説明

衛星信号受信機

【課題】回路規模の増加を抑えつつ、同時に複数の候補ローカル周波数を得る。
【解決手段】候補となる中心ローカル周波数を発生させるローカルキャリアNCO3と、候補となるドップラー周波数を発生させるドップラーキャリアNCO4と、ローカルキャリアNCO3の出力とドップラーキャリアNCO4の出力を入力して3つ以上の候補ローカル周波数を生成する候補周波数加減算回路5と、入力IF信号に対してコード発生器21からの拡散コードと候補周波数加減算回路5からの複数の候補ローカル周波数との相関演算を行う積分器80〜84と、を備え、候補周波数加減算回路5は、ドップラーキャリアNCO4の出力周波数を逓倍する周波数逓倍回路51と、ローカルキャリアNCO3の出力に対して、ドップラーキャリアNCO4および周波数逓倍回路51からの出力を加算または減算し、複数の候補周波数として出力する加減算器521〜524と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、GNSS衛星(航法衛星)からの衛星信号を捕捉するための衛星信号受信機に関し、特に、衛星および受信機の移動によるドップラー周波数を探索して衛星信号を捕捉する衛星信号受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
GNSS(Global Navigation Satellite System)は、GNSS衛星(以下、適宜単に「衛星」と言う)からの信号を受信して自己の位置を測位するシステムであり、米国のGPS(Global Positioning System)や欧州のGALILEO(ガリレオ)などが存在する。衛星は、衛星ごとに異なる拡散コードで情報をスペクトラム拡散し、共通のキャリア周波数で変調して衛星信号として送信する。一方、GNSS受信機(以下、適宜単に「受信機」と言う)は、各衛星から送信された衛星信号が合成された信号を受信し、受信を開始する場合には、地球の裏側に位置する衛星からの衛星信号は受信できないため、受信可能な可視衛星をサーチし、受信可能な衛星からの信号を安定して継続できるように追尾を行う。
【0003】
すなわち、サーチ処理は、打ち上げられている衛星からの衛星信号の中から、自己が受信可能な衛星信号を探す処理であり、この際、衛星毎の拡散コードは既知であるが、衛星信号を受信するためには、周波数と拡散コード位相を決定する必要がある。より具体的には、キャリア周波数は既知である(例えば、GPSのL1では、1575.42MHz)が、正確に受信するためには、衛星と受信機の移動によるドップラー周波数を考慮して、衛星毎の周波数を決定しなければならない。また、衛星毎の拡散コード系列は既知であるが、受信信号に逆拡散を実行するためには、拡散コード位相を決定する必要がある。
【0004】
ここで、サーチまたは追尾処理で行われる相関演算の基本的な回路構成例について、説明する。
【0005】
図2は、サーチまたは追尾処理で行われる相関演算の基本的な回路構成である。まず、入力された受信信号IFが、コード乗算器111によってコード発生器112が出力する拡散コード系列と乗算され、その乗算結果が次のキャリア乗算器113に供給される。キャリア乗算器113では、コード乗算器111の出力とキャリアNCO114の出力とが乗算され、ベースバンドへの周波数変換が行われる。続いて、キャリア乗算器113の出力信号は、積分器115にて所定時間毎に積分され、その積分結果は、一般に相関値と呼ばれ、制御部120に出力される。
【0006】
一般に、積分器115まではハードウェアで実装され、制御部120はソフトウェアで実装されることが多い。また、コード乗算器111とキャリア乗算器113の順序は、逆であってもよい。
【0007】
制御部120は、キャリアNCO114へ設定するキャリア周波数を変更しながら、積分器115から相関値を取得し、最も相関値の大きなキャリア周波数を探索する。これが周波数サーチである。
【0008】
ところで、上記のように、衛星と受信機との移動により、衛星と受信機との位置関係は時々刻々と変化するため、ドップラー周波数を考慮して衛星毎の周波数を決定する必要がある。このため、従来一般的には、ドップラー周波数を探索するための周波数スキャンにおいて、適正な間隔でローカル周波数を変更しながら順次相関値を取得し、それらを比較して最大の相関値となる周波数を選択する、という手法が採られていた。しかし、このような手法では、変更する周波数の数だけ処理に時間がかかり、処理時間を短縮するためには、複数の周波数に対する相関値を一度に得る必要がある。
