説明

血管サポートにおける改良及びそれに関係する改良

本発明は、血管の外部配置に適するサポートであって、当該サポートは、前記血管の周りに配置可能で、前記血管と形態学的関係にあるように成形され、前記サポートは、硬化性材料から形成され、且つ前記サポートはチューブ内に形成可能なサポートと;画像形成スキャナーを使用する患者の血管の形態計測的解析の方法であって、この方法は、(i)前記血管の直径方向横断面画像を得ること;(ii)前記血管の疑似横断面画像を得ること;及び(iii)前記ステップ(i)と(ii)からの画像を処理して前記血管の形態計測モデルを構成することを備える方法とを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管が破裂するリスクの減少に使用される血管のサポートに関する。本発明のサポートは、特に、上行大動脈での使用に適する。
【背景技術】
【0002】
上行大動脈の破裂や解離は、それがこの血管からの急激な出血を起こし、その結果としてシステムの機能不全となるので、致命的な事態になり得る。このことは、誰にでも起こり得るので、マルファン症候群及び二尖大動脈弁疾患(BAVD)として知られる状態の患者は、上行大動脈が破裂するリスクが高まる。
【0003】
マルファン症候群は、大動脈基部が心臓からの血流の脈動に合わせて衰弱する病巣となるまで体の結合組織へ影響を及ぼす。動脈組織が伸び、結果、解離や動脈瘤となる動脈の直径が増大する。更に、動脈の拡張は、大動脈弁の効率に悪影響を及ぼし、漏れが発生し得る。
【0004】
BAVDの患者は、通常三つの代わりに僅か二つの尖即ちカスプを有する大動脈弁を有する。BAVDは、先天性心疾患の最も一般的な形態である。このBAVDは、大動脈の拡大と大動脈動脈瘤と関連する。マルファン症候群の場合よりも大動脈弁輪(即ち、大動脈が心臓と接触する場所)から更に離れて大動脈が拡大する傾向がある。
【0005】
マルファン症候群を有する患者に使用する既存のサポートやステントに伴う問題は、本出願人の先の特許文献1の段落[0003]〜[0007]に述べられている通りである。この特許文献は、形態学的に関係がある血管の外側の配置に適するツーピースステントやサポートを述べている。このようなサポートは、外科医が使用する場合時間が掛かることになる。
【0006】
特許文献1のサポートを患者の血管と形態学的関係になるように成形製造した一つの方法は、血管のコンピュータ支援設計(CAD)モデルに従ってサポートを製造することである。例えば、患者の大動脈をモデル化する場合、MRIスキャナーを使用して大動脈の互いに隣接する2次元画像スライスのセットを収集し、次に、それらの2次元スライスを順に他方を重ねることによって3次元CADモデルを再構築することが必要であった。この方法の不都合な点は、スキャナー内での患者の動き、例えば、呼吸をすることに起因して適切な連続する2次元画像を得ることが困難であることである。また、適切な枚数の画像を収集するために時間がかかり、患者が疲労する問題もあり得る。更に、MRIスキャナーは、閉鎖空間であり、患者に閉所恐怖症を引き起こす可能性もある。
【0007】
血管に適用される他のデバイスは、Shifrin等の名義の特許文献2に示されている。この文献に記述されるデバイスは、血管との形態学的関係になく、代わりに、静脈結合部位を圧迫するためそれ自体の形態を血管に強要する剛性構造を有する。このデバイスは、剛性構造を提供するために金属で作られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開特許第2004/026178号明細書
【特許文献2】米国特許第5,476,471号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
患者が受ける困難を減少し、外科医が外部サポートを血管に適用するのを容易にするために、外部サポート及びそれらの製造を改良することが継続的に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、血管の外部配置に適する第1のサポートが提供され、このサポートは、血管の周りに配置可能でその血管と形態学的関係にあるように成形されており、且つ該サポートは、チューブ内に形成されることができる単一片緻密メッシュである。この結果、従来技術のサポートよりも製造が容易でインプラントが容易なサポートが得られる。
【0011】
また、本発明によると、血管の外部配置に適する第2のサポートが提供され、このサポートは、血管の周りに配置可能でその血管と形態学的関係にあるように成形されており、且つ該サポートは、硬化性材料から形成されチューブ内に形成される。これにより、該サポートをより容易に血管と形態学的関係に設けることができる。ここにおいて本発明に従うサポートの参照の際は、本発明に従う第1及び/又は第2のサポートを参照するものと理解されるべきである。
【発明の効果】
【0012】
血管との形態学的関係にある(又は、を有する)サポートを参照すると、任意ではあるが、このサポートは、患者の血管、例えば、上行大動脈の形状に形態計測学的に対応する形状を有するように事前に形成されている。これは、患者の血管の形状の形態計測学的解析が決定されたためである。サポートのこの形状により、サポートが患者の血管を囲むことができる。ある実施の形態では、サポートは、血管と実質的に十分に接触していることができる。このようなサポートの利点は、患者が術後の困難を受ける機会が減少されることである。
