説明

行動決定を伴うゲームの進行方法、ゲーム装置、およびゲームの進行方法をゲーム装置に実行させるためのプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体

【課題】 プレイヤー個人の意図がゲーム上の行動決定に反映されると共に、他のプレイヤーとの関わり合いを通じて複数プレイヤーの対戦によるゲーム戦略上の醍醐味を味わうことができるゲーム装置の提供。
【解決手段】 ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群に含まれる個々の情報をランダムに複数のプレイヤーに分配し、個々の情報を表すキャラクタ41,42,43,44を可視表示するに際し、選択段階にあるプレイヤーAに分配されたキャラクタ41に対応する情報の内容を明示して行動選択用情報群表示部40に可視表示する一方、選択段階にない他のプレイヤーB,C,Dに分配されたキャラクタに対応する情報の内容を明示しないで可視表示する。選択段階にあるプレイヤーによってキャラクタが一つ選択されると、そのキャラクタに対応する情報を選択済情報とし、そのキャラクタに対応する情報の内容を明示して選択済情報群表示部50に可視表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すごろくゲーム等のボードゲーム、ロール・プレイング・ゲーム(RPG)等のようにプレイヤー自らが行動決定を行う要素を含むゲームの進行方法、ゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、さいころの出目やルーレットの玉が止まった位置の数字等によって持ち駒を進め、持ち駒が止まった位置に表示されている指示に従ってゲームを進めるすごろくゲームがある。このようなすごろくゲームではさいころの出目やルーレットの玉が止まった位置のように実質的に不規則に発生する事象値を用いるものである。また、六面体のさいころの代わりに「1〜6」の数値を乱数で発生させ、ストップキーが操作されたときに発生した数値をさいころの目の数とする等の方法でさいころの目の数を求めるものもある。
【0003】
更に、他のすごろくゲームとして、「何マス進む」、「何マス戻る」等のプレイヤーの行動が書かれたカードを予め多数用意して、ゲーム中に各プレイヤーがこれらのカードから意図的に1枚選択して行動を決定しゲームを進行させるものもある。
【0004】
一方、プレイヤーの操作する主人公のキャラクタ(以下、主人公キャラクタと記す)を仮想の世界で移動させてキャラクタを成長させていくRPGが最近人気を呈している。このようなゲームの一例として、主人公キャラクタの行く手を阻む敵キャラクタと戦闘を行い、戦闘に勝利すると得ることができる経験値を手に入れてキャラクタを成長させながら、ゲームを進行させるものがある。敵キャラクタとの対戦を行う際には、プレイヤーは主人公キャラクタおよび味方キャラクタの行動を逐次操作することになるが、従来のゲームではプレイヤーはこれらのキャラクタの行動制御について予め用意したパターンの中から1つを選択するようになっていた。
【0005】
このように、従来の行動決定を伴うゲームの機構としては、不規則に発生する事象値による行動の決定若しくは各プレイヤー(あるいは各キャラクタ)の行動パターンの自らの選択による行動の決定、又はこれらの2つを組み合わせたものが主として用いられてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の不規則に発生する事象値による行動の決定では、プレイヤー個人の意図が行動に反映されないという不満があった。一方、行動パターンの選択による行動決定ではプレイヤーの意図が反映されるものの、ゲームに参加している他のプレイヤーとの関わり合いが少なく、複数プレイヤーの対戦によるゲーム戦略上の醍醐味に欠けるものであった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、プレイヤー個人の意図がゲーム上の行動決定に反映されると共に、他のプレイヤーとの関わり合いを通じて複数プレイヤーの対戦によるゲーム戦略上の醍醐味を味わうことができるゲームの進行方法、ゲーム装置、およびゲームの進行方法をゲーム装置に実行させるためのプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では以下のように構成することにより前記課題を解決した。以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0009】
本発明のゲーム装置は、ゲームに参加している複数のプレイヤー(A,B,C,D)の各々によって、該ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群から一つの情報が順次選択されることにより、当該選択された情報の内容に基づき行動が決定され、ゲームを進行させるゲーム装置(ゲーム機10、コントローラ11、CRT12)において、
