説明

行動情報記録装置

【課題】自己の行動を正確に簡単に記録できる。
【解決手段】収集部21は、ユーザが端末装置に入力した文字情報および音声情報の少なくとも一方と、端末装置の位置情報をネットワークを介して収集する。端末装置を用いてユーザにより撮影された画像情報も収集することができる。行動情報生成部23は、収集部21により収集された情報から、ユーザの行動情報を生成する。行動情報蓄積部12は、行動情報生成部23により生成された行動情報を蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の行動を記録して蓄積する行動情報記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人間の行動パターンを収集し、マーケティング戦略に活かす試みが実施されている(たとえば、特許文献1参照)。ITインフラが年々整備されていくなか、企業はより高精度なデータにもとづき、定量的判断を行うことが可能になってきている。
【0003】
一方、ブログ、ミニブログ(Twitter(登録商標)など)、および狭義のSNS(Social Network Service)(以下、本明細書ではこれらを総称する場合、単にSNSという)を利用しているユーザ数も年々増大している。それに伴い、手書きの日記や手帳の代わりに、ブログを活用しているユーザ数も増大している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−92253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したユーザのなかには、自己の行動をより正確に記録したいと考えるユーザも存在する。しかしながら、夜にその日の行動を思い出してブログを書く場合、自己の記憶が曖昧である場合がある。正確に一日の行動を記録するには、逐一、メモをとっていれば可能であるが、煩雑である。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、自己の行動を正確に簡単に記録できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の行動情報記録装置は、ユーザが端末装置に入力した文字情報および音声情報の少なくとも一方と、端末装置の位置情報をネットワークを介して収集する収集部と、収集部により収集された情報から、ユーザの行動情報を生成する行動情報生成部と、行動情報生成部により生成された行動情報を蓄積する蓄積部と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自己の行動を正確に簡単に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る行動情報記録システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】携帯端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】設置型端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施例1に係る行動情報記録装置の構成を示すブロック図である。
【図5】行動情報蓄積部に構築されるテーブルの一例を示す図である。
【図6】収集された情報を行動情報として行動情報蓄積部に蓄積するまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】仮想世界内にユーザの行動情報を重畳的に描画した例を示す図である。
【図8】仮想世界内にユーザの行動情報を重畳的に描画する処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9(a)−(c)は、ウェブログコンテンツ生成部により生成されるブログの一例を示す図である。
【図10】実施例2に係る行動情報記録装置の構成を示すブロック図である。
【図11】人物分析チャートの一例を示す図である。
【図12】図11のパラメータ調整の基礎となるキーワードおよびキーフレーズを規定したテーブルである。
【図13】人物に関する書込サイトの具体例を説明するための図である。
【図14】曜日単位の行動パターンを記述した行動パターンテーブルの一例を示す図である。
【図15】特定日、ToDoリストおよび達成率の一例を示す図である。
【図16】メッセージ生成部により生成される、なすべき行動の実行を促すメッセージの一例を示す図である。
【図17】図17(a)−(f)は、動作データ保持部に構築されるデータ構造の一例を説明するための図である。
【図18】アバター動作制御部によるアバターの自律動作の基本処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】行動命令を受け付けた場合の、アバター動作制御部によるアバターの自律動作の基本処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】実施例2の変形例を説明するためのブロック図である。
【図21】現実世界のユーザと不在ユーザのアバターとの会話処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る行動情報記録システム500の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る行動情報記録システム500は、行動情報記録装置100および複数の端末装置を備える。行動情報記録装置100と複数の端末装置のそれぞれとは、ネットワーク(以下、インターネットを想定する)300を介して双方向通信が可能である。
