説明

衣料用布帛及びこれを用いた衣類

【課題】接触冷感と吸汗性が高く、かつ多量発汗時のべたつきを抑え快適性に優れた衣料用布帛及びこれを用いた衣類を提供する。
【解決手段】本発明の衣料用布帛は、単層又は複層で形成されている編物又は織物からなる衣料用布帛であって、裏面は主として仮撚加工が施されたフィラメントであって、仮撚捲縮率が7.0%以上10.0%以下の親水性化合繊繊維糸で形成されている。本発明の衣類は、前記衣料用布帛を用いて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動時の衣服内温度の上昇を抑え、また発汗時の衣服の肌へのべたつきを軽減させた衣料用布帛及びこれを用いた衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、日常生活の中で着用する衣類に用いられる生地には、着心地が良く、蒸れを防止するために、綿繊維が使用されてきた。一方、スポーツ用衣服や肌着に用いられる生地は、発汗や衣服内温度の上昇を軽減し、べたつきに対応するためにポリエステルが使用されてきた。綿生地は肌触りが良く、着心地は良いが、多量発汗時には綿の特徴である保水により、肌へのべたつき等の問題を生じる。すなわち、一度ぬれると乾きにくい性質がある。一方、ポリエステル生地は、発汗時のべたつきは軽減されているが、熱伝導率が低い為、衣服内の温度が上昇したり、吸湿量が極めて少ないため、蒸れによる不快感が否めない、といった不都合があった。
【0003】
また、特許文献1には、熱伝導率が高く、吸湿率が1〜10%のフィラメント糸と、吸水性を有し吸湿率が6〜20%のスパン糸とを合撚した複合糸を使用して得られる生地及びこの生地を用いた衣服が開示されている。さらに、特許文献2には、熱伝導率の高いエチレンビニルアルコール繊維のフィラメント糸を肌側に配した織編物が、涼しく快適なスポーツウェアとして開示されている。
【0004】
一方で織編物の構造において、肌に接する側から外気に触れる側に行くにしたがい、ヤーンの単繊維繊度を次第に細くすることで、運動時の汗を肌側から外側に移送する工夫が施されたスポーツウェアが使用されている。
【0005】
しかし、熱伝導率の高い繊維を使用した生地であっても、毛細管を利用した生地であっても、大量に発汗した場合には、肌側の繊維が過剰に吸水してべたつきが生じる問題は依然として残っている。
【0006】
特許文献3においては、エチレンビニルアルコール繊維を用いて涼感加工することが開示されており、発汗時におけるべたつきの更なる軽減が要求されていた。
【特許文献1】特許第3668409号公報
【特許文献2】特許第2911657号公報
【特許文献3】特許第3954559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、接触冷感と吸汗性が高く、かつ多量発汗時のべたつきを抑え快適性に優れた衣料用布帛及びこれを用いた衣類を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の衣料用布帛は、単層又は複層で形成されている編物又は織物からなる衣料用布帛であって、裏面は主として仮撚加工が施されたフィラメントであって、仮撚捲縮率が7.0%以上10.0%以下の親水性化合繊繊維糸で形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の衣類は、前記衣料用布帛を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の衣料用布帛及びこれを用いた衣類は、裏面は主として親水性のエチレンビニルアルコール樹脂を少なくとも表層に含む捲縮繊維糸で形成されていることにより、接触冷感と吸汗性に加えて、多量発汗時のべたつきを抑え、快適性の高い衣料用布帛及びこれを用いた衣類とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の織編物は、裏面、とくに衣類となった場合に肌に接する面が親水性化合繊繊維によってすべて又は一部構成されているものである。本発明では、エチレンビニルアルコール樹脂を含む繊維又はアセテート繊維を使用する。