説明

衛生設備ユニット

【課題】機能機器の配置のばらつきがなく、前面の美観が向上した衛生設備ユニットを提供する。
【解決手段】フレーム1の前面の主要部に前パネル50が取り付けられ、その前面に小便器51が設置されている。フレーム1の前面上部に、機能機器取付プレート30,30が設置されている。機能機器取付プレート30は前パネル50よりも若干後退している。フレーム1の上側に天板60が設置されている。機能機器取付プレート30の前面に表示装置35、人体検知センサ36、スピーカ37、吊具38等の機能機器が設置されている。機能機器取付プレート30の張出部33を取付プレート28に対しボルト34等によって固定し、この張出部33を隠蔽するようにカバープレート40,42を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器、洗面器、手洗器などの衛生設備を備えた衛生設備ユニットに係り、特に人体検知センサなど衛生設備に関連する機能機器の配置を改良した衛生設備ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
凾状(又は側面視形状が逆L字形状)のユニットフレームをトイレルーム壁面に沿って設置し、このユニットフレームの前面に前板(前パネル)を固着すると共に、ユニットフレームの上面に天板を装着し、該前板の前面に小便器や洗面器等を取り付けた配管ユニットが広く用いられている(例えば、下記特許文献1〜3)。
【0003】
この前板に人体検知センサ、液晶等の表示パネル、音声装置、香気発生器、擬音装置、傘などをかけるフック等の機能機器が設けられることがある。従来、機能機器を前板に設置するには、前板に穴をあけて取り付けるようにしている。工場で前板に取付開口の穴あけをする場合でも、穴位置がばらつくことがある。また、現場で作業者が穴あけする場合には、穴位置が大きくばらついたり見映えが悪くなるおそれがある。
【0004】
なお、特許文献2には、配管ユニットのフレームの上側に別のフレームを設置し、この別フレームにバルブ、コントローラ等を設置することが記載されている。特許文献2の図3には、この別フレームの前面に、前板とは別体のパネルを設置することが記載されている。しかしながら、特許文献2では、人体検知センサは前板に設置されており、この別体パネルに人体検知センサや表示パネル等を設置することは示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−63671
【特許文献2】特開平9−228456
【特許文献3】実公平6−1657
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来例では、前パネルに人体検知センサ等を設置する場合に位置がばらつき、見栄えが悪くなるおそれがあった。特に、複数の機能機器を前パネルに設置する場合、各々の位置がばらつくと、見栄えが悪化し易い。また、現場で前パネルに穴をあけて機能機器を取り付ける作業は、手間がかかり、施工期間が長くなる。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点を解消し、機能機器の配置のばらつきがなく、前面の美観が向上した衛生設備ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の衛生設備ユニットは、フレームと、該フレームの前面側に設けられた前パネルと、該フレームの上面側に設けられた天板と、を備え、該前パネルに衛生設備が取り付けられた衛生設備ユニットにおいて、該前パネルと天板との間に機能機器取付プレートが設置されており、該機能機器取付プレートの前面に衛生設備関連機能機器が設置されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の衛生設備ユニットは、請求項1において、該機能機器は、前方から視認される表示部、前方から操作される操作部、人体検知センサ、照明、香気発生器及び音声装置の少なくとも1種であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の衛生設備ユニットは、請求項1又は2において、前記機能機器取付プレートの左右方向の長さが800mm以下であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4の衛生設備ユニットは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記機能機器取付プレートは衛生設備ユニットの上方において、その衛生設備の左右幅よりも左右方向に長く延在していることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5の衛生設備ユニットは、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記機能機器取付プレート前面の意匠が前パネルの意匠と異なることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6の衛生設備ユニットは、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記機能機器取付プレートの前面は前パネルの前面よりも後退していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