衣類乾燥機
【課題】フィルターの目詰り時も、適度な乾き具合で運転を終了し省エネ性を向上する。
【解決手段】制御手段17は、通常は乾燥度検出手段16からの単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置4の駆動を行う残り時間を決定し、フィルター目詰まり検出手段18によりフィルター13の目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、ヒートポンプ装置の圧縮機5を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたものである。
【解決手段】制御手段17は、通常は乾燥度検出手段16からの単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置4の駆動を行う残り時間を決定し、フィルター目詰まり検出手段18によりフィルター13の目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、ヒートポンプ装置の圧縮機5を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の乾燥をおこなう衣類乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の衣類乾燥機は、乾燥度検出手段により検出した情報に基づいて乾燥運転を自動的に終了することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、特許文献1に記載された従来の衣類乾燥機を示すものである。図10に示すように、本体51の下部に駆動源となるモータ52を設けており、このモータ52によって本体51の背面側に設けた送風ファン53および回転ドラム54を回転させるようにしている。また、本体51の正面側に熱源となるヒータ55を配設し、送風ファン53の回転によりヒータ55を通って加熱された温風が、温風吹出口56を通して回転ドラム54内に導入され、回転ドラム54内に収容された衣類が加熱乾燥される。送風経路の一部を形成する回転ドラム54の奥壁にフィルター57を装着し、衣類から出るリントが機外に放出しないようにしている。矢印Aは風の流れを示している。
【0004】
また、58は電極で、運転中は回転ドラム54内で撹拌されている衣類に接触するようにしている。この電極58は、図11に示すように2個の導電部材58aと、この導電部材58aを電気的に絶縁する絶縁部材58bとで構成され、導電部材58aに衣類が接触することにより導電部材58a間の抵抗値を検出することによって衣類の乾燥状態を検知するようにしている。
【0005】
そして、図12に示すように、導電部材58a間の抵抗値が所定時間T1連続して設定値aよりも大きくなった時刻t2より、一定の遅延時間T3経過した時刻t4において運転を終了するようにしている。一定の遅延時間T3の間は、通常時の設定と変わらないヒータ入力が入っている。なお、遅延時間T3を設定するのは、時刻t2においては乾燥が不十分であるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−327899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、衣類から発生したリントがフィルターに付着するなどの要因により乾燥の速度が変化するため、適度な乾き具合に応じた遅延時間T3を設定することが困難であるという課題があった。また、遅延時間の間も通常時と変わらない電力を消費しており、エネルギーを多く使うという課題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、フィルターが目詰まりしている状態であっても、適度な乾き具合で運転を終了し、省エネ性を向上することができる衣類乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の衣類乾燥機は、通常は乾燥度検出手段からの単位時間当りに抵抗検知手段によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回
数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を決定し、フィルター目詰まり検出手段によりフィルターの目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたものである。
【0010】
これにより、フィルターが目詰まりしている状態でも、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうことにより、モータ効率が高く省エネ性を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の衣類乾燥機は、フィルターが目詰まりしている状態でも、正確に衣類の乾燥検知をおこなうことができ、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における衣類乾燥機のシステム概念図
【図2】同衣類乾燥機のブロック図
【図3】同衣類乾燥機の要部断面図
【図4】同衣類乾燥機の要部断面図
【図5】同衣類乾燥機の電極の斜視図
