説明

衛生設備廃水を再利用するための設備

【課題】 衛生器具(22,23)から生じる廃水を再利用するための及びトイレで使用された水洗水を節約するための水節約システムを備える少なくとも一つの便器を水洗するために再使用するための設備を提供する。
【解決手段】 本発明の水節約システムは、タンク(3)、タンク(3)内に配置された水洗機構(25A,24,17,14)、廃水をタンク(3)に運ぶための第一通路(21,7,15)、水道水をタンクに運ぶための第二通路(13A)、第一通路内に配置されたフィルター(18,20)とポンプ(19)、水位検出器(11)、及び制御された遮断弁(13)を含む。本発明は、水洗機構がタンク(3)の高さに延びる流量調節チューブ(27)の内側に設けられかつタンク(3)の残りとチューブ(27)の側面に設けられた一つ以上の穴(35)を通してのみ連通している垂直作動排水弁(25A)を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭の浴室、シャワー、シンク等からの衛生設備廃水を回収または再利用するための及び便器を水洗するためのその再使用のための設備に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭、住居、ホテルにおいて、より一般的には団地において、衛生設備は、主供給網から直接取入れる一般的に飲用可能な大容量の水道水を使用する。都市環境では、使用される水道水の容量、従って下水施設に流される容量は数百万リットルに達し、そのほぼ80%は衛生設備によって使用され、その半分がまたトイレを水洗するためだけに使用される。従って、例えば、各ヨーロッパ人は毎日120リットルの飲料水を使用する。これら120リットルのうち40リットルは便器を水洗するために使用されており、これはすなわち最大6回の水洗に相当する。水道水のこの使用は、絶えず厳しくなる環境的制約により課される精製コストのためにますます高くなる消費コストに至る。
【0003】
その高いコストとは別に、水供給の継続は、季節的占有で特定の居住領域または特定の住宅領域では時々危機的である。更に、世界の多くの地域は天然水貯水を持たないか又は非常に限られた天然水貯水を持つにすぎない。そして、地下水の豊富な地域でさえ、供給問題は長期間の旱魃時には定期的に起こる。気象専門家は、この状況が来たる10年間でますます頻繁となりかつ危機的となる恐れがあることを既に予言している。
【0004】
従って、水を効率的に分配しかつ特にそれをもし控え目でないとしても適度に消費することができることは非常に重要である。かつ他方で、これに関して、家庭、住居、ホテル集合体及び他のこのような場所が、水を節約することを可能にする効率的なレイアウトに従って組織化されまたは再組織化されることは重要である。一般的に、衛生設備廃水は下水網中に流れる共通の収集管中に直接流される。衛生設備廃水のこの処分は供給網から来る水の重要な消耗を意味するのみならず、このように処分された水はまた、環境汚染の一因となる多数の残留物を含む。
【0005】
身体の衛生のために使用される水道水の量は別として、大量の水道水がまた、トイレの水洗機構で使用される。主要な水節約は、便器を水洗するために家庭または住居/ホテル集合体で共通的に見出される他の衛生器具から回収した廃水を使用することによって及びもはや利用できる廃水がないときにのみ便器のために水道水を使用することによって達成されることができる。
【0006】
便器を水洗するために廃水を回収することは既に知られている。廃水は、通常トイレに固定された水洗システムのタンクに連結された貯蔵タンク内に集められる。このタイプのシステムは、高価な配管作業や、迷惑をかけることの多いまたは目に見える配管機構の設置を伴うことが多い。
【0007】
便器を水洗するための水の分配に関して、「タワーカップボード」タイプのトイレのための衛生装置中へ廃水の再利用を組込むことによって、そして信頼性及び衛生の問題を考慮に入れることによって、かなり理論的な解決策が提案された(例えばEP−A−1516968,GB−A−611893,GB−A−2143559,DE−A−1609218、等参照)。
【0008】
特に、文献WO−A−2004/057119は、例えばシャワー装置から来る使用された水を再利用するためのシステム、特に水節約トイレ水洗システムの形のシステムを提案し、それは、浮きを持つ水洗プラグ、水道水入口、及びタンクに連結された使用された水の出口を備えた少なくとも一つのタンクを含む。タンクの側面に棒により旋回可能に固定された浮きは、垂直に動くことができ、タンク中の使用された水の水位が十分でないとき水道水入口に設けられた弁の開放を軸により起動することができる。より正確には、このシステムは主ポンプを持つ洗濯機に連結され、主ポンプの出力は元のポンプと比べて増強されており、このポンプは洗濯機から来る使用された水をタンクに運ぶことを可能にする。追加のポンプは、シャワー装置からの使用された水を恐らく別のタンクへ運ぶことを可能にする。各使用された水のパイプは、関連したポンプとタンクへの入口との間に配置されたフィルターを持つ。