【0009】
このため、候補ローカル周波数を発生させるキャリアNCOと乗算器とを複数実装して、複数のドップラー周波数に対する相関値を同時に得る方法が考えられる。図3は、5種類の候補ローカル周波数に対する相関値を同時に得る回路である。まず、入力信号IFとコード発生器132の出力とのコード相関演算を乗算器131で行い、続いて、候補ローカル周波数発生用キャリアNCO133−1〜133−5と、乗算器134−1〜134−5と、積分器135−1〜135−5とが並列に実装され、複数の候補ローカル周波数に対する相関値を同時に得るものである。
【0010】
また、衛星からの信号レベルが弱い環境下において、ドップラー周波数変動に追従して追尾感度を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、図4に示すように、ローカル用キャリアNCO141からのローカル周波数に対して、1ms分の相関積算(IQベクトル加算)処理142を行った後に、ドップラー周波数用キャリアNCO143からの複数のドップラー周波数に対して、周波数変換・複素乗算144を行うものである。ここで、1msは、GPSの拡散コードであるCAコードの周期であり、この技術では1msという遅い周期で複数のドップラー周波数に対して周波数変換を行うため、1つの周波数変換回路144を時分割で利用できる。すなわち、小さな回路規模で、ドップラー周波数を考慮した周波数を決定することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−014451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記のような技術では、IQ相関値を1ms間積分し、その後、1msという低頻度で複数のドップラー周波数に対する周波数変換を行うため、数十Hz程度の狭い周波数範囲の探索には適している。しかしながら、周波数の探索範囲、つまりドップラー周波数が数百Hz以上の場合、1ms積算の間にIQ相関値・ベクトル加算値が減少してしまうため、この技術は、比較的広い周波数範囲の探索には適さない。
【0013】
従って、比較的広い周波数範囲を探索するには、図3に示すように積分を行う前に周波数変換を行う必要がある。しかし、複数の候補ローカル周波数を発生させるには、候補ローカル周波数と同数のキャリアNCOが必要であり、回路規模の増加を招く。
【0014】
そこでこの発明は、回路規模の増加を抑えつつ、同時に複数の候補ローカル周波数を得ることができる、衛星信号受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、この発明は、受信可能な周波数を割り出して、航法衛星からの衛星信号を捕捉する衛星信号受信機において、候補となる拡散コードを発生させるコード発生手段と、候補となる中心ローカル周波数を発生させるローカル周波数用キャリアNCOと、候補となるドップラー周波数を発生させるドップラー周波数用キャリアNCOと、前記ローカル周波数用キャリアNCOの出力と前記ドップラー周波数用キャリアNCOの出力を入力して3つ以上の候補ローカル周波数を生成する候補周波数加減算回路と、入力IF信号に対して前記コード発生手段からの拡散コードと前記候補周波数加減算回路からの複数の候補ローカル周波数との相関演算を行う相関手段と、を備え、前記候補周波数加減算回路は、前記ドップラー周波数用キャリアNCOの出力周波数を逓倍する周波数逓倍手段と、前記ローカル周波数用キャリアNCOの出力に対して、前記ドップラー周波数用キャリアNCOおよび前記周波数逓倍手段からの出力を加算または減算し、複数の候補周波数として出力する加減算手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ローカル周波数用キャリアNCOとドップラー周波数用キャリアNCOの出力が、候補周波数加減算回路に入力される。候補周波数加減算回路では、入力されたドップラー周波数用キャリアNCO出力の周波数が周波数逓倍手段によって逓倍され、加減算手段によって、ローカル周波数用キャリアNCO出力に対して、ドップラー周波数用キャリアNCOの出力および周波数逓倍手段の出力が加算または減算され、候補ローカル周波数として出力される。この候補ローカル周波数とコード発生手段による拡散コードとの相関演算が、相関手段によって行われる。