【図6】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしていないときの抵抗検知手段および温度検知手段の出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図7】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしているときの抵抗検知手段および温度検知手段の出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図8】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしているときの抵抗検知手段および温度検知手段出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図9】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしているときの抵抗検知手段および温度検知手段出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図10】従来の衣類乾燥機の要部断面図
【図11】同衣類乾燥機の電極の斜視図
【図12】同衣類乾燥機の抵抗検知部の出力特性図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、衣類等を収容し乾燥させる回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、圧縮機と圧縮された冷媒の熱を放熱する放熱器と高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り手段と減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う吸熱器とを冷媒が循環するように管路で連結したヒートポンプ装置と、前記ヒートポンプ装置により加熱された温風を前記回転ドラムへ供給する送風ファンと、前記送風ファンにより送風される乾燥用空気を前記吸熱器から前記放熱器へと流して前記回転ドラムへと導く風路と、前記風路内に配設され衣類等から発生するリントを回収するフィルターと、前記回転ドラム内の衣類の抵抗値を検知する抵抗検知手段と、前記抵抗検知手段より衣類の乾燥度を検出する乾燥度検出手段と、前記放熱器の前記管路を流れる冷媒の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により前記フィルターの目詰まり度合いを検出するフィルター目詰まり検出手段と、前記ヒートポンプ装置等を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、通常は前記乾燥度検出手段からの単位時間当りに前記抵抗検知手段によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を決定し、前記フィルター目詰まり検出手段によりフィルターの目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0と
なった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたことにより、フィルターの目詰まりを検知して、正確に衣類の乾燥検知をおこなうことができ、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうことにより、モータ効率が高く省エネ性を向上することができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、圧縮機の回転数を通常時の約半分で残り時間の運転をおこなうようにしたことにより、フィルターが目詰まりしても正確に乾燥検知をして適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段の閾値を通常時より低くして残り時間の運転をおこなうようにしたことにより、フィルターが目詰まりしても正確に乾燥検知をして適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における衣類乾燥機のシステム概念図で、ヒートポンプ装置の構成と乾燥用空気の流れを示している。図2は、同衣類乾燥機のブロック図、図3および図4は、同衣類乾燥機の要部断面図、図5は、同衣類乾燥機の電極の斜視図である。
【0018】
図1〜図5において、衣類等の乾燥対象Cを入れて乾燥させる回転ドラム1は、衣類乾燥機の本体2内に回転自在に設け、モータ3の駆動によりベルト(図示せず)を介して回転させるようにしている。
【0019】
ヒートポンプ装置4は、圧縮機5と、この圧縮機5で圧縮された冷媒の熱を放熱する放熱器6と、高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り弁や毛細管等からなる絞り手段7と、減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う吸熱器8とを冷媒が循環するように管路9で連結されており、冷媒は図1の矢印Bの方向に流れて循環し、ヒートポンプサイクルを実現する。温度検知手段10は、放熱器6の管路9に設けて冷媒の温度を検知するようにしている。
【0020】
乾燥用空気は、モータ3の駆動によりベルト(図示せず)を介して送風ファン11を回転させて風路12に送風し、ヒートポンプ装置4の吸熱器8から放熱器6を通過した後、衣類等を入れた乾燥室としての回転ドラム1へと導かれ、風路12に配設された吸熱器8および放熱器6と、回転ドラム1との間を循環する。
【0021】
吸熱器8では、回転ドラム1内の湿った衣類と接触して多湿となった乾燥用空気を冷却除湿し、放熱器6では、吸熱器8で除湿された乾いた低温の乾燥用空気を再加熱して回転ドラム1へと送り込む。フィルター13は、回転ドラム1の後面の中央部に着脱可能に取り付けられ、乾燥用空気中の衣類から発生したリントやほこりを捕捉し回収する。