【0009】
洗濯機からの廃水の再利用はあまり重要ではない。なぜなら、それは汚物を含み悪臭を持つことが多いからである。更に、それは一般的にかなり多くの洗剤及び泡を含む。これは、タンク内に大量の泡の形成、並びにフィルター及びタンク内に重い沈殿物の形成を導く。
【0010】
廃水をタンク中に移送するために洗濯機の元のポンプを使用することは可能でない。なぜなら、それは、水を約1.2mだけ上昇することができるにすぎないからである。従って、このポンプを改変すること、従ってこれらの改変のために設計されていない機械に対して作業することが必要であり、製造者により提供された保証が失われるという結果を持つ。
【0011】
第二ポンプを洗濯機内に置くことは一般的に不可能である。なぜなら、その可能性は製造者により想定されておらず、これらの改変は専門家システムよりむしろ間に合わせのDIYの方に属するからである。第二ポンプのモーターの可能な故障または破損はまた、浴槽またはシャワー装置を排水不可能にするであろう。更に、浴槽近くの洗濯機の強制的存在はあまり普通の状態ではない(すなわち洗濯場と浴室が並んだ状態)。
【0012】
更に、緩衝タンクの上でフィルターを使用することは推奨されない。ポンプの後に配置すると、それは詰まったときに流れを制限し、ポンプ21または31をそれが故障するまで無理に働かせる。加えて、フィルターはタンクの上の装飾スクリーンの背後に隠れた場所に配置されており、接近を困難にしまたは不可能にさえする。廃水は、処理された水のタンク中への入口のちょうど上のフィルターの高さで処理される。フィルターの出口では、タンク中への流れは自由であるが、多量の騒音と泡を発生する欠点を持つ。
【0013】
水道水供給は、標準的な市販の水洗システムにおけるような浮きにより起動される弁により確保され、緩衝タンクの溢流は可視的にパイプにより便器内に視覚的に排水する。
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、従来技術の欠点を克服する解決策を提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、家庭またはいずれかの建物内のトイレのための水の供給及び使用の一般的問題に対する合理的かつ効果的な解決策を提供することを目的とする。
【0019】
特に、本発明は、水節約システムの合理的な組込みを持つ便器を水洗するための水供給を最適化する衛生設備を提案することを目的とする。
【0020】
本発明の別の目的は、衛生設備の完全な衛生性を自動的に維持しかつ環境を効率的に考慮する解決策を提案することである。
【0021】
本発明の別の目的は、上述の設備と特に高い水柱と両立できる水洗システムを提供することであり、この水洗システムは信頼性があると同時に、丈夫でかつ静かでなければならない。
【0022】
本発明の更に別の目的は、トイレのための衛生設備の操作及び維持が使用者の要求に依存してプログラムされることができるそれらの設備を提案することである。
【0023】
本発明の更に別の目的は、水節約システムを組込み、かつ家庭のいずれかの部屋内に容易に設備されることができるかまたは大きなかつ高価な配管作業を必要とせずに現在の寸法を前提とするトイレのための衛生装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、衛生器具からの廃水を再利用するための及びそれをトイレの上に取付けられた水洗水を節約するためのシステムを備えた少なくとも一つの便器を水洗するために再使用するための設備に関し、前記水節約システムは、水貯蔵部を含むことができるタンク、便器を水洗するための水を提供するためにタンク内に配置された水洗機構、前記廃水をタンクに供給するための第一パイプ、水道水をタンクに供給するための第二パイプ、第一パイプ内に配置されたフィルターとポンプ、タンク内に保持された貯蔵廃水の水位を制御するための水位センサ、及び水道水の取入れを制御するための制御された停止弁を含み、前記停止弁は通常閉じられており、タンク内に残りかつ水位センサにより検出された水の容量が予め決められた容量より低いときに一時的に開かれ、更に水洗機構は、タンクの全高さに渡って延びる流量制御チューブの内側に配置されかつ前記チューブの側面に穿孔された一つ以上の開口によりタンクの残りにのみ連結された垂直作用排水弁を含む。
【0025】
本発明の好適な実施態様は、従属請求項2〜19に記載されている。
【0026】
