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衣類のシワ除去及び/又は消臭方法
説明

衣類のシワ除去及び/又は消臭方法

【課題】一般家庭でも簡単に行うことのできる衣類のシワ除去及び/又は消臭方法を提供することにある。さらに、本発明の課題は、該方法に用いられる水蒸気発生組成物及び衣類のシワ除去及び/又は消臭キットを提供すること。
【解決手段】熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むシート材により包囲されてなる空間内に衣類を入れ、水蒸気を導入する衣類のシワ除去及び/又は消臭方法、酸化カルシウム、マグネシウム、鉄及びアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有してなる、前記衣類のシワ除去及び/又は消臭方法に用いられる水蒸気発生組成物、並びに熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むシート材並びに水蒸気発生組成物を有する衣類のシワ除去及び/又は消臭キット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類のシワ除去及び/又は消臭方法並びに該方法に用いられる水蒸気発生組成物及び衣類のシワ除去及び/又は消臭キットに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱処理を施すことで衣類のシワを除去する研究が行われている(特許文献1〜4参照)。また、衣類の保護袋内に有効成分を設置する技術も開示されている(特許文献5参照)。
【0003】
一方、食品分野における加熱手段として、水や空気と混合すると発熱し水蒸気を発生する方法が種々検討されている(特許文献6〜11参照)。
【特許文献1】特開2004-211232号公報
【特許文献2】特開2004-211233号公報
【特許文献3】特開2003−20561号公報
【特許文献4】特開2002−115182号公報
【特許文献5】特開2002−34767号公報
【特許文献6】特開2000−107038号公報
【特許文献7】特開2004−16395号公報
【特許文献8】特開2004−182278号公報
【特許文献9】特開2004−189321号公報
【特許文献10】特開2003−342558号公報
【特許文献11】特開2001−226668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スーツ等の衣類には、着用時に着用ジワが形成される。また、焼肉臭やタバコ臭等の外部環境から付着した臭いは、クリーニング等の方法を用いなければ除去することは困難である。しかしながら、使用するたびにクリーニング等によって衣類のシワ除去や消臭を行うことは、一般家庭では経済的な面から難しい。回転式加熱乾燥装置を用いてシワを除去する方法は特許文献1〜4に開示されており、これらの技術は優れたシワ除去効果を有するが、スーツ等のウール製品に対しては型崩れ等の課題を有する。従って、一般家庭においても衣類の着用ジワや外部環境臭を簡単に除去し得る方法が望まれる。
【0005】
一方、衣類の保護袋は従来汎用されており、また、袋内に保護成分を設置することは特許文献5に記載されている。しかしながら、該公報に記載の保護成分とは、吸湿、防かび、防虫等を目的とするものであり、水蒸気を導入することによる効果を示唆するものではない。また、水や空気と混合すると発熱し、水蒸気を発生する発熱剤を用いる技術は特許文献6〜11に開示されている。しかしながら、これらの技術は食品の加熱を目的としており、衣類のシワ除去について示唆するものではない。
【0006】
従って、本発明の課題は、一般家庭でも簡単に行うことのできる衣類のシワ除去及び/又は消臭方法を提供することにある。さらに、本発明の課題は、該方法に用いられる水蒸気発生組成物及び衣類のシワ除去及び/又は消臭キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
〔1〕 熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むシート材により包囲されてなる空間内に衣類を入れ、水蒸気を導入する衣類のシワ除去及び/又は消臭方法、
〔2〕 酸化カルシウム、マグネシウム、鉄及びアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有してなる、前記衣類のシワ除去及び/又は消臭方法に用いられる水蒸気発生組成物、並びに
〔3〕 熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むシート材並びに水蒸気発生組成物を有する衣類のシワ除去及び/又は消臭キット
