説明

衣料用液体洗浄剤組成物

【課題】界面活性剤の種類にかかわらず、それ自体の分子内に機能性成分を保持し、衣料へ有効に吸着し、洗濯後の衣料に機能性成分を付与できる助剤を含有する衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、側鎖に三級アミン構造を有するビニル単量体m1と、ラクタム構造を有するビニル単量体ビニル単量体m2と、側鎖に1〜30の直鎖状または分岐状炭素鎖、あるいは脂環系炭化水素あるいは芳香族炭化水素基を有するビニル単量体m3と、側鎖に炭素数2〜4のポリアルキレンオキシド基を有するビニル単量体m4の4種のビニル単量体から得られる共重合体であって、前記各4種の単量体の構成量がそれぞれ(m1)10〜70モル%、(m2)10〜70モル%、(m3)1〜30モル%、(m4)1〜60モル%の範囲内で全体量が100モル%となるようにして得られた共重合体(A)と、機能性成分(B)と、界面活性剤(C)とを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料等の洗浄において、アニオン性活性剤を含有する組成においても効果を損なわない、洗濯助剤成分を含有する衣料用液体洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤組成物に配合され、同時に配合された殺菌成分などの機能性成分を洗浄中に繊維に付着させ、洗濯後の衣料に有用な機能を付与させる洗濯助剤成分については、繊維との疎水性相互作用を利用したものや、静電的な相互作用を利用したものなど、従来さまざまな化合物あるいは組成物が提案されてきた。
【0003】
一方、普段の家庭洗濯で重要となる衣料は、日々の発生量や求められる機能要望からして、下着などを代表とする綿繊維である。
綿繊維は親水性であり、洗濯水中では負に帯電する。そのため、従来、洗濯後の衣料に有用な機能を付与する役目の洗濯助剤としては、静電的な相互作用が利用できる4級カチオン基を分子内に有する化合物などが利用されてきた。例えば、特許文献1には、カチオン性高分子を利用して紫外線吸収剤や酸化防止剤を繊維に均一に吸着させる技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、近年の液体洗浄剤組成物は洗浄力の観点から、ノニオン活性剤に加えてアニオン活性剤を併用するものが多くなってきており、組成物中でも洗浄系においてもアニオン活性剤と相互作用してしまう4級カチオン化合物は繊維への吸着性を失ってしまう問題があり、新たな洗濯助剤が求められている。
【0005】
これに対して、例えば、特許文献2には、シャンプー、コンディショナーなどのようなパーソナルケア用品における増粘剤またはレオロジー改質剤としての用途、生物接着剤および他の製薬用途に好適な親水性両性ポリマーが開示されている。
しかしながら、開示されている高分子は、アニオン性モノマーが含有されており、洗浄水中で負に帯電する綿繊維には有効に吸着できるものではなく、本願が目的とする、洗濯、乾燥を経た綿衣料に抗菌性・消臭性や耐酸化性などの機能性成分を付与するという課題を解決できるものではない。
【0006】
また、特許文献3には、洗顔料、ボディーシャンプー、ふき取り洗浄用化粧水等の皮膚用洗浄剤、ヘアシャンプー、リンスインシャンプー等の毛髪用洗浄剤に適用でき、洗い流した後にも、皮膚に良好な感触が長時間にわたり持続する洗浄剤組成物が開示され、その解決手段として有効な共重合体がクレームされている。
しかしながら、この先行技術文献に用いられている共重合体は毛髪等へ吸着し良好な感触を与えるものの、疎水性有効成分をそれ自体でキャリアしながら綿繊維に吸着できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−7731号公報
【特許文献2】特表2002−533537号公報
【特許文献3】特開2002−302696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、ノニオン活性剤に加えてアニオン活性剤の併用が汎用されてきている衣料用液体洗浄剤組成物において、4級カチオン系化合物に代替できる機能性成分付与助剤が求められているのが、現状である。
【0009】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、水溶性であり、アニオン性活性剤を含有する洗浄剤組成物系においても、それ自体の分子内に抗菌成分や消臭成分や抗酸化性成分などの機能性成分を保持しながら綿繊維からなる衣料へ有効に吸着し、洗濯、乾燥を経た綿衣料に機能性成分を付与できる洗濯助剤を含有する衣料用液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、下記構成を採用した衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。
[1] 側鎖に三級アミン構造を有するビニル単量体m1と、ラクタム構造を有するビニル単量体ビニル単量体m2と、側鎖に1〜30の直鎖状または分岐状炭素鎖、あるいは脂環系炭化水素あるいは芳香族炭化水素基を有するビニル単量体m3と、側鎖に炭素数2〜4のポリアルキレンオキシド基を有するビニル単量体m4の4種のビニル単量体から得られる共重合体であって、前記各4種の単量体の構成量がそれぞれ(m1)10〜70モル%、(m2)10〜70モル%、(m3)1〜30モル%、(m4)1〜60モル%の範囲内で全体量が100モル%となるようにして得られた共重合体(A)と、
殺菌・抗菌効果、消臭効果、酸化防止効果の少なくとも1つの効果を有する機能性成分(B)と
界面活性剤(C)とを含有する衣料用液体洗浄剤組成物。
[2] 上記ビニル単量体m1が、下記一般式(1)および(2):
【0011】
【化1】