図面の簡略説明
図1Aは、本発明におけるような衛生設備廃水を回収しかつ便器を水洗するための完全な設備を概略的に示す。
【0027】
図1B及び1Cは、便器及びそのタンクのそれぞれの側面及び前面の上面図を示す。
【0028】
図2は、上述の設備の側面及び前面からの詳細図をタンクの水準で示す。
【0029】
図3及び4は、浴槽及びシャワーの場合のフィルターとポンプを持つ廃水回収システムを概略的に示す。
【0030】
図5及び6は、本発明におけるような設備の制御端末の実施態様を示す。
【0031】
図7は、本発明におけるようなトイレのための水洗機構の好適な実施態様の詳細図を示す。
【0032】
図8は、水道水をタンクに供給するためのパイプを雨水を集めるためのパイプと連結する装置の例を概略的に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、浴槽からのまたはシャワーからのいずれかの一人以上の人によりそれらの日常の洗浄時に使用される水を回収するための新しいシステムに関する。この水はまず、機械的及び化学的にろ過され、着色され、臭いを付けられ、次いで180リットルタンク、例えば−平均浴槽の容積より大きい容積である−従来技術の伝統的なタンクと同じ位置に設けられたタンク内に貯蔵される。このタンクはその容量が著しく大きいので伝統的なタンクより背が高いだけであるが、これはその必要な余分な空間がめったに使用されないので、悪影響が全くない。
【0034】
本発明の潜在的な用途は次のとおりである:
− 現存する家庭内のトイレの修復:本発明におけるようなシステムは、追加の床空間の要求または目立った設置作業なしに、現存する水洗システムを置換する。それは、トイレ備品の新しい範囲に組込まれることができ、またトイレ付属品のための実際の貯蔵を可能にする;
− 新築家屋または住居、新築アパート:タンクはサービス抗内に隠されることができる;
− ホテル、そこでは1日当りかつ1室当りの255リットルの水の飲料水の平均消費量は平均的な私的消費量より著しく高い;
− 学校及びレストラン。
【0035】
設備はまた、洗面台の水溜め及び雨水排水パイプに連結されることができる。
【0036】
このシステムはハイブリッドシステムである。再利用水の不足の際には、飲料水網が補足として使用されることができる。それゆえ、このシステムは、決して使用できないことのないように設計され、それは年当りかつ100万人の住民当り14600000mの推定される飲料水節約に導く(すなわち現在消費量の3分の1)。達成された節約は、直接的(少ない水消費の結果としての少ない請求書)及び間接的(廃水処理についての公共消費の減少)の両方である。消費される水への課税は減少し、公共補助金の分配は投資を援助する。
【0037】
本発明におけるような設備はまた、現存するまたは計画された換気ダクトに発生源での臭いを戻す便器による臭いの抽出のための装置を含む。この技術は、快適性を高め、かつ部屋の換気を改善する。このシステムは内部センサと共に作動する。
【0038】
更に、本発明におけるようなシステムは有利には、恐らくデジタルディスプレー及び中央制御設備によるシステムの管理を持つ、私的家庭またはホテルのいずれかのための制御システムを含むであろう。
【0039】
ポンプ及びフィルターシステムは、排水騒音と泡の形成を防ぐようにトラップの隣の浴槽(またはシャワー)の下に配置される。従って、アクセスハッチを通して容易に接近可能である。浴槽またはシャワーはタンクから数メートル離れてもよい。最後に、壁に取付けられた便器は標準的である。
【0040】
本発明は、家庭の便器(単数または複数)を水洗するために、主に浴室、シャワー、洗面台水溜め等から来る使用した水または「グレー」水の回収に基づく。
【0041】
図1Aから1Cに示されるように、本発明におけるようなシステムは有利には、壁取付け便器1と共に使用されるように設計される。
【0042】
浴槽22またはシャワー23の出口で始まり、それらのトラップから来る排水パイプ21はフィルターに入る(図3及び4)。このフィルターは、比較的小さいサイズ(例えば150×250×165mm)のプラスチックハウジング(例えばPVC,ABS,PE等)、毛髪のような粒子の粗いろ過(0.5−1mm)及び処分のためのフィルターかご20、浮き、及びフィルターが詰まって洗浄を必要とするときに警報を与えることを可能にする「リード」接点を持つ水位プローブ18、並びにポンプが故障した場合の溢流のための排出口(図示せず)に向いた出口を含む。
【0043】
グレー水を処理するために使用される製品は、固体のタイプのものであり、フィルターかご20内に置かれ、そこでそれは浴槽またはシャワーが排水されるときに徐々に溶解する。処理製品の機能は例えば着色、殺菌、スケール除去、及び脱臭製品の添加である。
