説明

衝撃吸収体

【課題】容易に取付可能であり、且つ、取付具を用いた取付作業が不要な衝撃吸収体を提供する。
【解決手段】 本実施形態の衝撃吸収体(10)は、本体(3)と、本体(3)の取付面から突出する取付軸部(11)及び係止部(12,13)と、を有し、取付軸部(11)は、取付対象物(20)に設けられた取付穴(21)に取付軸部(11)を挿入し、取付軸部(11)を回転軸として本体(3)を回転することで、当該取付軸部(11)の先端部の一部が取付対象物(20)と重なるように構成され、係止部(12,13)は、本体(3)を回転することで、係止部(12,13)を取付対象物(20)に設けられた係止穴(22,23)に係止して本体(3)の逆方向への回転を規制するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収体に関し、特に、膝受け部材(knee bolster)などに好適な衝撃吸収体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転席前方には、車両の衝突時において運転者の膝部を受け止め、その移動を拘束する機能を有する膝受け部材(knee bolster)が配設されている。
【0003】
しかし、上述した膝受け部材に用いられる衝撃吸収体は、取付用フランジを有して構成し、その取付用フランジをビス止めし、自動車に固定している。このため、衝撃吸収体の取付作業が繁雑になっているのが現状である。
【0004】
このようなことから、衝撃吸収体の取付作業を容易に行うことが可能な衝撃吸収体の開発が必要視されている。
【0005】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、例えば、特許文献1(特許第4466676号公報)には、衝撃吸収部材の取付作業を容易にする技術について開示されている。
【0006】
上記特許文献1では、インナパネルの開口部から衝撃吸収部材を挿入した後に、衝撃吸収部材を回転して開口部に係止して仮保持した状態にしている。これにより、衝撃吸収部材をインナパネルに取り付ける際に、衝撃吸収部材が開口部から脱落しないように押さえておく必要がなくなり、取付作業を容易にすることを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4466676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1の衝撃吸収部材は、最終的に、クリップ等の取付具を用いてインナパネルに取り付けるため、取付具が必要になると共に、取付具を用いた取付作業に時間がかかってしまう。また、仮固定するまで、衝撃吸収部材を、所定の位置に手で保持する必要がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に取付可能であり、且つ、取付具を用いた取付作業が不要な衝撃吸収体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
【0011】
本発明にかかる衝撃吸収体は、
本体と、前記本体の取付面から突出する取付軸部及び係止部と、を有し、
前記取付軸部は、取付対象物に設けられた取付穴に前記取付軸部を挿入し、前記取付軸部を回転軸として前記本体を回転することで、当該取付軸部の先端部の一部が前記取付対象物と重なるように構成され、
前記係止部は、前記本体を回転することで前記係止部を前記取付対象物に設けられた係止穴に係止して前記本体の逆方向への回転を規制するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容易に取付可能であり、且つ、取付具を用いた取付作業を不要にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の衝撃吸収体10を膝受け部材106の衝撃吸収体として自動車100に取り付けた状態を示す図である。
【図2】本実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける板金20と、の全体構成例を示す図である。
【図3】図2に示す衝撃吸収体10のA-A'線の断面構成例を示す図である。
【図4】図2に示す衝撃吸収体10のB-B'線の断面構成例を示す図である。
【図5】図2に示す衝撃吸収体10のC-C'線の断面構成例を示す図である。
【図6】図2に示す衝撃吸収体10のD-D'線の断面構成例を示す図である。
【図7】図2に示す衝撃吸収体10の第1壁4側の構成例を示す図である。
【図8】図2に示す衝撃吸収体10の第2壁5側の構成例を示す図である。
【図9】図2に示す衝撃吸収体10のA側の側面構成例を示す図である。
【図10】図2に示す衝撃吸収体10のB側の側面構成例を示す図である。
【図11】図2に示す衝撃吸収体10のC側の側面構成例を示す図である。
