説明

血漿からオリゴ糖を分析するための方法

本発明は、低分子量ヘパリンおよび超低分子量ヘパリンを構成するオリゴ糖を血漿から分析するための方法に関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、低分子量ヘパリンおよび超低分子量ヘパリンを構成するオリゴ糖を血漿から分析するための方法である。
【背景技術】
【0002】
ヘパリンは、特に有用な抗凝固特性を有するグリコサミノグリカンファミリーの生物学的に活性な因子である。低分子量ヘパリン(LMWH)および超低分子量ヘパリン(VLMWH)が、ヘパリンの長い多糖鎖を切断して、低分子量のより短い鎖を与えることによって調製される。
【0003】
LMWHおよびVLMWHを構成するオリゴ糖は通常、巨視的パラメーター(例えば、これらの平均分子量など)または生物学的活性(例えば、aXa活性(IU/mg)など)によって特徴づけられる。後者は、アンチトロンビンIIIとの相互作用を測定するものであり、最も一般に使用されている。
【0004】
しかしながら、これらの巨視的パラメーターの測定、または、これらの生物学的活性の測定では、いくつかの非常に重要な問題に答えることができない。具体的には、LMWHおよびVLMWHを構成する様々なオリゴ糖の薬物動態学的プロフィルの分析をこれらの基準に基づいて行うことが不可能である。例えば、aXa活性では、AT IIIに対する親和性を有する実体のみ(すなわち、混合物の約20%のみ)が考慮に入れられるだけであり、その結果、オリゴ糖の80%の挙動を測定することができない。さらに、このような親和性混合物を構成する各実体の寄与を明らかにすることができない。
【0005】
従って、各オリゴ糖の血漿中濃度、および、より大きな理由によるが、このaXa活性を単に測定することによるこの薬物動態学的プロフィルを正確に明らかにすることが不可能である。実際、これらのプロフィルにより、LMWHおよびVLMWHに基づく医薬品の投薬量を改善するための非常に有益な情報が提供される。
【0006】
血漿中のLMWHまたはVLMWHを構成する様々なオリゴ糖の挙動を分析することが可能であるためには、これらのオリゴ糖を血漿のその他の構成成分(特に、タンパク質)から完全および再現性良く分離できることが必要である。先行技術において記載される方法では、強力なプロテアーゼ処理(Volpiら、、1995、Biochim.Biophys.Acta.、1243(1)、49−58)が伴う。
【0007】
クロマトグラフィーまたは電気泳動による方法はLMWHの様々な構成成分の分析を可能にしている。例えば、キャピラリー電気泳動(CE)がヘパリンオリゴ糖の分離のために使用される(Guerriniら、Glycobiology、2002、12、713−719;Linhardtら、BioMethods、1997、9、183−197)。しかしながら、CEの選択性は、液体クロマトグラフィーと比較してかなり低い。MALDI−TOF質量分析法をヘパリンオリゴ糖の分析のために使用することもまた一部の場合には可能であり、しかし、この方法は、この大きなコストは言うまでもないことではあるが、複雑な混合物には適用することができない。
【0008】
このような理由から、硫酸化オリゴ糖(例えば、LMWHおよびVLMWHを構成する硫酸化オリゴ糖など)の分析が特に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行われる。酵素的解重合、これに続く還元(適する場合)からなり、および、HPLCアッセイすることによるLMWHの分析方法が最近では記載されている(WO2004/027087)。最近の欧州特許出願(EP04290789.9)には、LMWHおよびVLMWHを構成するオリゴ糖をCTA−SAXアニオン交換クロマトグラフィーによってアッセイするための方法が開示される。この方法では、逆相シリカカラムに動的に吸収され、および、2から12のpH範囲で明瞭および一定の正電荷を維持する第四級アンモニウム塩(具体的には、セチルメチルアンモニウム)に対して行われるアニオン交換クロマトグラフィーが伴う。この方法では、予備的な処理、すなわち、解重合、または、排除クロマトグラフィーによる分離が、CTA−SAXカラムでのHPLCによるLMWHおよびVLMWHの分析の前に伴うことがある。
【発明の開示】
【0009】
本発明の主題は、下記の2つの段階:
a.血漿のサンプルを処理すること、
b.HPLCによってアッセイすること
を行うことを特徴とする、血漿からのオリゴ糖の分析方法である。
【0010】
この方法では、血漿のサンプルに存在するオリゴ糖の酵素的解重合または排除クロマトグラフィーによる分画化のいずれもが、HPLCによるアッセイを行う前に伴わない。他方で、この方法によれば、血漿のサンプルが、ろ液において再び一緒にされるオリゴ糖を、濃縮物に留まる血漿混入物(具体的には、タンパク質)から分離するようにろ過によって処理される。
【0011】
従って、本発明の主題は、より具体的には、血漿のサンプルがろ過によって処理される上記で定義されるような方法である。本発明の非常に具体的な主題は、30kDaを超える分子量を有する分子が濃縮物に保持されることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0012】