【0022】
衣類の乾燥度を検出する電極14は、乾燥運転中は、回転ドラム1内の衣類に接触するように回転ドラム1内に配設している。電極14は、金属製の2個の導電部材14aと、この導電部材14aを電気的に絶縁する絶縁部材14bとで構成され、導電部材14aに
回転ドラム1内で撹拌されている衣類が接触することによって、導電部材14a間の抵抗値Rを検知し、衣類の乾燥状態を検出するようにしている。
【0023】
抵抗検知手段15は、乾燥運転中に回転ドラム1内の衣類が電極14の2個の導電部材14a間に跨って接触した衣類の抵抗値を検出するもので、乾燥度検出手段16は、抵抗検知手段15によって検知した衣類の抵抗値が、所定の値よりも小さくなったことを検出した回数の時間変化の情報より衣類の乾燥度を検出する。
【0024】
制御手段17は、抵抗検知手段15と乾燥度検出手段16の情報が入力され、また、温度検知手段10とフィルター目詰まり検出手段18の情報が入力され、モータ3と、ヒートポンプ装置4の圧縮機5および送風ファン11、報知手段19等を制御する。
【0025】
乾燥度検出手段16は、抵抗検知手段15により検知した衣類の抵抗値によって乾燥度を検出し、フィルター目詰まり検出手段18は、温度検知手段10により検知した温度情報によってフィルター13の目詰まり度合いを検出する。フィルター目詰まり検出手段18によりフィルター13の目詰まりを検出すると、報知手段19により報知する。
【0026】
制御手段17は、乾燥度検出手段16と温度検知手段10の情報により、ヒートポンプ装置4およびモータ3を制御し、圧縮機5の回転数Rは、制御手段17により一定速または温度検知手段10の情報により制御している。
【0027】
以上のように構成された衣類乾燥機について、以下その動作、作用を説明する。まず、本体2の前面に開閉自在に設けられた扉20を開いて乾燥対象Cの衣類を回転ドラム1内に投入し、乾燥運転を開始すると、モータ3が駆動し、回転ドラム1および送風ファン11が回転して風路12に乾燥用空気の流れ(矢印A)が生じる。乾燥用空気は、回転ドラム1内の衣類から水分を奪って多湿となった後、風路12内を通ってヒートポンプ装置43の吸熱器8へ導かれる。
【0028】
吸熱器8で低温の冷媒に熱を奪われた乾燥用空気は、冷却除湿されて乾いた低温の空気となって放熱器6へ運ばれる。吸熱器8で吸熱された熱量に、圧縮機5からの熱量が加わって高温となった冷媒からの放熱で加熱され、吹き出し口21から再び回転ドラム1内へと循環される。以上の繰り返しで衣類の乾燥が進行する。
【0029】
図6は、フィルター13が目詰まりしていないときの、抵抗検知手段15および温度検知手段10の出力特性と、圧縮機5の回転数の時間変化を示し、図7は、フィルター13が目詰まりしているときの、抵抗検知手段15および温度検知手段10の出力特性と、圧縮機5の回転数の時間変化を示したものである。
【0030】
図6(a)、図7(a)は、平均的な普通の衣類を乾燥させたときの、単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数Yの時間変化を示したものである。
【0031】
乾燥運転当初にはy1、y2であったものが、乾燥の進行により徐々に回数が減少し、時刻t7、t10において0となる。フィルター13が目詰まりしていない場合や衣類の水分量が少ないときは、乾燥運転当初の電極14に湿った部分が当たる頻度が低く、y1が小さくなるため、乾燥に時間がかかるためt7が早くなる。逆に、フィルターが目詰まりしている場合や衣類の水分量が多いときはt7が遅くなる。
【0032】
図7(b)に示すように、圧縮機5が一定回転数で回転しているときの温度検知手段10の検知温度がth1からth2まで上昇する時間T6(t4からt5までの時間)が、
図6(b)に示す時間T3(t1からt2までの時間)より早い場合は、フィルター目詰まり検出手段18はフィルター13が目詰まりしていると判定する。
【0033】
制御手段17は、乾燥度検出手段16とフィルター目詰まり検出手段18の情報によって、乾燥運転終了時に適度な乾燥状態になるように、時刻t5以降の運転時間T8、T11を決定し、ヒートポンプ装置4の圧縮機5の回転数R1は変更せずに時刻t7、t10まで駆動する。
【0034】
図6(a)と図7(a)を比較すると、y1とy2はほぼ同じ値であるが、図7(a)の方がフィルター13が目詰まりしているので乾燥速度が遅く、t10はt7よりも遅くなる。また、残りの運転時間T11は、乾燥速度が遅いため、図6のT8よりも長い時間になる。
【0035】
次に、図8(a)は、フィルター13が目詰まりしているときに、図7と同じ普通の衣類を乾燥させたときの、単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数Yの時間変化を示したものである。
【0036】
乾燥運転当初にはy2であったものが、乾燥の進行により徐々に回数が減少し、時刻t10において0となる。図7(b)と同様に、図8(b)においてもフィルター13が目詰まりしているために通過風量が少なくなり、時間T6(t4からt5までの時間)が、図6(b)に示す時間T3(t1からt2までの時間)より早くなっており、フィルター目詰まり検出手段18はフィルター13が目詰まりしていると判定する。
【0037】
制御手段17は、乾燥度検出手段16とフィルター目詰まり検出手段18の情報によって、乾燥運転終了時に適度な乾燥状態になるように時刻t10以降の運転時間T13を決定し、図8(c)に示すように、制御手段17によりヒートポンプ装置4の圧縮機5を時刻t14まで駆動するとともに、圧縮機5の回転数RをR1からR2へ低下させる。
