説明

衝撃強さ評価装置、方法およびプログラム

【課題】 対象物の衝撃強さの評価を容易に高精度で行うことができる製品の衝撃強さ評価装置を提供する。
【解決手段】 衝撃試験により得られる対象物の破損部位の衝撃強さに対応する時系列加速度データを、波形が異なる2つの衝撃パルスのそれぞれについて記憶する記憶手段21と、時系列加速度データを用いて各衝撃パルスに対する衝撃応答スペクトルを算出し、2つの衝撃応答スペクトルから破損部位の固有振動数を取得する固有振動数取得手段23と、取得した固有振動数を用いて破損部位の伝達加速度を算出し、固有振動数および伝達加速度から破損部位の損傷境界曲線を導出するDBC導出手段24とを備える衝撃強さ評価装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃強さ評価装置、方法およびプログラムに関し、より詳しくは、家電製品、大型機械、医療関連機器等の各種製品の衝撃強さを評価する衝撃強さ評価装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の衝撃強さを評価するため、JIS Z0119「包装及び製品設計のための製品衝撃強さ試験方法」に規定されているように、製品の損傷境界曲線(DBC:Damage Boundary Curve)を導出することが従来から行われており、緩衝包装設計や製品設計等に利用されている。また、従来の製品衝撃強さの評価法として、非特許文献1においては、DBCを導出するDBC評価法が類型化されており、例えば、製品の許容加速度あるいは許容速度変化と固有振動数とを測定し、測定結果に基づいてDBCを導出する「Ac・fc法」や「ΔVc・fc法」が提案されている。非特許文献2には、製品の破損部位別にDBCを描画することにより、製品の改良指針を作成することが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】中嶋隆勝、「輸送包装のための製品衝撃強さ評価に関する研究」、神戸商船大学博士論文、(2003)
【非特許文献2】中嶋隆勝、「製品衝撃強さ試験の改正に向けた取り組み −破損部位別DBCによる製品改良指針の作成−」、日本包装学会誌、Vol.19、No.2(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、製品の破損部位は、衝撃試験により破損して初めて明らかになるため、破損部位の固有振動数が予め必要になる従来の衝撃評価方法では、DBCの導出が困難であるという問題があった。
【0005】
例えば、JIS Z0119の許容速度変化試験において、衝撃パルスの有効作用時間は、供試品の破損し易い部分の固有振動数に応じて算出される基準値以下にすることが必要とされているため、破損部位の固有振動数が不明のままでは評価を正確に行うことができないおそれがあった。すなわち、許容速度変化試験においては、衝撃パルスの有効作用時間De(ms)が、De≦1000/(2πfc)を満足しなければならないが(fcは、供試品の損傷しやすい部分の固有振動数(Hz))、fcの値は試験が終わらないとわからないため、有効作用時間を適切に設定できないおそれがあった。
【0006】
また、固有振動数fcを計測してDBCを求める非特許文献1に開示された方法では、実際に破損する部位を予め予測するのが困難であることから、特に破損のおそれがある部位が製品中に多数存在する場合に、作業が煩雑で時間がかかるものとなっていた。
【0007】
更に、JIS Z0119の許容加速度試験においては、許容速度変化試験により得られた許容速度変化の1.6倍以上の速度変化となるように衝撃台の落下高さを設定する必要があるため、許容速度変化が大きな値となった場合、速度変化が衝撃試験機の仕様を超えるおそれや現実の速度変化と乖離するおそれがあり、DBCの導出を精度良く行うことができないという問題があった。