Immunoassay (Id. 05109442190)を使用してIL-6を測定した。TTABは化合物テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号1119-97-7に関する。DTABは化合物ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号1119-94-4に関する。HTABは化合物ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号57-09-0に関する。
【0064】
Roche DiagnosticsのElecsys 2010分析計ですべての測定を実施した。Roche Diagnostics Elecsys 2010 Immunoassay Systemはイムノアッセイ分析のための全自動化されたソフトウェア制御システムである。それは、分析のための各種試験を使用する定量的および定性的in vitro測定用に設計されている。検出システムは、電極およびアナライト特異的標識抗体を使用する電気化学発光技術に基づく。すべての測定で使用される試薬はRocheのElecsys IL-6アッセイ、cat.no. 05109442190である。このアッセイでは、いわゆるサンドイッチ原理を使用する。詳細を以下に記載する。
【0065】
・第1のインキュベーション: 30μLのサンプルをビオチン化モノクローナルIL-6特異的抗体とインキュベートする。
【0066】
・第2のインキュベーション: ルテニウム錯体およびストレプトアビジンコーティング微粒子で標識されたモノクローナルIL-6特異的抗体を加えた後、抗体はサンプル中の抗原とサンドイッチ複合体を形成する。
【0067】
・反応混合物を測定セル中に吸引し、そこで微粒子は電極の表面に磁気によって捕捉される。そして未結合物質をProCellで除去する。そして電極に電圧をかけると、化学発光による発光が誘発され、光電子増倍管によってそれを測定する。
【0068】
・2点較正によって装置特異的に作製された検量線(calibration curve)によって結果を決定し、試薬バーコードによってマスター曲線を提供する。すべての濃度値は、検量線を使用して生のシグナル値から算出する。参照値は第1の測定(0日目)のものを100 %に設定した。分析計は各サンプル中のアナライト濃度(pg/mL)を自動的に算出する。すべての他の計算はMicrosoft Excel 2003を使用して行った。
【0069】
実施例1
・2種の濃度のIL-6 (24.4〜42.9 pg/mLおよび126.8〜234.2 pg/mL)を、ウマ血清に基づく組成物中で調製した。
【0070】
・各IL-6濃度について6個のアリコートを調製した。第1のアリコートに0.05% TTABを混ぜ、第2のアリコートに0.1 % TTABを混ぜ、第3のアリコートに0.15 % TTABを混ぜ、第4のアリコートに0.2 % TTABを混ぜ、第5のアリコートに0.25 % TTABを混ぜ、第6のアリコートに0.5 % TTABを混ぜた。
【0071】
・12のアリコート全部から、Elecsys IL-6イムノアッセイを使用してIL-6の濃度を測定した。IL-6の添加後30分以内に測定を実施した。このIL-6測定はこの実験での参照として機能した。第1の測定が実施された0日目の参照値を100 %に設定した。
【0072】
12アリコート全部を2〜8℃で5日まで保存した。1、4および5日後にサンプルを採取し、IL-6に関して測定した。5日後、低濃度のIL-6 (24.4〜42.9 pg/ml)を使用すると、0.15 % TTAB〜0. 25 % TTABの濃度を使用したIL-6の回収は依然として88 %〜94 %の範囲であり、0.5 % TTABの濃度では回収は72 %でしかなく、0.05 % TTABの濃度では82 %であった。高濃度のIL-6 (126.8〜234.2 pg/ml)を使用すると、0.15 % TTAB〜0.25 % TTABで回収は90〜94 %の範囲であり、一方、0.5 % TTABの濃度ではIL-6の回収は77 %でしかなく、0.05 % TTABの濃度では85 %であった。
【0073】
詳細な結果を図1に示す。この実験は、回収%を測定することによって決定した、IL-6に対するTTABの濃度依存的安定化効果を明らかに示す。最良の安定化は0.2 %および0.25 % TTABで観察される。対照的に、0.5% TTABは安定性の低下をもたらす。
【0074】
実施例2
・2種の濃度のIL-6 (43.7〜60.8 pg/mLおよび258.5〜347.5 pg/mL)を、ウマ血清に基づく組成物中で調製した。
【0075】
・各IL-6濃度について3個のアリコートを調製した。第1のアリコートをネガティブコントロールとして使用し、それは未変化のままであり、第2のアリコートに0.2 % TTABを混ぜ、第3のアリコートに0.25 % TTABを混ぜた。
【0076】
・6つのアリコート全部から、Elecsys IL-6イムノアッセイを使用してIL-6の濃度を測定した。IL-6の添加後30分以内に測定を実施した。このIL-6測定は、この実験で、2〜8℃で23日保存されたサンプルの参照として機能した。
【0077】
・6つのアリコート全部を2〜8℃で23日まで保存した。1、3、4および23日後にサンプルを採取し、IL-6に関して測定した。6つのアリコート全部の第1のサンプルを採取したとき(0日目)の参照の回収値を100 %に設定した。
【0078】
・サンプルの23日の保存後、低濃度のIL-6 (43.7〜60.8 pg/mL)において、0.2 % TTABで回収値は依然として93 %であり、0.25 % TTABでは94 %であった。アリコート中でTTABを使用しなかった場合、サンプルの23日間の保存後に回収値は74 %に低下する。
【0079】
・高濃度のIL-6 (258.5〜347.5 pg/mL)を使用すると、回収値は依然として0.2 % TTABで95 %であり、0.25 % TTABで96 %である。アリコート中でTTABを使用しなかった場合、サンプルの23日間の保存後に回収値は78 %に低下する。
【0080】