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一般家庭でも簡単に衣類のシワを除去することができ、また衣類に付着した外部環境臭を消臭することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のシワ除去及び/又は消臭方法において用いられるシート材は、熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むものである。
【0010】
熱可塑性樹脂シートとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、ナイロン等からなる樹脂シートが挙げられ、これらは未延伸のものであっても、1軸又は2軸延伸によりフィルム状に形成されたものであってもよい。なかでも、熱可塑性樹脂シートとしては、加工形成性、コストの観点から、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、延伸ナイロン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリ塩化ビニル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0011】
熱可塑性樹脂シートの厚みは、10〜2000μmが好ましく、100〜2000μmがより好ましい。
【0012】
不織布としては、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、エアレイ等の乾式不織布の他に、スパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ、ステッチボンド等を挙げることができるが、これらの中では、加工性やコストの観点から、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、メルトブローン及びスパンレースからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0013】
不織布の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等の疎水性繊維、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、セルロース等の親水性繊維等が挙げられ、これらは併用されていてもよいが、水蒸気を導入した際にシート材に水滴が凝集することを防止する観点から、親水性繊維が好ましい。
【0014】
不織布の坪量は、10〜150g/m2が好ましく、10〜100g/m2がより好ましく、15〜80g/m2がさらに好ましい。
【0015】
本発明では、水蒸気を導入した際にシート材に水滴が凝集することを防止する観点から、シート材の少なくとも一部、シート材の、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上の面積が不織布で構成されていることが好ましい。
【0016】
シート材の形状は、衣類を内包することができるものであれば特に限定されず、箱状、袋状等のいずれであってもよいが、取り扱いの簡便性等の観点から、袋状に成形された袋状物品が好ましい。
【0017】
シート材の形状にかかわらず、衣類を出し入れする開口部はファスナー等により開閉自在であることが好ましく、また、衣類を内包する空間上方には水蒸気が逃げる開口部が設けられていることが好ましい。
【0018】
シート材が袋状物品である場合は、衣類等を吊したハンガーごと内包可能な形状が好ましく、例えば、ハンガーのフック部を自在に脱着できる掛止部を水蒸気が逃げる開口部と兼用することもできる。
【0019】
本発明では、シート材により包囲された空間内に衣類を入れ、水蒸気を導入する。水蒸気の導入には、加湿器等の市販の水蒸気発生装置を用いることもできるが、簡便性の点から、水と接触して水蒸気を発生する化合物(以下、単に化合物(a)ともいう)を含有した水蒸気発生組成物を用いることが好ましい。ここで、水と接触して水蒸気を発生する化合物には、液体状の水との接触のみならず、空気中の水分との接触により水蒸気を発生する化合物も含まれる。
【0020】
化合物(a)としては、酸化カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム等が挙げられるが、これらの中では、水蒸気の発生量及び発生時間の観点から、酸化カルシウム、マグネシウム、鉄及びアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、発熱量及び水蒸気発生量の観点から、酸化カルシウムとアルミニウムとの混合物がより好ましい。酸化カルシウムとアルミニウムとの質量比(酸化カルシウム/アルミニウム)は、10/1〜1/5が好ましく、5/1〜1/5がより好ましく、1/1〜1/4がさらに好ましい。
【0021】
化合物(a)は、粉末状又は顆粒状であることが好ましく、その平均粒径は、水や空気に接触した際の発熱のし易さや取り扱いのし易さの観点から、50〜1000μmが好ましく、100〜500μmがより好ましい。
