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衣料用処理剤組成物
説明

衣料用処理剤組成物

【課題】衣料のしなやかな風合いを損なうことなく、毛羽立ちや毛玉を抑制することのできる衣料用衣料用処理剤組成物の提供。
【解決手段】下記(a)成分及び(b)成分を含有し、(a)成分と(b)成分の質量比が(a)/(b)=10〜1である衣料用処理剤組成物。
(a)成分:重量平均分子量が10万〜1000万のポリビニルピロリドン
(b)成分:末端ヒドロキシル基の数が6〜64であり、分子内にエステル結合を有するポリエステル型樹枝状ポリマー

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料用処理剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料等の繊維製品は、洗濯や着用により衣料同士の摩擦や、衣料が椅子等に触れることによる摩擦により、毛羽立ちや毛玉が発生する。
毛羽立ちとは、一般的には摩擦によって、衣料を構成する糸から単繊維が抜けかけたり、磨耗によって糸を構成する単繊維から繊維片が剥離しかけたりする状態や、糸から抜け落ちた単繊維が衣料に再付着した状態であると考えられている。
また、毛玉とは、衣料から抜け落ちた単繊維が絡まって、玉状となって衣料に再付着したり、繊維上の毛羽同士が絡まって玉状に成長したり、糸を構成する単繊維から剥離しかかった繊維片が、繊維上で絡まって玉状となった状態であると考えられている。
衣料の表面に毛羽立ちや毛玉が発生することで表面に凹凸が生じると、生活環境下で前記凹凸に光が当たった時に影が生じるために衣料の色目がくすんで見え、美観的に好ましくない。とりわけ毛玉が生じると顕著に影が生じるため、美観上の問題が大きくなる。
【0003】
特許文献1には、布帛の磨耗により毛玉が発生しやすくなる課題が記載されている。また、布帛の磨耗を抑制する為に、ポリビニルピロリドン等の布帛磨耗抑制ポリマーからなる布地ケア組成物に関する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ポリオール系布地ケア物質としてスクロースエステルを布地に処理することで、耐ピリング性を衣料に付与する布地ケア組成物が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載のポリビニルピロリドンが付着した衣料は、耐摩耗性が高く、毛羽立ちの発生を抑制する効果が高いために、毛玉も発生しにくい。しかしながら、ポリビニルピロリドンが付着した衣料は、手で触った時の感触が硬く感じ、しなやかな風合いが損なわれる課題がある。
また、特許文献2に記載のポリオール系布地ケア物質は、毛玉抑制効果が不十分であった。
かかる状況から、衣料(繊維製品)に対して、しなやかな風合いを損なうことなく、繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することのできる衣料用処理剤組成物の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−528663号公報
【特許文献2】特表2008−512581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、しなやかな風合いを損なうことなく、衣料(繊維製品)の毛羽立ち及び毛玉の発生を抑制することができる(即ち、毛羽立ち及び毛玉抑制効果を有する)衣料用処理剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記(a)成分及び(b)成分を含有し、(a)成分と(b)成分の質量比が(a)/(b)=10〜1である衣料用処理剤組成物に関する。
(a)成分:重量平均分子量が10万〜1000万のポリビニルピロリドン
(b)成分:末端ヒドロキシル基の数が6〜64であり、分子内にエステル結合を有するポリエステル型樹枝状ポリマー
【発明の効果】
【0008】
本発明の衣料用処理剤組成物は、衣料(繊維製品)に対して、しなやかな風合いを損なうことなく衣料(繊維製品)の毛羽立ち及び毛玉を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<衣料用処理剤組成物>
〔(a)成分〕
(a)成分は、重量平均分子量が10万〜1000万のポリビニルピロリドンである。ポリビニルピロリドンは、下記一般式(1)を有する化合物である。
【化1】

〔式中、nは重量平均分子量が10万〜1000万の範囲となる数。〕
【0010】
(a)成分のポリビニルピロリドンは、毛羽立ち及び毛玉抑制効果の観点から、重量平均分子量10万〜1000万のものであり、重量平均分子量20万〜800万のものがより好ましく、重量平均分子量30万〜500万のものが更に好ましく、重量平均分子量50万〜450万が特に好ましい。