詳細な結果を図2に示す。この実験は、IL-6の回収%に関する、0.2 %および0.25 % TTABで観察される安定化効果を明らかに確認する。TTABを含まないネガティブコントロールは安定性の減少を示す。
【0081】
実施例3a
・2種の濃度のIL-6 (29.1〜44.1 pg/mLおよび169.1〜241.8 pg/mL)を、ヒト血清に基づく組成物中で調製した。
【0082】
・各IL-6濃度について4個のアリコートを調製した。第1のアリコートをネガティブコントロールとして使用し、それは未変化のままであり、第2のアリコートに0.2 % TTABを混ぜ、第3のアリコートに0.2 % DTABを混ぜ、第4のアリコートに0.2 % HTABを混ぜた。
【0083】
・8つのアリコート全部から、Elecsys IL-6イムノアッセイを使用してIL-6の濃度を測定した。IL-6の添加後30分以内に測定を実施した。このIL-6測定はこの実験での参照として機能した。
【0084】
・8つのアリコート全部を2〜8℃で30日まで保存した。1、2、3、7、16および30日後にサンプルを採取し、IL-6に関して測定した。最初の測定を実施したとき(0日目)のアリコートの参照の回収値を100 %に設定した。式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物の添加の正の効果は、アリコートの30日間の保存後に依然として存在している。ネガティブコントロールは低濃度のIL-6で28 %の回収値を示し、0.2 % TTAB、0.2 % DTABまたは0.2 % HTABを含むアリコートの回収値は依然として40〜52 %の範囲である。高濃度のIL-6で同じ効果が観察され、ネガティブコントロールは、低濃度のIL-6で27 %の回収値を示し、0.2 % TTAB、0.2 % DTABまたは0.2 % HTABを含むアリコートの回収値は39〜48 %の範囲である。
【0085】
詳細な結果を図3aに示す。この実験は、ヒト血清に基づく組成物中で0.2 % TTABまたは0.2 % DTABまたは0.2 % HTABで観察される安定化効果を明らかに示す。化合物を含まないネガティブコントロールは安定性の減少を示す。
【0086】
実施例3b
・2種の濃度のIL-6 (33.6〜44.1 pg/mLおよび187.2〜268.3 pg/mL)を、ウマ血清に基づく組成物中で調製した。
【0087】
・各IL-6濃度について4個のアリコートを調製した。第1のアリコートをネガティブコントロールとして使用し、それは未変化のままであり、第2のアリコートに0.2 % TTABを混ぜ、第3のアリコートに0.2 % DTABを混ぜ、第4のアリコートに0.2 % HTABを混ぜた。
【0088】
・8つのアリコート全部から、Elecsys IL-6イムノアッセイを使用してIL-6を測定した。IL-6の添加後30分以内に測定を実施した。該IL-6測定はこの実験での参照として機能した。
【0089】
・8つのアリコート全部を2〜8℃で30日まで保存した。1、2、3、7、16および30日後にサンプルを採取し、IL-6に関して測定した。
【0090】
・最初の測定を実施したとき(0日目)のアリコートの参照の回収値を100 %に設定した。式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物の添加の正の効果は、アリコートの30日間の保存後に依然として存在している。ネガティブコントロールは低濃度のIL-6で79 %の回収値を示し、0.2 % TTAB、0.2 % DTABまたは0.2 % HTABを含むアリコートの回収値は依然として93〜95 %の範囲である。高濃度のIL-6で同じ効果が観察され、ネガティブコントロールは、低濃度のIL-6で80 %の回収値を示し、0.2 % TTAB、0.2 % DTABまたは0.2 % HTABを含むアリコートの回収値は89〜93 %の範囲である。
【0091】
詳細な結果を図3bに示す。この実験は、ウマ血清に基づく組成物中で0.2 % TTABまたは0.2 % DTABまたは0.2 % HTABで観察される安定化効果を明らかに示す。化合物を含まないネガティブコントロールは安定性の減少を示す。
【0092】
実施例4
・Rocheから市販されている、3 %血清タンパク質を含む水性溶液(Universal Diluent, Cat.No. 03183971122)中で2種の濃度のIL-6 (41.4〜53.1 pg/mLおよび237.7〜285.0 pg/mL)を調製した。
【0093】
・各IL-6濃度について4個のアリコートを調製した。第1のアリコートをネガティブコントロールとして使用し、それは未変化のままであり、第2のアリコートに0.2 % TTABを混ぜ、第3のアリコートに0.2 % DTABを混ぜ、第4のアリコートに0.2 % HTABを混ぜた。
【0094】
・8つのアリコート全部から、Elecsys IL-6イムノアッセイを使用してIL-6の濃度を測定した。IL-6の添加後30分以内に測定を実施した。このIL-6測定はこの実験での参照として機能した。
【0095】
・8つのアリコート全部を2〜8℃で30日まで保存した。7、16および30日後にサンプルを採取し、IL-6に関して測定した。
【0096】
・最初の測定を実施したとき(0日目)のアリコートの参照の回収値を100 %に設定した。式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物の添加の負の影響は、アリコートの7日の保存後にすでに観察される。ネガティブコントロールは低濃度のIL-6で98 %の回収値を示し、0.2 % TTAB、0.2 % DTABまたは0.2 % HTABを含むアリコートの回収値は60〜81 %の範囲でしかない。高濃度のIL-6で同じ影響が観察され、ネガティブコントロールは96 %の回収値を示し、0.2 % TTAB、0.2 % DTABまたは0.2 % HTABを含むアリコートの回収値は59〜81 %の範囲でしかない。
【0097】
詳細な結果を図4に示す。この実験は、水性溶液中のIL-6の安定性に対するTTAB、またはDTABまたはHTABの負の影響を明らかに示した。
【0098】
実施例5
・ウマ、ウシまたはマウス血清(203.1〜254.2 pg/mL)および4 Hepesバッファーに基づく溶液にIL-6を加えた。
