衣料品
【課題】関節部位に相当する箇所の型崩れが少ない、ニット地を用いた衣料品を提供する。
【解決手段】ポリエステル系原着糸を用いてダブルニット構成に編みあげられたニット地から、ピースを切り出し、これらのピースを縫い合わせることにより、衣料品を作り上げる。また、肘や膝などのように屈曲角度の大きな関節部位及びその周囲を覆う生地をニット地で構成することによっても、型崩れを抑制することができる。
【解決手段】ポリエステル系原着糸を用いてダブルニット構成に編みあげられたニット地から、ピースを切り出し、これらのピースを縫い合わせることにより、衣料品を作り上げる。また、肘や膝などのように屈曲角度の大きな関節部位及びその周囲を覆う生地をニット地で構成することによっても、型崩れを抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、衣料品に関し、詳しくは原着糸のニット地により構成された衣料品に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、衣料品には種々の生地が用いられており、衣料の用途やデザインの志向に応じた生地が選択されている。この生地には、織物、ニット(編み物)、不織布などかある。また、ニットをピースとして用いる衣料品も多数製造販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特表２００９−５１０２７７号公報
【特許文献２】特開２００２−２４９９０２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ニットについては、男性用のスーツ(背広上下)の生地として使用されている製品は、極めて少ない。これは、ニット地は、伸張回復率が低く、パンツの膝や上着の肘など関節部分の生地が伸びてしまい、服の形が崩れてしまうといった問題があるからであった。
【０００５】
この発明は、関節部位に相当する箇所の型崩れが少ない、ニット地を用いた衣料品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
【０００７】
（１） ポリエステル系原着糸を用いてダブルニット構成に編みあげられたニット地を用いたことを特徴とする衣料品。
【０００８】
（２） ニット地は、異なる色を有する原着糸を用いて柄を構成したものである上記(１)に記載の衣料品。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の衣料品によれば、衣料品の関節部位付近の生地として、ポリエステル系原着糸を用いたダブルニットのニット地を用いたため、耐光性、耐洗濯性、堅牢性が良好となり、他のニット地を用いた衣料品に比較して、耐久性が向上している。特に、伸張回復率の良好なニット地を用いているため、着用者の関節部位(たとえば、膝、肘など)付近での型崩れが抑制されている。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明の衣料品に用いられるニット地は以下のように製造される。ニット地を構成するポリエステル系原着糸は、例えば以下のような方法により得られる。原着糸は、予め着色剤を分散させておいたポリマーチップ（マスターチップ）と、このマスターチップを希釈するための非着色のポリマーチップ（ベースチップ）とを、溶融前のチップの段階において所定の比率で混合し、その後混合チップを溶融紡糸することにより得られる。
【００１１】
次に、得られた紡糸を仮撚りし、嵩高加工を行う。このように嵩高加工された糸を、ダブルニット構造に編みあげる。このような加工は、例えば２２ゲージ、３０インチの編み機によって行うことができるが、他の条件であってもよい。
【００１２】
ダブルニット構造に編みあげられたニット編地を、公知の方法により仕上げ加工して、本発明の衣料品を構成するニット地を得る。
【００１３】
このようなニット地から、例えば、前身ごろ、後見ごろなどの衣料品のピースを切り出し、これらのピースを組み合わせて縫い付けることにより、本発明の衣料品を得ることができる。
【００１４】
本発明の衣料品の例としては、どのようなものでも良いが、特に、ズボン、ジャケット、背広の上下など、肘や膝を覆う部位がある衣料品において、特に良好な効果が発揮される。例えば、ジャケットの袖を構成する生地として、上記のようなニット地を用いた場合、着用者の肘の曲げ伸ばし動作とともに十分にニット地が伸縮し、着用者の動作の妨げになることが少ない。また、伸張回復率が高い為、肘の周囲の生地が伸びたまま戻らず、肘の部分が凸条に隆起して、ジャケットが型が崩れるといった問題も解消される。このような効果は、肩などの他の関節部位についても同様に発揮される。
【００１５】
同様に、ズボンの生地として、既述のニット地を用いることにより、着用者の膝の曲げ伸ばし動作とともに十分にニット地が伸縮し、着用者の動作の妨げになることが少ない。また、伸張回復率が高い為、膝の周囲の生地が伸びたまま戻らず、膝の部分が凸条に隆起して、ズボンの型が崩れるといった問題も解消される。このような効果は、股関節などの他の関節部位についても同様に発揮される。
【００１６】
上記衣料品は、衣料品を構成する生地の全てを上記ニット地で構成する場合の他、袖などのように、肘や膝などの関節部位に対向する部分(及びその周辺部位)を構成する生地をニット地で構成した構造としてもよい。
【技術分野】
【０００１】
この発明は、衣料品に関し、詳しくは原着糸のニット地により構成された衣料品に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、衣料品には種々の生地が用いられており、衣料の用途やデザインの志向に応じた生地が選択されている。この生地には、織物、ニット(編み物)、不織布などかある。また、ニットをピースとして用いる衣料品も多数製造販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特表２００９−５１０２７７号公報