(式(1)および(2)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、R2は−[CH2−]n(nは1〜40の繰り返し数)で表される直鎖状または分岐状アルキルであり、R3、R4は、−H、−CH3、−CH2CH3、分岐状もしくは直鎖状アルキル、アリール、シクロアルキルまたはこれらの組み合わせである。)で表されるビニル単量体から選ばれる1種であり、
上記ビニル単量体m2が、下記一般式(3):
【0012】
【化2】

(式(3)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、R5は−[CH2−]n(nは1〜4の繰り返し数)で表される直鎖状アルキル基である。)で表されるビニル単量体であり、
上記ビニル単量体m3が、下記一般式(4)、(5)及び(6):
【0013】
【化3】

(式(4)、(5)および(6)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、Rは1〜30の炭素原子を有する直鎖状または分岐状、環状のアルキル基である。)で表されるビニル単量体から選ばれる1種であり、
上記ビニル単量体m4が、下記一般式(7):
【0014】
【化4】

(式(7)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン、Rは水素原子またはメチル基である。)で表されるビニル単量体である、上記[1]に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[3] (A)成分の配合量が0.1〜5質量%、(B)成分の配合量が0.05〜2質量%であることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[4] (B)成分が、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヒノキチオール、トリクロロカルバニリドから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[5] (B)成分が、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)没食子酸プロピル、没食子酸ドデシル、ジメトキシフェノール、カテコールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[6] (B)成分が、ベンジルアルコール、メントールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物に含有する共重合体(A)は機能性成分への親和性も綿繊維への親和性も良好であり、それらの親和性は、界面活性剤にアニオン型界面活性剤が含まれる場合であっても低減されることがない。そのため、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗濯中に、機能性成分をキャリアする助剤である(A)成分が綿繊維に吸着し、洗濯乾燥後に、繊維の黄変や皮脂酸化臭を抑制できる。
通常の4級カチオン基を側鎖に持つ高分子はアニオン性活性剤が含まれる液体洗浄剤系では、アニオン活性剤との相互作用が優先し、綿への吸着が出来ないという課題がある。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物に含まれる共重合体(A)は、アニオン活性剤との相互作用が小さく、水溶液中で弱い静電的相互作用により綿繊維に吸着できる。そのドライビングフォースは単量体m1が持つ3級アミン基と、単量体m2が有する、アニオン活性剤との相互作用を抑制する作用である。
そして、側鎖にEO(エチレンオキサイド)を含む単量体m4により水溶性を確保し、単量体m3により機能性成分を疎水性相互作用で取り込むことにより、洗浄系で機能性成分を保持しながら綿繊維に吸着できるものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る衣料用液体洗浄剤組成物は、共重合体(A)、機能性成分(B)、および界面活性剤(C)を有する。以下、各構成要素について、詳しく説明する。
【0017】
(共重合体(A))
共重合体(A)は、4種のビニル単量体m1,m2,m3,m4を共重合して得られる水溶性高分子である。
【0018】
(ビニル単量体m1)
ビニル単量体m1は、側鎖に三級アミン構造を有するビニル単量体である。
側鎖に三級アミン構造を有するビニル単量体m1としては、2つのタイプがある。
タイプ1の具体例として、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(ジアルキル(炭素数1〜3)アミノアルキル(炭素数1〜3)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル((メタ)アクリル酸ジアルキル(炭素数1〜3)アミノアルキル(炭素数1〜3)、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルのアミン単量体が挙げられる。
【0019】
また、タイプ2として、N,N−ジメチル−4−ビニルベンゼン−1−アミン(Ruiyuan Group Limited製)、N,N−ジメチルアリルアミン(東京化成工業製)が挙げられる。
【0020】
どちらのタイプも本発明の単量体に該当するが、好ましくはタイプ1であり、以下の一般式(1)および(2)から選ばれる1種である。
【0021】
【化5】

式(1)および(2)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、R2は−[CH2−]n(nは1〜40の繰り返し数)で表される直鎖状または分岐状アルキルであり、R3、R4は、−H、−CH3、−CH2CH3、分岐状もしくは直鎖状アルキル、アリール、シクロアルキルまたはこれらの組み合わせである。
【0022】
上記ビニル単量体m1は、より好ましくは、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルである。
【0023】
(ビニル単量体m2)
ビニル単量体m2は、下記化学式(3)で表されるラクタム構造を有するビニル単量体である。
【0024】
【化6】

化学式(3)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、R5は−[CH2−]n(nは1〜4の繰り返し数)で表される直鎖状アルキルである。
【0025】
上記ビニル単量体m2としては、具体的には、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニル−7−メチル−ε−カプロラクタムが好ましく、N−ビニルピロリドンがより好ましい。
【0026】
(ビニル単量体m3)
ビニル単量体m3は、側鎖に1〜30の直鎖状または分岐状炭素鎖、あるいは脂環系炭化水素あるいは芳香族炭化水素基を有するビニル単量体である。
具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン等が挙げられる。この中でも、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N‐ブチルアクリルアミド、N‐ヘキシルアクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキサデシル(メタ)アクリルアミド、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、ペンタメチルスチレン、3−エチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン等が挙げられる。また、シクロヘキシルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなども該当する。
好ましくは 以下の一般式(4)、(5)、(6)で示される単量体から選ばれる1種である。
【0027】
【化7】