また、本発明で言うエチレンビニルアルコール繊維は、少なくとも繊維の外側がすべて又は一部エチレンビニルアルコール樹脂からなる繊維であって、好ましくは芯鞘構造をなし、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成される複合繊維であり、アセテート繊維は、酢化した酢酸セルロース(酢化度45.0%以上のジアセテート繊維や酢化度59.5%以上のトリアセテート)である。短繊維よりもフィラメントが好ましい。吸湿率は、べたつき感を軽減する為、温度20℃、相対湿度65%RHのとき、1.5〜6.5%の範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜3.5%である。
【0012】
裏面は主として親水性化合繊繊維で構成され、良好な清涼感とべたつきを軽減するためには捲縮性を有する親水性化合繊繊維を30〜100質量%で構成されることが好ましい。
【0013】
前記エチレンビニルアルコール繊維フィラメントは、仮撚加工糸とし、織編物に形成する。エチレンビニルアルコール繊維の仮撚加工は、繊維の融点が160℃と低いために、仮撚温度も低温で行なうので、通常のポリエステルマルチフィラメント糸を仮撚加工する2ヒーター仮撚糸に比べると、その捲縮率は低く生糸に近いものとなる。したがって、エチレンビニルアルコール繊維を織編物に使用する場合には、生糸にしても仮撚糸にしても生地面はフラットな傾向が強い。そのため接触冷感を高めるには利点とはなるが、反面大量発汗時のべたつきには欠点となっていた。
【0014】
本発明者らは、上記したエチレンビニルアルコール繊維のフィラメント糸を肌側に配した織編物における大量発汗時のべたつきを軽減するべく鋭意検討を重ねた結果、前記フィラメント糸を仮撚糸となし、特定の捲縮率を持たせることによってべたつきが軽減することを見出した。
【0015】
本発明において、仮撚捲縮率7.0%以上10.0%以下としたエチレンビニルアルコール繊維を使用することが、接触冷感を実質的に損なうことなく、湿潤摩擦抵抗値を顕著に低減して発汗時のべたつき感を軽減できることから好ましい。さらに、織編物の接触冷感の指標である接触時移動熱量が0.23J/cm2・秒以上であり、且つ、発汗時のべたつきの指標である湿潤摩擦抵抗値が50g以下であると、清涼感と発汗時のべたつきを軽減できることから好ましい。
【0016】
本発明の織編物は、裏面、すなわち衣類の肌に接する面が、エチレンビニルアルコール繊維によって一部または全部構成されているものであるが、少なくとも30質量%以上エチレンビニルアルコール繊維によって構成されていることが好ましく、より好ましくは50質量%以上である。織編物全体に占めるエチレンビニルアルコール繊維の比率は15質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上である。
【0017】
肌と接する面には、他の繊維を混合又は混繊しても良い。肌と接する面がすべてエチレンビニルアルコール繊維で構成されていない場合の他の繊維としては、フィラメント形態の、ポリエステル(変性ポリエステルを含む)、ナイロン(変性ナイロン)、セルロース(レーヨン、テンセル等の高重合度レーヨン、コットンリンターを原料とするものを含む)、アセテート(トリアセテート、ジアセテート、それらの複合繊維を含む)が接触冷感を高める上では好ましい。発汗時のべたつきを考慮すれば、親水性の繊維は避けたほうが良い。結果的に疎水性繊維であるポリエステル(変性ポリエステルを含む)が好適に使用される。ポリエステルであっても紡績糸は接触時移動熱量を下げるので好ましくない。
【0018】
織編物の肌と接する面を構成するフィラメント形態の繊維においては、単繊維の繊度が2.2デシテックス以上であることが好ましく、より好ましくは2.5デシテックス以上、さらに好ましくは3.0デシテックス以上である。
【0019】
ポリエステルとナイロンのフィラメントには、仮撚糸と生糸タイプとがあるが、接触冷感を高めるには生糸タイプが仮撚糸より優れている。一般にポリエステルとナイロンの場合は、上記単繊維の繊度が好適範囲にあっても、仮撚糸(1ヒーター、あるいは2ヒーター)であれば、接触冷感を損なうので、極く少量使用する場合を除いては使用すべきでない。仮撚糸であっても捲縮率の低い低捲縮糸であれば少量であれば使用できる。