【0022】
水蒸気発生組成物における化合物(a)の含有量は、50〜99質量%が好ましく、70〜99質量%がより好ましく、80〜99質量%がさらに好ましい。
【0023】
本発明において、水蒸気発生組成物は、衣類の消臭効果を高める観点から、香料を含有していることが好ましい。
【0024】
香料としては、20℃における蒸気圧が0.040mmHg未満の消臭性香料〔(b-1)成分〕及び20℃における蒸気圧が0.040mmHg以上の消臭性香料〔(b-2)成分〕を含有していることが好ましい。
【0025】
(b-1)成分としては、アンバーコアー、ベンジルベンゾエート、テンタローム(tentarome)、リラール(lyral)、リリアール(lilial)、エチレンバシレート、サリチル酸 cis-3-ヘキセニル、クマリン、α-テルピネオール、アンブロキサン(ambroxan)、ガラクソリド(galaxolide)、オキサライド(oxalide)、バニリン、メチルイオノン、MDJ、イソ・イー・スーパー(iso E super)、イオノン−A(ionone-A)、イオノン−B(ionone-B)、サリチル酸ヘキシル、セドリルメチルエーテル、γ−ウンデカラクトン(aldehyde C-14 peach)、DPG、合成サンダル(sandal synth)、フェネチルアルコール、ヘリオナール、ゲラニオール、ダマセノン、cis-ジャスモン、β-ダマスコン等が挙げられる。
【0026】
(b-1)成分の含有量は、香料中、10〜95質量%が好ましい。
【0027】
(b-2)成分としては、cis-3-ヘキサノール、リナロール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0028】
(b-2)成分の含有量は、香料中、5〜80質量%が好ましい。
【0029】
(b-1)成分と(b-2)成分との質量比((b-1)成分/(b-2)成分)は、1/5〜5/1が好ましく、1/2〜5/1がより好ましく、1/1〜3/1がさらに好ましい。
【0030】
また、(b-1)成分と(b-2)成分の総含有量は、衣類に好ましい香りを持続的に付与する観点から、香料の総量中、15〜80質量%が好ましく、15〜70質量%がより好ましく、15〜60質量%がさらに好ましい。
【0031】
さらに、香料として、(b-1)成分及び(b-2)成分以外の香料が含有されていてもよく、これらの香料は「香料の化学」、日本化学会編、産業化学シリーズ、赤星亮一著、昭和58年、大日本図書株式会社に記載の香料成分を目的の香調に調製する目的から任意に選択することができる。
【0032】
(b-1)成分及び(b-2)成分以外の香料成分としては、オークモス油、グァヤク油、ケード油、バーチ油、パチョリ油、ラブダナム油、1-メチル-3,4−ジオキシ(シクロアセトニル)ベンゼン、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセニル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン、2,4-ジメチル-4-フェニルテトラヒドロフラン、3-フェニルプロピオンアルデヒド、3-イソカンフィルシクロヘクサノールの異性体混合物、3,3,5,5-テトラメチル-4-(1-エトキシビニル)シクロヘキサノン、3,7-ジメチル-2(3),6-ノナジエンニトリル、6-メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、7-ウンデセナールと8-ウンデセナールと9-ウンデセナールと10-ウンデセナールの混合物(商品名:インタレーベンアルデヒド(アイエフエフ社)等)、9-シクロヘキサデセノリド、インドール、オクタナール、クミニルニトリル、デカナール、ノナナール、ヒドロキシシトロネラールとインドールのシッフベース、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、メチルオクチルアセトアルデヒド、オークモス油、グァヤク油、ケード油、バーチ油、ラブダナム油、パチョリ油、1-メチル-3,4-ジオキシ(シクロアセトニル)ベンゼン、2,4-ジメチル-4-フェニルテトラヒドロフラン、3-フェニルプロピオンアルデヒド、6-メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、7-ウンデセナールと8-ウンデセナールと9-ウンデセナールと10-ウンデセナールの混合物、インドール、オクタナール、デカナール、ノナナール及びメチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、シダー葉油、バジル油、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、2-ペンチル-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-フェニルプロピオンアルデヒド、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