許容加速度試験においては、できる限り方形波に近い台形波の衝撃パルスを使用することも要求されるが、理想的な方形波の衝撃パルスを実際に印加することは不可能であるため、この点も評価精度の低下を招く要因となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、対象物の衝撃強さの評価を容易に高精度で行うことができる製品の衝撃強さ評価装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の前記目的は、衝撃試験により得られる対象物の破損部位の衝撃強さに対応する時系列加速度データを、波形が異なる2つの衝撃パルスのそれぞれについて記憶する記憶手段と、前記時系列加速度データを用いて前記各衝撃パルスに対する衝撃応答スペクトルを算出し、2つの前記衝撃応答スペクトルから前記破損部位の固有振動数を取得する固有振動数取得手段と、取得した前記固有振動数を用いて前記破損部位の伝達加速度を算出し、前記固有振動数および伝達加速度から前記破損部位の損傷境界曲線を導出するDBC導出手段とを備える衝撃強さ評価装置により達成される。
【0010】
また、本発明の前記目的は、衝撃試験により得られる対象物の破損部位の衝撃強さに対応する時系列加速度データを、波形が異なる2つの衝撃パルスのそれぞれについて記憶する記憶手段から前記時系列加速度データを読み出して、前記各衝撃パルスに対する衝撃応答スペクトルを算出し、2つの前記衝撃応答スペクトルから前記破損部位の固有振動数を取得するステップと、取得した前記固有振動数を用いて前記破損部位の伝達加速度を算出し、前記固有振動数および伝達加速度から前記破損部位の損傷境界曲線を導出するステップとを備える衝撃強さ評価方法により達成される。
【0011】
また、本発明の前記目的は、上記の衝撃強さ評価方法をコンピュータに実行させるための衝撃強さ評価プログラムにより達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、対象物の衝撃強さの評価を容易に高精度で行うことができる製品の衝撃強さ評価装置、方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る衝撃強さ評価装置の概略構成図である。
【図2】許容速度変化試験および許容加速度試験の試験結果の一例を示す図である。
【図3】対象物をモデル化した概念図である。
【図4】固有振動数を取得する方法を説明するためのグラフである。
【図5】損傷境界曲線および付加情報の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る衝撃強さ評価装置の概略構成図である。図1に示すように、衝撃強さ評価装置1は、衝撃パルス発生装置10と、評価装置本体20とを備えている。
【0015】
衝撃パルス発生装置10は、自由落下式の衝撃試験機であり、例えばJIS Z0119(2002)に開示された構成を採用することができる。衝撃パルス発生装置10は、受け台11の上面に起立するガイド12に沿って衝撃台13を落下させることができ、評価対象となる製品等の対象物Wを衝撃台13に固定して所望の高さから落下させることにより、対象物Wに衝撃パルスを与えることができる。受け台11の上面には衝撃波形発生装置14が設けられており、正弦半波や台形波などの所望の種類の衝撃パルスを衝撃台13上に発生させることができる。対象物Wに印加される加速度は、衝撃台13に固定された加速度ピックアップ15によりリアルタイムに検出され、時系列加速度データとして評価装置本体20の記憶部21に格納することができる。衝撃パルス発生装置10は、正弦半波、台形波、方形波、のこぎり波など異種のパルスや、同種のパルスであっても作用時間が異なるパルスなど、波形が異なる2以上の衝撃パルスを発生可能な構成であれば、本実施形態とは異なる衝撃発生機構を備えるものであってもよい。具体的には、強制落下式、シリンダ式、振り子式などの各種衝撃試験機の他、振動試験機などを使用することができる。
【0016】
評価装置本体20は、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、PDAなどのコンピュータにより構成され、上述した記憶部21の他、入力部22、固有振動数取得部23、DBC導出部24および出力部25を備えている。入力部22は、キーボードやマウスなどを例示することができ、出力部25は、ディスプレイやプリンタなどを例示することができる。固有振動数取得部23は、記憶部21に格納された対象物Wの時系列加速度データから対象物Wの破損部位の固有振動数を取得し、DBC導出部24は、取得した固有振動数から当該破損部位の損傷境界曲線を導出する。固有振動数取得部23およびDBC導出部24は、CPU等の演算手段により実現可能である。評価装置本体20の上記各構成要素は、一部が外付けのハードウェアにより実現される構成であってもよい。