【0044】
フィルターハウジングの出口は直接ポンプ19の取入れ口に入る。ポンプ19は共通ブランド(Grundfos(登録商標)、SFA(登録商標)等)の「吸上げポンプ」タイプのものである。ポンプ19は、グレー水の水位が55mmを越えるとすぐに自動的に始動するためのスイッチ、フラッパー及びベントを備えている。もちろん、本発明の原理は、もしフィルターとポンプを持つ二つのハウジングが単一部分で作られるとしても、同じままである。
【0045】
スクリード内に隠されるであろうパイプはポンプ19の出口に連結され、その他端は貯蔵タンク3内の取入れ口パイプ7に連結されるであろう。
【0046】
フィルター/ポンプ装置は好ましくは、メンテナンスのための容易な接近を提供するように検査ハッチの直ぐ背後の浴槽22の下に配置される。シャワー23の場合、この装置は、検査ハッチを持つ適合したハウジング内にまたはこれに代えてスクリード内のシャワー装置の下に設けられたハウジング内にその隣に配置される。ある場合には、この装置はこのようにしてスクリード内に隠されることができる。
【0047】
図2に示されるように、取入れ口パイプ7はタンクに入り、ひじ形状で延び、その端部15は排水騒音を防ぐようにタンクの底に達する。
【0048】
便器1は支持体1Aの棒4に取付けられ;この支持体は床及びタンクの背後の壁に固定されており、従って便器1、タンク3及び排出パイプ2を支持するであろう。
【0049】
170〜180リットルの有効容量を持つタンク3はプラスチック材料(例えばポリエステルまたはポリエチレン)から作られる。もしこのタンクが幾つかの便器に供給するなら、その容量はもちろん増加されることができる。パイプ、プローブ(単数または複数)及び弁を置くために必要な穴が穿孔される。
【0050】
上に示したように、タンク3はグレー水をパイプ7により供給される。タンク3内の水位が最大許容高さに達すると、水は溢流パイプ8を通してトラップ10を通して排出パイプ2中に排水される。
【0051】
本発明の一つの本質的要素は独創的な水洗機構である。これは標準的機構に基づいて構成されているが、水洗機構を強化するような変更を持つ。なぜなら、この水洗機構は、通常の水洗機構の場合におけるよりもかなり大きな水圧ヘッドに、そして弁が閉じられるときのウォーターハンマーに耐えなければならないからである。これらの危険は通常の使用によるよりもかなり多く水洗機構を損傷する。もう一つは、この水の大きな落差が騒々しい。
【0052】
図7に詳細に示されるように、弁25Aは、ねじと固定及び錠止ナット33で終わる略円筒形の主案内本体25、弁本体26、EPDMから作られたジョイント30、及び装置を取付けるための一組のPVC及びゴムワッシャー28,29を含む。
【0053】
水が便器中に流れるときの水流を制御するために、少なくとも二つの穴35(例えば8mmの直径を持つ)を穿孔されかつタンク3の内部高さに等しい高さのPVCチューブ27がタンク3内に弁25,33の本体により固定され、封止ジョイント31,32により封止されている。従って、タンク3が満杯のときまたはその中の圧力ヘッドが非常に大きいとき、水洗が起動されるとチューブ27内の水を排水させる。この排水は、チューブ内の圧力低下を補償するために穴35を通してチューブを再充填するのよりかなり速い。なぜなら、これらの穴の小さな直径のためである。それゆえ、このシステムは、弁を開く瞬間と閉じる瞬間の間の水洗の適正な操作のために必要な水の正しい量を提供するという利点を持つ。更に、このシステムは水洗の騒音を非常に大きく減らすという利点を持つ。
【0054】
この排水弁は、カムと位置決め端部停止具を備えたギヤー付きモーター14(図2)により起動される。これは棒24及びチェーン17により弁を上昇する。手動制御レバー(図示せず)が、停電時に弁を手動起動するためにタンクの上に配置されている。
【0055】
タンク中のグレー水の水位が落ち、予め決められた最少値未満になると、プローブ11が電気制御弁13を水道管13Aの水位でオフに設定する。グレー水がタンクに送出されるとすぐに、水位が再び上昇し、水道水供給は遮断される。
【0056】
このシステムは便器の強制換気12により補足される。
【0057】
全システムはマイクロ制御器を持つ電子端末40により制御される。
【0058】
図6に示された端末40の例は二つのボタンを組込むことができかつ含む:一方は約8リットルの水洗のためであり、他方は約3リットルの経済的水洗のためである。それは、システムの状態を示す三つの発光体を含み、かつシステム欠陥を合図する。「Ready」発光体はシステムが活動していることを示す。もしそれが点滅するなら、それは電子部、品の故障を示す。「Pump」発光体はポンプが不完全なときに点灯し、マイクロ制御器は作動時にポンプにより消費された電流をチェックする。「Filter」発光体はフィルターがクリーニングを必要とするときに点灯する。