【0012】
行動情報記録装置100は少なくとも一台のサーバで構築される。図1では、端末装置を設置型端末装置201と携帯端末装置202に分類して描いている。また、多数のユーザのうち、三人のユーザ(ユーザA〜C)が保有する端末装置について描いている。設置型端末装置201A〜201CはユーザA〜C宅にそれぞれ設置される端末装置である。当該設置型端末装置として、PC、TV、ゲーム機などが挙げられる。以下の説明では、PCを想定する。ユーザA〜Cはそれぞれ携帯端末装置202A〜202Cを携帯する。当該携帯端末装置として、携帯電話機、スマートフォン、携帯型ゲーム機などが挙げられる。以下の説明では、スマートフォンを想定する。
【0013】
設置型端末装置201は、有線回線(たとえば、光ファイバー回線、ADSL回線、CATV回線)または無線回線(たとえば、無線LAN)を介してネットワーク300と接続可能である。携帯端末装置202は、無線回線(たとえば、無線LAN、携帯電話網)を介してネットワーク300と接続可能である。設置型端末装置201と携帯端末装置202とは、ケーブル(たとえば、USBケーブル)、短距離無線通信(たとえば、Bluetooth(登録商標)、メモリーカードまたはネットワーク300を介してデータのやりとりが可能である。
【0014】
図2は、携帯端末装置202の構成例を示すブロック図である。当該携帯端末装置202は、アンテナ41、無線通信部42、位置検出部43、撮影部44、外部入出力部45、文字入力部46、音声入力部47、表示部48、音声出力部49、時計部50、処理部51および記憶部52を備える。
【0015】
無線通信部42は、アンテナ41を介して、無線通信方式に応じた周波数帯域の電波を送受信する。図2では説明の簡単化のためアンテナ41を一つ描いているが、実際には無線通信方式の種別に応じて、複数のアンテナ41が設けられる。たとえば、携帯電話網を介して基地局と通信するためのアンテナ、無線LANを介してアクセスポイントと通信するためのアンテナ、短距離に位置する機器と短距離無線通信するためのアンテナが別々に設けられる。無線通信部42は、処理部51から入力される信号を変調してアンテナ41から電波を送信する。また、アンテナ41で受信した信号を復調して処理部51に出力する。
【0016】
位置検出部43は、携帯端末装置202の位置を検出または推定し、その位置情報を処理部51に出力する。位置検出部43は、たとえばGPS(Global Positioning System)を備え、GPS衛星から受信した複数の信号をもとに、緯度・経度を算出する。なお、携帯端末装置202の現在位置は、GPSを用いる以外に、基地局やアクセスポイントとの通信をもとに推定することも可能である。
【0017】
撮影部44は、ユーザアクションに起因して静止画または動画を撮影する。撮影部44は、撮影された画像を画像情報として処理部51に出力する。その際、当該画像情報に位置検出部43により検出される位置情報が付加されることが好ましい。なお、撮影部44による動画撮影と同時に音声入力部47による録音が実行されてもよい。
【0018】
外部入出力部45は、外部機器(たとえば、設置型端末装置201)とケーブル接続するためのインタフェースである。当該ケーブルを通じてデータのやりとりだけでなく、電源の供給を受けることもできる。
【0019】
文字入力部46は、ユーザアクションによる文字入力を受け付ける。文字入力部46はタッチパネル入力方式であってもよいし、物理キー入力方式であってもよいし、その両方であってもよい。文字入力部46は、受け付けた文字情報を処理部51に出力する。その際、当該文字情報に位置検出部43により検出される位置情報が付加されることが好ましい。
【0020】
音声入力部47は、外部の音を受け付ける。本実施の形態では、主に通話時のユーザの発言や録音機能発動中のユーザの発言による音声入力を受け付ける。音声入力部47は、受け付けた音声情報を処理部51に出力する。その際、当該音声情報に位置検出部43により検出される位置情報が付加されることが好ましい。
【0021】
表示部48は、処理部51によ生成または再生された画像を表示する。音声出力部49は、処理部51により生成または再生された画像を表示する。時計部50は、日時情報を処理部51に出力する。
【0022】
処理部51は、携帯端末装置202全体を統括的に制御する。記憶部52は種々のプログラムおよびデータを保持する。本実施の形態では、処理部51は主に、位置検出部43から入力される位置情報、文字入力部46から入力される文字情報および音声入力部47から入力される音声情報に、時計部50から入力される日時情報を付加して記憶部52に一時記憶する。
【0023】
処理部51は、記憶部52に一時記憶されたそれらの情報を、携帯端末装置202の識別情報とともにネットワーク300を介して行動情報記録装置100に送信する。その際、無線通信部42およびアンテナ41を用いてネットワーク300に直接接続することにより送信してもよいし、設置型端末装置201にそれらの情報をいったん送信し、設置型端末装置201を経由してネットワーク300に接続することにより送信してもよい。
【0024】
前者の場合、情報を取得するたびに情報を送出してもよいし、一定の情報量が蓄積された時点で送出してもよいし、定期的(たとえば、1時間おき)に送出してもよい。後者の場合、携帯端末装置202と設置型端末装置201とがケーブルなどに接続された時点で、記憶部52内の取得された情報が一括して送出されるとよい。
【0025】