前記情報群に含まれる個々の情報を、ランダムに前記複数のプレイヤーに分配する分配手段(CPU1、カード分配手段101)と、
前記分配手段により前記複数のプレイヤーに分配された個々の情報を表すキャラクタ(例えば、図5のとおり分配されたカード41,42,43,44)を、前記複数のプレイヤー(A,B,C,D)毎に区分して前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示するに際し、前記情報を表すキャラクタのうち、選択段階にあるプレイヤー(例えばプレイヤーA)に分配された前記情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示して(例えば、図5のとおり表側にされたカード41として)行動選択用情報群表示部(例えば、図5の選択用カード表示部40)に可視表示するとともに、選択段階にない他のプレイヤー(例えばプレイヤーB,C,D)に分配された情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示しないで(例えば、図5のとおり裏側にされたカード42,43,44として)前記行動選択用情報群表示部に可視表示する、行動選択用情報群表示手段(スクリーンメモリ8、CRT12)と、
前記行動選択用情報群表示手段により前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示された前記情報を表すキャラクタ及び前記情報の内容を明示したキャラクタのうち、一つのキャラクタを順次選択するために前記プレイヤーの各々により操作される操作部(プレイヤーが操作するコントローラ11)と、
前記操作部の操作によりキャラクタが選択されたとき(例えば、図5における選択ポイント45)、当該選択されたキャラクタに対応する情報を選択済情報(選択済情報群として特定されるカード52)とし、かつ当該選択されたキャラクタに対応する前記情報の内容を明示して(例えば、図5における表側にされたカード52として)選択済情報群表示部(例えば、図5の選択済カード表示部50)に可視表示する選択済情報群表示手段(スクリーンメモリ8、CRT12)と、
を具備するゲーム装置である。
【0010】
また、本発明のゲーム装置は、前記操作部として、前記複数のプレイヤーと同数のコントローラを備え、前記複数のコントローラの各々は、前記プレイヤーが操作する操作手段(例えば、図2に示す十字キー22、Xボタン23、Yボタン24、Aボタン25及びBボタン26)を有し、前記選択段階にあるプレイヤー(例えばプレイヤーA)による当該操作手段の操作によって前記一つのキャラクタが選択される(例えば、図5における選択ポイント45の十字キー22による移動とAボタンの押下によって確定される)構成とすることができる。
【0011】
また、本発明のゲーム装置では、前記操作部における操作に応じて、前記行動選択用情報群表示手段により前記行動選択用情報群表示部に可視表示されている個々の情報を表すキャラクタのうち自己に分配された情報を表すキャラクタの配置状態を変更する位置変更手段(例えば、図1に示すCPU1)をさらに具備するように構成することもできる。
【0012】
また、本発明のゲームの進行方法は、ゲームに参加している複数のプレイヤーの各々によって、該ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群から一つの情報が順次選択されることにより、当該選択された情報の内容に基づき行動が決定され、ゲームを進行させるゲーム装置におけるゲームの進行方法であって、前記ゲーム装置は、分配手段と、行動選択用情報群表示手段と、操作部と、選択済情報群表示手段とを備え、前記分配手段によって、前記情報群に含まれる個々の情報をランダムに前記複数のプレイヤーに分配し、前記第1の行動選択用情報群表示手段により、前記分配手段により前記複数のプレイヤーに分配された個々の情報を表すキャラクタを、前記複数のプレイヤー毎に区分して前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示するに際し、前記情報を表すキャラクタのうち、選択段階にあるプレイヤーに分配された前記情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示して行動選択用情報群表示部に可視表示するとともに、選択段階にない他のプレイヤーに分配された情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示しないで前記行動選択用情報群表示部に可視表示し、前記操作部における操作によって、前記行動選択用情報群表示手段により前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示された前記情報を表すキャラクタ及び前記情報の内容を明示したキャラクタのうち、一つのキャラクタが順次選択された場合に、前記選択済情報群表示手段によって、前記操作部の操作により選択されたキャラクタに対応する情報を選択済情報とし、かつ当該選択されたキャラクタに対応する前記情報の内容を明示して選択済情報群表示部に可視表示することを特徴とするゲームの進行方法である。
