説明

衝撃ダンパ

【課題】簡単な操作により、可動質量とハウジング内面との間の隙間を柔軟に調整可能な衝撃ダンパを提供する。
【解決手段】制振対象物12に接触固定されるハウジング14と、可動質量16と、バネ18と、上側レベル調整機構22と、上側接触材料24と、下側レベル調整機構26と、下側接触材料28と、突起部30とを備え、上側レベル調整機構22の高さを加減することにより、上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間の隙間d1が調整されると共に、下側レベル調整機構26の高さを加減することにより、下側接触材料28と突起部30との間の隙間d2が調整される第1の衝撃ダンパ10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制振対象物に対して可動質量を衝突させることにより、その振動を低減する衝撃ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
衝撃ダンパは、橋梁や建造物の床面等の制振対象物に接触固定させたハウジング内に、バネによって弾性支持された可動質量を配置しておき、制振対象物の振動に呼応して可動質量をハウジング内面に衝突させることにより、その振動を減衰させる構造を備えている。
【特許文献1】特開2006−348996
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような構造の衝撃ダンパの場合、十分な制振効果を確保するためには、ハウジング内面と可動質量との間に制振対象物の振幅の大きさに応じた最適な隙間を設定しておくことが極めて重要であり、この振幅の大きさは制振対象物の構造や振動源の種類、周辺環境等の影響を受けるため、本来は制振対象物毎に隙間をきめ細かく調整する必要がある。
しかしながら、従来の衝撃ダンパには隙間を微調整するための機構が用意されておらず、制振対象物の特性に応じて隙間を柔軟に加減することができないために、十分な制振効果が得られないという問題があった。
また、制振対象物の振動を加速度で評価する必要がある場合に、従来の衝撃ダンパの構造では、始動加速度を設定することができないという問題もあった。
【0004】
この発明は、従来のこのような問題を解決するために案出されたものであり、簡単な操作により、可動質量とハウジング内面との間の隙間を柔軟に調整可能な衝撃ダンパを提供することを第1の目的としている。
またこの発明は、始動加速度を容易に設定可能な衝撃ダンパを提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した衝撃ダンパは、制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、このハウジング内に収納された可動質量と、この可動質量を弾性支持するバネと、上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第1のレベル調整機構と、この第1のレベル調整機構の表面に取り付けられた第1の接触材料と、上記可動質量の反対面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第2のレベル調整機構と、この第2のレベル調整機構の表面に取り付けられた第2の接触材料とを備え、上記第1のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第1の接触材料との間の隙間が調整されると共に、上記第2のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の反対面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第2の接触材料との間の隙間が調整されることを特徴としている。
上記「ハウジングの内面」には、ハウジングの内面に設けられた凸部(突起部)や凹部も含まれるものとする(以下同様)。
【0006】
請求項2に記載した衝撃ダンパは、制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、このハウジング内に収納された可動質量と、この可動質量を弾性支持するバネと、上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第1のレベル調整機構と、この第1のレベル調整機構の表面に取り付けられた第1の接触材料と、上記可動質量の反対面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第2のレベル調整機構と、この第2のレベル調整機構の表面に取り付けられた第2の接触材料とを備え、上記第1のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第1の接触材料との間の接触力が調整されると共に、上記第2のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の反対面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第2の接触材料との間の隙間が調整されることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載した衝撃ダンパは、制