ここで、(a)成分のポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、ゲル濾過型液体クロマトグラフィー(GPC−MALLS)を用いて測定した値であり、標品としてポリエチレングリコール換算の重量平均分子量により算出する。
【0011】
(a)成分のポリビニルピロリドンは、「K値」として示される粘度特性値を満足しているものが好ましい。
「K値」は、ポリビニルピロリドンにおいて分子量の尺度として一般的に用いられる数値であり、K値が大きいほど分子量が高いことを表す。
K値は分子量と相関する粘性特性値で、毛細管粘度計により測定される相対粘度値(25℃)を下記のFikentscherの式に適用して計算される。
K=〔(1.5×log[ηrel]−1)/(0.15+0.003×c)〕+〔300×c×log[ηrel]+(c+1.5×c×log[ηrel])21/2/(0.15×c+0.003×c2
【0012】
ηrel :ポリビニルピロリドン水溶液の水に対する相対粘度
c :ポリビニルピロリドン水溶液中のポリビニルピロリドン濃度(%)(ポリビニルピロリドンの1質量%水溶液について測定される。)
【0013】
(a)成分のポリビニルピロリドンの「K値」は、毛羽立ち及び毛玉抑制効果の観点から、50〜140が好ましく、より好ましくは70〜140であり、更に好ましくは110〜130である。
【0014】
(a)成分のポリビニルピロリドンは、粉末又は水溶液の形態のものがあり、さらに分子量によりいくつかのグレードがあるが、例えばK−60、K−90及びK‐120という名称でISPジャパン株式会社やBASF等から市販されているものを使用することができる。
【0015】
〔(b)成分〕
(b)成分は、末端ヒドロキシル基の数が6〜64であり、分子内にエステル結合を有するポリエステル型樹枝状ポリマーである。
この樹枝状ポリマーは、多価アルコールをコアとするポリエステル型のものであり、該コアから枝が広がって多くの末端ヒドロキシル基を有する高度に分岐した構造のものである。
例えば、次のようにして得られるものである。
下記の多価アルコールをコアとし、下記多価アルコールのヒドロキシル基と連鎖延長剤としての下記のヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基がエステル結合によって結合される。
次に、多価アルコールとエステル結合によって結合された前記のヒドロキシカルボン酸が有する少なくとも2つ以上のヒドロキシル基が、更に別の連鎖延長剤としてのヒドロキシカルボン酸とエステル結合することで更に枝分かれしたり、所望によって下記の連鎖停止剤と結合させたりすることで分子鎖が延長した樹枝状ポリマーである。
多価アルコール:分子内に2〜6個のヒドロキシル基を有する炭素数2〜9の化合物。
連鎖延長剤としてのヒドロキシカルボン酸:分子内に少なくとも2つのヒドロキシル基と少なくとも1つのカルボキシル基を有する炭素数2〜20の化合物。
連鎖停止剤:特表平7−504219号公報の5頁右下欄に記載の連鎖停止剤。
【0016】
(b)成分の樹枝状ポリマーの製造原料となる多価アルコールは、分子内に2〜6個のヒドロキシル基を有し、炭素数が2〜9の化合物である。
多価アルコールは、(a)成分のポリビニルピロリドンと併用したときに繊維にしなやかな風合いを付与し、毛羽立ち及び毛玉抑制効果を更に向上させる点で、分子内に3〜4個のヒドロキシル基を有し、炭素数が4〜6の化合物が好ましく、より好ましくは分子内に3〜4個のヒドロキシル基を有し、炭素数が5又は6の化合物である。
【0017】
前記多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2−ジメチロールプロパノール、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ソルビトール、4,4′,4′′−メチリジントリスフェノール、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,4,6−トリス(p−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジメチル−1−ヘプテン、ベンゼン−1,3,5−トリオール及びベンゼン−1,2,3−トリオールから選ばれる1種以上の化合物である。
【0018】
前記多価アルコールは、本願の効果をより顕著に発現できる点で、2,2−ジメチロールプロパノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、2,4,6−トリス(p−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジメチル−1−ヘプテン、ベンゼン−1,3,5−トリオール、ベンゼン−1,2,3−トリオールであることが好ましく、特に好ましくは2,2−ジメチロールプロパノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリトリトールから選ばれる1種以上の化合物であり、最も好ましくは2,2−ジメチロールプロパノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンである。