【発明の効果】
【0017】
中心ローカル周波数をF0、候補ドップラー周波数をfとして、F0、F0+f、F0−f、F0+2f、およびF0−2fの5種類の候補ローカル周波数で同時に周波数変換する場合を考える。図3に示す従来技術で実現する場合、キャリアNCOを候補ローカル周波数と同数、すなわち5個実装する必要がある。ここで、NCO(Numerical Controlled Oscillator、数値制御発振器)の一般的な構成を図5に示す。周波数設定値を、加算器151とレジスタ152で累積加算することにより実現される。例としてNCO精度が64ビット必要な場合、加算器151とレジスタ152はそれぞれ64ビットとなる。すなわち、64ビット精度のキャリアNCOを5個実装する場合の回路規模は、64ビットの加算器151と64ビットのレジスタ152がそれぞれ5個、となる。
【0018】
同じ例を本発明で実現すると、2つのキャリアNCO、すなわち中心ローカル周波数F0を発生するローカル周波数用キャリアNCOと、候補ドップラー周波数fを発生するドップラー周波数用キャリアNCO、および、候補周波数加減算回路を実装する。候補周波数加減算回路は、周波数逓倍手段と4個の加減算手段で実現される。周波数逓倍手段は、2N倍(Nは自然数)に限定すると、非常に小さい回路規模で実現できる。すなわち、この場合の回路規模は、64ビット加算手段が6つ、64ビットレジスタが2となり、従来技術と比較して64ビット加算手段が1個増えるが、64ビットレジスタは3個減るため、全体として従来技術と比較して少ない回路規模で実装が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態に係る衛星信号受信機の相関演算回路の構成図である。
【図2】サーチまたは追尾処理で行われる相関演算の基本的な回路構成図である。
【図3】従来において、複数の候補ローカル周波数用キャリアNCOを備える相関演算回路の構成図である。
【図4】従来において、1つの周波数変換回路を時分割で利用して複数のドップラー周波数に対する相関値を得る相関演算回路の構成を示す図である。
【図5】NCOの一般的な構成を示す図である。
【図6】NCO出力と周波数との関係を示す図である。
【図7】2つのキャリアNCO出力を加算して得られる周波数信号と、2の周波数の和に対するキャリアNCO出力の周波数信号との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
図1は、この発明の実施の形態に係る衛星信号受信機の相関演算回路を示す構成図である。
【0022】
この相関演算回路は、主として、コード発生器(コード発生手段)21と、ローカルキャリアNCO(ローカル周波数用キャリアNCO)3と、ドップラーキャリアNCO(ドップラー周波数用キャリアNCO)4と、候補周波数加減算回路5と、積分器(相関手段)80〜84とを備えている。候補周波数加減算回路5は、周波数逓倍回路(周波数逓倍手段)51と加減算器(加減算手段)521〜524とを備えている。
【0023】
コード発生器21は、候補となる拡散コード系列を発生させる発生器であり、コード発生器21からのコード系列のコード番号は、制御部(従来の制御部120と同等であり、以下同様)から設定され、コード位相は、制御部からの設定に基づいてコードNCO22から制御される。このコード発生器21からの拡散コード系列は、コード乗算器23に供給・伝送され、コード乗算器23において、入力された受信信号IFと乗算され、その結果が、各乗算器(相関手段)70〜74に供給されるようになっている。
【0024】
ローカルキャリアNCO3は、候補となる中心・基準のローカル周波数F0の信号を出力する発振器であり、ローカルキャリアNCO3の周波数は、制御部によって設定される。そして、発生された中心ローカル周波数F0のNCO出力信号は、各加減算器521〜524および第1の乗算器70に供給されるようになっている。
【0025】
ドップラーキャリアNCO4は、候補となるドップラー周波数fの信号を出力する発振器であり、ドップラーキャリアNCO4の周波数は、制御部によって設定される。そして、発生されたドップラー周波数fのNCO出力信号は、周波数逓倍回路51および第1の加減算器521、第2の加減算器522に供給されるようになっている。