、4-(4-メトキシフェニル)-2-ブタノン、6/7-エチリデンオクタヒドロ-5,8-メタノ-(2H)-1-ベンゾピラン-2-オン、γ-ノナラクトン、アセトフェノン、アニスアルデヒド、アンスラニル酸メチル、アンスラニル酸メチルと2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナールのシッフベース、アンスラニル酸メチルと2-メチルペンタナールのシッフベース、アンスラニル酸メチルと4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドのシッフベース、アンスラニル酸メチルとデカナールのシッフベース、アンスラニル酸メチルとメチルノニルアセトアルデヒドのシッフベース、クマリン、チモール、メチルアンスラニル酸メチル
【0033】
本発明における香料は、水蒸気発生組成物における貯蔵安定性の観点から、粉末状又は顆粒状の形状で含有されていることが好ましい。具体的には、香料を吸油担体に含浸させた香料含有粒子又は香料を吸油粉体に含浸させ水溶性バインダーで処理した香料粒子として水蒸気発生組成物中に含有されていることが好ましい。
【0034】
香料粒子中の香料の含有量は、5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
【0035】
吸油担体としては、ビスコパール等のセルロース顆粒、ホワイトカーボン、デキストリン及び芒硝からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0036】
ホワイトカーボンとしては、特開昭62−191417号公報(第2頁右下欄第19行〜第5頁左上欄第17行参照、特に初期温度は15〜60℃の範囲が好ましい)、特開昭62−191419号公報(第2頁右下欄第20行〜第5頁左上欄第11行参照)等に記載の非晶質アルミノシリケートや、特開平9−132794号公報、特開平7−10526号公報、特開平6−227811号公報、特開平8−119622号公報等に記載の非晶質アルミノシリケート(吸油能:285mL/100g)等が挙げられる。
【0037】
本発明において好適に用いられるホワイトカーボンの市販品としては、「トクシールNR」(徳山ソーダ(株)製、吸油能:210〜270mL/100g)、「フローライト」(徳山ソーダ(株)製、吸油能:400〜600mL/100g)、「TIXOLEX 25」(韓仏化学社製、吸油能:220〜270mL/100g)、「サイロピュア」(富士ディビソン(株)製、吸油能:240〜280mL/100g)等が挙げられる。
【0038】
デキストリンとは、デンプンの部分加水分解によって得られるものである。デンプン分子は加水分解によって次第に小分子となり、最終的にグルコースになるが、その加水分解の程度によって、各種糖類の混合物が製造される。デンプンの加水分解は、酸触媒法または酵素触媒法のような標準法によって行うことができ、具体的には、特開平8−143603号公報記載の製造方法等が挙げられる。
【0039】
本発明で用いられるデキストリンとしては、水溶性デンプン、化工デンプン又はこれらの誘導体であって、リン酸デンプン等のエステル化デンプン、カルボキシメチル化デンプン等のエーテル化デンプン、マルトデキストリン等の酵素変性デキストリン、焙焼デキストリン等が挙げられ、これらの中では、吸収性及び保持能の観点から、酵素変性デキストリン及び焙焼デキストリンが好ましい。
【0040】
さらに、下記式で定義されるデキストロース当量値(以下D.E.値という)が0〜8の非還元末端デンプンと、水溶性デンプン、化工デンプン又はこれらの誘導体であって、水素添加によりグルコース末端を還元末端としたデンプンを所定の割合で混合して得られるデンプンを用いるのが好ましい。非還元末端デンプンとは両末端が非還元末端である(還元末端を有しない)デンプンのことである。
D.E.値=[直接還元糖(グルコースとして表示)/固形分]×100
特に、デキストリンとして、D.E.値が0〜8の範囲でかつ水素添加処理を施されているものが好ましく、さらにD.E.値が0〜3の範囲で水素添加処理を施され、グルコース末端を還元末端としたデンプンを混合したデンプン担体を含むものが好ましい。
【0041】
デキストリンの比容積は、デキストリンへの吸油能の観点から、5〜10m2/gが好ましい。また、デキストリンのガラス転移温度は、高温での安定性の観点から200℃以上が好ましい。
【0042】
芒硝としては、四国化成(株)製のA6芒硝等の一般市販品を用いることができるが、溶解性の観点からは、粒径が20μm以下の粒子を90%以上含有していることが好ましい。
【0043】
香料粒子中の吸油担体の含有量は50質量%以上が好ましく、60〜75質量%がより好ましい。また、香料粒子は吸油担体としてデキストリンを含有することが好ましく、香料粒子中のデキストリンの配合量は、香料粒子が硬くならず、溶解性や生産性(造粒性)を低下させず、又、粒子強度を低下させない等の観点から、3〜30質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