【図12】本体3の取付軸部11を板金20に設けられた取付穴21に挿入した状態を示す図である。
【図13】取付軸部11を回転軸として本体3を回転し、係止部12,13を係止穴22,23に挿入して係止した状態を示す図である。
【図14】衝撃吸収体10を板金20に取り付けた状態を示す第1の図である。
【図15】衝撃吸収体10を板金20に取り付けた状態を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本実施形態の衝撃吸収体10の概要>
まず、図2を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の概要について説明する。
【0015】
本実施形態の衝撃吸収体10は、本体3と、本体3の取付面から突出する取付軸部11及び係止部12,13と、を有して構成する。
【0016】
本実施形態の取付軸部11は、取付対象物(板金20に相当)に設けられた取付穴21に取付軸部11を挿入し、その取付軸部11を回転軸として本体3を回転することで、当該取付軸部11の先端部の一部が取付対象物20と重なるように構成されている。また、本実施形態の係止部12,13は、本体3を回転することで、係止部12,13を取付対象物20に設けられた係止穴22,23に係止して本体3の逆方向への回転を規制するように構成されている。
【0017】
本実施形態の衝撃吸収体10は、上記構成を有することで、取付穴21に挿入した取付軸部11を回転軸として本体3を回転し、係止部12,13を係止穴22,23に係止し、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるため、取付具が不要になると共に、取付作業を容易にすることができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10について詳細に説明する。
【0018】
<衝撃吸収体10の取り付け例>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の取り付け例について説明する。図1は、図2〜図11に示す衝撃吸収体10を膝受け部材106の衝撃吸収体として自動車100に取り付けた状態を示す。
【0019】
図1に示す自動車100は、ドライバー101を含む乗員のための前部座席102を備える乗員車室103を有して構成しており、計器盤104が操舵輪105の側面に位置している。本実施形態の衝撃吸収体10(図2〜図11参照)は、膝受け部材106として計器盤104の下側に取り付けられる。膝受け部材106は、ドライバー101の各々の膝107に隣接するように取り付けられる。これにより、自動車100が衝撃を受け付けた場合に、ドライバー101の膝107と膝受け部材106とが各々接触し、膝受け部材106により衝撃を吸収し、膝107に加わる衝撃を低減することにしている。
【0020】
<衝撃吸収体10の構成例>
次に、図2〜図11を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の構成例について説明する。図2は、本実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける板金20と、の全体構成例を示す図であり、図3は、図2に示す衝撃吸収体10のA-A'線の断面構成例を示し、図4は、図2に示す衝撃吸収体10のB-B'線の断面構成例を示し、図5は、図2に示す衝撃吸収体10のC-C'線の断面構成例を示し、図6は、図2に示す衝撃吸収体10のD-D'線の断面構成例を示す図である。図7は、図2に示す衝撃吸収体10の第1壁4側の構成例を示し、図8は、図2に示す衝撃吸収体10の第2壁5側の構成例を示す図である。図9は、図2に示す衝撃吸収体10のA側の側面構成例を示し、図10は、図2に示す衝撃吸収体10のB側の側面構成例を示し、図11は、図2に示す衝撃吸収体10のC側の側面構成例を示す図である。
【0021】
本実施形態の衝撃吸収体10は、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空状に成形したものであり、図3に示すように、中空部2を有する本体3の互いに対向する第1壁4及び第2壁5をそれぞれ他方に向けて窪ませて形成された凹状リブ6,7を複数有している。凹状リブ6,7の形状は、図2に示すように衝撃方向と同一方向に連続的に連なった帯形状であることが好ましい。これにより、衝撃方向からの衝撃に対する剛性を高めることができる。
【0022】
本実施形態の衝撃吸収体10を構成する熱可塑性樹脂としては、公知の樹脂が適用可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル系樹脂、ポリアミドおよびこれらの混合物など、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成することができる。