式(4)、(5)、(6)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、Rは1〜30の炭素原子を有する直鎖状または分岐状、環状のアルキル基を示す。
上記ビニル単量体m3としては、より好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、N‐ブチルアクリルアミド、N‐ヘキシルアクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、スチレン、4−tert−ブチルスチレンである。
【0028】
(ビニル単量体m4)
ビニル単量体m4は、下記化学式(7)で表される、側鎖に炭素数2〜4のポリアルキレンオキシド基を有するビニル単量体である。
【0029】
【化8】

(式(7)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン、Rは水素原子またはメチル基 であり、nは平均繰り返し数である。)
上記R1は、好ましくは−H、−CH3であり、より好ましくは−CH3である。また、上記Rは、好ましくは炭素数2〜3であり、より好ましくは2である。また、nは2〜23であり、好ましくは4〜10である。また、上記Rは、好ましくは−H、−CH3であり、よりこのましくは−CH3である。
【0030】
上記ビニル単量体m4としては、具体例には、メトキシポリエチレングリコール(n=2;Rは炭素数2、R1:CH:CH(以下、M20Gという)(新中村化学工業製 NKエステルM20G)、メトキシポリエチレングリコール(n=4;Rは炭素数2、R1:CH:CH (以下、M40Gという)(新中村化学工業製 NKエステルM40G)、メトキシポリエチレングリコール(n=9;Rは炭素数2、R1:CH:CH)(メタ)アクリレート(以下、M90Gという)(新中村化学工業製 NKエステルM90G)、メトキシポリエチレングリコール(n=23;Rは炭素数2、R1:CH:CH)(以下、M230Gという)(新中村化学工業製 NKエステルM230G)が挙げられる。
【0031】
(単量体m1、m2、m3、m4の構成比)
共重合体(A)を構成する単量体m1、m2、m3、m4の構成比は、それぞれの構成量が、(m1)10〜70モル%/(m2)10〜70モル%/(m3)1〜30モル%/(m4)1〜60モル%の範囲内で、全体量が100モル%となるように適宜に調整されることが好ましく、より好ましくは、(m1)20〜50モル%、(m2)20〜50モル%、(m3)10〜20モル%、(m4)10〜40モル%の範囲内であり、特に好ましくは、(m1)20〜40モル%、(m2)20〜40モル%、(m3)10〜20モル%、(m4)10〜30モル%の範囲内である。
【0032】
(衣料用液体洗浄剤組成物中の共重合体(A)の配合量)
衣料用液体洗浄剤組成物中の共重合体(A)の配合量は、好ましくは0.1%〜5質量%であり、より好ましくは0.5%〜3質量%である。
0.1質量%未満だと、有効成分を効率よく繊維に吸着させることが出来なくなる。また、5質量%を超えると、衣料用液体洗浄剤組成物の安定性が低下する傾向となる。
【0033】
(機能性成分(B))
機能性成分(B)は、殺菌抗菌効果を発揮する成分、消臭効果を発揮する成分、耐酸化作用を有する成分から選ばれる少なくとも1種である。
機能性成分の構造中に疎水構造である芳香環やプロピル基などのアルキル基、シクロアルカン構造を持つと、共重合体(A)との疎水性相互作用により共重合体(A)と機能性成分(B)とが複合体を形成し、複合体として繊維へ吸着する。
【0034】
(殺菌成分)
殺菌成分としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、フェノール性化合物、安息香酸塩、ポリヘキサメチレングアニジン塩を挙げることができる。
【0035】
(抗菌成分)
抗菌成分としては、例えば、1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物及びその塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、トリクロロカルバニリド、ジンクピリチオンを挙げることができる。
【0036】
上記殺菌成分および抗菌成分の中でも、より好ましいものは、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヒノキチオール、トリクロロカルバニリドであり、さらに好ましいものは、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウムである。
【0037】
(酸化防止成分)
酸化防止成分としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、及びクエン酸の混合物、ハイドロキノン、三級ブチルハイドロキノン、天然のトコフェロール系化合物、没食子酸の長鎖エステル(炭素数8〜22:以下、炭素数xをCxと略記する場合もある)、例えば没食子酸ドデシル、チバスペシャルティケミカル(株)から入手可能なイルガノックス系化合物、クエン酸及び/またはクエン酸イソプロピル、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンスルホン酸/ナトリウム塩、ジメトキシフェノール、カテコール、メトキシフェノール、カロチノイド、フラン類、アミノ酸類等が挙げられる。
【0038】
上記酸化防止成分の内、より好ましいものは、ヒドロキノン、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、没食子酸プロピル、没食子酸ドデシル、ジメトキシフェノール、カテコールであり、さらに好ましいものは、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)である。
【0039】
(消臭成分)
消臭成分としては、例えば、トウダイグサ科コミカンソウ(Phylantus)属植物、キク科センダングサ(Bidens)属植物、キク科ヒヨドリバナ(Eupatorium)属植物、キク科ツルギク(Mikania)属植物、クマツヅラ科イワダレソウ(Lippia)属植物、キョウチクトウ科アスピドスペルマ(Aspidosperma)属植物、アカネ科ハリフタバ(Borreria)属植物、ブドウ科セイシカズラ(Cissus)属植物、シソ科ヤンバルツルハッカ(Leucas)属植物、シソ科ヒゲオシベ(Pogostemon)属植物、マツグミ科フチルサ(Phthirusa)属植物、クワ科クワ(Morus)属植物、マメ科エンジュ(Sophora)属植物からなる群より選ばれた植物又はその抽出物 ゲラニオール、シトロネロール、シトラール、オイゲノール、フェネチルアルコール、チモール、リナロール、青葉アルコール、メントール、ベンジルアルコール、ヘキシルシナムンアルデヒドなどが挙げられる。
【0040】
上記消臭成分の内、より好ましいものは、メントール、ベンジルアルコールであり、さらに好ましいのはベンジルアルコールである。
【0041】
(機能性成分(B)の配合量)
機能性成分(B)の配合量は、衣料用液体洗浄剤組成物に対して、好ましくは、0.05〜2質量%であり、より好ましくは、0.5〜1.5質量%である。
機能性成分(B)の配合量が、0.05質量%未満だと、機能性成分(B)を効率よく繊維に吸着させることが出来ない。また、2質量%を超えると、衣料用液体洗浄剤組成物の安定性が低下する傾向が生じる。
【0042】