【0044】
香料粒子に用いられる水溶性バインダーとしては、熱可塑性水溶性バインダー等が挙げられ、なかでも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0045】
水溶性バインダーが高分子化合物の場合、その重量平均分子量は、造粒する際の粘度の観点から、4,000〜20,000が好ましく、5,000〜13,000がより好ましく、5,500〜13,000がより好ましく、5,500〜9,000がさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ポリスチレンを標準としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される。本発明では、製造時のハンドリング性及び粒子の均一性の観点から、溶融状態のバインダーと固体状態のバインダーとを併用して用いることがより好ましく、溶融/固体(質量比)は、100/0〜20/80が好ましく、80/20〜30/70がより好ましく、70/30〜40/60がさらに好ましい。
【0046】
香料粒子中の水溶性バインダーの配合量は、粒子の強度を保つ観点から、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。
【0047】
香料粒子における吸油担体と水溶性バインダーとの質量比(吸油担体/水溶性バインダーは、粒子強度や製造適性の観点から、7/1〜2/1が好ましく、5/1〜2/1がより好ましい。
【0048】
水蒸気発生組成物における香料の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。
【0049】
本発明に用いられる水蒸気発生組成物は、容器に格納した形態で用いられることが好ましく、使用する際に水を該容器に添加し、水蒸気発生組成物を水と混合することで発熱反応を行わせ、水蒸気を発生させることが好ましい。
【0050】
水蒸気組成物を格納する容器は、熱可塑性樹脂製であることが好ましく、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレングリコールテレフタレート、エステル、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれた熱可塑性樹脂から構成される容器がより好ましい。
【0051】
水蒸気発生組成物を格納する容器は、厚みが1〜250μmの袋状であることが好ましい。また容器の容量は、500〜2000mlが好ましく、500〜1000mlがより好ましい。
【0052】
水蒸気発生組成物を格納する容器は、水を添加することができる開閉可能な開口部及び水蒸気を吐出する開口部を具備していることが好ましい。例えば、開閉可能な開口部の具体例としては、ファスナーの取り付け等が挙げられる。また、水蒸気を吐出する開口部は、発生する水蒸気量等によっても異なるため一概には決定できないが、0.05〜1cm2が好ましく、0.1〜0.5cm2がより好ましい。
【0053】
さらに、水蒸気発生組成物を格納する容器とシート材の少なくとも一方には、該容器をシート材に脱着可能に接合することができる接合部位が具備されていることが好ましい。該容器をシート材に接合する方法の具体例としては、シート材及び/又は該シート材に粘着テープやベルクロテープ(面ファスナー、マジックテープ)を取り付けて接合する方法、シート材にポケット状の袋を設けてシート材に該容器を挿入する方法等が挙げられる。
【0054】
水の使用量は、水蒸気発生組成物に含有される化合物(a)の種類や量によって異なり、水蒸気が発生するのに十分な量であれば特に限定されない。
【0055】
本発明により衣類を処理する具体的な方法としては、例えば、水蒸気発生組成物を格納した容器に水を添加し、容器を密閉し、かかる容器をシート材内部に設置して、発生した水蒸気をシート材内部に充満させて衣類を処理する方法が挙げられる。
【0056】
本発明において、水蒸気を発生させて衣類を処理する時間は、5〜30分が好ましく、5〜20分がより好ましい。
【0057】
水蒸気で処理した後の衣料は、物品(a)から取り出し、自然乾燥することにより、着用可能な状態となる。
【0058】
本発明のシワ除去及び/又は消臭方法は、一般家庭でも容易に実施することができる簡便な方法である。本発明に用いられる衣類の素材も特に限定されないが、一般家庭で洗濯が困難な素材を含む衣類のシワ除去、消臭効果に優れる。特に家庭での洗濯が困難な衣類である、ウール製のスーツやコート等であっても型崩れすることなく、シワ除去・消臭効果が得られる。さらに、熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むシート材並びに水蒸気発生組成物を有する衣類のシワ除去及び/又は消臭キットを利用することにより、より簡便に本発明のシワ除去及び/又は消臭方法を実施することができる。