【0038】
ヒートポンプ装置4の圧縮機5の回転数は、所定時間t10からt14まで通常時より回転数を落としているが、衣類はそれまでの乾燥運転でほぼ乾燥しているのに加え、衣類も温まっており、十分に衣類を乾燥させることができる。また、圧縮機5の回転数を低くしているので入力が少なくなり、消費電力を抑えることができる。
【0039】
また、図9(c)に示すように、温度検知手段10の設定値は、所定時間t10からt14まで通常時の設定値th4からth5まで落としているが、衣類はそれまでの乾燥運転でほぼ乾燥しているのに加え、衣類も温まっており、十分に衣類を乾燥させることができる。また、温度検知手段10の設定値thをth4からth5へ低くすることで、圧縮機5の回転数を抑えることができ、ヒートポンプ装置4への入力が少なくてすみ、消費電力を抑えることができる。
【0040】
図6(a)と、図7(a)、図8(a)を比較すると、y1とy2は、ほぼ同じ値であるが、フィルター13が目詰まりしているために通過風量が少なく、乾燥速度が遅くなり、t10はt7よりも遅くなる。図7、図8において、残りの運転時間T11、T13は、乾燥速度が遅いため、図6のT8よりも長い時間になる。
【0041】
また、ヒートポンプ装置4の圧縮機5の回転数も、フィルター13が目詰まりしていると、風量が少ないため冷媒の圧力が高くなり、圧縮機5を駆動する電力消費量が多く必要になる。そのため、圧縮機5の回転数を低くすることによって消費電力を抑えることができる。圧縮機5の回転数を抑えても風量が低下しているため、温風の温度はフィルター13が目詰まりしていないときの温風の温度と略同等になり、十分に衣類を乾燥させること
ができる。
【0042】
以上のように、本発明の衣類乾燥機は、通常は乾燥度検出手段16からの単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置4の駆動を行う残り時間を決定し、フィルター目詰まり検出手段18によりフィルター13の目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置4の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、ヒートポンプ装置4の圧縮機5を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたものであり、フィルター13が目詰まりしている状態であっても、適度な乾き具合に応じた遅延時間を設定し、衣類を適度な乾き具合まで乾かせてから乾燥運転を終了することできるとともに、ヒートポンプ装置4の圧縮機5を効率よく駆動することができるので省エネ性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかる衣類乾燥機は、フィルターが目詰まりしている状態でも、正確に衣類の乾燥検知をおこなうことができ、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができるので、衣類乾燥機として有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 回転ドラム
3 モータ
4 ヒートポンプ装置
5 圧縮機
6 放熱器
7 絞り手段
8 吸熱器
9 管路
10 温度検知手段
11 送風ファン
12 風路
13 フィルター
15 抵抗検知手段
16 乾燥度検出手段
17 制御手段
18 フィルター目詰まり検出手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の乾燥をおこなう衣類乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の衣類乾燥機は、乾燥度検出手段により検出した情報に基づいて乾燥運転を自動的に終了することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、特許文献1に記載された従来の衣類乾燥機を示すものである。図10に示すように、本体51の下部に駆動源となるモータ52を設けており、このモータ52によって本体51の背面側に設けた送風ファン53および回転ドラム54を回転させるようにしている。また、本体51の正面側に熱源となるヒータ55を配設し、送風ファン53の回転によりヒータ55を通って加熱された温風が、温風吹出口56を通して回転ドラム54内に導入され、回転ドラム54内に収容された衣類が加熱乾燥される。送風経路の一部を形成する回転ドラム54の奥壁にフィルター57を装着し、衣類から出るリントが機外に放出しないようにしている。矢印Aは風の流れを示している。
【0004】
また、58は電極で、運転中は回転ドラム54内で撹拌されている衣類に接触するようにしている。この電極58は、図11に示すように2個の導電部材58aと、この導電部材58aを電気的に絶縁する絶縁部材58bとで構成され、導電部材58aに衣類が接触することにより導電部材58a間の抵抗値を検出することによって衣類の乾燥状態を検知するようにしている。
【0005】