【0019】
(b)成分の樹枝状ポリマーの製造原料となる前記の連鎖延長剤としてのヒドロキシカルボン酸は、分子内に少なくとも2つのヒドロキシル基と、少なくとも1つのカルボキシル基を有する炭素数が3〜20の化合物である。
ヒドロキシカルボン酸は、(a)成分のポリビニルピロリドンと併用したときに繊維にしなやかな風合いを付与し、毛羽立ち及び毛玉抑制効果を更に向上させる点で、好ましくは2つのヒドロキシル基と1つのカルボキシル基を有する化合物である。
前記のヒドロキシカルボン酸の炭素数としては、繊維にしなやかな風合いを付与し、毛羽立ち及び毛玉抑制効果を更に向上させる点で、好ましくは炭素数が4〜12であり、最も好ましくは炭素数が4〜8である。
【0020】
分子内に2つのヒドロキシル基と1つのカルボン酸基を有する化合物の例としては、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシグリコール酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸、カフェー酸、ホモゲンチシン酸、メバロン酸、3,5−ジヒドロキシ−2,6,6−トリス(3−メチル−2−ブテニル)−4−(3−メチル−1−オキソブチル)−2,4−シクロヘキサジエン−1−オン、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸、3,4−ジヒドロキシ−5−(ガロイルオキシ)安息香酸、パルミチン酸2,3−ジヒドロキシプロピル、2−(3,6−ジヒドロキシ−9H−キサンテン−9−イル)安息香酸、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロペン酸、1,2−ジヒドロキシ−1,1,2−エタントリカルボン酸、2−(4,4′−ジヒドロキシベンズヒドリル)安息香酸、テトラヒドロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−2−フランカルボン酸が挙げられる。
【0021】
(a)成分のポリビニルピロリドンと併用したときに繊維にしなやかな風合いを付与し、毛羽立ち及び毛玉抑制効果を更に向上させる点で、好ましくは、2,2−ジメチロールプロピオン酸、乳酸、ジヒドロキシグリコール酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシブタン酸、ヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸であり、より好ましくは2,2−ジメチロールプロピオン酸である。
【0022】
(b)成分の樹枝状ポリマーとしては、コアとして分子内に3又は4個のヒドロキシル基を有する炭素数が5又は6の多価アルコールと、連鎖延長剤として炭素数が4〜8で分子内に2つのヒドロキシル基と1つのカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸とを用いて得られたポリエステル型樹枝状ポリマーが、繊維にしなやかな風合いを付与し、毛羽立ち及び毛玉抑制効果を更に向上させる点で好ましい。
最も好ましくは、コアとして2,2−ジメチロールプロパノール、トリメチロールエタン、及びトリメチロールプロパンから選ばれる1種以上の多価アルコールを用い、連鎖延長剤として2,2−ジメチロールプロピオン酸とを用いて得られたポリエステル型樹枝状ポリマーである。
【0023】
(b)成分の樹枝状ポリマーは、重量平均分子量(Mw)500〜10000であるものが好ましい。
ここで、(b)成分の重量平均分子量は、ゲル濾過型液体クロマトグラフィーを用いて測定した値であり、ポリエチレングリコール換算の分子量により算出する。
(b)成分は、重量平均分子量が800〜8000のものがより好ましく、1000〜5000のものが更に好ましく、特に好ましくは1200〜3000であり、最も好ましくは1300〜2400である。
【0024】
また、(b)成分の樹枝状ポリマーが有している末端ヒドロキシル基の数は、毛羽立ちの抑制効果を更に向上させる点で6〜64が好ましい。
末端ヒドロキシル基とは、コアとなる多価アルコールの1つのヒドロキシル基からエステル結合によって、樹枝状に枝分かれした置換基が有しているヒドロキシル基の総数を言う。
毛羽立ち及び毛玉抑制効果の点から末端ヒドロキシル基の数は、6〜32がより好ましく、6〜16がより好ましく、12〜16が特に好ましく、最も好ましくは16である。
【0025】
(b)成分の樹枝状ポリマーは、例えば特表平7−504219号公報に記載のポリオールとジ、トリ又はポリヒドロキシカルボン酸との反応方法によって合成することができる。
【0026】
また、(b)成分のポリエステル型樹枝状ポリマーは、Perstorp社から「Boltorn(登録商標)」という名称で市販されている製品を用いることができる。好適な製品を以下に示す。