血漿のサンプルの処理方法の定量化を可能にするために、また、サンプル毎のこの処理の再現性を確認するために、内部標準物質が、適する場合にはサンプルに加えられる。この標準物質は、可能であるならば、アッセイ生成物に構造的に近いオリゴ糖でなければならず、これはろ過直前に血漿と混合される。
【0013】
従って、本発明の別の主題は、コントロールのオリゴ糖がろ過直前に血漿サンプルに加えられることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0014】
オリゴ糖の大部分がろ過によってタンパク質から分離されるが、一部が濃縮物との静電的相互作用によって捕捉されたままである可能性がある。この場合、塩溶液での濃縮物に対する1回以上の洗浄操作を行うことが必要である。
【0015】
従って、本発明の別の主題は、濃縮物が塩溶液で少なくとも1回洗浄されることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0016】
本発明によれば、塩溶液は、好ましくは、塩化カリウム溶液である。
【0017】
本発明の主題は、より具体的には、濃縮物への添加の後での塩溶液の濃度が1M以上であることを特徴とする上記で定義されるような方法であり、非常に具体的には、塩濃度が2M以上であるこのような方法である。
【0018】
塩溶液による1回以上の洗浄操作の後、濃縮物は、適するならば、水により洗浄される。従って、本発明の主題は、塩溶液での濃縮物に対する少なくとも1回の洗浄操作の後、水により洗浄する段階を含む上記で定義されるような方法である。
【0019】
最初のろ液は、洗浄操作に由来するろ液と一緒にされ、一緒にされた生成物は水で5倍希釈される。この希釈により、過度に高い塩濃度によって引き起こされるピークの何らかの広幅化を防止しながら、オリゴ糖のすべてをクロマトグラフィーカラムへの注入の後で再濃縮することが可能になる。注入直前に、溶液のpHが1NのHClの添加によって3に調節される。
【0020】
本発明による方法によれば、ろ液および適する場合には洗浄液の全体が直接に注入され、HPLCによって分析される。
【0021】
アニオン交換HPLCが、このような複雑な混合物に最も良く適した分離方法である。具体的には、HPLCのために、第四級アンモニウムが共有結合による結合によってグラフト化されているアニオン交換カラムが使用される。このタイプのカラムは、過塩素酸塩を移動相として使用することができるという利点を提供する。このことは、過塩素酸塩とCTAとの間での強い複合体化のためにCTA−SAXカラムに関しては不可能である。
【0022】
従って、本発明の別の主題は、オリゴ糖がアニオン交換HPLCによってアッセイされる上記で定義されるような方法である。本発明のより具体的な主題は、オリゴ糖が、第四級アンモニウムが共有結合による結合によってグラフト化されているアニオン交換カラムでのHPLCによってアッセイされる上記で定義されるような方法である。
【0023】
IonPAc AS11タイプのカラム(Dionex)(粒子サイズが9μmから13μmであり、長さが25cmである)を使用することができる。1mmから4.6mmの間の従来型カラムの直径のすべてを使用することができ、しかし、直径が2mmであるカラムが好ましくは使用される。より一般的には、より小さい直径(例えば、1mm)を有するカラムを使用することができ、このようなカラムでは、実際にはより少量の血漿が必要とされ、および、分析の感度における増大もまた可能になる。
【0024】
使用される装置は、UV検出器を伴う、溶出グラジエントの形成を可能にするクロマトグラフ装置であり得る。好ましくは、構成成分のUVスペクトルをもたらすこと、および、2つの異なる波長における吸収の差から生じ、および、血漿起源の化合物の中のアセチル化されたオリゴ糖の検出を可能にする複雑なシグナルを記録することを可能にする、ダイオードアレイを備える検出器が使用される。200nmまで透明である移動相の使用により、構成成分の識別を容易にすることが可能になる。この場合に使用される移動相は、好ましくは、過塩素酸ナトリウムの溶液であり、しかし、メタンスルホン酸塩またはリン酸塩もまた使用することができる。
【0025】
従って、本発明の主題は、200nmまで透明である移動相が使用されることを特徴とする上記で定義されるような方法である。具体的には、本発明の主題は、移動相が、過塩素酸ナトリウムの溶液、メタンスルホン酸塩の溶液またはリン酸塩の溶液であることを特徴とする上記で定義されるような方法である。本発明の非常に具体的な主題は、移動相が過塩素酸ナトリウムの溶液であることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0026】
分離のために推奨されるpHは2から6.5の間である。好ましくは、3の領域でのpHが使用される。このpHは、過塩素酸塩の緩衝化力よりも良好な緩衝化力をpH=3において有する塩(例えば、リン酸塩など)の添加によって得られる。