7の衛生設備ユニットは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記機能機器取付プレートは、衛生設備ユニットの前方を向いた主板部と、該主板部の左右側辺から後方へ延出した側板部と、該側板部の後部から側方へ張り出した張出部とを備えており、該張出部が前記フレームに留め付けられていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項8の衛生設備ユニットは、請求項7において、該張出部を隠蔽するカバープレートが該機能機器取付プレートと面一状に設けられており、該カバープレートは衛生設備ユニットの前方から着脱自在となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の衛生設備ユニットにあっては、前板と天板との間に機能機器取付プレートが設置され、この機能機器取付プレートの前面に人体検知センサ等の機能機器が設置されている。本発明によると、前板に穴をあけて機能機器を設けることが全く又は殆ど不要であり、複数の機能機器を設置する場合でも、これらを機能機器取付プレートに集約して設置することができる。
【0017】
この機能機器取付プレートの前面に予め工場にて機能機器を取り付けておくようにすることにより、現場での機能機器設置施工の手間を大幅に簡略化することができる。
【0018】
請求項3〜5のように、このパネルを左右に長く延在させたり、パネル前面の意匠を前板の意匠と異ならせることにより、機能機器を集約してパネルに設置していることが強調された、独得の美観が生じる。
【0019】
請求項6のように、このパネルの前面を前パネルよりも後退させることにより、機能機器取付プレートと前パネルとの不連続感、別体感が感取されるようになり、上記の独得の美観が顕著となる。また、機能機器取付プレートの前面を前パネルよりも後退させることにより、前パネルを拭き掃除するときに機能機器に誤って雑巾などが触れ、誤作動をおこしたり設定値が意図せずに変更される事態が防止されるようになる。
【0020】
請求項7,8のように機能機器取付プレートを設置した場合、天板を取り外すことなく機能機器取付プレートを着脱することが可能となる。請求項8によると、張出部が隠蔽されるので、美観が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係る衛生設備ユニットの分解斜視図である。
【図2】図1のフレームの正面図である。
【図3】実施の形態に係る衛生設備ユニットの正面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図4のV部分の拡大図である。
【図6】実施の形態に係る衛生設備ユニットの左半分における天板を取り外した状態を示す平面図である。
【図7】別の実施の形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
衛生設備ユニットとして、第1図〜第6図に示す小便器ユニットについて説明する。
【0024】
第1図は小便器ユニットのフレーム及び機能機器取付プレート等を示す分解斜視図、第2図はフレームの正面図、第3図は小便器ユニットの正面図、第4図は第3図のIV−IV線断面図、第5は第4図のV部分の拡大図、第6図は天板を取り外した状態の一部平面図である。
【0025】
この実施の形態では、フレーム1をトイレルームの床面Fと背壁面Bとの交差隅部に配設している。なお、この実施の形態では、フレーム1は左右の壁面W,W間に納まる左右方向長さとなっている。
【0026】
このフレーム1は、側面視形状が逆L字形であり、その前面の主要部に前パネル50が取り付けられ、該前パネル50の前面に小便器51が設置されている。フレーム1の前面上部に、機能機器取付プレート30,30が設置されており、その左右両側に隙間調整板を兼ねたカバープレート40が配置されている。機能機器取付プレート30及びカバープレート40は前パネル50よりも若干後退している。フレーム1の上側に天板60が設置されている。
【0027】
次に、このフレーム1の構成について第1,2,5図を参照して詳細に説明する。
【0028】
このフレーム1は、複数本の縦材2,3,4,5,6,7と上辺の横材8及び下辺の横材9とによって前面の大部分が構成されている。
【0029】
縦材3,4間及び縦材5,6間の下部には、小便器51の下部を固定支持するための支持プレート10が架設されている。
【0030】
この支持プレート10には、小便器51の背面下部の排水口と係合する排水フランジ(図示略)の取付口11が設けられると共に、フランジ固定用ビス孔11aと、小便器51の下部を固定するためのボルト(図示略)のねじ込み用のめねじ孔12が設けられている。
【0031】
縦材3,4間及び縦材5,6間の上部には、小便器51の上部を掛止支持するためのハンガー(図示略)の取付孔14が設けられた支持プレート13が架設されている。
【0032】
縦材2,3間、縦材4,5間及び縦材6,7間には、補強用の横材15が架設されている。支持プレート10,13の前面は縦材3,4及び横材8,9,15の前面(フレーム前方側の面)と面一となっている。補強用の横材15を設けることにより、フレームに前パネルを取り付けたときの前パネルの反りが抑制される。
【0033】