【0020】
本発明で言うエチレンビニルアルコール繊維は、少なくとも繊維の外側がすべてエチレンビニルアルコール樹脂から成る繊維であって、好ましくは芯鞘構造を成し、芯部がテンションメンバーとしてポリエチレンテレフタレートから成っている繊維、例えばクラレ製のソフィスタ、が好適に使用できる。短繊維よりもフィラメントが好ましい。単繊維の繊度は、1.5デシテックス以上が接触冷感を高める上で好ましく、2.2デシテックス以上であれば一層好ましい。
【0021】
上記エチレンビニルアルコール繊維フィラメントは、生糸として或いは仮撚糸として織編物への使用が可能であるが、生糸の方が仮撚糸より接触冷感が大きくなる利点があるものの、一方で編地ではラン(ループが容易に外れる現象でストッキングの伝線に似た現象を言う)が織物ではスリップが生じやすいという欠点がある。さらに発汗時のべたつきは大きい。それらを総合的に考慮すると生糸は好ましくはない。
【0022】
仮撚糸の場合には生糸に比べ接触冷感が低下する傾向であるものの、上記のポリエステルやナイロンほどではない。その理由は、エチレンビニルアルコール繊維の仮撚加工は、前記繊維の融点が160℃と低いために、仮撚温度も低温で行なうので、通常のポリエステル2ヒーター仮撚糸に比べるとその捲縮率は低いものとなるからである。しかし、捲縮率が低いことは肌への接触面積が大きくなり発汗時のべたつきが大きくなることに他ならない。
【0023】
したがって接触冷感を高く保ちつつ発汗時のべたつきを軽減するための、適切な捲縮率の範囲を見出すことが必要であった。その結果が、仮撚捲縮率が7.0%以上10.0%以下としたエチレンビニルアルコール繊維を使用することで、接触冷感を実質的に損なうことなく発汗時のべたつき感を軽減できることを見出した。具体的には、接触時移動熱量で0.23J/cm2・秒以上で、接触冷感を高く保つ。また、湿潤時の摩擦抵抗値は50g以下であれば、発汗時のべたつき感を軽減できる。
【0024】
上記仮撚捲縮率を得るための仮撚条件としては、ヒーター温度を上昇するか、撚糸回数を増加するかである。ヒーター温度のみを調整する場合には140℃程度に上昇することで所望の捲縮率は得られるが、仮撚工程通過性が不良であり糸も膠着気味となった。
【0025】
撚糸回数のみを調整して所望の捲縮率を得ようとした場合には3500回/m以上が必要であったが、接触冷感を顕著に低下させるという不都合が発生した。
【0026】
結果的にはヒーター温度と撚糸回数双方をバランス良く増加させることが必要であり、具体的にはヒーター温度は122℃〜135℃の範囲、撚糸回数は2000〜3000回/mの範囲が好ましい。さらに好ましくは、ヒーター温度は125℃〜132℃の範囲、撚糸回数は2400〜2700回/mである。
【実施例】
【0027】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0028】
下記実施例と比較例における試験項目の測定方法を説明する。
1.接触時移動熱量
試験条件として、温度:20℃、相対湿度:65%RHのときの熱伝導性の効果を検証するため、サーモラボII(カトーテック社製商品名)を用いて、縦:10cm、横:10cm、高さ:10cmの断熱性の高い発泡スチロール製ブロックの上に、縦:10cm、横:10cmの試料を乗せ、その上から更に、縦:10cm、横:10cmの熱源板で40℃に加熱した熱源を乗せた。この時、前記熱源から試料片に移動する熱量を接触時移動熱量として測定した。接触時移動熱量は、その値が高いほど、熱伝導性が高く、衣服内の熱を衣服外に速やかに伝導することにより放熱し、体温上昇に伴う衣服内の温度上昇を抑えることができ、接触冷感にも優れているといえる。
2.湿潤摩擦抵抗値
湿潤摩擦抵抗値を測定するために、直径5cmの金属製ローラーに試験片を接触させ、ローラーを回転させたときの抵抗値を湿潤状態について測定した。この際、温度:20℃、相対湿度:65%RHの試験環境下において、試験片の大きさを縦:5cm、横:20cm、水分付与量を0.5ml、ローラー回転速度を4cm/min、荷重を30gfに設定して、摩擦抵抗を測定した。湿潤摩擦抵抗値は、その値が低いほど、発汗などにより吸水湿潤した状態においても、皮膚との摩擦抵抗が低く保たれるため、べたつき感が少なく、さらっとした着心地を維持することができる。