【0027】
クロマトグラフィー分離のための標準的な条件が例として下記に示される。
・溶媒A:NaHPO(2.5mM)、これはHPOの添加によってpH2.9にされる
・溶媒B:NaClO(1N)、NaHPO(2.5mM)、これはHPOの添加によってpH3.0にされる。
溶出グラジエントは下記の通りにすることができる。
T=0分:%B=3;T=40分:%B=60;T=60分:%B=80
直径が2mmであるカラムについては、選ばれる流速は、例えば、0.22ml/分であり、カラム温度が40℃である。
【0028】
ろ過された血漿サンプルに存在するオリゴ糖がUVによって検出される。アセチル化されていない多糖はすべてが、所与のpHにおいて、事実上同一のUVスペクトルを有するので、アセチル化糖を、非アセチル化糖類の吸収性(absorptivity)が相殺されるような方式で選ばれた2つの波長における吸収の差をシグナルとして利用することによって選択的に検出することが可能である。
【0029】
下記の場合には、202nmおよび230nmが参照波長として選ばれ、202nmから230nmのシグナルが記録される。数nmの調節が、前記条件の最適な状態であるために必要である可能性があるので、波長の選択は移動相のpHに依存することは当業者には明らかである。この技術のための最も好適な検出器は、Agilent Technologiesから得られるDAD検出器である。この場合、二重検出が、一方が234nmにおいて、他方が202nmから230nmにおいて、それぞれのサンプルに対して行われる。三重検出もまた、シグナルがタンパク質残渣によって汚染されていないことを確認することを可能にする280nmにおけるそれぞれのサンプルの吸収をさらに測定することによって行うことができる。
【0030】
従って、本発明の主題は、検出方法が、アセチル化糖を選択的に検出することを可能にすることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0031】
本発明の別の主題は、アセチル化糖を選択的に検出するための方法が、非アセチル化糖類の吸収性が相殺されるような方式で選ばれた2つの波長における吸収の違いをシグナルとして処理することによって行われることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0032】
従って、本発明の主題は、非常に具体的には、アセチル化糖を選択的に検出するための方法が、202nmから230nmおよび234nmにおける吸収を測定することによって行われることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0033】
従って、本発明の主題は、非常に具体的には、アセチル化糖を選択的に検出するための方法が、202nmから230nm、234nmおよび280nmにおける吸収を測定することによって行われることを特徴とする上記で定義されるような方法である。
【0034】
上記で定義された方法は、より具体的には、すべてのβ−不飽和オリゴ糖を分析することを可能にする。より具体的には、上記で定義された方法は、エノキサパリン、オクタパリン、ベミパリンおよびチンザパリンを構成するオリゴ糖に対して適用される。
【0035】
実験例
手順
血漿の処理
体積が100μlから1000μlの間である血漿サンプルを採血し、適する場合には内部標準物質を後者に加える。
【0036】
ホモジネーション後、得られた溶液を、10000回転/分での5分間の遠心分離によって250μlの水により事前に洗浄された30kDのUltrafree 05限外ろ過カートリッジ(Millipore)に導入する。
【0037】
血漿を、一度に、または、ろ過すべき量が500μlを超えるならば2回に分けて、カートリッジの上部部分に導入する。
【0038】
カートリッジを、1時間から2時間の間、10000回転/分で遠心分離し、その後、ろ液を抜き取る。適する場合には、ろ過すべき血漿の第2の部分をカートリッジの上部部分に導入し、後者を再び遠心分離する。
【0039】
導入された血漿の正確な量が重量測定されている。カートリッジを、カートリッジの上部部分におけるタンパク質残渣が最初の部分の最大でも約10%になるまで遠心分離する。
【0040】
ろ液を抜き取り、ろ過された血漿の1mlあたり210μlの3M KClを濃縮物に加える。
【0041】
ホモジネーション後、カートリッジを、1時間から4時間の間、10000回転/分で遠心分離する。カートリッジを、カートリッジの上部部分におけるタンパク質残渣が最初の部分の最大でも約10%になるまで遠心分離する。
【0042】
2回目のろ液を抜き取り、ろ過された血漿の1mlあたり210μlの3M KClを濃縮物に再び加える。
【0043】
ホモジネーション後、カートリッジを、1時間から4時間の間、10000回転/分で遠心分離する。カートリッジを、カートリッジの上部部分におけるタンパク質残渣が最初の部分の最大でも約10%になるまで遠心分離する。
【0044】
3回目のろ液を抜き取り、ろ過された血漿の1mlあたり250μlの水を濃縮物に加える。