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、このハウジング内に収納された可動質量と、この可動質量を弾性支持するバネと、上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられたレベル調整機構と、このレベル調整機構の表面に取り付けられた接触材料とを備え、上記レベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記接触材料との間の接触力が調整されることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載した衝撃ダンパは、請求項1〜3の衝撃ダンパを前提とし、さらに、上記制振対象物において発生する振動に複数の卓越振動数が存在し、その中のいくつかが制御対象となる卓越振動数であり、残りが制御対象外の卓越振動数である場合に、上記バネとして、上記制御対象外の卓越振動数の中のどれか一つに同調させたものを用いたことを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載した衝撃ダンパは、請求項1〜4の衝撃ダンパを前提とし、さらに上記レベル調整機構が、第1の楔状板部材、第2の楔状板部材及び第3の楔状板部材を重ね合わせた積層体と、上記第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間を接合する方向に付勢する付勢手段と、上記第2の楔状板部材に係合された調整ボルトとを備え、この調整ボルトの回転に応じて第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間における第2の楔状板部材の位置が往復移動し、第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間の距離が増減することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の衝撃ダンパの場合、可動質量の一面とハウジングの内面との間に第1のレベル調整機構が介装されると共に、可動質量の反対面とハウジングの内面との間に第2のレベル調整機構が介装されているため、各レベル調整機構の高さを加減することにより、可動質量とハウジングの内面間の隙間を任意の値に容易に設定することが可能となる。
【0011】
請求項2及び3に記載の衝撃ダンパの場合、可動質量の一面とハウジングの内面との間に介装されたレベル調整機構によって可動質量のハウジング内面に対する接触力を加減することができ、この結果、衝撃ダンパの始動加速度を任意の値に設定することが実現可能となる。
【0012】
請求項4に記載の衝撃ダンパにあっては、制振対象物で発生する振動に複数の卓越振動数が存在している場合に、制御対象外の卓越振動数に同調させたバネが用いられるため、衝撃ダンパの始動特性を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項5に記載の衝撃ダンパの場合、調整ボルトの回転に応じて第2の楔状板部材が第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間を往復移動し、この結果、第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間の距離(=高さ)が変化する構造のレベル調整機構を備えているため、可動質量とハウジングの内面間の隙間を極めて容易に加減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、この発明に係る第1の衝撃ダンパ10の基本構造を示す概念図であり、橋梁や高架道路等の制振対象物12に接触固定されたハウジング14と、このハウジング14内に配置された可動質量(重錘)16と、可動質量16を弾性支持する圧縮コイルバネ18と、必要に応じて設けられるオイルダンパやダッシュポット等よりなる減衰機構20と、可動質量16の表面に配置固定された上側レベル調整機構22と、この上側レベル調整機構22の表面に設けられた金属製の上側接触材料24と、可動質量16の裏面に配置固定された下側レベル調整機構26と、この下側レベル調整機構26の表面に設けられた金属製の下側接触材料28と、ハウジング14の底面14bに形成された突起部30とを備えている。
【0015】
上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間には、所定の隙間d1が設けられている。また、下側接触材料28と突起部30との間にも、所定の隙間d2が設けられている。
【0016】
上側レベル調整機構22及び上側接触材料24の設置個数については、特に限定はなく、任意の個数を設けることができる。
同様に、下側レベル調整機構26、下側接触材料28及び突起部30の設置個数についても限定はない。
【0017】
図2(a)は、上側レベル調整機構22の具体的な構成例を示すものであり、上面が傾斜した第1の楔状板部材40と、上下両面が傾斜した第2の楔状板部材42と、下面が傾斜した第3の楔状板部材44とを三段重ねに配置した積層体構造を備えている。また、第1の楔状板部材40、第2の楔状板部材42、第3の楔状板部材44は、バネを装着した付勢ピン(図示省略)を介して、第1の楔状板部材40及び第3の楔状板部材44間を接合する方向(相互の間隔が狭まる方向)に付勢された状態で連結されている。