【0017】
次に、上記の衝撃強さ評価装置1を用いて対象物Wの衝撃強さを評価する方法を説明する。まず、衝撃パルス発生装置10により、波形が異なる2つの衝撃パルスのそれぞれについて、対象物Wの衝撃試験を行う。波形が異なる衝撃パルスとしては、正弦半波、台形波、方形波、のこぎり波など異種のパルスや、同種のパルスであっても作用時間が異なるパルスなどを例示することができる。本実施形態においては、2つの衝撃パルスとして正弦半波および台形波を使用し、JIS Z0119の規定に準じて、許容速度変化試験および許容加速度試験を行う。
【0018】
許容速度変化試験については、衝撃パルスにより対象物Wに印加される速度変化を徐々に大きくしていき、対象物Wの破損の有無を確認する。本発明においては、後述するように損傷部位の固有振動数を計算により求めることができることから、損傷境界曲線が衝撃パルスの作用時間の関数として得られるため、補正可能である。したがって、JIS Z0119に規定された有効作用時間に関する条件を特に考慮する必要はない。衝撃パルスの印加によりリアルタイムで検出される対象物Wの加速度は、評価装置本体20に入力されて記憶部21に記憶される。作業者は、対象物Wのいずれかの箇所が破損した場合に、入力部22の入力操作により、破損が現れなかった最後に加えた速度変化の時系列加速度データを、当該破損部位の衝撃強さに対応するものとして、当該破損部位に関連付けて記憶部21に格納する。破損のおそれがある部位が複数存在する場合には、一か所が破損しても試験を終了せず速度変化が十分大きな値になるまで試験を継続し、破損部位が発生する毎に、破損が現れなかった最後に加えた速度変化の時系列加速度データを、当該破損部位に関連付けて記憶部21に記憶する。
【0019】
許容加速度試験は、衝撃パルスにより対象物Wに印加される加速度を徐々に大きくしていく。衝撃パルスの印加によりリアルタイムで検出される対象物Wの加速度は、評価装置本体20に入力されて記憶部21に記憶される。作業者は、上記の許容速度変化試験で破損した部位が破損する毎に、入力部22の入力操作により、破損が現れなかった最後に加えた加速度の時系列加速度データを、当該破損部位の衝撃強さに対応するものとして、当該破損部位に関連付けて記憶部21に記憶する。本発明においては、JIS Z0119に規定されているように、上記許容速度変化試験の少なくとも1.6倍以上の速度変化という条件は、必ずしも満足する必要がない。
【0020】
こうして、記憶部21には、波形が異なる2つの衝撃パルス(正弦半波および台形波の衝撃パルス)のそれぞれについて、対象物Wの各破損部位の衝撃強さに対応する時系列加速度データが格納される。衝撃強さに対応する時系列加速度データは、本実施形態のように破損が現れなかった時系列加速度データを選択することが好ましいが、破損時の時系列加速度データを選択することも可能である。
【0021】
図2は、上記の許容速度変化試験および許容加速度試験の試験結果を表示する表示画面の一例を示している。図2に示すように、許容速度変化試験および許容加速度試験のいずれも、6回の試験(No.1〜No.6)が行われ、時系列加速度データに基づき算出された加速度(最大整形加速度)、作用時間および速度変化が表示されている。本例では、試験終了後に4つの部位(部位A〜D)が破損しており、破損部位毎に、各試験で破損したか否かが「○」または「×」で表示されている。例えば、部位Aは、許容速度変化試験のNo.5で破損し、許容加速度試験のNo.4で破損したため、部位Aの衝撃強さに対応する時系列加速度データとして、許容速度変化試験のNo.4および許容加速度試験のNo.3の各時系列加速度データが、記憶部21に格納される。本例では破損部位が4か所であったため、部位A〜Dの4つの表示欄を備えているが、この欄の数は実際に損傷した箇所の数に応じて増減する。
【0022】
次に、固有振動数取得部23は、記憶部21に記憶された時系列加速度データに対してSRS解析(衝撃応答スペクトル解析)を行うことにより、各衝撃パルスに対する衝撃応答スペクトルを算出する。破損部位が例えば4か所である場合、図3に概念図で示すように、各破損部位A〜Dは、対象物Wに対する1自由度系の集合体と仮定することができ、それぞれ異なる固有振動数を有している。本発明によれは、後述するように各破損部位の固有振動数を、取得した衝撃応答スペクトルから演算により求めることができる。
