説明

衛星放送受信システム

【目的】 ハイビジョン放送受信時においても、ビデオ出力及び音声出力の自動切換,AC電源自動供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換を行える衛星放送受信システムを提供すること。
【構成】 放送キャリアレベル及びN−SYNC信号に基づくハイビジョン放送信号の判別手段をマイコン27A内に設ける一方、AFC入力端子39へのプラグ入力有無の判別回路40を設け、ハイビジョン放送判別信号とAFC入力有無判別信号の論理積出力をハイビジョン放送受信中を示す判別信号とし、該判別信号を用いて第1,第2,第3のスイッチ手段41,42,44を切り換えることにより、BSチューナ11に接続したMUSE/NTSCコンバータ13に対してビデオ出力及び音声出力の自動切換,AC電源自動供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換を行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MUSE/NTSCコンバータを接続し高品位放送(以下、ハイビジョン放送)を受信することが可能な衛星放送受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日本国内の衛星放送は、NHK(日本放送協会)の一般衛星放送2チャンネルと、JSB(日本衛星放送(株))の有料放送1チャンネルと、ハイビジョン放送1チャンネルの合計4チャンネルが放送されている。
【0003】図3に一般的な衛星放送受信システムを示す。図3では、BSチューナ(ハイビジョン対応)と、有料放送を受信すべくスクランブルを解除するためのスクランブルデコーダと、ハイビジョン放送を受信すべくMUSE信号をNTSC信号に変換するためのMUSE/NTSCデコーダと、テレビジョン受像機との接続例を示している。BSチューナ11はBSアンテナ及びコンバータ10からBS−IF信号を入力する一方、スクランブルデコーダ12に対して、FM検波出力,ビットストリーム出力を供給している。また、BSチューナ11はMUSE/NTSCコンバータ13に対して、前記FM検波出力を供給する一方、MUSE/NTSCコンバータ13からAFCパルスを入力することが必要である。
【0004】図3においては、一般の衛星放送の場合はBSチューナ11からのビデオ・音声出力をAVテレビジョン受像機14に入力し、スクランブル放送の場合はスクランブルデコーダ12からのビデオ・音声出力を前記受像機14に入力する。また、ハイビジョン放送の場合はMUSE/NTSCデコーダ13からのビデオ・音声出力を前記受像機14に入力する。
【0005】図4に、上記BSチューナ11の具体例を示す。図4において、BSアンテナ及びコンバータ10からのBS−IF入力はセカンドコンバータ21にてセカンドIF信号に変換された後、映像信号処理回路22でFM検波等の処理がなされ、ビデオ出力及びFM検波出力が出力される。前記のセカンドコンバータ21には、AFC入力端子39からキードAFCパルスが入力されると共にマイクロコンピュータ27から選局データが入力されるようになっている。前記の映像信号処理回路22からのFM検波出力は、さらにQPSK復調回路23に供給され、ここでQPSK復調されビットストリーム出力が出力される。ビットストリーム出力は、PCMエンコーダ24,ディジタルフィルタ25,及びD/Aコンバータ26から成る部分で音声復調され、左(L),右(R)チャンネルの音声出力となって出力される。PCMエンコーダ24からの音声PCMデータはマイクロコンピュータ27に供給される。マイクロコンピュータ27は、音声PCMデータに含まれるスクランブル判別信号を検出して、スクランブル放送を判別する手段を含んでいる。また、マイクロコンピュータ27は、外部からのキー操作に応じた選局情報(同調電圧)をセカンドコンバータ21に与えることにより、選局制御を行う機能も有している。