(界面活性剤(C))
界面活性剤(C)としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤のいずれでもよい。
【0043】
アニオン界面活性剤としては、例えば、AES(アルキルエーテル硫酸エステルNa)、SAS(セカンダリーアルカンスルホン酸Na)、AOS(アルファオレフィンスルホン酸Na)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na)などが挙げられる。より好ましいアニオン界面活性剤としては、LAS(炭素数12の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)(ライオン(株)製、商品名「ライポンLH−200」)を挙げることができる。
【0044】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、メトキシポリオキシアルキレンアルカノエート、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、アルキルポリグリコシド、アルキルポリグリセリルエーテル、アルキルポリグリセリルエステルなどが挙げられる。
【0045】
より好ましいノニオン界面活性剤としては、例えば、ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2(質量比))に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキサイドを付加したメチルエステルエトキシレートを挙げることができる。また、Shell社製の商品名Neodol(C12/C13)又はSasol社製の商品名Safol23(C12/C13)等のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキサイドを付加したもの(「C12/C13」は、炭素数12の炭化水素基を有するアルコールと、炭素数13の炭化水素基を有するアルコールとの混合物であることを意味する。)を挙げることができる。
【0046】
また、P&G社製の商品名CO−1214、CO−1270等の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキサイドを付加したものや、ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキサイドを付加したもの(BASF社製、商品名Lutensol TO7)も、より好ましいノニオン界面活性剤である。
【0047】
また、ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキサイドを付加したもの(BASF社製、商品名Lutensol XL70)も、より好ましいノニオン界面活性剤である。そして、ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキサイドを付加したもの(BASF社製、商品名Lutensol XA60)も、より好ましいノニオン界面活性剤である。
【0048】
さらに、炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当又は15モル相当のエチレンオキサイドを付加したもの(日本触媒社製、商品名ソフタノール90、ソフタノール150)も、より好ましいノニオン界面活性剤である。
【0049】
カチオン界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、アルキル第4級アンモニウム塩、アミドアミン型及びアミン型界面活性剤、グアニジン誘導体又はその塩、アミノ酸系カチオン界面活性剤等を用いることができる。
【0050】
(界面活性剤(C)の種類と配合量)
界面活性剤(C)の役割は、衣類洗浄剤としての洗浄力付与成分としての役割は勿論であるが、本発明においては、機能性成分(B)の可溶化作用だけでなく、機能性成分(B)を保持した水溶性高分子である共重合体(A)の組成物中での安定化にも必須の成分として役立っている。
【0051】
界面活性剤(C)の種類は、上述のように、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤のいずれもよく、また、組み合わせて用いることができるが、洗浄効果の観点からはノニオン活性剤とアニオン活性剤の併用が好ましい。また、機能性成分の効果発現の観点からは、アニオン比率が大きくなるほど綿に対する高分子吸着性が低下する傾向にあるので、ノニオン活性剤とアニオン活性剤の併用においては、より好ましくはノニオン/アニオン質量比が1以上であり、特に好ましくはノニオン単独である。
【0052】
界面活性剤の配合量としては、好ましくは20〜50質量% より好ましくは20〜40質量%である。配合量が、20質量%未満となっても、50質量%超えても、衣料用液体洗浄剤組成物の安定性が悪くなる傾向となる。しかしながら、界面活性剤濃度が最大80質量%となる高濃縮組成物の調製可能性を否定するものではない。
【0053】
(その他の成分)
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物には、その他の成分として、必要に応じて、香料、pH調整剤、水溶性溶剤などの添加剤をくわえてもよい。
【0054】
香料としては、例えば、特開2002−146399号公報に記載されているような、香料成分、溶剤および安定化剤等を含有する香料組成物などが挙げられる。
【0055】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸などの食品用有機酸、炭酸塩、硫酸、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
【0056】
水溶性溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
ではない。
【実施例】
【0057】
以下、本発明に係る衣料用液体洗浄剤組成物の実施例を説明する。以下に示す実施例は、本発明を好適に説明するための例示であり、本発明を限定するものではない。
【0058】
(共重合体の調製)
後述の実施例および比較例に使用する共重合体として、10種類の共重合体A〜Jを以下のようにして調製した。
以下に記載した共重合体の調製においては、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)をラジカル開始剤とし重合した。以下の調製ではモノマーは100%反応し、ほぼ仕込み比率のままの重合体を得た。
なお、下記共重合体A〜Fは、本願の特許請求の範囲に記載の共重合体(A)に相当する共重合体であり、共重合体G〜Jは、本願の特許請求の範囲に記載の共重合体(A)の比較品であり、共重合体G〜Jは、本発明に用いる共重合体(A)が必須構成のモノマーとしているモノマーm1〜m4のいずれかが欠けたモノマー構成となっているか、m1〜m4以外のモノマーが使用されているか、いずれかのモノマーが本発明において許容している範囲を逸脱しているモノマー構成となっている。前記モノマーの本発明において許容している範囲とは、モノマーm1が10〜70モル%、モノマーm2が10〜70モル%、モノマーm3が1〜30モル%、モノマーm4が1〜60モル%の範囲内である。
【0059】
(共重合体A:本発明の共重合体(A))