【0045】
ホモジネーション後、カートリッジを、1時間から4時間の間、10000回転/分で遠心分離する。カートリッジを、カートリッジの上部部分におけるタンパク質残渣が最初の部分の最大でも約10%になるまで遠心分離する。
【0046】
これらのろ液を一緒にし、水で5倍希釈し、全体をアニオン交換HPLCに直接に注入する。注入直前に、注入溶液のpHを1N HClの添加によって3に調節する。
【0047】
HPLC方法
ろ過された血漿をアニオン交換HPLCによって分析する。使用されたカラムは、長さが25cmで、内径が2mmのIonPAc As11カラム(Dionex)である。使用された検出器は、ダイオードアレイを備えるUV分光光度計である。
【0048】
pHの全体を、pHを N HClの添加により3に調節した後で注入する。選ばれた流速は0.22ml/分であり、カラム温度は40℃である。
【0049】
溶出をグラジエントモードで行う。使用された2つの溶液は、
溶媒A:NaHPO(2.5mM)(これはHPOの添加によってpH2.9にされる)
溶媒B:NaClO(1N)、NaHPO(2.5mM)(これはHPOの添加によってpH3.0にされる)
である。
【0050】
溶出グラジエントは下記の通りである。
T=0分:%B=3;T=40分:%B=60;T=60分:%B=80
【実施例1】
【0051】
ビーグル血統の雄イヌの血液における3つの八糖の混合物の変化がモニターされる。これら3つの八糖(これらは、ΔIIaIIsIsIs、ΔIsIIaIIsIsおよびΔIIaIIsIsIs1,6−anhydroと記号化される)はLovenox(登録商標)の八糖分画物の主要な親和性の八糖である。これらは、ATIIIに対する大きな親和性を有し、その結果として抗トロンビン活性を有する。
【0052】
【化3】

【0053】
混合物をこれら3つの構成成分のそれぞれに関して0.5mg/kgの目標用量でビーグル血統の3匹の雄イヌに皮下投与する。投与溶液は0.5mg/mlの目標濃度でのこれら3つの八糖の混合物の0.9%NaCl溶液である。
【0054】
5mlの血液サンプルを、投与後の0h、0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、24h、30hおよび48hの時間で採血する。採血された血液サンプルを、400μlのCTAD(クエン酸塩、テオフィリン、アデノシン、ジピリダモール)混合物を含有するチューブに集める。ホモジネーション後、溶液を3000gにおいて15℃で15分間遠心分離する。血漿上清を回収し、使用まで−20℃で保存する。
【0055】
血漿をHPLC注入前に処理するために、約1mlの血漿を抜き取り、重量測定し、これに、約0.02g/lの濃度での内部標準物質の溶液の50μlを加える。
【0056】
内部標準物質は、分析される生成物に対してできる限り構造的に近いように選ばれる。この構造を下記に示す。
【0057】
【化4】

【0058】
使用されたこの四糖により、抽出収率における変動の潜在的な影響を補正することが可能になる。
【0059】
血漿を処理し、HPLCによって分析する。
【0060】
得られた結果を表1に表す。対応するクロマトグラムが図1に表される。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【実施例2】
【0064】
平均分子量が2500DaのVLMWHを1.4mg/kgの目標用量でヒト志願者に投与する。血液サンプルを、投与後の0h、0.25h、0.5h、0.75h、1h、1.25h、1.5h、2h、2.5h、3h、3.5h、4h、4.5h、5h、6h、7h、8h、9h、10h、12h、14hおよび24hの時間で採血する。
【0065】
使用されたVLMWHはオリゴ糖の複雑な混合物であるので、この研究は、この混合物から選ばれたいくつかの成分に限定された。
【0066】
さらに、混合物の構成成分の1つとクロマトグラフィーレベルで妨害しない内部標準物質が見出されていないので、アッセイを、親和性の八糖に関して実施例1で得られたモル応答係数をモル応答係数として採用することによって行った。
【0067】
【化5】

【0068】
結果から、挙動における非常に大きな違いが、研究された低分子量ヘパリンを構成するオリゴ糖の間で明らかにされる。aXa活性を有するオリゴ糖は、これ以外の硫酸化オリゴ糖よりもはるかに遅い脱離速度を有しており、aXa活性をモニターすることからは検出することができない。
【0069】
得られた結果を表2に表す。対応するクロマトグラムが図2に表される。
【0070】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】イヌ1についての3つの八糖の薬物動態学のクロマトグラフィーによるモニタリングを示す。
【図2】投与後の時間を関数とする、超低分子量ヘパリンを構成する主なオリゴ糖のクロマトグラフィーによるモニタリングを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の2つの段階:
a.サンプルを処理すること、次いで