そして、図12に示すように、導電部材58a間の抵抗値が所定時間T1連続して設定値aよりも大きくなった時刻t2より、一定の遅延時間T3経過した時刻t4において運転を終了するようにしている。一定の遅延時間T3の間は、通常時の設定と変わらないヒータ入力が入っている。なお、遅延時間T3を設定するのは、時刻t2においては乾燥が不十分であるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−327899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、衣類から発生したリントがフィルターに付着するなどの要因により乾燥の速度が変化するため、適度な乾き具合に応じた遅延時間T3を設定することが困難であるという課題があった。また、遅延時間の間も通常時と変わらない電力を消費しており、エネルギーを多く使うという課題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、フィルターが目詰まりしている状態であっても、適度な乾き具合で運転を終了し、省エネ性を向上することができる衣類乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の衣類乾燥機は、通常は乾燥度検出手段からの単位時間当りに抵抗検知手段によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回
数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を決定し、フィルター目詰まり検出手段によりフィルターの目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたものである。
【0010】
これにより、フィルターが目詰まりしている状態でも、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうことにより、モータ効率が高く省エネ性を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の衣類乾燥機は、フィルターが目詰まりしている状態でも、正確に衣類の乾燥検知をおこなうことができ、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における衣類乾燥機のシステム概念図
【図2】同衣類乾燥機のブロック図
【図3】同衣類乾燥機の要部断面図
【図4】同衣類乾燥機の要部断面図
【図5】同衣類乾燥機の電極の斜視図
【図6】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしていないときの抵抗検知手段および温度検知手段の出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図7】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしているときの抵抗検知手段および温度検知手段の出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図8】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしているときの抵抗検知手段および温度検知手段出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図9】同衣類乾燥機のフィルターが目詰まりしているときの抵抗検知手段および温度検知手段出力特性と、圧縮機の回転数の時間変化を示す図
【図10】従来の衣類乾燥機の要部断面図
【図11】同衣類乾燥機の電極の斜視図
【図12】同衣類乾燥機の抵抗検知部の出力特性図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、衣類等を収容し乾燥させる回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、圧縮機と圧縮された冷媒の熱を放熱する放熱器と高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り手段と減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う吸熱器とを冷媒が循環するように管路で連結したヒートポンプ装置と、前記ヒートポンプ装置により加熱された温風を前記回転ドラムへ供給する送風ファンと、前記送風ファンにより送風される乾燥用空気を前記吸熱器から前記放熱器へと流して前記回転ドラムへと導く風路と、前記風路内に配設され衣類等から発生するリントを回収するフィルターと、前記回転ドラム内の衣類の抵抗値を検知する抵抗検知手段と、前記抵抗検知手段より衣類の乾燥度を検出する乾燥度検出手段と、前記放熱器の前記管路を流れる冷媒の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により前記フィルターの目詰まり度合いを検出するフィルター目詰まり検出手段と、前記ヒートポンプ装置等を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、通常は前記乾燥度検出手段からの単位時間当りに前記抵抗検知手段によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を決定し、前記フィルター目詰まり検出手段によりフィルターの目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0と