図3は、設置型端末装置201の構成例を示すブロック図である。当該設置型端末装置201は、通信部42a、外部入出力部45、文字入力部46、音声入力部47、表示部48、音声出力部49、時計部50、処理部51および記憶部52を備える。これらの各構成要素は、図2に示した携帯端末装置202の対応する構成要素と基本的に同様であるため、その説明を省略する。なお、これらの各構成要素のスペックは図2に示した携帯端末装置202の対応する構成要素のスペックより高く、演算能力、ユーザインタフェースに優れている。
【0026】
図4は、実施例1に係る行動情報記録装置100の構成を示すブロック図である。当該行動情報記録装置100は、通信部10、管理者コンソール11、行動情報蓄積部12、地図データ保持部13、3Dオブジェクト保持部14、ウェブログデータ蓄積部15および処理部20を備える。
【0027】
処理部20は、収集部21、音声文字変換部22、行動情報生成部23、サイト運営部24、仮想世界構築部25、行動情報描画部26、行動再生部27およびウェブログコンテンツ生成部28を含む。これらの構成は、ハードウェア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0028】
通信部10は、有線回線によりネットワーク300と接続する。管理者コンソール11は、行動情報記録装置100の管理者が行動情報記録装置100を操作するための管理者インタフェースである。行動情報記録装置100の保守管理時などに使用される。
【0029】
行動情報蓄積部12は、行動情報生成部23により生成された行動情報を蓄積する。地図データ保持部13は地図データを保持する。当該地図データは二次元データであっても三次元データであってもよいが、以下の説明では三次元データを用いる例を説明する。なお、当該地図データには地図上の各地点の緯度・経度情報が含まれているとする。3Dオブジェクト保持部14は、三次元の地図データにより記述される三次元空間に描画すべき三次元のオブジェクトデータを保持する。たとえば、各ユーザのアバターデータを保持する。なお、各ユーザのアバターは既存サービスにより作成可能なため、本明細書ではその説明を省略する。ウェブログデータ蓄積部15は、各ユーザのブログデータ(ミニブログデータを含む)を蓄積する。
【0030】
処理部20は、行動情報記録装置100全体を統括的に制御する。サイト運営部24は、ネットワーク300上でソーシャルネットワーキングサイトを運営する。実施例1では、ユーザにアバター作成サービスやブログサービスも提供している。仮想世界構築部25は、サイト運営部24により運営されるソーシャルネットワーキングサイトに付随して、現実世界に対応する仮想世界をネットワーク300上に構築する。より具体的には、地図データ保持部13に保持される地図データを用いて、実際の街を模した仮想世界を構築する。
【0031】
収集部21は、ユーザが携帯端末装置202に入力した文字情報および音声情報の少なくとも一方と、携帯端末装置202の位置情報をネットワーク300を介して収集する。また、収集部21は、携帯端末装置202を用いてユーザにより撮影された画像情報をネットワーク300を介して収集する。この画像情報には音声情報が含まれることもある。なお、収集される文字情報、音声情報および画像情報には、基本的に、それらが携帯端末装置202の処理部51に入力された時点の日時情報および位置情報が付加されている。
【0032】
音声文字変換部22は、収集部21により収集された音声情報を文字情報に変換する。これは一般的な音声認識技術を用いることにより実行することができる。なお、この音声文字変換は携帯端末装置202または設置型端末装置201側で実行されてもよい。その場合、行動情報記録装置100では音声文字変換部22は不要となる。
【0033】
行動情報生成部23は、収集部21により収集された文字情報、音声情報、画像情報、位置情報および時刻情報から、ユーザの行動情報を生成する。たとえば、収集された文字情報と、音声文字変換部22により変換された文字情報をテキストマイニングして、ユーザの行動特定に有用な「5W1H」に関連するキーワードまたはキーフレーズを含む文章を抽出する。なお、日本語ではテキストマイニングに先立ち、形態素解析が行われる。形態素解析は文章を、意味を持つ最小単位の文字列に分割し、分割された文字列を品詞に分類する処理である。なお、本明細書ではテキストマイニング自体の詳細には注目しないため、その詳細な説明を省略する。
【0034】
行動情報生成部23は、対象ユーザと接触と持ったと推測される、上記ソーシャルネットワーキングサイトに登録されている他のユーザの携帯端末装置202から収集された情報も参酌して、対象ユーザの行動情報を生成するもできる。たとえば、対象ユーザの音声情報の基礎となる通話の相手方または上記文字情報の基礎となる電子メールの送信先が上記他のユーザである場合、行動情報生成部23は、当該他のユーザの携帯端末装置202から収集された情報のうち、上記対象ユーザの行動に関連する情報を利用することができる。より具体的には、当該他のユーザの携帯端末装置202から収集された文字情報(音声文字変換された情報を含む)のうち、対象ユーザの名前を含む文章を抽出する。
【0035】
行動情報生成部23は、生成した行動情報をユーザ単位で行動情報蓄積部12に蓄積する。図5は、行動情報蓄積部12に構築されるテーブルの一例を示す図である。図5に示すテーブルでは、項目として、「ユーザ」、「日時」、「位置情報」、「文字情報」、「音声情報」および「画像情報」が規定されている。行動情報生成部23は、収集した情報ごとに各項目のセルに情報を埋めていく。なお、「文字情報」、「音声情報」および「画像情報」のセルについては、その取得方法やデータ分類が記述される。「文字情報」、「音声情報」および「画像情報」の実際のデータは別の記録領域に記録され、「文字情報」、「音声情報」および「画像情報」のセルは、対応する記録領域のアドレスと関連付けられている。