【0013】
このサポートは、長手両縁を共に接続することによって、例えば、縫合すること(例えば、約10mmの間隔でロッキングステッチを配することによって)、ステープル止めすること、融着すること、接着剤で接着すること、或いは当業者が公知の他の方法によって、チューブ内にサポートを形成できるように、対向する長手両縁を有してもよい。単一片サポートは、任意ではあるが、シートの形状である。サポートは、血管の長さと同様な(任意ではあるが、実質的に同じ)長さを有することができる。サポートは、血管の周囲と同様な(任意ではあるが、実質的に同じ)幅を有することができる。
【0014】
このサポートによって形成されるチューブは、通常レベルで支持する通常の周囲を有すると共に基礎レベルのフープ強度を有する。任意ではあるが、サポートによって形成されるチューブの通常の有効周囲は、血管の通常周囲と実質的に同じである。血管は、複数の領域を含むことができ、そこでは、領域の各々が、異なる周囲を有する。ある実施の形態では、サポートは、複数の通常の領域を有することができ、そこでは、通常の領域の各々におけるサポートによって形成されるチューブの通常の(換言すれば、内)周囲は、各領域における血管の周囲と実質的に同じである。このような特徴の一つの利点は、サポートが、血管と形態学的関係にあるように成形されることである。チューブの有効周囲は、各領域における血管の周囲と“実質的に同じ”であると言われる場合、チューブの有効周囲は、血管の周囲よりも10%多いか少ないかであり、任意ではあるが、5%多いか少ないか、例えば、1%多いか少ないかということを意味している。
【0015】
ある実施の形態では、本発明に従うサポートは、変形可能材料から形成されることができる。サポートは、任意ではあるが、塑性変形可能な材料から形成される。このサポートは、硬化性材料の形態であってもよい。硬化性材料は、放射(例えば、熱、赤外線又はUV放射)や化学処理によって特定の形状に硬化されることができる材料、例えば熱硬化性材料である。
【0016】
ある実施の形態では、硬化性材料は、メッシュ、特に、緻密なメッシュの形態であることができる。ある実施の形態では、硬化性材料は、メッシュを形成するために使用される糸が細い糸であるか、或いはメッシュが小さな孔サイズを有する、緻密なメッシュの形状であることができる。任意ではあるが、そのサポートは、編物又は織物材料から形成されることができ、任意ではあるが、そのサポートは、編メッシュから形成される。ある実施の形態では、そのサポートは、生理学的に許容される材料(例えば、縫合糸として使用されるのに適する材料)、例えば、天然繊維(例えば、絹)及び/又は化学繊維(医療グレードポリマー、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエチレンテレフタレートなど)から形成されることができる。このサポートは、生理学的に吸収性の材料から形成されることができる。任意ではあるが、サポートは、滅菌されることができる。
【0017】
メッシュとは、複数の孔を有する材料を意味するのめに使用され、任意ではあるが、メッシュの孔は、ダイヤモンドの形である。ある実施の形態では、メッシュ孔は、適切な範囲の支持圧力を血管へ提供するように選択された寸法を有することができる。メッシュの形状の硬化性材料を使用することの利点は、材料が、引き伸ばされる時に、そのフープ強度が増加するので自動的により大きな支持を提供することである。
【0018】
血管は、異なる度合いの支持や柔軟性から利益を享受し得る一つ以上の領域を有することができる。例えば、血管が弱い領域では支持の度合いはより大きい方が最適であり、或いはサポートの端部では支持の度合いはより小さい方が適切である。ある実施の形態では、サポートは、血管の対応する領域に適合するように設計された特徴を有する一つ以上の領域を有することができる。領域が、そのサポートの通常の領域よりもより支持の度合いが大きい、支持の度合いがより小さい、又はより柔軟であることが、適切な特徴である。任意ではあるが、そのような特徴を有する領域は、周囲領域である。ある実施の形態では、サポートは、一つ以上のそのような領域を有するように事前形成される。
【0019】
ある実施の形態では、サポートは、増加されたフープ強度を有する第1のより支持の度合いが大きな領域を有する。この第1のより支持の度合いが大きな領域の利点は、フープ強度の基本レベルに比較して増加されたフープ強度により、サポートがより大きな内圧に耐えることができ、それによって、血管のより弱い領域を強化する及び/又はそれに対してより大きな支持を提供することである。ある実施の形態では、第1のより支持の度合いが大きな領域は、通常の領域に類似する曲げ又は破砕強度を有し、それによって、サポートは、例えば道路交通事故等の、緊急時に、曲げ及び/又は破砕力を受けた時に、正常に働くことができる。第1のより支持の度合いが大きな領域の更なる利点は、そのような領域が血管におけるサポートの移動を制限するため、それによって、サポートを血管に積極的に配置するのにそのような領域を使用することができる。サポートが、血管へのサポートの積極的配置を可能とする領域を有することは有用である。これは、サポートが複数の異なる領域を有し、各領域が血管の対応する領域に対して適切な支持を提供するように設計された特徴を有する時に、サポートを積極的に配置することにより、確実に各領域が血管のその領域に対応する領域の近位に配置されるためである。