・Boltorn(登録商標)H20(16個の末端ヒドロキシル基、分子量2100g/mol)
・Boltorn(登録商標)H2003(12個の末端ヒドロキシル基、分子量2500g/mol)
・Boltorn(登録商標)H2004(6個の末端ヒドロキシル基、分子量3200g/mol)
・Boltorn(登録商標)H30(32個の末端水ヒドロキシル基、分子量3700 g/mol)
・Boltorn(登録商標)H40(64個の末端ヒドロキシル基、分子量7500g/mol)が挙げられる。
【0027】
毛羽立ち及び毛玉抑制効果の観点から、ボルトーンH20、ボルトーンH2003及びボルトーンH2004から選ばれる樹枝状ポリマーが好ましく、より好ましくはボルトーンH20及びボルトーンH2003から選ばれる樹枝状ポリマーであり、特に好ましくはボルトーンH20である。
代表的なポリエステル型樹枝状ポリマーとして、トリメチロールプロパンをコアとして用い、連鎖延長剤として2,2−ジメチロールプロピオン酸を用いて得られた、16個の末端ヒドロキシル基を有する化合物の構造式を以下に示す。
【0028】
【化2】

【0029】
本発明の衣料用処理剤組成物に含まれる(a)成分と(b)成分の質量比〔(a)/(b)〕は、毛羽立ち及び毛玉抑制効果の観点から10〜1であり、好ましくは9〜1.3、特に好ましくは5〜1.5である。
なお、本発明の組成物中における(a)及び(b)成分の質量比は、(a)/(b)=1〜10の範囲にて、使用方法に応じて適宜調整することができる。
本発明の衣料用処理剤組成物に含まれる(a)成分と(b)成分の合計含有量は、使用方法により最適な濃度になるように調整されるものである。
【0030】
<その他の成分>
本発明の衣料用処理剤組成物は、防腐性、保存安定性を高め、繊維のしなやかな風合いを損なわないことを目的に、有機溶剤〔以下(c)成分という〕を併用することが有効である。
(c)成分としては、炭素数2〜4の1価のアルコール、好ましくはエタノール、イソプロパノール;炭素数2〜12の多価アルコール、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等;エチレングリコールやプロピレングリコールのモノエチル又はモノブチルエーテル、ジエチレングリコールやジプロピレングリコールのモノエチル又はモノブチルエーテル等;ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノール性化合物のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物等が挙げられ、これらの中でもエタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
【0031】
本発明の衣料用処理剤組成物が(c)成分を含有するときの含有量は、0.001質量%以上、好ましくは0.005〜30質量%、より好ましくは0.01〜10質量%である。
【0032】
本発明の衣料用処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で界面活性剤〔以下(d)成分という〕を含有することができ、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤の中から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0033】
本発明の衣料用処理剤組成物が(c)成分を含有するときの含有量は、剤型(使用方法)により調整することが好ましい。
本発明の組成物を洗濯時(好ましくはすすぎ時)に使用するときには、毛羽立ち及び毛玉抑制効果の点から、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。
本発明の組成物をスプレー容器に充填して処理対象である衣類に噴霧して使用するときには、毛羽立ち及び毛玉抑制効果の点から、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.01〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。
【0034】
本発明の衣料用処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に硫酸ナトリウムやN,N,N−トリメチルグリシン等の塩、消臭剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤(上記(c)成分は除く)、殺菌・抗菌剤、香料、染料・顔料、紫外線吸収剤等の他の成分を添加することができる。
【0035】
本発明の衣料用処理剤組成物は、使用形態(使用方法)に応じて異なる剤型にすることができ、衣料の洗濯時に使用する場合には固形状(本発明では、粉末、顆粒、錠剤型やシート状等を含む意味で使用する)、液状(高濃度の液状)等にすることができ、噴霧法等により衣類に直接接触させて使用する場合には液状にすることができる。