【0013】
また、本発明のゲーム進行プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ゲームに参加している複数のプレイヤーの各々によって、該ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群から一つの情報が順次選択されることにより、当該選択された情報の内容に基づき行動が決定され、ゲームを進行させるためにコンピュータを、ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群に含まれる個々の情報を、ランダムに複数のプレイヤーに分配する分配手段と、前記分配手段により前記複数のプレイヤーに分配された個々の情報を表すキャラクタを、前記複数のプレイヤー毎に区分して前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示するに際し、前記情報を表すキャラクタのうち、選択段階にあるプレイヤーに分配された前記情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示して行動選択用情報群表示部に可視表示するとともに、選択段階にない他のプレイヤーに分配された情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示しないで前記行動選択用情報群表示部に可視表示する、行動選択用情報群表示手段と、操作部における操作により、前記行動選択用情報群表示手段により前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示された前記情報を表すキャラクタ及び前記情報の内容を明示したキャラクタのうち、一つのキャラクタが順次選択された場合に、前記操作部の操作により選択されたキャラクタに対応する情報を選択済情報とし、かつ当該選択されたキャラクタに対応する前記情報の内容を明示して選択済情報群表示部に可視表示する選択済情報群表示手段として機能させるためのゲーム進行プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ゲームに参加している複数のプレイヤーが、該ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群から一つの情報を選択することによりゲームを進行させるゲームにおいて、情報を表すキャラクタを選択する順番にあるプレイヤーは、自己に分配された内容の分かった安全なキャラクタを選択するか、推測した他のプレイヤーのキャラクタをリスクを負って選択するかを選ぶことができ、ゲーム性に富むものとなる。
また、故意に自分以外の他のプレイヤーのキャラクタを選択して他のプレイヤーの安全かつ意図的な移動の選択肢を奪うこともできるため、複数プレイヤーの対戦によるゲーム戦略上の醍醐味を味わうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明のより好ましい実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るカードすごろくゲーム機のシステム構成を示す具体的なブロック図である。図1において、ゲーム機10は、演算処理及び制御機能を有するマイクロプロセッサ(以下「CPU」という)1を含んでいる。CPU1には、システムバス2を介して入出力制御回路3、ワークRAM4、CD−ROMデコーダ5およびスクリーンメモリ8が接続される。入出力制御回路3には、ゲームに参加する人数分のコントローラ11が接続される。スクリーンメモリ8は、CD−ROMから読み取られた画像データを格納し、CRT12に所定の画像を表示する。ワークRAM4はCPU1の作業領域として使用される。CD−ROMデコーダ5には、CD−ROMからプログラムデータ、画像データ等のデータを読み取るためのCD−ROMドライブ7と読み取ったデータ等を一時的に格納するためのCD−ROMバッファ6とが接続される。
【0016】