【0023】
また、機械的強度(耐衝撃性)を損なわない範囲において、例えば、シリカ等の充填剤、顔料、染料、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、防炎剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防曇剤、滑剤など当該分野で使用されている添加剤の1種または2種以上を含有することもできる。
【0024】
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図2に示すように、本体3の側面(取付面)から突出した取付軸部11と、係止部12,13と、を有して構成している。
【0025】
取付軸部11は、図12に示すように、取付対象物である板金20に設けられた取付穴21に取付軸部11を挿入し、その取付軸部11を回転軸として図13に示すように本体3を板金20に対して回転することで、当該取付軸部11の先端部の一部が板金20と重なるように構成されている。取付軸部11は、図13に示すように、取付軸部11を回転軸として本体3を板金20に対して回転する際に、取付軸部11の先端部11bの一部の底面と、本体3の表面と、で板金20を挟み込むように移動し、係止部12,13が係止穴22,23に係止した際に、板金20と本体3とががたつかない状態にしている。
【0026】
また、係止部12,13は、図13に示すように本体3を板金20に対して回転することで、係止部12,13を係止穴22,23に係止して本体3の逆方向への回転を規制するうように構成されている。なお、係止部12,13は、本体3を回転移動して係止穴22,23に係止するまでは本体3側に弾性的に撓み、係止穴22,23に係止する際に、板金20側に弾性的に撓み、板金20と本体3とががたつかない状態にしている。
【0027】
本実施形態の衝撃吸収体10は、上記構成を有することで、図12に示すように、取付軸部11を板金20に設けられた取付穴21に挿入し、その取付軸部11を回転軸として図13に示すように本体3を板金20に対して回転移動し、係止部12,13を板金20に設けられた係止穴22,23に挿入し、係止部12,13を係止穴22,23に係止し、衝撃吸収体10を自動車に取り付けることにしている。但し、本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける場合は、板金20を自動車の部品に予め装着しておく必要がある。これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いることなく、衝撃吸収体10を自動車に容易に取り付けることができる。
【0028】
本実施形態の取付軸部11は、図4に示すように、ブロー成形により中空状に形成し、剛性を高くしている。なお、取付軸部11の内部に形成される中空部8は、本体3の内部に形成される中空部2と一体になっており、本体3の中空部2と取付軸部11の中空部8との間で空気の流入ができるように構成している。
【0029】
また、取付軸部11は、図4に示すように、本体3と接合する軸部11aと、軸部11aの端部から突出した先端部11bと、を有して構成し、図12に示すように、取付軸部11の先端部11bを板金20に設けられた取付穴21に挿入し、本体3が板金20の一方の面に位置し、先端部11bが板金20の他方の面に位置し、軸部11aが取付穴21に位置するようにする。そして、軸部11aを回転軸として図13に示すように本体3を回転移動した際に、先端部11bの一部が板金20と重なり、取付軸部11が取付穴21から抜けなくなるようにしている。このため、取付軸部11を構成する先端部11bの外形形状は、取付穴21に挿入でき、且つ、軸部11aを回転した際に、先端部11bの一部が板金20と重なるようにしている。
【0030】
また、取付穴21は、先端部11bの外形形状よりも大きな形状で構成し、図12、図13に示すように、取付穴21の縁に突起部21aが設けられている。これにより、図12に示すように、先端部11bを取付穴21に挿入し、図13に示すように本体3を所定の角度(本実施形態では90°)だけ回転移動した際に、先端部11bと突起部21aとが当接し、本体3の順方向の回転(時計回りの回転)を規制することができる。
【0031】
本実施形態の係止部12,13は、図5、図6に示すように、ブロー成形により中空状に形成し、剛性を高くしている。また、係止部12,13の内部に形成される中空部9は、本体3の内部に形成される中空部2と一体になっており、本体3の中空部2と係止部12,13の中空部9との間で空気の流入ができるように構成している。
【0032】