【0006】前記映像信号処理回路22からのFM検波出力はスイッチ手段41の一方のスイッチ41aの入力端Hに供給され、前記QPSK復調回23からのビットストリーム出力はスイッチ手段41のもう一方のスイッチ41bの入力端Hに供給される。スイッチ41aのもう一方の入力端LはFM検波入力端子31に接続し、スイッ41bのもう一方の入力端Lはビットストリー入力端子32に接続している。また、スイッチ41aの出力端はFM検波出力端子33に接続し、スイッチ41bの出力端はビットストリーム出力端子34に接続している。そして、スイッチ41a,41bは共にマイクロコンピュータ27からのスクランブル判別信号”H”,”L”にて同時に切換えが行われるようになっている。
【0007】前記FM検波入力端子31,ビットストリーム入力端子32にはそれぞれ、他の衛星放送受信機器からのFM検波出力,ビットストリーム出力が入力されるようになっている。また、FM検波出力端子33,ビットストリーム出力端子34からの各出力は、スクランブルデコーダ12のFM検波入力端子,ビットストリーム入力端子に入力されるようになっている。
【0008】前記映像信号処理回路22からのビデオ出力はスイッチ手段42の一方のスイッチ42aの入力端Hに供給され、前記D/Aコンバータ26からのビットストリーム出力はスイッチ手段42のもう一方のスイッチ42bの入力端Hに供給される。スイッチ42aのもう一方の入力端Lはビデオ入力端子35に接続し、スイッ42bのもう一方の入力端Lは音声入力端子36に接続している。また、スイッチ42aの出力端はビデオ出力端子37に接続し、スイッチ42bの出力端は音声出力端子38に接続している。そして、スイッチ42a,42bは共にマイクロコンピュータ27からのスクランブル判別信号”H”,”L”にて同時に切換えが行われるようになっている。
【0009】前記ビデオ入力端子35,音声入力端子36にはそれぞれ、スクランブルデコーダ12からのビデオ出力,音声出力が入力されるようになっている。また、ビデオ出力端子37,音声出力端子38からの各出力は、図示しないAVテレビジョン受像機のそれぞれの入力端子に入力されるようになっている。
【0010】一方、スクランブルデコーダ12の交流電源線(AC電源ラインという)はAC出力端子43に接続されており、このAC出力端子43へのAC電源供給はスイッチ手段44を介して行われるようになっている。スイッチ手段44のオン,オフは、マイクロコンピュータ27からのスクランブル判別信号の”H”,”L”に応じて行われる。
【0011】なお、AFC入力端子39には、ハイビジョン放送受信時に図示しないMUSE/NTSCコンバータからキードAFCパルスが入力可能となっている。
【0012】上記の構成において、一般の衛星放送受信時には、スクランブル判別信号は”L”レベルであり、スイッチ手段41,42はL側を選択しており、BSチューナ11がスクランブルデコーダ12を必要としないため、BSチューナ11のビデオ出力端子37,音声出力端子38にはBSチューナ側からの受信信号が出力され、またスイッチ手段44はオフしているので、スクランブルデコーダ12のAC電源ラインが接続している外部AC出力端子43にはAC電源が供給されない。なお、このときFM検波出力端子33,ビットストリーム出力端子34には、他の衛星放送機器から入力されたFM検波出力,ビットストリーム出力が出力されることになる。
【0013】BSチューナ11がスクランブル放送を受信する時には、スクランブル判別信号は”H”であり、スイッチ手段41,42はH側を選択しており、FM検波出力端子33,ビットストリーム出力端子34にはBSチューナ11側からのFM検波出力,ビットストリーム出力が出力されてスクランブルデコーダ12に供給され、またスイッチ手段44はオンしているので、スクランブルデコーダ12のAC電源ラインが接続している外部AC出力端子43にはAC電源を供給し、自動的にスクランブルデコーダ12の電源をオンさせ、ビデオ出力端子37,音声出力端子38には、ビデオ入力端子35,音声入力端子36に入力されたスクランブルデコーダ12のデスクランブル出力が出力され、ビデオ出力端子37,音声出力端子38を通して図示しないAVテレビジョン受像機に供給される。