【0026】
周波数逓倍回路51は、ドップラーキャリアNCO4が出力した候補ドップラー周波数fを逓倍する論理回路である。図6に示すように、NCO出力(すなわち、NCOのレジスタ値)のMSBは設定周波数の信号であり、MSBから2ビット目はその2倍の周波数、MSBから3ビット目はその4倍の周波数となる。このようにNCOでは、設定周波数の2N倍(Nは自然数)の逓倍波を容易に得ることができる。この実施の形態では、周波数逓倍回路51は入力周波数fを2倍にしているが、これは小さな回路規模で容易に実現できることが分かる。周波数逓倍回路51が出力する周波数2fの信号は、第3の加減算器523と第4の加減算器524とに供給される。
【0027】
加減算器521〜524は、ローカルキャリアNCO3が出力する周波数F0の信号(すなわちNCOレジスタ値、以下同様)に対して、ドップラーキャリアNCO4が出力する周波数fの信号、および周波数逓倍回路51が出力する周波数2fの信号を加算または減算し、候補周波数として出力するものである。具体的に、第1の加減算器521は、ローカルキャリアNCO3の出力信号(周波数F0)にドップラーキャリアNCO4の出力信号(周波数f)を加算して、第2の候補ローカル周波数信号(周波数F0+f)を第2の乗算器71に供給する。第2の加減算器522は、ローカルキャリアNCO3の出力信号(周波数F0)からドップラーキャリアNCO4の出力信号(周波数f)を減算して、第3の候補ローカル周波数信号(周波数F0−f)を第3の乗算器72に供給する。第3の加減算器523は、ローカルキャリアNCO3の出力信号(周波数F0)に周波数逓倍回路51の出力信号(周波数2f)を加算して、第4の候補ローカル周波数信号(周波数F0+2f)を第4の乗算器73に供給する。第4の加減算器524は、ローカルキャリアNCO3の出力信号(周波数F0)から周波数逓倍回路51の出力信号(周波数2f)を減算して、第5の候補ローカル周波数信号(周波数F0−2f)を第5の乗算器74に供給する。また、第1の乗算器70には、ローカルキャリアNCO3からの出力信号が、第1の候補ローカル周波数信号(周波数F0)として供給されるようになっている。
【0028】
ここで、2つのキャリアNCO出力を加算すると、各々の周波数の和の周波数の信号が得られることを、図7にて説明する。既に述べたように、NCOは設定周波数値を累積加算する回路である。設定周波数Aを累積加算した結果のレジスタ値と、設定周波数Bを累積加算した結果のレジスタ値を加算した結果は、設定周波数(A+B)を累積加算した結果に等しい。すなわち、2つのキャリアNCO出力を加算すると、各々の周波数の和の周波数の信号を得ることができるものである。
【0029】
積分器80〜84は、入力IF信号と、コード発生器21からの拡散コード系列、および加減算器521〜524からの候補ローカル周波数との相関演算を所定時間行う演算器である。すなわち、コード乗算器23からの出力信号と各候補ローカル周波数とが、各乗算器70〜74で乗算されて周波数変換され、その結果を積分器80〜84で所定時間毎に積算することで、各候補周波数に対する相関積算(IQベクトル加算)値を算出するものである。
【0030】
これにより、コード乗算と周波数変換、すなわち相関演算が完了し、その結果を制御部に供給する。一方、相関結果であるI成分とQ成分とを受けた制御部は、この相関結果に基づいて、最適な周波数とコード位相とを算出し、コード発生器21、コードNCO22、ローカルキャリアNCO3およびドップラーキャリアNCO4に再設定することで、処理が継続されるものである。
【0031】
次に、このような構成の相関演算回路の作用などについて説明する。
【0032】
まず、衛星からの入力信号IFとコード発生器21からのコード位相とが、コード乗算器23によって乗算されて各乗算器70〜74に供給される。一方、ローカルキャリアNCO3によって中心ローカル周波数F0の信号が発生されるとともに、ドップラーキャリアNCO4によってドップラー周波数fの信号が発生され、さらに、周波数逓倍回路5によってドップラー周波数fの2倍の周波数2fの信号が発生される。
【0033】