【0020】
ある実施の形態では、血管は、門脈、大静脈又は大動脈のような大血管であることができ、任意ではあるが、血管は、心臓血管や心臓に繋がる血管であり、任意ではあるが、血管は、上行大動脈である。ある実施の形態では、サポートが、上行大動脈で使用されるためである場合、第1のより支持の度合いが大きな領域は、特に、大動脈弁の領域における大動脈の三葉状部分の支持に使用するためであってもよい。第1のより支持の度合いが大きな領域を上行大動脈の三葉状部分を支持するために使用することの一つの利点は、弁尖がきちんと機能するよう助長し、それによって弁が漏れを起こすことなく動作することである。
【0021】
ある実施の形態では、サポートがメッシュの形状である場合、第1のより支持の度合いが大きな領域は、メッシュの引き伸ばされたエリアによって提供されることができる。そのような領域におけるサポートは、変形され且つ増加されたフープ強度を有する。サポートの変形された領域は、通常の周囲よりも大きな周囲を有することができる。メッシュの変形された領域において、フープ強度の増加は、メッシュを形成するために使用される糸がサポートの周囲に略平行になるようにメッシュ糸の狭部によって形成されるメッシュ孔として得られる。
【0022】
ある実施の形態では、サポートは、第2のより支持の度合いが大きい領域を有することができ、そこでは、サポートの厚みがより大きく、任意ではあるが、そのような領域は、サポートの少なくとも2倍の厚みを有する。この第2のより支持の度合いが大きい領域の一つの利点は、血管の移動を制限することなく支持を増加させることである。第2のより支持の度合いが大きい領域は、より大きな柔軟性を必要とする領域の近位にある血管のエリアにおいて支持を提供するのに有用である。また、第2のより支持の度合いが大きい領域は、局所支持、例えば、軸方向支持を提供するのに有用である。第2のより支持の度合いが大きい領域におけるサポートは、フープ強度が増加するように変形されてもよい。
【0023】
血管が上行大動脈である場合、第2のより支持の度合いが大きい領域は、心臓の近位にある上行大動脈の部分である大動脈弁輪の支持での使用に適する。ある実施の形態では、第2のより支持の度合いが大きい領域は、ここでは、サポートの近位端と呼ばれる、サポートの端に設けられることができる。ある実施の形態では、第2のより支持の度合いが大きい領域は、深さが浅い大動脈の大動脈弁輪の周りに配置されるように成形されることができる。任意ではあるが、第2のより支持の度合いが大きい領域は、隣接している血管や他の組織下に挿入されるのに十分な浅い深さを有する。ある実施の形態では、第2のより支持の度合いが大きい領域の浅い深さは、約2mmから(又は4mmから)15mm(又は10mm)であることができる。浅い深さの第2のより支持の度合いが大きい領域は、血管が上行大動脈である場合有利である。理由は、この浅い深さの第2のより支持の度合いが大きい領域は、大動脈から現れる二つの冠状動脈の下に大動脈弁輪に近いバルサルバ洞からサポートのこの部分を配置することを容易にするからである。大きな又は剛性の構造体は、これらの比較的に脆弱な血管の下の限定空間内に配置することが困難である。
【0024】
第2のより支持の度合いが大きい領域が提供される一つの方法は、サポートの端のヘム(裾:hem)によっておこなわれる。ヘムは、サポートの一領域であり、そこでは、サポートの一端が折り返され、且つ例えば、縫合、ステープル止め、融着、又は接着剤での接着、或いは、当業者が公知の他の方法でサポートへ接続されている。ヘムの支持をより高めることが必要な場合、一つ以上の層がサポートの折り返された層同士間に設けられることができる。
【0025】
ある実施の形態では、第2のより支持の度合いが大きい領域を、軸方向の第2のより支持の度合いが大きい領域になるように軸方向に設けることができる。軸方向の第2のより支持の度合いが大きい領域の利点は、血管に対する局所的軸方向支持を付加的に提供することである。これは、ある状況下において、弱くなった血管が拡張する時に、血管が長手方向へ伸びるので、有用である。軸方向の第2のより支持の度合いが大きい領域は、サポートがチューブ内に形成される時に形成される軸方向ヘムであることができる。
【0026】
ある実施の形態では、サポートは、フープ強度が減少したより支持の度合いが小さい領域を有していても良い。より支持の度合いが小さい領域の利点は、サポートと、それがない場合血管が破裂するリスクがより大きい生来の支持されていない血管との間の変化を最小にすることである。血管が、上行大動脈であり、且つより支持の度合いが小さい領域がサポートの末端に設けられる場合、大動脈のこの部分は、大きく動くことができ、且つより支持の度合いが小さい領域を設けてサポートと血管との間の滑らかな遷移を可能とすることによって損傷のリスクが減少される。
【0027】
ある実施の形態では、サポートがメッシュの形態である場合、より支持の度合いが小さい領域は、サポートに形成される一つ以上のギャップによって提供されることができる。より支持の度合いが小さい領域がサポートの端に設けられる場合、より支持の度合いが小さい領域は、冠をかぶったようにされることができる。この「冠をかぶる」とは、例えば、サポートの端がジグザグパターンに切断されるようにサポートの端が冠の形状にされることを意味する。メッシュの冠をかぶった領域、又はギャップが形成されたメッシュのエリアにおいて、サポートは、血管と連続的な接触状態にあるがより低いフープ強度を有する。