【0014】このように従来の衛星放送受信システムは、放送信号の音声PCMデータに含まれるスクランブル判別信号を検出してスクランブル放送と判別した時に上記のような動作をさせているが、ハイビジョン放送受信時には、放送信号にハイビジョンの検出信号は含まれていないため、スクランブルデコーダ接続時のようなビデオ出力及び音声出力の自動切換,AC電源自動供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換の動作はできない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来の衛星放送受信システムでは、BSチューナに対しMUSE/NTSCコンバータを接続することにより、ハイビジョン放送を受信する場合において、ビデオ出力及び音声出力の自動切換,AC電源自動供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換を行うことができなかった。
【0016】そこで、本発明は上記問題を解決するためのもので、ハイビジョン放送受信時においても、ビデオ出力及び音声出力の出力自動切換,AC電源自動供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換を行うことが可能な衛星放送受信システムを提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の衛星放送受信システムは、受信した衛星放送信号を所定の中間周波数に変換する周波数変換手段と、この周波数変換手段の出力からFM検波出力及びビデオ出力を得る第1の復調手段と、前記FM検波出力を復調し、ビットストリーム出力を得る第2の復調手段と、このビットストリーム出力をディジタル音声信号に変換するPCMエンコーダと、このディジタル音声信号を変換し、アナログ音声出力を得るD/A変換手段と、前記第1の復調手段,及び第2の復調手段からのFM検波出力,ビットストリーム出力と、他の衛星放送受信機器からのFM検波出力,ビットストリーム出力とを切り換えるための第1のスイッチ手段と、この第1のスイッチ手段からのFM検波出力を入力し、ビデオ出力,音声出力,及びAFC出力を得るMUSE/NTSCコンバータと、前記第1の復調手段,及びD/A変換手段からのビデオ出力,音声出力と、前記MUSE/NTSCコンバータからのビデオ出力,音声出力とを切り換えるための第2のスイッチ手段と、この第2のスイッチ手段からのビデオ出力,音声出力が供給されるテレビジョン受像機と、交流電源から前記MUSE/NTSCコンバータへの電源供給をオン,オフする第3のスイッチ手段と、前記周波数変換手段を選局制御する機能を有し、AFC入力端子にMUSE/NTSCコンバータのAFCピンプラグ入力があることを判定した出力と、前記PCMエンコーダからの音声PCMデータに基づいてハイビジョン以外の放送信号無しと判定した出力と、前記周波数変換手段に入力される放送信号のキャリアレベルに対応したAGC出力を所定のしきい値で波形整形し放送信号ありと判定した出力との論理積をとることにより、ハイビジョン放送受信中を判定する機能を備え、そのハイビジョン放送受信の判定信号にて、前記第1のスイッチ手段を前記第1の復調手段,及び第2の復調手段からのFM検波出力,ビットストリーム出力に切り換えかつ前記第2のスイッチ手段を前記MUSE/NTSCコンバータからのビデオ出力,音声出力に切り換える一方前記第3のスイッチ手段をオンするよう、制御する制御手段とを具備したことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】本発明においては、MUSE/NTSCコンバータを接続した時に、ハイビジョン放送受信中であることを検出できる構成としたので、スクランブルデコーダを接続した時と同様に、ビデオ出力及び音声出力の出力自動切換,AC電源自動供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換を行うことができる。
【0019】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図1R>1は本発明の一実施例の衛星放送受信システムを示すブロック図である。この図において図3及び図4と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0020】図1において、BSアンテナ及びコンバータ10からのBS−IF入力はセカンドコンバータ21にてセカンドIF信号に変換された後、映像信号処理回路22でFM検波等の処理がなされ、ビデオ出力及びFM検波出力が出力される。前記のセカンドコンバータ21には、AFC入力端子39からキードAFCパルスが入力されると共にマイクロコンピュータ27Aから選局データが入力されるようになっており、またセカンドコンバータ21からは、入力される放送信号のキャリアレベルの大小に対応したAGC電圧が出力されるようになっている。