【0099】
・各IL-6調製物について2個のアリコートを調製した。第1のアリコートをネガティブコントロールとして使用し、それは未変化のままであり、第2のアリコートに0.225 % TTABを混ぜた。
【0100】
・6つのアリコート全部から、Elecsys IL-6イムノアッセイを使用してIL-6を測定した。IL-6の添加後30分以内に測定を実施した。このIL-6測定はこの実験での参照として機能した。
【0101】
・6つのアリコート全部を2〜8℃で7日保存した。7日後にサンプルを採取し、IL-6に関して測定した。
【0102】
詳細な結果を図5に示す。この実験は、ウマ、ウシおよびマウス血清に基づく組成物中のIL-6の安定性に対するTTABの正の効果を明らかに示した。それはまた、ウシ血清中のIL-6の安定性に対するTTABの負の影響も示す。
【0103】
説明中で引用される参考文献
説明中で引用される特許文献
・EP 1566437
・EP 1882944
・US 20040157218
・WO 2009048962
・EP 1242576
・EP 0467337
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のもの:
(i) IL-6、そのアイソフォームまたは断片、
(ii) 式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物 (I)の化合物であって、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換である化合物、またはその塩、ここで、組成物中の該化合物の濃度は約0.15 %〜約0.4 %である、および
(iii) 血清
を含む組成物。
【請求項2】
前記化合物がIL-6を安定化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物が式C12〜C16-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(II)の化合物である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ハロゲン化物が、フルオライド、クロライド、ブロミド、またはヨーダイドから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記化合物が不飽和である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記化合物が非置換である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記化合物が、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物中の前記化合物の濃度が約0.15 %〜約0.25 %である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
血清が哺乳類の血清であり、好ましくはヒト、ウマ、ウシ、ヒツジまたはマウス血清から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物に再構成するために好適な凍結乾燥物であって、以下のもの:
(i) IL-6、そのアイソフォームまたは断片、
(ii) 飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、および
(iii) 血清
を含む凍結乾燥物。
【請求項11】
以下のもの:
(A) 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物、または請求項10に記載の凍結乾燥物、および
(B) 使用説明書
を含むキット。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物の製造方法であって、以下のステップ:
(A) 以下のもの:
(i) IL-6、そのアイソフォームまたは断片、
(ii) 飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、ここで組成物中の該化合物の濃度は約0.15 %〜約0.4 %である、および
(iii) 血清
を混合するステップ、
(B) 場合により、ステップAで得られた混合物を凍結乾燥するステップ
を含む方法。
【請求項13】
IL-6、そのアイソフォームまたは断片を安定化する方法であって、以下のもの:
(i) IL-6、そのアイソフォームまたは断片、
(ii) 飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩、ここで組成物中の該化合物の濃度は約0.15 %〜約0.4 %である、および
(iii) 血清
を混合するステップを含む方法。
【請求項14】
IL-6、そのアイソフォームまたは断片を安定化するための、飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換の、式C10〜C18-アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物(I)の化合物、またはその塩の使用。
【請求項15】
化合物が、IL-6、そのアイソフォームまたは断片を安定化し、ここで、IL-6、そのアイソフォームまたは断片は組成物中に含まれ、該組成物は以下のもの:
(i) 組成物中に約0.15 %〜約0.4 %の前記化合物、および
(ii) 血清
をさらに含む、請求項14の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3−a】
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【図3−b】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−25749(P2012−25749A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−160394(P2011−160394)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】