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)3.1gと、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:DMAPAA(興人製)8.6g、M90G(新中村化学製)13.7g、メタクリル酸ヘキシル(東京化成製)4.7gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.26gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Aを得た。
【0060】
(共重合体B:本発明の共重合体(A))
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)6.4gと、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:DMAPAA(興人製)4.5g、M90G(新中村化学製)14.3g、メタクリル酸ヘキシル(東京化成製)4.9gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.28gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Bを得た。
【0061】
(共重合体C:本発明の共重合体(A))
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)12.9gと、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:DMAPAA(興人製)4.5g、M90G(新中村化学製)9.6g、メタクリル酸メチル:MMA(東京化成製)2.9gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.37gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Cを得た。
【0062】
(共重合体D:本発明の共重合体(A))
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)6.8gと、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート:DM(東京化成)4.8g、M90G(新中村化学製)15.3g、メタクリル酸メチル(東京化成製)3.1gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.30gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Dを得た。
【0063】
(共重合体E:本発明の共重合体(A))
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)5.5gと、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:DMAPAA(興人製)3.9g、M90G(新中村化学製)18.5g、メタクリル酸ヘキシル(東京化成製)2.1gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.28gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Eを得た。
【0064】
(共重合体F:本発明の共重合体(A))
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)6.1gと、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:DMAPAA(興人製)3.7g、M90G(新中村化学製)15.5g、メタクリル酸メチル:MMA(東京化成製)4.7gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.37gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Fを得た。
【0065】
(共重合体G:本発明の共重合体(A)の比較品)
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)30.0gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.52gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Gを得た。
【0066】
(共重合体H:本発明の共重合体(A)の比較品)
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:DMAPAA(興人製)30.0gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.37gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Hを得た。
【0067】
(共重合体I:本発明の共重合体(A)の比較品)
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)6.1gと、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩:DMAPAA―Q(興人製)5.7g、M90G(新中村化学製)13.6g、メタクリル酸ヘキシル(東京化成製)4.7gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.26gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Iを得た。
【0068】
(共重合体J:本発明の共重合体(A)の比較品)
撹拌機、環流冷却器及び窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口セパラブルフラスコに、エタノール85gを入れ、撹拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。ここにビニルピロリドン:VP(純正化学製)5.3gと、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:DMAPAA(興人製)4.9g、M90G(新中村化学製)15.7g、メタクリル酸4.1gを85gのエタノールに混合したモノマー溶液と、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名V−59:和光純薬製)0.26gを34gのエタノールに溶解した重合開始剤溶液とを、それぞれ1時間かけて連続的に滴下して重合反応を行った(溶媒全量170g)。滴下終了後、窒素を導入しながら4時間加温を続けた後、温度を室温に戻した。終了後、減圧乾燥し固形物の共重合体Jを得た。
【0069】
上記調製例で得た共重合体A〜Jのモノマー構成および構成比の相異について、下記(表1)〜(表3)にまとめて示した。なお、以下の(表1)〜(表3)において、単量体の名称は、DMAPAA等の略称を用いた。また、以下の(表1)〜(表3)中のm1,m2,m3,m4は、本発明に用いる共重合体(A)を構成する単量体m1,m2,m3,m4を示す。また、mxは前記単量体m1,m2,m3,m4に属さない単量体であることを示す。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
【表3】