【0028】
もし、異なる周囲長を有するサポートの領域同士間でサポートの周囲のサイズにおける急激な変化を有するエリアがあるならば、血管は、適切に支持されず、破裂する傾向があることが分かった。従って、そのようなエリアでは、周囲のサイズが徐々に変化し破裂のリスクを減少することが好ましい。
【0029】
ある実施の形態では、サポートは、形成具に設けることができる。任意ではあるが、形成具は、その形成具がサポートの形状を維持するのを助けるためにサポートを支援するように血管と類似の形状を有することができる。サポートをそのような形状の形成具に設けることの利点は、特に、血管が複雑な形状を有する場合、外科医が血管への正確な適用のためにサポートを配向するのを助けとなることである。
【0030】
ある実施の形態では、サポートは、形成具に取り外し可能に取り付けられることができる。任意ではあるが、サポートは、例えば、取り外し可能なステッチ(例えば、単一のチェーンステッチ)、ステープル、又は接着剤によって取り外し可能に接続されるサポートの対向する長手両縁によって、形成具に取り付けられることができる。単一のチェーンステッチを使用することの利点は、このステッチが、ステッチの又はステッチを形成するために使用する糸の一回の引っ張りで解くことができることである。このことは、糸がサポートを開くために迅速に除去されることができ、それによってサポートが大動脈の周りに配されることができることを意味する。サポートを形成具から取り外すことが容易であることは有用である。これは、本発明に従う血管をサポートする方法のために掛かる時間を最小にするためであり、それによって、患者が麻酔状態にある時間長並びに全体の治療の期間が減少され、このタイプの手術に関連するリスクを低下する。
【0031】
ある実施の形態では、本発明に従う血管を支持する方法は、血管を止めることなく(即ち、血管を切断することなく)或いは血液の循環中に実行されることができる。サポートが形成具上に設けられる場合、本発明に従う血管を支持する方法は、形成具からサポートを取り外すステップを含む。
【0032】
本発明に従って、画像形成スキャナーを使用しての患者の血管の形態計測的解析の方法が更に提供され、この方法は、
(i)血管の直径方向横断面画像を得ること;
(ii)血管の疑似横断面画像を得ること;及び
(iii)ステップ(i)と(ii)からの画像を処理して血管の形態計測モデルを構成すること
を備える。
【0033】
本発明に従う形態計測解析の方法の利点は、画像形成スキャナーからのより少ない走査画像が必要であるに過ぎず、画像形成中の患者が受ける困難を減少する。形態計測解析の方法によって得られる形態計測モデルは、3次元モデルであることができる。
【0034】
本発明に従う形態計測解析の方法での使用に適するスキャナーは、MRI、MRA、X線CT、3次元脈動ドップラーエコー画像形成スキャナーであることができ、任意ではあるが、そのスキャナーは、MRIスキャナーである。
【0035】
任意ではあるが、本発明に従う形態計測解析の方法のステップ(i)は、一セットの2次元画像、例えば、疑似横断面画像と一セットの直径方向横断面画像から画像を得ることを備える。血管が心臓弁壁、例えば、上行大動脈である場合、ステップ(i)は、大動脈弁輪、左心室流出路、大動脈弁及び上行大動脈の直径方向横断面画像を得ることである。
【0036】
本発明に従う形態計測解析の方法のある実施の形態では、処理ステップ(iii)は、ステップ(i)と(ii)で得られた画像から一つ以上のパラメータを測定すること及びその一つ以上のパラメータを使用して血管の三次元コンピュータ生成形態計測モデルを構成することを備える。適切なパラメータは、任意ではあるが、線寸法、周寸法及び/又は回転角度を含む。必要なパラメータの数は、血管の複雑さに依存する。上行大動脈のような複雑な血管では、20から40のパラメータが必要である。形態計測解析の方法のステップ(iii)は、任意ではあるが、コンピュータ実行コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウエアを使用して血管のモデルを構成する。
【0037】
心臓弁壁や上行大動脈の形状における血管の形態計測モデルは、形態計測解析の方法のステップ(i)と(ii)から得られる画像から比較的に少数のパラメータを使用して構成される。このような形態計測モデルの利点は、患者の動きによって引き起こされる異常が補償され、滑らかなモデルを生成することである。データセットは、大いに減少され、モデル化は、CADの技術を有することを必要としない医療スタッフによって実行されることができる。主な不利益点は、パラメータ化がモデル化手順の柔軟性を減少し、ひどく膨張した大動脈にとって適切ではない場合があることである。
【0038】
形態計測モデルは、上行大動脈を二つに分割する疑似矢状面を有する。上行大動脈の基部近くでこれら二つの面は、実質的に互いに左右対称画像である。大動脈基部面で、横断面は、円形であり、モデルは垂直である。この平面の下方で、モデルが部分的に三葉状になっており、この平面の上方で、モデルが曲線である。三葉平面で、横断面エリアが、三葉状であり、最大の横断面を有する。更に、モデルは、三葉平面に対して垂直である。大動脈弁輪面は、三葉断面の底部を決定し、この平面の横断面は、実質的に円形である。この平面の下方で、モデルは、実質的に一定の直径を有する。