【0018】
第2の楔状板部材42には調整ボルト46が螺合されており、この調整ボルト46を一の方向に回転させると、図2(b)及び図2(c)に示すように、第2の楔状板部材42が第1の楔状板部材40と第3の楔状板部材44との間に割り込む方向(図中の左方向)に移動し、全体の高さh(第1の楔状板部材40の表面及び第3の楔状板部材44の表面間の距離)が増加する。
これに対し、調整ボルト46を反対方向に回転させると、第2の楔状板部材42は第1の楔状板部材40と第3の楔状板部材44の間から離れる方向(図中の右方向)に移動し、第1の楔状板部材40と第3の楔状板部材44との間が付勢ピンの作用によって狭まるため、全体の高さhが減少する。
【0019】
この上側レベル調整機構22の構成自体は公知であるため、これ以上の説明は省略する。
下側レベル調整機構26の構成も上側レベル調整機構22と同じであり、単に設置の方向が反対となるだけの違いであるため、重複の説明は省略する。
なお、レベル調整機構は図2に例示した構成に限定されるものではなく、高さを自在に調整できる機能を備えた他の装置類を用いることも当然に可能である。
【0020】
この第1の衝撃ダンパ10を制振対象物12に設置した後、車両の通行等によって制振対象物12が振動すると、これに応答して可動質量16が上下に振動し、上側接触材料24がハウジング14の天井面14aに衝突する。この結果、制振対象物12の振動を打ち消す方向に力が加えられる。
つぎに、可動質量16は反対方向に移動し、下側接触材料28が、ハウジング14の底面14bに立設された突起部30に衝突する。この結果、制振対象物12の振動を打ち消す方向に力が加えられる。
以上の動作を繰り返すことにより、制振対象物12の振動が徐々に低減されていく。
【0021】
この種の衝撃ダンパの場合、その制振効果を最大限に引き出すためには、制振対象物において発生する振動の振幅に合わせて可動質量とハウジング内面との間の隙間を最適化することが必要となる。
すなわち、振幅が比較的大きい場合には隙間を比較的大きく設定し、振幅が比較的小さい場合には隙間を比較的小さく設定することが求められ、制振対象物の特性によっては0.数mmオーダーでの調整が要求される。
【0022】
これに対し、この第1の衝撃ダンパ10の場合には、上側レベル調整機構22及び下側レベル調整機構26の調整ボルト46を必要方向に必要量回転させるだけで、隙間d1, d2を任意の値に微調整することができる。
このため、事前に制振対象物12において発生する振動のデータを解析し、工場出荷前に最適な隙間d1, d2を個別に設定しておくことが可能となる。
あるいは、設置現場において制振効果を示すデータを測定しつつ、隙間d1, d2を簡易迅速に修正することも可能となる。
【0023】
図3は、この発明に係る第2の衝撃ダンパ50を示す概念図である。
この第2の衝撃ダンパ50は、図示の通り、作動開始前の状態において上側接触材料24がハウジング14の天井面14aに接触しており、両者間に隙間d1が設けられていない点に特徴があり、他の構成は第1の衝撃ダンパ10と異ならない。このため、同一の部材については同一の符号を付することとし、重複の説明は省略する。
【0024】
この第2の衝撃ダンパ50の場合、上側接触材料24によるハウジング14の天井面14aに対する接触力以上の慣性力をもたらす振動が発生した時点で、初めて可動質量16が動作を開始し、衝撃ダンパとして機能することになる。
このため、上側レベル調整機構22の調整ボルト46を必要方向に必要量回転させ、上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間の接触力を調整することで、その始動加速度を任意の値に設定することが可能となる。
具体的には、接触力をf(N)、可動質量をmとした場合、始動加速度a(m/s2)は以下の式で求められる。
a=f/m
【0025】
この第2の衝撃ダンパ50にあっても、下側接触材料28と突起部30との間に所定の隙間d2が形成されており、下側レベル調整機構26の調整ボルト46を必要方向に必要量回転させることにより、この隙間d2を任意の幅に調整することができる。
したがって、この隙間d2を制振対象物12の振幅に最適化することで、その制振効果を高めることが可能となる。
【0026】
図4は、この発明に係る第3の衝撃ダンパ60を示す概念図であり、図示の通り、第2の衝撃ダンパ50から下側レベル調整機構26、下側接触材料28及び突起部30を取り除いた構造を備えている。
この第3の衝撃ダンパ60も、第2の衝撃ダンパ50と同様、上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間には隙間d1が形成されておらず、作動開始前から接触状態となされている。
このため、上側レベル調整機構22の調整ボルト46を必要方向に必要量回転させ、上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間の接触力を微調整することで、第3の衝撃ダンパ60の始動加速度を任意の値に設定することが可能となる。
【0027】
この第3の衝撃ダンパ60の場合、下側レベル調整機構26、下側接触材料28及び突起部30からなる下側衝突部を備えていないため、第2の衝撃ダンパ50に比較して制振効果の面で見劣りすることは否めないが、その代わりに、幅広い振動数や振幅に対して一定の制振効果を発揮することが可能となる。