【0073】
実施例および比較例に使用する機能性成分(B)として、下記15種の化合物を用意した。
すなわち、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、BHT、ベンジルアルコール、トリクロサン、塩化セチルピリジウム、塩化ベンゼトニウム、ヒノキチオール、トリクロロカルバニリド、ヒドロキノン、没食子酸プロピル、没食子酸ドデシル、ジメトキシフェノール、カテコール、メントールの15種である。以上15種類の機能性成分のメーカー名、純分濃度(質量%)を以下の(表4)に示す。
【0074】
【表4】

【0075】
実施例および比較例に使用する界面活性剤(C)として、下記3種のノニオン界面活性剤C1,C2,C3と、1種のアニオン界面活性剤C4とを用意した。
【0076】
(ノニオン界面活性剤C1)
ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2(質量比))に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加した合成品。
特開2000−144179号公報における実施例に記載の製造例1に準じて製造した合成品を用いた。すなわち、化学組成が2.5MgO・Al・nHOである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、エチレンオキサイド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別してノニオン界面活性剤C1を得た。純分濃度は100質量%。
【0077】
(ノニオン界面活性剤C2)
P&G社製の天然アルコールCO−1214に対して12モル相当の酸化エチレンを付加した合成品。
P&G社製の天然アルコールCO−1270を224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器中に採取し、当該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを撹拌しながら、吹き込み管を使って、エチレンオキシド(ガス状)760.4gを、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間未反応のエチレンオキシドを留去した。その後、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和してノニオン界面活性剤C2を得た。純分濃度は100質量%。
【0078】
(ノニオン界面活性剤C3)
炭素数12〜14の第2級アルコールに9モル相当の酸化エチレンを付加したもの、商品名「ソフタノール90」、(株)日本触媒社製。純分濃度は100質量%。
【0079】
(アニオン界面活性剤C4)
LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na):ライオン(株)製、商品名「ライポンLH−200」:純分濃度は96質量%。
【0080】
実施例および比較例の衣料用液体洗浄剤組成物を構成する共通成分として以下の化合物を用意した。全ての実施例および比較例において、同一の配合量に調製した。共通成分全量の衣料用液体洗浄剤組成物に対する配合量は、純分換算で12.7質量%である。
安息香酸ナトリウム:東亜合成社製、商品名「安息香酸ナトリウム」、粉状、純分濃度100質量%(配合量:0.5質量%)。
クエン酸3ナトリウム:マイルス社(米国)製、商品名「クエン酸ソーダ」、粉状、純分濃度100質量%(配合量:0.2質量%)。
95質量%エタノール:日本アルコール販売(株)製、商品名「特定アルコール95度合成」、純分濃度95質量%(配合量:6質量%)。
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製、商品名「PTS酸」、純分濃度70質量%(配合量:2質量%)。
ポリエチレングリコール:ライオン(株)製、商品名「PEG#1000」、純分濃度60質量%(配合量:4質量%)。
【0081】
上記共重合体A〜Jについて、水溶性と、共重合体吸着性〈1〉を下記方法および評価基準により評価した。その結果を下記(表5)に示した。
【0082】
(水溶性評価)
100mLの透明ガラス瓶(広口規格びんPS−No.11)に、共重合体が純分換算で10質量%になるようイオン交換水で希釈し、30分間撹拌し、1時間静止後の液の外観を目視で観察し下記基準により評価した。
(評価基準)
マル印:瓶底部に、沈殿物質を認めず、透明溶液状態を保持している。
バツ印:溶液の濁りや瓶底部に沈殿物が認められる。
【0083】
(共重合体の吸着性〈1〉の評価)
イオン交換水で共重合体が3質量%となるように調整した溶液30gと、綿布2g(10cm×10cm)を100mLのフラスコに入れ、15分間振とうさせた。振とう処理前後の溶液を下記条件のGPCにより測定し、下記評価基準により評価した。
【0084】
(GPC条件)
リン酸二水素ナトリウム2水和物を0.175(M)、リン酸水素二ナトリウム12水和物を0.025(M)、トリエチルアミン0.1(M)、硝酸ナトリウム0.1(M)、メタノール20質量%を含む移動相液とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により処理前後のピークを測定した。カラムには東ソー(株)製TSK−GelG2500PWXLとTSK−GelGMPWXLを連結して設置し、カラムオーブン設定温度40℃、流速0.5mL/min、検出はRIにて行った。
なお、吸着の割合(%)は、下記式により求められる。
吸着の割合(%)=(1−(処理後のピーク面積)/(処理前のピーク面積))×100
(評価基準)
マル印:布処理前後のピーク面積の差が70%以上。
三角印:布処理前後のピーク面積の差が30%以上70%未満。
バツ印:布処理前後のピーク面積の差が30%未満。
【0085】
【表5】