【0036】
本発明の液状の衣料用処理剤組成物の25℃におけるpH(原液)は、好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8である。
本発明の固形状の衣料用処理剤組成物の25℃におけるpH((a)成分と(b)成分の合計含有量が1質量%となるようにイオン交換水で希釈した水溶液又は水分散液)は、好ましくは2〜9、より好ましくは3〜8である。
組成物のpHは、塩酸や硫酸等の酸、及び/又は水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基化合物を添加することにより調整することができる。
【0037】
<衣料用処理剤組成物の使用方法>
次に、本発明の衣料用処理剤組成物の剤型と使用方法を説明する。
本発明の衣料用処理剤組成物は、使用方法(処理方法)によって各種剤型を採用することができる。
【0038】
〔使用方法1〕
使用方法1は、固形状の衣料用処理剤組成物を水に希釈した状態で、処理対象となる衣料(繊維製品)と接触させる方法である。
具体的には、洗濯機による洗濯時において、すすぎ水又は洗濯浴(好ましくはすすぎ水)に固形状の衣料用処理剤組成物を投入して、処理対象となる衣料(繊維製品)と接触させる方法、固形状の衣料用処理剤組成物を溶解させた水を満たしたタライ、洗面器又はバット等の容器内に衣料を浸漬して接触させる方法も適用することができる。
【0039】
使用方法1を実施するときは、タライ、洗面器又はバット等の容器内にて固形状の組成物を水で希釈した後に、すすぎ水又は洗濯浴に前記の希釈液(使用方法1の希釈液)を投入することが好適である。
このときの希釈液中における組成物の濃度は、好ましくは0.1〜60質量%、より好ましくは1〜50質量%、特に好ましくは2〜40質量%であり、残部が水である。
洗濯時のすすぎ水に固形状又は希釈液状の組成物を投入するときには、すすぎ水中の(a)及び(b)成分の合計含有量が0.001〜5質量%になるようにすることが好ましく、より好ましくは0.005〜3質量%、更に好ましくは0.01〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。
【0040】
衣料とすすぎ水の割合は、衣料1kg当りすすぎ水の量が、好ましくは6〜50L、より好ましくは15〜45L、特に好ましくは20〜40Lである。
すすぎ水の温度は、好ましくは5〜40℃、更に好ましくは10〜30℃であり、処理時間は、好ましくは1〜20分、より好ましくは2〜15分、特に好ましくは3〜10分である。
すすぎ後は脱水し、自然乾燥により乾燥させることが好ましい。
【0041】
〔使用方法2〕
使用方法2は、使用方法1において使用する固形状の衣料用処理剤組成物の代わりに、
高濃度の液状(水溶液)である衣料用処理剤組成物を使用する方法である。
液状の組成物中の(a)及び(b)成分の濃度は、使用方法1の希釈液と同じ濃度範囲にすることができる。
なお、使用方法1、2における(a)成分と(b)成分の質量比〔(a)/(b)〕は、しなやかな風合いの付与と毛羽立ち及び毛玉抑制効果の観点から、10〜1であり、好ましくは9〜1.3、特に好ましくは5〜1.5である。
【0042】
〔使用方法3〕
使用方法3は、スプレーヤーを用いて液状(水溶液)である衣料用処理剤組成物を処理対象となる衣料に噴霧し付着させる方法である。
使用方法3を実施するとき、スプレーヤーを具備する容器に液状組成物を充填し、処理対象となる衣料(繊維製品)にスプレーする。このとき、スプレーヤーの詰まりを防止するため、液状組成物の濃度((a)及び(b)成分の合計量の濃度)は、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜3質量%、更に好ましくは0.01〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%であり、残部が水である。
なお、使用方法3における(a)成分と(b)成分の質量比〔(a)/(b)〕は、しなやかな風合いの付与と毛羽立ち及び毛玉抑制効果の観点から、10〜1、好ましくは9〜1.3、特に好ましくは5〜1.5、最も好ましくは4.5〜2.5である。
【0043】
使用方法3で用いるスプレー容器はトリガー式スプレー容器が好ましく、特に実開平4−37554号公報の第1図に示されているような液垂れや噴霧の均一性に優れる蓄圧式トリガーを用いることが良好である。
使用方法3で用いる好ましいトリガー式スプレー容器は、1回のストロークで0.2g〜2.0g、好ましくは0.25〜1.5g、特に好ましくは0.3〜1.0g噴出するものが良好であり、特に地面に垂直に設置した対象面(平面)に、水平方向に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が100〜800cm2、好ましくは150〜600cm2になる容器が好ましい。