【実施例】
【0059】
実施例1
図1に示す袋状物品1及び水蒸気発生組成物2を格納した容器3を用いて、水蒸気により衣服を処理した。
【0060】
図1に示す袋状物品1は、表面が厚さ200μmのポリ塩化ビニル系樹脂フィルムであり、側面及び裏面がレーヨン繊維(1.7dtex×40mm)とアクリル繊維(0.9dtex×51mm)と、芯がポリプロピレンからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘繊維(1.0dtex×38mm)とを、50/25/25の質量比(レーヨン繊維/アクリル繊維/芯鞘繊維)で混合したエアースルー不織布(坪量70g/m2)からなる袋状物品である。袋状物品1は、上部に水蒸気吐出口兼ハンガー掛止部4を、底部にファスナーにより開閉可能な開口部5をそれぞれ有する。
【0061】
図2に示す水蒸気発生組成物を格納した容器3は、厚さ200μmのポリ塩化ビニル樹脂フィルムにより袋状に成形したものであり、内容積は1000mlである。容器3は、ファスナーにより開閉可能な水注水口6と水蒸気吐出口(1cm2)7を有する。さらに、粘着テープが貼付されており、袋状物品1内に脱着可能に固定することができる。
【0062】
衣類ジワ及びタバコ臭を付着させた、ウール製の衣類をハンガー8にかけて、ハンガーごと袋状物品内に格納した。ここで、衣類ジワに関しては、繊維機械学会誌51(12),T252(1998)に記載のIWS法に準じて調製し、また、タバコ臭に関しては、明らかにタバコ臭を感知できるまで喫煙ルームにスーツ生地を吊しておくことにより調製した。
【0063】
酸化カルシウム(平均粒径200μmの粉末状)23質量%、アルミニウム(平均粒径250μmの粉末状)73質量%及び香料粒子4質量%からなる水蒸気発生組成物150gを容器内に入れ、水150gを添加した後、ファスナーを閉じた。粘着テープにより容器を袋状物品内に固定し、袋状物品のファスナーを閉じて20分間放置した。その後、5名の専門パネラーにより、処理を施した衣類と全く処理を施さなかった衣類に残るタバコ臭の有無について評価を行った。
【0064】
その結果、処理を施した衣類については、処理後、衣類を取り出し、自然乾燥した結果、衣類の着用シワは消え、タバコ臭も全く感知できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の衣類のシワ除去及び/又は消臭方法は、一般に家庭においても容易に行うことのできる簡便な方法である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明に用いられる袋状物品及び水蒸気発生組成物の使用形態の一例を示す図である。
【図2】図2は、本発明に用いられる水蒸気発生組成物を格納する容器の形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 袋状物品
2 水蒸気発生組成物
3 容器
4 水蒸気吐出口兼ハンガー掛止部
5 開口部
6 水注入口
7 水蒸気吐出口
8 ハンガー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むシート材により包囲されてなる空間内に衣類を入れ、水蒸気を導入する衣類のシワ除去及び/又は消臭方法。
【請求項2】
水蒸気の導入を、水と接触して水蒸気を発生する化合物を含有した水蒸気発生組成物を用いて行う請求項1記載の衣類のシワ除去及び/又は消臭方法。
【請求項3】
水と接触して水蒸気を発生する化合物が、酸化カルシウム、マグネシウム、鉄及びアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の衣類のシワ除去及び/又は消臭方法。
【請求項4】
水蒸気発生組成物が、さらに香料を含有してなる請求項2又は3記載の衣類のシワ除去及び/又は消臭方法。
【請求項5】
衣類を内包するシート材が袋状に成形された袋状物品である請求項1〜4いずれか記載の衣類のシワ除去及び/又は消臭方法。
【請求項6】
酸化カルシウム、マグネシウム、鉄及びアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有してなる、請求項2〜5いずれか記載の衣類のシワ除去及び/又は消臭方法に用いられる水蒸気発生組成物。
【請求項7】
さらに、香料を含有してなる請求項6記載の水蒸気発生組成物。
【請求項8】
熱可塑性樹脂シート及び/又は不織布を含むシート材並びに水蒸気発生組成物を有する衣類のシワ除去及び/又は消臭キット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−342473(P2006−342473A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171456(P2005−171456)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】