なった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたことにより、フィルターの目詰まりを検知して、正確に衣類の乾燥検知をおこなうことができ、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうことにより、モータ効率が高く省エネ性を向上することができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、圧縮機の回転数を通常時の約半分で残り時間の運転をおこなうようにしたことにより、フィルターが目詰まりしても正確に乾燥検知をして適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段の閾値を通常時より低くして残り時間の運転をおこなうようにしたことにより、フィルターが目詰まりしても正確に乾燥検知をして適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における衣類乾燥機のシステム概念図で、ヒートポンプ装置の構成と乾燥用空気の流れを示している。図2は、同衣類乾燥機のブロック図、図3および図4は、同衣類乾燥機の要部断面図、図5は、同衣類乾燥機の電極の斜視図である。
【0018】
図1〜図5において、衣類等の乾燥対象Cを入れて乾燥させる回転ドラム1は、衣類乾燥機の本体2内に回転自在に設け、モータ3の駆動によりベルト(図示せず)を介して回転させるようにしている。
【0019】
ヒートポンプ装置4は、圧縮機5と、この圧縮機5で圧縮された冷媒の熱を放熱する放熱器6と、高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り弁や毛細管等からなる絞り手段7と、減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う吸熱器8とを冷媒が循環するように管路9で連結されており、冷媒は図1の矢印Bの方向に流れて循環し、ヒートポンプサイクルを実現する。温度検知手段10は、放熱器6の管路9に設けて冷媒の温度を検知するようにしている。
【0020】
乾燥用空気は、モータ3の駆動によりベルト(図示せず)を介して送風ファン11を回転させて風路12に送風し、ヒートポンプ装置4の吸熱器8から放熱器6を通過した後、衣類等を入れた乾燥室としての回転ドラム1へと導かれ、風路12に配設された吸熱器8および放熱器6と、回転ドラム1との間を循環する。
【0021】
吸熱器8では、回転ドラム1内の湿った衣類と接触して多湿となった乾燥用空気を冷却除湿し、放熱器6では、吸熱器8で除湿された乾いた低温の乾燥用空気を再加熱して回転ドラム1へと送り込む。フィルター13は、回転ドラム1の後面の中央部に着脱可能に取り付けられ、乾燥用空気中の衣類から発生したリントやほこりを捕捉し回収する。
【0022】
衣類の乾燥度を検出する電極14は、乾燥運転中は、回転ドラム1内の衣類に接触するように回転ドラム1内に配設している。電極14は、金属製の2個の導電部材14aと、この導電部材14aを電気的に絶縁する絶縁部材14bとで構成され、導電部材14aに
回転ドラム1内で撹拌されている衣類が接触することによって、導電部材14a間の抵抗値Rを検知し、衣類の乾燥状態を検出するようにしている。
【0023】
抵抗検知手段15は、乾燥運転中に回転ドラム1内の衣類が電極14の2個の導電部材14a間に跨って接触した衣類の抵抗値を検出するもので、乾燥度検出手段16は、抵抗検知手段15によって検知した衣類の抵抗値が、所定の値よりも小さくなったことを検出した回数の時間変化の情報より衣類の乾燥度を検出する。
【0024】
制御手段17は、抵抗検知手段15と乾燥度検出手段16の情報が入力され、また、温度検知手段10とフィルター目詰まり検出手段18の情報が入力され、モータ3と、ヒートポンプ装置4の圧縮機5および送風ファン11、報知手段19等を制御する。
【0025】
乾燥度検出手段16は、抵抗検知手段15により検知した衣類の抵抗値によって乾燥度を検出し、フィルター目詰まり検出手段18は、温度検知手段10により検知した温度情報によってフィルター13の目詰まり度合いを検出する。フィルター目詰まり検出手段18によりフィルター13の目詰まりを検出すると、報知手段19により報知する。
【0026】
制御手段17は、乾燥度検出手段16と温度検知手段10の情報により、ヒートポンプ装置4およびモータ3を制御し、圧縮機5の回転数Rは、制御手段17により一定速または温度検知手段10の情報により制御している。
【0027】
以上のように構成された衣類乾燥機について、以下その動作、作用を説明する。まず、本体2の前面に開閉自在に設けられた扉20を開いて乾燥対象Cの衣類を回転ドラム1内に投入し、乾燥運転を開始すると、モータ3が駆動し、回転ドラム1および送風ファン11が回転して風路12に乾燥用空気の流れ(矢印A)が生じる。乾燥用空気は、回転ドラム1内の衣類から水分を奪って多湿となった後、風路12内を通ってヒートポンプ装置43の吸熱器8へ導かれる。
【0028】
吸熱器8で低温の冷媒に熱を奪われた乾燥用空気は、冷却除湿されて乾いた低温の空気となって放熱器6へ運ばれる。吸熱器8で吸熱された熱量に、圧縮機5からの熱量が加わって高温となった冷媒からの放熱で加熱され、吹き出し口21から再び回転ドラム1内へと循環される。以上の繰り返しで衣類の乾燥が進行する。
【0029】
図6は、フィルター13が目詰まりしていないときの、抵抗検知手段15および温度検知手段10の出力特性と、圧縮機5の回転数の時間変化を示し、図7は、フィルター13が目詰まりしているときの、抵抗検知手段15および温度検知手段10の出力特性と、圧縮機5の回転数の時間変化を示したものである。
【0030】
図6(a)、図7(a)は、平均的な普通の衣類を乾燥させたときの、単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数Yの時間変化を示したものである。
【0031】
