説明

衛生ふとん

【課題】 一般家庭用洗濯機で丸洗い出来、傷病者にも使用可能な衛生的なふとんを提供する。
【解決手段】 ふとんの中身自体が埃にならない、長繊維を素材とした織物布、編物布、不織布などを充填材として使用した詰物体を作り、この詰物体とふとん側地と分離する。
充填材は断熱層、吸湿と保温層、柔軟層を有し、各層の組み合わせ方を変えて使用者の目的に合う詰物体の製造が選択出来る。
洗濯は、ふとん側地と詰物体を分けて、洗う事が出来るので、より清潔で衛生的な効果を得られる。
詰物体の使用頻度、洗濯回数が増しても詰物体に変化なく、埃、ダニ、臭いを効果的に除去出来、清潔で、暖かく、軽く、柔らかい、衛生的な詰物体とする事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭で洗濯可能な衛生的ふとんに関する。
特に、傷病者は1日ふとんで生活するので衛生的で軽くて保温、吸湿に優れたふとんを必要とする。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用ふとんには、木綿、羊毛、合成繊維をカード機にかけたわた、又は羽毛を側地に詰めて用いられていた。しかしながら、従来のふとんの詰物体は、使用中にかたよりを生じ硬くなり色々と問題があった。特に羽毛は使用頻度が上がるごとに、側地にピンホールだけでもダウンが飛び出し、問題は大である。そのうえ、一般の家庭では洗濯出来ない問題があった。
【0003】
その他積層構造にして洗濯に耐えうる対策を施したものがある(例えば 特許第3098707号)。
また、ふとんを部分洗濯可能なものもある(例えば 特許第3666757号、特開2002−95565号)。
部分洗い、サイズ変更の出来るふとんもある(例えば 特開2003−250677号)。
しかし、どの技術もすべてが色々な繊維わたを詰物体として使用している事が問題であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた、従来の家庭用ふとん、洗濯可能なふとんでは、多種多様な繊維わたを原料として使用している為、使用頻度、洗濯回数が増すほど、わた自体が埃として発生し易くなり、すべての問題の原点であった。
【0004】
本発明は、このような従来の物性が有していた問題を解決するものであり、使用頻度、洗濯回数が増すほど埃を効果的に除去し、衛生的で軽く柔らかいふとんを実現する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、本発明は上記目的を達成するために素材は、使用しても埃の出ない、天然繊維、化学繊維、合成繊維、再生繊維、カーボン繊維、アルマイト繊維などの長繊維を主素材とした織物布、編物布、不織布を従来のふとんわたの代わりとする。
【0006】
また、上記の長繊維を使用した布をわたの代わりの充填材とすることにより、洗濯がよりしやすく、洗濯回数をふやすことが出来る。
【0007】
上記第一の課題解決手段による作用は次の通りである。
つまり、埃の出ない一本の長繊維で布を織り、その布を1層とした充填材を作る。
【0008】
また、第二の課題解決手段による作用は、埃がでない布を5層以上で充填材とするので、ふとんとしての効果を長く維持しながら洗濯できる。
【発明の効果】
【0009】
上述したように本発明のふとんは長繊維を使用するため、ほとんど埃は出ないふとんを提供できる。
【0010】
また、長繊維を布にして重ね合わせたので、一般家庭の洗濯機で丸洗いが出来る。
【0011】
洗濯の回数が多なるので、埃、ダニ、臭いを除去でき、ふとんとして、清潔で暖かく、柔らかく、軽くなり、衛生的に使用出来ふとん本来の効果を発揮する。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施例を図1、図2に基いて説明する。
【0013】
図1においてMはふとん全体の内部構造を示す図である。
1はふとんMの断熱層でこの断熱層は断熱効果があり、体温を蒲団から外に出さない。
2はふとんMの保温層でふとん内に体温を保温する。
3はふとんMの柔軟層で柔軟性を持たせ軽く肌触りを良くする。
上記の3層の組み合わせは使用目的に合わせられる。
【0014】
図2においてはふとんMの一部を切り替え、外観を斜から見た図である。
4はふとんMの断熱層の布であり、縦糸は化学繊維または合成繊維10d以上、密度50本/cm以上を使用し、緯糸は10d以上、密度45本/cm以上の布を1枚以上で構成する。
5は保温層の布で、縦糸は天然繊維または化学繊維、10d以上、密度15本/cm以上を使用し、緯糸には天然繊維または化学繊維、合成繊維、再生繊維、カーボン繊維、アルマイト繊維を1種類だけ使用し、10d以上、密度15本/cm以上の中に天然繊維か化合繊維でループ状に加工した加工糸60番手以上の太さの加工糸を、4mm間隔以上に織り上げた布、上下2枚以上で構成する。
6は柔軟層の布で、縦糸は天然繊維または化学繊維、合成繊維、再生繊維、カーボン繊維、アルマイト繊維を1種類だけの縦糸とし10d以上、撚り度100回/1m以上、縦密度20本/cm以上を使用する。
緯糸は天然繊維または化学繊維、合成繊維を1種類だけの緯糸とし、撚り度800回/1m,2000回/1m以上、密度15本/cm以上を使用し2種類の撚り度糸をランダムに織り込んだ、皺状の布、上下2枚以上で構成する。
7はふとんMの充填材本体、この本体はこのまま洗濯出来る。
8はふとん側地内部にある紐で、ふとんM本体と接結ために、1,5cm*5cm切れの両角を本体に縫い付けその隙間に紐を結びつける。
9はふとんM本体の各層を部分的に接着するために、花柄の形に切った布を上下に当て糸止めして接着する。
10はふとんM本体の淵が、幾層も布を重ねているのでばらつているため、淵全体に別布を当てその始末をする。
11は上記の別布を、本体の淵につけるため、裏と表に縫いつける。
以上のように実施例によれば充填材本体そのままに洗濯可能であるので衛生的なふとんが得られる。
また、ふとん側地については、一般的市場で目的に合うものを選び使用する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】は本発明の実施例を示す、ふとんの内部構造を示す図。
【図2】は上記ふとんの一部を切り変えた外観斜視図。
【符号の説明】
【0016】
1 断熱層
2 保温、吸湿層
3 柔軟層
4 布による断熱層
5 布の交織による保温層
6 布による柔軟層
7 ふとん充填材本体
8 ふとん側地と、ふとん本体を接俗する紐の、結び付け所
9 小花状に布を当て、各層を接結させる当て布
10 本体の淵周りを囲う別布
11 本体を囲う布を縫い付ける