【0028】
つぎに、第1の衝撃ダンパ10におけるバネ18の選定方法について説明する。
まず前提として、バネ18の固有振動数がどの卓越振動数にも同調させていない場合、図5(a)に示すように、入力された外力が比較的小さいため予め設定しておいた可動隙間範囲d(隙間d1, d2)よりも可動質量16の応答変位量が小さくなる場合には、上側接触材料24がハウジング14の天井面14aに衝突することなく、また下側接触材料28が突起部30に衝突することもなく、衝撃ダンパとしての機能を発揮することができないことになる。
【0029】
そこで、図6に示すように、制振対象物12において制御対象外の卓越振動数が存在する場合には、この制御対象外の卓越振動数に同調させたバネ18を選定することとする。
【0030】
具体的には、以下の式の「f」に制御対象外の卓越振動数を代入すると共に、「m」にバネ18が支持すべき質量(可動質量16、上側レベル調整機構22、上側接触材料24、下側レベル調整機構26、下側接触材料28の合計重量)を代入し、バネ18のバネ定数である「k」の値を求める。
k=(2πf)・m
つぎに、このバネ定数を備えたバネ18を、第1の衝撃ダンパ10に装着する。
【0031】
このように、バネ18の固有振動数を制御対象外の卓越振動数に同調させることにより、比較的小さな外力が加わった場合であっても、図5(b)に示すように、第1の衝撃ダンパ10の可動質量16はまず制御対象外の卓越振動に共振応答して大きく変位することとなり、可動隙間範囲dに到達し易くなる。この結果、第1の接触材料24及び第2の接触材料28がハウジング14の天井面14a及び突起部30に衝突を起こし、振動を有効に減衰させることが可能となる。
【0032】
第2の衝撃ダンパ50及び第3の衝撃ダンパ60の場合にも、バネ18の固有振動数を、2以上存在する卓越振動数の中で、制御対象以外の卓越振動数に同調させておくことにより、大きな利点を得ることができる。
【0033】
例えば、第2の衝撃ダンパ50のバネ18の固有振動数をどの卓越振動数にも同調させていない場合、図7(a)に示すように、予め設定しておいた始動加速度よりも低い加速度しか発生しない場合、第2の衝撃ダンパ50は作動することがなく、振動を有効に低減することができない。
これに対し、第2の衝撃ダンパ50のバネ18の固有振動数を制御対象外の卓越振動数に同調させておくと、図7(b)に示すように、制御対象外の卓越振動に共振応答し、その加速度成分が加算されることにより、始動加速度の設定値を超えやすくなる。
図示は省略したが、第3の衝撃ダンパ60についても同様の理屈が当てはまる。
【0034】
上記においては、上側レベル調整機構24及び下側レベル調整機構26を可動質量16の表面及び裏面に設けた例を示したが、この発明はこのような構成に限定されるものではなく、少なくとも一方をハウジング14側に設けてもよい。
図8はその一例を示すものであり、第1の衝撃ダンパ10において、上側レベル調整機構24をハウジング14の天井面14a側に取り付けると共に、その表面に上側接触材料24を取り付け、また下側レベル調整機構26を突起部30の表面に取り付けると共に、その表面に下側接触材料28を取り付けた構成を備えている。
【0035】
この場合にも、上側レベル調整機構22の調整ボルト46を回転させることにより、上側接触材料24と可動質量16の上面との間の隙間d1を微調整することが可能となる。
また、下側レベル調整機構26の調整ボルト46を回転させることにより、下側接触材料28と可動質量16の下面との間の隙間d2を微調整することが可能となる。
【0036】
図示は省略したが、第1の衝撃ダンパ10あるいは第2の衝撃ダンパ50において、上側レベル調整機構24及び下側レベル調整機構26の何れか一方をハウジング14の内面側に取り付けると共に、他方を可動質量16側に取り付けるように構成してもよい。
【0037】
また、図示は省略したが、第3の衝撃ダンパ60において、上側レベル調整機構24をハウジング14の天井面14a側に取り付けると共に、その表面に上側接触材料24を取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明に係る第1の衝撃ダンパの基本構造を示す概念図である。
【図2】上側レベル調整機構の具体的構成例を示す側面図である。
【図3】この発明に係る第2の衝撃ダンパの基本構造を示す概念図である。
【図4】この発明に係る第3の衝撃ダンパの基本構造を示す概念図である。
【図5】第1の衝撃ダンパにおける可動質量の応答変位と可動隙間範囲との関係を示すグラフである。
【図6】制振対象物における複数の卓越振動数の存在を例示するグラフである。
【図7】第2の衝撃ダンパにおける可動質量の応答加速度と始動加速度との関係を示すグラフである。
【図8】この発明に係る第1の衝撃ダンパの変形例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0039】
10 第1の衝撃ダンパ
12 制振対象物
14 ハウジング
16 可動質量
18 バネ
20 減衰機構
22 上側レベル調整機構
24 上側接触材料
26 下側レベル調整機構
28 下側接触材料
30 突起部
40 第1の楔状板部材
42 第2の楔状板部材
44 第3の楔状板部材