【0086】
後述の実施例1〜5および比較例1,2において、上述の共重合体、機能性成分、界面活性剤、および共通成分を組み合わせて、多種類の液体洗浄剤組成物を調製し、得られた各液体洗浄剤組成物について、下記評価を行った。
【0087】
(経時安定性の評価1)
調製した各液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−No.11)に取り、蓋を閉めて密封した(各洗浄剤組成物につき2つ用意)。この状態で−5℃の恒温槽中にそれぞれ1瓶ずつ置いて1ヵ月保存した後、液の外観を目視で観察し下記基準により評価した。
(評価基準)
二重マル印:瓶底部に沈殿物質や液の分離を認めず、透明溶液状態を保持している。
マル印:瓶底部に少量の沈殿物または液の少量の分離が認められたが、25℃に戻すと沈殿は消失(溶解)する。
三角印:瓶底部に少量の沈殿物または液の少量の分離が認められ、25℃に戻しても、沈殿は消失(溶解)しない。
バツ印:瓶底部にはっきりと沈殿物または液の分離が認められ、25℃に放置しても沈殿は溶解しない。
【0088】
(経時安定性の評価2)
調製した各液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−No.11)に取り、蓋を閉めて密封した(各洗浄剤組成物につき2つ用意)。この状態で40℃の恒温槽中にそれぞれ1瓶ずつ置いて1ヵ月保存した後、液の外観を目視で観察し下記基準により評価した。
(評価基準)
二重マル印:透明溶液状態を保持している。
マル印:瓶底部に少量の沈殿物或いは瓶上部に少量の分離層が認められたが、25℃に戻しておくと溶解して復元する。
三角印:瓶底部に少量の沈殿物或いは瓶上部に少量の分離層が認められたが、25℃に戻しても沈殿や液の分離は消失しない。
バツ印:瓶底部に明らかな沈殿物が認められる、或いは、瓶上部に分離層が認められ、25℃に放置しても復元しない。
【0089】
(共重合体の吸着性評価〈2〉)
設計した高分子が共存活性剤の影響を受けずに吸着しているかの指標
調製した各液体洗浄剤組成物30gと綿布2g(10cm×10cm)を100mLのフラスコに入れ、15分間振とうさせた。振とう処理前後の溶液を先述のGPC条件により測定した。下記評価基準により評価した。
(評価基準)
二重マル印:布処理前後のピーク面積の差が80%以上
マル印:布処理前後のピーク面積の差が60%以上80%未満。
三角印:布処理前後のピーク面積の差が30%以上60%未満。
バツ印:布処理前後のピーク面積の差が30%未満
【0090】
(機能性成分の吸着性)
実際にどれだけ機能性成分が綿繊維に吸着したかの指標
調製した各液体洗浄剤組成物30gに綿布2g(10cm×10cm)を100mLのフラスコに入れ、15分間振とうさせた。振とう処理前後の溶液を下記ガスクロマトグラフィ測定法により測定し、ピーク面積の減少率を確認し、下記基準により評価した。
(評価基準)
二重マル印:布処理前後のピーク面積の差が40%以上。
マル印:布処理前後のピーク面積の差が30%以上40%未満。
三角印:布処理前後のピーク面積の差が10以上30%未満。
バツ印:布処理前後のピーク面積の差が10%未満。
【0091】
(ガスクロマトグラフィ測定)
処理液:シクロヘキサノン(東京化成工業製)を基準ピーク(1.6分付近)とし、処理前後のBHTのピーク(6分付近)のピーク面積から減少率を計算した。測定装置は、5890 SERIES II (HEWLET PACKARD 製)、Ultra2(HEWLET PACKARD 製)を使用し、オーブン温度100℃から300℃(10℃/min)キャリヤーガスにして実験を行った。
【0092】
(実施例1)
機能性成分(B)として、BHTを1質量%を用いるとともに、界面活性剤として一定量のノニオン界面活性剤C1およびアニオン界面活性剤C4を用い、これらに対して、使用する共重合体(A)の種類を変化させて、下記(表6)に示す6種類の衣料用液体洗浄剤組成物を調製した。得られた各衣料用液体洗浄剤組成物について上述の性能評価を行った。その結果を、下記(表6)に併記した。なお、下記(表6)において、各成分配合量は純分換算した量を示す。
【0093】
【表6】

上記(表6)から明らかなように、本願発明に特有な共重合体(A)を洗濯助剤として用いることにより、共重合体の吸着性および機能性成分の吸着性の両特性において良好な効果が得られ、得られる衣料用洗浄剤組成物の経時安定性も大変高いことが分かる。
【0094】
(実施例2)
機能性成分(B)として、BHTを1質量%を用いるとともに、界面活性剤としてノニオン界面活性剤C1およびアニオン界面活性剤C4を用い、これらに対して、共重合体(A)として上記共重合体Bを用い、その配合量を変化させて、下記(表7)に示す4種類の衣料用液体洗浄剤組成物を調製した。得られた各衣料用液体洗浄剤組成物について上述の性能評価を行った。その結果を、下記(表7)に併記した。下記(表7)において、各成分配合量は純分換算した量を示す。
【0095】
【表7】

上記(表7)から明らかなように、共重合体(A)の配合量が0.1質量%〜5質量%の範囲にあれば、共重合体の吸着性および機能性成分の吸着性の両特性において良好な効果が得られ、得られる衣料用洗浄剤組成物の経時安定性も大変高いことが分かる。
【0096】
(実施例3)
共重合体(A)として一定量の上記共重合体Bを用いるとともに、界面活性剤として一定量のノニオン界面活性剤C1およびアニオン界面活性剤C4を用い、これらに対して、機能性成分(B)の種類を変化させて、下記(表8)〜(表10)に示す15種類の衣料用液体洗浄剤組成物を調製した。得られた各衣料用液体洗浄剤組成物について上述の性能評価を行った。その結果を、下記(表8)〜(表10)に併記した。なお、下記(表8)〜(表10)において、各成分配合量は純分換算した量を示す。
【0097】
【表8】

【0098】
【表9】

【0099】
【表10】

上記(表8)〜(表10)から明らかなように、本願発明に特有な共重合体(A)を洗濯助剤として用いることにより、多種多様な機能性成分を確実に吸着することができ、かつ繊維への吸着性も良好であることが分かる。
【0100】
(実施例4)
界面活性剤(C)として一定量のノニオン界面活性剤C1およびアニオン界面活性剤C4を用いるとともに、共重合体(A)として一定量の上記共重合体Bを用い、これらに対して、機能性成分(B)として、BHTをその配合量を変化させて用いて、下記(表11)に示す4種類の衣料用液体洗浄剤組成物を調製した。得られた各衣料用液体洗浄剤組成物について上述の性能評価を行った。その結果を、下記(表11)に併記した。なお、下記(表11)において、各成分配合量は純分換算した量を示す。
【0101】
【表11】