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ふとんの中身に長繊維糸、短繊維糸、これらを材料とし、洗濯に耐えうるために織り上げた、織物布、編物布、不織布、パンチニードル布、の少なくとも、いずれかの布を用いてふとんを構成する1層とすることを特徴とするふとん。
【請求項2】
ふとんの中の充填材に断熱層、保温のための層、柔軟層を有して、一般家庭用洗濯機で前記充填材を丸洗い出来ることを特徴とする請求項1記載のふとん。
【請求項3】
充填材の中心に断熱層となる布、その上下に保温層となる布、さらにその保温層の上下に柔軟層となる布を配し,合計5層を有している事が特徴する請求項1または請求項2記載のふとん。
【請求項4】
前記、断熱層、保温層、柔軟層からなる、3層の組み合わせ方法は、断熱層1枚の上下に、保温層2枚、その保温層の上下に、柔軟層3枚、合計5枚の組み合わせで構成するか、または、断熱層1枚の下に、保温層2枚、その保温層の上下に、柔軟層4枚、合計7枚の組み合わせで構成するか、または、断熱層1枚の上下に、保温層2枚、その保温層の上に柔軟層5枚、下に柔軟層5枚、合計13枚で組み合わせを構成することを特徴とする請求項1または請求項2請求項3のいずれかに記載のふとん。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−264474(P2008−264474A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138425(P2007−138425)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(591244096)有限会社カシワギ (1)
【Fターム(参考)】