説明

衣服用ハンガー

【課題】実用性を向上させ、衣服への興味を強くさせることのできる衣服用ハンガーを提供すること。
【解決手段】フック部11と、肩支持部13とを備え、肩支持部13に設けられた開口部17又は肩支持部13の下部の少なくともいずれかで取り外し可能に支持される装飾部材15を備える衣服用ハンガーにより、衣服を掛けるだけでなく、装飾や広告、更には、バッチ35や模型パーツ55などにより、全く別の機能を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服用ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣服用ハンガーでは衣類を掛ける又はその周辺機能のみが追求されがちである。その中で、技術文献1では、動物を象ったハンガーの中央部分にミラーを配置する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−24110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1においては、動物を象ることとミラーを付けるという機能を提案している。特に、主たる特徴としてはミラーを配置したことであるが、身支度に必要という観点であれば、これも衣類を掛けるという機能の周辺機能と言え、斬新とまでは言えないという問題があった。
【0005】
従って、本発明は、ハンガーの機能として衣服を掛けるだけに止めないで、実用性を向上させ、衣服への興味を強くさせることのできる衣服用ハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の衣服用ハンガーは、フック部と、肩支持部とを備え、前記肩支持部に設けられた開口部又は該肩支持部の下部の少なくともいずれかで取り外し可能に支持される装飾部材を備える構成である。
【0007】
本発明の衣服用ハンガーにおいて、肩支持部が支持されている装飾部材との接合部がハンガー用の強度を維持しつつ取り外し可能な強度で一体成形される構成が好ましい。また、本発明の衣服用ハンガーにおいて、装飾部材が前記衣服用ハンガーに掛ける衣服の情報に関係する装飾を備える構成が好ましい。また、本発明の衣服用ハンガーにおいて、装飾部材がロゴ表示プレートである構成が好ましい。
【0008】
また、本発明の衣服用ハンガーにおいて、装飾部材には少なくとも1つのバッチ又はペンダントが形成される構成が好ましい。本発明の衣服用ハンガーにおいて、バッチ又はペンダントには取付具用の固定部が形成される構成が好ましい。
【0009】
また、本発明の衣服用ハンガーにおいて、装飾部材が取り外して組み立て可能となる模型パーツからなる構成が好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、取り外し可能に支持される装飾部材を備えることにより、衣服を掛けるだけでなく、装飾や広告などの機能を備えることができ、実用性を向上させ、衣服への興味を強くさせることのできる衣服用ハンガーを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)本発明に係わる衣服用ハンガーの正面図、(b)図1(a)の衣服用ハンガーから装飾部材を取り外した状態の正面図、(c)図1(a)の衣服用ハンガーから取り外した装飾部材の正面図である。
【図2】本発明に係わる衣服用ハンガーの他の形態の正面図である。
【図3】本発明に係わる衣服用ハンガーの装飾部材としてのバッチを示した正面図である。
【図4】(a)本発明に係わる衣服用ハンガーの更なる形態の装飾部材を示した正面図、(b)図4(a)の衣服用ハンガーから取り外したバッチの正面図である。
【図5】(a)本発明に係わる衣服用ハンガーの更に異なる形態で装飾部材として模型パーツを示した正面図、(b)図5(a)の装飾部材を取り外した衣服用ハンガーの正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係わる組み立て玩具の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明に係わる衣服用ハンガーの正面図、図1(b)は、図1(a)の衣服用ハンガーから装飾部材を取り外した状態の正面図、図1(c)は、図1(a)の衣服用ハンガーから取り外した装飾部材の正面図である。
【0013】
本実施形態の衣服用ハンガー10はフック部11と肩支持部13とからなる。肩支持部13は枠形状を成し、開口部17を形成している。この開口部17内に装飾部材15が配置されている。本実施形態の衣服用ハンガー10を構成するこれらフック部11、肩支持部13、装飾部材15は一般的なインサート成形により一体成形される。従って、装飾部材15と肩支持部13との間は接合部16がランナーの様な構成となっている。
【0014】
この接合部16は、他の構成部より細く又は薄くするなどの部分を形成され、強度的に弱い部分が設けられ、この強度の弱い部分で装飾部材15の取り外しを行う。一方で、装飾部材15も含めてハンガーの構造材としての強度を維持するため、ハンガーとしての最低限の強度は維持されている。
【0015】
接合部16の配置は、製造上で樹脂の圧入に好適な配置、構造材としての配置、且つ装飾部材15の取り外しのし易さなどを考慮して決定される。また、装飾部材15の取り外し後は、接合部16を残存させる構成としてもよく、取り除く構成としてもよい。
【0016】