【0036】
図6は、収集された情報を行動情報として行動情報蓄積部12に蓄積するまでの処理を説明するためのフローチャートである。収集部21は、携帯端末装置202から文字情報または音声情報を取得する(S10)。なお、収集される情報が、文字情報などに付随しない単体の位置情報の場合および音声情報が付随しない単体の画像情報の場合、それらの情報は直接、行動情報蓄積部12に蓄積される。
【0037】
音声文字変換部22は、収集部21により収集された情報が音声情報であるか否か判定する(S11)。音声情報である場合(S11のY)、その音声情報を文字情報に変換する(S12)。音声情報でない場合(S11のN)、ステップS12をスキップする。
【0038】
行動情報生成部23は、文字情報に含まれる文字数が設定文字数を超えるか否か判定する(S13)。設定文字数を超える場合(S13のY)、文章を要約する(S14)。行動情報生成部23は、一般的な文章要約ソフトウェアを用いて文章を要約する。設定文字数を超えない場合(S13のN)、ステップS14をスキップする。行動情報生成部23は、日時情報、位置情報とともに、文字情報を行動情報蓄積部12に蓄積する(S15)。
【0039】
図4に戻る。行動情報描画部26は、仮想世界内の対応する場所に、行動情報蓄積部12に蓄積されたユーザの行動情報を重畳的に描画する。行動再生部27は、仮想世界内においてユーザのアバターに、行動情報蓄積部12に蓄積された当該ユーザの行動情報にしたがった動作をさせる。これらの描画やアバターを使ったプレイバックは一日単位で実行されることが基本であるが、一日未満や一日を超えるタイムスパンで実行されてもよい。
【0040】
図7は、仮想世界内にユーザの行動情報を重畳的に描画した例を示す図である。図7に示す行動情報は、2010年7月25日の行動情報の一部である。その日の9:00に地点P1で当該ユーザは、携帯端末装置202を用いてミニブログに「これからタバコ買って出勤」と書き込んでいる。その後、9:10に地点P2で当該ユーザは携帯端末装置202を用いて誰かと電話をしている。その会話内容には「20時に銀座のソニービル前」という発言が含まれている。その後、9:20に地点P3で携帯端末装置202のカメラ機能を用いて動画を撮影している。動画の被写体はクラゲである。また、ユーザは「あ、運河のクラゲが綺麗」と発言している。なお、行動再生部27は、アバターを時間経過にしたがい移動させることができる。すなわち、動画としてその日の行動をプレイバック表示させることができる。これら地図を基礎とした行動情報の記録は、本人および本人が閲覧を許可した閲覧権限者が閲覧可能である。
【0041】
図8は、仮想世界内にユーザの行動情報を重畳的に描画する処理を説明するためのフローチャートである。行動情報生成部23は、地図データ保持部13から地図データを取得し(S20)、仮想世界構築部25は、その地図データをもとに仮想世界を構築する。行動情報生成部23は、3Dオブジェクト保持部14からアバターを描画するためのデータを取得する(S21)。行動情報生成部23は、行動情報蓄積部12から対象ユーザの一日の行動情報を時刻順に取得する(S22)。行動情報生成部23は、取得した行動情報に含まれる位置情報により特定される位置にアバターを配置させ(S23)、その近傍に取得した行動情報に含まれる文字情報および/または画像情報を配置する(S24)。行動情報生成部23は、対象ユーザの一日のすべての行動情報を取得したか否か判定する(S25)。取得していない場合(S25のN)、ステップS22に遷移し、ステップS23〜S25の処理を繰り返す。取得した場合(S25のY)、対象ユーザの一日分の行動情報の描画処理を終了する。
【0042】
図4に戻る。ウェブログコンテンツ生成部28は、行動情報生成部23により生成された行動情報から、ウェブログに掲載されるべき文章、画像および音声の少なくとも一つを生成し、ウェブログデータ蓄積部15に蓄積する。ここでは、図7および図8に示したように地図を基礎としたものではなく、既存のプラットフォーム上においてユーザが手作業で行っていた作業を自動化したものである。
【0043】
図9(a)−(c)は、ウェブログコンテンツ生成部28により生成されるブログの一例を示す図である。図9(a)はリアルパターンのブログを示し、図9(b)はマジメパターンのブログを示し、図9(c)はフザケパターンのブログを示す。ユーザはこれらのパターンから一つを選択することができる。
【0044】
図9(a)に示すようにリアルパターンのブログは、行動情報蓄積部12に蓄積された、ユーザにより携帯端末装置202により入力された文字情報や音声情報を、ほぼそのまま用いて作成されるものである。
【0045】
図9(b)に示すようにマジメパターンのブログは、リアルパターンのブログに記載される文章に加えて、その文章のテーマに対するユーザの感想や見識、ウェブ上のナレッジデータベースサイトから得られるナレッジ、またはウェブ上のシナリオデータベースサイトから得られるシナリオが追加される。ウェブログコンテンツ生成部28は、各文章のキーワードを検出することにより、そのキーワードに関連する当該ユーザの他の文章を抽出したり、そのキーワードに関するナレッジをウェブ上のナレッジデータベースサイトから抽出したり、そのキーワードに関するシナリオをウェブ上のシナリオデータベースサイトから抽出することにより、そのようなブログを生成することができる。
【0046】