【0059】
より発展した形式(図5)では、端末40は2×16文字、またはシステムの状態を表示するがホテルまたは施設での使用に関係したメッセージを表示するために意図されたグラフを持つLCDディスプレー41を持つ。
【0060】
本発明の文脈内で提案されたシステムは、従来技術から知られているシステムより優れ、特に文献WO−A−2004/057119に記載されたシステムより優れた多数の利点を持つ。
【0061】
本発明によれば、配管が浴槽の下またはシャワーに隣接して容易に取付けられることができるフィルター及び標準吸上げポンプが使用される。フィルターの高さでの溢流の存在は、システムが全ての環境で作動するであろうことを保証する。これらの二つの要素にはトラップのそばに配置された検査ハッチを通して接近することができる。フィルターハウジング内に設けられた水位プローブは、フィルターがクリーニングを必要とするときに警告する。
【0062】
本発明によれば、フィルターはポンプの上流に配置され、従ってフィルターが詰まった際にそれが過剰に負荷され、恐らく動かなくなるのを避ける。グレー水はこのようにしてフィルターの高さで処理され、そこでは水が浴槽またはシャワーを離れるとすぐに、水が緩衝タンク並びにパイプ内に到達するまで水が処理される。
【0063】
タンク溢流はトイレの排水管中に流れ、便器中には流れない。
【0064】
排水弁はギヤー付きモーターにより規定されかつ起動され、伝統的な基本的浮きシステムによらない。
【0065】
本発明におけるような装置は、タンクとして作用する特別なチューブから作られた流量調節器を含むことができる。
【0066】
飲料水供給はプローブ及び電気制御弁により制御される。一つの利点として、水道水をタンクに供給するパイプは、制御された停止弁から上流の、図8に例として示されるような、雨水を集めるための装置に連結されることができ、水道水の供給パイプへの停止弁はそれぞれ開閉される。
【0067】
本発明におけるようなシステムは壁取付け便器のために設計され、その支持体はタンク及び便器の両者を受けるように設計されている。
【0068】
本発明におけるようなシステムは電気作動ファンによる便器の強制換気を含む。
【0069】
最後に、全システムは電子端末により制御される。これは水洗、飲料水による充填、ポンプ及びフィルターを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明におけるような衛生設備廃水を回収しかつ便器を水洗するための完全な設備を概略的に示す。
【図1B−1C】図1Bと1Cは便器及びそのタンクのそれぞれの側面及び前面の上面図を示す。
【図2】上述の設備の側面及び前面からの詳細図をタンクの水準で示す。
【図3】浴槽の場合のフィルターとポンプを持つ廃水回収システムを概略的に示す。
【図4】シャワーの場合のフィルターとポンプを持つ廃水回収システムを概略的に示す。
【図5】本発明におけるような設備の制御端末の実施態様を示す。
【図6】本発明におけるような設備の制御端末の実施態様を示す。
【図7】本発明におけるようなトイレのための水洗機構の好適な実施態様の詳細図を示す。
【図8】水道水をタンクに供給するためのパイプを雨水を集めるためのパイプと連結する装置の例を概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生器具(22,23)からの廃水を再利用するための及びそれをトイレの上に取付けられた水洗水を節約するためのシステムを備えた少なくとも一つの便器(1)を水洗するために再使用するための設備において、前記水節約システムが、水貯蔵部を含むことができるタンク(3)、便器(1)を水洗するための水を提供するためにタンク(3)内に配置された水洗機構(25A,24,17,14)、前記廃水をタンク(3)に供給するための第一パイプ(21,7,15)、水道水をタンクに供給するための第二パイプ(13A)、第一パイプ内に配置されたフィルター(18,20)とポンプ(19)、タンク内に残っている使用した水の水位を制御するための水位センサ(11)、及び水道水の取入れを制御するための制御された停止弁(13)を含み、更に水洗機構が、タンク(3)の全高さに渡って延びる流量制御チューブ(27)の内側に配置されかつ前記チューブ(27)の側面に穿孔された一つ以上の開口(35)によりタンク(3)の残りにのみ連結された垂直作用排水弁(25A)を含むことを特徴とする設備。
【請求項2】
排水弁(25A)が、作動器により自動的に制御されることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