第2図の通り、フレーム1の下辺の横材9には、フレーム1の設置高さ調節用のアジャスタボルト16が設けられている。フレーム1の下部は、床面Fに固定されたアンカープレート17に対しビス18により固定される。
【0034】
第1,5図の通り、上部の横材8からは、後方に短い延出材20が複数本延設され、各延出材20の後端に溶接等によって横材21が固着されている。横材21は横材8と平行に延在している。
【0035】
この横材21から上方に短く縦材22が複数本立設され、縦材22の上端に横材23が溶接等によって固着されている。
【0036】
横材23は横材21と平行となっている。縦材22に沿って、板面を前方向き且つ鉛直方向とした取付板28が設けられている。この取付板28は、横材21,23に対し溶着等によって固着されている。取付板28にはめねじ孔28a(第2図)が設けられている。取付板28は、フレーム1の左右両端部に1個ずつ配置されると共に、フレーム1の左右方向の中央部にあっては、縦材22を挟んで左右に1対設けられている。
【0037】
横材23から後方に短い延出材24が複数本延設されている。フレーム後方の壁面Bにはアングル材25が取り付けられている。第5図の通り、このアングル材25は、その後辺から垂下する垂下片25aと水平片を有した断面L字形のものであり、この垂下片25aがビス26によって後壁面Bに固定されている。このアングル材25の水平片に対し延出材24がボルト又はビス留めされる。
【0038】
このフレーム1にあっては、互いに平行な縦材2〜7と、互いに平行な横材8,9,15とによってフレーム1の主要部が構成されており、この主要部から所定距離L(第5図)だけ後退して横材21,23及び縦材22が配置されている。この距離Lは、第5図の通り、横材8の前面と横材21,23の前面との水平方向距離である。この距離Lは、30〜50mm特に約40mm程度が好適である。
【0039】
横材21,23及び縦材22によって構成される、フレーム前面上部の後退領域の高さHは100〜150mm特に約125mm程度が好適である。なお、このHは、横材8,21の上面と横材23の上面との鉛直方向の距離である。
【0040】
このフレーム1の上部の後退領域に機能機器取付プレート30が配置されている。このプレート30は、フレーム1の前方を向いた、左右方向に長い平板状の主板部31と、該
主板部31の左端及び右端から後方に延出した側板部32,32と、該側板部32,32の後端から左右側方にそれぞれ張り出した張出部33とを有する。張出部33には小孔33aが穿設されている。
【0041】
この機能機器取付プレート30は、フレーム1の左端又は右端側の取付板28と、中央部の取付板28とに跨がる左右方向長さを有している。機能機器取付プレート30は、張出部33を取付板28の前面に重ね合わせ、ボルト34を小孔33aを通してめねじ孔28aにねじ込むことにより、フレーム1に固定される。
【0042】
第5図の通り、機能機器取付プレート30を取付板28に固定した状態において、主板部31の前面は横材8の前面と面一状となっている。この主板部31の前面は、前パネル50の前面から10〜20mm特に約15mm程度後退していることが好ましい。なお、主板部31の前面を横材8の前面よりも後退させてもよい。この場合には、横材8の上面を化粧面とすることが好ましく、また、横材8と前パネル50との間の隙間が目立たないものとなるように仕上げ処理を施すのが好ましい。
【0043】
主板部31前面を横材8の後面よりも後方に位置させてもよい。この場合、主板部8と横材8との間の隙間を適宜の部材で隠蔽する。
【0044】
第1図及び第3図の通り、この実施の形態では、機能機器取付プレート30の主板部31に機能機器として、液晶ディスプレイ、有機ELパネル等の表示装置35と、人体検知センサ36と、音声を出力するためのスピーカ37と、傘などを吊り下げるための吊具38とが設けられているが、機能機器はこれらに限定されるものではない。例えば、照明、各種スイッチなどであってもよい。
【0045】
この機能機器取付プレート30の主板部31の模様又は色彩は、前パネル50の模様又は色彩と異なっている。このように意匠を異ならせることにより、機能機器取付プレート30の存在が使用者に強く感取されるようになる。
【0046】
第3,6図の通り、機能機器取付プレート30と側壁Wとの間にカバープレート40が配置され、機能機器取付プレート30,30同士の間にカバープレート42が配置されている。
【0047】
各カバープレート40,42は、第6図の通り、前面部40a,42aと、前面部40a,42aの左右両端から後方へ延出した延出片40b,40c,42b,42cとを有したコ字形である。延出片40bを側壁面Wに当接させると共に、延出片40cを機能機器取付プレート30の側板部32に弾性的に当接させることによりカバープレート40が機能機器取付プレート30と側壁面Wとの間に設置される。また、延出片42bを左側の機能機器取付プレートの側板部32に当接させ、延出片42cを右側の機能機器取付プレート30の側板部32に弾性的に当接させることにより、カバープレート42が機能機器取付プレート30,30間に設置される。
【0048】
カバープレート40,42の前面は、機能機器取付プレート30,30の前面と面一とされる。
【0049】
各機能機器取付プレート30の左右方向長さは、小便器51の左右幅よりも大きい。機能機器取付プレートの左右方向長さは800mm以下、例えば500〜600mm程度が好適である。