【0044】
上記の使用方法3の液状組成物と上記の使用方法3で用いる好ましいトリガー式スプレー容器を組み合わせて実施したとき、衣料製品の質量に対して(a)及び(b)成分の合計量で、0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%になるように均一に繊維製品にスプレーすることができる。
【0045】
使用方法3の実施時期は、洗濯工程の脱水終了後の濡れた繊維製品をハンガー等に吊るし、濡れた状態で使用方法3の液状組成物を均一にスプレーし、自然乾燥する方法、洗濯後自然乾燥、あるいは回転式加熱乾燥機で乾燥した衣料に使用方法3の液状組成物を均一にスプレーし、再度乾燥させる方法を採用することができる。
【実施例】
【0046】
実施例及び比較例で用いた各配合成分をまとめて以下に示す。
<(a)成分>
下記のポリビニルピロリドンはISPジャパン(株)製の物を用いた、各(a)成分の重量平均分子量及びK値はISPジャパン(株)のカタログ値を用いた。
・a−1:ポリビニルピロリドン PVP K−120(重量平均分子量:347万、K値:119)
・a−2:ポリビニルピロリドン PVP K−90(重量平均分子量:157万、K値:90)
・a−3:ポリビニルピロリドン PVP K−60(重量平均分子量:39.6万、K値:60)
【0047】
<(a’)成分:(a)成分の比較化合物>
・a’−1:ポリビニルピロリドン PVP K−30(重量平均分子量:6.68万、K値:30)
【0048】
<(b)成分>
・b−1:分岐ポリエステルポリオール(Boltorn(登録商標)H20、パーストープジャパン社製、16個の末端ヒドロキシル基、重量平均分子量:2100g/mol、分子量はメーカーカタログ記載値)
・b−2:分岐ポリエステルポリオール(Boltorn(登録商標)H2003、パーストープジャパン社製、12個の末端ヒドロキシル基、重量平均分子量:2500g/mol、分子量はメーカーカタログ記載値)
・b−3:分岐ポリエステルポリオール(Boltorn(登録商標)H2004、パーストープジャパン社製、6個の末端ヒドロキシル基、重量平均分子量:3200g/mol、分子量はメーカーカタログ記載値)
【0049】
<(b’)成分>((b)成分の比較化合物)
・b’−1:グリセリン(和光純薬工業製、重量平均分子量:92)
・b’−2:ソルビトールステアリン酸エステル
【0050】
実施例及び比較例
表1に示す配合処方の衣料用衣料用処理剤組成物を調製した。表1の各組成物は、合計で100質量%となる。得られた組成物について、以下に示す評価方法に沿って、毛羽抑制効果と風合いを評価した。結果を表1に示す。
【0051】
<毛羽立ち及び毛玉抑制効果の評価法>
(1)試験布片の調製
T/Cニット布(ポリエステル65%、綿35%、エアーフライスF401−F11、マスダ株式会社製)1.8kgを市販の液体洗剤(花王(株)の商品名アタックバイオジェル、登録商標)を用いて二槽式洗濯機(東芝銀河VH−360S1)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)36L使用、洗濯10分−脱水3分−すすぎ8分(流水すすぎ、水量15L/分))。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させたものを10×10cm角に裁断し、試験布片として用いた。
【0052】
(2)評価方法
上記方法にて作成した試験布片に対し、表1に示す組成物をスプレー容器(キャニオン製、T−7500)を用いて、試験布乾燥時の質量(25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥後の質量)に対し、100質量%の量を噴霧し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させた。
乾燥させた試験布片をアピアランス・リテンションテスター(ARP−1、大栄科学精器製作所製)を用いて荷重3.2Nにて2回転乾燥摩擦した。
布帛の外観の評価に5年以上従事した判定者10人(30歳代)により、摩擦した試験布片の毛羽立ちレベルを、基準サンプルと比較し、下記判定基準にて得点をつけ、平均点を求めた。毛羽立ち抑制効果としては3.5以下が合格であり、3.0以下が更に好ましく、2.5以下が更に好ましく、2.0以下が特に好ましい。
【0053】
〔基準サンプル〕
下記の4種の基準サンプルを用意した。基準1の点数を「0」、基準2の点数を「2.0」、基準3の点数を「3.5」及び基準4の点数を「5.0」とした。
基準1:前記「(1)試験布片の調製」で用意した、洗濯前の前記T/Cニット布
基準2:前記「(1)試験布片の調製」で調製した試験布片
基準3:比較例1の試験布片
基準4:比較例2の試験布片
【0054】
〔判定基準〕
0 :基準1の試験布片と同等の外観で、毛羽も毛玉もない。
1.0:基準1と基準2の試験布片の中間の外観で、極わずかに毛羽立ちがあるが、毛玉はない。