乾燥運転当初にはy1、y2であったものが、乾燥の進行により徐々に回数が減少し、時刻t7、t10において0となる。フィルター13が目詰まりしていない場合や衣類の水分量が少ないときは、乾燥運転当初の電極14に湿った部分が当たる頻度が低く、y1が小さくなるため、乾燥に時間がかかるためt7が早くなる。逆に、フィルターが目詰まりしている場合や衣類の水分量が多いときはt7が遅くなる。
【0032】
図7(b)に示すように、圧縮機5が一定回転数で回転しているときの温度検知手段10の検知温度がth1からth2まで上昇する時間T6(t4からt5までの時間)が、
図6(b)に示す時間T3(t1からt2までの時間)より早い場合は、フィルター目詰まり検出手段18はフィルター13が目詰まりしていると判定する。
【0033】
制御手段17は、乾燥度検出手段16とフィルター目詰まり検出手段18の情報によって、乾燥運転終了時に適度な乾燥状態になるように、時刻t5以降の運転時間T8、T11を決定し、ヒートポンプ装置4の圧縮機5の回転数R1は変更せずに時刻t7、t10まで駆動する。
【0034】
図6(a)と図7(a)を比較すると、y1とy2はほぼ同じ値であるが、図7(a)の方がフィルター13が目詰まりしているので乾燥速度が遅く、t10はt7よりも遅くなる。また、残りの運転時間T11は、乾燥速度が遅いため、図6のT8よりも長い時間になる。
【0035】
次に、図8(a)は、フィルター13が目詰まりしているときに、図7と同じ普通の衣類を乾燥させたときの、単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数Yの時間変化を示したものである。
【0036】
乾燥運転当初にはy2であったものが、乾燥の進行により徐々に回数が減少し、時刻t10において0となる。図7(b)と同様に、図8(b)においてもフィルター13が目詰まりしているために通過風量が少なくなり、時間T6(t4からt5までの時間)が、図6(b)に示す時間T3(t1からt2までの時間)より早くなっており、フィルター目詰まり検出手段18はフィルター13が目詰まりしていると判定する。
【0037】
制御手段17は、乾燥度検出手段16とフィルター目詰まり検出手段18の情報によって、乾燥運転終了時に適度な乾燥状態になるように時刻t10以降の運転時間T13を決定し、図8(c)に示すように、制御手段17によりヒートポンプ装置4の圧縮機5を時刻t14まで駆動するとともに、圧縮機5の回転数RをR1からR2へ低下させる。
【0038】
ヒートポンプ装置4の圧縮機5の回転数は、所定時間t10からt14まで通常時より回転数を落としているが、衣類はそれまでの乾燥運転でほぼ乾燥しているのに加え、衣類も温まっており、十分に衣類を乾燥させることができる。また、圧縮機5の回転数を低くしているので入力が少なくなり、消費電力を抑えることができる。
【0039】
また、図9(c)に示すように、温度検知手段10の設定値は、所定時間t10からt14まで通常時の設定値th4からth5まで落としているが、衣類はそれまでの乾燥運転でほぼ乾燥しているのに加え、衣類も温まっており、十分に衣類を乾燥させることができる。また、温度検知手段10の設定値thをth4からth5へ低くすることで、圧縮機5の回転数を抑えることができ、ヒートポンプ装置4への入力が少なくてすみ、消費電力を抑えることができる。
【0040】
図6(a)と、図7(a)、図8(a)を比較すると、y1とy2は、ほぼ同じ値であるが、フィルター13が目詰まりしているために通過風量が少なく、乾燥速度が遅くなり、t10はt7よりも遅くなる。図7、図8において、残りの運転時間T11、T13は、乾燥速度が遅いため、図6のT8よりも長い時間になる。
【0041】
また、ヒートポンプ装置4の圧縮機5の回転数も、フィルター13が目詰まりしていると、風量が少ないため冷媒の圧力が高くなり、圧縮機5を駆動する電力消費量が多く必要になる。そのため、圧縮機5の回転数を低くすることによって消費電力を抑えることができる。圧縮機5の回転数を抑えても風量が低下しているため、温風の温度はフィルター13が目詰まりしていないときの温風の温度と略同等になり、十分に衣類を乾燥させること
ができる。
【0042】
以上のように、本発明の衣類乾燥機は、通常は乾燥度検出手段16からの単位時間当りに抵抗検知手段15によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置4の駆動を行う残り時間を決定し、フィルター目詰まり検出手段18によりフィルター13の目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降のヒートポンプ装置4の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、ヒートポンプ装置4の圧縮機5を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにしたものであり、フィルター13が目詰まりしている状態であっても、適度な乾き具合に応じた遅延時間を設定し、衣類を適度な乾き具合まで乾かせてから乾燥運転を終了することできるとともに、ヒートポンプ装置4の圧縮機5を効率よく駆動することができるので省エネ性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかる衣類乾燥機は、フィルターが目詰まりしている状態でも、正確に衣類の乾燥検知をおこなうことができ、適度な乾き具合で運転を終了することができるとともに、省エネ性を向上することができるので、衣類乾燥機として有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 回転ドラム
3 モータ
4 ヒートポンプ装置