図2は、本実施例で使用するコントローラの外観を示したものである。このコントローラ11は、本体20の中央部に着脱可能で液晶画面を有するビジュアルメモリ21を有している。また、本体20の左側には、CRT12、ビジュアルメモリ21の液晶画面上に表示されるポインタ等の上下左右への移動を指示するキーである十字キー22が、本体20の右側には、所定の動作を指示する、Xボタン23、Yボタン24、Aボタン25、Bボタン26が配置されている。Xボタン23は自分に配られた複数のすごろく用カードのシャッフルを指示するボタンであり、Yボタン24はすごろくマップ画面とカード選択画面との切り替え等、所定の指示を行う際に使用するボタンである。また、Aボタン25はカード選択の実行や確定、Bボタン26は操作のキャンセルを指示するボタンである。また、コントローラ本体20に装着されたビジュアルメモリ21の液晶画面は、後述するように自分に配布されたすごろく用カードの内容を自分のみに表示して、他のプレイヤーからはカードの内容が分からないようにするためのものである。
【0017】
以上のように構成されたカードすごろくゲーム機を使用するには、図1に示したCD−ROMドライブ7にこのゲームのプログラムが記憶された所定のCD−ROM(図示せず)をセットして、プレイヤーの操作によってゲーム機を起動する。これによりCD−ROMドライブ7がCD−ROMからプログラムを読み取り、CD−ROMデコーダ5がこれを解読する。CPU1はシステムバス2を介してゲームを実行するための動作プログラムを読み出し、その動作プログラムの実行を開始する。CRT12上には所定のオープニング画面が表示され、ゲームがスタートする。プレイヤーはCRT12上の画面等による指示に従いコントローラ11の本体20のキーおよびボタンを操作する。これらのキーおよびボタンからの入力信号は、入出力制御回路3を経由してシステムバス2を介しCPU1に送られる。
【0018】
このようなカードすごろくゲーム機におけるゲーム内容について詳しく説明する。
【0019】
まず、1から6までの数字がそれぞれ書かれたカードを4組と、自己に有利な効果、例えば、「他のプレイヤーからカードを奪うことができる」等の効果を起こさせることができるスペシャルカード3枚、その逆に自己に不利な効果を起こさせるマイナスカード1枚を用意する。これらのカードの種類及び枚数は各プレイヤーに既知のものとする。次にこれらのカードがシャッフルされ、プレイヤー4人にランダムに配られる。
【0020】
1〜6の数字の書かれたカードは、移動の時はカードに書かれた数だけマスを進め、その他の例えば、相手とのバトルの時には、カードに書かれた数だけサイコロを振ってその合計数により勝敗を決めるようにすることができる。
【0021】
CRT上に表示されるすごろくマップ画面上の特定マスには、「1回休み」、「他人のカードを見ることができる」、「他人からカードを所定枚数奪うことができる」等の特定の効果を発生させる表示が記載されている。
【0022】
次に、CRT12上でのゲーム画面を図3により詳しく説明する。
図3はカード選択画面の一例であるが、画面30は、選択用カード表示部40と選択済カード表示部50とに大きく二分される。選択用カード表示部40には4人のプレイヤーA、B、C、Dにそれぞれ分配されたカード41・・・、42・・・、43・・・、44・・・がそれぞれ横方向に並べられている。現在カードを選択する順番のプレイヤーは一番上に表示されている(図3ではA)。画面30上では選択段階にあるプレイヤーAに分配されたカード41・・・は他のプレイヤーB〜Dにそれぞれ分配されたカード42・・・、43・・・、44・・・と同様に裏側にされており、カードの内容を見ることができないが、プレイヤーAの手元のコントローラ本体20に設けられているビジュアルメモリ21の液晶画面には、図4に示すように、分配されたカード41・・・が表側にして配置され、分配されたカードの内容が自分だけに分かるようになっている。
【0023】
一方、図3の画面30における選択済カード表示部50においてはその上部にゴミ箱アイコン51が表示されており、A〜D4人のプレイヤーによって既に選択された選択済カード52をカードの種類毎に横方向に並べて配置されている。これより、各プレイヤーは、どのカードが既に何枚選択されたかが分かるようになっている。
【0024】
図3において、カードを選択する順番のプレイヤーAは、各プレイヤーに既知の情報となっているカードの種類と枚数を考慮し、ビジュアルメモリ21の液晶画面に表示されている自分に分配されたカード41・・・の内容と、画面30の選択済カード表示部50に表示された選択済のカードの内容とから、他のプレイヤーB〜Dに分配されたカード42・・・、43・・・、44・・・の内容を推測し、自己の内容が分かっているカードを使用するか、推測した他のプレイヤーのカードのどれかを使用するかを決定し、コントローラ本体20の十字キー22を上下左右に動かすことにより、画面30上の選択ポイント45を選択すべきカードのところへ持っていき、Aボタンを押すことにより選択を確定することができる。
【0025】
一方、B〜Dの各プレイヤーは、プレイヤーAによるカード選択中に、自分のカードのうちプレイヤーAに推測された特定のカードを引かれる確率を低くするために、コントローラー本体20のXボタン23を操作することにより自分のカードをシャッフルすることができる。