3.仮撚糸の捲縮率
(1)試料のサンプリング:手動検尺機で0.044CN/Dtex(0.05g/d)の張力下で11110Dtex(10000d)の小カセを作った。前記においてDtexはデシテックスのことであり、dはデニールのことであり、以下においても同一である。
(2)小カセ(10gの荷重を掛けた状態で)に少量の水を掛け小カセを均一化した後、90℃恒温槽内に入れ(90℃、30分間)リラックス処理後、荷重を除去し乾燥した。
(3)乾燥後の小カセに10gの荷重を掛け、5分経過後スケールの付いた測定装置にてカセ長を測定した。これをL1とする。
(4)上記小カセに1000g(0.0088CN/Dtex)(0.01g/d)の荷重を掛け、30秒後のカセ長を測定した。これをL2とする。
(5)算出式
K1(捲縮伸長率)=(L2−L1)/L2×100で算出した。
【0029】
(実施例1)
エチレンビニルアルコール樹脂(EVOH、85質量%含水フェノール溶剤中、30℃で測定したときの固有粘度1.05dl/g)を芯/鞘型の複合繊維の鞘成分とした。一方、極限粘度=0.60のポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、2軸押し出し機により、芯/鞘型構造のマルチフィラメント93dtex/24fの原糸を得た。この芯/鞘型構造は、円形断面で鞘成分と芯成分の複合比率は、鞘55対芯45(質量比)である。芯成分の断面形状は、図1に示すとおり、30個の突起を有しており鞘成分が繊維表面を完全に被覆している構造であった。図1において、花弁状の芯部はポリエチレンテレフタレート成分であり、表面の鞘部はエチレンビニルアルコール樹脂成分である。
【0030】
この原糸を通常の方法(ベルト仮撚り)により延伸仮撚をおこなって加工糸とした。仮撚りは村田機械のマッハ仮撚り装置を使用した。延伸倍率1.10倍、糸速度は毎分430mで統一したが、仮撚捲縮率は表1に示すとおりとした。仮撚り上がりの繊度は84dtexで統一した。
【0031】
表1に示す糸(本発明の糸および比較例の糸である)と、ポリエステル2ヒーター加工糸SD84dtex/36f(SDはセミダル)とポリエステル2ヒーター加工糸SD56dtex/12fの3種の糸を用いて、30ゲージのダブルニット丸編み機を使用して、片面は上記加工糸SD84dtex/36fによるハーフ天竺(1コースがニット−ミス、2コース目がミス−ニットでそれらの繰り返し)とし、他の片面は、表1に示す糸によるオールニット構造の2コース繰り返しと加工糸SD56dtex/12fによるオールニット構造1コースからなる3コースリピートとした。二つの面の結節糸には加工糸SD56dtex/12fを使用して、双方の片面にタック組織で連結した。編みあがった編地は幅200cmで、面積1m2あたりの質量(以下目付けという)が270g/m2であった。
【0032】
上記編地を、液流染色機中で70℃、アニオン界面活性剤存在下に20分処理し、リラックスと精練を行った。ついでピンテンターで幅を160cmに固定し110℃で2分間の熱風乾燥を連続的におこなって乾燥し、引き続き、ピンテンターで幅を180cmに固定し160℃で1分間の熱風処理を連続的におこなってプレセットした。この布を再度液流染色機中に投入し、90℃で、架橋剤(ビスエチレンジオキシノナノン)商品名:メイスターTMを表1に示す糸の質量の14%、およびアセタール化促進剤(主成分ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム)商品名:メイスターSA−2を0.5g/リットル、マレイン酸1g/リットル、アニオンを含む水溶液で40分処理し、架橋による耐熱性を付与した。なお、布質量1に対し水溶液の量は12とした。
【0033】
上記処理後、染色機の水を更新し、130℃で30分の分散染色をおこなった。使用した染料はDianixBlackBG−FS 8%owf(owfはon the weight of fiberの略)である。同時に、吸汗加工剤として商品名SR1800(高松油脂製)を生地質量の2%を存在させた。染色後、常法により還元洗浄と水洗をおこなって染色機から取り出した。