【0039】
27個のパラメータが、ステントの形状と冠状動脈の位置を決定する。
【0040】
モデルの三葉平面での横断面の形状を決定するために、9個のパラメータが測定される。これらのパラメータは、各葉の半径、各葉の幅、及び疑似矢状面に対する各葉の角度である。
【0041】
三葉立体の形状を決定するために、4個のパラメータが測定され、これらのパラメータは、大動脈弁輪平面での直径、大動脈基部平面での直径、大動脈弁輪平面から三葉平面への距離、大動脈基部平面から三葉平面への距離である。三葉平面の形状を決定するパラメータと共に、これらのパラメータは、弁復元の形状を決定する。
【0042】
弁の上方の大動脈の湾曲の形状を決定するために、6個のパラメータが必要である。湾曲の形状は、周囲の長さの約25%未満であり、接線の延長線が続く。パラメータは、大動脈楕円水平軸、大動脈楕円垂直軸、楕円の端での大動脈半径、水平軸に対する水平投影の比率、楕円の端からの延長線の距離、及び延長線の端の直径である。
【0043】
冠状動脈は、任意のサイズの小さな水平穴によってモデル上に各々マークされる。各冠状動脈の位置は、基部からの距離と大動脈の平面からの角度によって決定される。また、2個のパラメータは、各動脈の直径である冠状動脈を特徴付けるために使用される。
【0044】
立体の形成具の壁厚と基部延長線は、2個の更なるパラメータである。これらは、サポートの形状にとって重要ではないが、製造プロセスで使用される形成具のコスト、剛性、強度及び安定性に影響を及ぼす。
【0045】
次に、血管のモデル(例えば、CADモデルの形状において)は、本発明のサポートが作られる形成具を製造するために使用されることができる。形成具は、血管の物理的モデルである。用いられる製造方法によって、形成具は、以下のように作られることができる:CADモデルファイルが適切な急速プロトタイピング機械(Rapid Prototyping Machine)、例えば、立体リソグラフィマシン(SLA)に転送されてポリマー、例えば、UV硬化性エポキシ樹脂に血管の物理的モデル(即ち、形成具)を製造する。次に、このモデルは、シリコンラバーにモールド(鋳型)を作るために使用されることができる。次に、このモールドは、例えば、本発明において形成具として使用されるべき血管の娘(daughter)モデルを製造するために使用される。他の製造技術、例えば、選択レーザ焼結(SLS)、CNC機械加工等が使用されても良い。これらの方法の内、SLSは、一般的に使用されるポリマー(単数又は複数)が滅菌プロセス中(そこでは、形成具が26分間134℃に加熱される)又は加熱硬化処理中に加熱に耐えることができるので、有利である。
【0046】
次に、上記方法で製造された形成具は、最終のサポートを作るために多数の製造プロセスの内の一つにおいて使用される。最終のサポートを製造する一つの方法では、ブランク硬化性サポートが形成具の上に引き出され、それによってそのサポートは、形成具の形状に形態計測学的に対応する形状に適合するように変形される。次に、そのサポートは、形成具の形態計測学形状を保有するように硬化処理を受けること、例えば、熱硬化されることができる。
【0047】
また、本発明に従って、本発明に従うサポートを製造する方法が提供され、その方法は、本発明に従う形態計測解析の方法のステップを備え、且つ:
(iv)形態計測解析の方法から得られた血管の形態計測モデルから形成具を構成すること;
(v)ブランクサポートを前記形成具へ適用すること;及び
(vi)前記ブランクサポートを硬化して血管と形態計測関係を有する、本発明に従うサポートを形成すること、を備える。
【0048】
ある実施の形態では、本発明に従う製造方法のステップ(iv)は、ブランクサポートを形成具の領域上に引き伸ばすことを含み、そこでは、第1のより支持の度合いが大きい領域が必要とされる。ある実施の形態では、本発明に従う製造方法のステップ(v)は、ブランクサポートの引き伸ばされたエリアを硬化すること及びブランクサポートの他のエリアを収縮フィッティングすることを含む。
【0049】
本発明に従って、更に、血管を支持する方法が提供され、その方法は、
(i)そのような処置が必要なヒト又は動物の患者の血管に長手両縁を有する本発明に従うサポートを適用するステップ;及び
(ii)サポートが血管を囲むチューブを形成するように長手両縁を結合するステップを備える。
【0050】
本発明に従うサポートが血管の対応するエリアに適合するように設計された特徴を有する一つ以上の領域を有する場合、本発明に従う血管を支持する方法のステップ(i)は、血管の対応するエリアに適合するように設計された特徴を有する一つ以上の領域が血管の対応する領域(単数又は複数)の近位にあるように配置されるようにそのような処置が必要なヒト又は動物の患者の血管に本発明に従う長手両縁を有するサポートを適用することを含む。
【0051】
本発明に従うサポートの方法によって処置される動物の患者は、哺乳類、例えば、飼育動物や家畜であることができる。
【0052】
本発明は、本発明の範囲を制限するものではない添付の図面の以下の図を参照してより詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、上行大動脈と大動脈弓の形態計測モデルを示す。