図2は、本発明に係わる衣服用ハンガーの他の形態の正面図である。この実施形態の衣服用ハンガー20は、フック部21と肩支持部23とからなる。肩支持部23は衣服の両肩を支える部分のみを持つ天秤型である。肩支持部23の下部位置27に装飾部材25が配置されている。これ以外の構成としては図1に示した実施形態と同様であるので、その記載を流用する。
【0017】
ここで、図1,図2に示した装飾部材15,25は、そのハンガーに掛ける衣服の情報に関係する装飾として構成とすることができる。例えば、メーカー、ブランド、サイズ、カテゴリーなどに応じて、文字、形状や色などを適宜に設定することで、その衣服に合致して装飾すると同時に、メーカー、ブランド、サイズ、カテゴリーなどの情報を提供する。
【0018】
取り外し前の装飾部材15,25は衣服用ハンガー10,20の構造材の一部であり、且つ文字通り衣服用ハンガー10,20の装飾と情報提供として利用される。例えば、ロゴ表示プレートとしての使用である。取り外した装飾部材15,25は、それぞれの更なる機能を提供することができ、装飾部材15,25が取り外された後のハンガーは、通常の使用に供されることができる。
【0019】
つまり、取り外し前の装飾部材15,25は、そのハンガー10,20に掛ける衣服のメーカーやブランドを特定し、そのメーカーやブランドのロゴやキャラクター、意匠や商標を表示するプレートにすることができる。これにより、その衣服のメーカーやブランドを店頭で主張することができる。更には、持ち帰りのハンガーとして提供した場合、メーカーやブランドの認知や思い入れに強く働きかけることができる。しかも、図1(c)に示すように、装飾部材15,25を取り外すことで、別体として室内の飾りや仕分けなどに利用することができる。
【0020】
図3は、本発明に係わる衣服用ハンガーの装飾部材としてのバッチを示した正面図、図4(a)は本発明に係わる衣服用ハンガーの更なる形態の装飾部材を示した正面図、図4(b)は図4(a)の衣服用ハンガーから取り外したバッチの正面図である。
【0021】
図3の衣服用ハンガー30はフック部31と肩支持部33とからなる。肩支持部33は枠形状を成し、開口部37を形成している。この開口部37内に装飾部材としてのバッチ35a,35b,35c,35d,35eが配置されている。バッチ35a,35b,35c,35d,35eと肩支持部33との間は接合部36a,36b,36c,36d,36eがランナーの様な構成となっている。これ以外の構成としては図1に示した実施形態と同様であるので、その記載を流用する。なお、接合部36a,36b,36c,36d,36eも全て取り外せる構成として、衣服の不要な引っ掛けを低減することができる。
【0022】
図4(a),(b)の衣服用ハンガー40はフック部41と肩支持部43とからなる。肩支持部43は枠形状を形成している。この肩支持部43の枠内にフレーム47が形成され、このフレーム47に保持される状態で装飾部材としてのバッチ45a,45b,45c,45d,45e,45f,45g,45h,45i,45jが配置される。
【0023】
肩支持部43からのバッチ45a,45b,45c,45d,45e,45f,45g,45h,45i,45jの取り外しは、フレーム47ごと取り外す構成でも良く、フレーム47は構造材として残したまま、バッチ45a,45b,45c,45d,45e,45f,45g,45h,45i,45jそれぞれを別個に取り外す構成でも良い。フレーム47を残す場合、廃棄物を少なくすることができる。この場合、接合部分を取り去れる構成として、衣服との引っ掛かりを低減することができる。また、バッチ45a,45b,45c,45d,45e,45f,45g,45h,45i,45jはハンガーとしての供給時から着色されていてもよい。これ以外の構成としては図1に示した実施形態と同様であるので、その記載を流用する。
【0024】
図3,図4のこれらバッチ35a,35b,35c,35d,35e,45a,45b,45c,45d,45e,45f,45g,45h,45i,45jの裏面には取付具用の固定面が設けられている。ハンガーから取り外す場合、別途付属される取付具を、例えば、両面テープや接着剤などでこの固定部に固定することでバッチ又はペンダントとして利用可能となる。
【0025】
これらバッチ35a,35b,35c,35d,35e,45a,45b,45c,45d,45e,45f,45g,45h,45i,45jは、このハンガー30,40に掛ける衣服のメーカー、ブランド、キャラクターに関係したデザインとすることができる。これらバッチの取り外し前には、衣服に関するメーカー、ブランド、キャラクターなどとの関係を示しているので衣服広告の一助となる。そして、取り外し後には、特に、キャラクター関係であれば、多くのデザインがバッチとして利用可能であり、衣服と対で利用するなどして、衣服との関わりも強くなり、衣服そのものへの興味を強くさせる結果ともなる。
【0026】
図5(a)は本発明に係わる衣服用ハンガーの更に異なる形態で装飾部材として模型パーツを示した正面図、図5(b)は図5(a)の装飾部材を取り外した衣服用ハンガーの正面図である。
【0027】
図5(a),(b)の衣服用ハンガー50はフック部51と肩支持部53とからなる。肩支持部53は枠形状を形成している。この肩支持部53の枠内にフレーム57が形成され、このフレーム57に保持される状態で装飾部材としての多数の模型パーツ55が配置される。
【0028】