【0026】
プレイヤーAが自分または他のプレイヤーのカードを選択後、同様にしてB〜Dのプレイヤーが順番にカードを選択してゲームを進める。カードは選択用カード表示部40中に配置されているカードが全て無くなるまで補充されない。選択順番のプレイヤーは、コントローラ本体20のYボタン24を押して、任意に図3に示したカード選択画面からすごろくマップ画面(図示せず)へと切り替えて、各プレイヤーの現在位置を把握し、ゴールまでのマス目数や途中で止まるべきマス目までの数を考慮して、選択すべきカードの内容を考えることができる。
【0027】
上記のように、カードを選択する順番にあるプレイヤーは自己の内容の分かった安全なカードを引くか、推測した他人のカードをリスクを負って引くかを選択することができ、ゲーム性に富むものとなる。
【0028】
また、故意に自分以外の他のプレイヤーのカードを選択して他のプレイヤーの安全かつ意図的な移動の選択肢を奪うこともできる。特に、カードはプレイヤー全員が使い切るまで補充されないため、自分に分配されたカードを使い切ってしまったプレイヤーは、他のプレイヤーに分配されたカードから選択するしかなくなり、移動の選択肢が大幅に制限されることとなる。このため、複数プレイヤーの対戦によるゲーム戦略上の醍醐味を味わうことができる。
【0029】
更に、カードを選択する順番ではないプレイヤーは、コントローラー本体20のXボタン23を操作して自分のカードをシャッフルすることにより、選択順番のプレイヤーに推測された特定のカードを引かれる確率を低くすることができるため、複数プレイヤー対戦による醍醐味を一層味わうことができる。
【0030】
次に、本発明のカードすごろくゲーム機の別の実施例として、図2に示すコントローラー本体20においてビジュアルメモリ21を具備しないものを用いることができる。この場合は、図5に示すように、CRT12上の画面30の選択用カード表示部40において、選択段階にあるプレイヤーAに分配されたカード41・・・は表側の状態で配置されるものとなり、他のプレイヤーからもカードの内容が見ることができるものとなる。
【0031】
この実施例においては選択順番にあるプレイヤーAに分配されたカードは他のプレイヤーB〜Dからも見ることができるため、プレイヤーB〜DはプレイヤーAに分配されたカードの内容を把握しておくことにより、自分が選択順番のときにカード選択する際の参考とすることができる。一方、他のプレイヤーは、自分のカードの内容が相手に把握されることによる不利益を緩和するため、コントローラー本体20のXボタン23を操作することにより自分のカードをシャッフルすることができる。
【0032】
図6は、本発明の一実施例の動作例を説明するためのフローチャート、図7は、CPUの機能ブロックを示す図である。CPU1はゲーム起動指示を受け、カード分配手段101により行動選択用カードの群から各プレイヤーへカードを配布する(ステップS1)。次に各々のプレイヤーは、画面上に表示された、分配された自分のカード群の内容と選択済カード群とから他人のカード内容を類推し、自分のカードと推測した他人のカードの内容を比較検討する(ステップS2)。検討の結果、他人のカードより自分のカードの方がよいと判断した場合は、自分のカードを選択する(ステップS3)。逆に確率的に自分のカードを選択するより他人のカードを選択する方がよいと判断した場合には、他人のカード中からカードを選択する(ステップS4)。ゲーム進行手段102により選択したカードに書かれた数だけマスを進め、止まったマスの種類に応じたバトル、ミニゲーム等を行い、すごろくゲームを進行させる(ステップS5)。この後、ゲーム終了判定手段103によりゲーム終了か否かが判定され(ステップS6)、終了していない場合はステップS7に進み、カード枚数判定手段104により全員に配布されたカードが無くなったか否かが判定される。カードが無くなった場合には、ステップS1に戻って各プレイヤーにカードを配布し、ゲームを続行する。一方、カードが無くなっていない場合にはステップS2に戻ってゲームを続行する。また、ステップS6でゲーム終了判定手段103によりゲームが終了したと判断された場合にはENDとなる。
【0033】
なお、上記実施例において、ゲームに参加するプレイヤー数は4人としたが、複数人であればよく、特に人数については問わない。また、参加するプレイヤー全員が1カ所に集まってプレイする形態だけでなく、通信対戦ゲームのようにネットワーク接続により遠隔地のプレイヤー同士が対戦する形態にも利用できる。
また、本実施例においては分配されるカードの種類及び枚数の双方を各プレイヤーに既知のものとしたが、どちらか一方のみを既知としたり、カードのうちの何割かの種類と枚数のみを既知とすることもできる。更に、本実施例においてはすごろくゲーム機について説明したが、本発明の行動決定を伴うゲーム方法及びゲーム装置はこれのみに限定されるものではなく、他のボードゲーム、RPGゲーム等の行動決定を行う要素を含むゲーム全般に利用することができる。