【0050】
このフレーム1の横材8,9及び縦材2,7で囲まれる主要部前面にタイル張りパネル、化粧鋼板パネル等よりなる前パネル50が取り付けられる。なお、フレーム1の前面下辺部には巾木部材(図示略)が取り付けられる。この前パネル50の前面側に小便器51が設置される。なお、図示は省略するが、横材8の前面に上向き爪状の係止フック片が固設され、前パネル50の背面上部に係止片が固着されている。この係止片を係止フック片に対し上方から係合させるようにして前パネル50がフレーム1に取り付けられる。第5図の通り、前パネル50の上端面は横材8の上面と面一状とされる。
【0051】
前パネル50には、小便器51の排水口及び給水口に対応する箇所に開口が設けられている。また、前パネル50には、フレーム1の小便器係止用ハンガーに対応する箇所に開口が設けられている。
【0052】
該ハンガーは該開口を通って前パネル50の前面側へ突出している。このハンガーに対して小便器51を直に掛止させる。なお、前パネル50が十分な強度を有しているときには、ハンガーを前パネルに設けてもよい。
【0053】
フレーム1の内部に排水管52、給水管53及び通気管54が引き回されている。排水管52は接続管52aを介して、支持プレート10に取り付けられた排水フランジ(図示略)に接続されている。排水フランジの先端にはブチルゴム等の軟質ゴムよりなるガスケットが装着されており、小便器51の排水口を該ガスケットに押し付けることにより、排水口と排水ソケットとが密結される。
【0054】
給水管53と小便器51の給水口とは、フレキホース等の接続管によって接続される。この接続管と小便器51の給水口との接続作業は、天板60を取り外した状態で、フレーム1の上方から行われる。
【0055】
小便器51の設置及び小便器51への配管接続が終了した後、天板60をフレーム1上に設置し、壁面B,Wと天板60との隙間を発泡シーリング剤や液状シーリング剤でシールする。
【0056】
なお、第5図の通り、天板60の下面と延出材24及び横材23の上面とにそれぞれ面ファスナ61が設けられており、該面ファスナ61同士を係合付着させることによって天板を取り外し可能に固定設置する。
【0057】
天板60の前縁は垂下片60aとなっている。この垂下片60aは機能機器取付プレート30よりも前方に位置している。垂下片60aの下端は、機能機器取付プレート30の上縁よりも若干(例えば3〜5mm程度)下位となっており、機能機器取付プレート30と天板60との隙間を隠蔽している。
垂下片60aの裏面は、前パネル50の表面より前方に位置している。垂下片60aの下端が機能機器取付プレート30及びカバープレート40,42の上縁より下位になっているが、プレート30,40,42を斜めにしながら取り外すことができるようになっている。
【0058】
このように構成された小便器ユニットにあっては、前パネル50と天板60との間に機能機器取付プレート30が設置され、この機能機器取付プレート30の前面に表示装置35、人体検知センサ36、スピーカ37、吊具38等の機能機器が設置されている。従って、前パネル50に穴をあけてこれらの機能機器を設けることが不要である。また、各機能機器の位置が設計位置に正確に合致したものとなり、位置のバラツキによる美感の不調和が防止される。なお、前パネルに少数の開口を設け、少数の機能機器を前パネル50に設置してもよい。
【0059】
また、機能機器取付プレート30の前面に予め工場にて機能機器を取り付けておくようにすることにより、現場での機能機器設置施工の手間を大幅に簡略化することができる。
【0060】
この実施の形態では、この機能機器取付プレート30を左右に長く延在させており、機能機器を集約して機能機器取付プレート30に設置していることが強調された、独得の美観が生じる。
【0061】
この実施の形態では、このパネル30の前面を前パネル50よりも後退させているので、機能機器取付プレート30と前パネル50との不連続感、別体感が感取されるようになり、独得の美観が得られる。また、機能機器取付プレート30の前面を前パネル50よりも後退させているので、前パネル50を拭き掃除するときに機能機器に誤って雑巾などが触れ、誤作動したり設定値が意図せずに変更されたりする事態が防止されるようになる。
【0062】
この実施の形態では、機能機器取付プレート30の張出部33を取付プレート28に対しボルト34等によって固定し、この張出部33を隠蔽するようにカバープレート40,42を設けている。このカバープレート40,42は、延出片40b,40c,42b,42cを壁面Wと機能機器取付プレート30との間又は機能機器取付プレート30,30間に弾性的に差し込むことによって装着されており、ユニット前方から着脱自在となっている。このカバープレート40,42を取り外し、ボルト34を外すことにより、天板60を取り外すことなく機能機器取付プレート30を着脱することができる。従って、機能機器取付プレート30に取り付けられた各種機能機器の点検、修理、交換等を容易に行うことができる。
【0063】
[第2の実施の形態]
第7図を参照して別の実施の形態に係る洋風便器ユニットについて説明する。第7図(b)は洋風便器ユニットの正面図であり、第7図(a)は第7図(b)のVIIa−VIIa線断面図である。
【0064】