【図2】図2は、本発明に従うサポートの概略斜視図である。
【図3】図3は、図2に示されるサポートを形成するために使用されるメッシュの概略拡大図である。
【図4】図4は、図2に示されるサポートの第1のより支持の度合いが大きい領域に使用されるメッシュの概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、参照番号100で概略的に示される上行大動脈と大動脈弓の形態計測モデルを示す。図1において、参照を容易にするために、特定の構成平面がラベル付けされている。疑似矢状平面110は、上行大動脈を半分の112と114に分離する。基部近くで、これら半分の112と114は、実質的に互いに左右対称画像である。大動脈の基部平面120では、モデル100の横断面は、円形であり、モデル100は、この平面から垂直に上昇する。この平面120の下方では、モデル100は、部分的に三葉状であり、この平面の上方では、モデル100は、それが大動脈弓122の開始部であるので、湾曲している。
【0055】
三葉平面130では、モデル100の横断面は、三葉状であり、最大の横断面である。その上、モデル100は、平面130に対して垂直である。
【0056】
大動脈弁輪平面140は、上行大動脈の三葉状部分の底部にある。大動脈弁輪平面140でのモデル100の横断面は、円形である。平面140の下方では、モデル100の横断面は、一定の直径となっている。
【0057】
図2から図4は、参照番号200で概略的に示される本発明に従うサポートを示す。サポート200は、それが、その血管と形状計測的関係を有するように上行大動脈の形状を有するように見える。これは、サポート200の形状(形態)が実質的に上行大動脈の形状(形態)に対応する(関連する)ためである。
【0058】
サポート200は、サポート200が、閉細胞の形状であり、緻密なメッシュ材料が実質的に均一な厚みを有するように、ダイヤモンド形のメッシュ孔204を形成する、編まれた細い糸202から形成されることが図3に示されている。サポート200は、サポート200がチューブの形状であるように継ぎ目糸236によって長手継ぎ目230で接合される長手両縁232と234を有する。
【0059】
サポート200は、長手継ぎ目230によって画定される長さを有する。サポート200の長さは、支持されるべき血管の長さと実質的に同じである。サポート200は、支持されるべき血管の周囲と実質的に同じ幅を有する。サポート200は、使用時に、大動脈弁輪平面に又はその近くに配置される参照番号205によって示される近位端を有する。また、サポート200は、使用時に、大動脈弓に又はその近くに配置される参照番号210によって示される遠位端を有する。
【0060】
サポート200は、参照番号220で概略的に示される第1のより支持の度合いが大きい領域を有する。使用時に、これは、大動脈基部平面と大動脈弁輪平面との間、特に最大横断面を有する三葉平面の周りに配置される。第1のより支持の度合いが大きい領域220において、メッシュ材料は、図4に示されるように、その幅が近位端205でのサポート200の幅よりも大きいように引き伸ばされる。第1のより支持の度合いが大きい領域220の図4に示される拡大図において、サポート200によって形成されるダイヤモンド形のメッシュ孔226は、各メッシュ孔226の周囲寸法224がその長手寸法228よりも長いように拡大される。比較すると、サポート200の通常の領域におけるメッシュ孔204の周囲寸法(図示せず)は、実質的にその長手寸法(図示せず)と同じである。
【0061】
サポート200は、ヘム240の形状の第2のより支持の度合いが大きい領域を有する。使用時に、これは、大動脈弁輪平面よりも下に配置される。ヘム240は、サポート200の倍の厚みを有する。より支持の度合いが小さい領域212がサポート200の遠位端に設けられ、使用時に、それは、大動脈弓に配置される。より支持の度合いが小さい領域212は、冠をかぶせられる(図示せず)。
【0062】
本発明は、特許請求の範囲を制限するものではない実施例によって示される。
【実施例1】
【0063】
以下の実施例において、本発明の画像形成方法の実例が示される。
【0064】
患者は、臨床医/外科医に患者の心内構造物から形態学的及び寸法情報を提供するために従来の医療MRIセッションの間MRIユニット内にいる。このプロセスの一部として、追加の特定の画像が、サポートの製造プロセスの基礎を形成するために収集される。横断面画像形成面は、患者を通る水平方向横断面を与えるように患者を通る((立っている)患者を水平方向へ前から後ろに通る)ようにセットアップされる。次に、この平面は、患者の上行大動脈に対して垂直な疑似横断面位置(大動脈弁レベルで)に調節される。次に、一セットの画像スライスが、大動脈弁輪(左心室流出路[LVOT])から大動脈弁を通って且つ上行大動脈の上に大動脈弓まで得られる。
【0065】
これらの画像データは、ステントの形状と冠状動脈の位置を決定する上記の27個のパラメータを含む種々の大動脈構造物の指定の測定を行う専用のコンピュータ支援設計(CAD)ルーチンを使用して処理される。これらのパラメータは、各葉の半径、各葉の幅及び疑似矢状面に対する各葉の角度、大動脈弁輪平面での直径、大動脈基部平面での直径、大動脈弁輪平面から三葉平面への距離、大動脈基部平面から三葉平面への距離、大動脈楕円水平軸、大動脈楕円垂直軸、楕円の端での大動脈半径及び水平軸に対する水平投影の比率、各冠状動脈の基部からの距離及び大動脈平面からの角度、楕円の端からの延長線の距離、延長線の端の直径、各冠状動脈の直径、立体形成具及びベースの延長線の壁厚である。