図9(c)に示すようにフザケパターンのブログは、その文章のテーマに対するユーザの感想、またはウェブ上のシナリオデータベースサイトから得られるシナリオが追加される。ウェブログコンテンツ生成部28は、各文章のキーワードを検出することにより、そのキーワードに関連する当該ユーザの他の文章を抽出したり、そのキーワードに関するシナリオをウェブ上のシナリオデータベースサイトから抽出することにより、そのようなブログを生成することができる。また、ウェブログコンテンツ生成部28は文体変換ソフトウェアを用いて文体を変換または加工することができる。
【0047】
以上説明したように実施例1に係る行動情報記録装置100によれば、ユーザにより携帯端末装置202により入力された文字情報、音声情報または画像情報を蓄積することにより、当該ユーザの行動を正確に簡単に記録することができる。また、それらの情報が入力されたときの日時情報や位置情報も蓄積すれば、より正確に行動を記録することができる。また、同一のソーシャルネットワーキングサイトの登録ユーザの行動情報と照らし合わせることにより、より精度を高めることができる。
【0048】
また、現実世界に対応した三次元仮想世界に、行動情報を表示させることにより、より直感的に行動記録を確認することができる。また、自己の行動記録に沿ってアバターを行動させることにより、行動記録を動画で確認することができる。また、蓄積された行動情報にもとづきブログを自動的に生成することにより、ブログを作成する手間を省くことができる。
【0049】
図10は、実施例2に係る行動情報記録装置100の構成を示すブロック図である。当該行動情報記録装置100は、通信部10、管理者コンソール11、行動情報蓄積部12、地図データ保持部13、3Dオブジェクト保持部14、動作データ保持部16、人物分析蓄積部17、行動パターン蓄積部18、ToDoリスト保持部19および処理部20を備える。
【0050】
処理部20は、収集部21、音声文字変換部22、行動情報生成部23、サイト運営部24、仮想世界構築部25、分析部29、アバター動作制御部30、受付部31、行動履歴生成部32、達成率算出部33およびメッセージ生成部34を含む。これらの構成は、ハードウェア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0051】
図10の構成要素と図4の構成要素で共通している構成要素については、適宜、その説明を省略する。動作データ保持部16は、仮想世界においてアバターを動作させるための動作データを保持する。人物分析蓄積部17は、分析部29により分析された各ユーザの人物分析情報を蓄積する。行動パターン蓄積部18は、分析部29により特定された各ユーザの行動パターンを蓄積する。ToDoリスト保持部19は、各ユーザの特定日における、なすべき行動が記述されたリストを保持する。
【0052】
分析部29は、行動情報蓄積部12により蓄積された行動情報をデータマイニングして、人物分析を行う。たとえば、上述したように蓄積された行動情報内の文字情報を形態素解析して、品詞分類した後、テキストマイニングすることにより、キーワードまたはキーフレーズを抽出する。分析部29は、このキーワードまたはキーフレーズをもとに、各ユーザの人物分析を行う。
【0053】
図11は、人物分析チャートの一例を示す。このチャートでは、四つのパラメータで人物を分析している。第1パラメータは活力に関するパラメータであり、外向型か内向型かを示す。第2パラメータは情報収集に関するパラメータであり、現実型か直感型かを示す。第3パラメータは決断に関するパラメータであり、思考型か情緒型かを示す。第4パラメータは生活様式に関するパラメータであり、規範型か柔軟型かを示す。図11では、各パラメータごとに九段階に分類されている。分析部29は、各パラメータの値を調整する。
【0054】
図12は、図11のパラメータ調整の基礎となるキーワードおよびキーフレーズを規定したテーブルである。たとえば、分析部29は、対象ユーザの行動情報内の文字情報から、外向型であることを推測させるキーワードである「話す」、「喋る」、「付き合い」、「外出」、・・・をカウントし、そのカウント数に応じて、第1パラメータを現在値(初期値は「1」)から加算方向へ移動させる。同様に、分析部29は、対象ユーザの行動情報内の文字情報から、内向型であることを推測させるキーワードである「聞く」、「考える」、「集中」、「一人」、・・・をカウントし、そのカウント数に応じて、第1パラメータを現在値から減算方向へ移動させる。これらの処理を他のパラメータについても行う。
【0055】
パラメータを一単位移動させるために必要なキーワード数、分析対象とすべきデータの期間的範囲は設計者が任意に設定可能である。また、直近の傾向をより強く反映させるために重み付けしてもよい。たとえば、現在に近い文字情報から検出されたキーワードほど、大きな値(1を超える)として取り扱ってもよい。
【0056】
図10に戻る。サイト運営部24は、ネットワーク300上に人物に関する書込サイトを運営する。分析部29は、当該書込サイトに書き込まれたユーザに対する書込も参酌して、当該ユーザの人物分析を行う。すなわち、その書き込みからもキーワードまたはキーフレーズを抽出する。
【0057】
図13は、人物に関する書込サイトの具体例を説明するための図である。サイト運営部24は推論エンジン241を含む。上記ソーシャルネットワーキングサイト内の会員は、家族、友人、同僚などの人物評価を上記書込サイトに登録することができる。その際、原則的に投稿者は匿名で投稿する。なお、評価対象人物は正確に特定される必要があるため、評価対象人物を識別するための情報はできるだけ多く記述されることが好ましい。
【0058】
図13において、投稿A1〜A3には、野村一郎氏の定量評価、定性評価が書き込まれている。図13では説明を簡単化するため、投稿数を三つして描いていなが、投稿数が多いほど、より客観的で正確な他人からの評価が得られることが期待できる。推論エンジン241は、投稿された複数の書き込みを名寄せしたり、定量評価を平均化することにより、評価レポートB1を作成する。この評価レポートBは、本人および本人が閲覧を許可した閲覧権限者が閲覧可能である。