この実施の形態でも、トイレルームの床面Fと後壁面Bとの交差隅部にフレーム1Aが設置されている。フレーム1Aの構造は、前記フレーム1よりも縦材3,4,5,6,7の長さが短く、フレーム1よりも高さが低くなっていること、小便器接続用排水フランジの代わりに大便器接続用排水フランジが支持プレート10に取り付けられていることを除いてフレーム1と同一である。
【0065】
フレーム1に取り付けられた機能機器取付プレート30Aは、機能機器として、便器洗浄ボタン70、スピーカ71、人体検知センサ72、香気発生器73が設置されていること以外は機能機器取付プレート30と同一である。プレート30Aには、擬音装置(流水音を流すスピーカー)等の他の機能機器を設置してもよい。
【0066】
前パネル50Aは、フレーム1Aに合致した寸法になっていること、排水ソケット用開口が給水管用開口を兼ねていることを除いて前パネル50と同様の構成となっている。
【0067】
この前パネル50Aの前面に洋風便器80が取り付けられている。この洋風便器80の後部上面に便座ボックス81が設置され、この便座ボックス81に便座82及び便蓋83が取り付けられている。左右の洋風便器70,70の間はブースパネル90で仕切られている。
【0068】
この実施の形態にあっても、前パネル50Aと天板60との間に各種機能機器を備えた機能機器取付プレート30Aが設置され、この機能機器取付プレート30Aの主板部の意匠が前パネル50Aと別異であり、またこの機能機器取付プレート30Aが前パネル50Aから所定距離後退しているところから、上記第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0069】
[別の実施の形態]
本発明は、洗面器、手洗器、掃除流しなど各種の衛生機器を備えたユニットに適用することができる。
【0070】
上記実施の形態では、ユニット前面に2個の便器が取り付けられるが、1個又は3個以上の衛生機器が取り付けられてもよい。また、2種以上の衛生機器が取り付けられてもよい。
【0071】
上記実施の形態では、フレーム1,1Aは逆L字形であるが、特許文献1,2のように直方体形の箱状であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1,1A フレーム
2,3,4,5,6,7 縦材
8,9,21,23 横材
10 支持プレート
20 延出材
25 アングル
28 取付プレート
30,30A 機能機器取付プレート
31 主板部
32 側板部
33 張出部
35 表示装置
36 人体検知センサ
37 スピーカ
38 吊具
40,42 カバープレート
50,50A 前パネル
51 小便器
60 天板
70 洗浄ボタン
71 スピーカ
72 人体検知センサ
73 香気発生器
80 洋風便器
90 ブースパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
該フレームの前面側に設けられた前パネルと、
該フレームの上面側に設けられた天板と、
を備え、該前パネルに衛生設備が取り付けられた衛生設備ユニットにおいて、
該前パネルと天板との間に機能機器取付プレートが設置されており、該機能機器取付プレートの前面に衛生設備関連機能機器が設置されていることを特徴とする衛生設備ユニット。
【請求項2】
請求項1において、該機能機器は、前方から視認される表示装置、前方から操作される操作部、人体検知センサ、照明、香気発生器及び音声装置の少なくとも1種であることを特徴とする衛生設備ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記機能機器取付プレートの左右方向の長さが800mm以下であることを特徴とする衛生設備ユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記機能機器取付プレートは衛生設備ユニットの上方において、その衛生設備の左右幅よりも左右方向に長く延在していることを特徴とする衛生設備ユニット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記機能機器取付プレート前面の意匠が前パネルの意匠と異なることを特徴とする衛生設備ユニット。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記機能機器取付プレートの前面は前パネルの前面よりも後退していることを特徴とする衛生設備ユニット。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記機能機器取付プレートは、衛生設備ユニットの前方を向いた主板部と、該主板部の左右側辺から後方へ延出した側板部と、該側板部の後部から側方へ張り出した張出部とを備えており、
該張出部が前記フレームに留め付けられていることを特徴とする衛生設備ユニット。
【請求項8】
請求項7において、該張出部を隠蔽するカバープレートが該機能機器取付プレートと面一状に設けられており、
該カバープレートは衛生設備ユニットの前方から着脱自在となっていることを特徴とする衛生設備ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−281142(P2010−281142A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136391(P2009−136391)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】