【0066】
これらの量的なデータは、CADルーチンによって処理されて上腕と頭との分岐で大動脈弁輪(LVOT)から大動脈弓までの患者の大動脈の3次元復元を製造する。次に、このCADモデルは、適切なファイルフォーマットへ変換され、適切な急速プロトタイピング(RP)マシンへ送られる。次に、RPマシンは、適切な熱可塑性物質で患者の大動脈の剛性の1:1スケールモデルを製造する。このモデルは、表面形態と冠動脈起始の位置のマーキングを含む。
【実施例2】
【0067】
この実施例において、本発明に従うサポートの準備の実例が示される。
【0068】
実施例1に従って準備された患者の大動脈の熱可塑性物質モデルは、形成具が提供され、その上に外部サポートが製造されることができる。これは、医療グレート織物メッシュから内径が患者の大動脈弁輪の直径に関連するブランク筒状サポートを製造することによって成される。このメッシュは、医療グレートのポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエチレンテレフタレート(PET)から製造される。
【0069】
ブランクサポートは、筒状であり、近位端に狭い周囲ヘム(使用時に、LVOTへ適用される)と患者の大動脈周りにサポートを配する前に外科医によって開かれることができる軸方向ヘムを含む。
【0070】
ブランクサポートは、熱可塑性材料の形成具上に引き出され、このサポートが外科手術中に患者の大動脈へ適用される時に、軸方向のヘムが外科医に対してアクセス可能なように位置決めされる。次に、このブランクサポートは、形成具の表面形態の全てがメッシュサポートに一体となるように形成具周囲に熱硬化される。これは、任意の従来の手段、例えば、実験室オーブンにおいて行われることができる。次に、まだ製造形成具上の最終のサポートは、滅菌され、梱包されて、外科医に送られる。
【0071】
他の実施の形態では、僅かな大動脈弁の血液の逆流がある場合、形成具は、大動脈の寸法において僅かな減少を与えてこの機能不全を修正するようにアンダーサイズ、例えば、患者の実際のサイズの90%や85%へ縮小してもよい。
【実施例3】
【0072】
患者の血管を支持するために実施例2で準備されたサポートの使用の実例が示される。
【0073】
麻酔をかけられた患者の場合、胸部が開かれ、その隣の構造物の上行大動脈が切開され、外科医は、現場の形成具の助けを借りて、3弁葉(洞)に関して実施例2に記述されたように準備されたサポートを、それをインプラントする前に、配向することができる。次に、軸方向縫い目が開かれ、サポートは、その製造形成具から除去される。冠状動脈の起始に対する隙間調節部(形成具上にマークされている)が軸方向ヘムの各側からサポートへ切り込まれる。次に、サポートの近位端は、大動脈弁輪に隣接する心室組織内へ縫合される。次に、軸方向ヘムは、サポートの長さで閉じられ、調節部が、大動脈弓の腕頭動脈の基部周りで切断される。これによって、サポートの配置が完了する。次に、トランス食道エコー検査が、大動脈弁能力と正常な冠動脈血流を確認するために使用される。次に、患者の胸部が閉鎖される。
【0074】
他の実施の形態において、インプランテーションにおいて、僅かな大動脈弁の血液の逆流がある場合、患者の血圧は、減少されたサイズのサポートが適合するサイズに大動脈が均一に収縮するまで、制御されながら減少される。次に、サポートは、インプラントされ、血圧が、正常に戻され、弁機能と冠状動脈の血流が上記のようにチェックされる。このように、穏やかな血液の逆流が、正常に戻されることができる。
【符号の説明】
【0075】
100 上行大動脈と大動脈弓の形態計測モデル
110 疑似矢状平面
112、114 上行大動脈
120 大動脈の基部平面
122 大動脈弓
130 三葉平面
140 大動脈弁輪平面
200 サポート
202 細い糸
204、226 ダイヤモンド形のメッシュ孔
205 近位端
210 遠位端
212 支持の度合いが小さい領域
220 第1のより支持の度合いが大きい領域
224 周囲寸法
228 長手寸法
230 長手継ぎ目
232、234 長手縁
236 継ぎ目糸
240 ヘム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の外部配置に適するサポートであって、当該サポートは、前記血管の周りに配置可能で、前記血管と形態学的関係にあるように成形され、前記サポートは、チューブ内に形成されることができる単一片の緻密なメッシュであることを特徴とするサポート。
【請求項2】
硬化性材料から形成される請求項1に記載のサポート。
【請求項3】
血管の外部配置に適するサポートであって、当該サポートは、前記血管の周りに配置可能で、前記血管と形態的関係にあるように成形され、前記サポートは、硬化性材料から形成されると共に、チューブ内に形成されることができることを特徴とするサポート。
【請求項4】
前記サポートは、より支持の度合いが大きい又はより支持の度合いが小さい一つ以上の領域を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のサポート。