【0034】
以上のように、本発明によれば、各々のプレイヤーは自己に分配された内容の分かった情報を選択するか、推測した他のプレイヤーの情報をリスクを負って選択するかを自ら決定することができるため、プレイヤー個人の意図を行動に反映することができるだけでなく、不確定な要素を利用することによりゲーム性に富むものとなる。
【0035】
また、故意に自分以外の他のプレイヤーの情報を選択して他のプレイヤーの安全かつ意図的な選択肢を奪うこともできるため、複数プレイヤーの対戦によるゲーム戦略上の醍醐味を味わうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例に係るカードすごろくゲーム機のシステム構成の一例を示す具体的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に用いるコントローラの一例を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施例に係るゲーム機のゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係るゲーム機のコントローラに設けられたビジュアルメモリの画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の別の実施例に係るゲーム機のゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係るカードすごろくゲーム方法の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施例に係るゲーム機のCPUの機能を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
11 コントローラ(情報選択手段)
20 コントローラ本体(情報選択手段)
21 ビジュアルメモリ(行動選択用情報群表示部)
22 十字キー(情報選択手段)
25 Aボタン(情報選択手段)
40 選択用カード表示部(行動選択用情報群表示部)
41・・・ 分配されたカード(部分情報群)
42・・・ 分配されたカード(部分情報群)
43・・・ 分配されたカード(部分情報群)
44・・・ 分配されたカード(部分情報群)
50 選択済カード表示部(選択済情報群表示部)
52・・・ 選択済カード(選択済情報群)
101 カード分配手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに参加している複数のプレイヤーの各々によって、該ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群から一つの情報が順次選択されることにより、当該選択された情報の内容に基づき行動が決定され、ゲームを進行させるゲーム装置において、
前記情報群に含まれる個々の情報を、ランダムに前記複数のプレイヤーに分配する分配手段と、
前記分配手段により前記複数のプレイヤーに分配された個々の情報を表すキャラクタを、前記複数のプレイヤー毎に区分して前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示するに際し、前記情報を表すキャラクタのうち、選択段階にあるプレイヤーに分配された前記情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示して行動選択用情報群表示部に可視表示するとともに、選択段階にない他のプレイヤーに分配された情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示しないで前記行動選択用情報群表示部に可視表示する、行動選択用情報群表示手段と、
前記行動選択用情報群表示手段により前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示された前記情報を表すキャラクタ及び前記情報の内容を明示したキャラクタのうち、一つのキャラクタを順次選択するために前記プレイヤーの各々により操作される操作部と、
前記操作部の操作によりキャラクタが選択されたとき、当該選択されたキャラクタに対応する情報を選択済情報とし、かつ当該選択されたキャラクタに対応する前記情報の内容を明示して選択済情報群表示部に可視表示する選択済情報群表示手段と、