次に、各加減算器521〜524において、上記のようにして、第2の候補ローカル周波数(F0+f)、第3の候補ローカル周波数(F0−f)、第4の候補ローカル周波数(F0+2f)および第5の候補ローカル周波数(F0−2f)の信号が生成、出力される。続いて、第1の候補ローカル周波数F0を含む5つの候補ローカル周波数に対して同時に、各乗算器70〜74において、コード乗算器23からの出力信号が乗算されて周波数変換され、その結果が積分器80〜84で所定時間積算されて、相関積算値が算出される。
【0034】
このような相関積算値が制御部に供給され、制御部において最適な周波数とコード位相とが算出されて、各キャリアNCO3、4とコード発生器21に再設定されることで、処理が継続されるものである。
【0035】
以上のように、この衛星信号受信機および相関演算回路によれば、周波数変換した後に相関演算が行われ、しかも、5つの候補周波数に対して同時に相関演算が行われる。このため、比較的広い周波数範囲にわたって複数のドップラー周波数(候補周波数)に対する相関値を得ること、つまり、広い周波数範囲にわたって複数の周波数に対して受信可能か否かを割り出すことが可能となる。この結果、追尾中の小さなドップラー周波数の引き込みだけではなく、サーチ処理後の大きなドップラー周波数の引き込みにも適用することが可能となる。
【0036】
また、キャリアNCOは中心ローカル周波数用とドップラー用の2つだけ実装し、回路規模が小さい周波数逓倍回路51と加減算器521〜524とを組み合わせるだけで、5つの候補周波数に対する相関値を得ることができる。つまり、回路規模の増加を抑えつつ、比較的広い周波数範囲にわたる複数のドップラー周波数・候補周波数に対する相関値を得ることができる。しかも、複数のドップラー周波数に対する演算が同時に行われるため、周波数引き込みの処理時間を低減することできる。
【0037】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記のような相関演算回路は、サーチ部、追尾部のどちらに実装、適用してもよい。
【0038】
また、上記の周波数逓倍回路5では、ドップラー周波数fの2倍の周波数2fを生成しているが、同様の方法で2N倍(Nは自然数)の周波数信号を生成してもよい。さらに、ドップラーキャリアNCO4や周波数逓倍回路51を複数設けて、より多くのドップラー周波数f、候補ローカル周波数を同時に得るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
21 コード発生器(コード発生手段)
22 コードNCO
23 コード乗算器
3 ローカルキャリアNCO(ローカル周波数用キャリアNCO)
4 ドップラーキャリアNCO(ドップラー周波数用キャリアNCO)
5 候補周波数加減算回路
51 周波数逓倍回路(周波数逓倍手段)
521〜524 加減算器(加減算手段)
70〜74 乗算器(相関手段)
80〜84 積分器(相関手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信可能な周波数を割り出して、航法衛星からの衛星信号を捕捉する衛星信号受信機において、
候補となる拡散コードを発生させるコード発生手段と、
候補となる中心ローカル周波数を発生させるローカル周波数用キャリアNCOと、
候補となるドップラー周波数を発生させるドップラー周波数用キャリアNCOと、
前記ローカル周波数用キャリアNCOの出力と前記ドップラー周波数用キャリアNCOの出力を入力して3つ以上の候補ローカル周波数を生成する候補周波数加減算回路と、
入力IF信号に対して前記コード発生手段からの拡散コードと前記候補周波数加減算回路からの複数の候補ローカル周波数との相関演算を行う相関手段と、を備え、
前記候補周波数加減算回路は、前記ドップラー周波数用キャリアNCOの出力周波数を逓倍する周波数逓倍手段と、前記ローカル周波数用キャリアNCOの出力に対して、前記ドップラー周波数用キャリアNCOおよび前記周波数逓倍手段からの出力を加算または減算し、複数の候補周波数として出力する加減算手段と、
を備えることを特徴とする衛星信号受信機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−57592(P2013−57592A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196040(P2011−196040)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】