また、係止部12,13は、図5、図6に示すように、傾斜部14と段差部15とを有し、先端部11bを取付穴21に挿入した時は、傾斜部14と段差部15との連結部分が板金20に接触し、本体3を板金20に沿って回転移動し易くしている。また、本体3を板金20に沿って回転移動し、図13に示すように係止部12,13が係止穴22,23に挿入した際に、段差部15が係止穴22,23の縁に当接し、本体3の逆方向の回転(反時計回りの回転)を規制することにしている。これにより、衝撃吸収体10を板金20に取り付けることができる。
【0033】
本実施形態の衝撃吸収体10は、取付軸部11や係止部12,13が設けられる本体3の側面(取付面)の形状を、衝撃吸収体10を取り付ける板金20の形状にすることが好ましい。これにより、衝撃吸収体10を板金20に取り付けた際に、板金20に近接するように衝撃吸収体10を取り付けることができる。本実施形態では、板金20は平板形状で形成しているため、衝撃吸収体10の取付面も平板形状で形成することが好ましい。なお、本体3の取付面の形状は、上述した係止部12,13の撓みを考慮して形成することが好ましい。これにより、係止部12,13の撓みによる本体3への負荷を軽減することができる。
【0034】
本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける際は、図12に示すように、取付軸部11を構成する先端部11bを取付穴21に挿入する。次に、取付軸部11を構成する軸部11aを回転軸とし、図13に示すように、本体3を板金20に対して90°回転移動し、係止部12,13を係止穴22,23に嵌め込み、係止部12,13を係止穴22,23に係止する。これにより、図14、図15に示すように、衝撃吸収体10を自動車に取り付けることができる。なお、図14、図15は、衝撃吸収体10を板金20に取り付けた状態を示しており、図14は、板金20側から見た状態を示し、図15は、側面の状態を示す。
【0035】
なお、本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける場合には、板金20を自動車の部品に予め装着しておく必要がある。これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いることなく、衝撃吸収体10を自動車に容易に取り付けることができる。その結果、取付作業を容易にすることができる。
【0036】
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図2に示すように、取付軸部11や係止部12,13が一直線上に位置しないように屈曲したパーティングラインPL上に取付軸部11や係止部12,13を設けている。これにより、図14に示すように、衝撃吸収体10を板金20に取り付ける箇所が一直線上にならないようにすることができる。その結果、衝撃吸収体10を板金20に対して安定して固定させることができる。また、取付軸部11や係止部12,13をパーティングラインPL上に設けることで、パーティングラインPLの強度を向上させることができる。その結果、衝撃吸収体10が衝撃を受け付けた際に、パーティングラインPLから割れるのを防止し、衝撃吸収性能を担保することができる。
【0037】
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、取付軸部11を本体3の中央に設け、係止部12,13を取付軸部11の両側に設けるようにしている。取付軸部11を本体3の中央に設けることで、本体3の回転半径を小さくすることができ、衝撃吸収体10の取付作業に必要なスペースを小さくすることができる。例えば、取付軸部11を本体3の一方の端部近傍に設け、少なくとも1つの係止部12を本体3の他方の端部近傍に設けた場合は、取付軸部11を回転軸として本体3を回転し、係止部12をその係止部12に対応する係止穴22に嵌め込むことになるため、本体3の回転半径が大きくなってしまう。これに対し、取付軸部11を本体3の中央近傍に設け、本体3の両端近傍に係止部12,13を設けた場合は、取付軸部11を回転軸として本体3を回転し、係止部12,13をその係止部12,13に対応する係止穴22,23に嵌め込むことになるため、本体3の回転半径を小さくすることができる。従って、取付軸部11を本体3の中央に設け、係止部12,13を取付軸部11の両側に設けることで、本体3の回転半径を小さくすることができる。また、係止部12,13を取付軸部11の両側に設けることで、本体3の回転を規制し易くすることができる。
【0038】
<本実施形態の衝撃吸収体10の作用・効果>