前記の映像信号処理回路22からのFM検波出力は、さらにQPSK復調回路23に供給され、ここでQPSK復調されビットストリーム出力が出力される。ビットストリーム出力は、PCMエンコーダ24,ディジタルフィルタ25,及びD/Aコンバータ26から成る部分で音声復調され、左(L),右(R)チャンネルの音声出力となって出力される。PCMエンコーダ24からの音声PCMデータはマイクロコンピュータ27Aに供給される。マイクロコンピュータ27Aは、音声PCMデータに含まれるN−SYNC信号の有無を検出したり、前記セカンドコンバータ21からのAGC出力をコンパレータ28にてあるレベルと比較することにより波形整形した出力の有無を検出したり、前記AFC入力端子39に接続して設けたピンプラグ入力の有無を判別する回路40からのプラグ入力判別信号の有無を検出したり、或いはスクランブル放送時に音声PCMデータに含まれるスクランブル判別信号を検出することにより、ハイビジョン放送の有無又はスクランブル放送の有無を判別する放送判別手段270を含んでいる。また、マイクロコンピュータ27Aは、外部からのキー操作に応じた選局情報(同調電圧)をセカンドコンバータ21に与えることにより、選局制御を行う機能も有している。
【0021】前記映像信号処理回路22からのFM検波出力はスイッチ手段41の一方のスイッチ41aの入力端Hに入力し、前記QPSK復調回23からのビットストリーム出力はスイッチ手段41のもう一方のスイッチ41bの入力端Hに入力する。スイッチ41aのもう一方の入力端LはFM検波入力端子31に接続し、スイッ41bのもう一方の入力端Lはビットストリーム入力端子32に接続している。また、スイッチ41aの出力端はFM検波出力端子33に接続し、スイッチ41bの出力端はビットストリーム出力端子34に接続している。そして、前記スイッチ41a,41bは共にマイクロコンピュータ27A内の放送判別手段270からの放送判別信号”H”,”L”にて同時に切換えが行われるようになっている。
【0022】前記FM検波入力端子31,ビットストリーム入力端子32にはそれぞれ、他の衛星放送受信機器からのFM検波出力,ビットストリーム出力が入力されるようになっている。また、FM検波出力端子33,ビットストリーム出力端子34からの各出力は、スクランブルデコーダ12のFM検波入力端子,ビットストリーム入力端子に入力されるようになっている。
【0023】前記映像信号処理回路22からのビデオ出力はスイッチ手段42の一方のスイッチ42aの入力端Hに供給され、前記D/Aコンバータ26からのビットストリーム出力はスイッチ手段42のもう一方のスイッチ42bの入力端Hに供給される。スイッチ42aのもう一方の入力端Lはビデオ入力端子35に接続し、スイッ42bのもう一方の入力端Lは音声入力端子36に接続している。また、スイッチ42aの出力端はビデオ出力端子37に接続し、スイッチ42bの出力端は音声出力端子38に接続している。そして、スイッチ42a,42bは共にマイクロコンピュータ27A内の放送判別手段270からの放送判別信号”H”,”L”にて同時に切換えが行われるようになっている。
【0024】前記ビデオ入力端子35,音声入力端子36にはそれぞれ、スクランブルデコーダ12からのビデオ出力,音声出力が入力されるようになっている。また、ビデオ出力端子37,音声出力端子38からの各出力は、図示しないAVテレビジョン受像機のそれぞれの入力端子に入力されるようになっている。
【0025】一方、スクランブルデコーダ12の交流電源ラインはAC出力端子43に接続されており、このAC出力端子43への電源供給は図示しないAC電源からスイッチ手段44を介して行われるようになっている。スイッチ手段44のオン,オフは、マイクロコンピュータ27Aからの放送判別信号の”H”,”L”に応じて行われる。
【0026】前記のAFC入力端子39にはMUSE/NTSCコンバータ13からキードAFCパルスが入力し、前記セカンドコンバータ21にAFC入力として供給されるようになっている。MUSE/NTSCコンバータ13には前記FM検波出力端子33からのFM検波出力が入力され、出力としてNTSC方式のビデオ信号,音声信号がビデオ入力端子35,音声入力端子36に入力されるようになっている。MUSE/NTSCコンバータ13のAC電源ラインはAC出力端子43に接続されており、このAC出力端子43へのAC電源供給は前記スクランブルデコーダ12の場合と同様、スイッチ手段44を介して行われるようになっている。