【0023】
破損部位iの損傷強さに対応する破損部位iの伝達加速度をac、対象物Wの入力加速度をAとして、衝撃の伝達率をTrとすると、Trは、破損部位iの固有振動数fcと衝撃パルスの作用時間Tとの積であるfc・Tの関数で表現できることから、次の数式1が成り立つ。
【0024】
〔数1〕
ac/A = Tr(fc・T
【0025】
本実施形態においては、許容速度変化試験および許容加速度試験により取得した各破損部位iにおける2つの時系列加速度データから、2つの衝撃応答スペクトルを算出することができる。これら2つの衝撃応答スペクトルは、破損部位iの伝達加速度acおよび固有振動数fcが一致していると考えられるから、上記の数式1から次の数式2が導かれる。
【0026】
〔数2〕
iAc/AiΔVc=TriΔVc(fc・TiΔVc)/TriAc(fc・TiAc
【0027】
上記の数式2において、添え字のΔVc、Acは、それぞれ許容速度変化試験および許容加速度試験を表している。数式2のAiAc、AiΔVc、TiΔVc、TiAc、TriΔVc、TriAcは、いずれも時系列加速度データから得られることから、未知数はfcのみである。したがって、数式2からfcを探索することができる。fcの関数が多峰性関数であり、多峰解が存在する場合には、最小のfcが固有振動数となる。例えば、fcとTriΔVc/TriAcとの関係が図4に示すように表される場合、TriΔVc/TriAc=1.25の場合のfcは、約200Hzである。fcは、プロットデータを周波数の小さいものから順に辿る線形探索により探索することが可能であるが、二分探索、深さ優先探索、幅優先探索など多峰性関数の解を探索するアルゴリズムとして公知のものを使用することもできる。
【0028】
こうして、破損部位iにおける固有振動数fcが明らかになれば、上記の数式1から破損部位iの伝達加速度acを求めることができる。DBC導出部24は、作業者が入力部22を介して選択した衝撃パルスの種類に基づき、fcとacから、公知の手法により損傷境界曲線(DBC)を導出する。例えば、正弦半波衝撃パルスが選択された場合、破損部位iの損傷境界曲線は、次の数式3および4により描画することができる。
【0029】
〔数3〕
(T)=ac/TrHS(fc・T)
〔数4〕
ΔV(T)=(2/π)・A(T)・T
【0030】
ここで、TrHSは、衝撃パルスが正弦半波の理想波形である場合の衝撃応答スペクトルである。理想波形の衝撃パルスの衝撃応答スペクトルは、例えば、JIS Z0119(2002)に開示されており、正弦半波や方形波など種々の理想波形の衝撃パルスの衝撃応答スペクトルを、予め記憶部21等に格納しておくことができる。また、Tは、正弦半波の衝撃パルスの作用時間である。選択された衝撃パルスが方形波である場合、破損部位iの損傷境界曲線は、次の数式5および6により描画することができる(TrSQは、衝撃パルスが方形波の理想波形である場合の衝撃応答スペクトル)。
【0031】
〔数5〕
(T)=ac/TrSQ(fc・T)
〔数6〕
ΔV(T)=A(T)・T
【0032】
出力部25は、作業者の選択により作成された損傷境界曲線を画面表示したり、或いは、紙媒体等に印刷する。こうして、対象物Wを保護する緩衝材の有無や種類によって対象物Wに想定される衝撃パルスの種類に応じた損傷境界曲線を得ることができ、緩衝包装設計や製品設計等に活用することができる。
【0033】
このように、本実施形態の衝撃強さ評価方法によれば、対象物Wにおける破損のおそれがある部位が不明であっても、波形が異なる2つの衝撃パルスを用いて衝撃試験を行い、実際の衝撃パルスの衝撃応答スペクトルを用いて、破損した部位の固有振動数を計算により求めることができる。2つの衝撃パルスの波形は、衝撃試験や固有振動数の算出を容易にする観点から本実施形態のように正弦半波および台形波を用いることが好ましいが、固有振動数を算出可能な他の形状の組み合わせであってもよい。本発明によれば、衝撃試験で印加する衝撃パルスが理想的な方形波でなくても評価精度を担保できることから、JISに規定された試験方法や、破損部位の固有振動数の計測が必要な従来の評価方法に比べて、作業性が良好になると共に、衝撃強さを高精度で評価することができる。