このように、本実施形態の衝撃吸収体10は、本体3と、本体3の取付面から突出する取付軸部11及び係止部12,13と、を有し、板金20に設けられた取付穴21に取付軸部11を挿入し、取付軸部11を回転軸として本体3を板金20に対して回転移動し、係止部12,13を板金20に設けられた係止穴22,23に挿入して係止する。これにより、ビスやネジなどの取付具を用いなくとも衝撃吸収体10を板金20に取り付けることができるため、衝撃吸収体10の取付作業を容易にすることができる。また、取付穴21に挿入した取付軸部11を回転軸として本体3を板金20に対して回転移動することができるため、本体3を安定して回転移動することができる。また、係止部12,13を係止穴22,23に挿入して係止し、衝撃吸収体10を板金20に固定することになるため、衝撃吸収体10が板金20に取り付けられた状態か否かを目視で把握することができ、取付不良の発生を防止することができる。
【0039】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0040】
例えば、上述する実施形態では、衝撃吸収体10の取付軸部11を板金20に設けられた取付穴21に挿入し、衝撃吸収体10の係止部12,13を板金20に設けられた係止穴22,23に挿入することにした。しかし、衝撃吸収体10の取付軸部11や係止部12,13に対応する取付穴21や係止穴22,23を自動車の部品に対して予め形成し、衝撃吸収体10の取付軸部11や係止部12,13を自動車の部品(取付対象物)に直接取り付けるようにすることも可能である。
【0041】
また、上述する実施形態では、衝撃吸収体10を膝受け部材(knee bolster)として使用した場合を例に説明した。しかし、本実施形態の衝撃吸収体10は、膝受け部材に限定するものではなく、バンパー等の車両構成部材に適用することも可能である。
【0042】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0043】
(付記1)
本体3と、本体3の取付面から突出する取付軸部11及び係止部12,13と、を有し、
取付軸部11は、取付対象物20に設けられた取付穴21に前記取付軸部11を挿入し、前記取付軸部11を回転軸として前記本体3を回転することで、当該取付軸部11の先端部の一部が前記取付対象物20と重なるように構成され、
前記係止部12,13は、前記本体3を回転することで前記係止部12,13を前記取付対象物20に設けられた係止穴22,23に係止して前記本体3の逆方向への回転を規制するように構成されていることを特徴とする衝撃吸収体10。
【0044】
(付記2)
前記取付軸部11と前記係止部12,13とはパーティングラインPLに設けられていることを特徴とする付記1記載の衝撃吸収体10。
【0045】
(付記3)
前記係止部12,13は、少なくとも2つ有し、
前記取付軸部11は、前記本体3の中央に位置し、少なくとも2つの前記係止部12,13は、前記取付軸部11の両側に位置することを特徴とする付記1または2記載の衝撃吸収体10。
【符号の説明】
【0046】
10 衝撃吸収体
2、8、9 中空部
3 本体
4 第1壁
5 第2壁
6、7 凹状リブ
PL パーティングライン
11 取付軸部
11a 軸部
11b 先端部
12、13 係止部
14 傾斜部
15 段差部
20 板金(取付対象物)
21 取付穴
21a 突起部
22、23 係止穴
100 自動車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体の取付面から突出する取付軸部及び係止部と、を有し、
前記取付軸部は、取付対象物に設けられた取付穴に前記取付軸部を挿入し、前記取付軸部を回転軸として前記本体を回転することで、当該取付軸部の先端部の一部が前記取付対象物と重なるように構成され、
前記係止部は、前記本体を回転することで、前記係止部を前記取付対象物に設けられた係止穴に係止して前記本体の逆方向への回転を規制するように構成されていることを特徴とする衝撃吸収体。
【請求項2】
前記取付軸部と前記係止部とはパーティングラインに設けられていることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収体。
【請求項3】
前記係止部は、少なくとも2つ有し、
前記取付軸部は、前記本体の中央に位置し、少なくとも2つの前記係止部は、前記取付軸部の両側に位置することを特徴とする請求項1または2記載の衝撃吸収体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−219863(P2012−219863A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84011(P2011−84011)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000104674)キョーラク株式会社 (292)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】