【0027】図2は上記放送判別手段270の構成を示すものである。図2において、放送判別手段270は、3入力のアンドゲート271と2入力のオアゲート272から構成されている。アンドゲート271は、AFC入力端子39にMUSE/NTSCコンバータ13のAFCピンプラグ入力があることを判定した出力(AFC出力)”H”と、一般放送及びスクランブル放送の音声PCMデータに含まれるN−SYNC信号無しと判定した出力”H”と、入力放送信号のキャリアレベルに応じて変化するセカンドコンバータ21のAGC出力をコンパレータ28に入力し所定のしきい値で波形整形し放送信号ありと判定した出力”H”との論理積をとることにより、ハイビジョン放送を受信中であるときは判定出力として”H”レベルを得る。3入力の1つが”L”であればアンドゲート271は、ハイビジョン放送無しを示す”L”レベルとなることは勿論である。上記の判定方法は、ハイビジョン放送では、放送信号のキャリアはあるが、一般衛星放送及びスクランブル放送の音声PCMデータに含まれるN−SYNC信号のデータがないことを利用したものである。
【0028】オアゲート272は、アンドゲート271の出力と、スクランブル放送の有無を判定する出力との論理和をとることにより、ハイビジョン放送又はスクランブル放送の有無を示す放送判別信号を出力する。
【0029】なお、図2において、AGCキャリア有無の判定出力の代わりに、アンテナレベル表示に使用するノイズ検出回路出力をコンパレータ28に入力し所定のしきい値で波形整形した出力を用いることもできる。
【0030】次に、上記実施例の動作を説明する。一般の衛星放送受信時には、図2の放送判別出力は”L”レベルであり、スイッチ41,42はL側を選択しており、BSチューナ11がスクランブルデコーダ12の入力及びMUSE/NTSCコンバータ13の入力を必要としないため、BSチューナ11のビデオ出力端子37,音声出力端子38にはBSチューナ側からの受信信号が出力され、またスイッチ44はオフしているので、スクランブルデコーダ12のAC電源ラインが接続している外部AC出力端子43には図示しないAC電源からの電源が供給されない。なお、このときFM検波出力端子33,ビットストリーム出力端子34には、他の衛星放送受信機器から入力されたFM検波出力,ビットストリーム出力が出力される。
【0031】BSチューナ11がスクランブル放送を受信する時には、図2に示した判別回路の出力は”H”であるので、スイッチ41,42はH側を選択しており、FM検波出力端子33,ビットストリーム出力端子34にはBSチューナ11側からのFM検波出力,ビットストリーム出力が出力されてスクランブルデコーダ12に供給され、またスイッチ44はオンしているので、スクランブルデコーダ12のAC電源ラインが接続している外部AC出力端子43には図示しないAC電源からの電源が供給され、その結果自動的にスクランブルデコーダ12の電源をオンさせ、ビデオ出力端子37,音声出力端子38には、ビデオ入力端子35,音声入力端子36に入力されたスクランブルデコーダ12のデスクランブル出力(ビデオ出力,音声出力)が出力され、ビデオ出力端子37,音声出力端子38を通して図示しないAVテレビジョン受像機に供給される。
【0032】さらに、BSチューナ11がハイビジョン放送を受信している時には、図2に示した判別回路の出力は”H”であるので、スイッチ41,42はH側を選択しており、FM検波出力端子33にはBSチューナ11側からのFM検波出力が出力されてMUSE/NTSCコンバータ13に供給され、またスイッチ44はオンしているので、MUSE/NTSCコンバータ13のAC電源ラインが接続している外部AC出力端子43には図示しないAC電源からの電源が供給され、自動的にMUSE/NTSCコンバータ13の電源をオンさせ、ビデオ出力端子37,音声出力端子38には、ビデオ入力端子35,音声入力端子36に入力されたMUSE/NTSCコンバータ13のNTSC出力(ビデオ出力,音声出力)が出力され、ビデオ出力端子37,音声出力端子38を通して図示しないAVテレビジョン受像機に供給される。