【特許文献２】特開２００２−２４９９０２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ニットについては、男性用のスーツ(背広上下)の生地として使用されている製品は、極めて少ない。これは、ニット地は、伸張回復率が低く、パンツの膝や上着の肘など関節部分の生地が伸びてしまい、服の形が崩れてしまうといった問題があるからであった。
【０００５】
この発明は、関節部位に相当する箇所の型崩れが少ない、ニット地を用いた衣料品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
【０００７】
（１） ポリエステル系原着糸を用いてダブルニット構成に編みあげられたニット地を用いたことを特徴とする衣料品。
【０００８】
（２） ニット地は、異なる色を有する原着糸を用いて柄を構成したものである上記(１)に記載の衣料品。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の衣料品によれば、衣料品の関節部位付近の生地として、ポリエステル系原着糸を用いたダブルニットのニット地を用いたため、耐光性、耐洗濯性、堅牢性が良好となり、他のニット地を用いた衣料品に比較して、耐久性が向上している。特に、伸張回復率の良好なニット地を用いているため、着用者の関節部位(たとえば、膝、肘など)付近での型崩れが抑制されている。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明の衣料品に用いられるニット地は以下のように製造される。ニット地を構成するポリエステル系原着糸は、例えば以下のような方法により得られる。原着糸は、予め着色剤を分散させておいたポリマーチップ（マスターチップ）と、このマスターチップを希釈するための非着色のポリマーチップ（ベースチップ）とを、溶融前のチップの段階において所定の比率で混合し、その後混合チップを溶融紡糸することにより得られる。
【００１１】
次に、得られた紡糸を仮撚りし、嵩高加工を行う。このように嵩高加工された糸を、ダブルニット構造に編みあげる。このような加工は、例えば２２ゲージ、３０インチの編み機によって行うことができるが、他の条件であってもよい。
【００１２】
ダブルニット構造に編みあげられたニット編地を、公知の方法により仕上げ加工して、本発明の衣料品を構成するニット地を得る。
【００１３】
このようなニット地から、例えば、前身ごろ、後見ごろなどの衣料品のピースを切り出し、これらのピースを組み合わせて縫い付けることにより、本発明の衣料品を得ることができる。
【００１４】
本発明の衣料品の例としては、どのようなものでも良いが、特に、ズボン、ジャケット、背広の上下など、肘や膝を覆う部位がある衣料品において、特に良好な効果が発揮される。例えば、ジャケットの袖を構成する生地として、上記のようなニット地を用いた場合、着用者の肘の曲げ伸ばし動作とともに十分にニット地が伸縮し、着用者の動作の妨げになることが少ない。また、伸張回復率が高い為、肘の周囲の生地が伸びたまま戻らず、肘の部分が凸条に隆起して、ジャケットが型が崩れるといった問題も解消される。このような効果は、肩などの他の関節部位についても同様に発揮される。
【００１５】
同様に、ズボンの生地として、既述のニット地を用いることにより、着用者の膝の曲げ伸ばし動作とともに十分にニット地が伸縮し、着用者の動作の妨げになることが少ない。また、伸張回復率が高い為、膝の周囲の生地が伸びたまま戻らず、膝の部分が凸条に隆起して、ズボンの型が崩れるといった問題も解消される。このような効果は、股関節などの他の関節部位についても同様に発揮される。
【００１６】
上記衣料品は、衣料品を構成する生地の全てを上記ニット地で構成する場合の他、袖などのように、肘や膝などの関節部位に対向する部分(及びその周辺部位)を構成する生地をニット地で構成した構造としてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ポリエステル系原着糸を用いてダブルニット構成に編みあげられたニット地を用いたことを特徴とする衣料品。
【請求項２】
ニット地は、異なる色を有する原着糸を用いて柄を構成したものである請求項１に記載の衣料品。
【請求項１】
ポリエステル系原着糸を用いてダブルニット構成に編みあげられたニット地を用いたことを特徴とする衣料品。
【請求項２】
ニット地は、異なる色を有する原着糸を用いて柄を構成したものである請求項１に記載の衣料品。
【公開番号】特開２０１２−１４０７２６（Ｐ２０１２−１４０７２６Ａ）
【公開日】平成２４年７月２６日（２０１２．７．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２９４６２１（Ｐ２０１０−２９４６２１）
【出願日】平成２２年１２月３０日（２０１０．１２．３０）
【出願人】（５１１００４５６４）株式会社シー・ジェイ・ステュディオ (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年７月２６日（２０１２．７．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１２月３０日（２０１０．１２．３０）
【出願人】（５１１００４５６４）株式会社シー・ジェイ・ステュディオ (1)
【Ｆターム（参考）】
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