【0034】
DBC導出部24は、上述した損傷境界曲線の導出と共に、対象物Wの改良指針となり得る他の情報を算出するようにしてもよい。例えば、補正された許容速度変化ΔVc(=ac/(2πfc))、設定された反発係数e(例えば、0.8)に対する緩衝材無しで破損しない最大高さh(=(1/2)×{ΔVc/(1+e)}/g(重力加速度))、補正された許容加速度Ac(=ac/2)などを算出し、出力部25により画面表示や印刷するようにしてもよい。対象物Wの4か所(破損部位A〜D)について、損傷境界曲線および上記付加情報を表示した表示画面の一例を、図5に示す。
【0035】
図5に示すように、損傷境界曲線は、破損部位別(破損部位A〜D)に表示されており、例えば製品の設計担当者が製品を改良する際に、優先して改良すべき部位や、特に改良の必要がない部位を明らかにすることができる。また、付加情報として、上記の補正された許容速度変化(補正許容速度変化)ΔVc、最大高さ(許容落下高さ)h、補正された許容加速度(補正許容加速度)Acも併せて表示することで、改良指針としての活用を容易に行うことができる。
【0036】
本実施形態の衝撃強さ評価装置1は、衝撃パルス発生装置10と評価装置本体20とを備えているが、外部の衝撃試験機などにより時系列加速度データを取得することが可能であれば、評価装置本体20のみから構成することも可能である。この場合、外部の衝撃試験機から時系列加速度データを有線または無線により評価装置本体20に読み込んだり、或いは、時系列加速度データを記憶したUSBメモリやCD−ROMなどの記録媒体を記憶部21として機能させることができる。また、固有振動数取得部23およびDBC導出部24の機能については、コンピュータプログラムにより実行することが可能であり、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布したり記録媒体に記録して、コンピュータに実行させることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 衝撃強さ評価装置
10 衝撃パルス発生装置
20 評価装置本体
21 記憶部
22 入力部
23 固有振動数取得部
24 DBC導出部
25 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃試験により得られる対象物の破損部位の衝撃強さに対応する時系列加速度データを、波形が異なる2つの衝撃パルスのそれぞれについて記憶する記憶手段と、
前記時系列加速度データを用いて前記各衝撃パルスに対する衝撃応答スペクトルを算出し、2つの前記衝撃応答スペクトルから前記破損部位の固有振動数を取得する固有振動数取得手段と、
取得した前記固有振動数を用いて前記破損部位の伝達加速度を算出し、前記固有振動数および伝達加速度から前記破損部位の損傷境界曲線を導出するDBC導出手段とを備える衝撃強さ評価装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、2つの衝撃パルスの前記時系列加速度データを、複数の破損部位のそれぞれについて記憶し、
前記固有振動数取得手段は、前記破損部位毎に固有振動数を取得する請求項1に記載の衝撃強さ評価装置。
【請求項3】
対象物に衝撃パルスを与えて前記時系列加速度データを生成する衝撃パルス発生装置を更に備える請求項1または2に記載の衝撃強さ評価装置。
【請求項4】
衝撃試験により得られる対象物の破損部位の衝撃強さに対応する時系列加速度データを、波形が異なる2つの衝撃パルスのそれぞれについて記憶する記憶手段から前記時系列加速度データを読み出して、前記各衝撃パルスに対する衝撃応答スペクトルを算出し、2つの前記衝撃応答スペクトルから前記破損部位の固有振動数を取得するステップと、
取得した前記固有振動数を用いて前記破損部位の伝達加速度を算出し、前記固有振動数および伝達加速度から前記破損部位の損傷境界曲線を導出するステップとを備える衝撃強さ評価方法。
【請求項5】
請求項4に記載の衝撃強さ評価方法をコンピュータに実行させるための衝撃強さ評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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