【0059】
なお、他人からの人物評価を受けたいユーザがそれを希望することを契機として、当該ユーザに対する人物評価の投稿が可能となる仕組みであってもよい。また、推論エンジン241により生成された評価レポートと近似する投稿を行ったユーザに特典が付与されてもよい。たとえば、評価レポートの定量評価の点数と、投稿内の定量評価の点数との差が、設定値未満の投稿を行ったユーザに対して特典を付与してもよい。当該特典として、上記ソーシャルネットワーキングサイト内で使用可能なポイントやアイテム、または有料サービスの一部減免などが挙げられる。
【0060】
図10に戻る。分析部29は、行動情報蓄積部12に蓄積された行動情報をもとに、ユーザの曜日単位または日付単位の行動パターンを特定し、行動パターン蓄積部18に蓄積する。図14は、曜日単位の行動パターンを記述した行動パターンテーブルの一例を示す図である。分析部29は、行動情報蓄積部12に蓄積された行動情報に含まれる文字情報をテキストマイニングすることにより、曜日単位で頻出する行動に関するキーワード、キーフレーズ、キーセンテンスを抽出する。分析部29は、抽出したキーワード、キーフレーズ、キーセンテンスのうち、設定回数を超えるキーワード、キーフレーズ、キーセンテンスを各曜日の行動パターンとして採用する。図14はこのようにして生成された行動パターンテーブルである。
【0061】
図10に戻る。行動履歴生成部32は、行動情報蓄積部12に蓄積されたユーザの行動情報をもとに、ユーザの特定日の行動を集計して特定日の行動履歴を生成する。達成率算出部33は、行動履歴生成部32により生成された行動履歴と、特定日になすべき行動が記述されたToDoリストとを照合して、特定日になすべき行動の達成率を算出する。メッセージ生成部34は、達成率算出部33により算出された達成率が設定値に満たない場合、なすべき行動の実行を促すメッセージを生成する。
【0062】
図15は、特定日、ToDoリストおよび達成率の一例を示す図である。ToDoリストへの、なすべき行動の登録は基本的にユーザにより行われる。なお、初詣や年賀状投函など、習慣上のなすべき行動については、ToDoリストにデフォルトで設定されていてもよい。ユーザはその設定を削除、変更することができる。また、日付をずらすこともできる。達成率算出部33は、特定日の行動履歴から、当該なすべき行動の達成率を算出する。たとえば、過去四年間で一回しか、なすべき行動をしていない場合、達成率は25%となる。図15に示すテーブルは、ユーザはいつでも参照可能である。
【0063】
図16は、メッセージ生成部34により生成される、なすべき行動の実行を促すメッセージの一例を示す図である。このメッセージは、なすべき行動の達成率が設定値(たとえば、50%)に満たない場合、生成される。当該メッセージは、なすべき行動の日付到来より前(たとえば、前日、三日前または一週間前)に、ユーザに通知される。通知手段として、電子メール、ブログトップ画面への掲示などが挙げられる。
【0064】
図10に戻る。アバター動作制御部30は、仮想世界においてユーザのアバターに、当該ユーザの人物分析を反映させた自律動作をさせる。アバター動作制御部30は、既存の人工知能技術を用いて、当該アバターを自律動作させることができる。人工知能技術にはニューラルネットや遺伝アルゴリズムなど様々な手法が存在するが、以下では、比較的簡易なモデルを説明する。
【0065】
図17(a)−(f)は、動作データ保持部16に構築されるデータ構造の一例を説明するための図である。この例では、アバターがなすべき行動を階層的に定義している。図17(a)に示すテーブルは、アバターの「行動」を「外出する」と「家にいる」に二分類している。図17(b)−(d)に示すテーブルは、図17(a)のテーブルで「外出する」が選択された場合に、その目的地、その移動手段、同伴者、・・・をそれぞれ選択するためのテーブルである。図17(e)に示すテーブルは、図17(b)に示すテーブルで「映画館」が選択された場合に、その映画のジャンルを選択するためのテーブルである。図17(f)に示すテーブルは、図17(a)に示すテーブルで「家にいる」が選択された場合に、家ですることを選択するためのテーブルである。
【0066】
図18は、アバター動作制御部30によるアバターの自律動作の基本処理を説明するためのフローチャートである。まず、アバター動作制御部30は人物分析パラメータで乱数の発生確率を重み付けする(S30)。原則的に、乱数は選択肢数の範囲内で整数が等確率で発生する。図17(a)に示したテーブルでは、選択肢数は「2」であり、「1」か「2」が等確率で発生する。ステップS30では、この発生確率を調整する。図14に示した人物評価パラメータを持つユーザの場合、活力に関する第1パラメータが1.4(すなわち、やや内向型である)であるため、「家にいる」の発生確率を1.4、「外出する」の発生確率を「0.6」に調整する。
【0067】
アバター動作制御部30は発生確率の調整後、乱数を発生させる(S31)。そして、その乱数に応じたアバターの動作を決定する(S32)。この基本処理を繰り返し実行することにより、アバターの具体的な動作が決定される。
【0068】
図10に戻る。受付部31は、ユーザの設置型端末装置201または携帯端末装置202からネットワーク300を介して、当該ユーザのアバターに実行させる行動を指示するための命令(以下、行動命令という)を受け付ける。アバター動作制御部30は、ユーザの人物分析を反映させたプログラムおよび受付部31により受け付けられた行動命令に応じて、仮想世界においてユーザのアバターを動作させる。