上記(表11)から明らかなように、特有な共重合体(A)を洗濯助剤として用いた本発明の衣料用洗浄剤組成物では、機能性成分の配合量を0.5〜1.5質量%の範囲に設定することにより、より一層の性能向上が得られることが分かる。
【0102】
(実施例5)
共重合体(A)として一定量の上記共重合体Bを用いるとともに、機能性成分(B)として一定量のBHTを用い、これらに対して、界面活性剤(C)の種類と配合量を変化させて、下記(表12)に示す8種類の衣料用液体洗浄剤組成物を調製した。得られた各衣料用液体洗浄剤組成物について上述の性能評価を行った。その結果を、下記(表12)に併記した。なお、下記(表12)において、各成分配合量は純分換算した量を示す。
【0103】
【表12】

上記(表12)から明らかなように、特有な共重合体(A)を洗濯助剤として用いる本発明の衣料用洗浄剤組成物では、活性剤としてノニオン界面活性剤を用いる場合が特性が良好であるが、アニオン界面活性剤を少量配合した場合でも良好な特性が得られることが分かる。
【0104】
(比較例1)
機能性成分として一定量のBHTを用いるとともに、界面活性剤として一定量のノニオン界面活性剤C1およびアニオン界面活性剤C4を用い、これに対して、共重合体として一定量の4種の共重合体G,H、I、J(共重合体(A)の比較品)を用いて、下記(表13)に示す4種類の衣料用液体洗浄剤組成物を調製した。得られた各衣料用液体洗浄剤組成物について上述の性能評価を行った。その結果を、下記(表13)に併記した。なお、下記(表13)において、各成分配合量は純分換算した量を示す。
【0105】
【表13】

上記(表13)から明らかなように、本発明に用いている特定の共重合体(A)を用いない場合、経時安定性1,経時安定性2,共重合体の吸着性〈2〉、機能性成分の吸着性の少なくとも1つの特性が大きく低下し、実用性に劣るものとなることが分かる。
【0106】
(比較例2)
共重合体として一定量の共重合体Bと、機能性成分として一定量のBHTと、界面活性剤として一定量のノニオン界面活性剤C1およびアニオン界面活性剤C4とを用いた系において、前記3成分のいずれかが欠けた3種の衣料用液体洗浄剤組成物を調製した。得られた各衣料用液体洗浄剤組成物について上述の性能評価を行った。その結果を、下記(表14)に示した。
【0107】
【表14】

上記(表14)から明らかなように、本発明の液体洗浄剤組成物の必須成分である共重合体(A),機能性成分(B)および界面活性剤(C)のいずれかが欠けた場合、経時安定性1,経時安定性2,共重合体の吸着性〈2〉、機能性成分の吸着性の少なくとも1つの特性が大きく低下し、実用性に劣るものとなることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上のように、本発明にかかる衣料用洗浄剤組成物は、洗濯助剤として含有する共重合体(A)が機能性成分へも綿繊維へも高い親和性を有しており、それらの親和性は、界面活性剤にアニオン型界面活性剤が含まれる場合であっても低減されることがない。そのため、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗濯中に、機能性成分をキャリアする助剤である(A)成分が綿繊維に吸着し、洗濯乾燥後に、繊維の黄変や皮脂酸化臭を抑制できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側鎖に三級アミン構造を有するビニル単量体m1と、ラクタム構造を有するビニル単量体ビニル単量体m2と、側鎖に1〜30の直鎖状または分岐状炭素鎖、あるいは脂環系炭化水素あるいは芳香族炭化水素基を有するビニル単量体m3と、側鎖に炭素数2〜4のポリアルキレンオキシド基を有するビニル単量体m4の4種のビニル単量体から得られる共重合体であって、前記各4種の単量体の構成量がそれぞれ(m1)10〜70モル%、(m2)10〜70モル%、(m3)1〜30モル%、(m4)1〜60モル%の範囲内で全体量が100モル%となるようにして得られた共重合体(A)と、
殺菌・抗菌効果、消臭効果、酸化防止効果の少なくとも1つの効果を有する機能性成分(B)と、
界面活性剤(C)とを含有する衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
上記ビニル単量体m1が、下記一般式(1)および(2):
【化1】

(式(1)および(2)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、R2は−[CH2−]n(nは1〜40の繰り返し数)で表される直鎖状または分岐状アルキルであり、R3、R4は、−H、−CH3、−CH2CH3、分岐状もしくは直鎖状アルキル、アリール、シクロアルキルまたはこれらの組み合わせである。)で表されるビニル単量体から選ばれる1種であり、
上記ビニル単量体m2が、下記一般式(3):
【化2】

(式(3)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、R5は−[CH2−]n(nは1〜4の繰り返し数)で表される直鎖状アルキル基である。)で表されるビニル単量体であり、
上記ビニル単量体m3が、下記一般式(4)、(5)及び(6):
【化3】

(式(4)、(5)および(6)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、Rは1〜30の炭素原子を有する直鎖状または分岐状、環状のアルキル基である。)で表されるビニル単量体から選ばれる1種であり、
上記ビニル単量体m4が、下記一般式(7):
【化4】

(式(7)において、R1は−H、−CH3または−CH2CH3であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン、Rは水素原子またはメチル基である。)で表されるビニル単量体である、請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(A)成分の配合量が0.1〜5質量%、(B)成分の配合量が0.05〜2質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
(B)成分が、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヒノキチオール、トリクロロカルバニリドから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
(B)成分が、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)没食子酸プロピル、没食子酸ドデシル、ジメトキシフェノール、カテコールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項6】
(B)成分が、ベンジルアルコール、メントールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2011−190368(P2011−190368A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58261(P2010−58261)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】