2.0:基準2の試験布片と同等の外観で、僅かに毛羽立ちがあるが、毛玉はない。
2.5:基準2と基準3の試験布片の外観の間であるが、どちらかというと基準2の外観に近く、基準2よりも毛羽立ちは多いが、毛玉はない。
3.0:基準2と基準3の試験布片の外観の間であるが、どちらかというと基準3の外観に近く、毛羽立ちがあるが、毛玉はない。
3.5:基準3の試験布片と同等の外観で、毛羽立ちはあるが、毛玉はない。
4.0:基準3と基準4の試験布片の外観の間であるが、どちらかというと基準3の外観に近く、毛羽立ちがあり、やや毛玉がある。
4.5:基準3と基準4の試験布片の外観の間であるが、どちらかというと基準4の外観に近く、毛羽立ちがあり、毛玉がある。
5.0:基準4の試験布片と同等の外観で、毛羽立ちも毛玉もある。
【0055】
<風合いの評価法>
(1)試験布片
T/Cニット布(ポリエステル65%、綿35%、エアーフライスF401−F11、マスダ株式会社製)1.8kgを市販の液体洗剤(花王(株)アタックバイオジェル)を用いて二槽式洗濯機(東芝銀河VH−360S1)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)36L使用、洗濯10分−脱水3分−すすぎ8分(流水すすぎ、水量15L/分))。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させたものを25×15cm角に裁断し、試験布片として用いた。
【0056】
(2)処理方法
上記方法にて作成した試験布片に対し、表1に示す組成物をスプレー容器(キャニオン製、T−7500)を用いて試験布乾燥時質量に対して100質量%噴霧し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させた。
乾燥した試験布片を25℃−65RHの恒温恒湿室で24時間静置して調湿処理し、自動化純曲げ試験機(KES−FB2−AUTO−A、カトーテック株式会社製)にて布の曲げ剛性(B値)を測定した(測定条件:曲げ変形速度:0.5cm-1/sec、最大極率:±2.5cm-1、布の向き:縦糸方向の条件にて、極率が0.5〜1.5cm-1)。B値が高い程、手で触った時の感触が硬く感じ、しなやかさがないことを示す。
前処理後、組成物を用いずに水道水だけで処理し、同様に25℃−65RHの恒温恒湿室で調湿処理した試験布片を対照品として、組成物処理品と対象品との差(ΔB値)を下記式により算出した。ΔB値が小さい方が、布のしなやかな風合いが損なわれないことを示す。
風合いは、ΔB値が0.13以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
ΔB値(gf・cm2/cm)=(組成物処理品の曲げ剛性)−(対象品の曲げ剛性)
【0057】
【表1】

【0058】
実施例1〜8は、毛羽立ち抑制効果と風合いの付与効果に優れているが、比較例1は、毛玉抑制効果はあるが、風合いが悪い。比較例2は、毛羽立ち及び毛玉抑制効果が劣ることが判った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分及び(b)成分を含有し、(a)成分と(b)成分の質量比が(a)/(b)=10〜1である衣料用処理剤組成物。
(a)成分:重量平均分子量が10万〜1000万のポリビニルピロリドン
(b)成分:末端ヒドロキシル基の数が6〜64であり、分子内にエステル結合を有するポリエステル型樹枝状ポリマー
【請求項2】
(b)成分の重量平均分子量(Mw)500〜10,000である請求項1に記載の衣料用処理剤組成物。
【請求項3】
(b)成分の末端ヒドロキシル基の数が6〜32である請求項1又は2に記載の衣料用処理剤組成物。
【請求項4】
(b)成分が、コアとして2,2−ジメチロールプロパノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリトリトールから選ばれる1種以上の多価アルコールを用い、連鎖延長剤として2,2−ジメチロールプロピオン酸を用いて得られたポリエステル型樹枝状ポリマーである、請求項1〜3の何れか1項に記載の衣料用処理剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の衣料用処理剤組成物であって、洗濯時に洗濯機に投入して使用するものである、固形状又は液状の衣料用処理剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項記載の衣料用処理剤組成物であって、スプレー容器に充填して処理対象となる衣料に噴霧して使用するものである、液状の衣料用処理剤組成物。

【公開番号】特開2012−224965(P2012−224965A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94789(P2011−94789)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】