【0069】
図19は、行動命令を受け付けた場合の、アバター動作制御部30によるアバターの自律動作の基本処理を説明するためのフローチャートである。受付部31は、ユーザの設置型端末装置201または携帯端末装置202からネットワーク300を介して行動命令を受け付ける(S40)。アバター動作制御部30は、その行動命令に係る行動が動作データ保持部16内に存在するか否か探索する(S41)。
【0070】
存在しない場合(S41のN)、その行動は実行不可である旨のメッセージを設置型端末装置201または携帯端末装置202に返信し、受付部31は別の行動命令を待つ(S40)。存在する場合(S41のY)、アバター動作制御部30は、受け付けた行動命令に応じた動作を確定させる(42)。たとえば、行動命令が「映画館へ行く」であれば、図17(b)に示したテーブルでは「映画館」が選択される。以下、これより下位の階層について、図18のステップS30〜ステップS32と同様の処理を行う(S43〜S45)。
【0071】
なお、アバター動作制御部30は、このような乱数を用いた動作制御ではなく、図14に示したような行動パターンテーブルを用いてアバターの動作を決定してもよい。図14の例では、曜日を特定することにより、アバターに実行させるべき行動を決定することができる。
【0072】
以上説明したように実施例2に係る行動情報記録装置100によれば、蓄積された自己の行動情報をもとに自己を分析することにより、客観的な自己分析を簡単に行うことができる。また、蓄積された行動情報の量が多くなるほど、より高精度な分析が可能となる。また、他人が投稿サイトに書き込んだ評価を閲覧することにより、他人からの評価を簡単に得ることができる。また、その他人からの書き込みを上記自己分析の基礎データとすることもでき、その場合、コンピュータによる分析と人間による分析が組み合わさったハイブリットな評価を得ることができる。
【0073】
また、自己の人物分析を反映させたアバターを自律動作させることにより、自分のキャラクターを客観的立場から観察することができ、娯楽として楽しむことができる。また、自己改革にもつなげることができる。
【0074】
図20は、実施例2の変形例を説明するためのブロック図である。当該変形例では、アバター動作制御部30は会話ボット部310を含む。会話ボット部310は、会話文受付部311、会話文解析部312および会話文応答部313を含む。また、動作データ保持部16は会話データ保持部161を含む。会話データ保持部161は種々の会話データを保持する。この会話データは適宜、アップデートされることが好ましい。
【0075】
当該変形例では、アバター動作制御部30は、ユーザの不在後、仮想世界において当該ユーザのアバターに、当該ユーザの人物分析を反映させた自律動作をさせる。ここで、ユーザの不在には、死亡、失踪などの永続的な不在、および僻地への赴任、入院(会話ができない程度の症状)、収監などの比較的長期の不在が含まれる。
【0076】
アバター動作制御部30は、不在ユーザの人物分析を反映させたプログラムに応じて、当該ユーザのアバターと現実世界の別のユーザとのコミュニケーションを実現させる。すなわち、不在ユーザとのコミュニケーションを擬似的に実現される。当該コミュニケーションとして、主に会話を想定するが、表情の変化や仕草も含まれる。
【0077】
アバター動作制御部30は、行動情報蓄積部12に蓄積されたユーザの不在前(死亡している場合、生前)の行動情報から当該ユーザの口癖または口調を抽出し、コミュニケーションにおける会話に反映させる。たとえば、当該行動情報に含まれる文字情報を形態素解析し、文章の語尾に付けられる、最頻する接尾語を抽出する。その接尾語の多くは方言に由来する。
【0078】
会話ボット部310は、不在ユーザの家族や友人などと、不在ユーザのアバターとの会話を擬似的に実現させる。会話ボットには、自然言語処理技術を用いて相手方の会話の意味を理解して応答する手法も研究されているが、以下では、比較的簡易なモデルを説明する。
【0079】
会話文受付部311は、不在ユーザのアバターと会話したいユーザの設置型端末装置201または携帯端末装置202からネットワーク300を介して、会話文を受け付ける。受け付けた情報が音声情報の場合、文字情報に変換する。会話文解析部312は、受け付けた会話文内から一つ以上のキーワードまたはキーフレーズを抽出する。会話文解析部312は、そのキーワードまたはキーフレーズと最も関連付けが強い会話文を会話データ保持部161から抽出する。たとえば、「孫」、「生まれた」という二つのキーワードが抽出された場合、「本当によかった」という会話文が抽出される。これらキーワードと会話文との関連付けは既存技術を用いるため、その詳細な説明を省略する。会話文解析部312は、会話文を抽出した後、上記口調を用いて当該会話文をモディファイしたり、上記口癖を当該会話文に追加してもよい。会話文解析部312は、その会話文を文字情報または音声情報として、上記ユーザの設置型端末装置201または携帯端末装置202に返信する。
【0080】
図21は、現実世界のユーザと不在ユーザのアバターとの会話処理を説明するためのフローチャートである。会話文受付部311は、不在ユーザのアバターと会話したいユーザが設置型端末装置201または携帯端末装置202に入力した会話文を受け付ける(S50)。会話文解析部312は、受け付けた会話文内から一つ以上のキーワードまたはキーフレーズを検出する(S51)。会話文解析部312は、そのキーワードまたはキーフレーズと最もマッチング度が高い会話文を会話データ保持部161から抽出する(S52)。会話文解析部312は、抽出した会話文を上記ユーザの設置型端末装置201または携帯端末装置202に返信する(S53)。会話ボット部310は当該会話が終了したか否か判定し(S54)、終了していない間(S54のN)、ステップS50に遷移し、ステップS50〜S54の処理が繰り返し実行される。終了した場合(S54のY)、当該会話処理は終了する。