肩支持部53からの模型パーツ55の取り外しは、図5(b)に示すように、フレーム57ごと取り外す構成でも良く、フレーム57は構造材として残したまま、模型パーツ55を別個に取り外す構成でも良い。フレーム57を残す場合、廃棄物を少なくすることができる。この時、接合部分を取り去れる構成とすることで、模型パーツ55を取り外した後の肩支持部53のみで通常のハンガーとして利用した場合に、衣服との引っ掛かりを低減することができる。これ以外の構成としては図1に示した実施形態と同様であるので、その記載を流用する。
【0029】
このように、衣服用ハンガー50に模型パーツ55を装飾部材として備えることで、衣服と模型が示すキャラクターなどとの関係に関する広告となり、販売の一助となる。そして、取り外し後には、衣服とは全く関係のない機能であるところの、模型組み立ての楽しみを提供できる。よって、衣服への興味のみならず、模型組み立ての興味も加えることができる。
【0030】
ここで、上述した本実施形態に使用される材質としては、一体成形の場合には樹脂材料が好適であり、木材も使用可能である。
【0031】
以上のように、本発明の上記実施形態によれば、衣服用ハンガーにおいて、取り外し可能に支持される装飾部材では、そのハンガーに掛ける衣服の情報に関係して装飾構成することができる。そして、取り外し前の装飾部材は衣服用ハンガーの構造材の一部としての機能を有し、且つ文字通り衣服用ハンガーの装飾として利用される。そして、取り外した装飾部材は、それぞれの更なる機能を提供することができ、装飾部材が取り外された後もハンガーは、通常通りに使用される。
【0032】
なお、装飾部材は、そのハンガーに掛ける衣服の情報に関係する装飾として構成することができる。例えば、メーカー、ブランド、サイズ、カテゴリーなどに応じて、形状や色などを適宜に設定することで、その衣服に合致して装飾すると同時に、メーカー、ブランド、サイズ、カテゴリーなどの情報を提供する。
【0033】
また、装飾部材として、例えば、そのハンガーに掛ける衣服のメーカーやブランドを特定し、そのメーカーやブランドのロゴやキャラクター、意匠や商標を表示するプレートにすることができる。これにより、その衣服のメーカーやブランドを店頭で主張することができる。更には、持ち帰りのハンガーとして提供した場合、メーカーやブランドの認知や思い入れに強く働きかけることができる。そして、取り外し可能であるので、別体として室内の飾りや仕分けなどに利用することができる。
【0034】
また、装飾部材には、バッチ、ペンダント、模型パーツが形成されることができ、そのハンガーに掛ける衣服のメーカー、ブランド、キャラクターなどに関係したデザインとすることができる。
【0035】
また、装飾部材の取り外し前には、衣服に関するメーカー、ブランド、キャラクターなどとの関係を示して衣服広告の一助とする。そして、取り外し後には、それぞれの機能を発揮する。特に、キャラクター関係であれば、多くのデザインがバッチとして利用可能であり、衣服と対で利用するなどできる。また、模型パーツの場合には、衣服とは全く関係のない機能であるところの、模型組み立ての楽しみを関係する衣服に併せて提供できる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明の含まれるものである。例えば、本実施形態は、ハンガーの形状として、一般的な枠形状を中心に述べているが、これに限らず、開口部が設けられる形状、更には、肩支持部の下方に空間が確保できる形状であれば、さまざまな形状のハンガーに適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10,20,30,40,50 衣服用ハンガー
11,21,31,41,51 フック部
13,23,33,43,53 肩支持部
15,25 装飾部材(ロゴ表示プレート)
16 接合部
17 開口部
35,45 バッチ
55 模型パーツ
47,57 フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック部と、肩支持部とを備え、前記肩支持部に設けられた開口部又は該肩支持部の下部の少なくともいずれかで取り外し可能に支持される装飾部材を備える衣服用ハンガー。
【請求項2】
請求項1において、
前記肩支持部が支持されている前記装飾部材との接合部がハンガー用の強度を維持しつつ取り外し可能な強度で一体成形される衣服用ハンガー。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記装飾部材が前記衣服用ハンガーに掛ける衣服の情報に関係する装飾を備える衣服用ハンガー。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記装飾部材がロゴ表示プレートである衣服用ハンガー。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記装飾部材には少なくとも1つのバッチ又はペンダントが形成される衣服用ハンガー。
【請求項6】
請求項5において、
前記バッチ又はペンダントには取付具用の固定部が形成される衣服用ハンガー。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記装飾部材が取り外して組み立て可能となる模型パーツからなる衣服用ハンガー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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