b.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってアッセイすること
を行うことを特徴とする、オリゴ糖を血漿から分析するための方法。
【請求項2】
血漿サンプルがろ過によって処理されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
30kDaよりも大きい分子量を有する分子が濃縮物に保持されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
コントロールのオリゴ糖がろ過前に血漿に加えられることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
濃縮物が塩溶液で少なくとも1回洗浄されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
塩溶液が塩化カリウム溶液であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
濃縮物の添加の後での塩溶液の濃度が1M以上であることを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
濃縮物の添加の後での塩溶液の濃度が2M以上であることを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
濃縮物が塩溶液で少なくとも1回洗浄され、次いで、水により洗浄されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
ろ液および適する場合には洗浄液の全体が注入され、HPLCによって分析されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
クロマトグラフィーがアニオン交換クロマトグラフィーであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
クロマトグラフィーが、第四級アンモニウムが共有結合による結合によってグラフト化されているアニオン交換カラムでのアニオン交換クロマトグラフィーであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
200nmまで透明である移動相が使用されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
移動相が、過塩素酸ナトリウムの、メタンスルホン酸塩のまたはリン酸塩の溶液であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
移動相が過塩素酸ナトリウムの溶液であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
アセチル化糖を選択的に検出することを可能にする検出方法を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
アセチル化糖を選択的に検出するための方法が、非アセチル化糖類の吸収性が相殺されるような方式で選ばれた2つの波長における吸収の違いをシグナルとして処理することによって行われることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
アセチル化糖を選択的に検出するための方法が、202nmから230nmおよび234nmにおける吸収を測定することによって行われることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
アセチル化糖を選択的に検出するための方法が、202nmから230nm、234nmおよび280nmにおける吸収を測定することによって行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
β−不飽和オリゴ糖をアッセイすることにおける請求項1に記載の方法の使用。
【請求項21】
エノキサパリン、オクタパリン(octaparin)、ベミパリン(bemiparin)またはチンザパリン(tinzaparin)をアッセイすることにおける請求項1に記載の方法の使用。
【請求項22】
下記の八糖:
【化1】

の1つ以上をアッセイすることにおける請求項1に記載の方法の使用。
【請求項23】
下記のオリゴ糖:
【化2】

の1つ以上をアッセイすることにおける請求項1に記載の方法の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−527390(P2008−527390A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551702(P2007−551702)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000112
【国際公開番号】WO2006/077317
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(500152119)アバンテイス・フアルマ・エス・アー (65)