【0081】
図20に戻る。分析部29は、行動情報蓄積部12に蓄積されたユーザの不在前の行動情報をもとに、ユーザの不在前の行動パターンを特定する。たとえば、図14に示したような行動パターンテーブルを生成する。アバター動作制御部30は、当該ユーザのアバターに当該ユーザの不在前の行動パターンを反映させた自律動作をさせる。
【0082】
以上説明したように実施例2の変形例に係る行動情報記録装置100によれば、不在後に自己の人格を反映させたアバターをネットワーク上の仮想世界に残すことにより、不在者が周囲の者に存在時の自分を印象強く残すことができる。また、家族や友人は不在者と擬似的なコミュニケーションをとることができる。
【0083】
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0084】
上述した実施例では、分析部29は主に、行動情報蓄積部12に蓄積された行動情報に含まれる文字情報をテキストマイニングして、人物分析を行なう手法を説明した。これに加えてまたはこれに代えて、行動情報蓄積部12に蓄積された画像情報の被写体から得られる心理学的分析を用いて、人物分析を行ってもよい。
【符号の説明】
【0085】
100 行動情報記録装置、 201 設置型端末装置、 202 携帯端末装置、 201A 設置型端末装置、 202A 携帯端末装置、 201B 設置型端末装置、 202B 携帯端末装置、 201C 設置型端末装置、 202C 携帯端末装置、 10 通信部、 11 管理者コンソール、 12 行動情報蓄積部、 13 地図データ保持部、 14 3Dオブジェクト保持部、 15 ウェブログデータ蓄積部、 16 動作データ保持部、 161 会話データ保持部、 17 人物分析蓄積部、 18 行動パターン蓄積部、 19 ToDoリスト保持部、 20 処理部、 21 収集部、 22 音声文字変換部、 23 行動情報生成部、 24 サイト運営部、 241 推論エンジン、 25 仮想世界構築部、 26 行動情報描画部、 27 行動再生部、 28 ウェブログコンテンツ生成部、 29 分析部、 30 アバター動作制御部、 310 会話ボット部、 311 会話文受付部、 312 会話文解析部、 313 会話文応答部、 31 受付部、 32 行動履歴生成部、 33 達成率算出部、 34 メッセージ生成部、 41 アンテナ、 42 無線通信部、 42a 通信部、 43 位置検出部、 44 撮影部、 45 外部入出力部、 46 文字入力部、 47 音声入力部、 48 表示部、 49 音声出力部、 50 時計部、 51 処理部、 52 記憶部、 300 ネットワーク、 500 行動情報記録システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが端末装置に入力した文字情報および音声情報の少なくとも一方と、前記端末装置の位置情報をネットワークを介して収集する収集部と、
前記収集部により収集された情報から、前記ユーザの行動情報を生成する行動情報生成部と、
前記行動情報生成部により生成された行動情報を蓄積する蓄積部と、
を備えることを特徴とする行動情報記録装置。
【請求項2】
前記端末装置は、撮影機能を搭載し、
前記収集部は、当該端末装置を用いてユーザにより撮影された画像情報をネットワークを介して収集し、
前記行動情報生成部は、収集された画像情報を、前記行動情報の生成に利用することを特徴とする請求項1に記載の行動情報記録装置。
【請求項3】
ネットワーク上にソーシャルネットワーキングサイトを運営するサイト運営部をさらに備え、
前記行動情報生成部は、前記ソーシャルネットワーキングサイトに登録されている他のユーザの端末装置から収集された情報も参酌して、前記行動情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の行動情報記録装置。
【請求項4】
現実世界に対応する仮想世界をネットワーク上に構築する仮想世界構築部と、
前記仮想世界内の対応する場所にユーザの行動情報を重畳的に描画する行動情報描画部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の行動情報記録装置。
【請求項5】
現実世界に対応する仮想世界をネットワーク上に構築する仮想世界構築部と、
前記仮想世界内においてユーザのアバターに、前記蓄積部に蓄積された当該ユーザの行動情報にしたがった動作をさせる行動再生部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の行動情報記録装置。
【請求項6】
前記行動情報生成部により生成された行動情報から、ウェブログに掲載されるべき文章、画像および音声の少なくとも一つを生成するウェブログコンテンツ生成部をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の行動情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−168861(P2012−168861A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30832(P2011−30832)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)