【0034】
ついでピンテンターで幅を160cmに固定し120℃で1分間の熱風乾燥を連続的におこなって乾燥した。引き続き、ピンテンターで、幅を175cmに固定し160℃で1分間の熱風処理を連続的におこなってファイナルセットをおこなった。仕上がった生地の目付けは、本発明の方法による糸を用いた場合も、比較例の糸を用いた場合も全て260±3g/m2の範囲にあった。また吸汗性は、水滴滴下法ですべての生地で1秒以下、バイレック(吸い上げ長は)すべての生地で16±1cmの範囲にあり、吸水性は生地間で有意な差なく良好であった。
【0035】
それぞれの生地の接触時移動熱量と、湿潤摩擦抵抗値を測定した。その結果はまとめて表1に示す。
【0036】
表1によれば、仮撚捲縮率の上昇にともなって湿潤摩擦抵抗値が低下することが明らかである。一方、接触時移動熱量は捲縮率の上昇にともなって減少の傾向を示す。湿潤摩擦抵抗値が低く且つ接触時移動熱量が大きいことが運動による体温上昇に対するクーリング効果と発汗時のべたつき低減に好ましい。
【0037】
湿潤摩擦抵抗値と接触時移動熱量が実際の着用感に及ぼす影響を確認するために、表1中の実施例の生地を用いてT−シャツを作成して、30℃、80%RHの環境の室内でエルゴメーターにより自転車こぎを20分間、成人男子3人を用いておこない、暑熱感とべたつき感を(非常に良い、良い、普通、悪いの4段階で)評価した。その結果を表1に示した。
【0038】
【表1】

【0039】
以上から、本発明の実施例の衣料用布帛及びこれを用いた衣類は、接触冷感と吸汗性に加えて、多量発汗時のべたつきを抑え、快適性の高い衣料用布帛及びこれを用いた衣類であることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は本発明の一実施例で使用する芯/鞘型構造複合繊維の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単層又は複層で形成されている編物又は織物からなる衣料用布帛であって、
裏面は主として仮撚加工が施されたフィラメントであって、仮撚捲縮率が7.0%以上10.0%以下の親水性化合繊繊維糸で形成されていることを特徴とする衣料用布帛。
【請求項2】
前記裏面の捲縮性を有する親水性化合繊繊維の吸湿率が、温度20℃、相対湿度65%RHのとき、1.5〜6.5%の範囲である請求項1に記載の衣料用布帛。
【請求項3】
前記裏面の捲縮性を有する親水性化合繊繊維が、エチレンビニルアルコール繊維又はアセテート繊維である請求項1又は2に記載の衣料用布帛。
【請求項4】
前記布帛の一面における接触冷感の指標である接触時移動熱量が0.23J/cm2・秒以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の衣料用布帛。
【請求項5】
前記布帛の湿潤時における摩擦抵抗値が50g以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の衣料用布帛。
【請求項6】
前記裏面はエチレンビニルアルコール繊維又はアセテート繊維により30〜100質量%の範囲で構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の衣料用布帛。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の衣料用布帛を用いた衣類。

【図1】
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【公開番号】特開2008−308804(P2008−308804A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160699(P2007−160699)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(591121513)クラレトレーディング株式会社 (30)
【出願人】(000005935)美津濃株式会社 (239)
【Fターム(参考)】