【0033】従って、上記の実施例に示した衛星放送受信システムでは、スクランブル放送受信時だけでなくハイビジョン放送受信時にもビデオ出力及び音声出力の自動切換,AC自動電源供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換を行うことができる。
【0034】しかも、ハイビジョン放送受信時に使用する各入出力端子,切換スイッチ等は、スクランブル放送受信時に前述の動作をさせるために従来から存在しているものを兼用できるため、比較的低コストで本発明を実現することが可能である。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ハイビジョン放送受信時においても、ビデオ出力及び音声出力の自動切換,AC電源自動供給,FM検波出力及びビットストリーム出力の自動切換を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の衛星放送受信システムを示すブロック図。
【図2】図1におけるマイクロコンピュータ内の放送判別手段の構成を示すブロック図。
【図3】BSチューナに対するスクランブルデコーダ,MUSE/NTSCコンバータ,テレビジョン受像機の接続例を示すブロック図。
【図4】従来の衛星放送受信システムを示すブロック図。
【符号の説明】
11…BSチューナ
12…スクランブルデコーダ
13…MUSE/NTSCコンバータ
14…テレビジョン受像機
27A…マイクロコンピュータ
28…コンパレータ
31…FM検波入力端子
32…ビットストリーム入力端子
33…FM検波出力端子
34…ビットストリーム出力端子
35…ビデオ入力端子
36…音声入力端子
37…ビデオ出力端子
38…音声出力端子
39…AFC入力端子
40…入力プラグ有無判別回路
41…スイッチ手段
42…スイッチ手段
44…スイッチ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】受信した衛星放送信号を所定の中間周波数に変換する周波数変換手段と、この周波数変換手段の出力からFM検波出力及びビデオ出力を得る第1の復調手段と、前記FM検波出力を復調し、ビットストリーム出力を得る第2の復調手段と、このビットストリーム出力をディジタル音声信号に変換するPCMエンコーダと、このディジタル音声信号を変換し、アナログ音声出力を得るD/A変換手段と、前記第1の復調手段,及び第2の復調手段からのFM検波出力,ビットストリーム出力と、他の衛星放送受信機器からのFM検波出力,ビットストリーム出力とを切り換えるための第1のスイッチ手段と、この第1のスイッチ手段からのFM検波出力を入力し、ビデオ出力,音声出力,及びAFC出力を得るMUSE/NTSCコンバータと、前記第1の復調手段,及びD/A変換手段からのビデオ出力,音声出力と、前記MUSE/NTSCコンバータからのビデオ出力,音声出力とを切り換えるための第2のスイッチ手段と、この第2のスイッチ手段からのビデオ出力,音声出力が供給されるテレビジョン受像機と、交流電源から前記MUSE/NTSCコンバータへの電源供給をオン,オフする第3のスイッチ手段と、前記周波数変換手段を選局制御する機能を有し、AFC入力端子にMUSE/NTSCコンバータのAFCピンプラグ入力があることを判定した出力と、前記PCMエンコーダからの音声PCMデータに基づいてハイビジョン以外の放送信号無しと判定した出力と、前記周波数変換手段に入力される放送信号のキャリアレベルに対応したAGC出力を所定のしきい値で波形整形し放送信号ありと判定した出力との論理積をとることにより、ハイビジョン放送受信中を判定する機能を備え、そのハイビジョン放送受信の判定信号にて、前記第1のスイッチ手段を前記第1の復調手段,及び第2の復調手段からのFM検波出力,ビットストリーム出力に切り換えかつ前記第2のスイッチ手段を前記MUSE/NTSCコンバータからのビデオ出力,音声出力に切り換える一方前記第3のスイッチ手段をオンするよう、制御する制御手段とを具備したことを特徴とする衛星放送受信システム。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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