【請求項5】
前記サポートは、フープ強度が増加された第1のより支持の度合いが大きい領域を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のサポート。
【請求項6】
前記サポートは、前記サポートの厚みがより大きい第2のより支持の度合いが大きい領域を有し、好ましくは、そのような領域はサポートの少なくとも2倍の厚みを有し、より好ましくは、前記第2のより支持の度合いが大きい領域はヘムであり、好ましくは、前記第2のより支持の度合いが大きい領域は増加されたフープ強度を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のサポート。
【請求項7】
前記サポートは、好ましくは、フープ強度が減少されたより支持の度合いが小さい領域を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のサポート。
【請求項8】
前記血管は大血管であり、好ましくは、前記血管は上行大動脈であり、より好ましくは、前記血管は上行大動脈であり、且つ前記サポートが
好ましくは、大動脈弁の領域において、大動脈の三尖弁部分を支持するのに使用される第1のより支持の度合いが大きな領域;
大動脈弁輪を支持するのに使用される第2のより支持の度合いが大きな領域;及び/又は
大動脈弁輪から遠くのサポートの端にあるより支持の度合いが小さい領域
の特徴の一つ以上を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のサポート。
【請求項9】
前記硬化性材料が、複数の孔を有するメッシュの形状であり、好ましくは、メッシュ孔は、ダイヤモンドの形状である請求項2又は請求項2に従属する請求項3〜8のいずれか1項に記載のサポート。
【請求項10】
前記サポートは、形成具に設けられ、好ましくは、前記サポートは、前記形成具に取り外し可能に取り付けられる請求項1〜9のいずれか1項に記載のサポート。
【請求項11】
血管を支持する方法であって、前記方法は、
(i)長手両縁を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載のサポートを処置が必要なヒト又は動物の患者の血管に適用するステップ;及び
(ii)前記サポートが血管を囲むチューブを形成するように長手両縁を結合するステップ
を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記サポートは形成具に設けられ、且つ前記方法は前記形成具から前記サポートを取り外す初期ステップを備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記サポートは、血管の対応する領域に適するように設計された特徴を有する一つ以上の領域を有し、前記ステップ(i)は、血管の対応する領域に適するように設計された特徴を有する前記一つ以上の領域が前記血管の対応する領域(単数又は複数)の近位に配置されるように長手両縁を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載のサポートを処置が必要なヒト又は動物の患者の血管に適用することを含む請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
画像形成スキャナーを使用する患者の血管の形態計測解析の方法であって、前記方法は、
(i)前記血管の直径方向横断面画像を得ること;
(ii)前記血管の疑似横断面画像を得ること;及び
(iii)前記ステップ(i)と(ii)からの画像を処理して前記血管の形態計測モデルを構成すること
を備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記血管は上行大動脈であり、前記ステップ(i)は、左心室流出路、大動脈弁及び上行大動脈の直径方向横断面画像を得ることを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
サポートを製造する方法であって、前記方法は、請求項14又は15に記載の形態計測解析の方法と、
(iv)前記形態計測解析の方法から得られる血管の形態計測モデルから形成具を構成すること;
(v)ブランクサポートを前記形成具に適用すること;及び
(vi)前記ブランクサポートを硬化して前記血管と形態学的関係を有する本発明に従うサポートを形成すること
を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2−4】
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【公表番号】特表2013−500755(P2013−500755A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522253(P2012−522253)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051239
【国際公開番号】WO2011/012894
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(505097952)エクステント.リミテッド (2)
【Fターム(参考)】