46 調整ボルト
50 第2の衝撃ダンパ
60 第3の衝撃ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、
このハウジング内に収納された可動質量と、
この可動質量を弾性支持するバネと、
上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第1のレベル調整機構と、
この第1のレベル調整機構の表面に取り付けられた第1の接触材料と、
上記可動質量の反対面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第2のレベル調整機構と、
この第2のレベル調整機構の表面に取り付けられた第2の接触材料とを備え、
上記第1のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第1の接触材料との間の隙間が調整されると共に、上記第2のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の反対面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第2の接触材料との間の隙間が調整されることを特徴とする衝撃ダンパ。
【請求項2】
制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、
このハウジング内に収納された可動質量と、
この可動質量を弾性支持するバネと、
上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第1のレベル調整機構と、
この第1のレベル調整機構の表面に取り付けられた第1の接触材料と、
上記可動質量の反対面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第2のレベル調整機構と、
この第2のレベル調整機構の表面に取り付けられた第2の接触材料とを備え、
上記第1のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第1の接触材料との間の接触力が調整されると共に、上記第2のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の反対面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第2の接触材料との間の隙間が調整されることを特徴とする衝撃ダンパ。
【請求項3】
制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、
このハウジング内に収納された可動質量と、
この可動質量を弾性支持するバネと、
上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられたレベル調整機構と、
このレベル調整機構の表面に取り付けられた接触材料とを備え、
上記レベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記接触材料との間の接触力が調整されることを特徴とする衝撃ダンパ。
【請求項4】
上記制振対象物において発生する振動に複数の卓越振動数が存在し、その中のいくつかが制御対象となる卓越振動数であり、残りが制御対象外の卓越振動数である場合に、上記バネとして、上記制御対象外の卓越振動数の中のどれか一つに同調させたものを用いたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の衝撃ダンパ。
【請求項5】
上記レベル調整機構が、
第1の楔状板部材、第2の楔状板部材及び第3の楔状板部材を重ね合わせた積層体と、
上記第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間を接合する方向に付勢する付勢手段と、
上記第2の楔状板部材に係合された調整ボルトとを備え、
この調整ボルトの回転に応じて第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間における第2の楔状板部材の位置が往復移動し、第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間の距離が増減することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の衝撃ダンパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−40670(P2013−40670A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179384(P2011−179384)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000224994)特許機器株式会社 (59)
【出願人】(507194017)株式会社高速道路総合技術研究所 (33)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(505398952)中日本高速道路株式会社 (94)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【Fターム(参考)】