5 圧縮機
6 放熱器
7 絞り手段
8 吸熱器
9 管路
10 温度検知手段
11 送風ファン
12 風路
13 フィルター
15 抵抗検知手段
16 乾燥度検出手段
17 制御手段
18 フィルター目詰まり検出手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類等を収容し乾燥させる回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、圧縮機と圧縮された冷媒の熱を放熱する放熱器と高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り手段と減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う吸熱器とを冷媒が循環するように管路で連結したヒートポンプ装置と、前記ヒートポンプ装置により加熱された温風を前記回転ドラムへ供給する送風ファンと、前記送風ファンにより送風される乾燥用空気を前記吸熱器から前記放熱器へと流して前記回転ドラムへと導く風路と、前記風路内に配設され衣類等から発生するリントを回収するフィルターと、前記回転ドラム内の衣類の抵抗値を検知する抵抗検知手段と、前記抵抗検知手段より衣類の乾燥度を検出する乾燥度検出手段と、前記放熱器の前記管路を流れる冷媒の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により前記フィルターの目詰まり度合いを検出するフィルター目詰まり検出手段と、前記ヒートポンプ装置等を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、通常は前記乾燥度検出手段からの単位時間当りに前記抵抗検知手段によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を決定し、前記フィルター目詰まり検出手段によりフィルターの目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにした衣類乾燥機。
【請求項2】
制御手段は、圧縮機の回転数を通常時の約半分で残り時間の運転をおこなうようにした請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
制御手段は、温度検知手段の閾値を通常時より低くして残り時間の運転をおこなうようにした請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項1】
衣類等を収容し乾燥させる回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、圧縮機と圧縮された冷媒の熱を放熱する放熱器と高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り手段と減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪う吸熱器とを冷媒が循環するように管路で連結したヒートポンプ装置と、前記ヒートポンプ装置により加熱された温風を前記回転ドラムへ供給する送風ファンと、前記送風ファンにより送風される乾燥用空気を前記吸熱器から前記放熱器へと流して前記回転ドラムへと導く風路と、前記風路内に配設され衣類等から発生するリントを回収するフィルターと、前記回転ドラム内の衣類の抵抗値を検知する抵抗検知手段と、前記抵抗検知手段より衣類の乾燥度を検出する乾燥度検出手段と、前記放熱器の前記管路を流れる冷媒の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により前記フィルターの目詰まり度合いを検出するフィルター目詰まり検出手段と、前記ヒートポンプ装置等を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、通常は前記乾燥度検出手段からの単位時間当りに前記抵抗検知手段によって衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数の時間変化の情報より、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を決定し、前記フィルター目詰まり検出手段によりフィルターの目詰まりを検出したときは、衣類の抵抗値が所定の値よりも小さいことを検出した回数がほぼ0となった以降の前記ヒートポンプ装置の駆動を行う残り時間を通常とは異なる時間を設定し、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を通常時より少ない回転数で残り時間の運転をおこなうようにした衣類乾燥機。
【請求項2】
制御手段は、圧縮機の回転数を通常時の約半分で残り時間の運転をおこなうようにした請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
制御手段は、温度検知手段の閾値を通常時より低くして残り時間の運転をおこなうようにした請求項1記載の衣類乾燥機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−85793(P2013−85793A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230484(P2011−230484)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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