作動器が、棒(24)及びチェーン(17)により弁(25A)に結合されかつカムと位置決め端部停止具を備えたギヤー付きモーター(14)であることを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項4】
水位センサ(11)が、制御された停止弁(13)に連結されたプローブを含むことを特徴とする請求項1,2または3に記載の設備。
【請求項5】
廃水を供給するための第一パイプが、タンク(3)の底で出る出口を提供するように曲げられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の設備。
【請求項6】
廃水を発生する衛生器具が少なくとも浴槽、シャワー、洗面台またはこれらの組合せを含み、タンク(3)の容量が150リットルを越えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の設備。
【請求項7】
衛生器具(22,23)とタンク(3)の間の廃水の通路内に、フィルター(18,20)がポンプ(19)から上流に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の設備。
【請求項8】
フィルターが、粗いろ過のためのフィルターかご(20)、浮きと「リード」接点を持つ水位プローブ(18)、及び溢流のための排出口に向いた出口を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の設備。
【請求項9】
フィルターかご(20)が、衛生器具が排水されるときに徐々に溶解する廃水を処理するための固体製品を含むことを特徴とする請求項8に記載の設備。
【請求項10】
ポンプ(19)が、予め決められた水位が達成されるとすぐに自動的に始動するためのスイッチ、フラッパー及びベントを備えた吸上げポンプであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の設備。
【請求項11】
マイクロ制御器(40)を持つ電子端末を含む制御システムを含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の設備。
【請求項12】
制御システムが、水洗の起動により提供される水の容量を調節または調整するための手段を含むことを特徴とする請求項11に記載の設備。
【請求項13】
制御システムが、水道水または廃水によるタンクの充填を制御するための及び設備、ポンプ及びフィルターの電子部品の状態をチェックしかつ表示するための手段を含むことを特徴とする請求項11に記載の設備。
【請求項14】
端末(40)が、メッセージを表示することを可能にするディスプレー(41)、例えば液晶ディスプレーを含むことを特徴とする請求項11に記載の設備。
【請求項15】
制御システムが、排水弁(25A)の作動器を定期的に作動するようにプログラムされていることを特徴とする請求項11または12に記載の設備。
【請求項16】
廃水を供給するための第一パイプが流量調節器を含むことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の設備。
【請求項17】
タンク(3)からの溢流をトイレ(2)の排水パイプ中に直接放出するための追加のパイプ(8)を含むことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の設備。
【請求項18】
水道水をタンクに供給するための第二パイプが、制御された停止弁(13)から上流の、雨水を集めるための装置に連結されていることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の設備。
【請求項19】
便器が強制換気装置(12)に連結されていることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の設備。

【図1A】
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【図1B−1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−523925(P2009−523925A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549716(P2008−549716)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/BE2006/000132
【国際公開番号】WO2007/079552
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508214581)
【Fターム(参考)】