を具備することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記操作部として、前記複数のプレイヤーと同数のコントローラを備え、前記複数のコントローラの各々は、前記プレイヤーが操作する操作手段を有し、前記選択段階にあるプレイヤーによる当該操作手段の操作によって前記一つのキャラクタが選択されることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記操作部における操作に応じて、前記行動選択用情報群表示手段により前記行動選択用情報群表示部に可視表示されている個々の情報を表すキャラクタのうち自己に分配された情報を表すキャラクタの配置状態を変更する位置変更手段をさらに具備することを特徴とする請求項1または2記載のゲーム装置。
【請求項4】
ゲームに参加している複数のプレイヤーの各々によって、該ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群から一つの情報が順次選択されることにより、当該選択された情報の内容に基づき行動が決定され、ゲームを進行させるゲーム装置におけるゲームの進行方法であって、
前記ゲーム装置は、分配手段と、行動選択用情報群表示手段と、操作部と、選択済情報群表示手段とを備え、
前記分配手段によって、前記情報群に含まれる個々の情報をランダムに前記複数のプレイヤーに分配し、
前記第1の行動選択用情報群表示手段により、前記分配手段により前記複数のプレイヤーに分配された個々の情報を表すキャラクタを、前記複数のプレイヤー毎に区分して前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示するに際し、前記情報を表すキャラクタのうち、選択段階にあるプレイヤーに分配された前記情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示して行動選択用情報群表示部に可視表示するとともに、選択段階にない他のプレイヤーに分配された情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示しないで前記行動選択用情報群表示部に可視表示し、
前記操作部における操作によって、前記行動選択用情報群表示手段により前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示された前記情報を表すキャラクタ及び前記情報の内容を明示したキャラクタのうち、一つのキャラクタが順次選択された場合に、前記選択済情報群表示手段によって、前記操作部の操作により選択されたキャラクタに対応する情報を選択済情報とし、かつ当該選択されたキャラクタに対応する前記情報の内容を明示して選択済情報表示部に可視表示することを特徴とするゲームの進行方法。
【請求項5】
ゲームに参加している複数のプレイヤーの各々によって、該ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群から一つの情報が順次選択されることにより、当該選択された情報の内容に基づき行動が決定され、ゲームを進行させるためにコンピュータを、
ゲームの進行に関する複数の情報からなる情報群に含まれる個々の情報を、ランダムに複数のプレイヤーに分配する分配手段と、
前記分配手段により前記複数のプレイヤーに分配された個々の情報を表すキャラクタを、前記複数のプレイヤー毎に区分して前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示するに際し、前記情報を表すキャラクタのうち、選択段階にあるプレイヤーに分配された前記情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示して行動選択用情報群表示部に可視表示するとともに、選択段階にない他のプレイヤーに分配された情報を表すキャラクタに対応する情報の内容を明示しないで前記行動選択用情報群表示部に可視表示する、行動選択用情報群表示手段と、
操作部における操作により、前記行動選択用情報群表示手段により前記複数のプレイヤーの各々に対し可視表示された前記情報を表すキャラクタ及び前記情報の内容を明示したキャラクタのうち、一つのキャラクタが順次選択された場合に、前記操作部の操作により選択されたキャラクタに対応する情報を選択済情報とし、かつ当該選択されたキャラクタに対応する前記情報の内容を明示して選択済情報表示部に可視表示する選択済情報群表示手段と
して機能させるためのゲーム進行プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−6985(P2006−6985A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276642(P2005−276642)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【分割の表示】特願2000−269325(P2000−269325)の分割
【原出願日】平成12年9月5日(2000.9.5)
【出願人】(591095856)株式会社ハドソン (8)
【Fターム(参考)】